特許第6040468号(P6040468)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6040468-リーク検査方法およびリーク検査装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6040468
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】リーク検査方法およびリーク検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/20 20060101AFI20161128BHJP
【FI】
   G01M3/20 Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-7050(P2012-7050)
(22)【出願日】2012年1月17日
(65)【公開番号】特開2013-148371(P2013-148371A)
(43)【公開日】2013年8月1日
【審査請求日】2015年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233619
【氏名又は名称】株式会社ニチリン
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高田 量士
(72)【発明者】
【氏名】井上 健二
(72)【発明者】
【氏名】藤井 秀行
【審査官】 田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−121296(JP,A)
【文献】 実開平04−085139(JP,U)
【文献】 実開平05−011042(JP,U)
【文献】 特開2005−164525(JP,A)
【文献】 特開昭55−067634(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0126250(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00−3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査容器内にホースを収容する収容ステップと、
前記ホース内に検知対象ガスを供給する検知対象ガス供給ステップと、
前記ホースの一端側から前記検査容器内に検知非対象ガスを供給する検知非対象ガス供給ステップと、
前記ホースの他端側において、前記検査容器内の前記検知対象ガスを検知する検知ステップと、
を有し、
前記検知ステップは、前記検査容器内を流動した後に前記ホースの他端側から外部に排出される前記検知非対象ガスによって前記ホースの他端側に移動された前記検知対象ガスをガス検知器で検知するものであり、
前記ガス検知器が設置されている箇所における前記検知非対象ガスの流速を、30〜80m/minに調整することを特徴とするリーク検査方法。
【請求項2】
前記ホースは被覆管で覆われており、
前記被覆管の一端と他端との間の任意の位置に位置するシール材で、前記被覆管と前記検査容器との間をシールするシール手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載のリーク検査方法。
【請求項3】
ホースが収容される検査容器と、
前記検査容器内に収容された前記ホース内に検知対象ガスを供給する検知対象ガス供給手段と、
前記検査容器内に収容された前記ホースの一端側から前記検査容器内に検知非対象ガスを供給する検知非対象ガス供給手段と、
前記検査容器内に収容された前記ホースの他端側において、前記検査容器内の前記検知対象ガスを検知するガス検知器と、
を有し、
前記検査容器における前記ホースの他端側には、前記検査容器内の前記検知非対象ガスを外部に排出する排気口が形成されており、
前記ガス検知器は、前記検査容器内を流動した後に前記排気口から外部に排出される前記検知非対象ガスによって前記ホースの他端側に移動された前記検知対象ガスを検知し、
前記ガス検知器が設置されている箇所における前記検知非対象ガスの流速が、30〜80m/minに調整されていることを特徴とするリーク検査装置。
【請求項4】
前記ホースは被覆管で覆われており、
前記検査容器内に収容された前記ホースを覆う前記被覆管の一端と他端との間の任意の位置に位置されて、前記被覆管と前記検査容器との間をシールするシール材を更に有することを特徴とする請求項3に記載のリーク検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、継手付ホースおよびホース単体(以下、総称して「ホース」という)からのガス漏れの有無を検査するリーク検査方法およびリーク検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ホースなど所定の密閉性が要求される製品においては、その密閉性を検査する必要がある。
【0003】
特許文献1には、検査容器内に被検査物を気密状態で収納し、検査容器内には基準気体を供給し、被検査物内にはプローブガスを供給して、プローブガスが混入した基準気体を検査容器から取り出して再度検査容器へ戻すように循環させながら、プローブガス検知器でプローブガスの濃度を一定時間継続して計測することで、ガス漏れの有無を判断するリーク検査方法及びその装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−300626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ホースから漏れたガスが、ホースを収容する検査容器内に拡散するのに時間がかかるため、ガス漏れを検知するまでにかなりの時間を要するという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、ガス漏れを早期に検出することが可能なリーク検査方法およびリーク検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明におけるリーク検査方法は、検査容器内にホースを収容する収容ステップと、前記ホース内に検知対象ガスを供給する検知対象ガス供給ステップと、前記ホースの一端側から前記検査容器内に検知非対象ガスを供給する検知非対象ガス供給ステップと、前記ホースの他端側において、前記検査容器内の前記検知対象ガスを検知する検知ステップと、を有し、前記検知ステップは、前記検査容器内を流動した後に前記ホースの他端側から外部に排出される前記検知非対象ガスによって前記ホースの他端側に移動された前記検知対象ガスをガス検知器で検知するものであり、前記ガス検知器が設置されている箇所における前記検知非対象ガスの流速を、30〜80m/minに調整することを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、ホースから漏れた検知対象ガスは、ホースの一端側から検査容器内に供給された検知非対象ガスによってホースの他端側に運ばれて、検知対象ガスを検知する手段により検知されることとなる。このように、ホースから漏れた検知対象ガスを、検知対象ガスを検知する手段の方に積極的に移動させることで、ホースから漏れた検知対象ガスを検査容器内に拡散させた後に検知対象ガスを検知する手段で検知するのに比べて、ガス漏れを早期に検出することができる。
【0009】
また、本発明におけるリーク検査方法において、前記ホースは被覆管で覆われており、前記被覆管の一端と他端との間の任意の位置に位置するシール材で、前記被覆管と前記検査容器との間をシールするシール手段を更に有していてよい。上記の構成によれば、ホースの一端側から検査容器内に供給された検知非対象ガスは、シール材により行く手を阻まれることで、被覆管の一端からホースと被覆管との間に流入する。これにより、ホースの被覆管で覆われている部分から漏れた検知対象ガスは、ホースと被覆管との間を流れる検知非対象ガスによって押し流されて、被覆管の他端から検知非対象ガスとともに排出され、検知対象ガスを検知する手段により検知されることとなる。よって、ホースの被覆管で覆われている部分から漏れた検知対象ガスが、自然にホースと被覆管との間から拡散して、検知対象ガスを検知する手段により検知されるのに比べて、ガス漏れを早期に検出することができる。
【0010】
また、本発明におけるリーク検査装置は、ホースが収容される検査容器と、前記検査容器内に収容された前記ホース内に検知対象ガスを供給する検知対象ガス供給手段と、前記検査容器内に収容された前記ホースの一端側から前記検査容器内に検知非対象ガスを供給する検知非対象ガス供給手段と、前記検査容器内に収容された前記ホースの他端側において、前記検査容器内の前記検知対象ガスを検知するガス検知器と、を有し、前記検査容器における前記ホースの他端側には、前記検査容器内の前記検知非対象ガスを外部に排出する排気口が形成されており、前記ガス検知器は、前記検査容器内を流動した後に前記排気口から外部に排出される前記検知非対象ガスによって前記ホースの他端側に移動された前記検知対象ガスを検知し、前記ガス検知器が設置されている箇所における前記検知非対象ガスの流速が、30〜80m/minに調整されていることを特徴とする。
【0011】
上記の構成によれば、ホースから漏れた検知対象ガスは、ホースの一端側から検査容器内に供給された検知非対象ガスによってホースの他端側に運ばれて、ガス検知器により検知されることとなる。このように、ホースから漏れた検知対象ガスを、ガス検知器の方に積極的に移動させることで、ホースから漏れた検知対象ガスを検査容器内に拡散させた後にガス検知器で検知するのに比べて、ガス漏れを早期に検出することができる。
【0012】
また、本発明におけるリーク検査装置において、前記ホースは被覆管で覆われており、前記検査容器内に収容された前記ホースを覆う前記被覆管の一端と他端との間の任意の位置に位置されて、前記被覆管と前記検査容器との間をシールするシール材を更に有していてよい。上記の構成によれば、ホースの一端側から検査容器内に供給された検知非対象ガスは、シール材により行く手を阻まれることで、被覆管の一端からホースと被覆管との間に流入する。これにより、ホースの被覆管で覆われている部分から漏れた検知対象ガスは、ホースと被覆管との間を流れる検知非対象ガスによって押し流されて、被覆管の他端から検知非対象ガスとともに排出され、ガス検知器により検知されることとなる。よって、ホースの被覆管で覆われている部分から漏れた検知対象ガスが、自然にホースと被覆管との間から拡散して、ガス検知器により検知されるのに比べて、ガス漏れを早期に検出することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のリーク検査方法およびリーク検査装置によると、ホースから漏れた検知対象ガスを、検知対象ガスを検知する手段(ガス検知器)の方に積極的に移動させることで、ガス漏れを早期に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】リーク検査装置を示す上面図および側面図である。
図2】リーク検査装置を示す上面図である。
図3】水素ガスの検出結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0016】
(リーク検査装置の構成)
本実施形態によるリーク検査方法は、リーク検査装置1により行われる。リーク検査装置1は、上面図である図1(a)および側面図である図1(b)に示すように、検査容器2と、シール材4と、検知対象ガス供給手段5と、検知非対象ガス供給手段6と、ガス検知器7と、を有している。
【0017】
検査容器2は、上面が開放された容器本体2aと、容器本体2aの上面を覆うことが可能な蓋2bとを有している。検査容器2内には、コルゲート管などの被覆管22で覆われたホース21が収容される。図1(a)のA−A断面図である図1(c)に示すように、容器本体2aは、ホース21を安定的に保持できるように、断面U字状に形成されている。また、図1(b)に示すように、検査容器2の内部空間は、図中右側の側壁に形成された排気口2cにより外気と連通している。
【0018】
シール材4は、スポンジなどであって、検査容器2内に収容されたホース21を覆う被覆管22の一端(図中左端)と他端(図中右端)との間の任意の位置に位置するように、容器本体2aと蓋2bとにそれぞれ設けられている。本実施形態では、シール材4は、被覆管22の一端と他端との間であって、一端側近傍に設けられている。そして、シール材4は、容器本体2aの上面が蓋2bで覆われた際に、被覆管22と検査容器2との間をシールする。具体的には、シール材4は、容器本体2aの上面が蓋2bで覆われた際に、被覆管22と容器本体2aとの間、および、被覆管22と蓋2bとの間をシールする。
【0019】
検知対象ガス供給手段5は、検査容器2内に収容されたホース21の一端(図中左端)に接続する接続管5aと、他端(図中右端)に接続する接続管5bとを有している。そして、検知対象ガス供給手段5は、検査容器2内に収容されたホース21内に水素ガス(検知対象ガス)を供給する。ここで、ホース21内への水素ガスの供給方向は、ホース21の一端(図中左端)から他端(図中右端)に向かう方向であっても、その逆の方向であってもよい。なお、ホース21内に供給する検知対象ガスは水素ガスに限定されない。
【0020】
検知非対象ガス供給手段6は、検査容器2の図中左側の側壁を貫通して検査容器2内に連通する供給管6aを有している。そして、検知非対象ガス供給手段6は、検査容器2内に収容されたホース21の一端(左端)側から検査容器2内に空気(検知非対象ガス)を供給する。空気の供給量は、例えば、40L/minである。検査容器2内に供給された空気は、検査容器2内を流動し、検査容器2の右側側壁に形成された排気口2cから排出される。なお、検査容器2内に供給する検知非対象ガスは空気に限定されない。
【0021】
ガス検知器7は、図1(a)のB−B断面図である図1(d)にも示すように、検査容器2内に収容されたホース21の他端(右端)側において、検査容器2内に配置されたプローブ7aを有している。そして、ガス検知器7は、ホース21の他端側において、検査容器2内の水素ガスを検知する。ここで、ホース21の全長にわたってガス漏れの有無を検査するために、プローブ7aの位置は、ホース21の他端(右端)よりも右側に配置されていることが好ましい。
【0022】
このような構成において、容器本体2a内に被覆管22で覆われたホース21が収容され、ホース21の一端(図中左端)に接続管5aが、ホース21の他端(図中右端)に接続管5bが、それぞれ接続された後に、容器本体2aの上面が蓋2bで覆われることで、被覆管22と容器本体2aとの間、および、被覆管22と蓋2bとの間がシール材4でシールされる。そして、検知対象ガス供給手段5によりホース21内に水素ガスが供給されるとともに、検知非対象ガス供給手段6の供給管6aから検査容器2内に40L/minの供給量で空気が供給される。
【0023】
ホース21の一端側から検査容器2内に供給された空気は、シール材4により行く手を阻まれることで、被覆管22の一端からホース21と被覆管22との間に流入する。これにより、ホース21の被覆管22で覆われている部分から漏れた水素ガスは、ホース21と被覆管22との間を流れる空気によって押し流されて、被覆管22の他端から空気とともに排出され、ガス検知器7により検知されることとなる。よって、ホース21の被覆管22で覆われている部分から漏れた水素ガスが、自然にホース21と被覆管22との間から拡散して、ガス検知器7により検知されるのに比べて、ガス漏れを早期に検出することができる。
【0024】
なお、検査容器2の容器本体2aおよび蓋2bの形状を被覆管22に密接するような形状にして、容器本体2aと被覆管22との間、および、蓋2bと被覆管22との間に隙間が生じないようにすれば、ホース21の一端側から検査容器2内に供給された空気は、必ず被覆管22の一端からホース21と被覆管22との間に流入するので、シール材4を用いなくてもガス漏れの早期検出が可能である。しかし、この場合、高精度な加工により検査容器2がコスト高になるとともに、検査容器2に対してホース21を着脱し難くなり作業性が低下するばかりか、着脱時にホース21および被覆管22を変形・損傷させる危険性もある。また、被覆管22の形状に合わせた検査容器2は汎用性に乏しく、他品種に流用できない。その点、安価なシール材4を用いて空気の流れをコントロールするようにすれば、汎用性が有りコストの低い検査容器2に対して、ホース21および被覆管22を変形・損傷させることなく、高い作業性で着脱させて、ガス漏れを早期に検出することができる。
【0025】
(変形例)
また、本実施形態によるリーク検査方法は、図2に示すように、コルゲート管などの被覆管で覆われていないホース31にも適用可能である。このホース31は被覆管で覆われていないため、ホースと被覆管との間に空気を流入させるためのシール材4は用いられていない。その他の構成は図1の構成と同じである。
【0026】
このような構成において、ホース31から漏れた水素ガスは、ホース31の一端側から検査容器2内に供給された空気によってホース31の他端側に運ばれて、ガス検知器7により検知されることとなる。このように、ホース31から漏れた水素ガスを、ガス検知器7の方に積極的に移動させることで、ホース31から漏れた水素ガスを検査容器2内に拡散させた後にガス検知器7で検知するのに比べて、ガス漏れを早期に検出することができる。
【0027】
(ガス漏れ検知試験)
次に、模擬的にガス漏れを生じさせて、それを検知する試験を行った。具体的には、図1において、被覆管22の一端(左端)よりも一端側における検査容器2内のC箇所と、シール材4の右端よりも右側におけるホース21と被覆管22との間のD箇所とに、図示しない漏れ器から0.6mL/minの供給量で水素ガスを注入し、水素ガスの注入を開始してから5sec後に供給管6aから検査容器2内に40L/minの供給量で空気を供給し、空気の供給を開始してから10sec以内に検出した水素ガスの濃度をガス検知器7で測定した。ここで、ガス検知器7のアラーム濃度は1ppmに設定した。その結果を図3に示す。
【0028】
C箇所から漏れた水素ガスは、空気とともに被覆管22の一端からホース21と被覆管22との間に流入し、被覆管22の他端から空気とともに排出され、ガス検知器7により検知される。また、D箇所から漏れた水素ガスは、ホース21と被覆管22との間を流れる空気によって押し流されて、被覆管22の他端から空気とともに排出され、ガス検知器7により検知される。ガス漏れ発生個所がC箇所およびD箇所のどちらにおいても、水素ガスは好適に検出されていることがわかる。
【0029】
なお、ホース21と被覆管22との隙間を流れる空気の流速は、300〜700m/min(流量:25〜55L/min)に調整され、プローブ7aが設置されている箇所における空気の流速は、30〜80m/minに調整されている。このような流速とすることで、検査容器2内への空気の供給を開始してから10sec以内に水素ガスを検知することが可能となる。一方、空気の流速が上記の値より速すぎたり遅すぎたりすると、10sec以内に水素ガスを検知することはできない。
【0030】
また、図2に示すように、検査容器2内におけるホース31の一端側近傍のE箇所に、図示しない漏れ器から0.6mL/minの供給量で水素ガスを注入して、水素ガスの濃度を同様に測定した。その結果を図3に示す。
【0031】
E箇所から漏れた水素ガスは、空気とともにホース31の他端側に流動し、ガス検知器7により検知される。検出された水素濃度は4ppm前後であり、C箇所およびD箇所の場合と比べて低い値であった。これは、検査容器2内で水素ガスが拡散されたためであると考えられる。それでも、水素ガスが自然に検査容器2内に拡散してこれをガス検知器7で検出するのに要する時間(数分)に比べれば、10sec程度で水素ガスを検知できていることがわかる。
【0032】
なお、ホース31と検査容器2との間を流れる空気の流速は、200〜500m/min(流量:25〜55L/min)に調整され、プローブ7aが設置されている箇所における空気の流速は、30〜80m/minに調整されている。このような流速とすることで、検査容器2内への空気の供給を開始してから10sec以内に水素ガスを検知することが可能となる。一方、空気の流速が上記の値より速すぎたり遅すぎたりすると、10sec以内に水素ガスを検知することはできない。
【0033】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係るリーク検査方法およびリーク検査装置1によると、ホース21,31から漏れた水素ガスは、ホース21,31の一端側から検査容器2内に供給された空気によってホース21,31の他端側に運ばれて、ガス検知器7により検知されることとなる。このように、ホース21,31から漏れた水素ガスを、ガス検知器7の方に積極的に移動させることで、ホース21,31から漏れた水素ガスを検査容器2内に拡散させた後にガス検知器7で検知するのに比べて、ガス漏れを早期に検出することができる。
【0034】
また、ホース21の一端側から検査容器2内に供給された空気は、シール材4により行く手を阻まれることで、被覆管22の一端からホース21と被覆管22との間に流入する。これにより、ホース21の被覆管22で覆われている部分から漏れた水素ガスは、ホース21と被覆管22との間を流れる空気によって押し流されて、被覆管22の他端から空気とともに排出され、ガス検知器7により検知されることとなる。よって、ホース21の被覆管22で覆われている部分から漏れた水素ガスが、自然にホース21と被覆管22との間から拡散して、ガス検知器7により検知されるのに比べて、ガス漏れを早期に検出することができる。
【0035】
(本実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0036】
1 リーク検査装置
2 検査容器
2a 容器本体
2b 蓋
2c 排気口
4 シール材
5 検知対象ガス供給手段
5a,5b 接続管
6 検知非対象ガス供給手段
6a 供給管
7 ガス検知器
7a プローブ
21,31 ホース
22 被覆管
図1
図2
図3