(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1次共振器コイルを有する1次共振器で発生させる所定周波数の電磁界を介して、2次共振器コイルを有する2次共振器に電気エネルギーを伝送する電力伝送システムであって、前記1次共振器コイルが地面に対し平行となる第1基準軸周りに導体線を周回させて構成された主コイルからなり、
前記主コイルの周回端面の延長面で構成される空間の外側で、かつ前記第1基準軸と平行となる軸周りに導体線を周回させて構成されたノイズキャンセル共振器コイルが2つ以上、前記1次共振器コイルとの結合係数がそれぞれ等しくなるような位置に配され、
複数の前記ノイズキャンセル共振器コイルは、前記1次共振器コイルの周囲を囲むように、1つのキャパシタと共に導体によって接続され、前記1次共振器コイルとは電気的に絶縁されていることを特徴とする電力伝送システム。
1次共振器コイルを有する1次共振器で発生させる所定周波数の電磁界を介して、2次共振器コイルを有する2次共振器に電気エネルギーを伝送する電力伝送システムであって、前記1次共振器コイルが地面に対し平行となる第1基準軸周りに導体線を周回させて構成された主コイルからなり、
前記主コイルの周回端面の延長面で構成される空間の内側で、かつ前記第1基準軸と平行となる軸周りに導体線を周回させて構成されたノイズキャンセル共振器コイルが2つ以上、前記1次共振器コイルとの結合係数がそれぞれ等しくなるような位置に配され、
複数の前記ノイズキャンセル共振器コイルは、前記1次共振器コイルの周囲を囲むように、1つのキャパシタと共に導体によって接続され、前記1次共振器コイルとは電気的に絶縁されていることを特徴とする電力伝送システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の実施形態に係る電力伝送システムのブロック図である。なお、本実施形態においては、電力伝送システムを構成する送電側のアンテナとして1次共振器150を、また、受電側のアンテナとして2次共振器250を用いる例につき説明する。
【0014】
本発明のアンテナが用いられる電力伝送システムとしては、例えば、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)などの車両への充電のためのシステムが想定されている。電力伝送システムは、上記のような車両に対して電力を非接触で伝送するため、当該車両を停車させることが可能な停車スペースに設けられる。車両のユーザーはこの電力伝送システムが設けられている停車スペースに車両を停車させて、車両に搭載されている2次共振器250と、前記1次共振器150とを対向させることによって電力伝送システムからの電力を受電する。
【0015】
電力伝送システムでは、電力伝送システム100側の1次共振器150から、受電側システム200側の2次共振器250へ効率的に電力を伝送する際、1次共振器150の共振周波数と、2次共振器250の共振周波数とを同一とすることで、送電側アンテナから受電側アンテナに対し、効率的にエネルギー伝達を行うようにする。
【0016】
電力伝送システム100におけるAC/DC変換部101は、入力される商用電源を一定の直流に変換するコンバータである。このAC/DC変換部101からの出力は電圧制御部102において、所定の電圧に昇圧されたりする。この電圧制御部102で生成される電圧の設定は主制御部110から制御可能となっている。
【0017】
インバーター部103は、電圧制御部102から供給される電圧から所定の交流電圧を生成して、整合器104に入力する。
図2は電力伝送システムのインバーター部を示す図である。インバーター部103は、例えば
図2に示すように、フルブリッジ方式で接続されたQ
A乃至Q
Dからなる4つの電界効果トランジスタ(FET)によって構成されている。
【0018】
本実施形態においては、直列接続されたスイッチング素子Q
Aとスイッチング素子Q
Bの間の接続部T1と、直列接続されたスイッチング素子Q
Cとスイッチング素子Q
Dとの間の接続部T2との間に整合器104が接続される構成となっており、スイッチング素子Q
A
とスイッチング素子Q
Dがオンのとき、スイッチング素子Q
Bとスイッチング素子Q
Cがオ
フとされ、スイッチング素子Q
Bとスイッチング素子Q
Cがオンのとき、スイッチング素子Q
Aとスイッチング素子Q
Dがオフとされることで、接続部T1と接続部T2との間に矩形波の交流電圧を発生させる。なお、本実施形態においては、各スイッチング素子のスイッチングによって生成される矩形波の周波数の範囲は20kHz〜数1000kHz程度である。
【0019】
上記のようなインバーター部103を構成するスイッチング素子Q
A乃至Q
Dに対する駆動信号は主制御部110から入力されるようになっている。また、インバーター部103を駆動させるための周波数は主制御部110から制御することができるようになっている。
【0020】
整合器104は、所定の回路定数を有する受動素子から構成され、インバーター部103からの出力が入力される。そして、整合器104からの出力は1次共振器150に供給される。整合器104を構成する受動素子の回路定数は、主制御部110からの指令に基づいて調整することができるようになっている。主制御部110は、1次共振器150と2次共振器250とが共振するように整合器104に対する指令を行う。なお、整合器104は必須の構成ではない。
【0021】
1次共振器150は、誘導性リアクタンス成分を有する1次共振器コイル160と、容量性リアクタンス成分を有する1次共振器キャパシタ170とから構成されており、対向するようにして配置される車両搭載の2次共振器250と共鳴することで、1次共振器1
50から出力される電気エネルギーを2次共振器250に送ることができるようになっている。1次共振器150・2次共振器250は、電力伝送システム100における磁気共鳴アンテナ部として機能する。
【0022】
電力伝送システム100の主制御部110はCPUとCPU上で動作するプログラムを保持するROMとCPUのワークエリアであるRAMなどからなる汎用の情報処理部である。この主制御部110は、図示されている主制御部110と接続される各構成と協働するように動作する。
【0023】
また、通信部120は車両側の通信部220と無線通信を行い、車両との間でデータの送受を可能にする構成である。通信部120によって受信したデータは主制御部110に転送され、また、主制御部110は所定情報を通信部120を介して車両側に送信することができるようになっている。
【0024】
次に、車両側に設けられている構成について説明する。車両の受電側のシステムにおいて、2次共振器250は、1次共振器150と共鳴することによって、1次共振器150から出力される電気エネルギーを受電するものである。このような2次共振器250は、車両の底面部に取り付けられるようになっている。
【0025】
2次共振器250は、誘導性リアクタンス成分を有する2次共振器コイル260と、容量性リアクタンス成分を有する2次共振器キャパシタ270とから構成されている。
【0026】
2次共振器250で受電された交流電力は、整流部202において整流され、整流された電力は充電制御部203を通して電池204に蓄電されるようになっている。充電制御部203は主制御部210からの指令に基づいて電池204の蓄電を制御する。より具体的には、整流部202からの出力は充電制御部203において、所定の電圧値に昇圧又は降圧されて、電池204に蓄電されるようになっている。また、充電制御部203は電池204の残量管理なども行い得るように構成される。
【0027】
主制御部210はCPUとCPU上で動作するプログラムを保持するROMとCPUのワークエリアであるRAMなどからなる汎用の情報処理部である。この主制御部210は、図示されている主制御部210と接続される各構成と協働するように動作する。
【0028】
インターフェイス部215は、車両の運転席部に設けられ、ユーザー(運転者)に対し所定の情報などを提供したり、或いは、ユーザーからの操作・入力を受け付けたりするものであり、表示装置、ボタン類、タッチパネル、スピーカーなどで構成されるものである。ユーザーによる所定の操作が実行されると、インターフェイス部215から操作データとして主制御部210に送られ処理される。また、ユーザーに所定の情報を提供する際には、主制御部210からインターフェイス部215に対して、所定情報を表示するための表示指示データが送信される。
【0029】
また、車両側の通信部220は送電側の通信部120と無線通信を行い、送電側のシステムとの間でデータの送受を可能にする構成である。通信部220によって受信したデータは主制御部210に転送され、また、主制御部210は所定情報を通信部220を介して送電システム側に送信することができるようになっている。
【0030】
電力伝送システムで、電力を受電しようとするユーザーは、上記のような送電側のシステムが設けられている停車スペースに車両を停車させ、インターフェイス部215から充電を実行する旨の入力を行う。これを受けた主制御部210は、充電制御部203からの電池204の残量を取得し、電池204の充電に必要な電力量を算出する。算出された電
力量と送電を依頼する旨の情報は、車両側の通信部220から送電側のシステムの通信部120に送信される。これを受信した送電側システムの主制御部110は電圧制御部102、インバーター部103、整合器104を制御することで、車両側に電力を伝送するようになっている。
【0031】
次ぎに、以上のように構成される1次共振器150・2次共振器250それぞれの回路定数(インダクタンス成分、キャパシタンス成分)について説明する。
図3は本発明の実施形態に係る電力伝送システム100の等価回路を示す図である。
【0032】
本発明に係る電力伝送システム100においては、1次共振器150の回路定数(インダクタンス成分、キャパシタンス成分)と、2次共振器250の回路定数とは、あえて異なるように構成することで、伝送効率を向上させるようにしている。
【0033】
図3に示す等価回路において、1次共振器150のインダクタンス成分がL
1、キャパ
シタンス成分がC
1、抵抗成分がRt
1であり、2次共振器250のインダクタンス成分が
L
2、キャパシタンス成分がC
2、抵抗成分がRt
2であり、1次共振器150と2次共振器250との間の相互インダクタンスがMであることを示している。なお、抵抗成分Rt
1及び抵抗成分Rt
2は導線などの内部抵抗であり、意図的に設けられているものではない。また、Rは電池204の内部抵抗を示している。また、1次共振器150と2次共振器250との間の結合係数はKによって示される。
【0034】
また、本実施形態においては、1次共振器150は、インダクタンス成分L
1、キャパ
シタンス成分C
1である直列共振器を、また、2次共振器250は、インダクタンス成分
L
2、キャパシタンス成分C
2である直列共振器を構成するものと考える。
【0035】
まず、磁気共鳴方式の電力伝送では、電力伝送システム100側の1次共振器150から、受電側システム200側の2次共振器250へ効率的に電力を伝送する際、1次共振器150の共振周波数と、2次共振器250の共振周波数とを同一とすることで、送電側アンテナ(1次共振器150)から受電側アンテナ(2次共振器250)に対し、効率的にエネルギー伝達を行うようにしている。このための条件は、下式(1)によって表すことができる。
【0037】
これを、インダクタンス成分がL
1、キャパシタンス成分がC
1、インダクタンス成分がL
2、キャパシタンス成分がC
2のみの関係で示すと、下式(2)に要約することができる。
【0039】
また、1次共振器150のインピーダンスは下式(3)により、また、2次共振器250のインピーダンスは下式(4)により、表すことができる。なお、本明細書においては
、下式(3)及び下式(4)によって定義される値をそれぞれの共振器のインピーダンスとして定義する。
【0042】
磁気共鳴方式の電力伝送システム100の受電側システムにおいて、電池204が定電圧充電モードに移行すると、電池204の電圧が一定なので、充電電力によって入力インピーダンスが変化する。電池204への充電電力が大きければ入力インピーダンスは低く、充電電力が小さければ入力インピーダンスは高くなる。受電側における2次共振器250は、効率の面から、電池204の充電電力に応じた入力インピーダンスに近いインピーダンスに設定することが望ましい。
【0043】
一方、送電側における電源から見た1次共振器150への入力インピーダンスは、効率の面から高ければ高いほどよい。これは電源の内部抵抗分により電流の2乗比例でロスが発生するためである。
【0044】
以上のことから、(3)式で示される1次共振器150のインピーダンスと、(4)式で示される2次共振器250のインピーダンスとの間には、下式(5)の関係が満たされることが望ましい。
【0046】
これを、インダクタンス成分がL
1、キャパシタンス成分がC
1、インダクタンス成分がL
2、キャパシタンス成分がC
2のみの関係で示すと、下式(6)に要約することができる。
【0048】
本発明に係る電力伝送システム100においては、1次共振器150の回路定数と、2次共振器250の回路定数とが上記の式(2)及び式(6)を満たすようにされているために、受電側システムで電池204の充電を行う場合に、効率的な電力伝送を行うことが
可能となる。
【0049】
さらに電池204の内部インピーダンスとの関係についても言及する。受電側システムにおいて、電池204に対して効率的に充電が行える条件として、2次共振器250のインピーダンスと、電池204のインピーダンスとが整合していることを挙げることができる。
【0050】
すなわち、本実施形態では、式(2)及び式(6)の条件に加えて、さらに、式(4)の2次共振器250のインピーダンスと電池204のインピーダンスRとの間に、
【0052】
の関係を持たせることで、受電側システムで電池204の充電を行う場合、システム全体として、効率的な電力伝送を行うことを可能としている。
【0053】
次に、以上のように構成される電力伝送システム100におけるノイズ漏洩対策について説明する。
【0054】
これまで説明したように、本実施形態に係る電力伝送システム100では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)などの車両搭載電池への充電を行うために用いられる。
図4は本発明の実施形態に係る電力伝送システムにおける1次共振器150及び2次共振器250の設置形態を説明する図である。
【0055】
図4に示すように、1次共振器150を構成する1次共振器コイル160及び1次共振器キャパシタ170は1次共振器ケース140に収納され、地面上に配される。一方、2次共振器250を構成する2次共振器コイル260及び2次共振器キャパシタ270は2次共振器ケース240に収納され、車両の底面部に取り付けられている。
【0056】
上記のような状況で、電力伝送システム100で電力伝送を実施すると、1次共振器150と2次共振器250とが対向していない周辺部で、電磁界強度が高いが領域が発生することで、ノイズが漏洩することとなる。
【0057】
このような、電力伝送中に共振器から漏洩した電磁界は、車両の金属部に入射しこれを加熱したり、車両の底面と地面との間から漏洩し、環境や人体へ影響を与える可能性があったりするので、好ましくない。
【0058】
そこで、本発明では、1次共振器コイル160が発生するノイズをキャンセルするための構成を備えるようにしている。この構成とは、1次共振器コイル160の一方の側方において、1次共振器コイル160と、所定の距離d離間させて配する第1コイル310と、同様に、1次共振器コイル160の他の側方において、1次共振器コイル160と、所定の距離d離間させて配する第2コイル350と、容量が調整可能な可変容量キャパシタ360と、物理的に、1次共振器コイル160の周囲を囲むようにして設けられると共に、第1コイル310と第2コイル350と可変容量キャパシタ360とを電気接続する導体370と、が設けられている。このように、導体370により、1次共振器コイル160が囲まれた構成とすることでノイズ低減効果を高めることができる。なお、1次共振器
コイル160は、第1コイル310と第2コイル350と可変容量キャパシタ360とから電気的に絶縁された状態にある。
【0059】
ここで、特許請求の範囲においては、第1コイル310と第2コイル350とは、「ノイズキャンセル共振器コイル」と表現されている。
【0060】
以下、具体的な構成について説明する。
図5は1次共振器コイル160及び2次共振器コイル260のレイアウトを説明する図である。また、
図6は本発明の実施形態に係る電力伝送システム100における1次共振器150の物理的な構成を模式的に示す図である。
【0061】
図5は1次共振器150が収納される1次共振器ケース140、及び、2次共振器250が収納される2次共振器ケース240を抜き出して示す図である。なお、本図においては、1次共振器150の1次共振器コイル160のみを示し、1次共振器キャパシタ170は図示省略している。同様に、2次共振器250の2次共振器コイル260のみを示し、2次共振器キャパシタ270は図示省略している。
【0062】
本実施形態においては、1次共振器コイル160は、フェライト基材161と、このフェライト基材161に巻回されたコイル巻き線162とからなり、2次共振器コイル260はフェライト基材261、このフェライト基材261に巻回されたコイル巻き線262とからなる。なお、
図5では、各コイルのみを図示し、1次共振器キャパシタ170については図示省略している。
【0063】
第1コイル310は、例えば、フェライト基材311と、このフェライト基材311に巻回されたコイル巻き線312とからなる。また、第2コイル350は、例えば、フェライト基材351と、このフェライト基材351に巻回されたコイル巻き線352とからなる。
【0064】
また、第1コイル310及び第2コイル350は、1次共振器コイル160からそれぞれ所定の距離d離間されるようにして配されている。より具体的には、1次共振器コイル160と第1コイル310との間の結合係数と、1次共振器コイル160と第2コイル350との間の結合係数とは、それぞれ等しくなるように配置されている。
【0065】
1次共振器コイル160を主コイルともいい、この1次共振器コイル160(主コイル)は、地面に対し平行となる第1基準軸周りに導体線を周回させて構成されたコイルとして定義する。
【0066】
ここで、本実施形態においては、第1コイル310及び第2コイル350は、1次共振器コイル160(主コイル)の周回端面の延長面で構成される空間の外側で、かつ前記第1基準軸と平行となる軸周りに導体線を周回させて構成されたものが用いられる。
【0067】
以上、本発明に係る電力伝送システム100によれば、上記のようなノイズキャンセル共振器コイルとなる第1コイル310と第2コイル350がノイズの漏洩を防止することができ、車両底面に共振器を装着した場合でも、電力伝送中に共振器から漏洩し車両底部の金属体に進入する磁界を低減することが可能となり、車両底部を加熱させてしまうことがなく、加えて、システムの電力伝送効率を向上させることができる。
【0068】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
図7は他の実施形態に係る1次共振器コイル160及び2次共振器コイル260のレイアウトを説明する図である。また、
図8は本発明の他の実施形態に係る電力伝送システム100における1次共振器150の物理
的な構成を模式的に示す図である。
【0069】
図7は1次共振器150が収納される1次共振器ケース140、及び、2次共振器250が収納される2次共振器ケース240を抜き出して示す図である。なお、本図においては、1次共振器150の1次共振器コイル160のみを示し、1次共振器キャパシタ170は図示省略している。同様に、2次共振器250の2次共振器コイル260のみを示し、2次共振器キャパシタ270は図示省略している。
【0070】
本実施形態においては、1次共振器コイル160は、フェライト基材161と、このフェライト基材161に巻回されたコイル巻き線162とからなり、2次共振器コイル260はフェライト基材261、このフェライト基材261に巻回されたコイル巻き線262とからなる。なお、
図7では、各コイルのみを図示し、1次共振器キャパシタ170については図示省略している。
【0071】
第1コイル310は、例えば、フェライト基材311と、このフェライト基材311に巻回されたコイル巻き線312とからなる。また、第2コイル350は、例えば、フェライト基材351と、このフェライト基材351に巻回されたコイル巻き線352とからなる。
【0072】
また、第1コイル310及び第2コイル350は、1次共振器コイル160からそれぞれ所定の距離e離間されるようにして配されている。より具体的には、1次共振器コイル160と第1コイル310との間の結合係数と、1次共振器コイル160と第2コイル350との間の結合係数とは、それぞれ等しくなるように配置されている。
【0073】
1次共振器コイル160を主コイルともいい、この1次共振器コイル160(主コイル)は、地面に対し平行となる第1基準軸周りに導体線を周回させて構成されたコイルとして定義する。
【0074】
ここで、本実施形態においては、第1コイル310及び第2コイル350は、1次共振器コイル160(主コイル)の周回端面の延長面で構成される空間の内側で、かつ前記第1基準軸と平行となる軸周りに導体線を周回させて構成されたものが用いられる。
【0075】
以上、他の実施形態に係る電力伝送システム100によれば、上記のようなノイズキャンセル共振器コイルとなる第1コイル310と第2コイル350がノイズの漏洩を防止することができ、車両底面に共振器を装着した場合でも、電力伝送中に共振器から漏洩し車両底部の金属体に進入する磁界を低減することが可能となり、車両底部を加熱させてしまうことがなく、加えて、システムの電力伝送効率を向上させることができる。