技術分野
超電導変圧器や超電導回転機などの超電導機器に適用されるものであって、超電導導体が巻回された巻線部を備えるとともに巻線部内に超電導導体同士の接続部を設けた超電導コイルの製造方法に 関する。
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
(イ)ところで、超電導線材の接続処理は、超電導線材の出荷前に行なうものと超電導線材の出荷後に行うものとに大別することができる。超電導線材の出荷前における接続処理であれば、超電導線製造装置やその他の成膜装置などを用いた方法が適用可能であり、特許文献3及び4などに示されている方法を採用することができる。
(ロ)一方、超電導線材の出荷後における超電導機器の巻線段階での接続処理の場合には、巻線途中で行なう都合上、超電導線製造装置のような大型の装置を配置して接続処理を行なうことは極めて困難であるので、実質的にこのような接続方法は採用できないことになる。従って、巻線途中で超電導線材同士を接続しようとした場合には、特許文献1または2に記載されているように、例えば半田合金などの比較的低温の加熱で溶融できる金属を用いて行うことになる。
(ハ)ここで問題となるのは、薄膜状超電導線材の機械的強度、すなわち曲げ強さである。上述のように、薄膜状超電導線材は基板を有し、その機械的強度としては基板の機械的強度が支配的である。基板の組成には数種類あるが、概ねステンレスに近い機械的強度を有するものであり、通常の導体である銅線に比べ硬く、曲げにくい性質を持っている。
(ニ)従って、超電導機器に用いられる、薄膜状超電導線材が巻回された巻線部を備えるとともに巻線部内に薄膜状超電導線材同士の接続部を設けてなる超電導コイルの製造工程において、薄膜状超電導線材に曲率を持たせて巻回している巻線途中において、例えば半田合金などの比較的低温の加熱で溶融できる金属を用いて薄膜状超電導線材同士を接合すると、接合部分(接続部)における薄膜状超電導線材はの曲率を持った曲線形状から元の直線的な形状に戻り易く、特に基板の元に戻ろうとする力が大きいことから、薄膜状超電導線材における基板上に形成された中間層と,中間層上に形成された超電導層との弱い結合部分での剥離が発生し易い、という問題が有った。
(ホ)図6は、従来の超電導コイルの巻線部内での超電導導体同士の接続部および接続方法の構成例を示す図であって、超電導コイルの製造工程において薄膜状超電導線材からなる超電導導体に曲率を持たせて巻回している巻線途中において半田を用いて超電導導体6a,6b同士を接合する接続部を示すものである。図6(a)は一方の超電導導体6bの断面構造を模式的に示す図であり、図6(b)は超電導導体6aと6bとの接続状態における断面構造を模式的に示す図であり、図6(c)は図6(b)におけるA0方向の矢視図である。
(ヘ)図6(b)は、円筒状の巻枠10に薄膜状超電導線材からなる超電導導体が巻回された巻線部を備えてなる超電導コイルの製造工程において、所定の曲率を持った巻枠10に超電導導体6aを巻回した後、超電導導体6aの巻き終わり側の端末部に超電導導体6bの巻き始め側の端末部を半田5での接合によって接続した状態を示している。図6(b)に示すように、超電導導体材6aと6bとの接続部では、超電導導体6aの巻き終わり側の端末部の外周側に位置する安定化金属層4と超電導導体6bの巻き始め側の端末部の内周側に位置する安定化金属層4とを対向させ、半田5により接合している。ここで、図6における超電導導体6a,6bとしては、いずれも、後述する図2の薄膜状超電導線材を用いている。
(ト)図6の接続方式では、その接合処理が加熱を伴う半田接合であることにより、図6(b)に示す超電導導体6aと6bとの接続状態において、超電導導体6bの巻き始め側の端末部の先端部分では、特に外周側に位置する,半田接合での加熱を受けた後の基板1がその元の形状に戻ろうとする機械的特性により白抜き矢印F0の方向(外周側に向う方向)に移動しようとする。一方、半田接合部は、白抜き矢印F0とは反対の方向(内周側に向かう方向)に超電導導体6bの安定化金属層4を引っ張るように作用する。このため、図6の接続方法では、超電導導体6bの巻き始め側の端末部の先端部分における基板1の元に戻ろうとする力(外周側に向う力)により、超電導導体6bにおける基板1上に形成された中間層2と,中間層2上に形成された超電導層3との弱い結合部分で剥離が発生することが問題となる。
(チ)また、超電導線材の出荷後における超電導機器の巻線段階での接続を、半田接合以外の例えば超音波接合や溶接などの加熱を伴う接合処理で行なう場合にも、半田接合の場合と同様な問題がある。
(リ)このため、本発明は、のような問題点を解決し、巻線部内の接続部での薄膜状超電導線材からなる超電導導体同士の加熱を伴う接合処理での接続が確実に行なわれるようにした超電導コイ
ルの 製造方法
および超電導コイル を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明では、
一面側が超電導層側、他面側が基板側となる多層構造の第1および第2の薄膜状超電導導体がこの順に巻回される超電導コイルの製造方法であって、
第2の超電導導体の端末部を幅が端末に近づくほど狭くなるように加工する加工工程と、
第1の超電導導体を所定の曲率を持った巻枠に巻回する巻回工程と、
第2の超電導導体の少なくとも巻き始・・・ 続きを
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【発明の効果】
本発明によれば、超電導コイルの巻線部内の接続部での薄膜状超電導線材からなる超電導導体同士の例えば半田接合などの接合処理での接続が確実に行なわれるようにすることができる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 本発明の実施例1による超電導コイルの巻線部内での超電導導体同士の接続部および接続方法の構成例を示す図である。
【図2】 本発明で用いる薄膜状超電導線材の構造例を模式的に示す図である。
【図3】 本発明の実施例2による超電導コイルの巻線部内での超電導導体同士の接続部および接続方法の構成例を示す図である。
【図4】 本発明の実施例3による超電導コイルの巻線部内での超電導導体同士の接続部および接続方法の構成例を示す図である。
【図5】 本発明の実施例1〜3の適用対象となる超電導コイルの構成例を示す図である。
【図6】 従来の超電導コイルの巻線部内での超電導導体同士の接続部および接続方法の構成例を示す図である。
1・・・基板
2・・・中間層
3・・・超電導層
4・・・安定化金属層
5・・・半田
6,6a,6aB,6b,6bA,6bB・・・超電導導体
7,7A・・・超電導接続片
10・・・巻枠
11・・・超電導コイル
F0,F1,F2a,F2b,F3a,F3b・・・基板の元の形状に戻ろうとする方向
L0・・・接続部の長手方向長さ
L1,L2a,L2b,L3,L3a,L3b・・・切断部の長手方向長さ
S0,S1,S2,S3・・・接続部に対応する領域
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