(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6040551
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】電子システム及び電子装置
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20161128BHJP
H05K 7/18 20060101ALI20161128BHJP
G06F 1/20 20060101ALI20161128BHJP
H01L 23/467 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
H05K7/20 U
H05K7/18 K
G06F1/20 B
G06F1/20 C
H01L23/46 C
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-77324(P2012-77324)
(22)【出願日】2012年3月29日
(65)【公開番号】特開2013-207229(P2013-207229A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2015年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 朋典
【審査官】
三森 雄介
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−351840(JP,A)
【文献】
特開2013−42023(JP,A)
【文献】
特開2011−191974(JP,A)
【文献】
特開平8−203264(JP,A)
【文献】
特開2009−174770(JP,A)
【文献】
特開昭59−84883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/18,7/20
G06F 1/20
H01L 23/467
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2電子装置を備え、
前記第1及び第2電子装置のそれぞれは、発熱する発熱部品を収納し排気口に連通した収納部を含む筐体、前記筐体に形成された第1及び2面、前記筐体に形成され前記第2面に対向する第3面、前記筐体内に空気を導入するファン、前記第3面側の前記第1面に形成され前記ファンによる空気が排出される前記排気口、前記筐体の前記第1面の前記第2面側に形成され吹付けられた空気を前記収納部に導入することなく前記第2面側へ案内可能なガイド部、を含み、
前記第1電子装置の前記第2面が前記第2電子装置の前記第3面と同じ側に位置し、前記第1電子装置の前記第3面が前記第2電子装置の前記第2面と同じ側に位置するように前記第1及び第2電子装置の前記第1面同士を対向させた場合に、前記第1電子装置の前記排気口及び前記ガイド部がそれぞれ前記第2電子装置の前記ガイド部及び前記排気口に対向し、前記第1及び第2電子装置の前記ガイド部は、前記第2及び第1電子装置の前記排気口からそれぞれ吹き付けられた空気を前記第1及び第2電子装置のそれぞれの前記第2面側に案内する、電子システム。
【請求項2】
前記排気口及び前記ガイド部は、前記第1面の中心に対して対称に設けられている、請求項1の電子システム。
【請求項3】
前記ガイド部は、前記筐体にダクト状に形成されたダクト部であり、
前記ダクト部は、前記第1面に形成された第1開口、前記第2面側に形成された第2開口を含む、請求項1又は2の電子システム。
【請求項4】
前記ダクト部は、前記収納部と仕切られている、請求項3の電子システム。
【請求項5】
前記第1電子装置の前記ファンは前記第2電子装置の前記第1開口に挿入可能である、請求項3又は4の電子システム。
【請求項6】
前記ガイド部は、互いに交差する方向に延びた前記第1及び第2面により画定される角部に形成されている、請求項1乃至5の何れかの電子システム。
【請求項7】
発熱する発熱部品を収納し排気口に連通した収納部を含む第1筐体、前記第1筐体に形成された第1及び2面、前記第1筐体に形成され前記第1筐体の前記第2面に対向する第3面、前記筐体内に空気を導入するファン、前記第1面の前記第3面側に形成され前記ファンによって導入された空気が排出される前記排気口、を含む第1電子装置と、
第2筐体、前記第2筐体に形成された第1及び2面、前記第2筐体に形成され前記第2筐体の前記第2面に対向する第3面、前記第2筐体の前記第1面の前記第2面側に形成され吹付けられた空気を前記収納部に導入することなく前記第2筐体の前記第2面側に案内可能なガイド部、を含む第2電子装置と、を備え、
前記第1電子装置の前記第2面が前記第2電子装置の前記第3面と同じ側に位置し、前記第1電子装置の前記第3面が前記第2電子装置の前記第2面と同じ側に位置するように前記第1及び第2電子装置の前記第1面同士が対向させた場合に、前記第1電子装置の前記排気口は前記第2電子装置の前記ガイド部に対向し、前記ガイド部は、前記排気口から吹き付けられた空気を前記第2電子装置の前記第2面側に案内する、電子システム。
【請求項8】
発熱する発熱部品を収納し排気口に連通した収納部を含む筐体と、
筐体に形成された第1及び2面と、
前記筐体に形成され前記第2面に対向する第3面と、
前記筐体内に空気を導入するファンと、
前記第1面の前記第3面側に形成され前記ファンによって導入された空気が排出される前記排気口と、
前記筐体の前記第1面の前記第2面側に形成され、前記筐体の外部から吹付けられた空気を前記収納部に導入することなく前記第2面側へ案内可能なガイド部と、を備え、
前記排気口と前記ガイド部とは、前記筐体の前記第1面の中心に対して対称の位置に形成されている、電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子システム及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ラック等に複数の電子装置が搭載される電子システムがある。このような電子装置には、筐体内に収納された電子部品の放熱を促進するためのファンが設けられている場合がある。特許文献1、2には、このような電子システムに関連する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−46084号公報
【特許文献2】特開平9−146711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子装置の筐体内を通過して電子部品との間で熱交換が行われた空気は、高温になって電子装置の筐体外へ排出される。ここで、複数の電子装置が接近した状態でラック等に固定されると、一方の電子装置から排出された高温の空気が他方の電子装置に吹付けられて他方の電子装置が高温になるおそれがある。このため、2つの電子装置を接近して配置するには一定の限界があった。
【0005】
本発明は、複数の電子装置を接近して配置可能な電子システム、及び、互いに接近させて配置可能な電子装置、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示の電子システムは、第1及び第2電子装置を備え、前記第1及び第2電子装置のそれぞれは、発熱する発熱部品を収納し排気口に連通した収納部を含む筐体、前記筐体に形成された第1及び2面、
前記筐体に形成され前記第2面に対向する第3面、前記筐体内に空気を導入するファン、
前記第3面側の前記第1面に形成され前記ファンによる空気が排出される前記排気口、前記筐体
の前記第1面の前記第2面側に形成され吹付けられた空気を前記収納部に導入することなく前記第2面側へ案内可能なガイド部、を含み、
前記第1電子装置の前記第2面が前記第2電子装置の前記第3面と同じ側に位置し、前記第1電子装置の前記第3面が前記第2電子装置の前記第2面と同じ側に位置するように前記第1及び第2電子装置の前記第1面同士を対向させた場合に、前記第1電子装置の前記排気口及び前記ガイド部がそれぞれ前記第2電子装置の前記ガイド部及び前記排気口に対向し、
前記第1及び第2電子装置の前記ガイド部は、前記第2及び第1電子装置の前記排気口からそれぞれ吹き付けられた空気を前記第1及び第2電子装置のそれぞれの前記第2面側に案内する。
【0007】
本明細書に開示の電子システムは、発熱する発熱部品を収納し排気口に連通した収納部を含む第1筐体、前記第1筐体に形成された第1及び2面、
前記第1筐体に形成され前記第1筐体の前記第2面に対向する第3面、前記筐体内に空気を導入するファン、前記第1面
の前記第3面側に形成され前記ファンによって導入された空気が排出される前記排気口、を含む第1電子装置と、第2筐体、前記第2筐体に形成された第1及び2面、
前記第2筐体に形成され前記第2筐体の前記第2面に対向する第3面、前記第2筐体の
前記第1面
の前記第2面側に形成され吹付けられた空気を前記収納部に導入することなく前記第2筐体の前記第2面側に案内可能なガイド部、を含む第2電子装置と、を備え、
前記第1電子装置の前記第2面が前記第2電子装置の前記第3面と同じ側に位置し、前記第1電子装置の前記第3面が前記第2電子装置の前記第2面と同じ側に位置するように前記第1及び第2電子装置の前記第1面同士が対向させた場合に、前記第1電子装置の前記排気口は前記第2電子装置の前記ガイド部に対向
し、
前記ガイド部は、前記排気口から吹き付けられた空気を前記第2電子装置の前記第2面側に案内する。
【0008】
本明細書に開示の電子装置は、発熱する発熱部品を収納し排気口に連通した収納部を含む筐体と、筐体に形成された第1及び2面と、
前記筐体に形成され前記第2面に対向する第3面と、前記筐体内に空気を導入するファンと、前記第1面
の前記第3面側に形成され前記ファンによって導入された空気が排出される前記排気口と、前記筐体の
前記第1面の前記第2面側に形成され
、前記筐体の外部から吹付けられた空気を前記収納部に導入することなく前記第2面側へ案内可能なガイド部と、を備え、前記排気口と前記ガイド部とは、前記筐体の前記第1面の中心に対して対称の位置に形成されている。
【発明の効果】
【0009】
複数の電子装置を接近して配置可能な電子システム、及び、互いに接近させて配置可能な電子装置、を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】
図2(A)、2(B)は、電子装置の説明図である。
【
図4】
図4は、電子システムでの空気の流れの説明図である。
【
図5】
図5は、本実施例の電子システムとは異なる電子システムの説明図である。
【
図6】
図6は、実施例2の電子システムに採用される電子装置の説明図である。
【
図7】
図7は、実施例2の電子システムでの空気の流れの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に複数の実施例について説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、電子システムAの例示図である。電子システムAは、ラックの支柱111〜114に固定された2つの電子装置1、5を含む。電子装置1は支柱111、112に固定され、電子装置5は支柱113、114に固定されている。支柱111、112は、鉛直方向に並ぶように複数の電子装置を保持することができる。支柱113、114も同様である。電子装置1、5は、ラックマウント型の電子装置である。
図1では、電子装置1、5が同一の高さ位置で固定されている場合を例に示している。電子装置1、5は、第1及び第2電子装置の一例である。
【0013】
図2(A)、
図2(B)および、
図3は、電子装置1の説明図である。電子装置1は、筐体10、プリント基板P1、電子部品E1、ファンF1を含む。電子部品E1を実装したプリント基板P1は筐体10内に配置されている。電子部品E1は、例えば半導体チップ等である。電子部品E1は、電力が供給されることによって発熱する。電子部品E1は、発熱する発熱部品の一例である。発熱部品は、電力の供給によって駆動するモータやディスクドライブであってもよい。筐体10は、プリント基板P1及び電子部品E1を収納する収納部H1を画定する。筐体10は、第1筐体の一例である。
【0014】
筐体10は、略直方体状であり、互いに対向する上面11と底面、互いに対向する正面13と背面14、互いに対向する側面15と側面16、を含む。上面11、底面は最も面積が大きい。側面15、16は最も面積が小さい。背面14と側面16とは、直交している。正面13の両端部には、それぞれ固定片31、32が設けられている。固定片31、32は、それぞれ、側面15、16よりも外側に突出している。固定片31、32は、それぞれラックの支柱111、112にネジ等により固定される部分である。
【0015】
正面13には、複数の吸気口23が形成されている。背面14には、排気口24が形成されている。収納部H1は、吸気口23、排気口24に連通している。収納部H1は、発熱部品を収納し排気口24に連通した収納部の一例である。背面14は、筐体10に形成された第1面の一例である。排気口24にはファンF1が固定されている。ファンF1が駆動することにより、空気が吸気口23を介して筐体10の収納部H1内に導入される。収納部H1内に導入された空気は電子部品E1と熱交換して、電子部品E1は冷却されて空気は高温になる。高温となった空気は、排気口24を介してファンF1により筐体10の外部に排出される。ファンF1は一例として軸流型ファンである。
【0016】
筐体10にはダクト部D1が形成されている。ダクト部D1は、互いに交差する方向に延びた背面14、側面16により画定される角部に形成されている。ダクト部D1は、背面14に形成された導入口44、側面16に形成された排出口46、背面14及び側面16に対して斜めに形成された傾斜面45、を含む。従って、背面14には導入口44とファンF1とが設けられている。尚、
図2において排出口46はスリット状としているがこのような形状に限定されない。
【0017】
図3に示すように、ダクト部D1とファンF1とは、背面14の長手方向での中心Cに対して対称となる位置に設けられている。詳細には、中心CからファンF1の中心軸線までの距離dFと、中心Cから導入口44の中心軸線までの距離dDとは等しい。詳しくは後述する。
【0018】
図4は、電子システムAでの空気の流れの説明図である。
図4においては、電子装置1、5の上面の壁を取外した状態を示している。電子装置5は、電子装置1と同様の構造、形状、大きさを有している。従って、電子装置5は、筐体50、プリント基板P5、電子部品E5、ファンF5を含む。筐体50は、第2筐体の一例である。筐体50は、上面、底面、正面53、背面54、側面55、56を含む。正面53の両端部には、固定片71、72が形成されている。正面53には、吸気口63が形成されている。背面54には、排気口64が形成されファンF5が固定されている。背面54、側面56により画定される角部にはダクト部D5が形成されている。ダクト部D5は、背面54に形成された導入口84、側面56に形成された排出口86、背面54及び側面56に対して斜めに形成された傾斜面85、を含む。ダクト部D5とファンF5とは、背面54の長手方向での中心に対して対称の位置に設けられている。
【0019】
図4に示すように、電子装置1、5を、背面14、54同士が対向し、側面16、56同士が対向しないように配置した場合、電子装置1のファンF1と電子装置5のダクト部D5とが対向し、電子装置5のファンF5と電子装置1のダクト部D1とが対向する。この理由は、上述したように、ダクト部D1とファンF1とは背面14の長手方向での中心Cに対して対称となる位置に設けられており、ダクト部D5とファンF5とは、背面54の長手方向での中心に対して対称となる位置に設けられているからである。
【0020】
これにより、電子装置1のファンF1により筐体10の排気口24から排出された空気は、電子装置5のダクト部D5の導入口84を介して傾斜面85により案内されて排出口86から排出される。また、電子装置5のファンF5により筐体50の排気口64から排出された空気は、電子装置1のダクト部D1の導入口44を介して傾斜面45に案内されて排出口46から排出される。即ち、電子装置1のダクト部D1は電子装置5から吹付けられた空気を側面15側に案内し、電子装置5のダクト部D5は電子装置1から吹付けられた空気を側面55側に案内する。そして、側面15、55同士は対向していないため、空気は電子装置1の筐体10、電子装置5の筐体50の外側へ排出される。ダクト部D1、D5は、筐体10、50にそれぞれ形成され吹付けられた空気をそれぞれ側面15、55側へ案内可能なガイド部の一例である。側面15、55は、それぞれ、筐体10、50に形成された第2面の一例である。
【0021】
図5は、本実施例の電子システムAとは異なる電子システムXの説明図である。尚、電子システムAに類似する電子システムXの部分については、類似の符号を付することにより重複する説明を省略する。電子装置1x、5xは、電子装置1、5と異なり、ダクト部D1、D5は設けられていない。したがって、ファンF1xにより筐体10xから排出された空気は、筐体50xの背面54xに吹付けられる。同様に、ファンF5xにより筐体50xから排出された空気は、筐体10xの背面14xに吹付けられる。これにより、筐体10x、50xの間には、高温の空気が滞留することなる。これにより、筐体10x、50xが高温になるおそれがある。これを回避するために、電子システムXでは、筐体10xの背面14xと筐体50xの背面54xとの間を狭くするには一定の限界がある。
【0022】
一方、
図4に示したように本実施例の電子システムAでは、筐体10から排出された空気はダクト部D5により側面55側に、筐体50から排出された空気はダクト部D1により側面15側に案内される。即ち、ダクト部D1、D5は、吹付けられた空気を筐体10、50の側面の外側に案内する。従って、電子装置1の背面14と電子装置5の背面54との間に高温の空気が滞留することが抑制される。これにより、電子装置1と、電子装置5とを接近させて配置した場合であっても、電子装置1、5が高温になることが抑制される。そして、電子装置が搭載されるラック(またはロッカ、架とも呼ばれる)の奥行き方向の寸法が一定であるとすれば(ラックの規格等)、電子装置の奥行き方向の寸法の拡大が可能である。すると、電子装置に、同一の機能(部品)を実装するのであれば、熱設計上の余裕を確保できる。 または、電子装置の拡大されたスペースを利用して他の機能(部品)の実装が可能なる、等の効果が期待できる。
【0023】
また、ダクト部D1は収納部H1とは仕切られている。詳細には、傾斜面45が、ダクト部D1と収納部H1とを仕切る壁の面に相当する。このため、電子装置1のダクト部D1内を通過する空気は、電子装置1の収納部H1内には流れることが防止される。従って、電子装置1とは、背面が対向して実装される電子装置5の収納部H5を通過して筐体50から排出された高温の空気が電子装置1の収納部H1内に流れることが防止される。同様に、収納部H1を通過して筐体10から排出された高温の空気が電子装置5の収納部H5内に流れることが防止される。
【0024】
背面が対向して実装された電子装置から吹付けられた空気を、筐体10、50の外側に案内する案内部がダクト状に形成されているので、例えば一度ダクト部D1内に導入された空気が背面14、54間に流れることが防止される。また、ダクト部D1は筐体10の角部に形成されているので、ダクト部D1は空気を筐体10の外側に案内することが容易である。
【0025】
尚、空気を案内する案内部はダクト状に限定されない。例えば、ダクト状に形成せずに、傾斜面45がむき出しのままに設けられていてもよい。
【実施例2】
【0026】
実施例1と同様の部分ついては同様の符号を付して実施例2の説明を省略する。
図6は、実施例2の電子システムBに採用される電子装置1aの説明図である。ファンF1aは、背面14から突出している。また、ファンF1aは、ファンF1aの軸線方向から見た場合に略矩形状である。同様に、導入口44の形状も略矩形状である。
【0027】
図7は、実施例2の電子システムBでの空気の流れの説明図である。電子装置5aは、電子装置1aと同様の構造、形状、大きさを有している。電子装置1aのファンF1aの一部は、電子装置5aの導入口84に挿入され、電子装置5aのファンF5aの一部は電子装置1aの導入口44に挿入される。これにより、筐体10aから排出される空気をダクト部D5内に導入でき、筐体50aから排出された空気をダクト部D1内に導入できる。これにより、筐体10a、50aから排出された空気が、電子装置1aの背面14、電子装置5aの背面54の間に流れることが抑制される。従って、電子装置1aの背面14と電子装置5aの背面54との間に高温の空気が滞留することが抑制される。これにより、電子装置1a、5aを接近させて配置した場合であっても、電子装置1a、5aが高温になることが抑制される。ファンF1aの大きさは、導入口84に挿入可能であればよい。
【0028】
尚、上記実施例では、形状、構造、大きさが同一の2つの電子装置を接近させて配置した場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、2つの電子装置は、筐体の大きさや形状が異なっていてもよい。この場合、一方の電子装置の排気口及びガイド部が他方の電子部品のガイド部及び排気口と対向するように両装置が配置可能であればよい。
【0029】
また、一方の電子装置にのみファン及び排気口が設けられ、他方の電子装置にはファン及び排気口が設けられておらずガイド部が設けられているものでもよい。この場合、一方の電子装置の排気口が他方の電子装置のガイド部に対向するようにして配置可能であればよい。このための条件は、一方の電子装置の第1面の中心から排気口までの距離と、他方の電子装置の第1面の中心からガイド部までの距離とが同じであることである。
【0030】
上記実施例においては、2つの電子装置1、5の背面14、54の長手方向が水平方向と平行に配置されている場合を例に説明したがこれに限定されない。例えば、2つの電子装置1、5の背面14、54の長手方向が鉛直方向と平行に配置される場合であってもよい。
【0031】
上記実施例においては、ファンは排気口の近傍に設置しているがこれに限定されない。例えば、ファンは、吸気口近傍に配置してもよいし、筐体内の中央部付近に配置してもよい。排気口から空気が排出されるのであれば、ファンは軸流型であってもよいしブロワ型であってもよい。ファンの数は1つに限定されない。
【0032】
実施例1の場合には、排気口の形状は限定されない。尚、実施例2の場合には、排気口の形状は、ファンが挿入可能であればよい。
【0033】
以上本発明の好ましい一実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0034】
A 電子システム
D1、D5 ダクト部(ガイド部)
E1、E5 電子部品
F1、F5 ファン
H1、H5 収納部
P1、P5 プリント基板
1、5 電子装置
10、50 筐体
14、54 背面
16、56 側面
24、64 排気口
44、84 導入口
45、85 傾斜面
46、86 排出口