特許第6040572号(P6040572)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6040572
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】駆動力伝達制御装置
(51)【国際特許分類】
   F16D 48/06 20060101AFI20161128BHJP
   F16H 48/34 20120101ALI20161128BHJP
【FI】
   F16D28/00 A
   F16H48/34
【請求項の数】2
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-118931(P2012-118931)
(22)【出願日】2012年5月24日
(65)【公開番号】特開2013-245733(P2013-245733A)
(43)【公開日】2013年12月9日
【審査請求日】2015年4月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128211
【弁理士】
【氏名又は名称】野見山 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100145171
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 浩行
(72)【発明者】
【氏名】繁田 良平
(72)【発明者】
【氏名】三田 将貴
【審査官】 上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−220593(JP,A)
【文献】 特開平10−231862(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0079955(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 48/06
F16H 48/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行用の駆動源の駆動力によって回転する第1の回転部材と、
前記第1の回転部材にその回転軸線に沿って相対回転可能に配置された第2の回転部材と、
前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間に介在して配置され、前記第1の回転部材に対する相対回転が規制された第1のクラッチプレート及び前記第2の回転部材に対する相対回転が規制された第2のクラッチプレートを有し、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とを断続可能に連結するクラッチと、
第1のカム部材、及び前記第1のカム部材と向かい合う第2のカム部材を有し、前記第2のカム部材が前記クラッチとの間に前記第1のカム部材を挟むように配置されたカム機構と、
前記第1のカム部材と前記第2のカム部材とを相対回転させるトルクを発生するモータと、
前記モータのトルク及び回転方向を制御する制御部とを備え、
前記モータは、第1の回転方向への回転によって前記第1のカム部材を前記クラッチ側の第1位置に移動させると共に、第2の回転方向への回転によって前記第1のカム部材を前記クラッチから後退した第2位置に移動させ、
前記第1のカム部材及び前記第2のカム部材は、前記回転軸線の周方向に対して傾斜した傾斜面と、前記回転軸線の周方向に対して平行な平坦面とを有し、
前記カム機構は、前記モータの前記第1の回転方向への回転に伴う前記傾斜面同士の摺動によって前記第1のカム部材が前記第1位置に移動し、前記モータの前記第1の回転方向へのさらなる回転によって前記平坦面同士が当接して前記第1のカム部材の前記第1位置からの移動が規制され、
前記制御部は、前記第1のカム部材及び前記第2のカム部材の前記平坦面同士が当接しているとき、前記モータに前記第1の回転方向へのトルクを発生させてから所定の時間が経過したことを示す第1の条件、及び前記所定の時間の経過前に前記車両が所定の加速度以上の加速度で少なくとも1回加速されたことを示す第2の条件の少なくとも何れかの条件が満たされた場合に、前記モータに前記第1の回転方向へのトルクを発生させる
駆動力伝達制御装置。
【請求項2】
記車両が前記所定の加速度以上の加速度で複数の所定回数加速されたとき、前記第2の条件が満たされる
請求項1に記載の駆動力伝達制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両における駆動力の伝達を制御する駆動力伝達制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の駆動力伝達装置として、例えば四輪駆動車に搭載され、一対の回転部材をクラッチによってトルク伝達可能に連結するようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この駆動力伝達装置は、入力軸と共に回転する第1の回転部材と、この第1の回転部材の軸線上で相対回転可能な第2の回転部材と、第1の回転部材と第2の回転部材との間に配置された複数のクラッチプレートからなる摩擦式のクラッチと、このクラッチに第1の回転部材及び第2の回転部材の軸線に沿って並列するカム機構と、このカム機構を作動させるトルクを発生するモータと、モータの出力を減速してカム機構に伝達する遊星歯車機構とを有している。そして、遊星歯車機構によって増幅されたモータのトルクによって作動するカム機構が、そのカム推力によってクラッチを押し付け、第1の回転部材と第2の回転部材とをトルク伝達可能に連結するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−273801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の駆動力伝達装置によると、クラッチによって第1の回転部材と第2の回転部材とをトルク伝達可能に連結している間、常にモータがカム機構を作動させるためのトルクを出力している必要がある。このため、モータの消費電力が大きくなり、ひいては車両の燃費に悪影響を及ぼすこととなる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、クラッチを押し付けるカム機構を作動させるためのモータの消費電力を低減することが可能な駆動力伝達制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、(1)〜()の駆動力伝達制御装置を提供する。
【0008】
(1)車両の走行用の駆動源の駆動力によって回転する第1の回転部材と、前記第1の回転部材にその回転軸線に沿って相対回転可能に配置された第2の回転部材と、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間に介在して配置され、前記第1の回転部材に対する相対回転が規制された第1のクラッチプレート及び前記第2の回転部材に対する相対回転が規制された第2のクラッチプレートを有し、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とを断続可能に連結するクラッチと、第1のカム部材、及び前記第1のカム部材と向かい合う第2のカム部材を有し、前記第2のカム部材が前記クラッチとの間に前記第1のカム部材を挟むように配置されたカム機構と、前記第1のカム部材と前記第2のカム部材とを相対回転させるトルクを発生するモータと、前記モータのトルク及び回転方向を制御する制御部とを備え、前記モータは、第1の回転方向への回転によって前記第1のカム部材を前記クラッチ側の第1位置に移動させると共に、第2の回転方向への回転によって前記第1のカム部材を前記クラッチから後退した第2位置に移動させ、前記第1のカム部材及び前記第2のカム部材は、前記回転軸線の周方向に対して傾斜した傾斜面と、前記回転軸線の周方向に対して平行な平坦面とを有し、前記カム機構は、前記モータの前記第1の回転方向への回転に伴う前記傾斜面同士の摺動によって前記第1のカム部材が前記第1位置に移動し、前記モータの前記第1の回転方向へのさらなる回転によって前記平坦面同士が当接して前記第1のカム部材の前記第1位置からの移動が規制され、前記制御部は、前記第1のカム部材及び前記第2のカム部材の前記平坦面同士が当接しているとき、前記モータに前記第1の回転方向へのトルクを発生させてから所定の時間が経過したことを示す第1の条件、及び前記所定の時間の経過前に前記車両が所定の加速度以上の加速度で少なくとも1回加速されたことを示す第2の条件の少なくとも何れかの条件が満たされた場合に、前記モータに前記第1の回転方向へのトルクを発生させる駆動力伝達制御装置。
【0009】
(2)上記(1)に記載の駆動力伝達制御装置において、前記車両が前記所定の加速度以上の加速度で複数の所定回数加速されたとき、前記第2の条件が満たされる
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、駆動力伝達制御装置におけるクラッチを動作させるためのモータの消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施の形態に係る四輪駆動車の概略の構成を示す構成図。
図2】駆動力伝達装置の構成例を示す分解斜視図。
図3】駆動力伝達装置の断面図。
図4】入力用のカム部材を示し、(a)は斜視図を、(b)は平面図を、(c)は(b)のA−A線断面図をそれぞれ示す。
図5】出力用のカム部材を示し、(a)は斜視図を、(b)は平面図を、(c)は(b)のB−B線断面図をそれぞれ示す。
図6】(a)〜(c)は、第2のカム機構における入力用のカム部材及び出力用のカム部材の動作状態を示す。
図7】(a)は、アウタクラッチプレートのストレートスプライン嵌合部とハウジングのストレートスプライン嵌合部との嵌合状態を示す模式図。(b)は、インナクラッチプレートのストレートスプライン嵌合部とインナシャフトのストレートスプライン嵌合部との嵌合状態を示す模式図。
図8】制御部が実行する処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本実施の形態に係る四輪駆動車の概略の構成を示す構成図である。この四輪駆動車200は、駆動力伝達系201,駆動源としてのエンジン202,トランスミッション203,主駆動輪としての前輪204L,204R及び補助駆動輪としての後輪205L,205Rを備えている。エンジン202は、四輪駆動車200を発進及び加速させる走行用の駆動源の一例であるが、エンジン及び電動モータを駆動源としてもよい。また、エンジンに替えて電動モータを車両の走行用の駆動源としてもよい。
【0015】
駆動力伝達系201は、四輪駆動車200におけるトランスミッション203側から後輪205L,205R側に至る駆動力伝達経路にフロントディファレンシャル206及びリヤディファレンシャル207と共に配置され、かつ四輪駆動車200の車体(図示せず)に搭載されている。
【0016】
そして、駆動力伝達系201は、駆動力伝達装置1,プロペラシャフト2及び駆動力断続装置3を有し、四輪駆動車200の四輪駆動状態を二輪駆動状態に、また二輪駆動状態を四輪駆動状態にそれぞれ切り替え可能に構成されている。ここで四輪駆動状態とは、エンジン202の駆動力が前輪204L,204R及び後輪205L,205Rに伝達される状態であり、二輪駆動状態とは、エンジン202の駆動力が前輪204L,204Rのみに伝達される状態である。駆動力伝達装置1の詳細については後述する。
【0017】
また、四輪駆動車200には、駆動力伝達装置1を制御する制御装置90が搭載されている。駆動力伝達装置1及び制御装置90は、後輪205L,205Rへのエンジン202の駆動力の伝達を制御する駆動力伝達制御装置9を構成する。
【0018】
フロントディファレンシャル206は、前輪側のアクスルシャフト208L,208Rに連結されたサイドギヤ209L,209R、サイドギヤ209L,209Rにギヤ軸を直交させて噛合する一対のピニオンギヤ210、一対のピニオンギヤ210を支持するピニオンギヤシャフト211、及びピニオンギヤシャフト211,一対のピニオンギヤ210,サイドギヤ209L・209Rを収容するフロントデフケース212を有し、トランスミッション203と駆動力断続装置3との間に配置されている。
【0019】
リヤディファレンシャル207は、後輪側のアクスルシャフト213L,213Rに連結されたサイドギヤ214L,214R、サイドギヤ214L,214Rにギヤ軸を直交させて噛合する一対のピニオンギヤ215、一対のピニオンギヤ215を支持するピニオンギヤシャフト216、及びピニオンギヤシャフト216,一対のピニオンギヤ215,サイドギヤ214L・214Rを収容するリヤデフケース217を有し、プロペラシャフト2と駆動力伝達装置1との間に配置されている。
【0020】
エンジン202は、トランスミッション203及びフロントディファレンシャル206を介して前輪側のアクスルシャフト208L,208Rに駆動力を出力することにより前輪204L,204Rを駆動する。
【0021】
また、エンジン202は、トランスミッション203,駆動力断続装置3,プロペラシャフト2及びリヤディファレンシャル207を介して一方の後輪側のアクスルシャフト213Lに駆動力を出力することにより一方の後輪205Lを駆動すると共に、トランスミッション203,駆動力断続装置3,プロペラシャフト2,リヤディファレンシャル207及び駆動力伝達装置1を介して他方の後輪側のアクスルシャフト213Rに駆動力を出力することにより他方の後輪205Rを駆動する。
【0022】
プロペラシャフト2は、駆動力伝達装置1と駆動力断続装置3との間に配置されている。そして、プロペラシャフト2は、エンジン202の駆動力をフロントデフケース212から受けて前輪204L,204R側から後輪205L,205R側に伝達するように構成されている。
【0023】
プロペラシャフト2の前輪側端部には、互いに噛合するドライブピニオン220及びリングギヤ221からなる前輪側の歯車機構22が配置されている。また、プロペラシャフト2の後輪側端部には、互いに噛合するドライブピニオン230及びリングギヤ231からなる後輪側の歯車機構23が配置されている。
【0024】
駆動力断続装置3は、例えばフロントデフケース212に対して回転不能な第1のスプライン歯部3a、リングギヤ221に対して回転不能な第2のスプライン歯部3b、及び第1のスプライン歯部3aならびに第2のスプライン歯部3bにスプライン嵌合可能なスリーブ3cを有するドグクラッチからなり、プロペラシャフト2よりも前輪204L,204R側に配置されている。スリーブ3cは、制御装置90によって制御される図略のアクチュエータによって、アクスルシャフト208Rに沿って進退移動する。そして、駆動力断続装置3は、プロペラシャフト2とフロントデフケース212とを断続可能に連結するように構成されている。
【0025】
(制御装置90の構成)
制御装置90は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶素子からなる記憶部91と、記憶部91に記憶されたプログラムに従って動作するCPU(Central Processing Unit)等を有する制御部92と、後述する駆動力伝達装置1のモータ5を制御するモータ制御回路93と、同じく後述する駆動力伝達装置1の電磁クラッチ8を制御する電磁クラッチ制御回路94とを有している。
【0026】
また、制御装置90には、四輪駆動車200の各部の動作状態を検出するセンサ群が接続されている。このセンサ群は、運転者によって操作されるアクセルペダル202aの踏み込み量を検出するアクセル開度センサ901と、エンジン202の回転数を検出するエンジン回転数センサ902と、トランスミッション203の変速比を検出するギヤセンサ903と、左前輪204L,右前輪204R,左後輪205L,及び右後輪205Rの回転速度を検出する車輪速センサ904〜907とを有して構成されている。
【0027】
(駆動力伝達装置1の全体構成)
図2は、駆動力伝達装置1の構成例を示す分解斜視図であり、図3は、駆動力伝達装置1の断面図である。図3は、回転軸線Oよりも上側が後述する第2のカム機構12の非作動状態を示し、回転軸線Oよりも下側が第2のカム機構12の作動状態を示す。
【0028】
駆動力伝達装置1は、車体に固定された装置ケース4内に収容され、電動機であるモータ5,有底円筒状のハウジング6,メインクラッチ7,電磁クラッチ8,筒状のインナシャフト10,第1のカム機構11,及び第2のカム機構12を有して構成されている。この駆動力伝達装置1は、プロペラシャフト2(図1に示す)と後輪側のアクスルシャフト213R(図1に示す)とを断続可能に連結する。すなわち、後輪側のアクスルシャフト213Rとプロペラシャフト2とは駆動力伝達装置1を介在させて連結される。
【0029】
ハウジング6は、エンジン202の駆動力によって回転する本発明の第1の回転部材の一例である。インナシャフト10は、ハウジング6に回転軸線Oに沿って相対回転可能に配置された本発明の第2の回転部材の一例である。また、メインクラッチ7は、ハウジング6とインナシャフト10とを断続可能に連結する本発明のクラッチの一例である。
【0030】
(装置ケース4の構成)
装置ケース4は、駆動力伝達装置1の収容空間を有するケース本体40、及びケース本体40の開口部を閉塞するケース蓋体41からなる。ケース蓋体41は、複数のボルト42によってケース本体40に取り付けられている。装置ケース4の内部には、図略の潤滑油が封入されている。
【0031】
ケース本体40には、第2のカム機構12を作動させるモータ5を取り付けるための取付部401を有している。取付部401には、ハウジング6及びインナシャフト10の回転軸線Oと平行な軸線方向に開口する貫通孔401aが設けられている。
【0032】
(モータ5の構成)
モータ5は、固定子50と、回転軸51と、図略の減速機構とを有している。回転軸51の回転力は、減速機構によって減速され、出力軸52から出力される。モータ5の取付部401に対する取り付けは、位置決めピン531及びボルト532を用いて行われる。出力軸52には、第2のカム機構12にその作動力としての回転力を伝達するための伝達部材54が、連結器55を介して取り付けられている。
【0033】
伝達部材54は、所定の曲率半径をもつ円弧部541を有し、かつ装置ケース4内に収容されている。円弧部541の外周面には、外歯541aが設けられている。伝達部材54の連結器55への取り付けは、止め輪57を用いて行われる。連結器55の外周面と貫通孔401aの内周面との間には、シール部材58が介在している。
【0034】
(ハウジング6の構成)
ハウジング6は、円筒部60及び底部61からなる。円筒部60及び底部61は、円筒部60の一端に形成された係合凹部60aに底部61の突起61aが係合して相対回転が規制され、かつ突起61aと円筒部60のフランジ部60bとの間に介在する止め輪62によって底部61が抜け止めされている。
【0035】
円筒部60の内周面には、回転軸線Oと平行に延びるストレートスプライン嵌合部601が形成されている。底部61は、その中心部に回転軸線Oに沿って延びる軸部611を有し、この軸部611の端部611aにリヤディファレンシャル207のサイドギヤ214R(図1に示す)が連結される。また、底部61には、後述する電磁コイル80と対向する部位に、電磁コイル80による磁束の短絡を防止するステンレス等からなる環状の非磁性リング121a(図3に示す)が設けられている。
【0036】
(インナシャフト10の構成)
図3に示すように、インナシャフト10は、各外径が互いに異なる第1〜第3の円筒部10a〜10cを一体に有している。第1の円筒部10aは第2の円筒部10bと第3の円筒部10cとの間に形成され、第2の円筒部10bは第1の円筒部10aよりもハウジング6の底部61側に、第3の円筒部10cはその反対側の端部に形成されている。第1の円筒部10aの外径は、第2の円筒部10b及び第3の円筒部10cの外径よりも大きく設定され、第1の円筒部10aと第2の円筒部10bとの間には段差面10dが、第1の円筒部10aと第3の円筒部10cとの間には段差面10eが、それぞれ形成されている。
【0037】
インナシャフト10には、第1の円筒部10aの外周面に、回転軸線Oと平行に延びるストレートスプライン嵌合部101が形成されている。また、第1の円筒部10aの第2の円筒部10b側の端部には、径方向外側に突出した環状のフランジ部102が形成されている。
【0038】
また、インナシャフト10は、その内部に潤滑油を封止する栓体30が圧入されると共に、後輪側のアクスルシャフト213R(図1に示す)の先端部を収容するように構成されている。後輪側のアクスルシャフト213Rは、インナシャフト10にスプライン嵌合によって相対回転不能かつ相対移動可能に連結されている。そして、インナシャフト10は、ハウジング6の底部61と第2の円筒部10bとの間に配置された軸受31、及び装置ケース4のケース蓋体41と第3の円筒部10cとの間に配置された軸受32によって回転可能に支持されている。また、第3の円筒部10cと装置ケース4のケース本体40との間には、シール部材33が配置されている。
【0039】
(メインクラッチ7の構成)
メインクラッチ7は、複数のインナクラッチプレート70及び複数のアウタクラッチプレート71を有する摩擦式の多板クラッチであり、ハウジング6とインナシャフト10との間に配置されている。インナクラッチプレート70及びアウタクラッチプレート71は、回転軸線Oに沿って交互に配置され、それぞれが環状の摩擦板によって形成されている。
【0040】
そして、メインクラッチ7は、インナクラッチプレート70及びアウタクラッチプレート71のうち互いに隣り合う内外のクラッチプレート同士を摩擦係合させ、またその摩擦係合を解除してハウジング6とインナシャフト10とを断続可能に連結するように構成されている。
【0041】
インナクラッチプレート70は、図2に示すように、その内周部にストレートスプライン嵌合部70aを有し、このストレートスプライン嵌合部70aがインナシャフト10のストレートスプライン嵌合部101に嵌合されている。これにより、インナクラッチプレート70は、インナシャフト10に対する相対回転が規制され、かつインナシャフト10に対して軸方向に相対移動可能に連結されている。また、インナクラッチプレート70には、後述するガイドピン115を挿通させる複数の貫通孔70bが形成されている。
【0042】
アウタクラッチプレート71は、その外周部にストレートスプライン嵌合部71aを有し、このストレートスプライン嵌合部71aがハウジング6のストレートスプライン嵌合部601に嵌合されている。これにより、アウタクラッチプレート71は、ハウジング6に対する相対回転が規制され、かつハウジング6に対して軸方向に相対移動可能に連結されている。
【0043】
(電磁クラッチ8の構成)
電磁クラッチ8は、電磁コイル80,アーマチャ81,複数のアウタクラッチプレート82,複数のインナクラッチプレート83,及びヨーク84を有して構成されている。複数のアウタクラッチプレート82と複数のインナクラッチプレート83とは、電磁コイル80とアーマチャ81との間にて、回転軸線Oに沿って交互に配置されている。複数のアウタクラッチプレート82及び複数のインナクラッチプレート83は、磁性体からなる環状の摩擦板によって形成され、それぞれの外周部と内周部との間には、電磁コイル80による磁束の短絡を防止する複数の円弧状の溝が形成されている。
【0044】
電磁コイル80は、磁性体からなるヨーク84に保持され、複数のアウタクラッチプレート82及び複数のインナクラッチプレート83との間にハウジング6の底部61を挟むように配置されている。
【0045】
アーマチャ81は、その外周部にストレートスプライン嵌合部81aを有し、このストレートスプライン嵌合部81aがハウジング6の円筒部60におけるストレートスプライン嵌合部601に嵌合されている。また、アウタクラッチプレート82は、その外周部にストレートスプライン嵌合部82aを有し、このストレートスプライン嵌合部82aがストレートスプライン嵌合部601に嵌合されている。これにより、アーマチャ81及びアウタクラッチプレート82は、ハウジング6に対する相対回転が規制され、かつハウジング6に対して軸方向に相対移動可能である。
【0046】
インナクラッチプレート83は、その内周部にストレートスプライン嵌合部83aを有し、このストレートスプライン嵌合部83aが、後述する第1のカム機構11のパイロットカム部材110のストレートスプライン嵌合部110aに嵌合されている。これにより、インナクラッチプレート83は、パイロットカム部材110に対する相対回転が規制され、かつパイロットカム部材110に対して軸方向に相対移動可能である。
【0047】
ヨーク84は、電磁コイル80を収容する環状の収容空間を有し、ハウジング6の軸部611に軸受34を介して支持され、ピン841によって装置ケース4のケース本体40に回り止めされている。ヨーク84とケース本体40との間にはOリング35が、ヨーク84と軸部611との間にはシール部材36が、それぞれ配置されている。
【0048】
電磁コイル80には、制御装置90の電磁クラッチ制御回路94(図1に示す)から励磁電流が供給される。電磁コイル80に励磁電流が供給されると、ヨーク84,ハウジング6の底部61における非磁性リング121aの内周部及び外周部、アウタクラッチプレート82,インナクラッチプレート83,ならびにアーマチャ81を含む磁路Mに磁束が発生し、アーマチャ81が電磁コイル80側に引き寄せられる。これにより、複数のアウタクラッチプレート82と複数のインナクラッチプレート83とが回転軸線O方向に押圧され、摩擦摺動する。これにより、ハウジング6の回転力が複数のアウタクラッチプレート82及び複数のインナクラッチプレート83を介してパイロットカム部材110に伝達される。
【0049】
(第1のカム機構11の構成)
第1のカム機構11は、パイロットカム部材110、このパイロットカム部材110に回転軸線Oに沿って並列するメインカム部材111、及びこのメインカム部材111とパイロットカム部材110との間に介在する複数の球状の転動部材112を有している。
【0050】
パイロットカム部材110は、その外周部にインナクラッチプレート83のストレートスプライン嵌合部83aに嵌合するストレートスプライン嵌合部110aを有している。また、パイロットカム部材110は、インナシャフト10のフランジ部102との間に配置された針状ころ軸受113によって、回転軸線Oに沿った一方向(底部61側)への移動が規制されている。
【0051】
パイロットカム部材110には、メインカム部材111との対向面に、複数のカム溝110bが設けられている。この複数のカム溝110bは、その中立位置からパイロットカム部材110の円周方向に沿って軸線方向の深さが漸次浅くなる凹溝によって形成されている。
【0052】
メインカム部材111は、円環板状のクラッチプレート押付部111aをメインクラッチ7側に有し、インナシャフト10に相対移動可能に回転軸線Oに沿って配置されている。メインカム部材111には、パイロットカム部材110との対向面に、複数のカム溝111bが設けられている。この複数のカム溝111bは、その中立位置からメインカム部材111の円周方向に沿って軸線方向の深さが漸次浅くなる凹溝によって形成されている。
【0053】
転動部材112は、パイロットカム部材110のカム溝110bとメインカム部材111のカム溝111bとの間に介在して配置され、かつリテーナ116によって転動可能に保持されている。
【0054】
そして、第1のカム機構11は、電磁クラッチ8のクラッチ動作によって受けるハウジング6からの回転力を、カム溝110b,111bにおける転動部材112の転動によるカム作用によって、メインクラッチ7のクラッチ力となる押付力(第1のカム推力)Pに変換するように構成されている。
【0055】
この押付力Pは、アウタクラッチプレート82とインナクラッチプレート83との間の摩擦力に応じて、すなわち電磁コイル80に供給される励磁電流に応じて変化する。つまり、制御装置90は、電磁クラッチ制御回路94から電磁コイル80に供給する励磁電流を増減することにより、メインクラッチ7の押付力Pを制御することができる。
【0056】
また、メインカム部材111には、回転軸線Oと平行な方向に開口する複数(本実施の形態では6個)の油孔111c、及び複数(本実施の形態では6個)のピン取付孔111dがメインカム部材111の円周方向に等間隔をもって交互に配置されている。
【0057】
複数のピン取付孔111dのそれぞれには、円柱状のガイドピン115が取り付けられている。これらのガイドピン115は、メインカム部材111と、メインカム部材111にメインクラッチ7を挟んで対向する押付部材122との間に介在する復帰用スプリング114のばね力を案内する。復帰用スプリング114は、コイルバネであり、その内周部にガイドピン115を挿通させている。複数のガイドピン115は、その一端がピン取付孔111dに圧入等によって固定され、回転軸線Oに沿って互いに平行となるように配置されている。これにより、復帰用スプリング114のばね力がメインカム部材111及び押付部材122を互いに離間させる方向に作用し、二輪駆動時におけるインナクラッチプレート70及びアウタクラッチプレート71のうち互いに隣り合う2つのクラッチプレート間のクリアランスを確保する。
【0058】
(第2のカム機構12の構成)
第2のカム機構12は、その作動力となる回転力をモータ5から受けて回転する入力用のカム部材120、及び入力用のカム部材120に回転軸線Oに沿って並列する出力用のカム部材121を有し、第1のカム機構11との間にメインクラッチ7を挟む位置に配置されている。
【0059】
入力用のカム部材120は、メインクラッチ7との間に出力用のカム部材121を挟み、出力用のカム部材121と向かい合うように配置されている。出力用のカム部材121は、本発明の第1のカム部材の一例であり、入力用のカム部材120は、本発明の第2のカム部材の一例である。
【0060】
そして、第2のカム機構12は、第1のカム機構11による第1のカム推力Pの変換に先行して作動し、出力用のカム部材121に隣り合う押付部材122をメインクラッチ7に押し付け、インナクラッチプレート70とアウタクラッチプレート71との間のクリアランスCを例えばC=0に短縮するための第2のカム推力Pを発生させるように構成されている。
【0061】
押付部材122は、インナシャフト10を挿通させる環状であり、その内周部には、インナシャフト10のストレートスプライン嵌合部101に嵌合するストレートスプライン嵌合部122aが形成されている。これにより、押付部材122は、インナシャフト10に対する相対回転が規制され、かつインナシャフト10に対して軸方向に相対移動可能である。押付部材122のメインクラッチ7側における押圧面122bは、アウタクラッチプレート71に面している。
【0062】
図4は、入力用のカム部材120を示し、(a)は斜視図を、(b)は平面図を、(c)は(b)のA−A線断面図をそれぞれ示す。
【0063】
入力用のカム部材120は、インナシャフト10を挿通させる環状部123と、環状部123から出力用のカム部材121に向かって突出した複数(本実施の形態では6個)の凸部124と、環状部123の外周面の一部から外方に突出した扇形状のギヤ部125とを一体に有している。
【0064】
環状部123は、回転軸線Oの周方向に対して平行な側面123aを有し、凸部124は、この側面123aから突出して形成されている。凸部124は、断面台形状であり、その頂部に、側面123aに対して平行な平坦面124aを有している。側面123aと平坦面124aとの間には、側面123aに対して傾斜した傾斜面124bと、側面123aに対して直交する垂直面124cとが介在している。傾斜面124bは、環状部123の周方向における平坦面124aの一端部に、垂直面124cは、環状部123の周方向における平坦面124aの他端部に、それぞれ形成されている。側面123aと傾斜面124bとがなす角θ(図4(c)参照)は、鈍角であり、例えば150°である。
【0065】
傾斜面124bと平坦面124aとは回転軸線Oの周方向に連続して形成されている。傾斜面124bは回転軸線Oの周方向に対して傾斜し、平坦面124aは回転軸線Oの周方向に対して平行である。
【0066】
この入力用のカム部材120は、図3に示すように、歯車機構56によって伝達部材54に連結されている。より詳細には、入力用のカム部材120におけるギヤ部125の外周面に形成された外歯125aが、伝達部材54における円弧部541の外歯541aと噛み合い、外歯125aと外歯541aとによって構成される歯車機構56によって、入力用のカム部材120と伝達部材54とが連結されている。
【0067】
また、入力用のカム部材120は、インナシャフト10の外周側に嵌合された環状の受け部材37に針状ころ軸受38を介して支持され、インナシャフト10に対して回転自在に配置されている。受け部材37は、インナシャフト10の第3の円筒部10cを挿通させて、段差面10eと軸受32との間に配置されている。入力用のカム部材120は、この受け部材37によって、回転軸線Oに沿った方向の移動が規制されている。
【0068】
図5は、出力用のカム部材121を示し、(a)は斜視図を、(b)は平面図を、(c)は(b)のB−B線断面図をそれぞれ示す。
【0069】
出力用のカム部材121は、インナシャフト10を挿通させる環状部126と、環状部126から入力用のカム部材120の環状部123に向かって突出した複数(本実施の形態では6個)の凸部127と、複数の凸部127のうちの一部の凸部127の外周側に形成された複数(本実施の形態では3個)の突起128とを一体に有している。図5に示す例では、突起128が形成された凸部127が、環状部126の周方向に1つおきに配置されている。
【0070】
環状部126は、回転軸線Oの周方向に対して平行な側面126aを有し、凸部127は、この側面126aから突出して形成されている。凸部127は、断面台形状であり、その頂部に、側面126aに対して平行な平坦面127aを有している。平坦面127aと側面126aとの間には、側面126aに対して傾斜した傾斜面127bと、側面126aに対して直交する垂直面127cとが介在している。傾斜面127bは、環状部126の周方向における平坦面127aの一端部に、垂直面127cは、環状部126の周方向における平坦面127aの他端部に、それぞれ形成されている。側面126aと傾斜面127bとがなす角θは、入力用のカム部材120において側面123aと傾斜面124bとがなす角θ(図4(c)参照)と同じ角度である。
【0071】
傾斜面127bと平坦面127aとは回転軸線Oの周方向に連続して形成されている。傾斜面127bは回転軸線Oの周方向に対して傾斜し、平坦面127aは回転軸線Oの周方向に対して平行である。
【0072】
出力用のカム部材121は、複数の突起128が装置ケース4のケース本体40に形成された溝部411に係止されることにより、ケース本体40に対する相対回転が規制されている。溝部411は、回転軸線Oに沿って延びるように形成されており、これにより出力用のカム部材121は、回転軸線Oに沿ってケース本体40内で軸方向移動可能である。
【0073】
出力用のカム部材121と押付部材122との間には、針状ころ軸受129が配置されている。これにより、出力用のカム部材121は、第2のカム推力Pを針状ころ軸受129及び押付部材122を介してメインクラッチ7に出力する。
【0074】
上記のように、出力用のカム部材121は、ケース本体40に対する相対回転が規制されているので、モータ5が一方向に回転すると、そのトルクによって入力用のカム部材120が出力用のカム部材121に対して相対回転する。この相対回転により、入力用のカム部材120の凸部124における傾斜面124bと出力用のカム部材121の凸部127における傾斜面127bとが摺動し、入力用のカム部材120と出力用のカム部材121との間隔(入力用のカム部材120の環状部123と出力用のカム部材121の環状部126との間隔)が拡大する。また、モータ5が逆方向に回転すると、入力用のカム部材120と出力用のカム部材121との間隔が縮小する。
【0075】
以下、入力用のカム部材120と出力用のカム部材121との間隔を拡大させるモータ5の回転方向を「第1の回転方向」とし、入力用のカム部材120と出力用のカム部材121との間隔を縮小させるモータ5の回転方向を「第2の回転方向」とする。このモータ5の回転方向及びトルクは、制御装置90の制御部92によって制御される。制御部92は、モータ制御回路93からモータ5に供給される駆動電流の向き及び大きさによって、モータ5の回転方向及びトルクを制御する。
【0076】
(駆動力伝達装置1の動作)
次に、本実施の形態に示す駆動力伝達装置の動作につき、図1図6を参照して説明する。図6(a)〜(c)は、第2のカム機構12における入力用のカム部材120及び出力用のカム部材121の動作状態を示す。
【0077】
四輪駆動車200の二輪駆動状態では、駆動力断続装置3が非作動状態であり、第1のスプライン歯部3aと第2のスプライン歯部3bとの相対回転が可能(駆動力伝達不能)である。従って、エンジン202の駆動力は、トランスミッション203,フロントディファレンシャル206,及び前輪側のアクスルシャフト208L,208Rを介して前輪204L,204Rに伝達されるが、プロペラシャフト2には伝達されない。
【0078】
また、この二輪駆動状態では、第1のカム機構11及び第2のカム機構12が非作動状態であり、駆動力伝達装置1を介した後輪側のアクスルシャフト213Rとプロペラシャフト2との連結がなされない。従って、四輪駆動車200が走行していても、歯車機構22(ドライブピニオン220,リングギヤ221)、プロペラシャフト2、及びリヤディファレンシャル207のリヤデフケース217が回転せず、これらの回転に起因する走行抵抗が抑制される。
【0079】
一方、四輪駆動車200の走行中に二輪駆動状態から四輪駆動状態へ移行する際には、駆動力伝達装置1の作動によって、四輪駆動車200の走行に伴う後輪側のアクスルシャフト213Rの回転力を、リヤディファレンシャル207を介してプロペラシャフト2に伝達する。これによりプロペラシャフト2が回転し、第1のスプライン歯部3aと第2のスプライン歯部3bとの回転が同期して、スリーブ3cを第1のスプライン歯部3a及び第2のスプライン歯部3bに共にスプライン嵌合可能させることが可能となる。スリーブ3cが第1のスプライン歯部3a及び第2のスプライン歯部3bにスプライン嵌合すると、エンジン202の駆動力がプロペラシャフト2に伝達され、エンジン202の駆動力によって後輪205L,205Rを駆動することが可能となる。
【0080】
制御装置90は、センサ群(アクセル開度センサ901,エンジン回転数センサ902,ギヤセンサ903,車輪速センサ904〜907)によって検出される車両走行状態に応じて駆動力伝達装置1を制御し、後輪205L,205Rに伝達される駆動力を調節する。後輪205L,205Rに伝達する駆動力は、例えば前輪204L,204Rの回転速度と後輪205L,205Rの回転速度との差(前後輪回転速差)や、アクセルペダル202aの踏み込み量(加速操作量)に基づいて、制御部92における演算によって定められる。
【0081】
駆動力伝達装置1を介した駆動力の伝達は、モータ5の回転によって第2のカム機構12を作動させ、その後、電磁コイル80に励磁電流を供給して第1のカム機構11を作動させることによって行う。次に、この駆動力伝達装置1の作動について、詳細に説明する。
【0082】
制御装置90の制御部92は、モータ制御回路93によってモータ5に駆動電流を供給し、モータ5の出力軸52を回転させる。出力軸52の回転力は、連結器55を介して伝達部材54に伝達され、さらに歯車機構56によって入力用のカム部材120に伝達される。入力用のカム部材120が回転すると、出力用のカム部材121との間に相対回転が発生し、出力用のカム部材121が押付部材122を介してメインクラッチ7を軸方向に押圧する。
【0083】
図6(a)は、出力用のカム部材121がメインクラッチ7から最も後退した位置(以下「第2位置」という)にある状態を示し、図6(c)は、出力用のカム部材121が最もメインクラッチ7側に移動した位置(以下「第1位置」という)にある状態を示す。また、図6(b)は、出力用のカム部材121が第1位置と第2位置との間にある状態を示す。
【0084】
図6(a)に示すように、出力用のカム部材121が第2位置にあるときは、入力用のカム部材120の凸部124と出力用のカム部材121の凸部127とが回転軸線Oの周方向に沿って交互に配置され、インナクラッチプレート70とアウタクラッチプレート71との間のクリアランスCが最大となり、インナクラッチプレート70とアウタクラッチプレート71との間に介在する潤滑油に起因する引き摺りトルクが最小となる。
【0085】
また、出力用のカム部材121がこの第2位置にあるときは、モータ5が第2の回転方向へのトルクを発生し、入力用のカム部材120の凸部124における垂直面124cが出力用のカム部材121の凸部127における垂直面127cに当接する。なお、この状態では、入力用のカム部材120を回転させる外力が作用しないので、モータ5の回転トルクは、例えば振動等による入力用のカム部材120の回転を抑えることができる程度の僅かなトルクでよい。
【0086】
図6(a)に示す状態からモータ5が第1の方向に回転すると、そのトルクによって入力用のカム部材120が出力用のカム部材121に対して回転し、図6(b)に示すように、入力用のカム部材120の凸部124における傾斜面124bと出力用のカム部材121の凸部127における傾斜面127bとが摺動する。この傾斜面124bと傾斜面127bとの摺動により、出力用のカム部材121がメインクラッチ7側に移動する。つまり、モータ5の第1の方向への回転に伴う傾斜面同士(傾斜面124b及び傾斜面127b)の摺動によって、出力用のカム部材121が第1位置に移動する。これにより、第2のカム推力Pが発生し、メインクラッチ7のインナクラッチプレート70とアウタクラッチプレート71とが回転軸線Oに沿って押し付けられる。
【0087】
出力用のカム部材121が第1位置に移動した後、モータ5が第1の回転方向にさらに回転すると、図6(c)に示すように、入力用のカム部材120の凸部124における平坦面124aが出力用のカム部材121の凸部127における平坦面127aに当接する。この状態では、出力用のカム部材121がメインクラッチ7から第2のカム推力Pの反力を受けても、その反力が入力用のカム部材120を回転させる力に変換されないので、第2のカム推力Pの反力によって入力用のカム部材120が回転することはない。つまり、出力用のカム部材121が第1位置に移動した後のモータ5の第1の回転方向へのさらなる回転によって平坦面同士(平坦面124a及び平坦面127a)が向かい合いって接触し、出力用のカム部材121の第1位置から第2位置への移動が規制される。
【0088】
また、モータ5が第2の回転方向に回転すると、入力用のカム部材120が出力用のカム部材121に対して上記とは反対の方向に回転し、出力用のカム部材121が復帰用スプリング114のばね力によって第2位置に移動する。つまり、モータ5は、第1の回転方向への回転によって出力用のカム部材121を第1位置に移動させると共に、第2の回転方向への回転によって出力用のカム部材121を第2位置に移動させる。
【0089】
このように、入力用のカム部材120の平坦面124aと出力用のカム部材121の平坦面127aとが当接すると、インナクラッチプレート70とアウタクラッチプレート71との間のクリアランスCが最小(例えばC=0)となり、モータ5がトルクを発生しなくても、出力用のカム部材121の位置が第1位置に維持され得る状態となる。
【0090】
そして、制御装置90の制御部92は、モータ5の第1の回転方向への回転により入力用のカム部材120の平坦面124aと出力用のカム部材121の平坦面127aとを当接させた状態で、電磁クラッチ制御回路94によって電磁コイル80に励磁電流を供給し、第1のカム機構11を作動させる。この際、出力用のカム部材121の第1位置への移動によってインナクラッチプレート70とアウタクラッチプレート71との間のクリアランスCが最小となっているので、電磁コイル80に供給する励磁電流に応じたメインクラッチ7の押付力Pが速やかに発生する。
【0091】
メインクラッチ7は、電磁クラッチ8による押付力Pを受け、インナクラッチプレート70とアウタクラッチプレート71との間の摩擦力によって、ハウジング6とインナシャフト10とをトルク伝達可能に連結する。この押付力Pは、押付部材122を介して出力用のカム部材121にも作用し、出力用のカム部材121の平坦面127aが入力用のカム部材120の平坦面124aにより強く押し付けられる。これにより、出力用のカム部材121の平坦面127aと入力用のカム部材120の平坦面124aとの間の摩擦力が増大し、出力用のカム部材121に対する入力用のカム部材120の回転が抑制される。
【0092】
上記のように、出力用のカム部材121の平坦面127aと入力用のカム部材120の平坦面124aとが接触している状態では、モータ5に駆動電流を供給しなくても、すなわちモータ5がトルクを発生しなくても、出力用のカム部材121の位置が第1位置に維持され得る。しかし、四輪駆動車200が、エンジン202の駆動力により所定のトルク以上の大きなトルクで加速されると、メインクラッチ7におけるアウタクラッチプレート71のストレートスプライン嵌合部71aとハウジング6のストレートスプライン嵌合部601との間の隙間、及びインナクラッチプレート70のストレートスプライン嵌合部70aとインナシャフト10のストレートスプライン嵌合部101との間の隙間に対応する角度分、入力用のカム部材120が出力用のカム部材121に対して回転する場合がある。
【0093】
図7(a)は、アウタクラッチプレート71のストレートスプライン嵌合部71aとハウジング6のストレートスプライン嵌合部601との嵌合状態を示す模式図であり、図7(b)は、インナクラッチプレート70のストレートスプライン嵌合部70aとインナシャフト10のストレートスプライン嵌合部101との嵌合状態を示す模式図である。なお、この図では、説明のため、それぞれのストレートスプライン嵌合部の間における隙間を誇張して表している。
【0094】
アウタクラッチプレート71のストレートスプライン嵌合部71aとハウジング6のストレートスプライン嵌合部601との間には、アウタクラッチプレート71を軸方向移動可能とするための隙間が設けられている。アウタクラッチプレート71の一方の回転方向におけるストレートスプライン嵌合部71aとストレートスプライン嵌合部601との隙間をS11、アウタクラッチプレート71の他方の回転方向におけるストレートスプライン嵌合部71aとストレートスプライン嵌合部601との隙間をS12とすると、周方向隙間S(S=S11+S12)は、ハウジング6の回転方向に関わらず、略一定である。
【0095】
同様に、インナクラッチプレート70のストレートスプライン嵌合部70aとインナシャフト10のストレートスプライン嵌合部101との間には、インナクラッチプレート70を軸方向移動可能とするための隙間が設けられている。インナクラッチプレート70の一方の回転方向におけるストレートスプライン嵌合部70aとストレートスプライン嵌合部101との隙間をS21、インナクラッチプレート70の他方の回転方向におけるストレートスプライン嵌合部70aとストレートスプライン嵌合部101との隙間をS22とすると、周方向隙間S(S=S21+S22)は、インナシャフト10の回転方向に関わらず、略一定である。
【0096】
四輪駆動車200が、エンジン202の駆動力により所定のトルク以上の大きなトルクで加速されると、出力用のカム部材121がメインクラッチ7からの第2のカム推力Pの反力を受けながら、この反力に伴う摩擦力によって、周方向隙間S,Sに対応する角度範囲でインナクラッチプレート70又はアウタクラッチプレート71に連れ回りする可能性がある。つまり、出力用のカム部材121が入力用のカム部材120に対して相対回転する可能性がある。従って、モータ5に駆動電流を供給しない状態で四輪駆動車200が複数回に亘って加速されると、出力用のカム部材121の平坦面127aと入力用のカム部材120の平坦面124aとが当接した状態が解除され、図6(b)に示すように、傾斜面同士(傾斜面124b及び傾斜面127b)が向かい合う状態となるおそれがある。この場合、出力用のカム部材121が第2位置までメインクラッチ7に対して後退し、インナクラッチプレート70とアウタクラッチプレート71との間のクリアランスCが拡大するので、電磁コイル80の励磁電流に応じたメインクラッチ7の押付力Pが発生しなくなる。
【0097】
本実施の形態では、制御装置90の制御部92が、出力用のカム部材121の平坦面127aと入力用のカム部材120の平坦面124aとが当接しているとき、所定の条件の成立によってモータ5に駆動電流を供給し、第1の回転方向へのトルクを発生させる。この場合のモータ5の出力トルクは、出力用のカム部材121が電磁クラッチ8による押付力Pを受けた状態でも、平坦面127aと平坦面124aとを摺動させ、出力用のカム部材121に対して入力用のカム部材120を回転させることが可能な大きさのトルクである。
【0098】
本実施の形態では、制御部92が、四輪駆動車200が所定の加速度以上の加速度で複数の所定回数加速されたことを条件として、モータ5に駆動電流を供給して第1の回転方向へのトルクを発生させる。
【0099】
図8は、この処理に関して制御部92が実行する処理内容を示すフローチャートの一例である。制御部92は、このフローチャートに示す処理を所定の制御周期(例えば100ms)で繰り返し実行する。
【0100】
まず、制御部92は、第2のカム機構12が作動状態か否かを判断する(ステップS10)。ここで、第2のカム機構12の作動状態とは、出力用のカム部材121と入力用のカム部材120との位置関係が図6(c)に示す状態となるようにモータ5が第1の回転方向へのトルクを発生した後の状態であり、出力用のカム部材121の平坦面127aと入力用のカム部材120の平坦面124aとが当接しているとみなされる状態である。なお、モータ5には回転位置を検出するセンサが設けられておらず、また装置ケース4内にも入力用のカム部材120又は出力用のカム部材121の位置を検出可能なセンサが設けられていないので、制御部92は、モータ5を第1の回転方向に回転させた後、モータ5を第2の回転方向へ回転させていないことにより、第2のカム機構12が作動状態であると判断する。第2のカム機構12が作動状態でない場合(S10:No)、制御部92は、他の処理を実行することなくリターンする。
【0101】
第2のカム機構12が作動状態である場合(S10:Yes)、制御部92は、タイマ値が所定値以上であるか否かを判断する(ステップS11)。このタイマ値は、モータ5を第1の回転方向に回転させたときに起動されるタイマのタイマ値であり、ステップS11において比較の対象となる所定値は、例えば60〜120秒である。
【0102】
タイマ値が所定値以上である場合(S11:Yes)、制御部92は、タイマ値をクリアし(ステップS12)、再度タイマを起動する(ステップS13)。その後さらに後述するカウンタをクリアし(ステップS14)、第1の回転方向にモータ5のトルクを発生させる(ステップS15)。
【0103】
一方、タイマ値が所定値以上でない場合(S11:No)、制御部92は、四輪駆動車200の加速度が所定値以上であるか否かを判断する(ステップS20)。四輪駆動車200の加速度は、例えばアクセル開度センサ901によって検出されるアクセルペダル202aの踏み込み量や、エンジン回転数センサ902によって検出されるエンジン202の回転数、及びギヤセンサ903によって検出されるトランスミッション203の変速比等に基づいて、演算により求めることができる。また、例えば加速度センサによって四輪駆動車200の加速度を求めてもよい。
【0104】
また、ステップS20における所定値は、出力用のカム部材121の平坦面127aと入力用のカム部材120の平坦面124aとの間で滑りが発生する可能性がある四輪駆動車200の加速度に設定することができる。四輪駆動車200の加速度が所定値以上でない場合(S20:No)には、加速中フラグをオフにして(ステップS25)、リターンする。
【0105】
四輪駆動車200の加速度が所定値以上である場合(S20:Yes)、制御部92は、加速中フラグがオフしているか否かを判断する(ステップS21)。この加速中フラグは、後述するステップS23の処理でオン状態となるフラグであり、四輪駆動車200の加速状態が継続している場合にオン状態が維持されるフラグである。
【0106】
加速中フラグがオフである場合(ステップS21:Yes)、制御部92は、カウンタをインクリメントし(ステップS22)、加速中フラグをオンする(ステップS23)。このカウンタは、四輪駆動車200の加速度が所定値未満の状態から所定値以上の状態に移行した回数を示すものである。また、加速中フラグは、四輪駆動車200の加速状態が継続している場合に、カウンタが連続してインクリメントされないようにするためのフラグである。
【0107】
次に、制御部92は、カウンタが所定値以上であるか否かを判断する(ステップS24)。この所定値は、四輪駆動車200の加速度が所定値未満の状態から所定値以上の状態に繰り返し移行しても、出力用のカム部材121の平坦面127aと入力用のカム部材120の平坦面124aとが当接した状態が維持される回数に設定される。つまり、この所定値は、モータ5の第1の回転方向への回転によって出力用のカム部材121の平坦面127aと入力用のカム部材120の平坦面124aとが当接した当初の状態における平坦面127aと平坦面124aとの接触領域の周方向の長さL(図6(c)に示す)と、前述の周方向隙間S,Sとの関係によって定まるものであり、この所定値をN(N≧2)、四輪駆動車200の1回の加速によって入力用のカム部材120が出力用のカム部材121に対して回転し得る角度をφ、上記の長さLに対応する入力用のカム部材120の回転角度(平坦面127aと平坦面124aとが接触し始めてからの入力用のカム部材120の回転角度)をφとしたとき、φ>φ×Nの関係式を満たす値である。
【0108】
カウンタが所定値以上である場合(ステップS24:Yes)、制御部92は、カウンタをクリアし(ステップS14)、第1の回転方向にモータ5のトルクを発生させる(ステップS15)。一方、カウンタが所定値以上でない場合(ステップS24:No)、制御部92は、ステップS14,S15の処理を実行することなくリターンする。
【0109】
以上のように、制御部92は、ステップS15の処理を、ステップS11における所定値に対応する時間の間隔で実行すると共に、この時間が経過していない場合でも、四輪駆動車200の加速の回数(加速度がステップS20の所定値未満の状態から所定値以上の状態となった回数)が所定値以上になったとき、ステップS15の処理を実行する。これにより、第2のカム機構12が作動状態となった後、モータ5の第2の回転方向への回転によってこの作動状態が解除されるまでの間、出力用のカム部材121の平坦面127aと入力用のカム部材120の平坦面124aとが当接した状態が維持される。
【0110】
ステップS11における判断条件は、モータ5に第1の回転方向へのトルクを発生させてから所定の時間が経過したことを示す第1の条件であり、ステップS24における判断条件は、上記所定の時間の経過前に四輪駆動車200が所定の加速度以上の加速度で所定回数加速されたことを示す第2の条件である。つまり、図8に示すフローチャートの処理では、第1の条件又は第2の条件の何れかが満たされた場合に、制御部92がステップS15の処理を実行する。
【0111】
[実施の形態の効果]
以上説明した実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
【0112】
(1)制御部92は、第2のカム機構12の作動中、常時モータ5にトルクを発生させる必要がないので、例えば第2のカム機構12の作動中に常にモータ5に第1の回転方向のトルクを発生させる場合に比較して、モータ5の消費電力を低減することができる。また、モータ5に常に第1の回転方向のトルクを発生させる電流を供給する場合には、この電流によってモータ5が過熱するおそれがあるが、本発明によれば、モータ5の発熱を抑制することも可能となる。
【0113】
(2)四輪駆動車200の加速度が所定値未満の状態から所定値以上の状態となった回数が所定値(N)以上になったとき、モータ5に第1の回転方向のトルクを発生させるので、四輪駆動車200の加速度が所定値未満から所定値以上になる度にモータ5に第1の回転方向のトルクを発生させる場合に比較して、さらにモータ5の消費電力を低減することができる。
【0114】
(3)四輪駆動車200が加速されない場合でも、所定の時間の経過によってモータ5に第1の回転方向のトルクを発生させるので、例えば出力用のカム部材121と入力用のカム部材120との間の滑りによって出力用のカム部材121の平坦面127aと入力用のカム部材120の平坦面124aとが当接した状態が解除されてしまうことを防ぐことができる。
【0115】
以上、本発明の駆動力伝達装置を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
【0116】
例えば、上記実施の形態では、四輪駆動車200が所定値以上の加速度で複数の所定回数加速された場合に、モータ5に第1の回転方向のトルクを発生させるようにしたが、四輪駆動車200が所定値以上の加速度で加速される度にモータ5に第1の回転方向のトルクを発生させるようにしてもよい。この場合でも、第2のカム機構12の作動中に常にモータ5に第1の回転方向のトルクを発生させる場合に比較して、モータ5の消費電力を低減することができる。つまり、ステップS24の所定値は1以上であればよく、ステップS24の処理を省略してもよい。
【0117】
また、上記実施の形態では、タイマ値が所定値以上となったときにモータ5に第1の回転方向のトルクを発生させるようにしたが、タイマを用いることなく、四輪駆動車200が所定値以上の加速度で加速された回数のみに基づいて、モータ5に第1の回転方向のトルクを発生させてもよい。このようにしても、出力用のカム部材121の平坦面127aと入力用のカム部材120の平坦面124aとの間の摩擦力が十分であれば、平坦面127aと平坦面124aとが当接した状態が解除されることを防ぎ得る。
【0118】
また、上記実施の形態では、メインクラッチ7の軸方向の一方に第1のカム機構11を配置すると共に、インクラッチ7の軸方向の他方に第2のカム機構12を配置し、第1のカム推力Pと第2のカム推力Pとが互いに逆方向に作用して軸方向の両側からメインクラッチ7を押し付けるように駆動力伝達装置1を構成したが、これに限らず、第2のカム機構12の第2のカム推力Pのみによってメインクラッチ7を押し付けるようにしてもよい。この場合、電磁クラッチ8及び第1のカム機構11が省略され、第2のカム機構12がハウジング6の底部61との間に配置されたメインクラッチ7を押し付け、インナクラッチプレート70とアウタクラッチプレート71とを摩擦係合させる。
【符号の説明】
【0119】
1…駆動力伝達装置、2…プロペラシャフト、3…駆動力断続装置、3a…第1のスプライン歯部、3b…第2のスプライン歯部、3c…スリーブ、4…装置ケース、5…モータ、6…ハウジング、7…メインクラッチ、8…電磁クラッチ、9…駆動力伝達制御装置、10…インナシャフト、10a〜10c…第1〜第3の円筒部、10d,10e…段差面、11…第1のカム機構、12…第2のカム機構、22,23…歯車機構、30…栓体、31,32…軸受、33…シール部材、34…軸受、35…Oリング、36…シール部材、37…受け部材、38…針状ころ軸受、40…ケース本体、41…ケース蓋体、42…ボルト、50…固定子、51…回転軸、52…出力軸、54…伝達部材、55…連結器、56…歯車機構、57…止め輪、58…シール部材、60…円筒部、60a…係合凹部、60b…フランジ部、61…底部、61a…突起、62…止め輪、70…インナクラッチプレート、70a…ストレートスプライン嵌合部、70b…貫通孔、71…アウタクラッチプレート、71a…ストレートスプライン嵌合部、80…電磁コイル、81…アーマチャ、81a…ストレートスプライン嵌合部、82…アウタクラッチプレート、82a…ストレートスプライン嵌合部、83…インナクラッチプレート、83a…ストレートスプライン嵌合部、84…ヨーク、90…制御装置、91…記憶部、92…制御部、93…モータ制御回路、94…電磁クラッチ制御回路、101…ストレートスプライン嵌合部、102…フランジ部、110…パイロットカム部材、110a…ストレートスプライン嵌合部、110b…カム溝、111…メインカム部材、111a…クラッチプレート押付部、111b…カム溝、111c…油孔、111d…ピン取付孔、112…転動部材、113…針状ころ軸受、114…復帰用スプリング、115…ガイドピン、116…リテーナ、120…入力用のカム部材、121…出力用のカム部材、121a…非磁性リング、122…押付部材、122a…ストレートスプライン嵌合部、122b…押圧面、123…環状部、123a…側面、124…凸部、124a…平坦面、124b…傾斜面、124c…垂直面、125…ギヤ部、125a…外歯、126…環状部、126a…側面、127…凸部、127a…平坦面、127b…傾斜面、127c…垂直面、128…突起、129…針状ころ軸受、200…四輪駆動車、201…駆動力伝達系、202…エンジン、202a…アクセルペダル、203…トランスミッション、204L,204R…前輪、205L,205R…後輪、206…フロントディファレンシャル、207…リヤディファレンシャル、208L,208R…アクスルシャフト、209L,209R…サイドギヤ、210…ピニオンギヤ、211…ピニオンギヤシャフト、212…フロントデフケース、213L,213R…アクスルシャフト、214L,214R…サイドギヤ、215…ピニオンギヤ、216…ピニオンギヤシャフト、217…リヤデフケース、220…ドライブピニオン、221…リングギヤ、230…ドライブピニオン、231…リングギヤ、401…取付部、401a…貫通孔、411…溝部、531…位置決めピン、532…ボルト、541…円弧部、541a…外歯、601…ストレートスプライン嵌合部、611…軸部、611a…端部、841…ピン、901…アクセル開度センサ、902…エンジン回転数センサ、903…ギヤセンサ、904〜907…車輪速センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8