(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記処理部は、配信する複数のコンテンツのうちのいずれかのコンテンツに位置情報の 通知要求を付加し、この通知要求により前記通信端末から得た位置情報を前記履歴情報蓄積部に提供する、
請求項1に記載のコンテンツ配信システム。
前記処理部は、前記通信端末から提供された位置情報と、予測した前記配信位置の情報とを比較し、予測した前記配信位置の情報が前記位置情報と異なる場合、前記位置履歴情報を直近の前記位置情報に更新する、
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のコンテンツ配信システム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、第1の実施の形態に係るコンテンツ配信システムを示している。
【0019】
このコンテンツ配信システム2−1はモバイル端末に対してコンテンツを配信するコンテンツ配信システムであり、本開示のコンテンツ配信システムおよびサーバの一例である。
【0020】
このコンテンツ配信システム2−1は、サーバシステム4および複数の通信経路6−1、6−2・・・6−Nおよびモバイル端末8を備える。
【0021】
サーバシステム4は、モバイル端末8からのコンテンツ配信などの情報の配信要求を受け付け、要求されたコンテンツを配信する。このサーバシステム4は単一または複数のサーバで構成されるコンピュータシステムであり、通信機能を備えてモバイル端末8と無線通信ネットワークを構成している。
【0022】
モバイル端末8は、移動通信端末の一例である。このモバイル端末8は、コンテンツ配信を受ける配信先である。このモバイル端末8は、携帯電話機、モバイル端末、ゲーム機など、通信機能を備える電子機器であればよい。
【0023】
そして、サーバシステム4は、記録部10、処理部12およびコンテンツ配信部14を備えている。
【0024】
記録部10は履歴情報蓄積部の一例である。記録部10は、履歴情報蓄積部として、コンテンツ配信を受けたモバイル端末8の位置を位置履歴情報として蓄積している。つまり、記録部10にはモバイル端末8へのコンテンツ配信のたびにコンテンツの配信先であるモバイル端末8の位置が位置履歴情報として格納される。
【0025】
処理部12は、記録部10に位置履歴情報の蓄積やその位置履歴情報を用いた配信位置の位置予測などを実行する。つまり、処理部12では、モバイル端末8の位置を位置履歴情報として記録部10に蓄積する。また、処理部12ではモバイル端末8へのコンテンツ配信に際し、記録部10にある位置履歴情報を参照して配信位置を予測する。この配信位置に対して複数の通信経路6−1、6−2・・・6−Nから距離の短い通信経路6Xを選択する。
【0026】
コンテンツ配信部14は、配信要求を発したモバイル端末8に対し、処理部12が選択した通信経路6Xを通してコンテンツ配信を行う。このコンテンツ配信部14は、モバイル端末8と公衆無線ネットワークにより無線接続されるコンテンツ配信サーバ、モバイル端末8のサービスエリアに属するコンテンツ配信サーバのいずれであってもよい。また、このコンテンツ配信部14は、企業など、特定の範囲のサービスエリアに属するコンテンツ配信サーバであってもよい。
【0028】
図2は、コンテンツ配信の経路選択の処理手順を示している。この処理手順は、コンテンツ配信を要求したモバイル端末8に対して通信経路6−1、6−2・・・6−Nを選択してコンテンツ配信を行うコンピュータに実行させるコンテンツ配信プログラムの一例である。この処理手順は本開示のコンテンツ配信プログラムの一例である。
【0029】
この処理手順では、処理部12が配信先のモバイル端末8の位置を位置履歴情報として記録部10に蓄積する(S11)。
【0030】
モバイル端末8からのコンテンツ配信の要求の有無を判定する(S12)。コンテンツ配信に際し、つまり、配信要求があれば(S13のYES)、記録部10にあるモバイル端末8の位置履歴情報を参照して配信位置を予測する(S14)。
【0031】
この配信位置に対して距離の短い通信経路6Xを選択する(S15)。
【0032】
そして、コンテンツ配信部14は、選択された通信経路6Xを用いてモバイル端末8にコンテンツ配信を行う(S16)。コンテンツ配信の後、S11に戻り、配信先であるモバイル端末8の位置情報を記録部10に格納する。
【0034】
(1) モバイル端末8の位置が位置履歴情報として記録部10に蓄積されているので、この位置履歴情報から配信先の位置を予測することができる。この予測位置に対し、通信経路6−1、6−2・・・6−Nから距離の短い通信経路6Xを選択することができる。
【0035】
(2) コンテンツ配信を要求したモバイル端末8に位置情報の提供を要求しないので、モバイル端末8に対する負荷を軽減することができる。また、モバイル端末8から定期的な位置情報の提供が不要である。
【0036】
(3) 情報提供側では、位置の探索や位置情報の入手のためのモバイル端末8との通信が不要である。つまり、コンテンツ配信の際に配信先の位置情報を蓄積するだけでよい。トラヒック負荷の軽減を図ることが可能である。
【0038】
図3は、第2の実施の形態に係るコンテンツ配信システムを示している。
図3において
図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0039】
このコンテンツ配信システム2−2は、本開示のコンテンツ配信システムおよびサーバの一例であり、既述のコンテンツ配信システム2(
図1)の一例である。
【0040】
このコンテンツ配信システム2−2は、配信センター22および一例として三地域の地域配信システム24A、24B、24Cを備える。これら配信センター22および地域配信システム24A、24B、24Cは、コンテンツ配信としてたとえば、複数のコンテンツ種別を配信するプラットフォームを構成する。
【0041】
配信センター22は、管理サーバ4−1、位置情報サーバ4−2、配信制御サーバ4−3およびセンター側ネットワーク60を備える。管理サーバ4−1、位置情報サーバ4−2および配信制御サーバ4−3は相互に接続されているとともに、センター側ネットワーク60に接続されている。
【0042】
管理サーバ4−1はコンピュータで構成され、配信情報の一例であるコンテンツを管理する。
【0043】
位置情報サーバ4−2はコンピュータで構成され、位置情報を通知するコンテンツ種別のコンテンツ提供時、位置情報の記録を実行する。さらに、この位置情報サーバ4−2は、コンテンツ提供における履歴情報から次回のコンテンツ配信(PUSH配信)に用いる配信位置の予測つまり、在圏位置情報の予測処理を行う。
【0044】
配信制御サーバ4−3はコンピュータで構成され、位置情報サーバ4−2から在圏位置情報の提供を受ける。その地域に応じた最も近い配信サーバ62(たとえば、後述の配信サーバ62A、62Bまたは62C)のアドレスが指定されている制御情報を通知する。この場合、該当アドレスは配信要求を発しているモバイル端末8に対してPUSH配信により通知する。
【0045】
地域配信システム24Aは、地域26Aに対する配信を担当する。地域配信システム24Bは、地域26Bに対する配信を担当する。地域配信システム24Cは、地域26Cに対する配信を担当する。地域配信システム24Aには地域ネットワーク60A、配信サーバ62Aおよび基地局28Aを備える。地域配信システム24Bには地域ネットワーク60B、配信サーバ62Bおよび基地局28Bを備える。地域配信システム24Cには地域ネットワーク60C、配信サーバ62Cおよび基地局28Cを備える。
【0046】
地域ネットワーク60Aはセンター側ネットワーク60に接続されているとともに、配信サーバ62Aおよび基地局28Aに接続されている。地域ネットワーク60Bはセンター側ネットワーク60に接続されているとともに、配信サーバ62Bおよび基地局28Bに接続されている。地域ネットワーク60Cはセンター側ネットワーク60に接続されているとともに、配信サーバ62Cおよび基地局28Cに接続されている。したがって、センター側ネットワーク60および地域ネットワーク60A、60B、60Cは相互に連携されている。
【0047】
地域26Aは基地局28Aのサービスエリアである。この地域26Aには複数のモバイル端末8−1、8−2・・・8−Nが存在している。各モバイル端末8−1、8−2・・・8−Nが移動可能であるから、図示の状態は、モバイル端末8−1、8−2・・・8−Nが地域26Aに在圏していることを表している。したがって、地域26A内の各モバイル端末8−1、8−2・・・8−Nは基地局28Aに無線通信により接続される。
【0048】
地域26Bは基地局28Bのサービスエリアである。この地域26Bには同様に複数のモバイル端末8−1、8−2・・・8−Nが存在している。この場合、モバイル端末8−1、8−2・・・8−Nが移動可能であるから、図示の状態は、モバイル端末8−1、8−2・・・8−Nが地域26Bに在圏していること(つまり、その地域に存在または移動中であること)を表している。したがって、地域26B内に在圏する各モバイル端末8−1、8−2・・・8−Nは基地局28Bに無線通信により接続される。
【0049】
地域26Cは基地局28Cのサービスエリアである。この地域26Cには同様に複数のモバイル端末8−1、8−2・・・8−Nが存在している。この場合、モバイル端末8−1、8−2・・・8−Nが移動可能であるから、図示の状態は、モバイル端末8−1、8−2・・・8−Nが地域26Cに在圏していることを表している。したがって、地域26C内に在圏する各モバイル端末8−1、8−2・・・8−Nは基地局28Cに無線通信により接続される。
【0050】
地域配信システム24A、24Bまたは24CからPUSH通知を受けたモバイル端末8は、指定された配信サーバ62A、62Bまたは62Cのアドレスへ向けてコンテンツのダウンロード要求を発行する。
【0051】
この実施の形態では、位置情報の通知要否を制御するコンテンツ種別を配信する。このコンテンツ種別の配信に対し、コンテンツ配信を受けるモバイル端末8は位置情報サーバ4−2に位置情報を提供する。この位置情報の提供を受けた位置情報サーバ4−2はモバイル端末8の位置情報を記録する。
【0053】
図4は、配信サーバ62Aから地域26Aに在圏するモバイル端末8−1、8−2・・・8−NへのPUSH通知を示している。このようなコンテンツ配信は、地域26Bまたは地域26Cにおいても同様に、各地域26Bまたは地域26Cに対応する配信サーバ62B、62Cから実行される。
【0054】
<管理サーバ4−1、位置情報サーバ4−2、配信制御サーバ4−3、配信サーバ62A、62B、62Cおよびモバイル端末8−1、8−2・・・8−Nの各機能>
【0055】
管理サーバ4−1は
図5のAに示すように、契約情報管理機能64、コンテンツ管理機能66および管理情報データベース(DB)68を備えている。契約情報管理機能64は、コンテンツ配信を受けるモバイル端末8−1、8−2・・・8−Nの契約情報の記録など、契約およびその内容を管理する。コンテンツ管理機能66は、配信されるコンテンツおよびその内容を管理する。管理情報DB68には契約情報などが格納されている。
【0056】
位置情報サーバ4−2は
図5のBに示すように、位置情報管理機能70、経路情報提供機能72および位置情報DB74を備える。位置情報管理機能70は、位置情報の通知を求めるコンテンツ種別のコンテンツ提供時に取得した位置情報の位置情報記録、その位置履歴情報から次回のPUSH配信に向けた在圏位置情報の予測を行う。つまり、モバイル端末8−1、8−2・・・8−Nの位置情報の取得、蓄積および蓄積した位置情報の更新などを行う。この位置情報には端末ID、位置取得日、実績位置情報などが含まれる。位置取得日は位置情報を取得した日時である。実績位置情報は蓄積している位置情報である。位置情報DB74には、既述の端末ID、位置取得日時(モバイル端末8から発せられたアクセスの日時、曜日などを含む)、実績位置情報などの位置履歴情報が格納されている。
【0057】
経路情報提供機能72は予測した位置に対する最適な通信経路を配信制御サーバ4−3に提供する。最適な通信経路はたとえば、予測した位置から最も近い通信経路である。この場合、配信サーバについても、最も近い配信サーバたとえば、配信サーバ62A、62B、62Cのいずれかひとつを提供する。
【0058】
配信制御サーバ4−3は
図5のCに示すように配信制御機能76および配信スケジュールDB78を備える。この配信制御機能76は、位置情報サーバ4−2から在圏位置情報の提供を受け、その地域に応じた最も近い配信サーバ62のアドレスを指定した制御情報をモバイル端末8に対してPUSH通知をする。この制御情報の通知は、電文フォーマット88(
図11)により実行する。配信スケジュールDB78には配信時刻や配信端末IDが格納されている。
【0059】
各配信サーバ62A、62B、62Cは
図6のAに示すように、コンテンツ提供機能80およびサービスログ82を備える。コンテンツ提供機能80は、コンテンツの提供を要求するモバイル端末8−1、8−2・・・8−Nにコンテンツを提供する。このコンテンツの提供は、モバイル端末8−1、8−2・・・8−Nのダウンロード要求により実行される。サービスログ82には端末ID、アクセス日時、実績位置情報などが格納されている。
【0060】
各モバイル端末8−1、8−2・・・8−Nは
図6のBに示すように、送受信機能84およびコンテンツダウンロード機能86を備える。送受信機能84はコンテンツの配信要求を送信し、配信サーバ62(=62A、62B、62C)からPUSH通知を受ける。このPUSH通知を受けたモバイル端末8−1、8−2・・・8−Nは、指定された配信サーバ62のアドレスに対し、コンテンツのダウンロード要求を行う。PUSH通知の電文フォーマット88(
図11)に示すように、位置情報を通知すべきコンテンツ種別であった場合には、モバイル端末8が位置情報を提供する。つまり、位置情報が求められなければ、各モバイル端末8−1、8−2・・・8−N側からの位置情報を提供する必要はない。モバイル端末8−1、8−2・・・8−Nから配信サーバ62に提供された位置情報は、位置情報サーバ4−2に通知され記録される。
【0061】
図7は、位置情報サーバ4−2、配信制御サーバ4−3、モバイル端末8−1、8−2・・・8−Nおよび配信サーバ62A、62B、62Cの各機能の関係を示している。
【0062】
配信制御サーバ4−3は、配信制御機能76により配信スケジュールに基づき、PUSH配信指示を発行する際に、位置情報サーバ4−2の位置情報管理機能70から配信対象であるモバイル端末8の在圏予測値を取得する。この在圏予測値は、モバイル端末8が存在する位置の予測値である。この在圏予測値が含まれる在圏地域に対し、最適な配信サーバ62(たとえば、62A、62B、62Cのいずれか)の情報を位置情報サーバ4−2の経路情報提供機能72から取得する。
【0063】
配信制御サーバ4−3は、電文フォーマット88(
図11)によりモバイル端末ID、配信サーバアドレスを指定してモバイル端末8(=8−1、8−2・・・8−Nのいずれか)にPUSH通知を行う。
【0064】
このPUSH通知を受信したモバイル端末8は指定された配信サーバ62(たとえば、62A、62B、62Cのいずれか)に対しコンテンツのダウンロード処理を行う。この場合、電文フォーマット88に含まれる位置情報通知種別が位置情報の通知設定であれば、モバイル端末8がダウンロード処理で配信サーバ62に位置情報を通知する。
【0065】
このダウンロード処理を受けた配信サーバ62は、位置情報が存在する場合、その位置情報を位置情報サーバ4−2の位置情報管理機能70に通知する。位置情報管理機能70は、位置情報を位置履歴情報として位置情報DB74に記録する。具体的には、位置情報を通知するコンテンツ種別のコンテンツ提供時の位置情報を記録する。これにより、位置情報DB74には位置情報の直近データが記録される。
【0066】
この位置履歴情報の記録の際、位置情報管理機能70では、通知を受けた位置情報(実績の位置情報)と、予測した位置情報とを比較する。実績位置情報と予測位置情報とが異なっている場合、位置情報DB74にある位置履歴情報をクリアし、実績位置情報に在圏予測情報を更新するフィードバック処理を実行する。つまり、通知を受けた位置情報が予測値と異なっていれば、位置履歴情報を直近の位置情報に更新する。これにより、各モバイル端末8−1、8−2・・・8−Nの位置情報の精度が高められる。
【0067】
また、位置情報管理機能70では、位置情報の統計処理により、位置の傾向を分析してもよい。この傾向分析から得られた位置情報の傾向分析値を位置情報DB74に記録してもよい。これにより、移動するモバイル端末8の位置を捕捉し、コンテンツの配信先位置精度が高められ、配信経路を最適化することができる。したがって、位置情報管理機能70から予測した在圏情報が得られ、この在圏情報に基づいた通信経路の選択により最適な配信経路が求められる。
【0068】
<管理サーバ4−1、位置情報サーバ4−2、配信制御サーバ4−3、配信サーバ62A、62B、62Cおよびモバイル端末8−1、8−2・・・8−Nの各ハードウェア>
【0069】
管理サーバ4−1は
図8のAに示すように、上記機能を実現するプロセッサ90、入出力部92、ROM(Read-Only Memory)94、データ記録部96、RAM(Random-Access Memory)98を備えている。プロセッサ90はROM94にあるOS(Operating System)など、各種プログラムを実行する。ROM94にはOSや本開示のコンテンツ配信プログラムが格納されている。入出力部92は位置情報サーバ4−2、配信制御サーバ4−3および配信サーバ62と連携され、情報の入出力に用いられる。データ記録部96には既述の管理情報DB68が構築されている。RAM98はワークエリアを構成する。
【0070】
位置情報サーバ4−2は
図8のBに示すように、上記機能を実現するプロセッサ100、入出力部102、ROM104、データ記録部106、RAM108を備えている。プロセッサ100はROM104にあるOSなど、各種プログラムを実行する。ROM104にはOSや本開示のコンテンツ配信プログラムが格納されている。入出力部102は管理サーバ4−1、配信制御サーバ4−3および配信サーバ62と連携され、情報の入出力に用いられる。データ記録部106には既述の位置情報DB74が構築されている。RAM108はワークエリアを構成する。
【0071】
配信制御サーバ4−3は
図9のAに示すように、上記機能を実現するプロセッサ110、入出力部112、ROM114、データ記録部116、RAM118を備えている。プロセッサ110はROM114にあるOSなど、各種プログラムを実行する。ROM114にはOSや本開示のコンテンツ配信プログラムが格納されている。入出力部112は管理サーバ4−1、位置情報サーバ4−2および配信サーバ62と連携され、情報の入出力に用いられる。データ記録部116には既述の配信スケジュールDB78が構築されている。RAM118はワークエリアを構成する。
【0072】
配信サーバ62A、62B、62Cは
図9のBに示すように、上記機能を実現するプロセッサ120、通信部122、入出力部124、ROM126、データ記録部128、RAM130を備えている。プロセッサ120はROM126にあるOSなど、各種プログラムを実行する。通信部122はプロセッサ120の制御により、管理サーバ4−1、位置情報サーバ4−2、配信制御サーバ4−3との通信またはモバイル端末8との通信を行う。ROM126にはOSや本開示のコンテンツ配信プログラムが格納されている。入出力部124は管理サーバ4−1、位置制御サーバ4−2および配信制御サーバ4−3と連携され、情報の入出力に用いられる。データ記録部128には既述のサービスログ82が構築されている。RAM130はワークエリアを構成する。
【0073】
モバイル端末8−1、8−2・・・8−Nは
図10に示すように、上記機能を実現するプロセッサ132、無線通信部134、入出力部136、表示部138、ROM140、データ記録部142、RAM144を備えている。プロセッサ132はROM140にあるOSなど、各種プログラムを実行する。無線通信部134はアンテナ145を備えて基地局28との無線通信を行う。ROM140にはOSや本開示のコンテンツ配信プログラムに対応するプログラムが格納されている。入出力部136は情報の入出力に用いられる。データ記録部142には位置情報などが格納されている。RAM144はワークエリアを構成する。
【0075】
既述の電文フォーマット88には
図11に示すように、通知ID146、モバイル端末識別ID148、配信サーバアドレス150、位置情報通知識別152およびペイロード154が含まれる。通知ID146は、通知に関する識別情報の一例である。モバイル端末識別ID148は、モバイル端末8−1、8−2・・・8−Nを識別する識別情報である。
【0076】
配信サーバアドレス150は、コンテンツのダダウンロード先である配信サーバ62A、62B、62Cのアドレスを表している。
【0077】
位置情報通知識別152は、既述のコンテンツ種別に関し、モバイル端末8−1、8−2・・・8−Nのコンテンツのダウンロードの際に位置情報の通知を求めるか否かを示す情報である。ペイロード154は、データを示している。
【0078】
このような電文フォーマット88により、必要に応じて配信サーバ62A、62B、62Cから位置情報の提供が求められる。常に位置情報の提供が要求されないので、トラヒック負荷やモバイル端末8−1、8−2・・・8−Nの消費電力の低減が可能となる。
【0079】
<位置情報DB74およびサービスログ82のデータ構造>
【0080】
位置情報DB74には、位置情報DB74の利用者テーブル156(
図12のA)および位置情報履歴テーブル158−1、158−2(
図12のB)、経路情報テーブル160(
図13のA)が設定されている。
【0081】
利用者テーブル156は、
図12のAに示すように、利用者識別ID格納部161および在圏予測格納部163を備えている。利用者識別ID格納部161には利用者識別IDが格納され、たとえば、モバイル端末識別IDが格納される。在圏予測格納部163には各利用者識別IDに対応する在圏予測値が格納される。
【0082】
位置情報履歴テーブル158−1、158−2は、
図12のBに示すように、利用者識別ID格納部161にある利用者識別ID毎に設定されている。各位置情報履歴テーブル158−1、158−2には履歴番号格納部164、アクセス日時格納部166、実績位置情報格納部168などが設定されている。履歴番号格納部164には利用者識別IDに対応する履歴1、履歴2、履歴3・・・などの履歴番号情報が格納される。アクセス日時格納部166にはアクセス日時情報が格納される。実績位置情報格納部168には実績位置情報が格納される。
【0083】
経路情報テーブル160には
図13のAに示すように、位置情報格納部170および配信サーバアドレス格納部172が設定されている。位置情報格納部170には地域情報が格納され、たとえば、既述の地域A(26A)、地域B(26B)など、地域を特定する情報が格納される。配信サーバアドレス格納部172には、配信サーバのアドレスが格納され、具体的には地域Aに存在する配信サーバ1(62A)のアドレス、地域Bに存在する配信サーバ2(62B)のアドレスが格納される。
【0084】
サービスログ82には
図13のBに示すように、アクセス日時格納部174、利用者識別ID176、実績位置情報格納部178などが設定されている。アクセス日時格納部174にはアクセス日時を表す情報が格納される。利用者識別ID176には利用者を識別するID情報が格納される。実績位置情報格納部178には実績である配信位置を表す情報が格納される。
【0086】
図14は、コンテンツ配信の処理シーケンスを示している。この処理シーケンスでは、コンテンツ提供機能80は既述の通り配信サーバ62A、62Bに存在している場合を一例として示している。
【0087】
この処理シーケンスでは位置系サービス利用時の処理F1と、PUSH配信時(在圏地域B、契約地域Aのモバイル端末8を想定)の処理F2を含んでいる。
【0088】
位置系サービス利用時の処理F1では、コンテンツ取得時に位置情報の提供が求められている場合が想定されている。コンテンツ取得時、モバイル端末8は位置情報をコンテンツ提供機能80に提供する(S101)。コンテンツ提供機能80は、取得した位置情報を位置情報管理機能70に通知する(S102)。位置情報管理機能70は通知を受けた位置情報を位置情報履歴テーブル158に格納する(S103)。そして、コンテンツ提供機能80はコンテンツをモバイル端末8に提供する(S104)。
【0089】
この場合、位置情報管理機能70は位置情報履歴テーブル158から位置情報を取得し(S105)、これにより位置を予測する。位置情報管理機能70は予測位置を利用者テーブル156に格納する(S106)。
【0090】
PUSH配信時(在圏地域B、契約地域Aのモバイル端末8を想定)の処理F2では、配信制御機能76が端末IDを位置情報管理機能70に通知する(S111)。位置情報管理機能70は、利用者テーブル156から予測位置を取得する(S112)。これにより位置情報管理機能70はモバイル端末8の在圏地域を求め、この在圏地域を配信制御機能76に通知する(S113)。配信制御機能76はPUSH配信指示をモバイル端末8に行う(S114)。このPUSH配信指示を受けたモバイル端末8は、その地域、この場合地域Bの配信サーバ62BにPUSH配信によるコンテンツのダウンロードを要求する(S115)。この場合、ボトルネックとなる地域間ネットワークを経由せずに配信経路が選択される。この配信経路では最も近い通信経路6が選択される。
【0092】
図15は、在圏位置の予測設定の処理手順を示している。この処理手順では位置情報管理機能70が位置情報履歴テーブル158から在圏予測位置を導くための処理である。
【0093】
位置情報管理機能70には利用者識別ID(利用者識別ID=0)が提供される(S201)。この利用者識別IDが最終利用者識別IDかを判定する(S202)。この利用者識別IDが最終利用者識別IDであれば(S202のYES)、利用者識別IDが決定されているので、処理を終了する。
【0094】
この利用者識別IDが最終利用者識別IDでなければ(S202のNO)、過去の一定期間たとえば、X週間分の位置履歴情報の読み込みを行う(S203)。読み込んだX週間分の位置履歴情報を日時、時間帯ごとに集計し、各地域の割合を算出する(S204)。この割合が一定の値である閾値以上であるかを判定する(S205)。割合が閾値以上であれば(S205のYES)、位置時間特性があると判断し、直前の位置情報によらず割合が高い情報を予測位置情報とする(S206)。
【0095】
求められた割合が閾値以上でなければ(S205のNO)、位置時間特性はないと判断し、直近の位置情報を予測位置情報とする(S207)。
【0096】
このような処理(S206またはS207)を実行した後、算出データを位置情報予測データへ書き込む(S208)。この結果、利用者識別ID=次の利用者識別IDとなり、次の利用者識別IDが決定され(S209)、S202に戻る。
【0097】
S202で利用者識別IDが最終利用者識別IDであれば(S202のYES)、利用者識別IDが決定され、処理を終了する。
【0098】
このような処理手順によれば、
図15に示すように、直近データ、もしくは過去のデータのパタンに基づき在圏予測を導く。通常は直近位置情報を在圏予測とする。経路パタンについては過去規定値の週間分の位置情報を呼び込み、同時刻帯に閾値以上の経路パタンが検出された場合には、そのパタン値を在圏予測とすればよい。
【0100】
図16は、コンテンツの配信経路の決定の処理手順を示している。この処理手順では利用者識別IDが提供される(S301)。この利用者識別IDが最終利用者識別IDかを判定する(S302)。この利用者識別IDが最終利用者識別IDであれば(S302のYES)、利用者識別IDが決定されているので、処理を終了する。
【0101】
この利用者識別IDが最終利用者識別IDでなければ(S302のNO)、利用者テーブル156より利用者識別IDに対する在圏予測情報を取得する(S303)。配信サーバテーブル(経路情報テーブル160)より在圏予測情報に対する配信サーバアドレスを取得する(S304)。取得した配信サーバアドレスを宛て先に指定してモバイル端末8にPUSH配信の指示を行う(S305)。そして、利用者識別ID=次の利用者識別IDにより利用者識別IDに次の利用者識別IDを選定し、S302に戻る。
【0102】
斯かる処理により、コンテンツのPUSH配信制御が実行され、効率的な配信経路の選択によりPUSH配信が実行される。
【0103】
<第2の実施の形態の特徴事項や利点>
【0104】
(1) 上記処理により効率化的な通信経路によりコンテンツ配信を行うことができる。コンテンツ配信では、モバイル端末8の在圏域に近い配信サーバから配信でき、コンテンツ配信の効率化が図られる。
【0105】
(2) モバイル端末8からの位置情報通知を必要最小限に抑えることができる。
【0106】
(3) モバイル端末8の在圏に近いサーバシステムからコンテンツ配信を行うことができる。つまり、モバイル端末8の位置情報予測を行い位置情報通知を必要最小限に抑え、モバイル端末8の在圏情報を用いた効率的な通信経路でコンテンツ配信を行える。
【0107】
(4) モバイル端末8の在圏に基づいた配信により、効率のよい通信経路を使用でき、通信経路(網)のトラヒック負荷の低減が行える。位置情報通知の頻度を抑えるとともに、配信経路の予測ができる。モバイル端末8から位置情報の提供頻度が低減でき、モバイル端末の電力消費を抑えることができる。
【0108】
(5) 上記実施の形態では、静的情報(つまり、契約時の位置情報)ではなく、モバイル端末8の在圏域を用いて効率的な通信経路を選択できる。
【0109】
(6) 位置情報は周期的にアップするのではなく、必要最小限度のたとえば、1日3回程度の位置情報把握を行えばよく、これにより、経路パタンを検出し、配信経路の予測を行う。
【0110】
(7) 予測した在圏位置と、実配信経路に閾値以上のずれが生じた場合には、予測位置の補正を行うフィードバック処理を実行すればよい。これにより、予測妥当性のフィードバック機能が実現される。
【0111】
(8) 以上の処理はサーバないしサーバシステムからPUSHトリガで制御することができ、モバイル端末8側での処理は不要である。
【実施例】
【0112】
図17は、コンテンツ配信システムの実施例を示している。
図17において、
図3と同一部分には同一符号を付してある。
【0113】
このコンテンツ配信システム2−3では、
図17に示すように、配信センター22に位置情報サーバ4−2、配信制御サーバ4−3に加えてコンテンツ提供サーバ4−41、4−42、4−43が設置されている。コンテンツ提供サーバ4−41は、サービスAのコンテンツを提供する。コンテンツ提供サーバ4−42は、サービスBのコンテンツを提供する。コンテンツ提供サーバ4−43は、サービスCのコンテンツを提供する。これらコンテンツ提供サーバ4−41、4−42、4−43は、既述の管理サーバ4−1(
図8のA)と同様のハードウェア構成を備え、サービスA、B、Cに係るコンテンツDBを備えている。各コンテンツ提供サーバ4−41、4−42、4−43は配信サーバ62にコンテンツを提供する。各コンテンツ提供サーバ4−41、4−42、4−43にはコンテンツ配信により得られた位置情報が記録されている。この位置情報記録180は、位置情報サーバ4−2に通知され、位置情報DB74に記録される。
【0114】
この実施例の地域配信システム24Aはたとえば、関東地区に対しては東京配信システム、地域配信システム24Bは近畿地区に対しては大阪配信システム、地域配信システム24Cは九州地区に対しては福岡配信システムである。これら地域配信システム24A、24B、24Cにはそれぞれの地域に対応する配信サーバ62A、62B、62Cが配置され、各配信サーバ62A、62B、62Cを利用することが最適な配信経路となる場合を示している。
【0115】
この場合、地域26Aは関東地区、地域26Bは近畿地区、地域26Cは九州地区を示している。
【0116】
この実施例では配信制御サーバ4−3が位置情報サーバ4−2に位置情報の問い合わせ182を実行する。この位置情報に基づき、配信制御サーバ4−3から各地区に在圏するモバイル端末8に対してPUSH通知としてコンテンツ配信指示184が発せられる。
【0117】
このコンテンツ配信指示184のPUSH通知に対し、関東地区(地域26A)のモバイル端末8には「東京配信システム」(地域配信システム24A)にある配信サーバ62Aからコンテンツ配信186が実行される。配信サーバ62Aからのコンテンツ配信186は、地域ネットワーク60Aを経て基地局28Aからコンテンツ配信要求をしたモバイル端末8に無線で通知される。これにより、在圏にあわせて配信サーバ62より配信を行うことが可能となる。
【0118】
また、九州地区(地域26C)のモバイル端末8では、「福岡配信システム」(地域配信システム24C)にある配信サーバ62Cからコンテンツ配信188が実行される。つまり、最短の通信経路6(
図1)が選択されてコンテンツ配信が実行される。
【0119】
この場合、利用者テーブル156には、
図18のAに示すように、利用者識別ID格納部161に利用者A、B、C、E、Fのモバイル端末識別IDが格納されている。この利用者テーブル156には契約地域格納部162が設定されている。この契約地域格納部162には、契約地域が利用者に関係付けられて格納されている。在圏予測格納部163には、予測された地域名が格納されている。地域名としては、「関東」、「近畿」、「九州」などである。この場合、利用者Aでは契約地域が近畿であり、在圏予測が「関東」であることを示している。
【0120】
位置情報履歴テーブル158−1は、
図18のBに示すように、利用者Aについて作成されている。履歴番号格納部164には履歴番号が格納されている。アクセス日時格納部166にはアクセス日時が格納されている。実績位置情報格納部168には実績位置として「関東」などが格納されている。
【0121】
位置情報履歴テーブル158−2は、
図18のBに示すように、利用者Bについて作成されている。履歴番号格納部164には履歴番号が格納されている。アクセス日時格納部166にはアクセス日時が格納されている。実績位置情報格納部168には実績位置として「近畿」や「関東」などが格納されている。つまり、利用者Bは契約地域が「近畿」であるが、在籍予測の結果、現在は「近畿」が在圏であることを示している。
【0122】
位置情報履歴テーブル158−3は、
図18のBに示すように、利用者Fについて作成されている。履歴番号格納部164には履歴番号が格納されている。アクセス日時格納部166にはアクセス日時が格納されている。実績位置情報格納部168には実績位置として「九州」や「関東」などが格納されている。つまり、利用者Fは契約地域が「関東」であるが、在籍予測の結果、現在は「九州」が在圏であることを示している。
【0123】
この場合、経路情報テーブル160は
図19に示すように、位置情報格納部170には該当する地域情報が格納されている。この場合、「関東」、「近畿」、「九州」が格納されている。配信サーバアドレス格納部172には、地域を管轄する配信サーバのアドレスが格納されている。この場合、「関東」では関東地区に存在する「東京配信サーバ」のアドレスが格納されている。「近畿」では「大阪配信サーバ」のアドレスが格納されている。「九州」では「福岡配信サーバ」のアドレスが格納されている。つまり、在圏が「関東」であれば、「東京配信サーバ」のアドレスが指定されることになる。
【0124】
利用者Aのモバイル端末8に対して配信を行う場合には、配信制御機能76が位置情報管理機能70に対し利用者Aのモバイル端末識別IDを基に在圏情報を依頼する。位置情報管理機能70は、利用者Aのモバイル端末識別IDに対する在圏予測情報である「関東」を利用者テーブル156より取得する。このモバイル端末識別IDの在圏予測情報である「関東」を配信制御機能76に通知する。位置情報が「関東」である旨の通知を受けた配信制御機能76は、位置情報「関東」を基に経路情報を検索し、その検索結果である経路情報を経路情報提供機能72に通知する。経路情報提供機能72は、経路情報テーブル160より、「関東」の配信に対しては、「東京配信サーバ」であることを取得し、配信制御機能76に通知する。
【0125】
配信制御機能76は、
図11に示すように、電文フォーマット88に対し、利用者Aのモバイル端末識別ID、取得先配信サーバアドレスに「東京配信サーバ」のアドレスを設定する。配信制御機能76は、この電文フォーマット88により利用者Aのモバイル端末8にPUSH通知を行う。これに基づき、利用者Aのモバイル端末8は「東京配信サーバ」(配信サーバ62A)のアドレスに対してダウンロード要求を行い、コンテンツを取得する。
【0126】
位置情報通知種別が通知設定だった場合には、利用者Aのモバイル端末8は位置情報の通知と共にダウンロード要求を行う。配信サーバ62Aは、モバイル端末8から通知を受けた位置情報を位置情報管理機能70に通知する。位置情報管理機能70は履歴情報として位置情報履歴テーブル158−1(
図18のB)に記録する。位置情報管理機能70は、予測した位置情報と、実績の位置情報が異なる場合、履歴情報をクリアし、直近の実績である「関東」と異なる場合(つまり、利用者Aが移動して「近畿」に在圏していた場合)、在圏予測情報を「近畿」に補正するするフィードバック処理を実行する。
【0127】
図20は、比較例のコンテンツ配信システムを示している。このコンテンツ配信システム200は、契約情報に基づく静的情報に基づいてモバイル端末8にコンテンツ提供を行っている。つまり、コンテンツ配信システム200では、モバイル端末8の在圏予測を行っていない。このコンテンツ配信システム200では、配信サーバ620には配信スケジュールDB780が設定されている。この配信スケジュールDB780には配信時刻や配信端末IDが格納されている。コンテンツ提供機能800はコンテンツの提供を行う。
【0128】
配信制御サーバ403の配信制御機能760は、契約情報サーバ405の契約情報管理機能640に対し端末IDの通知を行う。契約情報サーバ405は、契約情報管理機能640および契約情報DB680を備える。契約情報DB680には、端末IDおよびその契約地域情報が格納されている。つまり、契約地域情報は、モバイル端末8の移動とは無関係な契約情報に基づく静的情報である。
【0129】
契約情報管理機能640が配信制御サーバ403の配信制御機能760から端末ID通知を受けると、契約に基づく静的情報である契約地域情報を契約情報DB680から取得し、配信制御機能760に通知する。つまり、配信制御機能760は、契約情報の静的情報を取得し、モバイル端末8に対し、在圏によらず静的情報を基にした配信サーバ620を指定し、モバイル端末8にPUSH配信指示を出している。
【0130】
この契約地域情報に基づき、配信制御機能760からモバイル端末8にコンテンツのダウンロード指示を行う。この比較例では、モバイル端末8が何処に在圏していようと、モバイル端末8の契約情報に基づく静的情報である契約地域に存在する配信サーバ620が指定される。
【0131】
PUSH通知によるダウンロード指示を受けたモバイル端末8は配信サーバ620のコンテンツ提供機能800からコンテンツの提供を受ける。
【0133】
図21は、コンテンツ配信の処理シーケンスを示している。
【0134】
この処理シーケンスには、モバイル端末8の在圏地域Aおよび契約地域Aの場合の処理F3と、在圏地域Bおよび契約地域Aの場合の処理F4とを示している。
【0135】
モバイル端末8の在圏地域Aおよび契約地域Aの場合の処理F3では、配信制御機能760から契約情報管理機能640に対し、端末IDの通知を行う(S401)。これに応答し、契約情報管理機能640から契約地域情報が配信制御機能760に通知される(S402)。配信制御機能760はモバイル端末8に対しPUSH配信指示を行う(S403)。モバイル端末8はPUSH配信指示を受け、地域Aのネットワーク600Aにダウンロード要求を行い(S404)、ネットワーク600Aから配信サーバ620Aに対しダウンロード中継が行われる(S405)。
【0136】
この場合、契約地域Aと在圏地域Aが同一であるので、配信経路のロスは生じない。しかし、位置情報の提供を常に実行するので、トラフィック負荷やモバイル端末8側の消費電力は大きくなる。
【0137】
モバイル端末8の在圏地域Bおよび契約地域Aの場合の処理F4では、配信制御機能760から契約情報管理機能640に対し、端末IDの通知を行う(S501)。これに応答し、契約情報管理機能640から契約地域情報が配信制御機能760に通知される(S502)。配信制御機能760はモバイル端末8に対しPUSH配信指示を行う(S503)。モバイル端末8はPUSH配信指示を受け、地域Bのネットワーク600Bにダウンロード要求を行い(S504)、ネットワーク600Bから地域Aのネットワーク600Aにダウンロード中継が実行される(S505)。これにより、地域Aのネットワーク600Aから地域Aの配信サーバ620Aに対しダウンロード中継が行われる(S506)。
【0138】
この比較例のコンテンツ配信システム200では、
図22に示すように、配信センター22に契約情報サーバ405およびコンテンツ提供サーバ4041、4042、4043が設置されている。これらはセンター側ネットワーク600を介して各地域配信システム24A、24B、24Cに接続されている。地域配信システム24Aには配信サーバ620A、地域ネットワーク600A、基地局280Aが設置されている。地域配信システム24Bには配信サーバ620B、地域ネットワーク600B、基地局280Bが設置されている。地域配信システム24Cには配信サーバ620C、地域ネットワーク600C、基地局280Cが設置されている。
【0139】
既述の処理シーケンス(
図21)の処理に従うと、配信制御サーバ403から契約情報サーバ405に対して契約情報の問い合わせ192が実行される。この問い合わせ192により契約情報を取得した配信制御サーバ403から、契約情報に基づき配信サーバ620B、620Cにコンテンツ配信指示194が実行されている。これにより、配信サーバ620Bからコンテンツ配信196が東京配信システム(配信システム24A)の地域ネットワーク600Aを介して東京地区(地域26A)のモバイル端末8に対してコンテンツ配信196が実行されている。また、地域配信システム24Cからモバイル端末8にコンテンツ配信198が実行されている。
【0140】
コンテンツ配信196では、地域24Bから地域24Aに跨がるコンテンツ配信196の配信経路が用いられ、地域24Bから地域24Aに跨がっているため、非効率な配信経路となっている。このように、比較例では、契約地域が「近畿」である場合、「関東」にモバイル端末8が在圏しているにも関わらず、「近畿」の「大阪配信システム」(配信システム24B)の配信サーバ620Bが指定されるため、非効率な配信経路が選択されてしまう。このような課題は上記実施の形態および実施例で解決されている。
【0141】
次に、以上述べた実施例を含む実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。以下の付記に本発明が限定されるものではない。
【0142】
(付記1)配信を要求した通信端末に対してコンテンツを配信するコンテンツ配信システムであって、
コンテンツ配信を受けた前記通信端末の位置を位置履歴情報として蓄積する履歴情報蓄積部と、
前記通信端末へのコンテンツ配信に際し、前記履歴情報蓄積部にある前記位置履歴情報を参照して配信位置を予測し、この配信位置に対して距離の短い通信経路を選択する処理部と、
を備えるコンテンツ配信システム。
【0143】
(付記2)前記処理部は、配信する複数のコンテンツのうちのいずれかのコンテンツに位置情報の通知要求を付加し、この通知要求により前記通信端末から得た位置情報を前記履歴情報蓄積部に提供する、
付記1に記載のコンテンツ配信システム。
【0144】
(付記3)前記位置履歴情報は、前記通信端末の識別ID、アクセス日時、アクセス曜日、位置情報のいずれかまたはこれらのうち2以上を含む、
付記1に記載のコンテンツ配信システム。
【0145】
(付記4)前記配信位置は、前記位置履歴情報にある最新位置、または、前記位置履歴情報にある複数の位置から統計より求められた位置である、
付記1に記載のコンテンツ配信システム。
【0146】
(付記5)前記配信位置は、予測した配信位置と、実際に情報を配信した位置とを対比し、その比較結果により補正する、
付記1または3に記載のコンテンツ配信システム。
【0147】
(付記6)前記通信経路の選択は、複数の配信サーバを備え、これら配信サーバから予測した位置に近い距離にある配信サーバの選択を含む、
付記1に記載のコンテンツ配信システム。
【0148】
(付記7)前記通信経路は、配信情報のコンテンツ種別によって変更する、
付記1または6に記載のコンテンツ配信システム。
【0149】
(付記8)配信を要求した通信端末に対して通信経路を選択してコンテンツ配信を行うコンピュータに実行させるコンテンツ配信プログラムであって、
配信先の前記通信端末の位置を位置履歴情報として履歴情報蓄積部に蓄積し、
前記通信端末へのコンテンツ配信に際し、前記履歴情報蓄積部にある前記位置履歴情報を参照して配信位置を予測し、この配信位置に対して距離の短い通信経路を選択する、
処理を前記コンピュータに実行させるためのコンテンツ配信プログラム。
【0150】
(付記9)配信を要求した通信端末に対して配信サーバから情報を配信するコンテンツ配信システムに用いられるサーバであって、
配信を受けた前記通信端末の位置を位置履歴情報として記録する記録部と、
前記記録部にある前記位置履歴情報から現在の位置を予測し、この位置に対して距離の短い通信経路を選択する処理部と、
を備えるサーバ。
【0152】
(1) 通信端末の一例としてモバイル端末8、8−1、8−2・・・8−Nを例示したが、通信端末は係るモバイル端末に限定されない。通信機能を備えた電子機器であればよく、パーソナルコンピュータ、電子ゲーム機、電子カメラ、タブレット端末などであってもよい。
【0153】
(2) 上記実施の形態では、公衆回線網を想定して記載しているが、ネットワークは公衆回線網に限定されない。各地に点在するネットワークを統合するネットワークであればよい。
【0154】
(3) 上記実施の形態では、配信センターに複数のサーバを設置しているが、既述したサーバの機能を備える単一のサーバで構成してもよい。
【0155】
以上説明したように、コンテンツ配信システム、コンテンツ配信プログラムおよびサーバの最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、又は発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。