(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6040654
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】屋外設置型発電装置
(51)【国際特許分類】
F02B 77/13 20060101AFI20161128BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20161128BHJP
F02G 5/04 20060101ALI20161128BHJP
F02B 63/04 20060101ALI20161128BHJP
F01P 5/06 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
F02B77/13 M
H01M8/04 J
F02G5/04 H
F02B63/04 Z
F02B63/04 B
F02B63/04 C
F02B77/13 P
F01P5/06 508
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-201785(P2012-201785)
(22)【出願日】2012年9月13日
(65)【公開番号】特開2014-55564(P2014-55564A)
(43)【公開日】2014年3月27日
【審査請求日】2015年8月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
(72)【発明者】
【氏名】安永 仁典
【審査官】
齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−002097(JP,A)
【文献】
実開平03−127042(JP,U)
【文献】
特開2012−002119(JP,A)
【文献】
特開昭49−027807(JP,A)
【文献】
特開平04−116221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 63/04
F02B 77/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外に設置されて発電室を区画するハウジングと、前記発電室内に設けられたエンジン式発電機または燃料電池を主機として構成された発電源と、前記発電室内と前記ハウジングの外部とを連通する排気通路と、前記排気通路を経由して前記発電室内の空気を前記ハウジングの外部に排出する換気ファンとを備え、
前記排気通路は、
吸音材料製の吸音ダクトで形成され、下部の始端で前記発電室内に連通し、上部の終端に向かいながら曲走する上昇曲走通路と、
前記上昇曲走通路に隣接して形成され、上部の始端で前記上昇曲走通路の終端に連通し、下部の終端で前記ハウジングに設けられた排気口から外部に開口する下降通路と、
を含み、
前記上昇曲走通路と前記下降通路との間は、立設された通路形成パネルにより区画され、
前記吸音ダクトは、前記通路形成パネルと前記発電源の補機の一部とを利用して保持され、
前記発電源は電気出力だけでなく熱出力を得るコージェネレーションシステムに使用されており、
前記吸音ダクトを保持する前記発電源の補機の一部は、前記熱出力を貯留する貯湯タンク、及び前記熱出力を外部に供給可能とする熱交換器の少なくとも一方を含む屋外設置型発電装置。
【請求項2】
前記ハウジングの内部は、区分パネルにより下側の前記発電室と上側の熱利用室とに区分されており、
前記換気ファンは、前記貯湯タンク及び前記熱交換器の少なくとも一方が設けられた前記熱利用室内の空気を排出しない請求項1に記載の屋外設置型発電装置。
【請求項3】
前記上昇曲走通路と前記下降通路との間は、立設された通路形成パネルにより区画されており、
前記ハウジングの内部は、区分パネルにより複数の室に区分されており、
前記通路形成パネルは前記区分パネルに固定されている請求項1または2に記載の屋外設置型発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気を行いつつ雪や雨水のハウジング内への侵入を防止する換気構造を有する屋外設置型発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電源の多様化が提唱され、各種の分散型発電装置の開発及び普及が促進されている。分散型発電装置は、当初はオフィスや集合住宅などへの適用が多かったが、ガスエンジン発電機や燃料電池などについては小形小容量化が実現されて、一般家庭へも適用されるようになってきている。この種の分散型発電装置は、電気出力だけでなく熱出力も利用できるコージェネレーションシステムとして使用される場合が多い。分散型発電装置では、ハウジングによって区画された発電室内の温かい空気を排気し、外部から冷たい空気を取り込んで発電機主機の温度上昇を抑制する換気構造を有するのが一般的である。また、分散型発電装置を屋外に設置するときには、雪や雨水が換気構造からハウジング内へ侵入することを防止する必要がある。
【0003】
この種の屋外設置型発電装置の一技術例が特許文献1に開示されている。特許文献1の燃料電池発電装置は、燃料・モータ室内の上部に配置されて室内の空気を吸い出す換気ファンと、換気ファンからの空気及びプロセス排気を筺体外に排出する排気ダクトと、を備えている。第1の実施形態の説明によれば、排気ダクトは上部から下部に向かって鉛直に延び、下部に設けられた排気口が筺体の外に向かって開いている。さらに、第3の実施形態の説明によれば、排気ダクトの内面には吸音材が取り付けられている。これにより、環境温度管理という面から効率的な換気構造を提供できる、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−192528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1における排気ダクトの内面の吸音材は、発電装置内部の発電機主機や換気ファンなどで発生する騒音が排気ダクトを伝って外部に漏れることを抑制している。しかしながら、排気ダクトが曲走していないので、騒音は排気とともに外部に伝搬し、吸音効果は不十分と考えられる。また、ガスエンジン発電機は燃料電池と比較して発生する騒音が大きくなりがちであり、特許文献1よりも一層良好な吸音性能を具備することが好ましい。一方、排気ダクトが下向きに延びて雪や雨水の侵入を防止しているものの、排気ダクト内や排気口付近の融雪効果は必ずしも十分でない。つまり、寒冷地では、排気ダクト内で雪が溶融しても排気口の付近で氷結して排気を妨げるおそれがある。
【0006】
また、コージェネレーションシステムとして使用される発電装置では、熱出力を利用する貯湯タンクや熱交換器などの周りの空気を換気すると、熱エネルギーが放散されて熱利用効率が低下してしまう。このため、発電機主機の温度上昇の抑制と高い熱利用効率の維持とを両立できる換気構造が望まれる。さらに、従来の換気構造は必ずしも簡素な構成でなく、構成部材点数を削減し、加工工数を削減して、コストを低減することが強く要請されている。
【0007】
本発明は上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、吸音性能及び融雪性能に優れた換気構造を有する屋外設置型発電装置を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の屋外設置型発電装置は、屋外に設置されて発電室を区画するハウジングと、前記発電室内に設けられたエンジン式発電機または燃料電池を主機として構成された発電源と、前記発電室内と前記ハウジングの外部とを連通する排気通路と、前記排気通路を経由して前記発電室内の空気を前記ハウジングの外部に排出する換気ファンとを備え、前記排気通路は、吸音材料製の吸音ダクトで形成され、下部の始端で前記発電室内に連通し、上部の終端に向かいながら曲走する上昇曲走通路と、前記上昇曲走通路に隣接して形成され、上部の始端で前記上昇曲走通路の終端に連通し、下部の終端で前記ハウジングに設けられた換気出口から外部に開口する下降通路と、を含
み、前記上昇曲走通路と前記下降通路との間は、立設された通路形成パネルにより区画され、前記吸音ダクトは、前記通路形成パネルと前記発電源の補機の一部とを利用して保持され、前記発電源は電気出力だけでなく熱出力を得るコージェネレーションシステムに使用されており、前記吸音ダクトを保持する前記発電源の補機の一部は、前記熱出力を貯留する貯湯タンク、及び前記熱出力を外部に供給可能とする熱交換器の少なくとも一方を含む。
【0011】
さらに、前記ハウジングの内部は、区分パネルにより下側の前記発電室と上側の熱利用室とに区分されており、前記換気ファンは、前記貯湯タンク及び前記熱交換器の少なくとも一方が設けられた前記熱利用室内の空気を排出しないことが好ましい。
【0012】
また、前記上昇曲走通路と前記下降通路との間は、立設された通路形成パネルにより区画されており、前記ハウジングの内部は、区分パネルにより複数の室に区分されており、前記通路形成パネルは前記区分パネルに固定されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の屋外設置型発電装置では、発電室内の空気を排出する排気通路は、吸音材料製の吸音ダクトで形成された上昇曲走通路と、上昇曲走通路に連通して外部に開口する下降通路とを含んでいる。このため、発電室内の空気が吸音ダクト内を曲走しながら上昇するときに、騒音の振動成分は吸音ダクトに吸収されて減衰し、一部反射された騒音は次の曲走でさらに減衰し、最終的に騒音は外部へは殆ど伝搬しない。したがって、特許文献1などの従来技術と比較して、吸音性能に優れた換気構造を有する屋外設置型発電装置を提供できる。
【0014】
また、激しい吹雪や豪雨などの天候条件の影響により、雪や雨水がハウジングの排気口から下降通路に侵入しても、重力及び排気の流れに抗して下降通路を逆行することは殆ど生じない。加えて、下降通路内に侵入した雪は、暖かい排気及び発電室内の暖気によって暖められた壁面により確実に溶融され、ハウジング外に排水される。したがって、融雪性能に優れた換気構造を有する屋外設置型発電装置を提供できる。
【0015】
さらに、吸音ダクトが通路形成パネルと発電源の補機の一部とを利用して保持されている
ので、構成部品点数を削減してコストを低減できる。詳述すると、吸音ダクトを形成する吸音材料は安定的に自立するだけの十分な剛性を有さず、従来技術では吸音ダクトを専用箱に収納して使用していた。本態様では、吸音ダクトの近隣に配置可能な部材を有効利用して吸音ダクトを保持するので、専用箱を不要としてコストを低減できる。
【0016】
また、発電源がコージェネレーションシステムに使用される
ので、熱出力用の貯湯タンク及び熱交換器の少なくとも一方を利用して吸音ダクトを保持することができ、構成部品点数を削減してコストを低減できる。
【0017】
さらに、ハウジングの内部が区分パネルにより発電室と熱利用室とに区分された態様では、熱利用室内の空気が排出されない。このため、熱利用室内の貯湯タンク及び熱交換器の少なくとも一方の周りの空気は換気されず、熱エネルギーの放散が抑制されて高い熱利用効率を維持できる。
【0018】
また、通路形成パネルが区分パネルに固定された態様では、加工工数を削減してコストを低減できる。詳述すると、従来方法では、ハウジングに固定用ボルトを溶接して立設し、固定用ボルトに対して通路形成パネルを締結固定していた。この従来方法では、ハウジングの表面に溶接痕や溶接歪みが発生するので、補修に手間がかかり加工工数が増加していた。本態様では、例えば、通路形成パネル及び区分パネルに固定孔を設けてボルト及びナットで共締めするなど、溶接を行わない簡易な固定構造を採用できる。また、ハウジングと異なり装置内部での固定なので、耐環境性や見栄えへの配慮も軽減できる。この2つの理由から、加工工数を削減してコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態の屋外設置型発電装置を説明する斜視図である。
【
図2】実施形態の屋外設置型発電装置の排気通路を説明する正面図である。
【
図3】排気通路を形成する部材の配置を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を実施するための実施形態を、
図1〜
図4を参考にして説明する。
図1は、本発明の実施形態の屋外設置型発電装置1を説明する斜視図であり、下部は省略されている。
図1で、紙面右前側が正面であり、ハウジング3を形成する外装パネルの一部は分解状態で示され、別の一部は省略されている。また、
図2は、実施形態の屋外設置型発電装置1の排気通路4を説明する正面図である。実施形態の屋外設置型発電装置1は、主機としてガスエンジン発電機2を備え、コージェネレーションシステムとして使用される。屋外設置型発電装置1は、ガスエンジン発電機2の他に、ハウジング3、排気通路4、換気ファン5、貯湯タンク6、及びプレート熱交換器7などで構成されている。
【0021】
ハウジング3は、装置の四隅にそれぞれ立設される4本の支柱31と、6枚の外装パネルで形成されている。外装パネルは、前面パネル、右側面パネル、左側面パネル33、後面パネル34、天板パネル35、及び底板パネルからなる。
図1では、左側面パネル33、後面パネル34、及び天板パネル35が示され、残りの3枚の外装パネルは省略されている。また、
図2では、前面パネル及び支柱31は省略されている。前面パネル、右側面パネル、左側面パネル33、及び後面パネル34は、それぞれ2本の支柱31に固定され、装置1の四周を区画している。天板パネル35は4本の支柱31の上端に固定され、装置1の上部を区画している。図略の底板パネルは、4本の支柱31の下端に固定され、装置1の下部を区画している。ハウジング3により、装置1の内部空間が外部から区画されている。
【0022】
ハウジング3の内部の中程の高さに、区分パネル36が4本の支柱31に固定されて水平に設けられている。区分パネル36により、内部空間は下側の発電室3Eと上側の熱利用室3Hとに区分されている。発電室3E内の底板パネル上には、ガスエンジン発電機2(破線示)が設けられている。熱利用室3H内の区分パネル36上の後面に近い側には、貯湯タンク6が設けられている。区分パネル36上の前面に近い左側に、排気通路4及びプレート熱交換器7が設けられている。図には示されていないが、冷却配管は、ガスエンジン発電機2から延在し、区分パネル36を貫通して貯湯タンク6及びプレート熱交換器7まで連通している。図略の循環ポンプにより、冷却液が冷却配管内を循環し、ガスエンジン発電機2の熱出力が貯湯タンク6及び熱交換器7に移送される。
【0023】
左側面パネル33の前面寄りの区分パネル36よりも少し高い位置に、合計8個の排気口331が穿設されている。排気口331は、横に長い形状であり、縦に4個、横に2個並んで配置されており、それぞれにフード335が付設されている。フード335は、排気を下方に向けて排出するとともに、雪や雨水のハウジング3内への侵入を抑制する機能を有している。
【0024】
左側面パネル33の後面寄りの排気口331よりも少し低い位置に、合計8個の給気口332が穿設されている。給気口332は、縦に8個並んで配置されており、排気口331と略同一形状でフード335も付設されている。ハウジング3内の後面パネル34の前側左寄りに、垂直方向に延在する給気通路37が形成されている。給気通路37は、給気口332と発電室3E内とを連通しており、外部の冷たい空気を発電室3E内に供給する。供給された空気の一部は、ガスエンジン発電機2のエンジン気筒内に取り込まれて燃料ガスの燃焼に用いられる。ガスエンジン発電機2の構造及び燃料ガスの種類には公知技術を適宜応用できるので、説明は省略する。燃焼により生じた排気ガスは、図略の排気管を経由して外部に排出される。発電室3E内の空気は、ガスエンジン発電機2本体の発熱や排気管の余熱などにより昇温された状態となる。
【0025】
換気ファン5は、区分パネル36の前面に近い左寄りを切り欠いて配設されている。換気ファン5には、モータで駆動される一般的なものを使用できる。換気ファン5は、発電室3E内の暖かい空気を上方に向かって送風する。
【0026】
排気通路4は、
図2に太い破線で示されており、換気ファン5から排気口331までの暖かい空気の通路である。排気通路4は、上昇曲走通路4U及び下降通路4Dで形成されている。
図3は、排気通路4を形成する部材の配置を示した斜視図である。上昇曲走通路4Uは、吸音材料製の吸音ダクト41を用いて形成されている。下降通路4Dは、左側面パネル33、通路形成パネル42、及びシール材43を用いて形成されている。
【0027】
図4は、吸音ダクト41の分解斜視図であり、図中の左手前側が装置1へ組み込んだときの上方になり、図中の上側が左側面パネル33に離隔対向する。図示されるように、吸音ダクト41は、吸音材料製の主ダクト部材411、前面ダクト部材414、及び後面ダクト部材417で構成されている。吸音材料としては発泡ウレタンを用いるが、これに限定されず、発泡ウレタンとは異なる材質の多孔質体、あるいは布、繊維集合体などを用いてもよい。
【0028】
主ダクト部材411の全体形状は、厚みTを有して上下方向に長い長方形である。主ダクト部材411の内部には、下方から上方に向かう略S字形状の上昇曲走通路4Uが形成されている。上昇曲走通路4Uの下方は下向きに開口する始端開口412となっている。前面ダクト部材414の全体形状は、主ダクト部材411に略一致した長方形の薄板である。前面ダクト部材414の上方寄りには、左側面パネル33に向かって横向きに開口する終端開口415が穿設されている。終端開口415は、上昇曲走通路4Uの上部に開いている。後面ダクト部材417の全体形状は、主ダクト部材411に略一致した長方形の薄板である。
【0029】
前面ダクト部材414、主ダクト部材411、及び後面ダクト部材417は、記載した順番に重ねて貼り付けられる。これにより、上昇曲走通路4Uは、始端開口412及び終端開口415の2箇所を除いて閉じた空間となる。始端開口412は、換気ファン5の出口側に対向して配置され、換気ファン5を介して発電室3E内に連通している。終端開口415は、後述する下降通路4Dの上部の始端に連通するようになっている。
【0030】
なお、上昇曲走通路4Uは、2次元的または3次元的に複数回の曲走を行うように形成されていることが好ましく、曲走形態としては、実施形態の略S字形状以外にΣ字形状などを例示できる。
【0031】
図3に示されるように、吸音ダクト41は、通路形成パネル42によって保持される。通路形成パネル42は、吸音ダクト41の長方形の大きさに略等しい板状の部材である。通路形成パネル42の左右両側には、直角に折り曲げられたダクト保持部421が形成されている。そして、両側のダクト保持部421の間に前面ダクト部材414及び主ダクト部材411の一部が挟み込まれて、吸音ダクト41の幅方向が保持される。
図3で、通路形成パネル42の上部左寄りには、矩形の開口422が切り欠かれている。この開口422は、前面ダクト部材414の終端開口415に重なり、かつ終端開口415よりも拡がっている。また、通路形成パネル42の下縁には、2個の固定孔423が穿設されている。
【0032】
図3に示されるように、通路形成パネル42の前側には、シール材43が配設される。シール材43は、中央に直方体状の空間を有する額縁形状であり、幅方向寸法は通路形成パネル42のそれに概ね等しく、高さ寸法は通路形成パネル4のそれよりも少し小さい。中央の直方体状の空間に対して、前面ダクト部材414の終端開口415及び通路形成パネル42の開口422が連通する。
【0033】
図3に示される範囲の部材は、通路形成パネル42の2個の固定孔423を用いて区分パネル36に固定される。詳述すると、
図2に例示されるように、区分パネル36の周囲は、上方に折り曲げられて端縁部361とされ、端縁部361に固定孔362が穿設されている。したがって、通路形成パネル42の固定孔423と区分パネル36の固定孔362とを、ボルト424及びナット425の締結によって固定することができる。
【0034】
ここで、吸音ダクト41の下側は区分パネル36により保持される。吸音ダクト41の上側は、天板パネル35の裏面に貼設された吸音材351により保持される。また、吸音ダクト41の前面ダクト部材414側は、通路形成パネル42により保持される。吸音ダクト41の後面ダクト部材417側は、貯湯タンク6及びプレート熱交換器7より保持される。なお、前述したように、吸音ダクト41の幅方向は、通路形成パネル42の両側のダクト保持部421に挟み込まれて保持される。したがって、吸音ダクト41は、安定的に自立するだけの十分な剛性を有していないが、近隣の部材36、351、42、6、7、421を利用して安定的に保持されている。
【0035】
また、
図2に示されるように、左側面パネル33にシール材43の全体が接するように配置される。これにより、立設されている左側面パネル33と通路形成パネル42との間であって、シール材43で囲まれた中央の直方体状の空間に下降通路4Dが形成される。下降通路4Dの上部の始端は、通路形成パネル42の開口422を介して前面ダクト部材414の終端開口415、すなわち上昇曲走通路4Uの上部の終端に連通している。また、下降通路4Dの下部の終端は、左側面パネル33に設けられた8個の排気口331から外部に開口している。
【0036】
次に、実施形態の屋外設置型発電装置1の動作、作用について説明する。ガスエンジン発電機2が始動すると換気ファン5も駆動され、ガスエンジン発電機2及び換気ファン5の運転時の騒音が発生する。換気ファン5は、発電室3E内の暖かい空気を上方に向かって送風し、区分された熱利用室3H内の空気には作用しない。暖かい空気は、始端開口412から吸音ダクト41内に流入し、略S字形状の上昇曲走通路4Uに沿い曲走しながら上昇する。このとき、騒音の振動成分は吸音ダクト41に吸収されて減衰し、一部反射された騒音は次の曲走でさらに減衰し、複数回の反射を経て著しく減衰する。そして、暖かい空気は、吸音ダクト41の終端開口415から流出して、下降通路4Dの上部の始端に流入する。さらに、暖かい空気は、下降通路4Dを下降して下部の終端へ到達し、排気口331から外部に排出される。
【0037】
暖かい空気の排出により発電室3E内の気圧がわずかに低下すると、外部の冷たい空気が給気口332から給気通路37を経由して自動的に流入する。これにより、発電室3E内の換気が行われる。
【0038】
一方、激しい吹雪や豪雨などの天候条件の影響により、雪や雨水が排気口331から下降通路4Dに一時的に侵入するおそれがある。この場合、雪や雨水が重力及び排気の流れに抗し下降通路4Dを逆行して上昇することは殆ど生じない。加えて、下降通路4D内に侵入した雪は、暖かい排気及び発電室3E内の暖気によって暖められた通路形成パネル42により確実に溶融され、一番下の排気口331からハウジング3外に排水される。
【0039】
しかしながら、ガスエンジン発電機2及び換気ファン5が停止しているときに雪や雨水が侵入するおそれは皆無でない。このような場合であっても、本実施形態によれば、雪や雨水が重力に抗して下降通路4Dを逆行することは殆ど生じない。これにより、上昇曲走通路4Uや発電室3Eへの雪や雨水の侵入が抑制される。
【0040】
以上説明したように、本発明の屋外設置型発電装置1では、排気通路4が吸音ダクト41で形成された上昇曲走通路4Uと下降通路4Dとを含むので、発電室3E内の空気が曲走しながら上昇するときに、騒音の振動成分が著しく減衰され、最終的に騒音は外部へは殆ど伝搬しない。また、激しい吹雪や豪雨などの天候条件の影響により、雪や雨水が排気口331から下降通路4Dに侵入しても、重力及び排気の流れに抗して下降通路4Dを逆行することはなく、確実に溶融されてハウジング3外に排水される。したがって、特許文献1などの従来技術と比較して、吸音性能及び融雪性能に優れた換気構造を有する屋外設置型発電装置1を提供できる。
【0041】
さらに、吸音ダクト41が通路形成パネル42、貯湯タンク6、及びプレート熱交換器7などを利用して保持されているので、吸音ダクトを収納する従来の専用箱を不要にできる。加えて、通路形成パネル42が区分パネル36に固定されるので、従来行っていたハウジング3に固定用ボルトを溶接して溶接痕や溶接歪みを補修する手間が不要になり、耐環境性や見栄えへの配慮も軽減できる。これらにより、構成部品点数の削減し、加工工数を削減して、コストを低減できる。
【0042】
また、熱利用室3H内の空気が排出されないので、貯湯タンク6及びプレート熱交換器7の周りの空気は換気されず、熱エネルギーの放散が抑制されて高い熱利用効率を維持できる。
【0043】
なお、実施形態の発電機主機としてのガスエンジン発電機2を燃料電池に置き換えることも可能である。また、吸音ダクト41を保持する部材は、貯湯タンク6及びプレート熱交換器7に限定されず、他の補機を利用してもよい。本発明は、その他にも様々な応用や変形が可能である。
【符号の説明】
【0044】
1:屋外設置型発電装置
2:ガスエンジン発電機
3:ハウジング 3E:発電室 3H:熱利用室
31:支柱 33:左側面パネル 331:排気口 332:給気口
34:後面パネル 35:天板パネル 36:区分パネル
4:排気通路 4U:上昇曲走通路 4D:下降通路
41:吸音ダクト 42:通路形成パネル 43:シール材
5:換気ファン
6:貯湯タンク
7:プレート熱交換器