特許第6040664号(P6040664)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6040664警告制御プログラム、制御装置および制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6040664
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】警告制御プログラム、制御装置および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20161128BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20161128BHJP
【FI】
   G07G1/12 321Q
   G06Q50/10
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-206342(P2012-206342)
(22)【出願日】2012年9月19日
(65)【公開番号】特開2014-63218(P2014-63218A)
(43)【公開日】2014年4月10日
【審査請求日】2015年6月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】小池 武
【審査官】 永石 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−075360(JP,A)
【文献】 特開2011−076385(JP,A)
【文献】 特開平09−171591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 − 1/12
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品と賞味期限とが対応付けられた記憶部を参照し、精算対象の商品に付与された賞味期限と、前記精算対象の商品と同一の種類の商品に付与された賞味期限のうち、精算時に最も近い賞味期限とが一致するか否かを特定し、
一致しないと判定された回数が閾値以上になった場合に、前記精算対象の商品に関する警告を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする警告制御プログラム。
【請求項2】
販売時の精算処理の対象である商品の賞味期限に関する第1賞味期限の情報を出力する出力部と、
前記精算処理の対象である商品に付与されている第2賞味期限が前記第1賞味期限と一致するか否かを示す情報を受け付け、不一致となる回数を計数する計数部と、
前記計数部に計数された値に基づいて、警告を出力する警告部と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項3】
前記第1賞味期限は、前記精算処理の対象である商品と同一種類の商品の賞味期限のうち、現時点に最も近い賞味期限であることを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記警告部は、前記計数部に計数された回数が閾値以上となった場合に、警告を出力する、ことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記警告部は、前記精算処理の対象である商品と同一種類の商品の陳列領域に陳列されている商品数が、前記第1賞味期限が付与された前記精算処理の対象である商品と同一種類の商品の在庫数よりも多く、かつ、前記計数部に計数された回数が閾値以上となった場合に、警告を出力する、ことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項6】
販売時の精算処理の対象である商品の賞味期限に関する第1賞味期限の情報を出力し、
前記精算処理の対象である商品に付与されている第2賞味期限が前記第1賞味期限と一致するか否かを示す情報を受け付け、一致もしくは不一致となる回数を計数し、
計数した結果に基づいて、警告を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗では、仕入れた商品を店員が陳列棚に並べ、商品が顧客に販売される。店員は、陳列棚の商品の数が減ってきたことを確認すると、倉庫等に保管してある商品を運び出し、運び出した商品を陳列棚に並べて商品を補充する。このような作業を店員が繰り返し行うことで、順次商品を販売していく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−171591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、賞味期限が現在日に近い商品が、賞味期限が現在日から遠い商品よりも先に販売されてしまうという問題がある。
【0005】
例えば、陳列棚では、賞味期限が迫った商品が残った状態であっても、商品の数が減ってくると、再度、賞味期限が先となる商品、すなわち現在日からより遠い賞味期限が付与されている商品が補充される場合がある。それは、在庫があったとしても棚上に商品が陳列されていなければ販売できず、棚上に商品が並んでいない状態は販売機会の損失につながるため、店側としては棚上にはいつでもある程度の個数の商品を並べておきたいという希望があるからである。顧客は、少しでも賞味期限が先となる商品を選ぶ傾向があるため、陳列棚では、賞味期限が迫った商品が残り、賞味期限が先の商品が順次販売されていき、結果として、賞味期限が現在日により近い商品が売れ残ってしまう。そのような事態に陥らないように、販売状況に応じて事前に対策をとるべきことを気づかせる仕組みがあると便利である。
【0006】
1つの側面では、販売状況に応じて事前に対策をとるべきことを気づかせる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の案では、制御装置は、出力部と、計数部と、警告部を有する。出力部は、販売時の精算処理の対象である商品の賞味期限に関する第1賞味期限の情報を出力する。計数部は、精算処理の対象である商品に付与されている第2賞味期限が第1賞味期限と一致するか否かを示す情報を受け付け、一致もしくは不一致となる回数を計数する。警告部は、計数部に計数された値に基づいた情報を出力する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の1実施形態によれば、販売状況に応じて事前に対策をとるべきことを気づかせる仕組みを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施例1に係る制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
図2図2は、本実施例2に係るシステムの構成を示す図である。
図3図3は、POS端末の表示画面の一例を示す図である。
図4図4は、本実施例2に係る制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
図5図5は、商品情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図6図6は、商品売上テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図7図7は、判定テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図8図8は、陳列位置テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図9図9は、本実施例2に係る制御装置の処理手順を示すフローチャート(1)である。
図10図10は、本実施例2に係る制御装置の処理手順を示すフローチャート(2)である。
図11図11は、制御プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願の開示する制御装置および制御プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0011】
本実施例1に係る制御装置について説明する。図1は、本実施例1に係る制御装置の構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように、この制御装置10は、出力部11、計数部12、警告部13を有する。
【0012】
出力部11は、販売時の精算対象である商品の賞味期限に関する第1賞味期限の情報を出力する。
【0013】
計数部12は、前記精算対象である商品に付与されている第2賞味期限が第1賞味期限と一致するか否かを示す情報を受け付け、一致または不一致となる回数を計数する。
【0014】
警告部13は、計数部12によって計数された値に基づいた情報を出力する。例えば、計数部12に計数された回数が閾値以上となった場合に警告を出力する。
【0015】
本実施例1に係る制御装置10は、販売時の精算対象である商品の賞味期限に関する第1賞味期限の情報を出力する。制御装置10は、前記精算対象である商品に付与されている第2賞味期限が第1賞味期限と一致するか否かを示す情報を受け付け、一致または不一致となる回数についての統計情報を算出する。算出した統計情報を利用して、例えば不一致となる回数が閾値以上となった場合に、警告を出力することができる。第1賞味期限と第2賞味期限とが不一致となる回数が閾値以上となる場合には、陳列領域の商品のうち、賞味期限の近い商品が売れ残ってしまう場合がある。このため、警告を行って、店舗の店員等に通知することで、店員は陳列領域に陳列された商品を、例えば、賞味期限が近い商品のみを陳列するように商品を入れ替えるなどの対応を取ることができる。ひいては、商品を先入れ先出しで販売することを支援することができる。
【実施例2】
【0016】
本実施例2に係るシステムについて説明する。図2は、本実施例2に係るシステムの構成を示す図である。図2に示すように、このシステムは、制御装置100と、POS(Point Of Sale)端末60を有する。例えば、制御装置100およびPOS端末60は、ネットワーク50によって相互に接続される。ここでは一例として、一台のPOS端末60を示すが、このシステムでは、その他のPOS端末60を有しても良い。
【0017】
POS端末60は、店員が商品を販売する際に利用するキャッシュレジスターであり、例えば、バーコードリーダ等に接続される。店員は、商品を販売する場合に、商品に付与されたバーコードを、バーコードリーダでスキャンする。スキャンされたバーコードには、商品を特定する商品特定番号が含まれており、POS端末60は、販売する商品の商品特定情報を、制御装置100に送信する。なお、POS端末60は、実施例1における外部装置5の一例である。
【0018】
なお、本実施例で用いる商品特定番号は、同一種類の商品の中の商品個々を識別するものではない。例えば、商品特定情報「商品A」となる商品は複数個存在する。同一の商品特定情報の商品にはそれぞれ賞味期限が設定されている。本実施例では、ある商品特定情報の商品について、現在の日付に最も近い賞味期限のことを商品の最短賞味期限と記載する。最短賞味期限に関する詳しい説明は後述する。
【0019】
POS端末60は、商品特定情報を制御装置100に送信した後に、制御装置100から、販売する商品の賞味期限に係る情報を取得する。POS端末60は、商品の賞味期限に係る情報を表示画面に表示する。
【0020】
図3は、POS端末の表示画面の一例を示す図である。図3に示すように、表示画面の領域20aには、該当する商品の商品特定情報と、該当商品の賞味期限に係る情報として、最短賞味期限の情報が表示される。例えば、POS端末60は、商品特定情報「商品A」の最短賞味期限が「2012年2月28日」の場合には、「商品Aの賞味期限は2012年2月28日ですか?」を領域20aに表示する。ボタン20bは、最短賞味期限と該当する商品の賞味期限とが一致する場合に、店員に押下されるボタンである。ボタン20cは、最短賞味期限と該当する商品の賞味期限とが不一致となる場合に、店員に押下されるボタンである。
【0021】
店員は、表示画面に表示された最短賞味期限と、商品の賞味期限が等しいか否かを確認する。店員は、最短賞味期限と商品の賞味期限とが等しい場合には、ボタン20bを押下する。POS端末60は、ボタン20bが押下された場合には、商品特定情報と、最短賞味期限と一致する旨の情報を含む応答情報を、制御装置100に送信する。
【0022】
これに対して、店員は、最短賞味期限と商品の賞味期限とが異なる場合には、ボタン20cを押下する。POS端末60は、ボタン20cが押下された場合には、商品特定情報と、最短賞味期限と一致しない旨の情報を含む応答情報を、制御装置100に送信する。
【0023】
また、POS端末の表示画面の一例として、別の出力形態も考えられる。例えば、表示画面の領域20aに、該当する商品の商品特定情報と、該当商品の賞味期限に係る情報として、後述の商品情報テーブル141に該当商品と対応付けられて記憶されている複数の賞味期限を表示してもよい。この場合、ボタン20bおよび20cの代わりに、該複数の賞味期限のいずれかを選択するためのボタンを設けると良い。店員は、表示画面に表示された賞味期限のうち、販売しようとしている商品の賞味期限に等しい賞味期限を選択指示する。POS端末60は、いずれかの賞味期限を選択する旨の指示が入力された場合には、商品特定情報と、該選択された賞味期限の情報を含む応答情報を、制御装置100に送信する。
【0024】
制御装置100は、POS端末60と通信を行って、販売される商品に付与されている賞味期限に関する統計的な情報を算出する装置である。例えば、算出した統計的な情報を利用して、賞味期限の迫った商品が売れ残ってしまう可能性が高いか否かを判定し、売れ残ってしまう可能性が高い場合に店員に警告を行うことができる。警告を受けた店員は、陳列棚に陳列された商品から、賞味期限の迫っていない商品の撤去を行うなどして、対応することができる。
【0025】
図2に示した制御装置100の構成について説明する。図4は、本実施例2に係る制御装置の構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、この制御装置100は、通信部110、入力部120、表示部130、記憶部140、制御部150を有する。
【0026】
通信部110は、ネットワーク50を介してPOS端末60とデータ通信を実行する処理部である。例えば、通信部110は、通信装置に対応する。後述する制御部150は、通信部110を介して、POS端末60とデータをやり取りする。
【0027】
入力部120は、各種の情報を入力する入力装置である。例えば、入力部120は、キーボードやマウス、タッチパネルに対応する。表示部130は、各種のデータを表示する表示装置である。例えば、表示部130は、ディスプレイやタッチパネル等に対応する。
【0028】
記憶部140は、商品情報テーブル141、商品売上テーブル142、判定テーブル143、陳列位置テーブル144を記憶する。記憶部140は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子などの記憶装置に対応する。
【0029】
商品情報テーブル141は、商品の賞味期限等を保持するテーブルである。なお、本実施例2では、商品個々の賞味期限は管理しない。商品を仕入れた場合に、仕入れた商品のまとまり毎に、賞味期限を管理する。例えば、商品Aを50個仕入れ、係る商品Aの賞味期限が3月31日の場合には、係る50個の商品Aの賞味期限を、まとめて3月31日とする。まとめて仕入れた商品は、賞味期限が同じであることを利用する。
【0030】
図5は、商品情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図5に示すように、この商品情報テーブル141は、商品特定情報、棚数、賞味期限、在庫数のデータ項目を有する。商品特定情報は、商品を特定する情報である。棚数は、陳列棚に陳列できる商品の個数である。例えば、商品Aの棚数は「10」である場合には、商品Aの陳列棚には商品を最大10個陳列できることを示す。賞味期限は、該当商品の賞味期限を示す。在庫数は仕入れた商品の在庫数を示す。図5に示す例では、賞味期限が「2012年2月28日」となる商品Aの在庫数が「5個」であることを示す。また、賞味期限が「2012年3月31日」となる商品Aの在庫数が「50個」であることを示す。
【0031】
在庫数のデータの更新は、別の方法により行われても構わない。例えば、一日の終わりなど店舗運営者が決定した任意のタイミングで、陳列棚に並べられている商品についての賞味期限を店員が確認し、確認結果に基づいて、該当する商品かつ該当する賞味期限に対応する在庫数のデータが、実際の在庫数に更新されてもよい。
【0032】
なお、賞味期限を超えた商品は販売対象にしないことが一般的であるので、店員は陳列棚に並んでいる商品のうち、賞味期限を超えた商品を撤去する。そこで、商品情報テーブル141からは、現在日が賞味期限を超えたレコードは削除され、賞味期限の方が現在日よりも後であるレコードのみが登録されているものとする。
【0033】
商品売上テーブル142は、商品の売り上げに関する情報を保持するテーブルである。図6は、商品売上テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図6に示すように、この商品売上テーブル142は、商品特定情報、売上日、数量のデータ項目を有する。売上日は、商品を販売した日付を示す。数量は、該当する日付における商品の販売数である。例えば、売上日「2012年2月9日」では、商品Aが「4個」売れたことが示されている。
【0034】
判定テーブル143は、現在の日付を基準とした商品の最短の賞味期限と、販売した商品の賞味期限とが不一致となる回数の情報を保持するテーブルである。図7は、判定テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図7に示すように、この判定テーブル143は、商品特定情報、閾値、カウント値のデータ項目を有する。閾値は、警告を出力するか否かの判断基準となる数値である。カウント値は、販売した商品の賞味期限と、該商品に対応する最短賞味期限とが不一致となる回数を示す値である。
【0035】
なお、POS端末60から賞品を特定する情報と併せて賞味期限を特定する情報を受信する場合には、判定テーブル143では、商品特定情報と閾値とカウント値を含んだレコードを商品特定情報毎賞味期限毎に格納しても構わない。判定テーブル143の、カウント値は、警告が出力されたタイミングでゼロにクリアされても良いし、警告が出力された後に、店員による陳列棚のチェックが終了した旨を表す信号が入力された時点でゼロにクリアされても良い。
【0036】
陳列位置テーブル144は、商品の陳列位置に関する情報を保持するテーブルである。図8は、陳列位置テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図8に示すように、この陳列位置テーブル144は、商品特定情報と陳列位置とのデータ項目を有する。陳列位置は、商品の陳列位置を一意に識別する情報である。例えば、商品Aの陳列位置は「A−50」である。
【0037】
図4の説明に戻る。制御部150は、管理部151、賞味期限特定部152、出力部153、計算部154、計数部155、警告部156を有する。制御部150は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積装置に対応する。また、制御部150は、例えば、CPUやMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路に対応する。
【0038】
管理部151は、商品情報テーブル141、商品売上テーブル142を適宜更新する処理部である。例えば、店員は入力部を操作して、商品を仕入れた場合には、仕入れた商品の商品特定情報と、賞味期限の情報を入力し、管理部151は、係る情報を、商品情報テーブル141に登録する。また、管理部151は、POS端末60と通信を行って販売された商品の商品特定情報を取得し、商品売上テーブルの数量を更新する。
【0039】
賞味期限特定部152は、POS端末60から商品特定情報を受信した場合に、商品特定情報に対応する最短賞味期限を特定する処理部である。賞味期限特定部152は、商品特定情報と、最短賞味期限との情報を、出力部153に出力する。
【0040】
賞味期限特定部152は、POS端末60から商品特定情報を取得し、取得した商品特定情報と、商品情報テーブル141とを比較して、商品特定情報に対応する賞味期限を取得する。賞味期限特定部152は、取得した各賞味期限のうち、現在の日付に最も近い賞味期限を、該当商品特定情報の最短賞味期限として特定してもよい。例えば、図5において、商品特定情報「商品A」に対応する賞味期限は「2012年2月28日」、「2012年3月31日」である。現在の日付を「2012年2月11日」とすると、商品特定情報「商品A」に対応する最短賞味期限は「2012年2月28日」となる。
【0041】
なお、店員は、入力部120を操作して、各商品特定情報の最短賞味期限を入力しても良い。この場合には、記憶部140は、商品特定情報と最短賞味期限とを対応付けたテーブルを記憶し、賞味期限特定部152は、POS端末60から商品特定情報を取得した場合に、かかるテーブルを参照して、商品特定情報に対応する最短賞味期限を特定しても良い。
【0042】
出力部153は、賞味期限特定部152から取得した商品特定情報と賞味期限との情報を、POS端末60に出力して、賞味期限の情報を表示させる処理部である。図3を用いて説明したように、POS端末60は、最短賞味期限の情報を受信した場合には、最短賞味期限の情報を表示する。
【0043】
計算部154は、POS端末60から商品特定情報を受信した場合に、係る商品特定情報の商品に対する平均売上数、残日数、陳列残数、最短賞味期限の商品の在庫数を算出する処理部である。計算部154は、算出した平均売上数、残日数、陳列残数、在庫数の情報を、警告部156に出力する。
【0044】
計算部154が、平均売上数を算出する処理について説明する。計算部154は、商品特定情報と商品売上テーブル142とを比較し、該当商品の各売上日の数量を平均することで、平均売上数を算出する。例えば、図6において、商品特定情報「商品A」の平均売上数は、「4」となる。なお、小数点以下は、切り上げとしても良いし、切り下げとしても良い。小数点以下の数値の取り扱いについては、管理者が予め設定しておくものとする。
【0045】
計算部154が、残日数を算出する処理について説明する。残日数は、商品特定情報に対応する最短賞味期限から現在の日付までの日数である。計算部154は、賞味期限特定部152から、商品特定情報に対応する最短賞味期限の情報を取得する。計算部154は、最短賞味期限から、現在の日付までの日数を計数することで、残日数を算出する。例えば、商品特定情報「商品A」の最短賞味期限が「2012年2月28」で、現在の日付が「2012年2月11日」の場合には、残日数は「18」となる。
【0046】
計算部154が、最短賞味期限の商品の在庫数の情報を取得する処理について説明する。計算部154は、商品特定情報と、最短賞味期限との組みに対応する在庫数を、商品情報テーブル141から検出する。例えば、商品特定情報が「商品A」、最短賞味期限が「2012年2月28日」の場合には、在庫数は「5」となる。
【0047】
計算部154が、陳列残数を算出する処理について説明する。陳列残数は、陳列棚に配置可能な商品の残数である。計算部154は、商品特定情報と、商品情報テーブル141、商品売上テーブル142とを比較して、商品特定情報に対応する棚数と、現在の日付の数量を検出する。現在の日付の数量は、当日の売上数である。計算部154は、棚数から数量を減算することで、陳列残数を算出する。例えば、商品特定情報が「商品A」の棚数が「10」であり、商品Aの現在の日付の数量が「4」の場合には、陳列残数は「6」となる。
【0048】
計数部155は、POS端末60から応答情報を受け付け、受け付けた応答情報を基にして、判定テーブル143のカウント値に1をインクリメントする処理部である。上記のように、応答情報には、商品特定情報と、最短賞味期限と一致したか否かの情報が含まれる。
【0049】
計算部155は、応答情報に、最短賞味期限と不一致である旨の情報が含まれている場合には、商品特定情報に対応するカウント値に1を加算する。一方、計算部155は、応答情報に、最短賞味期限と一致する旨の情報が含まれている場合には、カウント値のインクリメントを行わない。計算部155は、最短賞味期限との不一致の回数を数える以外に、例えば、最短以外の賞味期限に一致した回数を合算した値を算出してもよい。
【0050】
警告部156は、計算部154から取得した値に基づいた情報を出力する処理部である。例えば警告部156は、計算部154から取得する各情報と、判定テーブル143とを基にして、警告を行うか否かを判定する。
【0051】
例えば、警告部156は、第1条件、第2条件のいずれかと、第3条件とを満たした場合に、警告を行う。第1条件は、最短賞味期限までに、最短賞味期限に該当する商品が売り切れないという条件である。具体的に、警告部156は、式(1)を満たす場合に、第1条件を満たすと判定する。第1条件を満たす場合には、最短賞味期限までに該当商品が売り切れない可能性が高い。これに対して、第1条件を満たさない場合には、最短賞味期限までに該当商品が売り切れる可能性が高いため、警告を行わなくても良い。
【0052】
残日数≦最短賞味期限の商品の在庫数÷平均売上数・・・(1)
【0053】
第2条件は、陳列棚の残りの商品の数が、最短賞味期限の商品の在庫数よりも多いという条件である。具体的に、警告部156は、第1条件を満たさないという条件の下で、式(2)を満たす場合に、第2条件を満たすと判定する。第2条件を満たす場合には、陳列棚に残っている商品の数が最短賞味期限の商品の在庫数よりも多いため、賞味期限が最短でない商品が陳列されている可能性がある。賞味期限が最短の商品と最短でない商品とが同時に陳列棚上にある場合、消費者は、少しでも賞味期限までの期間が長い方の商品を選ぶ傾向があるため、最短賞味期限の商品が売れ残ってしまう可能性が高い。これに対して、第2条件を満たさない場合には、最短賞味期限の商品だけが陳列棚に残されていることを意味するので、そのままにしておけば、最短賞味期限の商品を売り切ることができるため、警告を行わなくても良い。
【0054】
最短賞味期限の商品の在庫数<陳列残数・・・(2)
【0055】
第3条件は、商品特定情報に対応するカウント値が、該当する閾値以上となるという条件である。例えば、図7に示す例では、商品特定情報「商品A」に対するカウント値「5」は、閾値「5」以上となっているため、第3条件を満たす。
【0056】
次に、警告部156が警告を行う場合の処理について説明する。警告部156は、第1〜第3条件のいずれかを満たした場合に、商品特定情報と、陳列位置テーブル144とを比較して、商品特定情報の陳列棚の位置を判定する。例えば、警告部156は、陳列棚の位置を判定した後に、係る陳列棚に設置された警告ランプを点灯させる。制御装置100と、係る警告ランプとは、予め接続されているものとする。または、警告部156は、POS端末60、店舗の管理センターなどに、陳列棚の位置を表示して、警告を行っても良い。
【0057】
次に、本実施例2に係る制御装置100の処理手順について説明する。図9図10は、本実施例2に係る制御装置の処理手順を示すフローチャートである。例えば、図9図10に示す処理は、POS端末60から販売する商品の商品特定情報を受信したことを契機に実行される。
【0058】
図9に示すように、制御装置100は、商品特定情報を受信し(ステップS101)、陳列棚に陳列された各商品のうち、最短賞味期限を判定する(ステップS102)。制御装置100は、一日当たりの商品の平均売上数を算出する(ステップS103)。
【0059】
制御装置100は、式(1)の条件を満たすか否かを判定する(ステップS104)。制御装置100は、式(1)の条件を満たす場合には(ステップS104,Yes)、図10のステップS107に移行する。
【0060】
一方、制御装置100は、式(1)の条件を満たさない場合は(ステップS104,No)、陳列残数を算出する(ステップS105)。制御装置100は、式(2)の条件を満たすか否かを判定する(ステップS106)。制御装置100は、式(2)の条件を満たさない場合には(ステップS106,No)、処理を終了する。
【0061】
一方、制御装置100は、式(2)の条件を満たす場合には(ステップS106,Yes)、図10のステップS107に移行する。
【0062】
図10の説明に移行する。制御装置100は、該当商品の最短賞味期限をPOS端末60に送信する(ステップS107)。制御装置100は、POS端末60から、販売した商品の賞味期限が、最短賞味期限と一致するか否かの応答情報を受信する(ステップS108)。
【0063】
制御装置100は、最短賞味期限と、販売した商品の賞味期限とが一致するか否かを判定する(ステップS109)。ここで、POS端末60から受信した応答情報が、最短賞味期限と一致するか否かの情報ではなく、販売しようとしている商品の賞味期限に関する情報を含んでいた場合には、制御装置100は、受信した賞味期限が、該当商品の最短賞味期限と同一であるか否かを判断する。すなわち、商品情報テーブル141から該当商品に対応付けて保持されている賞味期限のデータを読み出して、その中から最短賞味期限を特定し、受信した賞味期限と比較する。同一である場合には、最短賞味期限と、販売した商品の賞味期限とが一致すると判定する。
【0064】
制御装置100は、最短賞味期限と、販売した商品の賞味期限とが一致する場合には(ステップS109,Yes)、処理を終了する。
【0065】
制御装置100は、最短賞味期限と、販売した商品の賞味期限とが一致しない場合には(ステップS109,No)、ステップS101で受信した商品特定情報に示される商品に対応するカウント値に1を加算する(ステップS110)。なお、ステップS109における判定の仕方およびステップ110によるカウント加算の仕方は、上記以外の方法を取っても良い。ステップS109において最短賞味期限との不一致の回数を数える以外に、例えば、最短以外の賞味期限に一致した回数を合算した回数を数えてもよい。この場合には、ステップS110において、最短以外の賞味期限に一致した回数をインクリメントすることになる。
【0066】
制御装置100は、該当商品のカウント値が閾値以上か否かを判定する(ステップS111)。制御装置100は、該当商品のカウント値が閾値以上の場合には(ステップS111,Yes)、該当商品の情報を含むアラームを出力する(ステップS112)。アラームの出力の仕方としては、例えば、POS端末60や店舗の管理センターなどに、該当商品および陳列棚の位置を含む情報を警告として出力することが考えられる。また例えば、該当商品の陳列された陳列棚のランプを点灯させることが考えられる。一方、制御装置100は、該当商品のカウント値が閾値未満の場合には(ステップS111,No)、処理を終了する。
【0067】
次に、本実施例2に係る制御装置100の効果について説明する。制御装置100は、陳列棚に陳列される商品の賞味期限のうち、現在の日付に最も近い最短賞味期限の情報をPOS端末60に送信する。また、制御装置100は、販売した商品の賞味期限が最短賞味期限と一致するか否かを示す情報をPOS端末60から受け付け、不一致となる回数を計数する。従って、販売される商品に付与された賞味期限に関する統計的な情報を算出できる。
【0068】
制御装置100は、算出された統計的な情報として例えば計数された回数が閾値以上となった場合に警告を行うことができる。制御装置100が警告を行うことで、賞味期限の迫っている商品が売れ残ってしまう可能性を店舗の担当者に通知でき、その結果として、商品を先入れ先出しの販売形態を実現できるように支援することができる。
【0069】
また、本実施例2に係る制御装置100は、最短賞味期限までに商品が売り切れないと判断した際に、不一致回数を計数する。例えば、係数した不一致回数が閾値以上となった場合に、警告を出力することができる。最短賞味期限までに商品が売り切れる可能性が高い場合には、特に警告を行わなくても良いため、効率的に、店員に警告を行うことができる。
【0070】
また、本実施例2に係る制御装置100は、陳列棚の残りの商品数が、最短賞味期限の商品の在庫数よりも多い場合に、不一致回数を計数する。例えば、係数した不一致回数が閾値以上となった場合に、警告を出力することができる。陳列棚の残りの商品数が、最短賞味期限の商品の在庫数よりも少ない場合には、陳列棚には、最短賞味期限の商品のみ陳列されている。このため、そのままの状態でも、最短賞味期限の商品を順次販売することでき、警告を行わなくてもよいため、店員に無駄な労力を負わせることを防止することもできる。
【0071】
また、商品個々について、賞味期限の管理を行おうとすると、各商品の識別情報や、賞味期限の情報を保持するタグなどを利用することとなるが、人件費や商品コストが増加してしまう。これに対して、本実施例2に係るシステムでは、商品個々について、賞味期限管理を行っているわけではないので、コストを抑えつつ、商品を先入れ先出しで販売することができる。
【0072】
なお、実施例1及び実施例2の説明においては、賞味期限を例に挙げて説明を行っているが、これを消費期限に変更しても構わない。また、実施例1及び実施例2の説明においては、賞味期限として年月日を管理する例を挙げたが、これに時刻に関する情報も追加しても構わない。
【0073】
また、実施例1においては、制御装置10は外部装置5から、実施例2においては、制御装置100はPOS端末60から、商品特定情報を受信したり、警告に関する情報を出力したりしている。しかし、上記実施例において制御装置10が有する機能を外部装置5が、制御装置100が有する機能をPOS端末60がそれぞれ有するとともに図9図10に示す処理については、外部装置5やPOS端末60がスタンドアロンの状態で処理を実行しても構わない。
【0074】
次に、実施例に示した制御装置10と同様の機能を実現する制御プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図11は、制御プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【0075】
図11に示すように、コンピュータ200は、各種演算処理を実行するCPU201と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置202と、ディスプレイ203を有する。また、コンピュータ200は、記憶媒体からプログラム等を読取る読み取り装置204と、ネットワークを介して他のコンピュータとの間でデータの授受を行うインタフェース装置205とを有する。また、コンピュータ200は、各種情報を一時記憶するRAM206と、ハードディスク装置207を有する。そして、各装置201〜207は、バス208に接続される。
【0076】
ハードディスク装置207は、例えば、出力プログラム207a、計数プログラム207b、警告プログラム207cを有する。CPU201は、各プログラム207a〜207cを読み出してRAM206に展開する。
【0077】
出力プログラム207aは、出力プロセス206aとして機能する。計数プログラム207bは、計数プロセス206bとして機能する。警告プログラム207cは、警告プロセス206cとして機能する。
【0078】
例えば、出力プロセス206aは、出力部11、153に対応する。計数プロセス206bは、計数部12、155に対応する。警告プロセス206cは、警告部13、156に対応する。
【0079】
なお、各プログラム207a〜207cについては、必ずしも最初からハードディスク装置207に記憶させておかなくてもよい。例えば、コンピュータ200に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ200がこれらから各プログラム207a〜207cを読み出して実行するようにしてもよい。
【0080】
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0081】
(付記1)販売時の精算処理の対象である商品の賞味期限に関する第1賞味期限の情報を出力する出力部と、
前記精算処理の対象である商品に付与されている第2賞味期限が前記第1賞味期限と一致するか否かを示す情報を受け付け、一致もしくは不一致となる回数を計数する計数部と、
前記計数部に計数された値に基づいた情報を出力する警告部と
を有することを特徴とする制御装置。
【0082】
(付記2)前記第1賞味期限は、前記精算処理の対象である商品の賞味期限のうち、現時点に最も近い賞味期限であり、前記警告部は、前記第1賞味期限までに商品が売り切れないと判断し、かつ、前記計数部に計数された回数が閾値以上となった場合に、警告を出力することを特徴とする付記1に記載の制御装置。
【0083】
(付記3)前記警告部は、陳列領域に陳列されている商品数が、前記第1賞味期限の商品の在庫数よりも多く、かつ、前記計数部に計数された回数が閾値以上となった場合に、警告を出力することを特徴とする付記1に記載の制御装置。
【0084】
(付記4)コンピュータに、
販売時の精算処理の対象である商品の賞味期限に関する第1賞味期限の情報を出力し、
前記精算処理の対象である商品に付与されている第2賞味期限が前記第1賞味期限と一致するか否かを示す情報を受け付け、一致もしくは不一致となる回数を計数し、
計数した結果に基づいた情報を出力する
各処理を実行させることを特徴とする制御プログラム。
【0085】
(付記5)前記第1賞味期限は、前記精算処理の対象である商品の賞味期限のうち、現時点に最も近い賞味期限であり、前記警告する処理は、前記第1賞味期限までに商品が売り切れないと判断し、かつ、前記計数部に計数された回数が閾値以上となった場合に、警告を出力することを特徴とする付記4に記載の制御プログラム。
【0086】
(付記6)前記警告する処理は、陳列領域に陳列されている商品数が、第1賞味期限の商品の在庫数よりも多く、かつ、計数部に計数された回数が閾値以上となった場合に、警告を出力することを特徴とする付記4に記載の制御プログラム。
【0087】
(付記7)メモリと、
前記メモリに接続されたプロセッサと、を具備し、
前記プロセッサは、
販売時の精算処理の対象である商品の賞味期限に関する第1賞味期限の情報を出力し、
前記精算処理の対象である商品に付与されている第2賞味期限が前記第1賞味期限と一致するか否かを示す情報を受け付け、一致もしくは不一致となる回数を計数し、
計数した結果に基づいた情報を出力する
各処理を実行することを特徴とする制御装置。
【0088】
(付記8)販売時の精算処理の対象である商品の賞味期限に関する第1賞味期限の情報を出力し、
前記精算処理の対象である商品に付与されている第2賞味期限が前記第1賞味期限と一致するか否かを示す情報を受け付け、一致もしくは不一致となる回数を計数し、
計数した結果に基づいた情報を出力する
各処理をコンピュータに実行させる制御プログラムを記憶する、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【符号の説明】
【0089】
5 外部装置
10 制御装置
11 出力部
12 計数部
13 警告部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11