【実施例1】
【0022】
図1は、実施例1に係る画像形成装置の内部構成を簡略に示す模式的側断面図である。尚、同図は、例としてタンデム型のカラー画像形成装置を示している。
【0023】
同図に示すカラー画像形成装置1は、例えばデスクトップ型のパソコン用ラックに載置可能な程度の大きさの小型のカラー画像形成装置であり、本体基部の底部には用紙カセット2を着脱自在に備えている。用紙カセット2には多枚数の用紙3が載置・収容されている。
【0024】
このカラー画像形成装置1の内部のほぼ中央には、中間転写ベルト4が図の左右に偏平なループ状に配置されている。中間転写ベルト4は、駆動ローラ5と従動ローラ6に掛け渡されて、図の矢印Aで示す反時計回り方向に循環移動する。
【0025】
そして、中間転写ベルト4の上循環部には、4個の感光体ドラム7(7c、7m、7y、7k)が画像搬送方向上流側から下流側(図の右から左方向)に多段式に並設されている。
【0026】
各感光体ドラム7には、その周面を夫々取り囲むようにして(以下、代表的に感光体ドラム7kの周囲装置についてのみ符号を付して示す)、クリーナ8、帯電ローラ9、光書込ヘッド11、画像形成ユニット12の現像ローラ13、及び一次転写ローラ14が配置されている。尚、上記の現像ローラ13はマグネットローラで構成されている。
【0027】
上記4個の光書込ヘッド11は、不図示の支持部材を介して画像形成装置本体フレームに支持されている。また、中間転写ベルト4、駆動ローラ5、従動ローラ6、一次転写ローラ14等は、後述するテンションローラ17及び18と共にベルトユニットを構成している。
【0028】
感光体ドラム7cに対応する画像形成ユニット12から感光体ドラム7kに対応する画像形成ユニット12まで、各画像形成ユニット12の現像キット15のトナー容器16内には、減法混色の三原色であるシアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の各色トナーと、文字や画像の黒色部分等の印字に専用されるブラック(K)のトナーが夫々収容されている。
【0029】
中間転写ベルト4の上流側端部に配置されている上記の従動ローラ6は、二次転写のバックアップローラを兼ねている。そのバックアップローラとしての従動ローラ6には、中間転写ベルト4を介して対向配置されている二次転写ローラ19が圧接して回転する。
【0030】
これらの従動ローラ6、中間転写ベルト4、及び二次転写ローラ19により、ここに二次転写部20が形成されている。中間転写ベルト4は、トナー像を直接ベルト面に一次転写され、そのトナー像を更に用紙3に転写すべく二次転写部へと搬送する。
【0031】
また、中間転写ベルト4には、上走行部の下流側端部裏面にテンションローラ17が圧接し、下走行部の図の右端側裏面にテンションローラ18が圧接している。これにより、中間転写ベルト4は、両テンションローラ17及び18により常に外側に付勢されて適度の張力を保っている。なお、テンションローラ18は他の機能も有しているが、これについては後述する。
【0032】
また、用紙カセット2の給紙口(図の右方)近傍には、用紙取出ローラ21、給送ローラ22及び捌きローラ23が配置され、給送ローラ22及び捌きローラ23から二次転写部20までの用紙搬送路の途中に待機ローラ対24が配置されている。
【0033】
上記の二次転写部20の下流側(図では上方)にはベルト式定着装置25が配置されている。ベルト式定着装置25の更に下流側には、定着後の用紙3をベルト式定着装置25から搬出する不図示の搬出ローラ対、及びその搬出される用紙3を装置上面に形成されている排紙トレー26に排紙する排紙ローラ対27が配設されている。
【0034】
図2は、上記のカラー画像形成装置1の制御装置を含む回路ブロック図である。
図2に示すように回路ブロックは、CPU(central processing unit)30を中心にして、このCPU30に、それぞれデータバスを介してインターフェイスコントローラ(I/F_CONT)31及びプリンタコントローラ(PR_CONT)32が接続されている。このPR_CONT32にはプリンタ印字部33が接続されている。
【0035】
また、CPU30には、ROM(read only memory)34、EEPROM(electrically erasable programmable ROM)35、本体操作部の操作パネル36、及び各部に配置されたセンサからの出力が入力されるセンサ部37が接続されている。ROM34には、システムプログラムが記憶され、CPU30は、このシステムプログラムに従って各部を制御して処理を行う。
【0036】
すなわち、各部において、先ず、I/F_CONT31は、例えばパーソナルコンピュータ等のホスト機器から供給される印字データをビットマップデータに変換し、フレームメモリ38に展開する。フレームメモリ38は、ブラック(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)ごとに記憶エリアが設定されており、各色のデータが対応するエリアに展開される。
【0037】
フレームメモリ38に展開されたデータはPR_CONT32に出力され、PR_CONT32からプリンタ印字部33に出力される。
【0038】
プリンタ印字部33は、エンジン部であり、PR_CONT32からの制御の下で、
図1に示したベルトユニットの上下移動や中間転写ベルト4の回転駆動などを行うベルト駆動部39への駆動出力を制御する。
【0039】
更にプリンタ印字部33は、用紙取出ローラ21〜排紙ローラ対27、感光体ドラム7、ベルト式定着装置25の加熱ローラ等の回転駆動される各部からなる搬送機構を駆動する搬送機構駆動部41への駆動出力を制御する。
【0040】
更にプリンタ印字部33は、帯電ローラ9、光書込ヘッド11、一次転写ローラ14等の被駆動部を有する画像形成部のプロセス負荷、二次転写ローラ19を含む回転駆動系等への電圧印加を行う印加電圧出力部42の出力を制御する。
【0041】
更にプリンタ印字部33は、トナー像を二次転写するために二次転写部に通紙する用紙3の厚さ、腰の強弱に関わり無く、二次転写ローラ19に対する用紙3の巻き付き量を常に一定に維持するためにテンションローラ18の位置を移動させるテンションローラ移動部43の移動駆動を制御する。
【0042】
そして、PR_CONT32から出力されたブラック(K)、マゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の各色のデータは、プリンタ印字部33からそれぞれ対応する
図1に示した光書込ヘッド11に供給される。
【0043】
光書込ヘッド11に供給された各色の印字データは、静電潜像となって感光体ドラム7に書き込まれ、その静電潜像は現像ローラ13によってトナー像に現像され、現像されたトナー像は中間転写ベルト4に一次転写される。
【0044】
一次転写されたトナー像は中間転写ベルト4により二次転写部20まで搬送され、用紙カセット2から取り出されて二次転写部20まで搬送されてきた用紙3に二次転写される。このとき、用紙3が通常の比較的薄手の事務用用紙(以下、普通紙という)であれば何ら問題はない。
【0045】
しかし、普通紙よりも厚手の、又は厚くは無いが厚手の用紙と同じくらい腰の強い用紙(以下、総称して厚紙という)であると、それに対応する二次転写電圧の調節が出来ないことは前述した。
【0046】
しかし、本例では二次転写電圧を調節するのではなく、二次転写ローラ19への用紙の巻き付き量を一定に維持することで、一定量の二次転写電圧を用紙に供給できるようにして、上記の問題を解決する。
【0047】
図3(a)は普通紙3aを二次転写部20に通紙するときの態様を示す図であり、
図3(b)はそのときの二次転写部20を拡大して示す図、
図3(c)は
図3(b)と同じ態様で厚紙3bを二次転写部20に通紙したときに発生する不具合を説明する図である。
【0048】
図3(a)に示すように、普通紙3aを二次転写部20に通紙する際は、テンションローラ18は、従動ローラ6(二次転写バックアップローラ)のほぼ真下の位置にある。テンションローラ18と従動ローラ6との間の中間転写ベルト4は、やや右に傾斜しているものの、ほぼ鉛直に近い状態で張設されている。
【0049】
この中間転写ベルト4を介して従動ローラ6に圧接して二次転写部20を形成する二次転写ローラ19は、押し付勢部材44により従動ローラ6に対し斜め下方に付勢されている。これにより、二次転写ローラ19は従動ローラ6に対しやや下方にシフトして、中間転写ベルト4が従動ローラ6に掛かる前から中間転写ベルト4に圧接している。
【0050】
この二次転写ローラ19の従動ローラ6に対する下方へのシフト量は、従動ローラ6の支持軸の中心を通る水平な直線aと、従動ローラ6の支持軸の中心と二次転写ローラ19の支持軸の中心とを結ぶ傾いた直線bとがなす角度αで示すことができる。
【0051】
また、このように、二次転写ローラ19が下方にシフトしているので、二次転写ローラ19は、従動ローラ6の支持軸の中心を通る水平線aより下方で、中間転写ベルト4をベルト内側に押し込む形で配置されている。
【0052】
換言すれば、二次転写ローラ19と中間転写ベルト4とで形成される用紙把持部は、
図1に示した縦搬送路に対して斜め左下さがりに傾いている。これにより、二次転写部20に搬入される普通紙3aは、下の縦搬送路からやや左にずれた位置から、二次転写ローラ19に対する一定の巻き付き量を形成しながら進入する。
【0053】
また、同様に、二次転写ローラ19の下方へのシフトにより、二次転写ローラ19と中間転写ベルト4とで形成される用紙把持部は、斜め右上あがりに傾いている。これにより、二次転写部20から排出される普通紙3aは上の縦搬送路からやや右にずれた矢印cで示す方向に、二次転写ローラ19に対する一定の巻き付き量を形成しながら排出される。
【0054】
このように、普通紙3aは、
図3(b)に示すように、下から中間転写ベルト4に、位置Tb1から位置Tb2まで一定の圧接量B1を形成しながら二次転写部20に進入する。
【0055】
続いて普通紙3aは、中間転写ベルト4と二次転写ローラ19に挟持されて、位置Tb2から位置Tb3まで二次転写ローラ19への一定の巻き付き量B2を形成しながら二次転写部20から排出される。
【0056】
この排出では、二次転写ローラ19が、その周面が普通紙3aから離れる方向へ回転していることにより、普通紙3aは巻き付き量B2の終端である位置Tb3で二次転写ローラ19から剥離される。
【0057】
図3(b)では、普通紙3aが二次転写ローラ19から剥離される巻き付き量B2の終端Tb3における普通紙3aの進行方向と、従動ローラ6の支持軸の中心を通る水平な直線aとがなす角度を角度βで示している。
【0058】
一方、
図3(c)に示すように、上記と同じ態様で厚紙3bを二次転写部20に通紙した場合は、厚紙3bには普通紙3aよりも強い腰があるため、二次転写部20に進入するときの中間転写ベルト4への圧接量C1と、二次転写部20から出るときまでの二次転写ローラ19への巻き付き量C2は、いずれも普通紙3aの場合よりも小さくなる。
【0059】
また、
図3(c)に示すように、厚紙3bが二次転写ローラ19から剥離される巻き付き量C2の終端の位置Tc3における厚紙3bの進行方向と、従動ローラ6の支持軸の中心を通る水平な直線aとがなす角度γは大きくなる。すなわち、
図3(b)と
図3(c)では、B1>C1、B2>C2、且つβ<γの関係になる。
【0060】
このように厚紙3bの場合、B1>C1、B2>C2で示されるように厚紙3bに印加される二次転写電圧の印加時間が普通紙3aの場合よりも短くなるので、厚紙3bへのトナー像の転写が不充分となり、形成される画像の画質が低下するという不具合が生じる。
【0061】
本例では、このような用紙の性状によって生じる不具合を解消するために、二次転写部20に通紙される用紙が厚紙3bであるときは、
図2に示す制御装置のCPU30は、テンションローラ移動部43を制御して、厚紙3bの材質に応じた距離だけ、テンションローラ18を中間転写ベルト4の下部走行方向後方へ移動させる。
【0062】
図4(a)は、テンションローラ18の位置を移動させて、二次転写ローラ19への厚紙3bの巻き付き量を普通紙3aの場合と同様の一定範囲に維持した態様を示す図であり、
図4(b)は、そのときの二次転写部20の拡大図である。
【0063】
図4(a)に示すように、テンションローラ18は、
図3(a)に示した普通紙3aのときの位置よりも、矢印fで示すように、中間転写ベルト4の下部走行部の走行方向後方へ、位置を移動させている。
【0064】
これにより、テンションローラ18と従動ローラ6との間の中間転写ベルト4は、斜め左下方向へ大きく傾斜している。この傾斜に応じて、二次転写ローラ19は、押し付勢部材44により、従動ローラ6に対し、矢印gで示すように、斜め下方に大きくシフトしている。
【0065】
このシフトにより、
図4(a)に示す厚紙3bの場合の従動ローラ6の支持軸の中心と二次転写ローラ19の支持軸の中心とを結ぶ直線b´は、
図3(a)に示した普通紙3aの場合の従動ローラ6の支持軸の中心と二次転写ローラ19の支持軸の中心とを結ぶ直線bに対して角度δの開きを形成している。
【0066】
このように、二次転写ローラ19が従動ローラ6に対し斜め下方に大きくシフトして、二次転写ローラ19は、テンションローラ18と従動ローラ6との間の中間転写ベルト4を、従動ローラ6に巻き付けるようにベルト内側に押圧している。これにより、二次転写ローラ19と中間転写ベルト4との把持部の範囲が搬送方向に広がって形成される。
【0067】
この二次転写部20を厚紙3bが通過するときは、
図4(b)に示すように、厚紙3bは下から中間転写ベルト4に、位置Td1から位置Td2まで一定の圧接量D1を形成しながら二次転写ローラ19と中間転写ベルト4に挟持されて二次転写部20に進入する。
【0068】
続いて厚紙3bは、中間転写ベルト4と二次転写ローラ19に挟持されて、位置Td2から位置Td3まで一定の巻き付き量D2を形成しながら二次転写部20から排出され、巻き付き量D2の終端である位置Td3で二次転写ローラ19から剥離される。
【0069】
厚紙3bは、比較的腰が強いため、普通紙3aに比べて二次転写ローラ19への巻き付き癖は小さいが、上記のように、二次転写ローラ19と中間転写ベルト4との把持部の範囲が搬送方向に広がって形成されている。
【0070】
したがって、巻き付き癖が小さくても、厚紙3bの二次転写ローラ19への巻き付き量D2は、普通紙3aの巻き付き量B2とほぼ等しくなる。すなわちB2≒C2となる。また、二次転写ローラ19がシフトする角度δは、角度βと角度γとの差分とほぼ等しくなる。すなわちβ≒ηとなる。
【0071】
したがって、本例の厚紙3bに印加される二次転写電圧の印加時間は、普通紙3aの場合と同様であり、厚紙3bへのトナー像の転写が充分に行われ、形成される画像の画質が低下するという不具合は起きない。
【0072】
図5(a),(b),(c)は、上記のテンションローラ18の位置を移動させるテンションローラ移動部45(45a、45b、45c)の構成を3例示す図である。
図5(a)に示すテンションローラ移動部45aは、偏心カム46で構成されている。
【0073】
偏心カム46は、幅の狭い扇型をしており、扇型の付け根の近傍を支持軸47で軸支され、扇型の縁部全周を、テンションローラ18の支持軸48に順次摺接させながら、矢印hで示す方向に間欠的に回転する。
【0074】
図5(a)に示す状態は、偏心カム46の支持軸47から最も離れた縁部周面49−1がテンションローラ18の支持軸48に摺接して偏心カム46が停止している状態であり、テンションローラ18がホームポジションにあるときの状態を示している。
【0075】
不図示の駆動部により、偏心カム46が矢印hで示す方向に間欠的に回転するに応じて、偏心カム46の縁部周面とテンションローラ18の支持軸48との摺接部は、例えば、偏心カム46の縁部周面摺接部49−1、49−2、49−3、49−4と移動して変化していく。
【0076】
偏心カム46の縁部周面49−4とテンションローラ18の支持軸48とが係合したときは、テンションローラ18が、中間転写ベルト4の下部走行部の走行方向の最も後方へ移動したときであり、例えば
図4(a)に示した状態である。
【0077】
本例の偏心カム46からなるテンションローラ移動部45aによれば、用紙の種類に応じて、偏心カム46を回転させて、テンションローラ18を、中間転写ベルト4の下部走行部の走行方向の最前部(ホームポジション)と最後部(例えば
図4(a)に示す位置)の間で無段階で位置移動させることができる。
【0078】
また、
図5(b)に示すテンションローラ移動部45bは、回動部材51で構成されている。回動部材51は、一端(図の斜め右下端部)にテンションローラ18の支持軸48を保持し、他端(図の斜め左上端部)をヒンジ52に軸支されている。
【0079】
図5(b)に示す状態は、回動部材51が最も右方に回動して停止している状態であり、テンションローラ18がホームポジションにあるときの状態を示している。
【0080】
不図示の駆動部により駆動されて、回動部材51がヒンジ52を支点に矢印iで示す時計回り方向に回動すると、支持軸48を回動部材51の一端に支持されているテンションローラ18が左方に移動し、例えば
図4(a)に示した状態となる。
【0081】
本例の回動部材51からなるテンションローラ移動部45bによれば、用紙の種類に応じて、回動部材51を左右に回動させて、テンションローラ18を、中間転写ベルト4の下部走行部の走行方向の最前部(ホームポジション)と最後部(例えば
図4(a)に示す位置)の間で無段階で位置移動させることができる。
【0082】
また、
図5(c)に示すテンションローラ移動部45cは、板状移動部材53で構成されている。板状移動部材53の右端部近傍には、円弧状の長孔54が形成されている。円弧状の長孔54は、上端部54aから中間転写ベルト4の下部走行部の走行方向後方へ円弧を描いて下端部54bまで形成されている。
【0083】
円弧状の長孔54には、テンションローラ18の支持軸48が摺動自在に嵌入している。なお、板状移動部材53は、図では示していないが。テンションローラ18の両側に配置されている。
【0084】
図5(c)に示す状態は、板状移動部材53が最も下方に移動して停止している状態であり、テンションローラ18の支持軸48の両端は、板状移動部材53の円弧状の長孔54の上端部54aの部分で位置固定されている。この位置は、テンションローラ18がホームポジションにあるときの位置を示している。
【0085】
不図示の駆動部により駆動されて、板状移動部材53が矢印jで示すように上方向に移動すると、支持軸48つまりテンションローラ18が、円弧状の長孔54に沿って中間転写ベルト4の下部走行部の走行方向後方へ移動し、下端部54bでは例えば
図4(a)に示した状態となる。
【0086】
本例の板状移動部材53からなるテンションローラ移動部45cによれば、用紙の種類に応じて、板状移動部材53を上下させて、テンションローラ18を、中間転写ベルト4の下部走行部の走行方向の最前部(ホームポジション)と最後部(例えば
図4(a)に示す位置)の間で無段階で位置移動させることができる。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
【0088】
バックアップローラと、
該バックアップローラに掛け渡された中間転写ベルトと、
該中間転写ベルトを介し前記バックアップローラに圧接して二次転写部を形成する二次転写ローラと、
該二次転写ローラよりも前記中間転写ベルトの中間転写ベルト走行方向の上流側に配置され、該中間転写ベルトを内側から押圧して該中間転写ベルトを張設するテンションローラと、
前記中間転写ベルトの前記二次転写部へ向かう前記中間転写ベルト走行方向と、転写媒体の前記二次転写部へ向かう転写媒体走行方向とのなす角の角度を、前記転写媒体の性状に応じて変化するように前記テンションローラを移動させるテンションローラ移動部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
[付記2]
【0089】
前記テンションローラ移動部は、前記転写媒体の厚さの違い又は腰の強弱に応じて前記テンションローラを移動させる、ことを特徴とする付記1記載の画像形成装置。
[付記3]
【0090】
前記テンションローラ移動部は、前記転写媒体が通常よりも厚みのある場合、又は通常よりも腰が強い場合、その厚み又は腰の強さに応じて前記中間転写ベルト走行方向と、前記転写媒体走行方向とのなす角の角度が大きくなるように前記テンションローラを移動させる、ことを特徴とする付記1または2記載の画像形成装置。
[付記4]
【0091】
前記テンションローラ移動部は、前記転写媒体が通常の厚みの場合、又は通常の腰の強さの場合、前記中間転写ベルト走行方向と、前記転写媒体走行方向とのなす角の角度が小さくなるように前記テンションローラを移動させる、ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか記載の画像形成装置。
[付記5]
【0092】
前記テンションローラ移動部は、前記テンションローラの支持軸に摺接して回転する偏心カムで構成される、ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか記載の画像形成装置。
[付記6]
【0093】
前記テンションローラ移動部は、一端に前記テンションローラの支持軸を保持し、他端をヒンジに軸支され、該ヒンジを支点に回動する回動部材で構成される、ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか記載の画像形成装置。
[付記7]
【0094】
前記テンションローラ移動部は、前記テンションローラの支持軸を円弧状長孔に摺動自在に嵌入させて保持する板状移動部材で構成される、ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか記載の画像形成装置。
[付記8]
【0095】
バックアップローラと、
該バックアップローラに掛け渡された中間転写ベルトと、
該中間転写ベルトを介し前記バックアップローラに圧接して二次転写部を形成する二次転写ローラと、
を有する二次転写部近傍において、
前記中間転写ベルトを内側から押圧して該中間転写ベルトを張設すべく、前記二次転写ローラよりも前記中間転写ベルトの中間転写ベルト走行方向の上流側に、テンションローラを配置する工程と、
前記中間転写ベルトの前記二次転写部へ向かう前記中間転写ベルト走行方向と、転写媒体の前記二次転写部へ向かう転写媒体走行方向とのなす角の角度を、前記転写媒体の性状に応じて変化するように前記テンションローラを移動させるテンションローラ移動工程と、
を含むことを特徴とする画像形成方法。