(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1制御部において、前記第1目標流量値を減少させない場合には、主に前記第1ポンプの吐出力により前記第1透過水ラインに第1透過水が送出され、前記第1目標流量値を減少させた場合には、主に前記第1ポンプの吐出力により前記第1透過水ラインに第1透過水が送出されると共に、前記第2ポンプの吸引力により前記供給水補助ラインを介して前記第1透過水ラインに供給水が送出される、
請求項1に記載の水処理システム。
前記第1制御部は、前記水質検出手段の検出水質値と予め設定された基準水質値との差分が予め設定された規定値を超過する場合には、前記第1目標流量値を予め設定された割合で減少させる、
請求項1又は2に記載の水処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係る水処理システム1について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る水処理システム1は、例えば、淡水から純水を製造する純水製造システムに適用される。
【0018】
図1は、本実施形態に係る水処理システム1の全体構成図である。
図2は、第1制御部11において第1目標流量値を設定する場合の処理手順を示すフローチャートである。
図3は、第1制御部11において第1RO膜モジュール5の流量フィードバック水量制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。
図4は、第2制御部12において第2RO膜モジュール8の流量フィードバック水量制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。
【0019】
図1に示すように、本実施形態に係る水処理システム1は、供給水タンク2と、第1ポンプ3と、第1インバータ4と、第1逆浸透膜モジュールとしての第1RO膜モジュール5と、第2ポンプ6と、第2インバータ7と、第2逆浸透膜モジュールとしての第2RO膜モジュール8と、脱炭酸装置9と、精製ユニットとしての電気脱イオンスタック10と、第1制御部11と、第2制御部12と、を備える。
【0020】
また、水処理システム1は、第1流量検出手段としての第1流量センサ13と、第2流量検出手段としての第2流量センサ14と、水質検出手段としての電気伝導率センサ15と、第1排水弁21〜第3排水弁23と、第1濃縮水還流弁24と、逆止弁25と、第4排水弁26〜第6排水弁28と、第2濃縮水還流弁29と、を備える。
【0021】
更に、水処理システム1は、供給水補給ラインL1と、供給水ラインL2と、第1透過水ラインL3と、供給水補助ラインL4と、第2透過水ラインL5と、脱塩水ラインL6と、を備える。また、水処理システム1は、第1濃縮水ラインL7と、第1濃縮水排出ラインL8と、第1濃縮水還流ラインL9と、第1排水ラインL10〜第3排水ラインL12と、第2濃縮水ラインL13と、第2濃縮水排出ラインL14と、第2濃縮水還流ラインL15と、第4排水ラインL16〜第6排水ラインL18と、第3濃縮水ラインL19と、を備える。
【0022】
なお、本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。また、以下の説明においては、第1RO膜モジュール5及び第2RO膜モジュール8を、適宜に「RO膜モジュール」と略称する。
【0023】
供給水タンク2は、供給水W1を貯留するタンクである。また、供給水補給ラインL1は、供給水タンク2に供給水W1を補給するラインである。供給水補給ラインL1の上流側の端部は、供給水W1の供給源(不図示)に接続されている。また、供給水補給ラインL1の下流側の端部は、供給水タンク2に貯留された供給水W1に向けて開放されている。供給水W1としては、地下水や水道水等が用いられる。
【0024】
供給水ラインL2は、供給水タンク2に貯留された供給水W1を第1RO膜モジュール5に送出可能なラインである。供給水ラインL2の上流側の端部は、供給水タンク2における供給水送出口(不図示)に接続されている。供給水ラインL2の下流側の端部は、第1RO膜モジュール5の一次側入口ポートに接続されている。
【0025】
第1ポンプ3は、供給水W1(還流された第1濃縮水W3を含む)を吸入し、第1RO膜モジュール5に向けて吐出する装置である。第1ポンプ3は、供給水ラインL2において、供給水タンク2(接続部J1)と第1RO膜モジュール5との間に設けられている。第1ポンプ3は、第1インバータ4(後述)と電気的に接続されている。第1ポンプ3には、第1インバータ4から周波数が変換された駆動電力が供給される。第1ポンプ3は、第1インバータ4から供給された駆動電力の周波数(以下、「第1駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。
【0026】
第1インバータ4は、第1ポンプ3に、周波数が変換された駆動電力を供給する電気回路である。第1インバータ4は、第1制御部11(後述)と電気的に接続されている。第1インバータ4には、第1制御部11から電流値信号が入力される。第1インバータ4は、入力された電流値信号に対応する第1駆動周波数の駆動電力を第1ポンプ3に出力する。
【0027】
第1RO膜モジュール5は、第1ポンプ3から送出された供給水W1を、溶存塩類が除去された第1透過水W2と、溶存塩類が濃縮された第1濃縮水W3とに膜分離処理する設備である。第1RO膜モジュール5は、単一又は複数のRO膜エレメント(不図示)を備える。第1RO膜モジュール5は、これらRO膜エレメントにより供給水W1を膜分離処理し、第1透過水W2及び第1濃縮水W3を製造する。
【0028】
第1RO膜モジュール5の一次側出口ポートには、第1濃縮水ラインL7の上流側の端部が接続されている。第1濃縮水ラインL7は、第1濃縮水W3を第1RO膜モジュール5の外に送出するラインである。第1濃縮水ラインL7の下流側は、分岐部J7において、第1濃縮水排出ラインL8及び第1濃縮水還流ラインL9に分岐している。
【0029】
第1濃縮水排出ラインL8は、第1濃縮水ラインL7を流通する第1濃縮水W3の一部をシステム外へ排出するラインである。第1濃縮水排出ラインL8の下流側は、接続部J8及びJ9において、第1排水ラインL10、第2排水ラインL11及び第3排水ラインL12に分岐している。
【0030】
第1排水ラインL10には、第1排水弁21が設けられている。第2排水ラインL11には、第2排水弁22が設けられている。第3排水ラインL12には、第3排水弁23が設けられている。
【0031】
第1排水弁21〜第3排水弁23は、第1濃縮水ラインL7から送出された第1濃縮水W3の排水流量を調節する弁である。第1排水弁21は、第1排水ラインL10を開閉することができる。第2排水弁22は、第2排水ラインL11を開閉することができる。第3排水弁23は、第3排水ラインL12を開閉することができる。
【0032】
第1排水弁21〜第3排水弁23は、それぞれ定流量弁機構(不図示)を備える。定流量弁機構は、第1排水弁21〜第3排水弁23において、それぞれ異なる流量値に設定されている。例えば、第1排水弁21は、開状態において、第1RO膜モジュール5の回収率が80%となるように排水流量が設定されている。第2排水弁22は、開状態において、第1RO膜モジュール5の回収率が75%となるように排水流量が設定されている。第3排水弁23は、開状態において、第1RO膜モジュール5の回収率が70%となるように排水流量が設定されている。
【0033】
第1濃縮水排出ラインL8から排出される第1濃縮水W3の排水流量は、第1排水弁21〜第3排水弁23を選択的に開閉することにより、段階的に調節できる。例えば、第2排水弁22のみを開状態とし、第1排水弁21及び第3排水弁23を閉状態とする。この場合には、第1RO膜モジュール5の回収率を75%とすることができる。また、第3排水弁23のみを開状態とし、第1排水弁21及び第2排水弁22を閉状態とする。この場合には、第1RO膜モジュール5の回収率を70%とすることができる。従って、本実施形態において、第1濃縮水W3の排水流量は、第1排水弁21〜第3排水弁23を選択的に開閉することにより、第1RO膜モジュール5の回収率を50%〜80%までの間で、5%毎に段階的に調節することができる。
【0034】
第1排水弁21〜第3排水弁23は、それぞれ第1制御部11と電気的に接続されている。第1排水弁21〜第3排水弁23における弁の開閉は、第1制御部11からの駆動信号により制御される。
【0035】
第1濃縮水還流ラインL9は、第1濃縮水ラインL7を流通する第1濃縮水W3の一部を、供給水ラインL2において、第1ポンプ3よりも上流側に還流させるラインである。第1濃縮水還流ラインL9の上流側の端部は、分岐部J7において第1濃縮水ラインL7に接続されている。分岐部J7は、第1RO膜モジュール5の一次側出口ポートと接続部J8との間に配置されている。また、第1濃縮水還流ラインL9の下流側の端部は、接続部J1において供給水ラインL2に接続されている。接続部J1は、供給水タンク2と第1ポンプ3との間に配置されている。
【0036】
第1濃縮水還流ラインL9には、第1濃縮水還流弁24が設けられている。第1濃縮水還流弁24は、第1濃縮水還流ラインL9の流通量を調節する装置である。第1濃縮水還流弁24は、第1制御部11と電気的に接続されている。第1濃縮水還流弁24における弁の開度は、第1制御部11からの駆動信号により制御される。
【0037】
供給水補助ラインL4は、供給水タンク2に貯留された供給水W1の一部を第1透過水ラインL3へ送出可能なラインである。後述する第1制御部11において、第1透過水W2の第1目標流量値(後述)を減少させた場合に、第1透過水W2の不足分を補うために、供給水タンク2に貯留された供給水W1の一部が第1透過水ラインL3へ送出される。供給水補助ラインL4の上流側の端部は、供給水タンク2に接続されている。供給水補助ラインL4の下流側の端部は、接続部J3において第1透過水ラインL3に接続されている。接続部J3は、接続部J2と接続部J4との間に配置されている。供給水補助ラインL4には逆止弁25が設けられている。逆止弁25は、供給水補助ラインL4において、接続部J3側から供給水タンク2へ供給水W1が逆流するのを防止するための弁である。
【0038】
第1透過水ラインL3は、第1RO膜モジュール5で製造された第1透過水W2を、第2RO膜モジュール8へ送出可能なラインである。第1透過水ラインL3の上流側の端部は、第1RO膜モジュール5の二次側ポートに接続されている。第1透過水ラインL3の下流側の端部は、第2RO膜モジュール8の一次側入口ポートに接続されている。
【0039】
第1流量センサ13は、第1透過水ラインL3を流通する第1透過水W2の流量を検出する機器である。第1流量センサ13は、接続部J2において第1透過水ラインL3に接続されている。接続部J2は、第1RO膜モジュール5と第2ポンプ6(接続部J3)との間に配置されている。第1流量センサ13は、第1制御部11と電気的に接続されている。第1流量センサ13で検出された第1透過水W2の流量(以下、「第1検出流量値」ともいう)は、第1制御部11へ検出信号として送信される。
【0040】
第2ポンプ6は、第1透過水W2を吸入し、第2RO膜モジュール8に向けて吐出する装置である。第2ポンプ6は、第1透過水ラインL3において、第1RO膜モジュール5(接続部J4)と第2RO膜モジュール8との間に設けられている。第2ポンプ6は、第2インバータ7(後述)と電気的に接続されている。第2ポンプ6には、第2インバータ7から周波数が変換された駆動電力が供給される。第2ポンプ6は、第2インバータ7から供給された駆動電力の周波数(以下、「第2駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。
【0041】
第2インバータ7は、第2ポンプ6に、周波数が変換された駆動電力を供給する電気回路である。第2インバータ7は、第2制御部12(後述)と電気的に接続されている。第2インバータ7には、第2制御部12から電流値信号が入力される。第2インバータ7は、入力された電流値信号に対応する第2駆動周波数の駆動電力を第2ポンプ6に出力する。
【0042】
第2RO膜モジュール8は、第2ポンプ6から送出された第1透過水W2を、溶存塩類が除去された第2透過水W4と、溶存塩類が濃縮された第2濃縮水W5とに膜分離処理する設備である。第2RO膜モジュール8は、単一又は複数のRO膜エレメント(不図示)を備える。第2RO膜モジュール8は、これらRO膜エレメントにより第1透過水W2を膜分離処理し、第2透過水W4及び第2濃縮水W5を製造する。
【0043】
第2RO膜モジュール8の一次側出口ポートには、第2濃縮水ラインL13の上流側の端部が接続されている。第2濃縮水ラインL13は、第2濃縮水W5を第2RO膜モジュール8の外に送出するラインである。第2濃縮水ラインL13の下流側は、分岐部J10において、第2濃縮水排出ラインL14及び第2濃縮水還流ラインL15に分岐している。
【0044】
第2濃縮水排出ラインL14は、第2濃縮水ラインL13を流通する第2濃縮水W5の一部をシステム外へ排出するラインである。第2濃縮水排出ラインL14の下流側は、接続部J11及びJ12において、第4排水ラインL16、第5排水ラインL17及び第6排水ラインL18に分岐している。
【0045】
第4排水ラインL16には、第4排水弁26が設けられている。第5排水ラインL17には、第5排水弁27が設けられている。第6排水ラインL18には、第6排水弁28が設けられている。
【0046】
第4排水弁26〜第6排水弁28は、第2濃縮水排出ラインL14から排出された第2濃縮水W5の排水流量を調節する弁である。第4排水弁26は、第4排水ラインL16を開閉することができる。第5排水弁27は、第5排水ラインL17を開閉することができる。第6排水弁28は、第6排水ラインL18を開閉することができる。
【0047】
第4排水弁26〜第6排水弁28は、それぞれ第2制御部12と電気的に接続されている。第4排水弁26〜第6排水弁28における弁の開閉は、第2制御部12からの駆動信号により制御される。なお、第4排水弁26〜第6排水弁28の構成及び機能は、先に説明した第1排水弁21〜第3排水弁23と実質的に同じであるため、排水流量の調節に関する説明を省略する。
【0048】
第2濃縮水還流ラインL15は、第2濃縮水ラインL13を流通する第2濃縮水W5の一部を、第1透過水ラインL3において、第2ポンプ6よりも上流側に還流させるラインである。第2濃縮水還流ラインL15の上流側の端部は、分岐部J10において第2濃縮水ラインL13に接続されている。分岐部J10は、第2RO膜モジュール8の一次側出口ポートと接続部J11との間に配置されている。また、第2濃縮水還流ラインL15の下流側の端部は、接続部J4において第1透過水ラインL3に接続されている。接続部J4は、接続部J3と第2ポンプ6との間に配置されている。
【0049】
第2濃縮水還流ラインL15には、第2濃縮水還流弁29が設けられている。第2濃縮水還流弁29は、第2濃縮水還流ラインL15の流通量を調節する装置である。第2濃縮水還流弁29は、第2制御部12と電気的に接続されている。第2濃縮水還流弁29における弁の開度は、第2制御部12からの駆動信号により制御される。
【0050】
第2透過水ラインL5は、第2RO膜モジュール8で製造された第2透過水W4を電気脱イオンスタック10へ送出可能なラインである。第2透過水ラインL5の上流側の端部は、第2RO膜モジュール8の二次側ポートに接続されている。第2透過水ラインL5の下流側の端部は、電気脱イオンスタック10の一次側ポートに接続されている。
【0051】
第2流量センサ14は、第2透過水ラインL5を流通する第2透過水W4の流量を検出する機器である。第2流量センサ14は、接続部J5において第2透過水ラインL5に接続されている。接続部J5は、第2RO膜モジュール8と脱炭酸装置9(接続部J6)との間に配置されている。第2流量センサ14は、第2制御部12と電気的に接続されている。第2流量センサ14で検出された第2透過水W4の流量(以下、「第2検出流量値」ともいう)は、第2制御部12へ検出信号として送信される。
【0052】
電気伝導率センサ15は、第2透過水ラインL5を流通する第2透過水W4の電気伝導率を測定する機器である。電気伝導率センサ15は、接続部J6において第2透過水ラインL5に接続されている。接続部J6は、第2透過水ラインL5において、第2RO膜モジュール8(接続部J5)と脱炭酸装置9との間に配置されている。電気伝導率センサ15は、第1制御部11と電気的に接続されている。電気伝導率センサ15で測定された第2透過水W4の電気伝導率(以下、「検出EC値」ともいう)は、第1制御部11へ検出信号として送信される。
【0053】
脱炭酸装置9は、第2透過水W4に含まれる遊離炭酸(溶存炭酸ガス)を気体分離膜モジュールにより脱気処理して、脱気水(脱気透過水)としての第2透過水W4を得る設備である。脱炭酸装置9は、第2透過水ラインL5において、第2RO膜モジュール8(接続部J6)と電気脱イオンスタック10(後述)との間に設けられている。なお、本実施形態において、脱炭酸装置9は、オプション機器として設けられている。
【0054】
電気脱イオンスタック10は、脱炭酸装置9で分離された第2透過水W4(脱気水)を脱塩処理(脱イオン処理)して、脱塩水W6(脱イオン水)と第3濃縮水W7とを製造する水処理機器である。電気脱イオンスタック10は、直流電源装置(不図示)と電気的に接続されている。電気脱イオンスタック10には、脱塩処理のための電力として、直流電源装置から直流電圧が印加される。電気脱イオンスタック10は、直流電源装置から印加された直流電圧により通電され、動作する。
【0055】
電気脱イオンスタック10の脱塩水出口側ポートには、脱塩水ラインL6が接続されている。脱塩水ラインL6は、電気脱イオンスタック10で得られた脱塩水W6を純水として需要箇所に向けて送出するラインである。また、電気脱イオンスタック10の濃縮水出口側ポートには、第3濃縮水ラインL19が接続されている。第3濃縮水ラインL19は、電気脱イオンスタック10で得られた第3濃縮水W7を電気脱イオンスタック10の外に送出するラインである。第3濃縮水W7は、システム外に排出してもよいし、供給水タンク2に還流させてもよい。
【0056】
第1制御部11は、第1RO膜モジュール5において製造される第1透過水W2の流量、回収率等を制御する。第1制御部11は、CPU及びメモリを含むマイクロプロセッサ(不図示)により構成される。
【0057】
第1制御部11を構成するマイクロプロセッサには、時間の計時等を管理するインテグレーテッドタイマユニット(以下、「ITU」ともいう)が組み込まれている。また、マイクロプロセッサのメモリには、第1RO膜モジュール5の制御に必要な各種プログラムのほか、第1目標流量値、基準EC値、規定値(後述)等が記憶される。
【0058】
第1制御部11は、第1RO膜モジュール5に対する流量フィードバック水量制御として、第1流量センサ13で検出された第1検出流量値(Q
p1)が予め設定された第1目標流量値(Q
p1´)となるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより、第1ポンプ3を駆動するための第1駆動周波数を演算し、当該第1駆動周波数の演算値に対応する電流値信号(指令信号)を第1インバータ4に出力する。第1制御部11による流量フィードバック水量制御については後述する。
【0059】
また、第1制御部11は、電気伝導率センサ15の検出EC値(検出水質値)と予め設定された基準EC値とに基づいて、以下のように第1目標流量値を設定する。
【0060】
第1制御部11は、検出EC値≧基準EC値となる場合には、第1目標流量値を100%(100%流量)に設定する。検出EC値≧基準EC値となる場合には、第2透過水W4の水質が良くない状態にある。そのため、第1制御部11は、水質を向上させるために、第1目標流量値を100%流量に設定する。
【0061】
なお、第1目標流量値(100%流量)は、例えば、第2RO膜モジュール8で製造される第2透過水W4と第2濃縮水W5との合計流量値とする。また、基準EC値は、第2RO膜モジュール8の下流側に設けられた脱炭酸装置9、電気脱イオンスタック10又は需要箇所において要求される許容EC値よりも低めに設定することが望ましい。これにより、第2透過水W4の水質を、常に許容EC値以上に維持することができる。
【0062】
また、第1制御部11は、検出EC値<基準EC値となる場合には、基準EC値と検出EC値との差分を算出する。そして、第1制御部11は、算出した差分値が予め設定された規定値(例えば、1μS/cm)を超過する場合には、第1目標流量値を減少させる。すなわち、検出EC値<基準EC値となる場合において、基準EC値と検出EC値との差分値が規定値を超過する場合には、第2透過水W4の水質が過剰に良い状態であるため、第1制御部11は、第1目標流量値を100%流量よりも低く設定する。本実施形態において、第1制御部11は、第1目標流量値を予め設定された割合(例えば、100%流量に対して5%分ずつ)で減少させる。
【0063】
なお、第1目標流量値(100%流量)を減少させると、第1透過水ラインL3を介して第2ポンプ6に供給される第1透過水W2の水量に不足分を生じる。第1透過水W2の不足分は、供給水タンク2に貯留された供給水W1の一部が供給水補助ラインL4を通じて第1透過水ラインL3に供給されることにより補充される。
【0064】
具体的には、第1制御部11において、第1目標流量値を減少させない場合(100%流量)には、主に第1ポンプ3の吐出力により第1透過水ラインL3に第1透過水W2が送出される。一方、第1制御部11において、第1目標流量値を減少させた場合には、主に第1ポンプ3の吐出力により第1透過水ラインL3に第1透過水W2が送出されると共に、第2ポンプ6の吸引力により供給水補助ラインL4を介して、第1透過水W2の不足分としての供給水W1が第1透過水ラインL3に送出される。
【0065】
第2透過水W4の水質が過剰に良い場合には、第1目標流量値を減少させることにより、第1ポンプ3の運転圧力を下げる(第1RO膜モジュール5の操作圧力を下げる)ことができる。このように、第1ポンプ3の運手圧力を下げることにより、第1ポンプ3の消費電力を抑制することができる。また、第1目標流量値を減少させた場合には、第2透過水W4の水質を維持できる範囲において、第1透過水W2に供給水W1を混ぜることにより、第1透過水W2の不足分を補充することができる。なお、第1目標流量値を減少させる割合は、第2透過水W4の水質が過剰に良い場合において、第1透過水W2に供給水W1を混ぜても第2透過水W4の水質が維持できるように設定される。
【0066】
また、第1制御部11は、検出EC値<基準EC値となる場合に、その差分値が規定値を下回る場合には、第1目標流量値を現在値で維持する。検出EC値<基準EC値となる場合に、その差分値が規定値を下回る場合には、第2透過水W4が許容水質を維持している状態にある。そのため、第1制御部11は、第1目標流量値を変更することなく、現在値を維持する。なお、第1制御部11において、第1目標流量値を減少させる制御については後述する。
【0067】
第2制御部12は、第2RO膜モジュール8において製造される第2透過水W4の流量、回収率等を制御する。第2制御部12は、CPU及びメモリを含むマイクロプロセッサ(不図示)により構成される。第2制御部12を構成するマイクロプロセッサには、時間の計時等を管理するITUが組み込まれている。また、第2制御部12において、マイクロプロセッサのメモリには、第2RO膜モジュール8の制御に必要な各種プログラムのほか、第2目標流量値等(後述)に関するデータが記憶される。
【0068】
第2制御部12は、第2RO膜モジュール8に対する流量フィードバック水量制御として、第2流量センサ14で検出された第2検出流量値(Q
p2)が予め設定された第2目標流量値(Q
p2´)となるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより、第2ポンプ6を駆動するための第2駆動周波数を演算し、当該第2駆動周波数の演算値に対応する電流値信号(指令信号)を第2インバータ7に出力する。第2制御部12による流量フィードバック水量制御については後述する。
【0069】
次に、本実施形態に係る水処理システム1の動作について説明する。
まず、第1制御部11において、第1目標流量値を設定する場合の処理手順を、
図2を参照しながら説明する。
図2に示すフローチャートの処理は、水処理システム1の運転中において、所定時間(10分間)毎に繰り返し実行される。
【0070】
図2に示すステップST101において、第1制御部11は、ITUによる計時tが10min(分)に達したか否かを判定する。このステップST101において、第1制御部11により、ITUによる計時tが10minに達した(YES)と判定された場合に、処理はステップST102へ移行する。また、ステップST101において、第1制御部11により、ITUによる計時tが10minに達していない(NO)と判定された場合に、処理はステップST101へ戻る。
【0071】
なお、ステップST101における計時t(10min)は、第1目標流量値を変更した後、第2透過水W4の水質が安定するのに必要な時間(待機時間)としてカウントされる。
【0072】
ステップST102(ステップST101:YES)において、第1制御部11は、電気伝導率センサ15で検出された第2透過水W4の検出EC値、及びマイクロプロセッサのメモリに記憶された基準EC値を取得する。
【0073】
ステップST103において、第1制御部11は、検出EC値≧基準EC値となるか否かを判定する。このステップST103において、第1制御部11により、検出EC値≧基準EC値である(YES)と判定された場合に、処理はステップST104へ移行する。また、ステップST103において、第1制御部11により、検出EC値<基準EC値である(NO)と判定された場合に、処理はステップST105へ移行する。
【0074】
ステップST104(ステップST103:YES)において、第1制御部11は、第1目標流量値を100%流量に設定する。第1制御部11により設定された第1目標流量値は、マイクロプロセッサのメモリに記憶される。検出EC値≧基準EC値となる場合には、第2透過水W4の水質が良くない状態にあるため、水質を向上させるために、第1目標流量値が100%流量に設定される。ステップST104において第1目標流量値が100%流量に設定されると、本フローチャートの処理は終了する(ステップST101へリターンする)。
【0075】
一方、ステップST105(ステップST103:NO)において、第1制御部11は、基準EC値−検出EC値(差分値)>1μS/cm(規定値)となるか否かを判定する。このステップST105において、第1制御部11により、基準EC値−検出EC値>1μS/cmである(YES)と判定された場合に、処理はステップST106へ移行する。
【0076】
また、ステップST105において、第1制御部11により、基準EC値−検出EC値≦1μS/cmである(NO)と判定された場合に、本フローチャートの処理は終了する(ステップST101へリターンする)。第1制御部11において、基準EC値−検出EC値≦1μS/cmである(NO)と判定された場合には、第1目標流量値は変更されることなく、現在値が維持される。
【0077】
ステップST106(ステップST105:YES)において、第1制御部11は、第1目標流量値を、現在値から5%(5ポイント)減少させ、その値を第1目標流量値として設定する。例えば、第1目標流量値の現在値が100%流量であれば、95%流量を第1目標流量値として設定する。また、第1目標流量値の現在値が95%流量であれば、90%流量を第1目標流量値として設定する。ステップST106において第1目標流量値が設定されると、本フローチャートの処理は終了する(ステップST101へリターンする)。
【0078】
次に、第1制御部11において実行される第1RO膜モジュール5の流量フィードバック水量制御について、
図3を参照しながら説明する。
図3に示すフローチャートの処理は、水処理システム1の運転中において、繰り返し実行される。
【0079】
図3に示すステップST201において、第1制御部11は、第1透過水W2の第1目標流量値Q
p1´を取得する。この第1目標流量値Q
p1´は、
図2に示すフローチャートのステップST104又はステップST106において設定された(又は変更なく維持された)現在値である。
【0080】
ステップST202において、第1制御部11は、ITUによる計時t
1が制御周期(Δt)である100msに達したか否かを判定する。このステップST202において、第1制御部11により、ITUによる計時t
1が100msに達した(YES)と判定された場合に、処理はステップST203へ移行する。また、ステップST202において、第1制御部11により、ITUによる計時t
1が100msに達していない(NO)と判定された場合に、処理はステップST202へ戻る。
【0081】
ステップST203(ステップST202:YES判定)において、第1制御部11は、第1流量センサ13で検出された第1透過水W2の第1検出流量値Q
p1を、フィードバック値として取得する。
【0082】
ステップST204において、第1制御部11は、ステップST203で取得した第1検出流量値Q
p1と、ステップST201で取得した第1目標流量値Q
p1´との偏差がゼロとなるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより操作量U
nを演算する。なお、速度形デジタルPIDアルゴリズムでは、制御周期Δt(100ms)毎に操作量の変化分ΔU
nを演算し、これを前回の制御周期時点の操作量U
n−1に加算することで現時点の操作量U
nを決定する。
【0083】
速度形デジタルPIDアルゴリズムに用いられる演算式は、下記の式(1a)及び式(1b)により表される。
ΔU
n=K
p{(e
n−e
n−1)+(Δt/T
i)×e
n+(T
d/Δt)×(e
n−2e
n−1+e
n−2)} (1a)
U
n=U
n−1+ΔU
n (1b)
【0084】
式(1a)及び式(1b)において、Δt:制御周期、U
n:現時点の操作量、U
n−1:前回の制御周期時点の操作量、ΔU
n:前回から今回までの操作量の変化分、e
n:現時点の偏差の大きさ、e
n−1:前回の制御周期時点の偏差の大きさ、e
n−2:前々回の制御周期時点の偏差の大きさ、K
p:比例ゲイン、T
i:積分時間、T
d:微分時間である。なお、現時点の偏差の大きさe
nは、下記の式(2)により求められる。
e
n=Q
p1´−Q
p1 (2)
【0085】
ステップST205において、第1制御部11は、現時点の操作量U
n、第1目標流量値Q
p1´及び第1ポンプ3の最大駆動周波数F´(50Hz又は60Hzの設定値)を使用して、所定の演算式により、第1ポンプ3を駆動するための第1駆動周波数F
1を演算する。
【0086】
ステップST206において、第1制御部11は、第1駆動周波数F
1の演算値を、対応する電流値信号(4〜20mA)に変換し、この電流値信号を第1インバータ4へ出力する。これにより本フローチャートの処理は終了する(ステップST201へリターンする)。
【0087】
なお、ステップST206において、第1制御部11が電流値信号を第1インバータ4へ出力すると、第1インバータ4は、入力された電流値信号で指定された周波数に変換された駆動電力を第1ポンプ3に供給する。その結果、第1ポンプ3は、第1インバータ4から入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動される。
【0088】
次に、第2制御部12において実行される第2RO膜モジュール8の流量フィードバック水量制御について、
図4を参照しながら説明する。
図4に示すフローチャートの処理は、水処理システム1の運転中において、繰り返し実行される。
【0089】
図4に示すステップST301において、第2制御部12は、第2透過水W4の第2目標流量値Q
p2´を取得する。この第2目標流量値Q
p2´は、例えば、システム管理者がユーザーインターフェース(不図示)を介してマイクロプロセッサのメモリに記憶させた設定値である。
【0090】
ステップST302において、第2制御部12は、ITUによる計時t
2が制御周期(Δt)である100msに達したか否かを判定する。このステップST302において、第2制御部12により、ITUによる計時t
2が100msに達した(YES)と判定された場合に、処理はステップST303へ移行する。また、ステップST302において、第2制御部12により、ITUによる計時t
2が100msに達していない(NO)と判定された場合に、処理はステップST302へ戻る。
【0091】
ステップST303(ステップST302:YES判定)において、第2制御部12は、第2流量センサ14で検出された第2透過水W4の第2検出流量値Q
p2を、フィードバック値として取得する。
【0092】
ステップST304において、第2制御部12は、ステップST303で取得した第2検出流量値Q
p2と、ステップST301で取得した第2目標流量値Q
p2´との偏差がゼロとなるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより操作量U
nを演算する。なお、速度形デジタルPIDアルゴリズムでは、制御周期Δt(100ms)毎に操作量の変化分ΔU
nを演算し、これを前回の制御周期時点の操作量U
n−1に加算することで現時点の操作量U
nを決定する。速度形デジタルPIDアルゴリズムに用いられる演算式は、上述したとおりである。
【0093】
ステップST305において、第2制御部12は、現時点の操作量U
n、第2目標流量値Q
p2´及び第2ポンプ6の最大駆動周波数F´(50Hz又は60Hzの設定値)を使用して、所定の演算式により、第2ポンプ6を駆動するための第2駆動周波数F
2を演算する。
【0094】
ステップST306において、第2制御部12は、第2駆動周波数F
2の演算値を、対応する電流値信号(4〜20mA)に変換し、この電流値信号を第2インバータ7へ出力する。これにより本フローチャートの処理は終了する(ステップST301へリターンする)。
【0095】
なお、ステップST306において、第2制御部12が電流値信号を第2インバータ7へ出力すると、第2インバータ7は、入力された電流値信号で指定された周波数に変換された駆動電力を第2ポンプ6に供給する。その結果、第2ポンプ6は、第2インバータ7から入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動される。
【0096】
上述した実施形態に係る水処理システム1によれば、例えば、以下のような効果が奏される。
【0097】
本実施形態に係る水処理システム1において、第1制御部11は、予め設定された基準EC値と電気伝導率センサ15で検出された第2透過水W4の検出EC値との差分が予め設定された規定値を超過する場合には、第1RO膜モジュール5の第1目標流量値を減少させる。また、第1目標流量値の減少による第1透過水W2の不足分は、供給水タンク2に貯留された供給水W1の一部が供給水補助ラインL4を通じて第1透過水ラインL3に供給されることにより補充される。
【0098】
そのため、基準EC値と検出EC値との差分が規定値を超過する場合には、第1目標流量値の減少により第1ポンプ3の吐出流量を少なくできるため、第1ポンプ3の消費電力を抑制することができる。また、基準EC値と検出EC値との差分が規定値を超過する場合には、第2透過水W4の水質が過剰に良い状態にあるため、第1透過水W2の不足分として供給水W1を補充しても、第2透過水W4の水質を維持することができる。更に、第1透過水W2の不足分として供給水W1を補充することにより、後段の第2RO膜モジュール8に送出すべき第1透過水W2の水量を維持することができる。
【0099】
従って、本実施形態に係る水処理システム1によれば、第2RO膜モジュール8で製造される第2透過水W4の水質が過剰に良い場合において、第1透過水W2の流量や水質を維持しつつ、第1ポンプの消費電力を抑制することができる。
【0100】
また、本実施形態に係る水処理システム1において、第1目標流量値を減少させない場合には、主に第1ポンプ3の吐出力により第1透過水ラインL3に第1透過水W2が送出され、第1目標流量値を減少させた場合には、主に第1ポンプ3の吐出力により第1透過水ラインL3に第1透過水W2が送出されると共に、第2ポンプ6の吸引力により供給水補助ラインL4を介して、第1透過水W2の不足分としての供給水W1が第1透過水ラインに送出される。これによれば、供給水補助ラインL4から供給水W1を第1透過水ラインL3に供給するための専用のポンプ等が不要となるため、水処理システム1の構成を簡素化することができる。
【0101】
また、本実施形態に係る水処理システム1において、第1制御部11は、第1RO膜モジュール5の第1目標流量値を減少させる場合に、第1目標流量値を予め設定された割合で減少させる。これによれば、1回の制御タイミングにおいて、第1目標流量値は極端に減少しないため、第2透過水W4の水質が過剰に良い状態が一時的であっても、第2透過水W4の水質の変動を抑制することができる。
【0102】
また、本実施形態に係る水処理システム1は、第2RO膜モジュール8の後段に、第2透過水W4を脱塩処理して、脱塩水W6と第3濃縮水W7とを製造する精製ユニットとしての電気脱イオンスタック10を備える。そのため、需要箇所へ向けて純度の高い純水としての脱塩水W6を送出することができる。
【0103】
また、本実施形態に係る水処理システム1は、第2RO膜モジュール8と電気脱イオンスタック10との間に、第2透過水W4に含まれる遊離炭酸を気体分離膜モジュールにより脱気処理して、脱気水としての第2透過水W4を得る脱炭酸装置9を備える。これによれば、脱炭酸装置9において、RO膜を透過しやすい遊離炭酸を第2透過水W4から除去することができるので、より純度の高い第2透過水W4を得ることができる。
【0104】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
【0105】
例えば、本実施形態においては、第2RO膜モジュール8の後段に、精製ユニットとしての電気脱イオンスタック10を設けた水処理システム1について説明した。これに限らず、電気脱イオンスタック10の代わりに、精製ユニットとして、非再生型の混床式イオン交換塔を設けた構成としてもよい。この場合には、第2RO膜モジュール8で製造された第2透過水W4を、イオン交換樹脂床により脱イオン処理して脱イオン水を得ることができる。また、水処理システム1の運転開始直後において、水質が回復された脱イオン水を需要箇所へ供給することができる。また、混床式イオン交換塔を用いることにより、第2透過水W4から脱イオン水を得るための処理に掛かる電力をほぼゼロにすることができる。
【0106】
また、本実施形態においては、検出EC値<基準EC値となる場合において、基準EC値と検出EC値との差分値が予め設定された規定値を超過する場合に、第1目標流量値を5%の割合(一定値)で減少させる例について説明した。これに限らず、基準EC値と検出EC値との差分値が予め設定された規定値を超過した分の大きさに応じて、第1目標流量値を減少させる割合を変更してもよい。
【0107】
また、本実施形態においては、第1RO膜モジュール5及び第2RO膜モジュール8の後段に、脱炭酸装置9及び電気脱イオンスタック10を設けた水処理システム1について説明した。これに限らず、水処理システム1を、第1RO膜モジュール5及び第2RO膜モジュール8のみで構成してもよい。また、第1RO膜モジュール5及び第2RO膜モジュール8の後段に、オプション機器としての脱炭酸装置9を設けることなしに、電気脱イオンスタック10又は上記混床式イオン交換塔を設けた水処理システム1としてもよい。
【0108】
また、本実施形態においては、第2透過水W4の水質検出手段として電気伝導率センサ15を設けた構成について説明した。これに限らず、第2透過水W4の水質検出手段として、シリカ濃度計、硬度計、全有機炭素計等を設けた構成としてもよい。また、水質を検出する対象は、第2透過水W4に限らず、第1透過水ラインL3を流通する第1透過水W2であってもよい。
【0109】
本実施形態においては、制御部(第1制御部11、第2制御部12)において、速度形デジタルPIDアルゴリズムによりポンプ(第1ポンプ3、第2ポンプ6)の駆動周波数を演算する例について説明した。制御部におけるフィードバック制御アルゴリズムは、これに限らず、例えば、位置形デジタルPIDアルゴリズムであってもよい。
【0110】
また、本実施形態においては、例えば、第1排水弁21〜第3排水弁23の開放数を選択することにより、第1濃縮水W3の排水流量を段階的に調節する例について説明した。これに限らず、例えば、第1濃縮水排出ラインL8を分岐させずに、第1濃縮水排出ラインL8に比例制御弁を設けた構成としてもよい。この場合、第1制御部11から電流値信号を比例制御弁に送信して弁開度を制御することにより、第1濃縮水W3の排水流量を調節することができる。第4排水弁26〜第6排水弁28に接続する第2濃縮水排出ラインL14についても同じである。
【0111】
また、第1濃縮水排出ラインL8に比例制御弁を設けた構成において、第1濃縮水排出ラインL8に流量センサを設けた構成としてもよい。この場合は、流量センサで測定された流量値を、第1制御部11にフィードバック値として入力することにより、第1濃縮水W3の実際の排水流量をより正確に制御することができる。
【0112】
上記構成の変更は、第4排水弁26〜第6排水弁28に接続する第2濃縮水排出ラインL14についても適用することができる。
【0113】
また、本実施形態において、ITUにより計時(t、t
1、t
2)される時間は、
図2〜
図4の例に限定されることなく、適宜に設定可能である。また、
図2のステップST105における規定値(1μS/cm)、及びステップST106における第1目標流量値の減少量(5%)についても、本実施形態の例に限定されることなく、適宜に設定可能である。
【0114】
また、本実施形態において、供給水W1は、地下水や水道水に限らず、例えば、除鉄除マンガン装置、砂濾過装置、精密濾過膜装置、限外濾過膜装置等により前処理された水であってもよい。