(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、このような自動プレビュー動作においては、当該複数のページにわたる複数のプレビュー画像が一定時間間隔で順次に且つ自動的に表示される。そして、当該複数のページに関する編集作業を行う場合には、当該複数のページに関するスキャン画像の生成動作が終了し且つ自動プレビュー動作が終了するのを待たなくてはならない。
【0005】
したがって、たとえば、複数のページのうちユーザが不要であると判定したページ(不要判定ページ)がMFPによって読み取られたことをユーザが自動プレビューを見て確認した場合であっても、当該確認時点では、ユーザは当該不要判定ページの削除動作を行うことができない。換言すれば、全ページの自動プレビューが終了した後にのみ、ユーザは当該不要判定ページの削除動作(編集動作)を行うことが可能である。たとえば、ユーザは、自動プレビュー時にはページ番号を記憶しておき、全ページの自動プレビュー終了後に当該不要判定ページの削除操作を行うことによって、当該不要判定ページの削除動作(編集動作)を行うことができる。
【0006】
しかしながら、このような編集作業は、全ページに関する自動プレビューの終了を待つことを要するなど、必ずしも効率的な作業であるとは言えない。
【0007】
なお、特許文献1の技術(特許文献1の段落0094−0101等参照)では、特定原稿(白紙原稿)として抽出された特定ページに関連して表示されたアイコンを自動プレビュー中に操作することによって、当該特定ページの内容を直ちに確認することは可能である。しかしながら、白紙原稿として抽出されなかったページ(非特定ページ)に関する編集操作は、全てのページのプレビュー表示が終了するまで、実行され得ない。このように、特許文献1の技術は、全てのページのうち一部のページのみに対してアイコン操作が受け付けられるに止まり、ユーザ操作可能ページに制限が存在するなど、必ずしも十分なものではない。
【0008】
そこで、この発明は、より柔軟に編集処理を行うことが可能な自動プレビュー技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、画像形成装置であって、各種情報を表示するとともにユーザからの操作入力を受け付けるユーザインターフェイス部と、画像形成動作に係る複数のページの複数のプレビュー画像を前記画像形成動作と並行して順次に且つ自動的に前記ユーザインターフェイス部に表示する自動プレビューを実行する動作制御手段と、を備え、前記動作制御手段は、前記自動プレビュー中に前記ユーザインターフェイス部に表示されているプレビュー画像に対するジェスチャ操作が受け付けられると、前記ジェスチャ操作に応じて前記プレビュー画像に関する編集処理を実行することを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る画像形成装置において、前記ユーザインターフェイス部は、前記プレビュー画像に対するフリック操作を前記ジェスチャ操作として受け付け、前記動作制御手段は、前記プレビュー画像の対応ページを削除するページ削除処理を前記フリック操作に応じて実行することを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1の発明に係る画像形成装置において、前記ユーザインターフェイス部は、前記プレビュー画像に対するタップ操作を前記ジェスチャ操作として受け付け、前記動作制御手段は、前記タップ操作に応じて、前記自動プレビュー終了後における編集処理対象であることを示すフラグ情報を、前記プレビュー画像の対応ページに対して設定することを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項2の発明に係る画像形成装置において、前記ユーザインターフェイス部は、前記プレビュー画像に対するタップ操作を受け付け、前記動作制御手段は、前記タップ操作に応じて前記自動プレビューを停止することを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項2ないし請求項4のいずれかの発明に係る画像形成装置において、前記ユーザインターフェイス部は、前記プレビュー画像に対するピンチアウト操作を受け付け、前記動作制御手段は、前記ピンチアウト操作に応じて、前記自動プレビューにおける前記プレビュー画像を拡大表示することを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、請求項2ないし請求項4のいずれかの発明に係る画像形成装置において、前記ユーザインターフェイス部は、前記プレビュー画像に対するピンチイン操作を受け付け、前記動作制御手段は、前記ピンチイン操作に応じて、前記自動プレビューにおける前記プレビュー画像を縮小表示することを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、請求項6の発明に係る画像形成装置において、前記動作制御手段は、前記ピンチイン操作に応じて、前記自動プレビューにおける前記プレビュー画像を縮小表示するとともに、前記プレビュー画像の前の画像形成対象画像と前記プレビュー画像の次の画像形成対象画像とのうちの少なくとも一方をもプレビュー表示することを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかの発明に係る画像形成装置において、前記画像形成装置は、前記複数のページに係る原稿を光学的に順次に読み取る画像読取手段、をさらに備え、前記画像形成動作は、前記複数のページの原稿読取動作を含み、前記動作制御手段は、前記画像読取手段による前記複数のページに関する原稿読取動作と並行して、前記複数のページに関する前記複数のプレビュー画像を自動的に順次に表示することを特徴とする。
【0017】
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかの発明に係る画像形成装置において、前記画像形成装置は、前記複数のページを順次に印刷出力する印刷出力手段、をさらに備え、前記画像形成動作は、前記複数のページの印刷出力動作を含み、前記動作制御手段は、前記印刷出力手段による前記複数のページに関する印刷出力動作と並行して、前記複数のページに関する前記複数のプレビュー画像を自動的に順次に表示することを特徴とする。
【0018】
請求項10の発明は、画像形成装置に内蔵されたコンピュータに、a)画像形成動作に係る複数のページの複数のプレビュー画像を前記画像形成動作と並行して順次に且つ自動的に前記画像形成装置のユーザインターフェイス部に表示する自動プレビュー中において、前記ユーザインターフェイス部に表示されているプレビュー画像に対するジェスチャ操作を受け付けるステップと、b)前記ジェスチャ操作に応じて前記プレビュー画像に関する編集処理を実行するステップと、を実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1ないし請求項10に記載の発明によれば、自動プレビュー中にユーザインターフェイス部に表示されているプレビュー画像に対するジェスチャ操作が受け付けられると、当該ジェスチャ操作に応じてプレビュー画像に関する編集処理が実行されるので、全ページの自動プレビューの終了を待つことを要さず、より柔軟に編集処理を行うことが可能である。
【0020】
特に、請求項2に記載の発明によれば、自動プレビュー中のフリック操作によって、任意のページを非常に容易に削除することが可能である。
【0021】
特に、請求項3に記載の発明によれば、編集処理対象を選択するためのマーキング動作を自動プレビュー中に行っておくことができるので、柔軟且つ効率的な編集処理を行うことが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
<1.構成概要>
図1は、画像形成装置10の外観を示す図であり、
図2は、画像形成装置10の機能ブロックを示す図である。ここでは、画像形成装置10として、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral))を例示する。
【0025】
MFP10は、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能およびボックス格納機能などを備える装置(複合機とも称する)である。具体的には、MFP10は、
図2の機能ブロック図に示すように、画像読取部2、印刷出力部3、通信部4、格納部5、操作部6およびコントローラ9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
【0026】
画像読取部(スキャン部とも称される)2は、MFP10の所定の位置に載置された原稿(スキャン処理の処理対象文書)を光学的に読み取って(すなわちスキャンして)、当該原稿の画像データ(原稿画像なしいスキャン画像とも称する)を生成する処理部である。画像読取部2は、原稿自動送り装置 (ADF:Auto Document Feeder)を有し、原稿の複数のページを順次に且つ自動的に読み取ることが可能である。画像読取部2は、スキャン画像を形成する画像形成部であるとも表現される。
【0027】
印刷出力部3は、印刷対象に関するデータに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。印刷出力部3は、印刷媒体上に画像(印刷画像)を形成する画像形成部であるとも表現される。印刷出力部3は、格納部5に格納された電子文書ファイルの複数のページに関する印刷出力を行うことも可能である。
【0028】
通信部4は、公衆回線等を介したファクシミリ通信を行うことが可能な処理部である。さらに、通信部4は、ネットワークNWを介したネットワーク通信を行うことも可能である。このネットワーク通信では、たとえば、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP10は、所望の相手先との間で各種のデータを授受することが可能である。
【0029】
格納部5は、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置で構成される。格納部5は、印刷ジョブに係るデータ等を記憶する。また、格納部5には各種の電子文書ファイルも格納される。
【0030】
操作部(ユーザインターフェイス部とも称する)6は、MFP10に対する入力を受け付ける操作入力部6aと、各種情報の表示出力を行う表示部6bとを備えている。
【0031】
このMFP10においては、略板状の操作パネル部6c(
図1参照)が設けられている。また、操作パネル部6cは、その正面側にタッチパネル25(
図1参照)を有している。タッチパネル25は、液晶表示パネルに圧電センサ等が埋め込まれて構成され、各種情報を表示するとともに操作者からの操作入力を受け付けることが可能である。たとえば、タッチパネル25においては、メニュー画像(ボタン画像等を含む)が表示される。操作者は、タッチパネル25内に仮想的に配置されるボタン(ボタン画像で表現されるボタン)を押下することによって、画像形成装置10の各種動作内容を設定することなどが可能である。また、タッチパネル25においては、後述するプレビュー画像(スキャン画像あるいは印刷画像等)が表示される。操作者は、プレビュー画像に対するジェスチャ操作を行うことによって、プレビューに関する各種の変更操作を行うことが可能である。タッチパネル25は、操作入力部6aの一部としても機能するとともに、表示部6bの一部としても機能する。
【0032】
コントローラ9は、MFP10に内蔵され、MFP10を統括的に制御する制御装置である。コントローラ9は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)PG1を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラム(詳細にはプログラムモジュール群)PG1は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体、あるいはネットワークNW等を介してMFP10にインストールされてもよい。
【0033】
具体的には、
図2に示すように、コントローラ9は、プログラムPG1の実行により、入力制御部11と表示制御部12と動作制御部15とを含む各種の処理部を実現する。
【0034】
表示制御部12は、表示部6b(タッチパネル25等)における表示動作を制御する処理部である。表示制御部12は、タッチパネル25に各種の情報(後述するプレビュー画像等を含む)を表示する動作等を制御する。
【0035】
入力制御部11は、操作入力部6a(タッチパネル25等)に対するユーザからの操作入力(ジェスチャ操作等)の受付動作等を制御する処理部である。
【0036】
動作制御部15は、入力制御部11および表示制御部12などと協働して、タッチパネル25におけるプレビュー動作(自動プレビュー動作等)およびページ編集動作等を制御する処理部である。たとえば、動作制御部15は、タッチパネル25における「自動プレビュー」(後述)を実行する。
【0037】
<2.動作>
図3は、操作パネル部6cを示す図である。以下では、当該操作パネル部6cのタッチパネル25に自動プレビューが表示されるとともに、自動プレビュー中のプレビュー画像に対するジェスチャ操作によって各種の操作が行われる態様について、さらに詳細に説明する。「自動プレビュー」は、画像形成動作(たとえば、スキャン動作あるいは印刷出力動作)に係る複数のページの複数のプレビュー画像を当該画像形成動作と並行して順次に且つ自動的に表示部に表示するプレビュー動作である。この自動プレビューは、画像形成動作の実行時点に近い時点にて、ほぼ即時に(ほぼリアルタイムで)行われることから、「リアルタイムプレビュー」などとも表現される。ここでは、スキャン画像の形成動作に関する自動プレビュー動作について説明する。この自動プレビュー動作においては、スキャン動作に係る複数のページの複数のプレビュー画像が、スキャン動作と並行して順次に且つ自動的にタッチパネル25に表示される。
【0038】
詳細には、複数のページで構成される原稿が画像読取部2の原稿自動送り装置に載置され、スキャン動作がスキャン開始指示に応答して開始される(時刻T1)(
図16のステップS11も参照)と、原稿を構成する複数のページが画像読取部2によって順次に読み取られ、当該複数のページに対応する各スキャン画像が順次に形成される。たとえば、時間間隔ΔTaで複数のスキャン画像が順次に形成される。また、このような複数のスキャン画像の形成動作と並行して、生成された複数のスキャン画像が順次にタッチパネル25に表示される。たとえば、表示時間間隔ΔTb(1秒〜数秒程度)で複数のスキャン画像が順次にタッチパネル25に表示される。これらのスキャン画像は、最終的な格納データ(最終的に格納部5に格納されるべきデータ)として確定される前に表示されるものであることから、当該スキャン画像の表示動作は「プレビュー」とも表現され、当該スキャン画像は、「プレビュー」画像とも表現される。
【0039】
図4〜
図7は、このような自動プレビューを示す図である。
【0040】
原稿の第1ページPG1が画像読取部2等によって読み取られてスキャン画像SG1が生成されると、当該スキャン画像SG1がタッチパネル25に表示される。
図4は、第1ページPG1のスキャン画像SG(SG1)がタッチパネル25に表示されている様子を示す図である。
【0041】
また、原稿の第2ページPG2が画像読取部2等によって読み取られてスキャン画像SG2が生成された後において、当該スキャン画像SG2がタッチパネル25に表示される。
図5は、第2ページPG2のスキャン画像SG(SG2)がタッチパネル25に表示されている様子を示す図である。
図5においては、最新ページPG2のスキャン画像SG2が、当該スキャン画像SG2よりも前に形成されていたスキャン画像SG1に対して重畳されて表示されている。すなわち、最新のスキャン画像SG2が最も手前側に表示されている。
【0042】
さらに、原稿の第3ページPG3が画像読取部2等によって読み取られてスキャン画像SG3が生成された後において、当該スキャン画像SG3がタッチパネル25に表示される。
図6は、第3ページPG3のスキャン画像SG(SG3)がタッチパネル25に表示されている様子を示す図である。
図6においては、最新のページPG3のスキャン画像SG3が、当該スキャン画像SG3よりも前に形成されていたスキャン画像SG1,SG2に対して重畳されて表示されている。すなわち、最新のスキャン画像SG3が最も手前側に表示されている。
【0043】
このように、原稿の第nページPGnが画像読取部2等によって読み取られてスキャン画像SGnが生成された後においては、当該スキャン画像SGnがタッチパネル25に表示される。
図7は、第nページPGnのスキャン画像SG(SGn)がタッチパネル25に表示されている様子を示す図である。
図7においては、最新のページPGnのスキャン画像SGnが、当該スキャン画像SGnよりも前に形成されていたスキャン画像SG1,...,SG(n−1)に対して重畳されて表示されている。すなわち、最新のスキャン画像SGnが最も手前側に表示されている。
【0044】
なお、スキャン画像の形成時間間隔ΔTaとスキャン画像の表示時間間隔ΔTbとは、互いに同一であってもよいが、互いに異なっていても良い。換言すれば、スキャン画像の形成タイミングとスキャン画像の表示タイミングとは独立したものであってもよい。具体的には、スキャン画像の表示時間間隔ΔTb(たとえば、2秒)は、スキャン画像の形成時間間隔ΔTa(たとえば、1秒)より大きくてもよい。表示時間間隔ΔTbを比較的大きな値に設定することによれば、操作者がスキャン画像を確実に視認することが可能である。また、各時間間隔ΔTa,ΔTbは、それぞれ、必ずしも一定の時間間隔でなくてもよい。
【0045】
この実施形態においては、このような自動プレビュー中において、操作者からのジェスチャ操作に応じた各種の動作が行われる。具体的には、自動プレビュー中において、タッチパネル25に表示されているプレビュー画像に対して操作者によるジェスチャ操作が行われ、当該ジェスチャ操作がタッチパネル25等によって受け付けられると、その操作内容(ジェスチャ操作内容)に応じた動作(プレビュー画像に関する編集処理等)が実行される。以下では、ジェスチャ操作として4種類の操作(フリック操作、ピンチイン操作、ピンチアウト操作、タップ操作(ここではシングルタップ操作))が受け付けられ得る場合について、
図16のフローチャートをも参照しながら説明する。
【0046】
具体的には、ステップS11(
図16)の自動プレビューの開始後において、ステップS12,S13の待機ループ処理が行われる。
【0047】
まず、ステップS12において、自動プレビューが未だ終了していないと判定されると、ステップS13に進む。ステップS13において、ジェスチャ操作が受け付けられていない旨が判定されるとステップS12に戻る。なお、ステップS12において、全てのページに関する自動プレビューが終了した旨が判定されると、
図16のフローチャートの処理は終了する。
【0048】
一方、ステップS13において、ジェスチャ操作が受け付けられた旨が判定されると、ステップS21に進む。ステップS21,S23,S25,S27においては、4種類のジェスチャ操作の操作内容(種類)の判定処理が行われる。
【0049】
ステップS21において、ジェスチャ操作としてフリック操作が受け付けられた旨が判定される場合には、当該フリック操作に応じて、動作制御部15は、当該フリック操作の対象のスキャン画像を削除する削除処理を実行する(ステップS22)。この削除処理は、当該フリック操作の対象画像(プレビュー画像)の対応ページを削除するページ削除処理であるとも表現される。
【0050】
たとえば、
図8に示すように、第3ページPG3のスキャン画像SG3に対するフリック操作が行われた場合には、格納対象とすべき画像群から、第3ページPGに関する当該スキャン画像SG3が除外(削除)される。すなわち、第3ページPGに関するページ削除処理が行われる。
【0051】
なお、その後、第4ページPG4以降の自動プレビュー動作が続行される。ただし、その場合、第3ページPG3が削除されることに伴って、次の第4ページPG4は、(第3ページPG3のスキャン画像SG3ではなく)第2ページPG2のスキャン画像SG2の上に重畳して表示される。このような動作が引き続いて行われる結果、第1ページPG1から第10ページPG10で構成される原稿のうち、第3ページGPG3のスキャン画像SG3に対するフリック操作のみが行われた場合には、第3ページPG3を除く複数のページPG1,PG2,PG4,PG5,...,PG10のスキャン画像SG1,SG2,SG4,SG5,...,SG10が格納対象画像として決定される。
【0052】
また、ステップS23において、ジェスチャ操作としてピンチイン操作が受け付けられた旨が判定される場合には、当該ピンチイン操作に応じて、動作制御部15は、当該ピンチイン操作の対象のスキャン画像(プレビュー画像)を縮小表示する縮小処理等を実行する(ステップS24)。また、動作制御部15は、縮小処理に伴って増大した空きスペースを利用して、他のページ(たとえば、当該プレビュー画像よりも前のページ)のスキャン画像をも縮小状態でプレビュー表示(縮小表示)する。
【0053】
たとえば、
図9に示すように、第3ページPG3のスキャン画像SG3に対するピンチイン操作が行われた場合には、動作制御部15は、当該スキャン画像SG3を縮小する。そして、縮小処理に伴って増大した空きスペースに、当該スキャン画像SG3の前(直前)のページPG2のスキャン画像SG2(スキャン画像SG3の前の画像形成対象画像とも称される)も縮小表示(プレビュー表示)される(
図10参照)。
図10においては、スキャン画像SG3がタッチパネル25の中央に表示されるとともに、スキャン画像SG2がスキャン画像SG3の左側に表示されている。
【0054】
また、その後、自動プレビュー動作が進行し、第4ページPG4のスキャン画像SG4が、スキャン画像SG3の表示開始時点(スキャン画像SG3がタッチパネル25に最初に表示された時点)から所定時間ΔTbの経過後に動作制御部15によって自動的に表示される(
図11参照)。第3ページPG3のスキャン画像SG3およびその前のスキャン画像SG2は、それぞれ、左側にスライド移動して表示される。この結果、複数のスキャン画像SG2,SG3,SG4が水平方向に配列されて表示される。このとき、各画像は、タッチパネル25において、引き続き縮小された状態で(より詳細には縮小後のスキャン画像SG3と同じ縮小倍率で)表示される。なお、スキャン画像SG4の表示開始は、スキャン画像SG3の縮小表示開始時点(ピンチイン操作に応じて縮小表示が開始された時点)から所定時間ΔTbの経過後に行われてもよい。
【0055】
さらに、その後、自動プレビュー動作が進行し、第5ページPG5のスキャン画像SG5が、スキャン画像SG4の表示開始時点から所定時間ΔTbの経過後に動作制御部15によって自動的に表示される(
図12参照)。スキャン画像SG5は最も右側に表示され、第4ページPG4のスキャン画像SG4およびその前のスキャン画像SG3は、左側にスライド移動して表示される。この結果、複数のスキャン画像SG3,SG4,SG5が水平方向に配列されて縮小状態で表示される。このように、縮小状態の複数のページが水平方向に順次にスライドして、表示画面が更新される。
【0056】
また、ステップS25において、ジェスチャ操作としてピンチアウト操作が受け付けられた旨が判定される場合には、当該ピンチアウト操作に応じて、動作制御部15は、当該ピンチアウト操作の対象のスキャン画像(プレビュー画像)を拡大表示する拡大処理を実行する(ステップS26)。
【0057】
たとえば、
図13に示すように第3ページPG3のスキャン画像SG3に対するピンチアウト操作が行われた場合には、動作制御部15は、当該スキャン画像SG3を拡大して表示する(
図14参照)。その後、第4ページPG4のスキャン画像SG4以降の各画像は、引き続き拡大された状態で(より詳細には同じ拡大倍率で)表示される。
【0058】
なお、縮小表示状態(
図10参照)において比較的小さな移動幅のピンチアウト操作が行われた場合には、標準表示状態(
図6参照)に戻る動作が行われ、縮小表示状態(
図10参照)において比較的大きな移動幅のピンチアウト操作が行われた場合には、拡大表示状態(
図14参照)に瞬時に移行する動作が行われればよい。
【0059】
また逆に、拡大表示状態(
図14参照)において比較的小さな移動幅のピンチイン操作が行われた場合には、標準表示状態(
図6参照)に戻る動作が行われ、拡大表示状態(
図14参照)において比較的大きな移動幅のピンチアウト操作が行われた場合には、縮小表示状態(
図10参照)に瞬時に移行する動作が行われればよい(ステップS24)。
【0060】
また、ステップS27において、ジェスチャ操作としてタップ操作が受け付けられた旨が判定される場合には、当該タップ操作に応じて、動作制御部15は、当該タップ操作の対象のスキャン画像(プレビュー画像)が表示された状態において、自動プレビューの停止と再開とを切り換える処理を実行する(ステップS28,S29,S30)。
【0061】
たとえば、
図15に示すように、第3ページPG3のスキャン画像SG3に対するタップ操作が行われた場合には、動作制御部15は、当該スキャン画像SG3の表示状態で一旦自動プレビューを停止する(ステップS28,S29)。すなわち、スキャン画像SG3の表示開始時点から所定時間ΔTbが経過しても、次のスキャン画像SG4は表示されず、スキャン画像SG3が表示されたままである。換言すれば、最新プレビュー画像の更新処理が行われない。
【0062】
その後、当該スキャン画像SG3に対するタップ操作が再び行われた場合に、動作制御部15は、当該スキャン画像SG3の以後の自動プレビューを再開する(ステップS28,S30)。詳細には、次のスキャン画像SG4以後の各スキャン画像が所定時間間隔ΔTbでタッチパネル25に順次に且つ自動的に表示される。
【0063】
また、上記のような4種類のジェスチャ操作等は組み合わせて実行され得る。たとえば、タップ操作による一時停止動作(ステップS29)が行われた後にフリック操作によるページ削除動作(ステップS22)が行われ得る。また、ピンチアウト操作による拡大表示(ステップS26)後にフリック操作によるページ削除動作(ステップS22)が行われ得る。さらには、ピンチイン操作による縮小表示(ステップS24)後にフリック操作によるページ削除動作(ステップS22)が行われ得る。
【0064】
上記のような動作によれば、自動プレビュー中において、プレビュー表示されているスキャン画像(プレビュー画像)に対するジェスチャ操作(フリック操作等)が行われると、当該ジェスチャ操作に応じて当該スキャン画像が編集される。より詳細には、複数のページのうちユーザが不要であると判定したページ(不要判定ページ)がMFPによって読み取られたことをユーザが自動プレビューを見て確認した場合に、フリック操作に応じて当該不要判定ページ(スキャン画像)が削除される。すなわち、ページの削除動作は、全ページの自動プレビューの終了を待つことを要さずに行われる。特に、複数のページのうち、ユーザにより不要判定された任意のページ(白紙ページに限られない)がフリック操作に応じて削除され得るので、非常に柔軟に編集処理(ページ削除処理)を行うことが可能である。このように、効率的且つ柔軟に編集処理(ページ削除動作)を行うことが可能である。また特に、所望のページ(削除対象ページ)に対するフリック操作という簡単な操作によって、当該ページを削除することが可能である。
【0065】
また、自動プレビュー中に、当該自動プレビューの一旦停止処理およびそれに引き続く編集処理が行われ得る。たとえば、ユーザのタップ操作に応じて次ページのプレビュー画像に自動で順次進行する動作が一旦停止(ステップS27,S28,S29)され、その後に引き続くフリック操作に応じて当該プレビュー画像のページが削除される(ステップS21,S22)。これによれば、ユーザは、或るページのプレビュー画像をじっくりと注視して、当該ページ(詳細には当該ページのスキャン画像)を削除すべきか否か等を決定することができる。
【0066】
さらに、自動プレビュー中の各プレビュー画像の変倍率(表示倍率)がユーザのジェスチャ操作(ピンチイン操作および/またはピンチアウト操作)によって適宜変更され得るので、ユーザは所望の大きさで各プレビュー画像を参照しつつ各ページを削除すべきか否か等を決定することができる。
【0067】
また、自動プレビューの一旦停止中にも、各プレビュー画像の変倍率を変更することが可能である。具体的には、タップ操作によって自動プレビューを一旦停止した後、ピンチアウト操作および/またはピンチイン操作によって当該プレビュー画像の表示倍率を変更することができる。したがって、特に注視対象のプレビュー画像を適宜の大きさに変更して表示し、当該プレビュー画像のページを削除するか否か等を決定することも可能である。
【0068】
<3.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0069】
たとえば、上記実施形態においては、ピンチイン操作時において、
図10に示すような画面が直ちに表示されているが、これに限定されず、
図17に示すような画面がタッチパネル25に直ちに表示されるようにしてもよい。
図17においては、左側から順に、3つのスキャン画像SG1,SG2,SG3が配列されて表示されている。このように、最新のスキャン画像SG3が最も右側に表示され、それ以前のスキャン画像SG1,SG2が比較的左側に表示されるようにしてもよい。
【0070】
あるいは、ピンチイン操作時において、単一のスキャン画像のみが表示(縮小表示)されるようにしてもよい。より詳細には、スキャン画像SG3に対するピンチイン操作に応じて、(その前後のスキャン画像SG2,SG4は表示されず、)単一のスキャン画像SG3のみがタッチパネル25に縮小表示されるようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施形態においては、タップ操作に応じて、自動プレビューが一旦停止される態様が例示されているが、これに限定されない。たとえば、タップ操作に応じて、編集対象データ(編集処理対象であることを示すフラグ情報(マーキングデータ))が当該タップ操作の対象ページ(対応ページ)に付与(設定)されるようにしてもよい。これによれば、マーキングデータの付与処理(マーキング処理)は、全ページの自動プレビューの終了を待つことを要することなく行われる。このマーキング処理は、編集処理の第1段階であるとも表現される。そして、全てのページのスキャン画像の表示動作(すなわち全てのページのプレビュー動作)が終了した後において、編集処理対象ページに対する第2段階の編集処理(画像処理(明るさ調整処理等)あるいはページ削除処理等)が実行されるようにしてもよい。このような動作によれば、編集対象画像を選択するマーキング操作を自動プレビュー中に行っておくことができるので、柔軟且つ効率的な編集処理を行うことが可能である。また特に、マーキングデータが付与された複数のプレビュー画像に対して同一種類の編集処理が行われる場合には、マーキングされた複数のプレビュー画像に対して非常に効率的な編集処理を行うことが可能である。
【0072】
また、上記実施形態においては、タップ操作としてシングルタップ操作を例示したが、タップ操作はダブルタップ操作などであっても良い。たとえば、プレビュー画像に対するダブルタップ操作に応じて上述のようなマーキング動作が行われても良く、あるいは、プレビュー画像に対するダブルタップ操作に応じて上記実施形態のような一旦停止動作(および再開動作)が行われても良い。
【0073】
また、シングルタップ操作とダブルタップ操作とに応じて、異なる動作が実行されてもよい。たとえば、シングルタップ操作に応じて一旦停止動作(および再開動作)が行われ、ダブルタップ操作に応じてマーキング動作が行われてもよい。あるいは、逆に、ダブルタップ操作に応じて一旦停止動作が行われ、シングルタップ操作に応じてマーキング動作が行われてもよい。
【0074】
また、上記実施形態においては、スキャン画像の形成動作に関する自動プレビュー動作について説明したが、これに限定されない。たとえば、印刷出力動作(印刷出力画像の形成動作)に関する自動プレビュー動作に対して上記の思想が適用されるようにしてもよい。具体的には、動作制御部15は、印刷出力部3による複数のページ(格納部5に格納された電子文書の複数のページ)に関する印刷出力動作と並行して、当該複数のページに関する複数のプレビュー画像を自動的に順次に表示する自動プレビューに対して、上記と同様の思想を適用するようにしてもよい。この場合、ジェスチャ操作によって、格納対象画像が変更される代わりに、印刷出力対象画像が変更されれればよい。
【0075】
なお、印刷プレビュー動作(自動プレビュー)中において
図18に示すような画面(
図6と同様の画面)でピンチイン操作が受け付けられる場合には、当該表示中のプレビュー画像RG3に加えて、その次のプレビュー画像RG4およびさらにその次のプレビュー画像RG5もが縮小表示されるようにしてもよい。詳細には、
図19に示すように、プレビュー画像RG3の次のプレビュー画像RG4(プレビュー画像RG3の次の画像形成対象画像とも称される)がプレビュー画像RG3の右側に縮小表示され、プレビュー画像RG4の次のプレビュー画像RG5がプレビュー画像RG4の右側に縮小表示されるようにしてもよい。
【0076】
あるいは、表示中のプレビュー画像RG3に加えて、その前後のプレビュー画像RG2,RG4もが縮小表示されるようにしてもよい。詳細には、プレビュー画像RG3がタッチパネル25の中央に縮小表示されるともに、プレビュー画像RG3の次のプレビュー画像RG4がプレビュー画像RG3の右側に縮小表示され、プレビュー画像RG3の前のプレビュー画像RG2がプレビュー画像RG3の左側に縮小表示されるようにしてもよい。