(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6040898
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】III 族窒化物半導体発光素子の製造方法および製造装置および基板のクリーニング方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20161128BHJP
H01S 5/343 20060101ALI20161128BHJP
H01L 33/32 20100101ALI20161128BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20161128BHJP
C23C 16/34 20060101ALI20161128BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
H01L21/205
H01S5/343 610
H01L33/32
C23C16/44 J
C23C16/34
H01L21/304 645A
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-186042(P2013-186042)
(22)【出願日】2013年9月9日
(65)【公開番号】特開2015-53416(P2015-53416A)
(43)【公開日】2015年3月19日
【審査請求日】2015年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087723
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 修
(72)【発明者】
【氏名】豊田 優介
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 茂季
【審査官】
正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−096259(JP,A)
【文献】
特開平06−196757(JP,A)
【文献】
再公表特許第2010/101272(JP,A1)
【文献】
特開2007−281057(JP,A)
【文献】
特開2009−010279(JP,A)
【文献】
特開2001−298010(JP,A)
【文献】
特開平09−052796(JP,A)
【文献】
特開平10−012555(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0305922(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
C23C 16/34
C23C 16/44
H01L 21/304
H01L 33/32
H01S 5/343
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上にIII 族窒化物半導体層を形成するIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法において、
前記基板にガスを吹き付けることにより前記基板の上のダストを除去するダスト除去工程と、
前記基板の上に前記III 族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させる半導体層成長工程と、
を有し、
前記ダスト除去工程は、
第1の流速でガスを前記基板に吹き付ける第1のダスト除去工程と、
前記第1のダスト除去工程の後に、前記第1の流速より速い第2の流速を少なくとも含む流速でガスを前記基板に吹き付ける第2のダスト除去工程と、
を有し、
前記第2のダスト除去工程は、
前記第2の流速でガスを前記基板に吹き付ける高速期間と、
前記第2の流速よりも遅い第3の流速でガスを前記基板に吹き付ける低速期間と、
を含むとともに、
前記高速期間と、前記低速期間とを交互に繰り返すこと
を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法において、
前記第3の流速は、
前記第1の流速よりも遅いこと
を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載のIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法において、
前記第3の流速は、
前記第1の流速以上であるとともに前記第2の流速よりも遅いこと
を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載のIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法において、
前記第1のダスト除去工程では、
前記第1の流速は、0.2m/sec以上0.7m/sec以下であり、
前記第2のダスト除去工程では、
前記第2の流速は、前記第1の流速より0.1m/sec以上速い流速であること
を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法。
【請求項5】
請求項2に記載のIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法において、
前記第1のダスト除去工程では、
前記第1の流速は、0.2m/sec以上0.7m/sec以下であり、
前記第2のダスト除去工程では、
前記第2の流速は、前記第1の流速より0.1m/sec以上速い流速であり、
前記第3の流速は、0.1m/sec以上0.6m/sec以下であること
を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法。
【請求項6】
請求項3に記載のIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法において、
前記第1のダスト除去工程では、
前記第1の流速は、0.2m/sec以上0.7m/sec以下であり、
前記第2のダスト除去工程では、
前記第2の流速は、前記第1の流速より0.2m/sec以上速い流速であり、
前記第3の流速は、0.2m/sec以上であること
を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法において、
前記III 族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させる製造装置を用い、
前記基板を前記製造装置に配置してから前記基板の上に半導体層の成長を開始するまでのいずれかの期間に、前記ダスト除去工程を実施すること
を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載のIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法において、
前記基板を加熱する基板加熱工程を有し、
前記基板加熱工程における加熱を停止した後に、前記ダスト除去工程を実施すること
を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法。
【請求項9】
基板の上にIII 族窒化物半導体層を形成するIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法において、
前記基板を加熱する基板加熱工程と、
前記基板加熱工程における加熱を停止してから前記基板の上に半導体層の成長を開始するまでの間に、前記基板にガスを吹き付けることにより前記基板の上のダストを除去するダスト除去工程と、
前記基板の上に前記III 族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させる半導体層成長工程と、
を有し、
前記ダスト除去工程は、
第1の流速でガスを前記基板に吹き付ける第1のダスト除去工程と、
前記第1のダスト除去工程の後に、前記第1の流速より速い第2の流速を少なくとも含む流速でガスを前記基板に吹き付ける第2のダスト除去工程と、
を有すること
を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法。
【請求項10】
基板の上のダストを除去する基板のクリーニング方法において、
前記基板にガスを吹き付けるダスト除去工程を有し、
前記ダスト除去工程は、
第1の流速でガスを前記基板に吹き付ける第1のダスト除去工程と、
前記第1のダスト除去工程の後に、前記第1の流速より速い第2の流速を少なくとも含む流速でガスを前記基板に吹き付ける第2のダスト除去工程と、
を有し、
前記第2のダスト除去工程は、
前記第2の流速でガスを前記基板に吹き付ける高速期間と、
前記第2の流速よりも遅い第3の流速でガスを前記基板に吹き付ける低速期間と、
を含むとともに、
前記高速期間と、前記低速期間とを交互に繰り返すこと
を特徴とする基板のクリーニング方法。
【請求項11】
基板を配置するためのサセプターと、
前記サセプターを収容するチャンバーと、
前記基板に向けてガスを吹き付けるノズルと、
前記ノズルから流れ出るガスの流量を制御する流量制御部と、
を有し、
前記流量制御部は、
第1の流速でガスを前記基板に吹き付ける第1の流量制御と、
前記第1の流速より速い第2の流速を少なくとも含む流速でガスを前記基板に吹き付ける第2の流量制御と、
を行い、
前記第2の流量制御では、
前記第2の流速でガスを前記基板に吹き付ける高速期間と、
前記第2の流速よりも遅い第3の流速でガスを前記基板に吹き付ける低速期間と、
を含むとともに、
前記高速期間と、前記低速期間とを交互に繰り返すこと
を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体層を成長させる前の成長基板にクリーニングを実施するIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法および製造装置および基板のクリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
III 族窒化物半導体発光素子は、成長基板上にIII 族窒化物半導体から成る半導体層を成長させることにより製造されることが一般的である。その成長方法として、有機金属化学気相成長法(MOCVD法)や、ハイドライド気相成長法や、分子線エピタキシー法、液相エピタキシー法といった成長方法がある。
【0003】
例えば、MOCVD法で用いられるMOCVD炉では、繰り返し使うことにより、炉の内壁に副生成物に起因する結晶被膜が形成されることとなる。この副生成物に起因する結晶被膜は、何らかのきっかけにより炉の内壁から剥離してダストとなる。このようなダストは、成長段階のウエハに付着することがある。ウエハから切り出した半導体発光素子のうち、ダストの付着箇所から製造された半導体発光素子は、十分な性能を有していないことが多い。すなわち、歩留まりが悪い。
【0004】
そのため、ダストを除去する技術が開発されてきている。例えば、特許文献1には、基板の表面をクリーニングする装置が開示されている。特許文献1には、横方向にガスを流すことによって、基板へのダストの再付着を防止する技術が開示されている(特許文献1の段落[0015]等参照)。しかし、特許文献1に開示されているのは、クリーニング装置であり、半導体層を成長させる装置ではない。また、特許文献2には、不活性ガスを10m/sec以上の流速で噴出し、反応炉内の粒子を除去する技術が開示されている(特許文献2の段落[0035]および
図3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−140492号公報
【特許文献2】特開2006−318959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、クリーニング済みの基板をMOCVD炉等の内部のサセプターに配置した場合、成長基板を配置してから半導体を成長させるまでの期間内に、成長基板の上にダストが載ってしまうおそれがある。特許文献1に記載の技術は、炉内に配置する前に実施するためのクリーニング装置である。そのため、当該技術では、MOCVD炉内に成長基板を配置した後に基板のクリーニングを実施することは不可能である。また、特許文献2の技術では、クリーニングを実施(特許文献2の
図1のS0)した後、減圧工程(特許文献2の
図1のS1)、昇温工程(特許文献2の
図1のS2)の期間内には、やはり基板にダストが載ってしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、前述した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題は、半導体層を成長させる前の成長基板にクリーニングを実施するIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法および製造装置および基板のクリーニング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法は、基板の上にIII 族窒化物半導体層を形成する方法である。この製造方法は、基板にガスを吹き付けることにより基板の上のダストを除去するダスト除去工程と、基板の上にIII 族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させる半導体層成長工程と、を有する。そして、ダスト除去工程は、第1の流速でガスを基板に吹き付ける第1のダスト除去工程と、第1のダスト除去工程の後に、第1の流速より速い第2の流速を少なくとも含む流速でガスを基板に吹き付ける第2のダスト除去工程と、を有する。
第2のダスト除去工程は、第2の流速でガスを基板に吹き付ける高速期間と、第2の流速よりも遅い第3の流速でガスを基板に吹き付ける低速期間と、を含む。さらにこの第2のダスト除去工程では、高速期間と、低速期間とを交互に繰り返す。
【0009】
このIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法は、第1のダスト除去工程および第2のダスト除去工程を実施する方法である。第2のダスト除去工程では、第1のダスト除去工程とは別の流速で成長基板に向けてガスを吹き付けるため、ダストを好適に除去することができる。
また、高速期間と、低速期間とを交互に繰り返すため、ガスの流れが脈動する。したがって、ダストを好適に除去することができる。これにより、歩留まりに優れたIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法が実現されている。
【0010】
第2の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法
において、第3の流速は、第1の流速よりも遅い。この条件の場合に、ガスの流れの脈動が大きい。
【0011】
第3の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法において、
第3の流速は、第1の流速以上であるとともに第2の流速よりも遅い。この条件の場合であっても、ガスの流れの脈動を生じさせることができる。
【0012】
第4の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法において、
第1のダスト除去工程では、第1の流速は、0.2m/sec以上0.7m/sec以下である。また、第2のダスト除去工程では、第2の流速は、第1の流速より0.1m/sec以上速い流速である。
【0013】
第5の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法において、
第1のダスト除去工程では、第1の流速は、0.2m/sec以上0.7m/sec以下である。また、第2のダスト除去工程では、第2の流速は、第1の流速より0.1m/sec以上速い流速である。さらに、第3の流速は、0.1m/sec以上0.6m/sec以下である。
【0014】
第6の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法において、
第1のダスト除去工程では、第1の流速は、0.2m/sec以上0.7m/sec以下である。また、第2のダスト除去工程では、第2の流速は、第1の流速より0.2m/sec以上速い流速である。さらに、第3の流速は、0.2m/sec以上である。
【0015】
第7の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法において、
III 族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させる製造装置を用いる。そして、基板を製造装置に配置してから基板の上に半導体層の成長を開始するまでのいずれかの期間に、ダスト除去工程を実施する。
【0016】
第8の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法
は、基板を加熱する基板加熱工程を有する。そして、基板加熱工程における加熱を停止した後に、ダスト除去工程を実施する。
【0017】
第9の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法
は、基板を加熱する基板加熱工程と、基板加熱工程における加熱を停止してから基板の上に半導体層の成長を開始するまでの間に、基板にガスを吹き付けることにより基板の上のダストを除去するダスト除去工程と、基板の上にIII 族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させる半導体層成長工程と、を有する。ダスト除去工程は、第1の流速でガスを基板に吹き付ける第1のダスト除去工程と、第1のダスト除去工程の後に、第1の流速より速い第2の流速を少なくとも含む流速でガスを基板に吹き付ける第2のダスト除去工程と、を有する。
【0018】
吹き付けるガスにより、基板の冷却を行うことができる。
【0019】
第
10の態様における基板のクリーニング方法は、基板の上のダストを除去する方法である。このクリーニング方法は、基板にガスを吹き付けるダスト除去工程を有する。そしてこのダスト除去工程は、第1の流速でガスを基板に吹き付ける第1のダスト除去工程と、第1のダスト除去工程の後に、第1の流速より速い第2の流速を少なくとも含む流速でガスを基板に吹き付ける第2のダスト除去工程と、を有する。
第2のダスト除去工程は、第2の流速でガスを基板に吹き付ける高速期間と、第2の流速よりも遅い第3の流速でガスを基板に吹き付ける低速期間と、を含む。そしてこの第2のダスト除去工程では、高速期間と、低速期間とを交互に繰り返す。
【0020】
第
11の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子の製造装置は、基板を配置するためのサセプターと、サセプターを収容するチャンバーと、基板に向けてガスを吹き付けるノズルと、ノズルから流れ出るガスの流量を制御する流量制御部と、を有する。そして、流量制御部は、第1の流速でガスを基板に吹き付ける第1の流量制御と、第1の流速より速い第2の流速を少なくとも含む流速でガスを基板に吹き付ける第2の流量制御と、を行う。
第2の流量制御は、第2の流速でガスを基板に吹き付ける高速期間と、第2の流速よりも遅い第3の流速でガスを基板に吹き付ける低速期間と、を含む。そしてこの第2の流量制御では、高速期間と、低速期間とを交互に繰り返す。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、半導体層を成長させる前の成長基板にクリーニングを実施するIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法および製造装置および基板のクリーニング方法が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態に係る半導体発光素子の構造を示す概略構成図である。
【
図2】実施形態に係る半導体発光素子の製造装置を示す図である。
【
図3】実施例に係る第1の基板のクリーニング方法を説明するグラフ(その1)である。
【
図4】実施例に係る第2の基板のクリーニング方法を説明するグラフ(その2)である。
【
図5】比較例に係る第3の基板のクリーニング方法を説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、具体的な実施形態について、半導体発光素子の製造方法を例に挙げて図を参照しつつ説明する。しかし、これらの実施形態に限定されるものではない。
【0024】
1.半導体発光素子
本実施形態に係る発光素子100の概略構成を
図1に示す。発光素子100は、フェイスアップ型の半導体発光素子である。発光素子100は、III 族窒化物半導体から成る複数の半導体層を有する。
【0025】
図1に示すように、発光素子100は、基板110と、低温バッファ層120と、n型コンタクト層130と、n型ESD層140と、n型SL層150と、発光層160と、p型クラッド層170と、p型コンタクト層180と、n電極N1と、p電極P1と、パッシベーション膜F1と、を有している。n型コンタクト層130と、n型ESD層140と、n型SL層150とは、n型半導体層である。p型クラッド層170と、p型コンタクト層180とは、p型半導体層である。
【0026】
基板110は、MOCVD法により、主面上に上記の各半導体層を形成するための成長基板である。そして、基板110の表面には凹凸加工がされていてもよいし、凹凸加工がされていなくともよい。基板110の材質は、サファイアである。また、サファイア以外にも、SiC、ZnO、Si、GaNなどの材質を用いてもよい。
【0027】
2.製造装置
図2に、本実施形態におけるIII 族窒化物半導体発光素子の製造装置1000を示す。製造装置1000は、成長基板の上に半導体層をエピタキシー成長させるMOCVD炉である。また、製造装置1000は、後述する基板のクリーニング方法を実施するために用いられる。製造装置1000は、サセプター1110と、加熱器1120と、回転軸1130と、チャンバー1200と、ノズル1410と、吸引部1420と、制御部1500と、を有している。
【0028】
サセプター1110は、基板110を支持するための支持部材である。そのために、サセプター1110は、基板110を配置することができるようになっている。加熱器1120は、基板110を加熱するためのものである。回転軸1130は、サセプター1110を回転させるためのものである。これにより、基板110を回転させつつ、基板110の上に半導体層を成長させることができる。
【0029】
チャンバー1200は、各部を収容するための炉本体である。ノズル1410は、キャリアガスや原料ガスをチャンバー1200の内部に供給するためのものである。製造装置1000の使用時には、ノズル1410は、サセプター1110に配置されている基板110に向けてガスを供給する。吸引部1420は、チャンバー1200の内部のガスを吸引するためのものである。
【0030】
チャンバー1200は、流路上面1310と、流路下面1320と、流路側面1330と、を有している。流路上面1310と、流路下面1320と、流路側面1330とは、サセプター1110に配置された基板110の上方に、ノズル1410から供給されたガスを通過させるためのものである。
図2に示すように、本実施形態の製造装置1000は、ガスを横方向から基板110に吹き付ける。
【0031】
制御部1500は、製造装置1000の各部を制御するためのものである。制御部1500は、ノズル1410から供給されるキャリアガスや原料ガス等の流量を制御する流量制御部を兼ねている。また、制御部1500は、加熱器1120の温度や、回転軸1130の回転等を制御する。
【0032】
3.基板のクリーニング方法
ここで、本実施形態に係る基板のクリーニング方法について説明する。本実施形態の基板のクリーニング方法では、ガスを基板110に吹き付けることにより、基板110の上のダストを除去する。このガスとして、H
2 と、N
2 と、NH
3 と、これらの混合ガスと、のうちのいずれを用いてもよい。また、これらのガスにシラン(SiH
4 )や、後述するトリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム等の有機金属材料が含まれていてもよい。なお、ノズル1410から噴出させるガスの温度は、20℃程度である。もちろん、これ以外の温度であってもよい。また、チャンバー1200の内部の圧力は、ほぼ大気圧である。もちろん、加圧条件下、減圧条件下でクリーニングを実施してもよい。なお、本実施形態のクリーニング方法を実施する際には、基板110を回転させつつクリーニングを行う。ただし、その回転速度は、流すガスの流速に比べて十分に遅い。もちろん、回転軸1130の回転を停止した状態でクリーニングを実施してもよい。
【0033】
本実施形態の基板のクリーニング方法では、製造装置1000の制御部1500は、第1の流量制御と、第2の流量制御と、を行う。第1の流量制御は、後述する第1のダスト除去工程におけるガスの流速を制御するためのものである。第2の流量制御は、後述する第2のダスト除去工程におけるガスの流速を制御するためのものである。ここで、流速とは、基板110の表面におけるガスの流速である。流速は、ノズル1410が供給するガスの流量と、基板110の表面におけるガスが流れる断面積と、により定まる。そのため、制御部1500が、ガスの流量を制御することにより、ガスの流速も制御することができる。
【0034】
3−1.第1のクリーニング方法(実施例)
図3は、第1のクリーニング方法を説明するためのグラフである。
図3の横軸は、時間(sec)である。
図3の縦軸は、流速(m/sec)である。なお、基準とする時刻「0」は、後述する基板加熱工程における基板110への加熱を停止した時刻である。第1のクリーニング方法における基板洗浄工程、すなわちダスト除去工程は、第1のダスト除去工程と、第2のダスト除去工程と、を有している。第1のダスト除去工程は、
図3に示す第1の期間T1に実施する。第2のダスト除去工程は、
図3に示す第2の期間T2に実施する。
【0035】
第1のダスト除去工程では、第1の流速で一定としたままで、ガスを基板110に向けて吹き付ける。第1の流速は、例えば、0.6m/secである。第2のダスト除去工程では、第2の流速で一定としたままで、ガスを基板110に向けて吹き付ける。第2の流速は、例えば、0.9m/secである。第1の期間T1は、例えば、3分以上10分以下である。第2の期間T2は、例えば、1分以上5分以下である。第1の期間T1および第2の期間T2は、これらの範囲でなくともよい。なお、時刻0における基板110の温度は、約1250℃である。第2の期間T2の経過直後における基板110の温度は、350℃である。つまり、このクリーニング方法では、基板110の温度を350℃以上1250℃以下の範囲内として実施するのである。
【0036】
3−2.第2のクリーニング方法(実施例)
図4は、第2のクリーニング方法を説明するためのグラフである。
図4の横軸は、時間(sec)である。
図4の縦軸は、流速(m/sec)である。第2のクリーニング方法における基板洗浄工程は、第1のダスト除去工程と、第2のダスト除去工程と、を有している。第1のダスト除去工程は、
図4に示す第1の期間T3に実施する。第2のダスト除去工程は、
図4に示す第2の期間T4に実施する。
【0037】
第1のダスト除去工程では、第1の流速で一定としたままで、ガスを基板110に向けて吹き付ける。第1の流速は、例えば、0.6m/secである。第2のダスト除去工程では、速い流速と遅い流速とを交互に繰り返してガスを基板110に向けて吹き付ける。このとき、速い流速を第2の流速とする。第2の流速は、例えば、0.9m/secである。遅い流速を第3の流速とする。第3の流速は、例えば、0.3m/secである。第2の流速は、第1の流速よりも速い。第3の流速は、第1の流速および第2の流速のいずれよりも遅い。ここで、第2の流速でガスを基板110に吹き付ける期間を高速期間といい、第3の流速でガスを基板110に吹き付ける期間を低速期間ということとする。ここで、第2のダスト除去工程は、高速期間と低速期間とを含む。そして、第2のダスト除去工程では、高速期間と低速期間とを交互に繰り返す。
【0038】
第1の期間T3は、例えば、3分以上10分以下である。第2の期間T4は、例えば、1分以上5分以下である。第1の期間T3および第2の期間T4は、これらの範囲でなくともよい。なお、時刻0における基板110の温度は、約1250℃である。第2の期間T4の経過直後における基板110の温度は、350℃である。つまり、このクリーニング方法では、基板110の温度を350℃以上1250℃以下の範囲内として実施するのである。また、高速期間と低速期間との繰り返し回数を5回以上10回以下とするとよい。もちろん、この回数に限らない。
【0039】
以上のように、第1のダスト除去工程では、第1の流速として0.2m/sec以上0.7m/sec以下の範囲内の流速を設定する。望ましくは、0.3m/sec以上0.6m/sec以下の範囲内である。また、第2のダスト除去工程は、少なくとも第2の流速でガスを基板110に吹き付ける期間を含む。第2のダスト除去工程では、第2の流速として第1の流速より0.1m/sec以上速い流速を設定する。第2の流速が速すぎると、製造装置1000の排気能力を超えるおそれがある。また、製造装置1000の内壁に付着している副生成物を内壁からはがしてしまうおそれがある。つまり、チャンバー1200の内部を浮遊する新たなダストを発生させてしまうおそれがある。そのため、第2の流速は、10m/sec以下であることが好ましい。望ましくは、0.9m/sec以上5m/sec以下の範囲内である。より望ましくは、0.9m/sec以上1.3m/sec以下の範囲内である。第3の流速を設定する場合には、第3の流速として、第2の流速より遅く、かつ、0.1m/sec以上の範囲内の流速を設定する。望ましくは、0.1m/sec以上0.6m/sec以下の範囲内である。そして、第2の流速と第3の流速との差は、0.1m/sec以上であるとよい。また、第2の流速と第3の流速との差は、0.2m/sec以上であるとさらに好ましい。より好適な、ガスの脈動を生じさせることができるからである。
【0040】
3−3.第3のクリーニング方法(比較例)
図5は、第3のクリーニング方法を説明するためのグラフである。
図5の横軸は、時間(sec)である。
図5の縦軸は、流速(m/sec)である。第3のクリーニング方法は、本実施形態のクリーニング方法ではなく、あくまで比較例に対応するクリーニング方法である。第3のクリーニング方法では、一定の流速0.6m/secでガスを基板110に向けて吹き付ける。一定の流速でガスを基板110に向けて吹き付けるのみでは、後述する実験で示すように、基板110の上面からダストを除去する効果が小さい。
【0041】
4.半導体発光素子の製造方法
ここで、本実施形態に係る発光素子100の製造方法について説明する。有機金属化学気相成長法(MOCVD法)により、各半導体層の結晶をエピタキシャル成長させる。ここで用いるキャリアガスは、水素(H
2 )もしくは窒素(N
2 )もしくは水素と窒素との混合気体(H
2 +N
2 )である。窒素源として、アンモニアガス(NH
3 )を用いる。Ga源として、トリメチルガリウム(Ga(CH
3 )
3 )もしくはトリエチルガリウム(Ga(C
2 H
5 )
3 )を用いる。In源として、トリメチルインジウム(In(CH
3 )
3 )を用いる。Al源として、トリメチルアルミニウム(Al(CH
3 )
3 )を用いる。n型ドーパントガスとして、シラン(SiH
4 )を用いる。p型ドーパントガスとして、シクロペンタジエニルマグネシウム(Mg(C
5 H
5 )
2 )を用いる。
【0042】
4−1.基板配置工程
製造装置1000のサセプター1110の上に基板110を配置する。このとき、製造装置1000は、グローブボックス(図示せず)の内部にある。そして、この基板110をサセプター1110に配置する際に、ダストが製造装置1000の内部に入ることがある。または、製造装置1000の内壁の副生成物が浮遊してダストとなるおそれがある。
【0043】
4−2.基板加熱工程(基板ベーク工程)
次に、回転軸1130を回転させながら、加熱器1120を加熱する。これにより、基板110は、回転しながら加熱されることとなる。そして、ノズル1410からは水素ガスが供給される。これにより、基板110の表面は、還元される。つまり、半導体層の形成に適した表面が得られる。このときの基板110の温度は、1250℃程度である。この加熱工程の期間内に、ダストが基板110の表面に付着することがある。
【0044】
4−3.ダスト除去工程(基板洗浄工程)
基板加熱工程での加熱を停止した後に、基板110をクリーニングする。ここでは、基板110の表面に付着しているダストを除去するために、ガスを基板110に吹き付ける。これにより、ダストを基板110から除去する。第1のダスト除去工程と、第2のダスト除去工程と、を実施することにより、より多くのダストを基板110から除去することができる。なお、基板110に吹き付けられた後のガスは、吸引部1420に吸引される。そのため、基板110から除去されたダストが再び基板110の表面に付着するおそれはほとんどない。
【0045】
4−4.半導体層成長工程
基板110の主面の上に、低温バッファ層120と、n型コンタクト層130と、n型ESD層140と、n型SL層150と、発光層160と、p型クラッド層170と、p型コンタクト層180とを、この順序でエピタキシャル成長させる。
【0046】
4−5.電極形成工程
次に、p型コンタクト層180の側からn型コンタクト層130まで達する非貫通孔を掘る。そして、露出したn型コンタクト層130の上にn電極N1を形成する。一方、p型コンタクト層180の上にITO等から成るp電極P1を形成する。
【0047】
4−6.その他の工程
そして、パッシベーション膜F1を素子に形成する。また、その他の熱処理工程を実施してもよい。また、素子を分離する。以上により、発光素子100が製造される。
【0048】
5.実験
5−1.実験条件
ここで、本実施形態の基板のクリーニング方法を用いて製造したIII 族窒化物半導体発光素子の実験について説明する。この実験では、第2のクリーニング方法(実施例)および第3のクリーニング方法(比較例)により基板110のダストを除去した。
【0049】
表1および表2に示すように、クリーニング方法を実施する期間および基板110の温度は、第2のクリーニング方法および第3のクリーニング方法で共通である。第2のクリーニング方法の条件を表1に示す。クリーニングを実施する期間は、第1の期間の4.3分と第2の期間の2分とを合わせて6.3分であった。第2の期間における第2の流速を継続する時間を15秒とし、第2の期間における第3の流速を継続する時間を5秒とした。これらの繰り返し回数は、6回であった。そのため、第2の期間の合計時間は、2分であった。第1の期間におけるガスの第1の流速は、0.6m/secであった。第2の期間におけるガスの第2の流速は、0.9m/secであった。第2の期間におけるガスの第3の流速は、0.3m/secであった。なお、ガスの種類として、水素ガスを用いた。
【0050】
[表1]
第2のクリーニング方法(実施例)
期間 6.3分
第1の期間 4.3分
第2の期間 2分
第2の流速の継続時間 15秒
第3の流速の継続時間 5秒
繰り返し回数 6回
流速
第1の流速 0.6m/sec
第2の流速 0.9m/sec
第3の流速 0.3m/sec
基板温度
第1の期間の前の基板の温度 1250℃
第2の期間の後の基板の温度 350℃
【0051】
第3のクリーニング方法の条件を表2に示す。第3のクリーニング方法では、クリーニングを実施する期間を6.3分とした。そして、流速を一定の0.6m/secとした。
【0052】
[表2]
第3のクリーニング方法(比較例)
期間
期間 6.3分
流速
流速 0.6m/sec
基板温度
第1の期間の前の基板の温度 1250℃
第2の期間の後の基板の温度 350℃
【0053】
5−2.実験結果
実験結果を表3に示す。表3に示すように、第2のクリーニング方法を実施した場合には、ウエハ1枚に10個のダストが平均して存在していた。第3のクリーニング方法を実施した場合には、ウエハ1枚に19個のダストが平均して存在していた。このように、実施例に対応する第2のクリーニング方法では、比較例に対応する第3のクリーニング方法に比べて、ダストを十分に除去することができた。
【0054】
[表3]
クリーニング方法 ウエハ1枚当たりのダストの数(平均値)
第2のクリーニング方法 10個
第3のクリーニング方法 19個
【0055】
また、そのウエハから分離して製造される半導体発光素子の歩留まりは、次のようであった。すなわち、第2のクリーニング方法を用いた場合における不良品の割合は、0.21%であった。第3のクリーニング方法を用いた場合における不良品の割合は、0.77%であった。つまり、歩留まりは、0.56%ほど改善された。ただし、この評価は、ダストを原因とするものに限定したものであり、ダスト以外のその他の原因については含まれていない。
【0056】
6.変形例
6−1.製造装置の変形例
図2に示した製造装置1000とは異なる構成の製造装置を用いてもよい。
図2では、模式的に、基板110と流路上面1310とが平行に描かれている。しかし、例えば、ノズル1410から吸引部1420に向かうほど、基板110と流路上面1310との間の距離が狭くなるような構成としてもよい。このように、基板110と流路上面1310との間の距離が一様でない構成であってもよい。その場合には、ガスの流速は、ウエハの全面にわたって等しいわけではない。その場合には、ウエハのうちガスの流速が最も速くなる位置を基準とすればよい。基板110と流路上面1310との間の距離が一様でない場合には、その距離が最も狭い位置でのガスの流速を、第2の流速等として定義すればよい。
【0057】
また、本実施形態では、キャリアガスや原料ガスを横方向に流す製造装置1000を用いた。しかし、ノズルの方向は、横方向に限らない。チャンバーの中央に配置されたノズルからキャリアガス等を供給し、ノズルの周囲に配置された基板110をクリーニングする場合にも適用することができる。その場合には、ウエハ上の箇所のうちガスの流速が最も早くなる位置を基準とすればよい。つまり、ノズルからみて基板110における最も近い箇所でのガスの流速を、第2の流速等として定義すればよい。
【0058】
また、キャリアガスを横方向から流す製造装置に限らない。キャリアガスを上方から流すものであってもよい。また、製造装置の中心から噴き出して、外部に広がるようなものであってもよい。その場合であっても、ウエハの面内のうちガスの流速が最も速くなる位置で第2の流速等を定義すればよい。
【0059】
6−2.製造装置の種類
本実施形態では、MOCVD炉を用いて説明した。しかし、その他の気相エピタキシー法に用いる製造装置であれば、同様に適用することができる。
【0060】
6−3.クリーニングを実施するタイミング
本実施形態では、基板加熱工程(基板ベーク工程)の後に、基板のクリーニングを実施することとした。しかし、成長基板をサセプター1110に配置してから、成長基板の上に半導体層の形成を開始するまでの間に、基板のクリーニングを実施すればよい。ただし、基板のクリーニングにおいて、ガスを成長基板に吹き付けるため、成長基板の冷却時に行うとよい。クリーニングと基板の冷却とを同時に行うことができるからである。
【0061】
6−4.発光素子の種類
本実施形態では、フェイスアップ型の発光素子100を例に挙げて説明した。しかし、本実施形態以外にも、フリップチップ型の発光素子や基板リフトオフ型の発光素子に対しても、本発明を適用することができる。また、もちろん、本実施形態の半導体層の積層構造は例示であり、示したもの以外の構造であってもよい。
【0062】
6−5.ダストの種類
本実施形態において、基板110から除去するダストは、副生成物である。この副生成物は、Ga、In、Al、C等の元素を含む。しかし、チャンバーの開閉時に製造装置1000の内部にその他の粒子が入り込めば、その粒子が基板110に降り積もるおそれがある。本実施形態のクリーニング方法は、このような粒子をも除去することができる。
【0063】
6−6.第3の流速
本実施形態の第2のクリーニング方法では、第3の流速は、第1の流速および第2の流速のいずれよりも遅いこととした。しかし、第3の流速を、第1の流速以上であるとともに第2の流速よりも遅い流速としてもよい。この場合であっても、ガスが脈動しつつ基板に供給されることに変わりないからである。この場合には、第2の流速をより速い流速に設定することが好ましい。例えば、第2の流速を、第1の流速より0.2m/sec以上速い流速に設定する。この場合であっても、第2の流速は、10m/sec以下であるとよい。また、第3の流速を、0.2m/sec以上に設定するとよい。もちろん、第3の流速は、第2の流速よりも遅い。
【0064】
6−7.組み合わせ
以上の変形例を自由に組み合わせてもよい。
【0065】
7.本実施形態のまとめ
以上詳細に説明したように、本実施形態の発光素子100の製造方法では、第1のダスト除去工程および第2のダスト除去工程を実施する。第2のダスト除去工程では、第1のダスト除去工程とは別の流速で基板110に向けてガスを吹き付けるため、ダストを好適に除去することができる。これにより、歩留まりに優れたIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法が実現されている。
【0066】
なお、以上に説明した実施形態は単なる例示にすぎない。したがって当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。積層体の積層構造については、必ずしも図に示したものに限らない。積層構造や各層の繰り返し回数等、任意に選択してよい。また、有機金属気相成長法(MOCVD法)に限らない。キャリアガスを用いて結晶を成長させる方法であれば、他の方法を用いてもよい。
【0067】
8.付記
(1)ダスト除去工程では、基板の温度が350℃以上1250℃以下であること。
(2)基板に吹き付けるガスの種類が、H
2 と、N
2 と、NH
3 と、これらの混合ガスと、のうちのいずれかであること。
(3)第1の期間が3分以上10分以下であり、第2の期間が1分以上5分以下であること。
(4)高速期間と低速期間との繰り返し回数を5回以上10回以下とすること。
【符号の説明】
【0068】
100…発光素子
110…基板
N1…n電極
P1…p電極
1000…製造装置
1110…サセプター
1120…加熱器
1130…回転軸
1200…チャンバー
1310…流路上面
1320…流路下面
1330…流路側面
1410…ノズル
1420…吸引部
1500…制御部