(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6040975
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】スライドスイッチ
(51)【国際特許分類】
H01H 15/06 20060101AFI20161128BHJP
【FI】
H01H15/06
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-223583(P2014-223583)
(22)【出願日】2014年10月31日
(65)【公開番号】特開2016-91729(P2016-91729A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2015年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102500
【氏名又は名称】SMK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100072604
【弁理士】
【氏名又は名称】有我 軍一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140501
【弁理士】
【氏名又は名称】有我 栄一郎
(72)【発明者】
【氏名】前島 一友
(72)【発明者】
【氏名】川島 壮太
(72)【発明者】
【氏名】吉田 晴夫
【審査官】
竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭62−062724(JP,U)
【文献】
実開昭58−074725(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング基部にガイド部を突設したハウジングと、
第1の導通部を有し、前記ガイド部の一側面の一端部において前記第1の導通部が露出するよう前記ハウジングに組み込んだ第1の端子と、
第2の導通部を有し、前記ガイド部の一側面の他端部において前記第2の導通部が露出するよう前記ハウジングに組み込んだ第2の端子と、
コモン導通部を有し、前記ガイド部の他側面の略全長にわたって前記コモン導通部が露出するよう前記ハウジングに組み込んだコモン端子と、
前記ガイド部の突接端部に跨って往復移動する接触片と、
前記接触片に係合するスライダと、
前記ハウジングに前記スライダを前記ガイド部に沿って往復移動可能に保持するカバーと、を備え、
前記接触片は、前記ガイド部の突出端部に沿って延びる縦通部と、前記縦通部の両端部から中間部に向けて延出して、前記ガイド部の一端側に移動させたときに前記第1の端子の前記第1の導通部に接触し、前記ガイド部の他端側に移動させたときに前記第2の端子の前記第2の導通部に接触する板ばね状の一対の切換接片と、前記縦通部の両端部から中間部に向けて延出して、前記コモン端子の前記コモン導通部に常時接触する板ばね状の一対のコモン接片と、を有してなることを特徴とするスライドスイッチ。
【請求項2】
前記第1の導通部および前記第2の導通部と前記コモン導通部とは、ガイド部突出方向に対する位置がオーバーラップしないように構成され、
前記接触片は、前記切換接片または前記コモン接片のいずれか一方と協同して前記ガイド部を幅方向に挟持する押圧部を有してなることを特徴とする請求項1に記載のスライドスイッチ。
【請求項3】
前記第1の導通部および前記第2の導通部と前記コモン導通部とは、ガイド部長手方向に対する位置がオーバーラップするよう構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスライドスイッチ。
【請求項4】
前記ハウジング、前記スライダおよび前記カバーは、非導電性材料によって形成され、
前記スライダは、前記接触片を収容するボックス状の収容部と、収容部から突出するレバー部と、を有してなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のスライドスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、手動操作により回路を切り替えるスイッチとして、スライドスイッチが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図12、
図13に示すように、特許文献1に記載されたスライドスイッチ101は、基板102aに一対の突堤102bを突設したウエハ102と、突堤102bの一側面の一端部において導通部が露出するようウエハ102に一体成形した固定接片103と、突堤102bの一側面の他端部において導通部が露出するようウエハ102に一体成形した固定接片104と、突堤102bの一側面の中間部において導通部が露出するようウエハ102に一体成形した固定接片105と、突堤102bの突出端部に跨って往復移動する可動接片106と、可動接片106を収容する操作体107と、ウエハ102に操作体107を突堤102bに沿って往復移動するよう保持するカバー108と、を備えている。
【0003】
可動接片106は、一端側に突堤102bの長手方向および幅方向に対して交差する方向に延びる接点106aを有し、他端側に突堤102bの長手方向および幅方向に対して交差する方向に延びる接点106bを有している。
【0004】
固定接片103〜105は、突堤102bの一端側に可動接片106を移動させたときに、固定接片104に接点106bが接触するとともに、固定接片105に接点106aが接触するように構成され、突堤102bの他端側に可動接片106を移動させたときに、固定接片105に接点106bが接触するとともに、固定接片103に接点106aが接触するように構成されている。
【0005】
すなわち、スライドスイッチ101は、操作体107を操作して突堤102bの一端側に可動接片106を移動させると、固定接片104,105が導通するとともに、固定接片103,105が導通しない状態になり、操作体107を操作して突堤102bの他端側に可動接片106を移動させると、固定接片103,105が導通するとともに、固定接片104,105が導通しない状態になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−237546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したスライドスイッチ101は、固定接片103,固定接片105の各導通部に対する可動接片106の接点106aの接圧および固定接片104の導通部に対する接点106bの接圧を確保するために、接点106a,106bのばねスパンを長く設定すると、可動接片106が高さ方向に大きくなって、スライドスイッチ101の外形を小型化、とりわけ、低背化ができないという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、切換接片およびコモン接片ばねスパンを長く設定して適切な接圧を得た場合であっても、高さ方向に接触片が大きくならず、低背なスライドスイッチを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るスライドスイッチは、上記目的を達成するため、ハウジング基部にガイド部を突設したハウジングと、第1の導通部を有し、前記ガイド部の一側面の一端部において前記第1の導通部が露出するよう前記ハウジングに組み込んだ第1の端子と、第2の導通部を有し、前記ガイド部の一側面の他端部において前記第2の導通部が露出するよう前記ハウジングに組み込んだ第2の端子と、コモン導通部を有し、前記ガイド部の他側面の略全長にわたって前記コモン導通部が露出するよう前記ハウジングに組み込んだコモン端子と、前記ガイド部の突接端部に跨って往復移動する接触片と、前記接触片に係合するスライダと、前記ハウジングに前記スライダを前記ガイド部に沿って往復移動可能に保持するカバーと、を備え、前記接触片は、前記ガイド部の突出端部に沿って延びる縦通部と、前記縦通部の両端部から中間部に向けて延出して、前記ガイド部の一端側に移動させたときに前記第1の端子の前記第1の導通部に接触し、前記ガイド部の他端側に移動させたときに前記第2の端子の前記第2の導通部に接触する板ばね状の一対の切換接片と、前記縦通部の両端部から中間部に向けて延出して、前記コモン端子の前記コモン導通部に常時接触する板ばね状の一対のコモン接片と、を有している。
【0010】
この構成により、本発明に係るスライドスイッチは、縦通部の両端部から中間部に向けて延出する板ばね状の一対の切換接片が、ガイド部の一側面の一端部において露出する第1の端子の第1の導通部、またはガイド部の一側面の他端部において露出する第2の端子の第2の導通部に択一的に接触し、縦通部の両端部から中間部に向けて延出する板ばね状の一対のコモン接片が、ガイド部の他側面の略全長にわたって露出するコモン端子のコモン導通部に常時接触する。よって、本発明に係るスライドスイッチは、切換接片およびコモン接片のばねスパンを長くし適切な接圧を得た場合であっても、接触片が高さ方向に大きくならず、外形が低背となる。
【0011】
また、本発明に係るスライドスイッチにおいて、前記第1の導通部および前記第2の導通部と前記コモン導通部とは、ガイド部突出方向に対する位置がオーバーラップしないように構成され、前記接触片は、前記切換接片または前記コモン接片のいずれか一方と協同して前記ガイド部を幅方向に挟持する押圧部を有してなる構成とすることが好ましい。
【0012】
この構成により、本発明に係るスライドスイッチは、第1の導通部および第2の導通部に対するコモン導通部の位置が、ガイド部突出方向にオーバーラップしないため、ガイド部の幅寸法を縮小させることができるので、スライドスイッチのさらなる小型化が可能となる。
【0013】
これに加えて、押圧部が切換接片またはコモン接片のいずれか一方と協同してガイド部を幅方向に挟持するので、接触片がガイド部の幅方向に傾かず、第1の端子の第1の導通部および第2の端子の第2の導通部に切換接片を安定した状態で接触させることかできるとともに、コモン端子のコモン導通部にコモン接片を安定した状態で接触させることができる。
【0014】
また、本発明に係るスライドスイッチにおいて、前記第1の導通部および前記第2の導通部と前記コモン導通部は、ガイド部長手方向に対する位置がオーバーラップするよう構成されることが好ましい。
【0015】
この構成により、本発明に係るスライドスイッチは、第1の導通部および第2の導通部に対するコモン導通部の位置が、ガイド部長手方向へオーバーラップするため、ガイド部の長手方向の寸法を縮小させることができるので、スライドスイッチのさらなる小型化が可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、切換接片およびコモン接片のばねスパンを長く設定しても、接触片が高さ方向に大きくならず、低背なスライドスイッチを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施の形態に係るスライドスイッチを構成するハウジング、接触片、スライダ、カバーの単体を一側上方から臨んだ斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るスライドスイッチの横断面図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係るスライドスイッチを構成するハウジングに第1の端子、第2の端子およびコモン端子を組み付けたものを他側下方から臨んだ斜視図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係るスライドスイッチを構成するハウジングに第1の端子、第2の端子およびコモン端子を組み付けた状態の側面図であり、(a)は一側から臨んだ図、(b)は他側から臨んだ図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係るスライドスイッチを構成する第1の端子、第2の端子およびコモン端子の斜視図であり、(a)は一側上方から臨んだ図、(b)は他側下方から臨んだ図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係るスライドスイッチを構成する接触片を他側下方から臨んだ斜視図である。
【
図7】本発明の実施の形態に係るスライドスイッチを構成する接触片の側面図であり、(a)は一側から臨んだ図、(b)は他側から臨んだ図である。
【
図8】本発明の実施の形態に係るスライドスイッチを構成するスライダを一側下方から臨んだ斜視図ある。
【
図9】本発明の実施の形態に係るスライドスイッチを構成するハウジングにスライダ等を組み付けたものを一側上方から臨んだ斜視図である。
【
図10】本発明の実施の形態に係るスライドスイッチを構成するカバーの一側下方から臨んだ斜視図である。
【
図11】本発明の実施の形態に係るスライドスイッチを構成するハウジングにスライダ、カバー等を組み付けたものを一側上方から臨んだ斜視図である。
【
図12】従来のスライドスイッチを構成するウエハ、可動接片、操作体、カバーの単体を一側上方から臨んだ斜視図である。
【
図13】従来のスライドスイッチの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係るスライドスイッチについて、図面を参照して説明する。
【0019】
図1〜
図5に示すように、本実施の形態に係るスライドスイッチ1は、ハウジング基部11に、ハウジング基部11に沿って延びるガイド部12を突設したハウジング10と、第1の導通部21を有し、ガイド部12の一側面の一端部において第1の導通部21が露出するようハウジング10に組み込んだ第1の端子20と、第2の導通部31を有し、ガイド部12の一側面の他端部において第2の導通部31が露出するようハウジング10に組み込んだ第2の端子30と、コモン導通部41を有し、ガイド部12の他側面の略全長にわたってコモン導通部41が露出するようハウジング10に組み込んだコモン端子40と、ガイド部12の突接端部に跨って往復移動する接触片50と、接触片50に係合するスライダ60と、ハウジング10にスライダ60をガイド部12に沿って往復移動可能に保持するカバー70と、を備えている。
【0020】
ハウジング10は、
図3、
図4(a)、
図4(b)に示すように、平面形状が細長い略矩形に形成されたハウジング基部11と、ハウジング基部11の中央部から上方に突出して部材長手方向に延びるガイド部12と、ハウジング基部11の部材長手方向両端部から上側に突出するフック部13と、ハウジング基部11の部材幅方向両縁部から左右に突出する突起部14を有している。ハウジング10を構成するハウジング基部11、ガイド部12、フック部13および突起部14は、樹脂材料(非導電性材料)により一体成形されている。
【0021】
第1の端子20は、
図4(a)、
図4(b)、
図5(a)、
図5(b)に示すように、第1の導通部21と電気的に一体な第1の接続部22を有し、第1の導通部21がガイド部12の一側面に対して段差がない面一となり、第1の接続部22がハウジング基部11を部材厚み方向に貫通して外部に突出するようにハウジング10にインサート成形されている。
【0022】
第2の端子30は、
図4(a)、
図4(b)、
図5(a)、
図5(b)に示すように、第2の導通部31と電気的に一体な第2の接続部32を有し、第2の導通部31がガイド部12の一側面に対して段差がない面一となり、第2の接続部32がハウジング基部11を部材厚み方向に貫通して外部に突出するようにハウジング10にインサート成形されている。
【0023】
コモン端子40は、
図4(a)、
図4(b)、
図5(a)、
図5(b)に示すように、コモン導通部41と電気的に一体なコモン接続部42を有し、コモン導通部41がガイド部12の他側面に対して段差がない面一となり、コモン接続部42がハウジング基部11を部材厚み方向に貫通して外部に突出するようにハウジング10にインサート成形されている。
【0024】
第1の接続部22、第2の接続部32およびコモン接続部42は、例えば、半田付けによって図示しない基板の導電層等に電気的に接続されるようになっている。
【0025】
第1の導通部21および第2の導通部31とコモン導通部41とは、
図2、
図4(a)、
図4(b)に示すように、ガイド部突出方向に対する位置がオーバーラップしないように構成されている。より具体的に述べると、第1の端子20および第2の端子30とコモン端子40とは、第1の導通部21および第2の導通部31とコモン導通部41との上下方向の位置がオーバーラップしないようにハウジング10に組み込まれている。
【0026】
また、第1の導通部21および第2の導通部31とコモン導通部41とは、
図2、
図4(a)、
図4(b)に示すように、ガイド部長手方向に対する位置がオーバーラップするように構成されている。より具体的に述べると、第1の端子20および第2の端子30とコモン端子40とは、第1の導通部21および第2の導通部31とコモン導通部41とのガイド部長手方向の位置がオーバーラップするようにハウジング10に組み込まれている。
【0027】
接触片50は、
図2、
図6、
図7(a)、
図7(b)に示すように、ガイド部12の突出端部に沿って延びる縦通部51と、縦通部51の一側縁部の両端部から中間部に向けて延出して、ガイド部12の一端側に移動させたときに第1の端子20の第1の導通部21に接触し、ガイド部12の他端側に移動させたときに第2の端子30の第2の導通部31に接触する板ばね状の一対の切換接片52と、縦通部51の他側縁部の両端部から中間部に向けて延出して、コモン端子40のコモン導通部41に常時接触する板ばね状の一対のコモン接片53と、により構成されている。
【0028】
また、接触片50は、
図2に示すように、切換接片52と協同してガイド部12を幅方向に挟持する押圧部54を有している。縦通部51の他側縁部の両端部に連なり、コモン接片53を下側から囲むとともに、ガイド部12の他側面を押圧するようになっている。接触片50を構成する縦通部51、切換接片52、コモン接片53および押圧部54は、金属板により一体成形されている。
【0029】
スライダ60は、
図8、
図9に示すように、ガイド部12に跨った状態の接触片50に上側から覆い被って接触片50を収容するボックス状の収容部61と、収容部61から上側に突出するレバー部62と、を有している。スライダ60を構成する収容部61およびレバー部62は、樹脂材料(非導電性材料)により一体成形されている。収容部61の内部の寸法は、ガイド部12長手方向への接触片50の移動を許容し、収容部61に対して接触片50が前後方向、左右方向および上下方向にずれないように設定されている。
【0030】
スライダ60は、接触片50の切換接片52が第1の端子20の第1の導通部21に接触したときに、収容部61の一端面がハウジング基部11の部材長手方向一端部のフック部13に当接し、接触片50の切換接片52が第2の端子30の第2の導通部31に接触したときに、収容部61の他端面がハウジング基部11の部材長手方向他端部のフック部13に当接して、移動が規制されるようになっている。
【0031】
カバー70は、
図10、
図11に示すように、接触片50を収容しているスライダ60の収容部61およびハウジング10のハウジング基部11に上側から覆い被って収容部61およびハウジング基部11を内包するボックス状に形成され、樹脂材料(非導電性材料)により一体成形されている。
【0032】
カバー70は、中央上部にスライダ60のレバー部62が挿通される開口部71を有し、長手方向両端上部にハウジング10のフック部13が係合する係合孔72を有し、長手方向両端下縁部にハウジング基部11の部材長手方向端部が嵌まり込む第1の凹部73を有し、幅方向両縁部にハウジング基部11から突出する突起部14が嵌まり込む第2の凹部74を有している。
【0033】
カバー70の内部の寸法と開口部71の形状とは、ガイド部12長手方向へのスライダ60の移動を許容し、カバー70に対してスライダ60が左右方向および上下方向にずれないように設定されている。
【0034】
本実施の形態に係るスライドスイッチ1は、スライダ60を操作することにより、ハウジング基部11の部材長手方向一端部側に接触片50を移動させると、第1の端子20の第1の導通部21に切換接片52が接触し、コモン端子40と第1の端子20とが接触片50を介して導通する状態になる。
【0035】
また、本実施の形態に係るスライドスイッチ1は、スライダ60を操作することにより、ハウジング基部11の部材長手方向他端部側に接触片50を移動させると、第2の端子30の第2の導通部31に切換接片52が接触し、コモン端子40と第2の端子30とが接触片50を介して導通する状態になる。
【0036】
本実施の形態に係るスライドスイッチ1は、縦通部51の両端部から中間部に向けて延出する板ばね状の一対の切換接片52が、ガイド部12の一側面の一端部において露出する第1の端子20の第1の導通部21、またはガイド部12の一側面の他端部において露出する第2の端子30の第2の導通部31に択一的に接触し、縦通部51の両端部から中間部に向けて延出する板ばね状の一対のコモン接片53が、ガイド部12の他側面の略全長にわたって露出するコモン端子40のコモン導通部41に常時接触する。このため、本実施の形態に係るスライドスイッチ1は、切換接片52およびコモン接片53のばねスパンを長くして適切な接圧を得た場合であっても、接触片50が高さ方向に大きくならず、外形が低背となる。
【0037】
本実施の形態に係るスライドスイッチ1は、第1の導通部21および第2の導通部31に対するコモン導通部41の位置が、ガイド部突出方向(高さ方向)にオーバーラップしないため、ガイド部12の幅寸法を縮小させることができるので、スライドスイッチのさらなる小型化が可能となる。
【0038】
本実施の形態に係るスライドスイッチ1は、第1の導通部21および第2の導通部31に対するコモン導通部41の位置が、ガイド部長手方向へオーバーラップするため、ガイド部12の長手方向の寸法を縮小させることができるので、スライドスイッチのさらなる小型化が可能となる。
【0039】
本実施の形態に係るスライドスイッチ1は、押圧部54が切換接片52と協同してガイド部12を幅方向に挟持するので、接触片50がガイド部12の幅方向に傾かず、第1の端子20の第1の導通部21および第2の端子30の第2の導通部31に切換接片52を安定した状態で接触させることができるとともに、コモン端子40のコモン導通部41にコモン接片53を安定した状態で接触させることができる。
【0040】
本実施の形態に係るスライドスイッチ1は、ハウジング10、スライダ60およびカバー70を樹脂材料によって形成し、スライダ60のボックス状の収容部61に接触片50を収容しているので、人間がスライドスイッチ1を操作する際に静電印加点となるレバー部62の先端部から第1の端子20、第2の端子30およびコモン端子40までの沿面距離を長くすることができ、従来のものと比べて静電耐圧性が向上する。
【0041】
また、他の実施の形態として、第1の導通部および第2の導通部とコモン導通部との上下位置を逆転させるとともに、切換接片とコモン接片の上下位置を逆転させ、押圧部がコモン接片と協同してガイド部を幅方向に挟持する構成を採れる。
【0042】
以上のように、本発明に係るスライドスイッチは、切換接片およびコモン接片のばねスパンを長く設定して適切な接圧を得た場合であっても、接触片が高さ方向に大きくならず、外形を低背化できるので、各種のスライドスイッチに有用である。
【符号の説明】
【0043】
1 スライドスイッチ
10 ハウジング
11 ハウジング基部
12 ガイド部
20 第1の端子
21 第1の導通部
30 第2の端子
31 第2の導通部
40 コモン端子
41 コモン導通部
50 接触片
51 縦通部
52 切換接片
53 コモン接片
54 押圧部
60 スライダ
61 収容部
62 レバー部
70 カバー