(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ディスプレイの水平方向における端部のうち一方の端部と隣接する前記筐体の端部は、前記ディスプレイの水平方向における端部のうち他方の端部と隣接する前記筐体の端部よりも、前記車両を平面視した際、前側に配置されている、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態1にかかる表示制御装置1を含む表示システム101を示すブロック図である。
図1に示すように、表示システム101は、表示装置10とカメラ15とを備える。表示装置10は、筐体11、センサ12、ディスプレイ13、及び制御部14を備える。ここで、筐体11、センサ12、及び制御部14は、表示制御装置1を構成している。カメラ15は駆動部16と撮像部17とを備える。なお、
図1では制御部14が表示装置10に組み込まれている構成例を示しているが、制御部14は表示装置10と別に設けられていてもよい。
【0012】
表示装置10が備える筐体11はディスプレイ13を収容する。また、筐体11はディスプレイ13と独立して変位可能に構成されている(詳細な構成は後述する)。センサ12は、筐体11の変位を検出する。センサ12で検出された筐体11の変位に関する情報(変位方向、変位量)は、制御部14に供給される。ディスプレイ13は、カメラ15で撮影された映像を表示する。
【0013】
カメラ15は、カメラ15が配置されている場所の映像を撮影する。具体的には、カメラ15は、撮像部17を用いて映像を撮影する。また、駆動部16は、撮像部17を駆動して、撮像部17で撮影される映像の方向を変更する。
【0014】
制御部14は、センサ12で検出された筐体11の変位方向と対応する方向の映像がディスプレイ13に表示されるように、ディスプレイ13に表示される映像を制御する。具体的には、制御部14は、センサ12で検出された筐体11の変位方向と対応する方向の映像が撮像部17で撮影されるように、駆動部16を制御する。撮像部17で撮影された映像は、制御部14を介してディスプレイ13に供給される。これにより、ディスプレイ13には、センサ12で検出された筐体11の変位方向と対応する方向の映像が表示される。
【0015】
本実施の形態にかかる表示制御装置1は、例えば、カメラを用いて車両の周辺領域を撮影し、この撮影された映像をディスプレイに表示する表示システムに用いることができる。以下では、一例として本実施の形態にかかる発明を車載用の表示システムに適用した場合について説明するが、本実施の形態にかかる発明は車載用の表示システム以外にも適用することができる。
【0016】
図2は、表示装置10の一例を示す斜視図であり、車両のサイドミラー(左側)と同じような目的で使用される表示装置10を示している。また、
図3は、
図2の切断線III−IIIにおける断面図、つまり、表示装置10を水平面で切断した断面図である。
図4は、
図2の切断線IV−IVにおける断面図、つまり、表示装置10を垂直面で切断した断面図である。
【0017】
図2〜
図4に示すように、表示装置10が備える筐体11はディスプレイ13を収容している。具体的には、筐体11は、ディスプレイ13の周囲が筐体11で覆われるように、ディスプレイ13を収容している。ディスプレイ13には、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイを用いることができる。また、筐体11は金属材料や樹脂材料を用いて構成することができる。
【0018】
図3、
図4に示すように、筐体11の内部には垂直方向に伸びる柱状部材21が設けられている。ディスプレイ13は、柱状部材21から水平方向に伸びる連結部材22を用いて柱状部材21に取り付けられている。このとき、ディスプレイ13と柱状部材21との相対的な位置関係が変化しないように、ディスプレイ13を柱状部材21に固定してもよい。また、運転者からみたディスプレイ13の角度が調整できるように、ディスプレイ13を柱状部材21に取り付けてもよい。柱状部材21は、土台29(例えば、車両のダッシュボード)に固定されている。
【0019】
筐体11は、連結部材23、24、及び回転部材25を用いて柱状部材21に取り付けられている。具体的には、連結部材23は、柱状部材21と回転部材25とを連結している。連結部材24は、回転部材25と筐体11とを連結している。回転部材25は、連結部材23と連結部材24との相対的な位置が可変となるように、連結部材23と連結部材24とを接続している。このような構成により、筐体11と柱状部材21との相対的な位置が可変となるように、筐体11を柱状部材21に取り付けることができる。つまり、筐体11はディスプレイ13と独立して変位することができる。
図4に示すように、筐体11の底部26の一部は、筐体11が変位した際に柱状部材21と干渉しないように刳り貫かれている(符号27参照)。
【0020】
回転部材25には、筐体11の柱状部材21に対する変位、換言すると、連結部材23と連結部材24との相対的な変位を検出するためのセンサ(不図示。
図1のセンサ12に相当)が設けられている。例えば、センサは、柱状部材21に対する筐体11の水平方向における変位を検出するロータリエンコーダと、柱状部材21に対する筐体11の垂直方向における変位を検出するロータリエンコーダと、を用いて構成することができる。これにより、柱状部材21に対する筐体11の変位情報(変位量、変位方向)を取得することができる。
【0021】
次に、
図1に示した表示装置10の他の構成例として、車両のバックミラーと同じような目的で使用される表示装置30について、
図5〜
図7を用いて説明する。
図5は、表示装置30を示す斜視図である。
図6は、
図5の切断線VI−VIにおける断面図、つまり、表示装置30を水平面で切断した断面図である。
図7は、
図5の切断線VII−VIIにおける断面図、つまり、表示装置30を垂直面で切断した断面図である。
【0022】
図5〜
図7に示すように、表示装置30が備える筐体11’はディスプレイ13’を収容している。具体的には、筐体11’は、ディスプレイ13’の周囲が筐体11’で覆われるように、ディスプレイ13’を収容している。ディスプレイ13’には、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイを用いることができる。また、筐体11’は金属材料や樹脂材料を用いて構成することができる。
【0023】
図6、
図7に示すように、筐体11’の内部には垂直方向に伸びる柱状部材31が設けられている。ディスプレイ13’は、柱状部材31から水平方向に伸びる連結部材32を用いて柱状部材31に取り付けられている。このとき、ディスプレイ13’と柱状部材31との相対的な位置関係が変化しないように、ディスプレイ13’を柱状部材31に固定してもよい。また、運転者からみたディスプレイ13’の角度が調整できるように、ディスプレイ13’を柱状部材31に取り付けてもよい。柱状部材31は、土台39(例えば、車両の前方上部)に固定されている。
【0024】
筐体11’は、連結部材33、34、及び回転部材35を用いて柱状部材31に取り付けられている。具体的には、連結部材33は、柱状部材31と回転部材35とを連結している。連結部材34は、回転部材35と筐体11’とを連結している。回転部材35は、連結部材33と連結部材34との相対的な位置が可変となるように、連結部材33と連結部材34とを接続している。このような構成により、筐体11’と柱状部材31との相対的な位置が可変となるように、筐体11’を柱状部材31に取り付けることができる。つまり、筐体11’はディスプレイ13’と独立して変位することができる。
図7に示すように、筐体11’の上部36の一部は、筐体11’が変位した際に柱状部材31と干渉しないように刳り貫かれている(符号37参照)。
【0025】
回転部材35には、筐体11’の柱状部材31に対する変位、換言すると、連結部材33と連結部材34との相対的な変位を検出するためのセンサ(不図示。
図1のセンサ12に相当)が設けられている。例えば、センサは、柱状部材31に対する筐体11’の水平方向における変位を検出するロータリエンコーダと、柱状部材31に対する筐体11’の垂直方向における変位を検出するロータリエンコーダと、を用いて構成することができる。これにより、柱状部材31に対する筐体11’の変位情報(変位量、変位方向)を取得することができる。
【0026】
図8は、
図2〜
図4に示した表示装置10(
図8では、左側の表示装置10_1および右側の表示装置10_2を示している)、及び
図5〜
図7に示した表示装置30の配置例を示す図である。左側の表示装置10_1は、ハンドル45に向かって左側のダッシュボード46の上に配置されている。右側の表示装置10_2は、ハンドル45に向かって右側のダッシュボード46の上に配置されている。表示装置30は、車両の前方上部に配置されている。なお、
図8に示した表示装置10_1、10_2、30の配置例は一例であり、本実施の形態ではこれ以外の配置としてもよい。
【0027】
次に、
図1に示したカメラ15の配置例について説明する。
図9は、カメラ15の配置例を示す上面図である。なお、
図9では、3台のカメラ15a、15b、15cを配置している例を示しているが、本実施の形態では、カメラの数はこれに限定されることはない。表示装置の数についても同様である。
【0028】
図9に示すように、カメラ15aは、車両40の左側のサイドミラーに対応する位置に配置されている。カメラ15aは車両40の周辺領域のうち、車両40の左側を撮影する(撮影範囲を符号50aで示している)。カメラ15aで撮影された映像は、
図8に示した表示装置10_1に表示される。同様に、カメラ15bは、車両40の右側のサイドミラーに対応する位置に配置されている。カメラ15bは車両40の周辺領域のうち、車両40の右側を撮影する(撮影範囲を符号50bで示している)。カメラ15bで撮影された映像は、
図8に示した表示装置10_2に表示される。カメラ15cは、車両40の後方に配置されている。カメラ15cは車両40の周辺領域のうち、車両40の後方を撮影する(撮影範囲を符号50cで示している)。カメラ15cで撮影された映像は、
図8に示した表示装置30に表示される。
【0029】
次に、
図1、
図10を用いて、本実施の形態にかかる表示制御装置1の動作について説明する。以下では、車両40の左側に取り付けられているカメラ15aで撮影された映像を、車両内の表示装置10_1(
図8参照)に表示する場合を例として説明する。
【0030】
図10の上図は、カメラ15aが車両40の左側の撮影範囲50aを撮影している場合を示している。このとき、表示装置10には撮影範囲50aに対応する方向の映像が表示される。
【0031】
表示装置10の筐体11を、車両40の上部から見て右回りに回すと、
図10の左下図に示すように、車両40のカメラ15aの撮影範囲が撮影範囲51aに変化する。つまり、カメラ15aの撮影範囲が車両から離れる方向に変化する。また、表示装置10の筐体11を左回りに回すと、
図10の右下図に示すように、車両40のカメラ15aの撮影範囲が撮影範囲52aに変化する。つまり、カメラ15aの撮影範囲が車両に近づく方向に変化する。
【0032】
すなわち、表示装置10の筐体11を変位させると、回転部材25(
図3参照)に取り付けられているセンサ12(
図1参照)が筐体11の変位を検出し、この変位に関する情報を制御部14に供給する。制御部14は、センサ12で検出された筐体11の変位方向と対応する方向の映像がカメラ15aで撮影されるように、駆動部16を用いて撮像部17を駆動する。これにより、車両40のカメラ15aの撮影範囲がそれぞれ撮影範囲51a、52aとなる。そして、撮像部17で撮影された映像は、制御部14を介して表示装置10_1のディスプレイ13に供給される。これにより、ディスプレイ13には、センサ12で検出された筐体11の変位方向と対応する方向の映像が表示される。
【0033】
なお、
図10では、筐体11を右回り又は左回りに変位させた場合について説明した。しかし、本実施の形態にかかる表示制御装置1では、運転者からみて上下方向に筐体11を動かした場合についても、上記で説明した手法を用いて、筐体11の変位方向と対応する方向の映像をディスプレイ13に表示することができる。
【0034】
また、例えば、筐体11を平面視した際に筐体11が最も右回りに回転している位置は、撮像部17を平面視した際に駆動部16が撮像部17を最も右回りに回転している位置に対応している。つまり、この場合は、カメラ15aの撮影範囲51aが車両40に対して最も外側の位置となる(
図10の左下図を参照)。同様に、例えば、筐体11を平面視した際に筐体11が最も左回りに回転している位置は、撮像部17を平面視した際に駆動部16が撮像部17を最も左回りに回転している位置に対応している。つまり、この場合は、カメラ15aの撮影範囲52aが車両40に対して最も内側の位置となる(
図10の右下図を参照)。
【0035】
なお、筐体11を運転者からみて上下方向に動かした場合の動作についても、上記で説明した動作と同様である。すなわち、筐体11が最も上を向いている位置、換言すると、
図4において筐体11が回転部材25を中心に最も左回りに回転している位置は、駆動部16が撮像部17を最も上向きにしている位置に対応している。つまり、この場合は、カメラ15の撮影範囲は最も上向きとなる。また、筐体11が最も下を向いている位置、換言すると、
図4において筐体11が回転部材25を中心に最も右回りに回転している位置は、駆動部16が撮像部17を最も下向きにしている位置に対応している。つまり、この場合は、カメラ15の撮影範囲は最も下向きとなる。
【0036】
背景技術で説明したように、カメラを用いて車両の周辺領域を撮影し、この映像を車両内に配置されたディスプレイに表示する表示システムは、運転者から見えない部分(死角)を減らす(又は無くす)ことができるため、車両の安全性を高めるシステムとして有効である。
【0037】
このような表示システムでは、運転者が必要としている映像がディスプレイに表示されるように、カメラで撮影する方向を調整する必要がある。例えば、運転者は、運転をする前に、カメラで撮影する方向を調整し、ディスプレイに表示される映像の方向を調整する必要がある。しかしながら、ディスプレイに表示される映像の方向の調整が煩雑になると、映像の方向の調整に時間がかかってしまうという問題があった。
【0038】
そこで、本実施の形態にかかる表示制御装置1では、筐体11をディスプレイ13と独立して変位可能に構成し、筐体11の変位方向と対応する方向の映像がディスプレイ13に表示されるように構成している。よって、筐体11を動かすだけでディスプレイ13に表示される映像の方向を変更することができるので、ディスプレイ13に表示される映像の方向の調整が容易になる。
【0039】
以上で説明した本実施の形態にかかる発明により、ディスプレイに表示される映像の方向を容易に変更することが可能な表示制御装置を提供することができる。
【0040】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
図11は、本実施の形態にかかる表示制御装置2を含む表示システム102を示すブロック図である。上記で説明した実施の形態1(
図1参照)では、筐体11の変位方向と対応する方向の映像をディスプレイ13に表示する際、撮像部17を駆動部16で駆動することで、撮像部17で撮影される映像の方向を変更していた。これに対して本実施の形態にかかる表示制御装置2では、筐体11の変位方向と対応する方向の映像をディスプレイ13に表示する際、カメラ62で撮影された映像の切り出し位置を変更している。これ以外は実施の形態1で説明した表示制御装置1を含む表示システム101と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0041】
図11に示すように、表示システム102は、表示装置10’とカメラ62とを備える。表示装置10’は、筐体11、センサ12、ディスプレイ13、及び制御部61を備える。ここで、筐体11、センサ12、及び制御部61は、表示制御装置2を構成している。カメラ62は撮像部63を備える。なお、
図11では制御部61が表示装置10’に組み込まれている構成例を示しているが、制御部61は表示装置10’と別に設けられていてもよい。
【0042】
本実施の形態においても、筐体11はディスプレイ13と独立して変位可能に構成されている。センサ12は、筐体11の変位を検出する。センサ12で検出された筐体11の変位に関する情報(変位方向、変位量)は、制御部61に供給される。ディスプレイ13は、カメラ62で撮影された映像を表示する。
【0043】
カメラ62は、車両の周辺領域を撮影する。具体的には、車両の周辺領域は、カメラ62が備える撮像部63を用いて撮影される。カメラ62は車両の所定の箇所に固定されており、カメラ62で撮影される範囲(画角)は所定の範囲に固定されている。このため、本実施の形態では、カメラ62として画角の広いカメラを用いることが好ましい。
【0044】
制御部61は、センサ12で検出された筐体11の変位方向と対応する方向の映像がディスプレイ13に表示されるように、ディスプレイ13に表示される映像を制御する。具体的には、制御部61は、センサ12で検出された筐体11の変位方向と対応するように、カメラ62で撮影された映像の切り出し位置を変更する。つまり、カメラ62の撮像部63で撮影された映像は、制御部61に供給される。制御部61は、撮像部63から供給された映像から、センサ12で検出された筐体11の変位方向と対応する方向の映像を切り出し、切り出した映像をディスプレイ13に供給する。これにより、ディスプレイ13には、センサ12で検出された筐体11の変位方向と対応する方向の映像が表示される。
【0045】
図12は、カメラ62の配置例を示す上面図である。なお、
図12では、3台のカメラ62a、62b、62cを配置している例を示しているが、本実施の形態では、カメラの数はこれに限定されることはない。表示装置10の数についても同様である。
【0046】
図12に示すように、カメラ62aは、車両43の左側のサイドミラーに対応する位置に配置されている。カメラ62aは車両43の周辺領域のうち、車両43の左側を撮影する(撮影範囲を符号55aで示している)。カメラ62aで撮影された映像は、
図8に示した表示装置10_1に表示される。同様に、カメラ62bは、車両43の右側のサイドミラーに対応する位置に配置されている。カメラ62bは車両43の周辺領域のうち、車両43の右側を撮影する(撮影範囲を符号55bで示している)。カメラ62bで撮影された映像は、
図8に示した表示装置10_2に表示される。カメラ62cは、車両43の後方に配置されている。カメラ62cは車両43の周辺領域のうち、車両43の後方を撮影する(撮影範囲を符号55cで示している)。カメラ62cで撮影された映像は、
図8に示した表示装置30に表示される。
【0047】
本実施の形態では、カメラ62が車両に固定されており、撮像部63が変位しない構成であるため、各々のカメラ62a、62b、62cで撮影される範囲はそれぞれ、撮影範囲55a、55b、55cに固定されている。このため、本実施の形態では、カメラ62a、62b、62cとして画角の広いカメラを用いることが好ましい。例えば、
図12に示す各々のカメラ62a、62b、62cの撮影範囲55a、55b、55cは、
図9に示した各々のカメラ15a、15b、15cの撮影範囲50a、50b、50cと比べて広くなっている。
【0048】
次に、
図11〜
図13を用いて、本実施の形態にかかる表示制御装置2の動作について説明する。以下では、車両43の左側に取り付けられているカメラ62a(
図12参照)で撮影された映像を、車両内の表示装置10_1(
図8参照)に表示する場合を例として説明する。
図13において、カメラ62aで撮影された映像は符号70で示している。
【0049】
図13の上図は、カメラ62aで撮影された映像70のうち中央部を切り出し位置71としている場合を示している。このとき、表示装置10’には切り出し位置71の映像が表示される。
【0050】
表示装置10’の筐体11を車両43の上部から見て右回りに回すと、制御部61は、
図13の左下図に示すように、カメラ62aで撮影された映像70の切り出し位置を、筐体11の変位方向と対応するように左側に移動させる。つまり、切り出し位置を車両から離れる側に移動させる。例えば、制御部61は、カメラ62aで撮影された映像70の左側を切り出し位置72とする。このとき、表示装置10’には切り出し位置72の映像が表示される。
【0051】
同様に、表示装置10’の筐体11を左回りに回すと、制御部61は、
図13の右下図に示すように、カメラ62aで撮影された映像70の切り出し位置を、筐体11の変位方向と対応するように右側に移動させる。つまり、切り出し位置を車両に近づく側に移動させる。例えば、制御部61は、カメラ62aで撮影された映像70の右側を切り出し位置73とする。このとき、表示装置10’には切り出し位置73の映像が表示される。
【0052】
つまり、表示装置10’の筐体11を変位させると、回転部材25(
図3参照)に取り付けられているセンサ12(
図11参照)が筐体11の変位を検出し、この変位に関する情報を制御部61に供給する。制御部61は、センサ12で検出された筐体11の変位方向と対応する方向の映像を切り出し、切り出した映像をディスプレイ13に供給する。これにより、ディスプレイ13には、センサ12で検出された筐体11の変位方向と対応する方向の映像が表示される。
【0053】
なお、
図13では、筐体11を右回り又は左回りに変位させた場合について説明した。しかし、本実施の形態にかかる表示制御装置2では、運転者からみて筐体11を上下方向に動かした場合についても、上記で説明した手法を用いて、筐体11の変位方向と対応する方向の映像をディスプレイ13に表示することができる。
【0054】
また、例えば、筐体11を平面視した際に筐体11が最も右回りに回転している位置は、カメラ62aで撮影された映像70の左端部における切り出し位置72に対応している(
図13の左下図)。同様に、例えば、筐体11を平面視した際に筐体11が最も左回りに回転している位置は、カメラ62aで撮影された映像70の右端部における切り出し位置73に対応している(
図13の右下図)。
【0055】
なお、筐体11を運転者からみて上下方向に動かした場合の動作についても、上記で説明した動作と同様である。すなわち、筐体11が最も上を向いている位置、換言すると、
図4において筐体11が回転部材25を中心に最も左回りに回転している位置は、カメラ62aで撮影された映像70の切り出し位置を上端部とした場合に対応している。また、筐体11が最も下を向いている位置、換言すると、
図4において筐体11が回転部材25を中心に最も右回りに回転している位置は、カメラ62aで撮影された映像70の切り出し位置を下端部とした場合に対応している。
【0056】
以上で説明した本実施の形態にかかる発明により、ディスプレイに表示される映像の方向を容易に変更することが可能な表示制御装置を提供することができる。
【0057】
<その他の実施の形態>
次に、その他の実施の形態について説明する。
図14は、表示装置の他の構成例を示す断面図である。本実施の形態では、表示装置80を構成する際、
図14の上図に示すように、ディスプレイ13の水平方向における端部82、83のうち運転者側に近い方の端部82と隣接する筐体81の端部84が、車両の前側に配置されるように構成してもよい。つまり、筐体81の端部84が、運転者側から遠い方の端部85よりも、筐体81を平面視した際、車両の前側に配置されるように構成してもよい。ここで、運転者の視線方向は矢印89で示している。
【0058】
すなわち、
図3に示した表示装置10では、筐体11を右回りに回転させた際、ディスプレイ13の紙面右側の端部が筐体11の紙面右側の端部で隠れてしまう場合があった。これに対して、
図14に示した表示装置80では、筐体81を平面視した際、筐体81の端部84の位置が車両の前側に配置されるように、換言すると、ディスプレイ13の端部82よりも車両の前側に配置されるように構成している。よって、
図14の下図に示すように、筐体81を右回りに回転させた際に、ディスプレイ13の端部82側が筐体81の端部84で隠れてしまうことを抑制することができる。なお、このような構成は、
図5〜
図7に示した表示装置30についても同様に適用することができる。
【0059】
また、本実施の形態にかかる表示制御装置1、2では、車両が停止している場合に、ディスプレイ13に表示されている映像を、センサ12で検出された筐体11の変位方向と対応する方向へ変更することができるようにし、車両が走行している場合は、そのような映像の変更ができないようにしてもよい。例えば、筐体を動かないようにロックして映像の変更ができないようにしてもよい。このような構成とすることで、運転者が運転中に筐体11を操作することを抑制することができ、安全性を高めることができる。
【0060】
以上、本発明を上記実施の形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。