(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記会場位置情報、前記境界位置情報、及び前記端末位置情報のそれぞれは、GPS(Global Positioning System)の位置座標により示される位置情報であること
を特徴とする請求項1又は2に記載のサーバ装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。以下本発明を会議支援システム(プレゼンテーションシステムともいえる)に適用した例を示す。
【0015】
[概要]
従来の会議支援システムにおいては、参加者に応じてそれぞれ異なるプレゼン資料を配布する際、参加者をそのプロフィールとともに登録し、参加者のプロフィールに応じてプレゼン資料の配信を振り分けていた。
【0016】
一方、本発明者は参加者の着席する場所(位置)に着眼した。そもそも参加者に応じてプレゼン資料を振り分けるからには、その参加者には何らかの立場、役割、地位等のプロフィールの相違が存在する(存在しなければ一律のプレゼン資料でよい)。そのため会議の場では、参加者のプロフィールに応じてその参加者が着席する場所(位置)もまた分けられている場合が多い。特に大会議であるほど、会議開催者側は円滑に会議を開催させる必要があるためその傾向は著しい。具体的に、来賓席と一般席というように、参加者のプロフィール等に応じて参加者が着席する場所(位置)を整理し割り当てている。
【0017】
そこで本発明においては、プレゼンテーションの場を着席する場所に応じて複数のエリア(領域)に分割し、エリア毎の参加者の端末にどのようなプレゼン資料を配信するかを決定する。即ち参加者が着席した時点で、本会議支援システムが参加者の端末から位置情報を取得し、着席したエリアを確認したうえで配信するプレゼン資料を決定する。
【0018】
このため、事前の参加者の登録作業及び参加者と資料の対応関係の設定作業は不要であり、またそのため予定外の参加者が飛び入りで参加し着席しても、その参加者に対し適切なプレゼン資料を配信することが可能となる。以下詳しく説明する。
【0019】
[システム構成]
(ネットワーク構成)
図1は、本実施形態に係る会議支援システム100のネットワーク概略構成図を示す。本実施形態に係る会議支援システム100は、会議支援サーバ1、境界位置発信装置2、位置情報受信装置3、端末4が、ネットワーク5を介し接続され構成される。
【0020】
会議支援サーバ1は、参加者の端末4に対しプレゼン資料を配信するサーバである。
配信のタイミングは、端末4を持参の参加者が会場での着席時以降である。端末4が予め席ごと設置されている場合には設置時以降となる。またプレゼン資料はプレゼン開始前に1度で配信してもよいし、プレゼンの進行に沿って1ページずつすることも配信できる(スライド方式)。具体的な配信方法は後述する。
【0021】
境界位置発信装置2は、会議場の空間・スペースをエリアに分けるための境界位置情報を発信する。会議開催者は、参加者を例えば来賓者と一般参加者とに席を分けて会場内をレイアウトしているとする。このとき境界位置発信装置2は、会場内の来賓者席エリア(Aエリア)と一般参加者エリア(Bエリア)との境界ライン上に設置される。設置後、境界位置発信装置2は、自装置の位置情報(例えば座標情報)を境界位置情報として、位置情報受信装置3に対し送信する。
【0022】
位置情報受信装置3は、境界位置発信装置2及び端末4から、その位置情報(例えば座標情報)を受信する。そしてまた受信した位置情報を会議支援サーバ1に転送する。なお位置情報受信装置3は会議支援サーバ1に直接接続することもでき、この場合には会議支援サーバ1が位置情報受信装置3を兼ねる。なおまた位置情報受信装置3は、境界位置発信装置2と異なり必ずしも会場内に設置される必要はない。
【0023】
端末4は、参加者がプレゼン資料を閲覧する資料閲覧用のコンピュータ端末である。参加者着席後、端末4は、自装置の位置情報(例えば座標情報)を位置情報受信装置3に対し送信し、その後プレゼン資料を会議支援サーバ1から受信する。なお端末4は、参加者が持参する参加者所有の端末でもよいし、開催者側が用意する場合には予め各席に設置される。本実施形態においては、端末4は参加者が端末を持参するものとする。
【0024】
ネットワーク5は、有線及び無線を含む通信ネットワークである。但し境界位置発信装置2と位置情報受信装置3との通信は、配線都合の観点から無線(例えば無線LAN)が望ましい。また会議支援サーバ1と端末4との通信も配線上の観点から無線が望ましい。
【0025】
(ハードウェア)
ここで、本実施形態に係る会議支援サーバ1のハードウェア構成について説明しておく。
図2は、会議支援サーバ1の一実施形態の主要構成を示すハードウェア構成図である。会議支援サーバ1は、主要な構成として、CPU101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、補助記憶装置104、記憶媒体読取装置105、入力装置106、表示装置107、及び通信装置108を含む構成である。
【0026】
CPU101は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路から構成され、装置全体を制御する回路である。また、ROM102は、CPU101で実行される所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を格納するメモリであり、RAM103は、CPU101がROM102に格納された所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を実行して各種の制御を行うときの作業エリア(ワーク領域)として使用するメモリである。
【0027】
補助記憶装置104は、汎用のOS(Operating System)、各種プログラムを含む各種情報を格納する装置であり、不揮発性の記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)などが用いられる。
【0028】
入力装置106は、ユーザが各種入力操作を行うための装置である。入力装置106は、マウス、キーボード、表示装置107の表示画面上に重畳するように設けられたタッチパネルスイッチなどを含む。表示装置107は、各種データを表示画面に表示する装置である。例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)などから構成される。
【0029】
通信装置108は、ネットワーク60を介して他の機器との通信を行う装置である。有線ネットワークや無線ネットワークなど含む各種ネットワーク形態に応じた通信をサポートする。
【0030】
なお端末4は、例えばPCやPDA、携帯情報端末等でよく、少なくとも会議支援サーバ1と通信を行う通信装置(無線LANカード等)、位置情報を送受信する通信装置(アンテナ等)、プレゼン資料を閲覧するための表示装置を備える。また境界位置発信装置2及び位置情報受信装置3は、位置情報を送受信する通信装置(アンテナ等)を備える。このとき自装置の位置情報の把握にGPS(Global Positioning System)を用いる場合、境界位置発信装置2や端末4は衛星からGPS位置情報を受信できる受信装置をも備える。
【0031】
(機能)
次に、本実施形態に係る会議支援システム100の主要機能構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る各装置の機能ブロック図の一例を示す。
【0032】
・端末4
端末位置情報送信部41は、境界位置受信装置3に対し、自装置の位置情報を端末位置情報として送信する。より具体的に、会場内において自装置の位置情報である座標情報を送信する。
【0033】
表示部42は、会議支援サーバ1から配信された資料データを表示する。資料データはプレゼン資料であるので、参加者はこの資料を閲覧しながら会議に参加することになる。
【0034】
・境界位置発信装置2
境界位置情報送信部21は、境界位置受信装置3に対し、自装置の位置情報を境界位置情報として送信する。より具体的に、会場内において自装置の位置情報である座標情報を送信する。
【0035】
・境界位置受信装置3
境界位置情報受信部31は、境界位置発信装置2から境界位置情報を受信する。
【0036】
境界位置情報受信部32は、会議支援サーバ1に対し端末4から受信した境界位置情報を転送する。
【0037】
端末位置情報受信部33は、端末4から端末位置情報を受信する。
【0038】
端末位置情報受信部34は、会議支援サーバ1に対し端末4から受信した端末位置情報を転送する。
【0039】
・会議支援サーバ1
記憶部11は、会議の会場全体の会場位置情報11aと、会場全体を分割した領域である分割領域毎に対応付けられた資料データ11cとを記憶する。これら情報は会議に先立って予め記憶しておく。また記憶部11は、会議の都度、分割領域情報11bを記憶するが、この情報は後述の処理の過程で会議毎に算出されるものであり、会議毎に一時的に記憶される。
【0040】
境界位置情報受信部12は、境界位置受信装置3から、境界位置情報を受信する。
【0041】
領域分割部13は、受信した境界位置情報と、会場位置情報11aとに基づき、該境界位置情報に基づく境界点を含む境界線により、会場全体領域を複数の分割領域に分割する。り具体的に、境界位置情報で境界を区切ってエリアA、エリアBといったように、会場全体を分割する。分割の具体例は後述する。
【0042】
端末位置情報受信部14は、境界位置受信装置3から、端末位置情報を受信する。
【0043】
端末領域判定部15は、受信した端末位置情報に基づき、領域分割部13により分割された複数の分割領域のうち、端末4の属する分割領域を判定する。より具体的に、端末4がエリアA又はエリアBのいずれに位置するかを判定する。
【0044】
資料配信部16は、端末領域判定部15により判定された端末4の属する分割領域に対応付けられた資料データ11cを記憶部11から取得し、その資料データ11cをその端末4に配信する。具体的に、端末4がエリアAに位置する場合には、エリアAに対応付けられている資料データ11c(エリアA用の資料データ)を、端末4がエリアBに位置する場合には、エリアBに対応付けられている資料データ11c(エリアB用の資料データ)をその端末4に対し配信する。つまり端末4の会場内の位置エリアに応じて配信対象の資料データが異なってくる。
【0045】
以上これらの機能は、実際には各装置CPUが実行するプログラムによりコンピュータに実現させるものである。なおまた、本実施形態においてはあくまで一構成例であり、各機能部を外部装置や他のサーバに実装することも可能である。例えば会議支援サーバ1の記憶部11は別サーバ(例えばファイルサーバ)により構築することもできる。また上述したように、会議支援サーバ1が境界情報受信機能や位置情報受信機能を備えれば、会議支援サーバ1が位置情報受信装置3を兼ねることも可能である。
【0046】
(会場位置情報11a)
図4は、会場位置情報11aの取得例を示す。開催者は会議前に予め会場位置情報を取得しておき記憶部11に記憶しておく。GPSを利用する場合、まず開催者は会場(四角形状の場合)の隅それぞれのGPS位置座標を計測・取得する。ここでは(北緯x0.東経y0)、(北緯x0.東経y1)、(北緯x1.東経y0)、(北緯x1.東経y1)、が計測されたものとする。そして開催者は計測されたGPS位置座標を会議支援サーバ1に入力する。
【0047】
会議支援サーバ1は、図に示されるように入力されたGPS位置座標を、仮想の位置座標へ変換(マッピング)する。例えば以下の通りである。
(北緯x0.東経y0)→(0.0)
(北緯x0.東経y1)→(100.0)
(北緯x1.東経y0)→(0.80)
(北緯x1.東経y1)→(100.80)
図5は、会場位置情報例を示す。本実施形態において会場は四角形状とするので、始点及び終点の位置座標を保持することにより、会場全体の位置情報とすることができる。なお、仮想の位置座標へ変換(マッピング)したのは便宜上の理由であって、いうまでもなくGPS位置座標そのものを会場位置情報として使用することも可能である。この場合、位置座標(始点)は(北緯x0.東経y0)、位置座標(終点)は(北緯x1.東経y1)というように、GPS位置座標そのものを保持すればよい。
【0048】
図6は、会場位置情報の取得例(変形例)を示す。会場によっては、その形状が必ずしも四角形状でない場合もある。例えば円や楕円形状の場合には、例えば図に示されるような点でGPS位置座標を計測・取得する。いずれにしても要は、会場位置情報内に参加者席が含まれるように会場位置情報を取得すればよい。つまりデッドスペースは会場位置情報内に含まれなくてもよい。
【0049】
(分割領域情報11b)
図7は、分割領域情報11bの取得例を示す。分割領域情報11bは、後述の処理の過程で会議の都度に算出されるものであり、会議毎に一時的に記憶部11に記憶される。境界位置発信装置2から境界位置情報(座標)が受信されると、会議支援サーバ1は、会場全体領域を複数の分割領域に分割する。例えば図に示されるように、境界位置情報(座標)が(北緯x0.3.東経y0.5)であると、上述の要領で仮想の境界位置座標(30.50)へ変換してから、会場全体を(30.50)を含む垂直線で分割する。ここではエリアA、エリアBに分割された。
【0050】
図8は、分割領域情報11b例を示す。本実施形態において会場は四角形状とするので、始点及び終点の位置座標を保持することにより、分割領域の位置情報とすることができる。ここではエリアA、エリアBに分割された。なお「境界種別」は、垂直又は平行の値がある。境界位置発信装置2から境界位置情報(座標)が1点である場合、垂直又は平行のいずれに領域分割すればよいか決定できないため、この情報を予め保持させておく。
【0051】
(プレゼン資料データ11c)
図9は、プレゼン資料データ11cの対応付け例を示す。記憶部11は、プレゼン資料データ11cのデータファイル自体を記憶するほか、分割領域とプレゼン資料データ11cと対応付け関係を記憶する。そのため開催者は領域分割後に、プレゼン資料データ11cのファイルと、分割された具体的な領域との対応付けの設定作業を行う。この点詳細は後述する。
【0052】
[情報処理]
本実施形態に係る会議支援システム100の情報処理につい説明する。領域分割ステップと、資料データ配信ステップとに分けて以下説明する。
【0053】
(領域分割ステップ)
図10は、領域分割を説明するシーケンス図である。本ステップはいわば準備段階であって、参加者が会場に着席する前に実施される。以下図面を参照しながら説明する。
【0054】
S1:開催者は、上述したように会議に先立ってプレゼン資料データ11cのファイルを会議サーバ1に入力する。
【0055】
S2:会議支援サーバ1は、プレゼン資料データ11cのファイルを記憶部11に保存(記憶)する。
【0056】
S3:次いで開催者は、会議に先立って開催者は会議前に予め会場位置情報11aを取得し、会議支援サーバ1に入力する。具体的には上述のように、開催者は会場(四角形状の場合)の隅それぞれのGPS位置座標を計測・取得する。そして計測されたGPS位置座標を会議支援サーバ1に入力する。なおこのとき併せて、「境界種別」として垂直又は平行の情報も入力しておく。
【0057】
S4:会議支援サーバ1は、会場位置情報11aを記憶部11に保存する(
図5)。
【0058】
S5:境界位置発信装置2は、境界位置受信装置3に対し、自装置の位置情報を境界位置情報として送信する。また境界位置受信装置31は、境界位置発信装置2から受信した境界位置情報を会議支援サーバ1に転送する。ここでは、会場内において自装置の位置情報である境界位置情報(北緯x0.3.東経y0.5)を送信するものとする。
【0059】
なお開催者は会場内に境界位置発信装置2を設置するにあたり、会場を分割したい垂直線上に境界位置発信装置2を配置しておく。
図7を参照し、例えば会場の左側(エリアA相当)には来賓者席を設け、会場の右側(エリアB相当)には一般者席を設けた場合、来賓者席と一般者席と挟む境界線上に境界位置発信装置2を配置しておく。
【0060】
S6:会議支援サーバ1は、受信した境界位置情報と、会場位置情報11aとに基づき、該境界位置情報に基づく境界点を含む境界線により、会場全体領域を複数の分割領域に分割する。ここでは、受信した境界位置情報(北緯x0.3.東経y0.5)を仮想の境界位置座標(30.50)へ変換してから、会場位置情報11aとして(0.0)〜(100.80)を取得する(
図5)。そして会場全体を境界位置座標(30.50)を含む垂直線(境界種別)で分割する。分割結果は、
図7の通りエリアA、エリアBに分割される。
【0061】
S7:会議支援サーバ1は、S6の分割領域情報を記憶部11に保存する。ここではエリアA、エリアBに分割されているため、分割領域情報は
図8の通りである。
【0062】
S8:開催者は、資料データと分割領域との対応付けを設定する。
図11は、資料配信設定画面例を示す。資料配信設定画面においては、分割領域情報(
図8)の分割領域数が参照されることにより、「会議場は、2エリアに分割されています。各エリア内の端末に配信する資料を設定してください。」と表示されている。開催者はこの資料配信設定画面において、分割された2エリア、つまりエリアA、エリアBそれぞれに対し、配信する資料を指定する。ここではエリアA内の端末に配信する資料を「xxx.ppt」、エリアB内の端末に配信する資料を「yyy.ppt」と指定する。
【0063】
S9:会議支援サーバ1は、分割された2エリア、つまりエリアA、エリアBそれぞれに対し、配信する資料を設定し対応付ける(対応付手段)。そしてこの設定は
図9の通り反映される。
【0064】
なおいうまでもなく、例えば3エリアであれば、その3エリア毎に対し配信する資料を設定する。またこの場合、境界位置発信装置2が2台設置する必要があるが、この点は後述する。
【0065】
(資料データ配信ステップ)
図12は、資料データ配信を説明するシーケンス図である。本ステップは、参加者が会場に着席した以降に実施される。
【0066】
図13は、参加者の着席位置を示す図である。会場内には案内板等により来賓席と一般席が明確に案内されており、参加者のうち来賓者は端末4aを持参し来賓席に着席し、一般参加者は端末4bを持参し一般席に着席する。以下図面を参照しながら説明する。
【0067】
S11:参加者は着席後、端末4を起動する。そして例えばDHCP等によりIPアドレスを取得するなどして無線の接続設定を完了させる。その後所定の操作を行うことにより、端末4は、境界位置受信装置3に対し、自装置の位置情報である端末位置情報とIPアドレスとを会議支援サーバ1に対し送信する。また境界位置受信装置31は、端末4から受信した端末位置情報を会議支援サーバ1に転送する。ここでは、端末4aは端末位置情報(北緯x0.2.東経y0.2)、端末4bは端末位置情報(北緯x0.8.東経y0.2)を送信するものとする。
【0068】
S12:会議支援サーバ1(端末領域判定部15)は、受信した端末位置情報に基づき、分割された複数の分割領域のうち、端末4の属する分割領域を判定する。ここでは、受信した端末4aの端末位置情報(北緯x0.2.東経y0.2)を仮想の端末位置座標(20.20)へ変換し、受信した端末4bの端末位置情報(北緯x0.3.東経y0.5)を仮想の端末位置座標(80.20)へ変換してから、端末4aと端末4bの属する分割領域がエリアAであるのか、エリアBであるのかを判定する。端末4aの端末位置座標は(20.20)であり、エリアAは(0.0)〜(30.80)であるため、端末4aはエリアAに包含される、つまりエリアAに属すると判定する。同様に、端末4bはエリアBに属すると判定する。
【0069】
S13:会議支援サーバ1(資料配信部16)は、
図9の分割領域とプレゼン資料データ11cと対応付け関係を参照し、端末4の属する分割領域に対応付けられた資料データ11cを記憶部11から取得する。ここでは端末4aはエリアAに属すると判定されているので、エリアAに対応付けられているファイル「xxx.ppt」を取得する。同様に、端末4bはエリアBに属すると判定されているので、エリアBに対応付けられているファイル「yyy.ppt」を取得する。
【0070】
S14:会議支援サーバ1(資料配信部16)は、端末4に対し資料データを配信する。ここでは端末4aに対してはファイル「xxx.ppt」を配信し、端末4bに対してはファイル「yyy.ppt」を配信する。
【0071】
S15:端末4は、受信した資料データを表示する。端末4aに対してはファイル「xxx.ppt」が配信されているので、来賓者は来賓用のファイル「xxx.ppt」を閲覧し、一般参加者は一般用のファイル「yyy.ppt」を閲覧しながら会議に参加する。
【0072】
以上のように、本実施形態に係る会議支援システム100においては、プレゼンテーションの場を着席する場所に応じて複数のエリア(領域)に分割し、エリア毎の参加者の端末4にどのようなプレゼン資料11cを配信するかを決定する。即ち参加者が着席した時点で、本会議支援システム100が参加者の端末4から端末位置情報を取得し、着席したエリアを確認したうえで配信するプレゼン資料11cを決定する。
【0073】
このため、事前の参加者の登録作業及び参加者と資料の対応関係の設定作業は不要であり、またそのため予定外の参加者が飛び入りで参加し着席しても、その参加者に対し適切なプレゼン資料を配信することができる。
【0074】
[変形例1]
以下、会場の領域分割の変形例を説明する。
【0075】
(変形例A1)
図14は、領域分割の変形例A1を示す。開催者は会場内を分割する目的で境界位置発信装置2を設置するが、ここでは会場を3分割させるべく、会場内には境界位置発信装置2a、2bの2台が設置されている。そして境界位置発信装置2a、2bのそれぞれが境界位置情報を送信することにより、図の通り会場が3分割される。
【0076】
図15は、分割領域情報11b変形例A1を示す。図の通り、始点及び終点の位置座標を保持することにより、3分割領域の位置情報とすることができる。ここではエリアA、エリアB、エリアCに分割された。なお境界位置情報(座標)が1点である場合、垂直又は平行のいずれに領域分割すればよいか決定するために、「境界種別」には垂直又は平行の値があることは上述したが、この値は境界位置発信装置毎に保持される。ここでは境界位置発信装置2a、2bのいずれも「境界種別」は「垂直」を入力してあるので、会場は境界位置座標を含む垂直線で領域分割される。
【0077】
(変形例A2)
図16は、領域分割の変形例A2を示す。ここでは会場を4分割させるべく、会場内には境界位置発信装置2a、2bの2台が設置されている。そして境界位置発信装置2a、2bのそれぞれが境界位置情報を送信することにより、図の通り会場が4分割される。
【0078】
図17は、分割領域情報11bの変形例A2を示す。図の通り、始点及び終点の位置座標を保持することにより、4分割領域の位置情報とすることができる。ここではエリアA、エリアB、エリアC、エリアDに分割された。なお、ここでは境界位置発信装置2aの「境界種別」は「垂直」を入力してあるので、会場はその境界位置座標を含む垂直線で領域分割される。しかし一方、境界位置発信装置2bの「境界種別」は「並行」を入力してあるので、会場はその境界位置座標を含む並行線で領域分割される。
【0079】
(変形例A3)
図18は、領域分割の変形例A3を示す。ここでは会場を特殊2分割で分割させるべく、会場内には境界位置発信装置2a、2b、2cの3台が設置されている。そして境界位置発信装置2a、2b、2cのそれぞれが境界位置情報を送信することにより、図の通り会場が特殊2分割される。
【0080】
図19は、分割領域情報11b変形例A3を示す。ここでは境界位置発信装置2は領域の端点として位置し、図の通り、各端点の位置座標を保持することにより、2分割領域の位置情報とすることができる。ここではエリアA、エリアBに分割された。なお、ここでは各々の境界位置発信装置2の「境界種別」を「-」(指定なし)を入力してあるので、会場はその境界位置座標を領域の端点とし、各端点を結ぶ接続線で領域分割される。
【0081】
以上、領域分割の変形例を示した。開催者は会場内を分割する目的で境界位置発信装置2を設置するが、会場の領域レイアウトに応じてその設置する位置により様々な領域分割を行うことができる。
【0082】
なおまた「境界種別」の垂直又は並行のほかにも、例えば「傾斜(ななめ)」との種別を設けることもできる。この場合、併せて傾斜度(例えば45度等)を設定することにより、境界位置座標を含む傾斜線により領域を分割できる。
【0083】
[変形例2]
上述の如く資料配信設定画面(
図11)において、開催者は、資料データと分割領域との対応付けを設定する旨を説明した。ここでは分割領域に対し資料データの編集指定(編集手段)する方法の変形例を示す。
【0084】
(変形例B1)
図20は、資料配信設定画面例の変形例B1を示す。図に示されるように、エリアA、エリアB毎に配信する資料を指定する。こではエリアA及びエリアB内の両端末に配信する資料を「yyy.ppt」と指定する。さらに、ここではエリアAの「オプション」において、「翻訳」をクリックしたうえで、翻訳言語(例えば英語)を選択する。ここで「yyy.ppt」が日本語で記述されている場合、会議支援サーバ1は、「yyy.ppt」を英語翻訳したものをエリアAに配信する資料とする。
【0085】
図21は、端末の表示画面例B1を示す。図に示されるように、エリアAの来賓席の端末4aには、英語翻訳語の「yyy.ppt」が配信・表示され、一方、エリアBの一般席の端末4bには、オリジナルの「yyy.ppt」が配信・表示される。
【0086】
このように資料配信設定画面例のオプションにより、1のプレゼン資料データ11cから多言語のプレゼン資料に編集することができる。つまり発表者は1のみの言語のプレゼン資料データ11cを用意しておけば、会議支援サーバ1が来賓者用の資料を編集・作成してくれるので便利である。なおこの場合、会議支援サーバ1側において、翻訳エンジン等の言語翻訳機能を備えることはいうまでもない。
【0087】
(変形例B2)
図22は、資料配信設定画面例の変形例B2を示す。図に示されるように、エリアA、エリアB毎に配信する資料を指定する。こではエリアA及びエリアB内の両端末に配信する資料を「yyy.ppt」と指定する。さらに、ここではエリアAの「オプション」において、「タグ無効化」をクリックする。またエリアBの「オプション」において、「タグ有効化」をクリックする。
【0088】
図23は、端末の表示画面例B2を示す。図に示されるように、エリアAの来賓席の端末4aには、「社内情報△△△△」が削除(非表示)され、一方、エリアBの一般席の端末4bには、オリジナルの「社内情報△△△△」が表示される。これは予め「yyy.ppt」において、「社内情報△△△△」の箇所には所定のタグが予め埋め込まれており、「オプション」指定のよって、タグの有効化・無効化を行うことができる。
【0089】
このように資料配信設定画面例のオプションにより、1のプレゼン資料データ11cを作成するとき、文章、図等に対しタグを埋め込んでおけば、そのタグの箇所(タグで囲まれる範囲)の表示・非表示を参加者に応じて使い分けることができるので便利である。なおこの場合、会議支援サーバ1側において、その所定のタグを解析・解釈するタグ解析機能を備えることはいうまでもない。
【0090】
(変形例B3)
図24は、資料配信設定画面例の変形例B3を示す。図に示されるように、エリアA、エリアB毎に配信する資料を指定する。こではエリアA及びエリアB内の両端末に配信する資料を「yyy.ppt」と指定する。さらに、ここではエリアAの「オプション」において、「リンク無効化」をクリックする。またエリアBの「オプション」において、「リンク有効化」をクリックする。
【0091】
図25は、端末の表示画面例B3を示す。図に示されるように、エリアAの来賓席の端末4aには、「東京ホール」へのURLリンクが削除され、一方、エリアBの一般席の端末4bには、オリジナルの「東京ホール」へのURLリンクが埋め込まれる。これは予め「yyy.ppt」において、「東京ホール」の箇所にはURLリンク・タグが予め埋め込まれており、「オプション」指定のよって、リンクの有効化・無効化を行うことができる。よってエリアAの来賓席の端末4aでは、「東京ホール」をクリックしても何も起こらないが、エリアBの一般席の端末4bでは、「東京ホール」をクリックすると、指定のURLへジャンプする。
【0092】
このように資料配信設定画面例のオプションにより、1のプレゼン資料データ11cを作成するとき、文章、図等に対しURLリンクを埋め込んでおけば、そのURLリンクの有効、無効を参加者に応じて使い分けることができるので便利である。なおこの場合、会議支援サーバ1側において、その所定のリンクを解析・解釈するタグ解析機能を備えることはいうまでもない。
【0093】
(変形例B4)
図26は、資料配信設定画面例の変形例B4を示す。図に示されるように、エリアA、エリアB毎に配信する資料を指定する。こではエリアA及びエリアB内の両端末に配信する資料を「yyy.ppt」と指定する。さらに、ここではエリアAの「オプション」において、「合成」をクリックする。合成とは、複数のファイルを合成するオプションを示すので、「同姓するファイル選択:において、もう1の資料(例えば「yyy_2.ppt」)を指定する。
【0094】
図27は、ファイルの合成を示す図である。図に示されるように、合成を指定されている2つの資料ファイル、「yyy.ppt」と「yyy_2.ppt」が重ね合わさるように合成された結果、合成資料ファイル「yyy-yyy_2.ppt」が生成される。そしてこの合成ファイルは、エリアAに対し配信されることになる。
【0095】
図28は、端末の表示画面例B4を示す。図に示されるように、エリアAの来賓席の端末4aには、合成された合成資料ファイル「yyy-yyy_2.ppt」が配信・表示され、一方、エリアBの一般席の端末4bには、オリジナルの資料ファイル「yyy.ppt」が配信・表示される。この例の場合、解説・補足説明が記述した「yyy_2.ppt」を予め作成しておき、オリジナルの資料ファイル「yyy.ppt」に対しこれを合成することにより、来賓用には、解説・補足説明が付加されたプレゼン資料を配信・表示させることができる。
【0096】
このように資料配信設定画面例のオプションにより、1のプレゼン資料データ11cを作成するとき、合成用の資料ファイルを別途用意しておけば、オリジナルの資料ファイルに対しこれを合成できるので、参加者に応じて配信する資料を使い分けることができるので便利である。なおこの場合、会議支援サーバ1側において、そのファイルを編集・合成するファイル編集機能を備えることはいうまでもない。
【0097】
[総括]
以上本実施形態によれば、参加者に応じてそれぞれ異なる資料を配信する際、参加者登録作業及び参加者と資料の対応関係の設定作業を省き、またそのため予定外の参加者が参加していてもその参加者に対し適切な資料を配信する会議支援システム、資料配信方法及びプログラムを提供することが可能となる。
【0098】
各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記各実施形態にあげたその他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。また、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、などに適用したものも本発明の態様として有効である。