特許第6041054号(P6041054)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6041054
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】車体前部構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/20 20060101AFI20161128BHJP
【FI】
   B62D25/20 G
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-525138(P2015-525138)
(86)(22)【出願日】2014年6月19日
(86)【国際出願番号】JP2014066288
(87)【国際公開番号】WO2015001973
(87)【国際公開日】20150108
【審査請求日】2016年3月22日
(31)【優先権主張番号】特願2013-138613(P2013-138613)
(32)【優先日】2013年7月2日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】大東 陽
(72)【発明者】
【氏名】金田 知幸
(72)【発明者】
【氏名】森田 幸生
【審査官】 森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 実公平6−25414(JP,Y2)
【文献】 実開昭61−71577(JP,U)
【文献】 特開平5−270443(JP,A)
【文献】 特開2009−248593(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の床下に車室内へ突出するフロアトンネルが車両前後方向に形成されており、
第1車体前部補強メンバーは、前記フロアトンネルの車両前方であるフロアトンネル先端部のうち、車両外側から先端稜線部に沿って車両上端から車両前後方向に設けられた各フロアトンネルメンバーの付け根部までの全体を覆い、
各フロントサイドメンバーの下端付け根部は、ダッシュパネルに結合され、
前記各フロントサイドメンバーは、前記下端付け根部から前方に延設され、
第2車体前部補強メンバーは、前記第1車体前部補強メンバーと前記フロントサイドメンバーの前記下端付け根部とを連結していること
を特徴とする車体前部構造。
【請求項2】
請求項1記載の車体前部構造であって、
前記第1車体前部補強メンバーは、前記フロアトンネルメンバーに結合されていること
を特徴とする車体前部構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の車体前部構造であって、
前記各フロントサイドメンバーの前記下端付け根部の近傍とダッシュサイドパネル部までを連続で連結する第3車体前部補強メンバーを有すること
を特徴とする車体前部構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の車体前部構造であって、
前記各フロントサイドメンバーの前記下端付け根部とサイドシルの車両先端部までを連続で連結する第4車体前部補強メンバーを有すること
を特徴とする車体前部構造。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の車体前部構造であって、
前記各フロントサイドメンバーの下端付け根部と一致して設けられる車室内床面上メンバーとサイドシルの車両先端部までを連続で連結する第4車体前部補強メンバーを有すること
を特徴とする車体前部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、衝突性能、特に前面衝突性能向上を目的に設定したフロアクロスメンバーについて言及している。かかる特許文献1では、ダッシュパネルとフロア結合部を、フロアクロスメンバーによって車室内側から覆う形状を取り、サイドシル間を連続で結ぶように構成している。
【0003】
したがって、特許文献1の構造によれば、前面衝突時のキャビンの車体変形を抑えるために充分な車体剛性を確保することができ、またサイドシル部までを使った広範囲での衝突エネルギー吸収が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第2005−0140179A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車体構造において、ダッシュパネル〜フロアトンネル周辺構造は衝突、音振、操縦安定性能に各々影響する重要な構造部位の一つである。特に音振性能を向上(車室内騒音レベル低減)させる場合、ダッシュパネルとフロアトンネルとの結合剛性が重要となる。音振性能、特にロードノイズ、エンジンこもり音などの100〜200Hzの周波数領域では、フロアトンネル先端部が横方向へ倒れる変形(以下、ひしゃげ変形という)が発生する。その結果、このひしゃげ変形によりフロントフロアが上下に振動するモードが励起され、車室内空気の体積変化が起こり、車室内騒音レベルが増大する問題が発生する。
【0006】
特許文献1の構造では、フロアトンネル側面部とフロアクロスメンバー間のスペースが小さく、ひしゃげ変形を抑制するだけの十分な断面が十分確保されていない。そのため、ひしゃげ変形を抑制するフロアトンネル側面部の剛性が充分ではなく、また、フロアクロスメンバーの骨格構造は、ひしゃげ変形時にフロアトンネルメンバーに働く力を分散させることができない。その結果、特許文献1の構造では車体変形が生じて車室内騒音レベルが増大する。
【0007】
そこで、本発明は、車体変形を抑制して音振性能を改善できる車体前部構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の車体前部構造では、車両の床下に車室内へ突出するフロアトンネルが車両前後方向に形成されており、フロアトンネルの車両前方であるフロアトンネル先端部を、車両外側から先端稜線部に沿って車両上端から車両前後方向に設けられた各フロアトンネルメンバーの付け根部までの全体を覆う第1車体前部補強メンバーを有することを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態の車体前部構造のうち、車両外側から見た前部および下部の構造を示す斜視図である。
図2図2は、本実施形態の車体前部構造の、車室内の構造を示す斜視図である。
図3図3は、第1車体前部補強メンバーの拡大斜視図である。
図4図4は、第1車体前部補強メンバーがフロアトンネル先端部に対して取り付けられた部位を拡大して示す斜視図である。
図5図5は、第1車体前部補強メンバーの各部位がフロアトンネル先端部に対して取り付けられる部位を示す拡大斜視図である。
図6図6は、第2車体前部補強メンバーの拡大斜視図である。
図7図7は、第2車体前部補強メンバーが室内に設けられた車室内床面上メンバーと連結されたことを示す斜視図である。
図8図8は、第3車体前部補強メンバーの拡大斜視図である。
図9図9は、第4車体前部補強メンバーの拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は、車両外側から見た車体前部構造のうち、車両外側から見た前部および下部の構造を示す斜視図(車両の前下方の位置より車両下部を仰ぎ見る場合の斜視図)である。図2は、車体前部構造の、車室内の構造を示す斜視図(車両側面の位置から、車室内部を覗き見る場合の斜視図)である。なお、図1図2において、矢印FRは車両前方、矢印RRは車両後方、矢印Hは車両高さ、矢印Wは車幅の方向をそれぞれ示す。
【0012】
車体1の床下2には、車室3内へ突出するようにフロアトンネル4が形成されている。フロアトンネル4は、ダッシュパネル5とフロアパネル6の交差する部位から車両後方RRへ車両前後方向に沿って、車幅方向Wの中央部に、連続して形成されている。ダッシュパネル5とフロアパネル6の交差する部位には先端稜線部1aがあり、先端稜線部1aによってダッシュパネル5とフロアパネル6は連結している。この車体1には、フロアトンネル4の先端部位における強度を補強するための4つの補強メンバー(第1〜4車体前部補強メンバー)が設けられており、これら4つの補強メンバーは車体前部構造の一部を構成している。
【0013】
先ず、車体前部構造を構成する第1車体前部補強メンバーであるU字型メンバー8は、図1に示すように、フロアトンネル4の車両前方FR方向のフロアトンネル先端部に対して車両外側から取り付けられる。U字型メンバー8は、先端稜線部1aを車両外側から覆うように取り付けられる。U字型メンバー8は、先端稜線部1aの車両上端側の端部から、車両前後方向に設けられた一対のフロアトンネルメンバー7の付け根部7aに至るまでの、先端稜線部1aの全体を覆う。一対のフロアトンネルメンバー7は、フロアトンネル4とフロアパネル6を連結している。
【0014】
図3に示すように、U字型メンバー8の全体形状は、車両下方に開口する逆U字形状となっており、U字型メンバー8は、U字部8a、一対の延在部8b、一対のフロアトンネルメンバー結合部8cとを有している。U字部8aはフロアトンネル4のU字形状に合わせて形成されており、一対の延在部8bは、U字部8aの先端、すなわちU字部8aの車両上端側の端部から、一対のフロアトンネルメンバー7へと延びている。各々の延在部8bの先端にフロアトンネルメンバー結合部8cが設けられている。U字部8a、一対の延在部8b、一対のフロアトンネルメンバー結合部8cは、鋼板をプレス成形することにより一体形成され、U字型メンバー8を一体的に構成している。
【0015】
図3に示すように、U字型メンバー8の車体1への結合部は、外周部、内周部、端部の3ヶ所から構成されている。
【0016】
U字型メンバー8には、U字部8a、一対の延在部8b、一対のフロアトンネルメンバー結合部8cに渡って連続するフランジ部9が一体形成されている。フランジ部9は、U字型メンバー8の車体1への結合部の外周部に対応している。図4及び図5に示すように、U字型メンバー8の外周部は、ダッシュパネル5、フロアトンネル先端パネル10、フランジ部9の3つを重ねて結合する部位と、フロントフロアパネル11、フランジ部9の2つを重ねて結合する部位とに分かれている。
【0017】
またU字型メンバー8には、フロアトンネル4の先端側面部12に沿う形状とされた折り曲げ部13が一体形成されている。折り曲げ部13は、U字型メンバー8の車体1への結合部の内周部に対応している。折り曲げ部13が、前述のフロアトンネル4の先端側面部12にスポット溶接されて結合されている。
【0018】
またU字型メンバー8には、一対のフロアトンネルメンバー結合部8cが一体形成されている。一対のフロアトンネルメンバー結合部8cは、U字型メンバー8の車体1への結合部の端部に対応している。フロアトンネルメンバー7の先端である付け根部7aに、フロアトンネルメンバー結合部8cがスポット溶接されて結合されている。このフロアトンネルメンバー結合部8cは、フロアトンネルメンバー7の付け根部7aを覆うようにして結合されている。
【0019】
このようにして車体1に結合されたU字型メンバー8は、フロアトンネル先端部の形状に合わせて先端稜線部1aを覆うと共に、U字型メンバー8は、フロアトンネルメンバー7に直接連結された構造となっている。
【0020】
第2車体前部補強メンバーである一対のダッシュロアクロスメンバー15は、図1図6及び図7に示すように、U字型メンバー8と、車両前後方向に設けられた一対のフロントサイドメンバー14の下端付け根部14aとを連結している。さらに一対のダッシュロアクロスメンバー15は、ダッシュパネル5にも固定されている。
【0021】
ダッシュロアクロスメンバー15は、その外周全体にフランジ部16が形成されており、ダッシュロアクロスメンバー15は、そのフランジ部16がスポット溶接されることにより、U字型メンバー8、フロントサイドメンバー14の下端付け根部14a、およびダッシュパネル5に結合されている。すなわち、ダッシュロアクロスメンバー15のフランジ部16を介して、ダッシュロアクロスメンバー15は車体1と結合している。
【0022】
平面視で長方形状をなすダッシュロアクロスメンバー15の一端部15a(フロアトンネル4に近いほうの側に位置する、フランジ部16の端部)は、U字型メンバー8の延在部8bにスポット溶接されて結合されている。また、ダッシュロアクロスメンバー15の他端部15b(フロアトンネル4から遠い側に位置する、フランジ部16の端部)は、フロントサイドメンバー14の付け根部14aにスポット溶接されて結合されている。このダッシュロアクロスメンバー15の他端部15bは、図6および図7に示すように、フロントサイドメンバー14の付け根部14aと一致して設けられる車室内床面上メンバー17とも結合されている。そして、ダッシュロアクロスメンバー15のフランジ部16のうち、一端部15aおよび他端部15bを除く部位は、ダッシュパネル5にスポット溶接されて結合されている。
【0023】
第3車体前部補強メンバーである一対の上部ダッシュクロスメンバー19は、図2及び図8に示すように、一対のフロントサイドメンバー14の下端付け根部14aの近傍と一対のダッシュサイドパネル18までを連続で連結する。
【0024】
上部ダッシュクロスメンバー19は、断面形状を略台形状とした本体部20と、その本体部20の外周に形成されるフランジ部21とを有している。平面視で長方形状をなす上部ダッシュクロスメンバー19の一端部19a(フロアトンネル4に近いほうの側に位置する、フランジ部21の端部)は、フロントサイドメンバー14の下端付け根部14aの近傍でダッシュパネル5にスポット溶接されて結合されている。また、上部ダッシュクロスメンバー19の他端部19b(フロアトンネル4から遠い側に位置する、フランジ部21の端部)は、ダッシュサイドパネル18にスポット溶接されて結合されている。そして、上部ダッシュクロスメンバー19のフランジ部21のうち、一端部19aおよび他端部19bを除く部位は、ホイールハウスパネル22にスポット溶接されて結合されている。
【0025】
なお、上部ダッシュクロスメンバー19を車両外側に設けて、この上部ダッシュクロスメンバー19の一端部19aをダッシュロアクロスメンバー15に結合させてもよい。
【0026】
第4車体前部補強メンバーである一対の下部ダッシュクロスメンバー25は、図2及び図9に示すように、一対のフロントサイドメンバー14の下端付け根部14aと一対のサイドシル23の車両先端部23aまでを連続で連結する。
【0027】
下部ダッシュクロスメンバー25は、平面視で長方形状をなす本体部26と、その本体部26の外周に形成されるフランジ部27とを有している。この下部ダッシュクロスメンバー25の一端部25a(フロアトンネル4に近いほうの側に位置する、フランジ部27の端部)は、フロントサイドメンバー14の下端付け根部14aと一致して設けられる車室内床面上メンバー17の先端部17aにスポット溶接されて結合されている。また、下部ダッシュクロスメンバー25の他端部25b(フロアトンネル4から遠い側に位置する、フランジ部27の端部)は、サイドシル23の車両先端部23aにスポット溶接されて結合されている。そして、下部ダッシュクロスメンバー25のフランジ部27のうち、一端部25aおよび他端部25bを除く部位は、ホイールハウスパネル22にスポット溶接されて結合されている。
【0028】
なお、下部ダッシュクロスメンバー25を車両外側に設けて、この下部ダッシュクロスメンバー25の一端部25aをダッシュロアクロスメンバー15に結合させてもよい。
【0029】
前述した第1〜4車体前部補強メンバーを備えた車体前部構造の車両外側では、U字型メンバー8がフロアトンネル先端部全体を覆ってフロアトンネルメンバー7に結合され、そのU字型メンバー8とフロントサイドメンバー14の付け根部14aにダッシュロアクロスメンバー15が結合された構造とされている。このため、U字型メンバー8がフロアトンネルメンバー7である骨格部材と結合し、ダッシュロアクロスメンバー15がフロントサイドメンバー14である骨格部材と結合した構造となっている。
【0030】
また、第1〜4車体前部補強メンバーを備えた車体前部構造の車室内側では、上部ダッシュクロスメンバー19がフロントサイドメンバー14である骨格部材と結合されると共にダッシュサイドパネル18に結合され、下部ダッシュクロスメンバー25が車室内床面上メンバー17及びサイドシル23である骨格部材に結合した構造となっている。
【0031】
本実施形態の車体前部構造によれば、第1車体前部補強メンバーであるU字型メンバー8がフロアトンネル先端部全体を直接覆っているため、このフロアトンネル4の先端部における強度を向上させることができる。その結果、車体変形を抑制することができ、音振性能を改善できる。
【0032】
すなわち、本実施形態の車体前部構造によれば、第1車体前部補強メンバーがフロアトンネル先端部の剛性を高めるため、フロアトンネル先端部のひしゃげ変形によるせん断、捻り応力を直接的に抑制することができる。その結果、車体変形が抑制されて音振性能が改善される。
【0033】
また、U字型メンバー8がフロアトンネルメンバー7である骨格部材に結合されているので、このフロアトンネルメンバー7を骨格構造の一部として使用でき、車体1に入力される外力をフロアトンネルメンバー7へ応力分散させることができる。これにより、ロードノイズやエンジンこもり音等の100〜200Hzの周波数領域でフロアトンネル先端部が横方向へ倒れるひしゃげ変形を生じさせる、せん断応力や捩れ入力は、U字型メンバー8を通じてフロアトンネルメンバー7に分散することとなり、その結果、フロアトンネル先端部に生じるひしゃげ変形を抑えることができる。
【0034】
また、本実施形態の車体前部構造によれば、第2車体前部補強メンバーであるダッシュロアクロスメンバー15がフロントサイドメンバー14である骨格部材に結合されているので、このフロントサイドメンバー14を骨格構造の一部として使用でき、フロアトンネル4に生じる外力をフロントサイドメンバー14へ応力分散させることができる。また、ダッシュロアクロスメンバー15がU字型メンバー8と結合されているので、これらダッシュロアクロスメンバー15とU字型メンバー8によって、フロアトンネル先端部の強度が向上する。また、ダッシュロアクロスメンバー15が車室内床面上メンバー17を介して下部ダッシュクロスメンバー25と結合しているので、それらのメンバーへ応力分散させることができる。
【0035】
また、本実施形態の車体前部構造によれば、第3車体前部補強メンバーである上部ダッシュクロスメンバー19がフロントサイドメンバー14の下端付け根部14aの近傍に連結されているので、このフロントサイドメンバー14を骨格構造の一部として使用でき、車体に入力される外力をフロントサイドメンバー14へ応力分散させることができる。また、上部ダッシュクロスメンバー19がダッシュサイドパネル18に連結されているので、このダッシュサイドパネル18へフロアトンネル4に生じる外力を分散させることができる。
【0036】
また、本実施形態の車体前部構造によれば、第4車体前部補強メンバーである下部ダッシュクロスメンバー25がフロントサイドメンバー14の下端付け根部14aに結合されているので、このフロントサイドメンバー14を骨格構造の一部として使用でき、フロアトンネル4に生じる外力をフロントサイドメンバー14へ応力分散させることができる。また、下部ダッシュクロスメンバー25がサイドシル23と結合されているので、この下部ダッシュクロスメンバー25を介してサイドシル23にフロアトンネル4で生じた外力を分散させることができる。
【0037】
また、下部ダッシュクロスメンバー25がフロントサイドメンバー14の下端付け根部14aと一致して設けられる車室内床面上メンバー17と連結されているので、この車室内床面上メンバー17を骨格構造の一部として使用でき、フロアトンネル4に生じる外力を車室内床面上メンバー17へ応力分散させることができる。
【0038】
前述した応力分散により、車体1に入力される外力は、車体を構成する骨格構造の全体に分散することになり、特定部分に入力された外力が集中することがない。特に、フロアトンネル4に生じる力が分散し、フロアトンネル先端部およびフロアトンネル4が横方向へ倒れるようなひしゃげ変形を抑制することができる。車室内空気の体積変化を伴う骨格構造の変形モードが抑えられるため、車室内騒音レベルの増大を効果的に抑えることができる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は本発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎず、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含むものである。
【0040】
本出願は、2013年7月2日に出願された日本国特許願第2013−138613号に基づく優先権を主張しており、この出願の全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、フロアトンネルを有する車両に利用できる。
【符号の説明】
【0042】
1 車両
2 床下
4 フロアトンネル
5 ダッシュパネル
6 フロアパネル
7 フロアトンネルメンバー
8 U字型メンバー(第1車体前部補強メンバー)
14 フロントサイドメンバー
15 ダッシュロアクロスメンバー(第2車体前部補強メンバー)
17 車室内床面上メンバー
18 ダッシュサイドパネル
19 上部ダッシュクロスメンバー(第3車体前部補強メンバー)
22 ホイールハウスパネル
23 サイドシル
25 下部ダッシュクロスメンバー(第4車体前部補強メンバー)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9