特許第6041122号(P6041122)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6041122噴射ユニットおよびそれを用いたエアゾール製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6041122
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】噴射ユニットおよびそれを用いたエアゾール製品
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/14 20060101AFI20161128BHJP
   B65D 83/20 20060101ALI20161128BHJP
   B65D 83/30 20060101ALI20161128BHJP
   B05B 9/04 20060101ALI20161128BHJP
   B05B 15/00 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
   B65D83/14 200
   B65D83/20 100
   B65D83/30
   B05B9/04
   B05B15/00
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-116068(P2012-116068)
(22)【出願日】2012年5月21日
(65)【公開番号】特開2013-241205(P2013-241205A)
(43)【公開日】2013年12月5日
【審査請求日】2015年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】391021031
【氏名又は名称】株式会社ダイゾー
(74)【代理人】
【識別番号】100100044
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 重夫
(72)【発明者】
【氏名】高橋 知之
(72)【発明者】
【氏名】穐田 茂樹
【審査官】 植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−149098(JP,A)
【文献】 特開2002−233797(JP,A)
【文献】 特開2011−065829(JP,A)
【文献】 特開2007−311055(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/14 − 83/74
B05B 9/04
B05B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が充填された噴射容器に用いる噴射ユニットであって、
前記噴射容器に着脱自在に装着される装着部材と、
前記噴射容器の弁を作動させるための操作部およびその操作部の操作量を伝達するための伝達部を有し、前記操作部の操作により上下動して前記弁のステムを押動あるいは傾動させ、噴口から内容物を噴射する噴射部材と、
前記装着部材に着脱自在に設けられ、電池と、電池の電力により光を照射する光源と、電池と光源との接続/遮断を切り替えるスイッチとを有し、前記内容物の噴射方向とほぼ同じ方向に光を照射する照射部材とを備え、
前記伝達部が、噴口が形成された噴射部の上面に連続する基部と、その基部から噴射部の上面と間隔を空けて平行に延びる平坦部とからなり、
前記照射部材を装着部材に装着し、操作部を操作した際に、伝達部が基部を起点として揺動と反対方向に弾性変形し、その先端が上昇することにより、操作部の操作量が伝達部からスイッチに伝達可能となる、
噴射ユニット。
【請求項2】
前記照射部材が、太陽電池パネルを備え、
その太陽電池パネルにより発電された電力が、前記電池に蓄電されている、
請求項1記載の噴射ユニット。
【請求項3】
前記噴射部材が、噴口が形成された噴射部と、前記操作部および伝達部が設けられた本体部と、それら噴射部と本体部とを連結する変形部とを有し、
前記噴射部材が、装着部材あるいは照射部材に固定され、
前記操作部の操作により、前記変形部が変形し、前記噴射部の噴口の向きを一定にしたまま、本体部が上下動する、請求項1または2に記載の噴射ユニット。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の噴射ユニットと、
その噴射ユニットが装着されたエアゾール容器とからなるエアゾール製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は噴射ユニットおよびエアゾール製品に関する。さらに詳しくは、噴射位置に光を照射する噴射ユニットおよびエアゾール製品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、噴射容器および容器入り殺虫剤が開示されている。このものの噴射ユニットは、容器本体の口部に嵌合する嵌合部と、その嵌合部から延びる支持板に揺動自在に設けられ、揺動して噴射ボタンを押動する操作部とを備えている。その操作部には、LEDを光源とする照射手段が設けられている。
【0003】
特許文献2には、懐中電灯兼化学薬剤噴射器が開示されている。このものは懐中電灯の後端に噴射器を配置し、その噴射器から噴射される内容物をチューブにより懐中電灯の前端まで導き、懐中電灯の照射方向に内容物を噴射できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−56625号公報
【特許文献2】特開昭48−7610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、操作部に照射手段が設けられているため、レバーを操作すると照射スイッチが噴射ボタンと当接して押され、照射しながら噴射することができる。しかし、操作部と照射手段を分離することができないため、廃棄するときの無駄が多い。また、照射手段はレバーと共に揺動するため、噴射時に照射位置が動いてしまう。
特許文献2では、噴射操作が煩雑である。
【0006】
そこで本発明は、中身が無くなっても照射部材を他の噴射製品に付け替えて繰り返し使用することができ、また、照射部材を単独で使用することができる噴射ユニットおよびそれを用いたエアゾール製品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の噴射ユニットは、内容物が充填された噴射容器に用いる噴射ユニットであって、前記噴射容器に着脱自在に装着される装着部材と、前記噴射容器の弁を作動させるための操作部およびその操作部の操作量を伝達するための伝達部を有し、前記操作部の操作により上下動して前記弁のステムを押動あるいは傾動させ、噴口から内容物を噴射する噴射部材と、前記装着部材に着脱自在に設けられ、電池と、電池の電力により光を照射する光源と、電池と光源との接続/遮断を切り替えるスイッチとを有し、前記内容物の噴射方向とほぼ同じ方向に光を照射する照射部材とを備え、前記照射部材を装着部材に装着したとき、操作部の操作量が伝達部からスイッチに伝達可能となることを特徴としている。
【0008】
(2)このような噴射ユニットは、前記照射部材が、太陽電池パネルを備え、その太陽電池パネルにより発電された電力が、前記電池に蓄電されているものが好ましい。
【0009】
(3)また前記噴射部材が、噴口の形成された噴射部と、前記操作部および伝達部の設けられた本体部と、それら噴射部と本体部とを連結する変形部とを有し、前記噴射部が、装着部材あるいは照射部材に固定され、前記操作部の操作により、前記変形部が変形し、前記噴射部の噴口の向きを一定にしたまま、本体部が上下動するものが好ましい。
【0010】
(4)本発明のエアゾール製品は、上述の噴射ユニットと、その噴射ユニットが装着されたエアゾール容器からなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
(1)、(4)本発明の噴射ユニットおよびエアゾール製品は、照射部材が装着部材と着脱自在であり、照射部材を装着部材に装着すると、操作部材の操作部を操作した時の操作量が伝達部からスイッチに伝達されるため、中身が無くなっても照射部材を他の噴射製品に付け替えて繰り返し使用することができ、無駄がなく環境にやさしい。また、照射部材を単独で使用することもできる。
また、照射部材が装着部材に装着されているので、操作部を操作しても照射部材は動かない。このため操作部を少し操作して噴射対象に光を照射し狙いを定め、その狙いを定めた状態を維持したまま、すなわち照射方向を噴射対象物に定めたまま、さらに操作部を操作して内容物(エアゾール組成物)を噴射対象に噴射することができるので、狙った場所に正確に噴射することができる。
また光を照射したまま内容物を噴射するようにされている場合は、照射した光が動かない状態で内容物が噴射されるので、虫に気づかれにくい。
【0012】
(2)このような噴射ユニットにおいて、前記照射部材が、太陽電池パネルを備え、その太陽電池パネルにより発電された電力が、前記電池に蓄電されている場合は、未使用時に光を照射するための電力を蓄電することができるので、省エネ(再生可能エネルギーの利用)である。さらに、照射部材は半永久的に付け替え再利用(リユース)することができる。
【0013】
(3)また前記噴射部材が、噴口の形成された噴射部と、前記操作部および伝達部の設けられた本体部と、それら噴射部と本体部とを連結する変形部とを有し、前記噴射部が、装着部材あるいは照射部材に固定され、前記操作部の操作により、前記変形部が変形し、前記噴射部の噴口の向きを一定にしたまま、本体部が上下動する場合は、操作部の操作により本体部が揺動しても、噴口は照射部材と同じ方向を向いたまま動かないので、狙った場所に一層正確に噴射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は本発明の噴射ユニットの一実施形態を示す分解斜視図である。
図2図2は本発明のエアゾール製品の斜視図である。
図3図3は噴射ユニットの分解側面図である。
図4図4はエアゾール製品の作動する様子を示す概略図である。
図5図5図2のエアゾール製品の他の実施形態の使用状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず図2を用いて、本発明のエアゾール製品を説明する。図2に示すエアゾール製品20は、エアゾール容器21と、そのエアゾール容器21の上端付近に装着される噴射ユニット1とを備えている。前記エアゾール容器21は、アルミニウムやブリキなどの金属製の耐圧容器(以下、容器本体)22と、その容器本体22の図示しない開口部に取り付けられるエアゾールバルブ(以下、バルブ)23とを備えている。前記エアゾール容器21には、内容物(エアゾール組成物)Aが充填されている。
【0016】
前記エアゾールバルブ23には、ステム23a(図4参照)が設けられている。そのス
テム23aは、常時上方にバネで付勢されている。そのステム23aをバネの付勢に抗して押し下げることにより、ステム23aのステム孔がステムラバーから開放されエアゾール組成物Aが外部に噴射される。
【0017】
図1および図3に噴射ユニット1を示す。その噴射ユニット1は、前記エアゾール容器21(図2参照)の上端付近に着脱自在に装着される装着部材2と、前記バルブ23に連通する噴射部材3と、前記装着部材2に設けられる照射部材4とを備えている。
【0018】
前記装着部材2は、エアゾール容器21のバルブ23の外周部位22a(図4参照)に嵌合する嵌合部2aと、その嵌合部2aから上方に、互いに平行に延びる2枚の支持板2b、2bとからなる。その支持板2b、2bには、支持孔2c、2cがそれぞれ形成されている。また一方の支持板2bの上端には、他方の支持板2b側に延びる操作片2dが設けられている。さらに前記支持板2、2には、その上端からそれぞれ外向きに鍔状片2f、2fが設けられている。その鍔状片2f、2fには、前記照射部材4が取り付けられる。
【0019】
前記噴射部材3は、下端をバルブ23のステム23aに挿入し、上方に延びる本体部5と、その本体部5の上端から側方に延び、先端に噴口が形成された細長い筒状の噴射部6とを有している。その噴射部材3は、揺動後にステム23aを付勢しているバネの力で元の位置に戻る。また図示していないが、本体部5のステム23aと連結される部位を別体としてもよい。
【0020】
前記本体部5の前方には、指でバルブ23を操作するための操作部5aが設けられている。また本体部5の後方には、支持軸5b、5bが左右に突出している。それら支持軸5b、5bは、前記支持板2b、2bの支持孔2c、2cにそれぞれ通されており、噴射部材3の揺動の軸とされている。図では操作部5aは、指を掛けて操作するトリガー式のレバーである。
【0021】
前記噴射部6の上面には、操作部5aの操作量を伝達するための伝達部6aが設けられている。その伝達部6aは、噴射部6の上面に連続する部分である基部6bと、その基部6bから噴射部6の上面と間隔を空けて平行に前側に延びる平坦部6cとからなる。前記基部6bは湾曲しており、伝達部6aは前記湾曲した基部6bを主に起点として、上下方向に弾性変形する。また平坦部6cもいくらか弾性変形する。そして前記平坦部6cと噴射部6の上面との隙間に前記操作片2dが配置されている。図4の状態S3に示すように、前記操作部5aを操作し、噴射部材3を揺動させると、前記平坦部6cも同じ方向に揺動しようとする。しかし平坦部6cは前記操作片2dが邪魔をして揺動できない。このため平坦部6cは、基部6bを起点として揺動と反対方向に弾性変形し、その先端が上昇する。この先端の上昇する動作が、照射部材4のON-OFFに用いられている。
【0022】
前記照射部材4は、前記装着部材2の支持板2b、2aの上端に脱着自在に取付けられるケース7と、そのケース7に固定される太陽電池パネル8aを有する基板8と、その基板8の上方に配置されるカバー9とからなる。前記ケース7の底板には、開口7aが形成されている。そのケース7の下面には前記装着部材の鍔状片2f、2fに取り付けるための取付部7bが設けられている。またカバー9には、太陽電池パネル8aを外部にさらすための開口9aが形成されている。
【0023】
前記基板8には、太陽電池パネル8aにより得られた電力を蓄える充電池10と、その充電池10からの電力により点灯する光源11とが設けられている。また前記太陽電池パネル8aの裏側には、充電池10と光源11を接続し、光源11を点灯させるボタン8b(請求項1のスイッチ)が設けられている。そのボタン8bには、ボタンカバー8cが被
せられ、ケース7の開口7aから下方にいくらか突出している。その開口7aの下には、伝達部6aの先端付近が配置されている(図4の状態S1参照)。また基板8には、光源11の点灯を制御する図示しない制御部が設けられている。
【0024】
前記太陽電池パネル8aおよび充電池10は、従来公知のものが採用される。
前記光源11は、図では3つ設けられているが、その個数は特に限定されない。その光源11としては、LED(発光ダイオード)、LD(レーザーダイオード)、白熱電球などが挙げられる。本実施形態では、LEDが用いられている。
前記ボタン8bは、光源11をON−OFFする従来公知のスイッチである。本実施形態では、通常はボタン8bが押されておらず、OFFにされており、伝達部6aがボタン8bを押すとONになる、いわゆるノーマルオープンのスイッチを用いている。
【0025】
前記照射部材4の光の照射方向とエアゾール組成物Aの噴射方向とは、ほぼ同じ方向である。ほぼ同じ方向とは、少なくとも平面視で噴射方向と、照射方向とが同じであることである。
また前記噴射部材3を揺動したときの噴口の向き(実際の噴射方向)に、予め照射方向を向けておいてもよい。この場合、噴射部材3が揺動していないときは、照射方向(図4のY´参照)は噴口の向いている方向より下方に傾いている。
【0026】
前記照射部材4が装着部材2と着脱自在であり、照射部材4を装着部材2に装着すると、噴射部材5の操作部5aを操作した時の操作量が伝達部6aからボタン8bに伝達されるため、中身が無くなっても照射部材4を他のエアゾール製品20に付け替えて繰り返し使用することができ、無駄がなく環境にやさしい。また、照射部材4を単独で使用することもできる。
また前記照射部材4は装着部材2に装着したとき、操作部5aの操作量が伝達部からボタン5bに伝達可能となる。すなわち装着した時に、伝達部6aがボタン5bに操作量を伝達可能な位置に配置されている。
【0027】
図4に示すように、状態S1は操作部5aが操作されていない状態である。この状態S1では、噴射方向Xと照射方向Yは平行である。このとき伝達部6aの先端は、ボタン8bを押動していない。
【0028】
次いで状態S2は操作部5aを少し操作し、噴射部材3を少し揺動させた状態を示している。この状態S2では、噴射方向Xは少し下方に傾くが、照射方向Yは動かない。また伝達部6aの平坦部6cは、操作片2dにより上方に先端を向け、ボタン8bを下方から上方へ押動し、光源11を点灯させている。このため光源11の光により隙間や暗所などが照らされ、照射範囲が明るくなり、噴射操作を行うのを容易にしている。また光源11の光の照射範囲を、噴射対象となる害虫に向けることができる。この噴射部材3の揺動量は、バルブ23を作動させるほどの操作量ではない。このためエアゾール組成物Aは噴射されず、噴射が予定される周囲を明るくすると共に、対象物に狙いを定めるにとどまる。なお、噴射対象は害虫だけでなく、隙間や狭部や排水講などの日が当らず見えにくい暗部に照光し、潤滑剤、ホコリ飛ばし、防錆剤、洗浄剤などを噴射する製品にも好適に用いることができる。
【0029】
そして状態S3は、操作部5aをさらに操作し、噴射部材3を大きく揺動させた状態である。この状態S3では、噴射方向Xはさらに下方に傾くが、照射方向Yは動かない。また伝達部6aの先端は、ボタン8bを押動したままであるので、光源11は点灯したままである。この噴射部材3の揺動量は、バルブ23を作動させる操作量である。このためエアゾール組成物Aは、噴射される。このとき光源11の照射方向Yを動かさないでエアゾール組成物Aの噴射ができるので、害虫に気づかれにくい。
【0030】
最後に指による引き力を緩めると、噴射部材3がステム23aのバネにより元の位置に戻される。また伝達部6aは、弾性変形の復元力によりボタン8bから離れる方向に戻り、光源11が消灯する(状態S1)。
【0031】
また噴射部材3を揺動したときの噴口の向き(実際の噴射方向)に、予め照射方向を向けている場合では、状態S1において噴射方向Xに対し照射方向Y´は下方に傾いている。
次いで状態S2では、噴射方向Xは少し下方に傾くが、照射方向Y´と平行にまでなっていない。
そして状態S3では、噴射方向Xは大きく下方に傾き、照射方向Y´と平行になる。このため状態S2において照射で狙いを定めた範囲に、確実に噴射を行うことができる。
【0032】
図5の上部には、エアゾール製品の他の実施形態を示す。図5に示すエアゾール製品の噴射ユニット12は、図1のものとほぼ同じなので、同じ部分には同じ符号を付してその説明を省略する。前記噴射ユニット12の噴射部材3は、前記噴射部6と本体部5の間に、弾性的に変形し、噴射部6と本体部5を連結する変形部13を有している。そして噴射部6が、照射部材4のケース7の下面に固定部材2eにより固定されている。また図示していないが、噴射部6を装着部材2に固定してもよい。
【0033】
前記変形部13は、湾曲できる柔らかいチューブ状の部材(以下、チューブ)である。前記噴射部6はノズル状の部材である。また図示していないが、前記噴射部6をチューブ13と一体に設け、その一体に設けたチューブ13の先端付近を固定部材2eで固定してもよい。なお本体部5、噴射部6および変形部13を合成樹脂で一体に成形してもよい。
【0034】
図5の下部には、前記噴射ユニット12の使用される状態を示す。前記噴射部材3は、チューブ13を備えている。そして操作部5aを操作すると、本体部5は下方に移動する。このときチューブ13は弾性変形する。これにより前記噴射部6と本体部5との連通を維持しながら本体部5を上下動させることができる。そして噴射部6は、照射部材4に固定されているので、照射部材4の光の照射方向と、噴射部6の噴射方向とが同じである。このため操作部5aの操作により本体部5が上下動しても、噴射部6は照射部材4と同じ方向を向いたまま動かないので、狙った場所に一層正確に噴射することができる。
【0035】
前記容器本体22は、従来公知のスリーピース缶であり、上端に目金22bが設けられている。その目金22bの上方の開口部には、図示しないビードが形成されている。
また図示していないが、前記エアゾール製品20を噴射容器と、その噴射容器に取り付けられるポンプ式の弁とからなる噴射製品としてもよい。
【0036】
前記バルブ23は、図示しないビードにクリンプされる図示しないマウンテイングカップと、そのマウンテイングカップによって保持される図示しないハウジングと、そのハウジング内に上下動または傾動自在に設けられるステム23aと、そのステム23aを常時上向きに付勢する図示しないバネとを有する公知のものである。そのステム23aの下方には、容器本体22内に連通する図示しないステム孔が形成されており、そのステム孔が図示しないステムラバーにより密閉されている。前記ステム23aを押し下げると、前記ステムラバーとステム孔との密閉状態が解除され、エアゾール組成物Aが、前記ステム孔を介して外部に噴射される。
そのステム23aは、少し押し下げても、前記ステムラバーとステム孔との密閉状態が解除されない。このためその密閉状態が解除されるまでの、いわば少し押し下げた状態が、光源11が点灯し、エアゾール組成物Aが噴射されない、図4の状態S2である。
また図示していないが、ステム23aを傾動させることによりエアゾール組成物Aを噴
射させるものでもよい。
【0037】
図示していないが、装着部材2を容器本体22の巻き締め部に嵌合させてもよい。また前記噴射部材3をトリガー式のほか押しボタンとしてもよい。
【0038】
前記エアゾール組成物Aとしては、殺虫剤の他、潤滑剤、防錆剤、ホコリ飛ばし剤、洗浄剤、消臭剤、芳香剤などの家庭用有効成分や、水虫薬、消炎鎮痛薬、日焼け止め、制汗剤、スタイリング剤、トリートメント剤、染毛剤などの人体用有効成分を配合した原液と、その原液を噴射させるための液化ガスあるいは圧縮ガスなどの噴射剤とからなるものが挙げられる。
【0039】
前記光源11による光の照射は、暗所を照らしたり、噴射位置を定める照準としたり、噴射範囲を示したり、害虫誘引するのに用いられる。
例えば、光源11を暗所を照らすものとして用いると、屋内の家具の隙間、天井、床下、配管内を照らすのに使用したり、夜間に屋外で使用したり、車内で使用したりするのを容易にする。
また照準として用いると、殺虫剤として害虫に照射する他に、水虫や肩こりなどの患部、頭髪などの人体に噴射するのに用いられる。このため照射部材4の照射により噴射される範囲を予め把握することで、エアゾール製品20を安全に使用することができる。
さらに噴射範囲を示すものとして用いると、有効成分が不要な場所に飛散するのを防止できる。例えば頭髪用の有効成分や薬剤など、余計な場所に飛散するのが好ましくない原液に対して有効である。
【0040】
前記光源11の光は、広範囲に散乱させて暗所を照らしたり、集光させて照準としたり、照射範囲を絞り板により絞ることにより噴射範囲を示すのに用いられる。
また照射される光をスリットに通し、対象物に十字状あるいはY字状に投射して照準としたり、照射される光で投射される形状が、大きな輪になるようにし、実際に噴射されるエアゾール組成物Aの噴射範囲を示してもよい。
さらに複数個の光源11を用い、それら複数の光源11の光をそれぞれ集光させ、それら集光させた複数の点を対象物付近に投射させ、投射された点、例えば三角形の3つの頂点を投射させ、それら投射された点の内側(三角形の内部)を噴射範囲としてもよい。
【0041】
また照射される光を十字状やY字状にする場合に、噴口を十字状あるいはY字状に形成し、噴射されるエアゾール組成物Aがどのように噴射対象物に噴霧されるのか把握できるようにしてもよい。
【0042】
さらに図示してないが、用途の異なる光源11を組み合わせてもよい。例えば、光を絞って噴射範囲を投射する光源11と、レンズなどを用い集光させて照準として用いる光源11とを組み合わせるなどである。さらに暗所を照らす光源11を組み合わせてもよい。これら光源11は、操作部5aの操作により(状態S2)、同時に点灯させてもよい。また順次点灯するようにしてもよい。
【0043】
また使用される用途に応じて、光源11の種類を選択することができる。例えば照準として用いる光源11としてLD、LEDを用い、噴射範囲を投射するものとしてLEDを用い、暗所を照らすものとしてLED、白熱球を用いるなどである。
【0044】
また図示していないが、前記照射部材4と装着部材2の取付方法としては、例えば装着部材2の支持板2b、2bの間に照射部材4をスライドさせ、そのスライド端で照射部材4を装着部材2に係合させたり、照射部材4を装着部材2の上方から押し込んで嵌合させたり、照射部材4を装着部材2に仮置きし、その後照射部材4を回転させることにより係
合させたりしてもよい。スライドさせたり、回転させると、弱い力で脱着させることができる。
【0045】
前記伝達部6aは、操作部5aの操作量を伝達するものである。その操作量とは、バルブ23のステム23aの押動あるいは傾動する量に関連付けられる。前記操作量の伝達は、ステム23aの押動あるいは傾動する量を、伝達部6aの移動量に変換して行われる。その伝達部6aの移動方向は、上下左右のどの方向でもよい。
その伝達部6aの形状は、ステム23aの押動あるいは傾動する量を照射部材4に伝達できるなら、その形状は板状に限定されない。例えば、操作量に基づいて上方に突出する突起としたり、操作量に基づいて回転する円盤にしてもよい(例えば後述するロータリーエンコーダなど)。
また前記伝達部6aで常時ボタン8bを押圧しておき、噴射部材3を揺動させると、伝達部6aがボタン8bから離れ、それにより光源11が点灯するようにしてもよい(ノーマルクローズ)。例えば、ロック機構を用いて、常時ボタン8bを押圧させ、全量噴射タイプの燻蒸剤に床から上方に光照射と内容物噴射させる。
【0046】
前記ボタン8bとして、伝達部6aがボタン8bを押動させる量を検知できるものとしてもよい。これにより複数の光源11を順次点灯したり、異なる用途の光源11を点灯させることができる。また噴射時に光を薄く、あるいは消灯し、虫に気づかれにくくし、その上でエアゾール組成物Aを害虫なに噴射することもできる。
さらにボタン8aに伝達部6aの押圧力を感知できる押圧センサーを用いると、伝達部6aにより噴射部材3の揺動の程度が連続的な量として検知できる。これにより、光源11の光の強さを次第に強弱させるなどの制御ができる。
また前記ボタン8bとして、非接触式のものを用いることができる。その場合には円盤状の伝達部6aに等角度に磁石を設け、前記ボタン8bをその磁力を感知するエンコーダとする。
またリレー回路を設け、光源11を点滅させることもできる。
【0047】
本実施形態では、前記太陽電池パネル8aを照射部材4に内蔵しているが、太陽電池パネル8aを別体とし、その別体の太陽電池パネル8aをケーブルなどで電気的に連結し、コネクタなどで脱着自在に設けてもよい。太陽電池パネル8aを別体にすると、パネルの面積を大きくできるので、発電の効率が良い。
【0048】
図示していないが、太陽電池パネル8aを設けない場合には、前記充電池10を乾電池としてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 噴射ユニット
2 装着部材
2a 嵌合部
2b 支持板
2c 支持孔
2d 操作片
2e 固定部材
2f 鍔状片
3 噴射部材
4 照射部材
5 本体部
5a 操作部
5b 支持軸
6 噴射部
6a 伝達部
6b 基部
6c 平坦部
7 ケース
7a 開口
7b 取付部
8 基板
8a 太陽電池パネル
8b ボタン
8c ボタンカバー
9 カバー
9a 開口
10 充電池
11 光源
12 噴射ユニット
13 変形部
20 エアゾール製品
21 エアゾール容器
22 容器本体
22a 外周部位
22b 目金
23 バルブ
23a ステム
A エアゾール組成物
X 噴射方向
Y 照射方向
Y´ 照射方向
図1
図2
図3
図4
図5