(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1生成手段は、前記補充ポイント案内情報として、前記補充ポイントを前記走行経路上に示した3次元画像情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
前記現在地目的地情報取得手段は、前記サーバにあらかじめユーザが登録していた前記目的地情報を前記サーバから取得することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
前記動力源残量情報取得手段は、前記動力源残量情報以外にも、前記車両のID、前記現在地情報、走行速度、走行距離、および走行時間のうち、少なくともいずれか1つに関する情報を取得することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
前記選出手段は、前記車両の走行距離があらかじめ定められた距離に達したタイミング、または前記車両の走行時間があらかじめ定められた時間に達したタイミングで前記補充ポイントを選出し、
前記第1生成手段は、前記走行距離または前記走行時間との対応関係で選出された前記補充ポイントに基づいてさらに前記補充ポイント案内情報を改めて生成することを特徴とする請求項2ないし7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
前記選出手段は、前記車両の走行距離があらかじめ定められた距離に達したタイミング、または前記車両の走行時間があらかじめ定められた時間に達したタイミングで前記補充ポイントを選出し、
前記第1生成手段は、前記走行距離または前記走行時間との対応関係で選出された前記補充ポイントに基づいてさらに前記補充ポイント案内情報を改めて生成することを特徴とする請求項22または23に記載のサーバ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の技術では、バッテリ残量の計算や充電ポイントの通知をユーザや自動車の特性に基づいて表示することができず、十分に快適なドライブを提供できなかった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るシステムは、
車両と携帯通信端末とサーバとが通信可能に接続された情報処理システムであって、
前記携帯通信端末は、
前記車両の現在地情報および目的地情報を取得する現在地目的地情報取得手段と、
前記車両の動力源の残量を示す動力源残量情報を取得する動力源残量情報取得手段と、
前記現在地情報、前記目的地情報および前記動力源残量情報をサーバに送信する第1送信手段と、
を備
え、
前記サーバは、
前記現在地情報、前記目的地情報および前記動力源残量情報を受信する第1受信手段と、
前記車両を用いた過去の走行履歴情報と、前記車両に動力源の補充を行なうことが可能な位置を示す複数の補充可能ポイントを蓄積する蓄積手段と、
受信された前記現在地情報、前記目的地情報および前記動力源残量情報と蓄積された前記走行履歴情報とに基づいて、前記複数の補充可能ポイントから、前記車両に動力源の補充を行なうべき位置を表わす補充ポイントを選出する選出手段と、
選出された前記補充ポイントに関する情報を前記携帯通信端末に送信する第2送信手段と、
を備
え、
前記走行履歴情報は、前記車両の過去の走行日時情報、走行経路情報、走行速度情報、並びに前記車両の走行環境に関する走行環境情報、渋滞・交通規制に関する交通情報、および前記車両の整備に関する車両整備情報の少なくともいずれか1つを含む走行状況情報を含み、
前記蓄積手段は、前記車両の過去の走行状況情報を蓄積し、
前記選出手段は、さらに、前記過去の走行状況情報と前記現在の走行状況情報とに基づいて、あらかじめ登録された複数の補充可能ポイントから前記補充ポイントを選出することを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、
車両と携帯通信端末とサーバとが通信可能に接続され、
前記携帯通信端末が、
前記車両の現在地情報および目的地情報を取得する現在地目的地情報取得ステップと、
前記携帯通信端末が、前記車両の動力源の残量を示す動力源残量情報を取得する動力源残量情報取得ステップと、
前記携帯通信端末が、前記現在地情報、前記目的地情報および前記動力源残量情報をサーバに送信する第1送信ステップと、
を含み、
前記サーバが、前記現在地情報、前記目的地情報および前記動力源残量情報を受信する第1受信ステップと、
前記サーバが、前記車両を用いた過去の走行履歴情報と、前記車両に動力源の補充を行なうことが可能な位置を示す複数の補充可能ポイントを蓄積する蓄積ステップと、
前記サーバが、受信された前記現在地情報、前記目的地情報および前記動力源残量情報と蓄積された前記走行履歴情報とに基づいて、前記複数の補充可能ポイントから、前記車両に動力源の補充を行なうべき位置を表わす補充ポイントを選出する選出ステップと、
前記サーバが、選出された前記補充ポイントに関する情報を前記携帯通信端末に送信する第2送信ステップと、
を含
み、
前記走行履歴情報は、前記車両の過去の走行日時情報、走行経路情報、走行速度情報、並びに前記車両の走行環境に関する走行環境情報、渋滞・交通規制に関する交通情報、および前記車両の整備に関する車両整備情報の少なくともいずれか1つを含む走行状況情報を含み、
前記蓄積ステップにおいて、前記車両の過去の走行状況情報を蓄積し、
前記選出ステップにおいて、さらに、前記過去の走行状況情報と前記現在の走行状況情報とに基づいて、あらかじめ登録された複数の補充可能ポイントから前記補充ポイントを選出することを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る携帯通信端末は、
サーバおよび車両と通信可能な携帯通信端末であって、
車両の現在地情報および目的地情報を取得する現在地目的地情報取得手段と、
前記車両の動力源の残量を示す動力源残量情報を取得する動力源残量情報取得手段と、
前記現在地情報、前記目的地情報および前記動力源残量情報をサーバに送信する第1送信手段と、
車両に動力源の補充を行なうべき位置を表わす補充ポイントをユーザに提示する提示手段と、
を備えたことを特徴とする
上記情報処理システムに用いられる。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る携帯通信端末の制御方法は、
サーバおよび車両に対して通信可能な携帯通信端末の制御方法であって、
車両の現在地情報および目的地情報を取得する現在地目的地情報取得ステップと、
前記車両の動力源の残量を示す動力源残量情報を取得する動力源残量情報取得ステップと、
前記現在地情報、前記目的地情報および前記動力源残量情報をサーバに送信する第1送信ステップと、
車両に動力源の補充を行なうべき位置を表わす補充ポイントをユーザに提示する提示ステップと、
を含むことを特徴とする
上記情報処理システムに用いられる。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る携帯通信端末の制御プログラムは、
サーバおよび車両に対して通信可能な携帯通信端末の制御プログラムであって、
車両の現在地情報および目的地情報を取得する現在地目的地情報取得ステップと、
前記車両の動力源の残量を示す動力源残量情報を取得する動力源残量情報取得ステップと、
前記現在地情報、前記目的地情報および前記動力源残量情報をサーバに送信する第1送信ステップと、
車両に動力源の補充を行なうべき位置を表わす補充ポイントをユーザに提示する提示ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする
上記情報処理システムに用いられる。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係るサーバは、
車両と携帯通信端末と通信可能なサーバであって、
前記車両の現在地情報および目的地情報と
前記車両の動力源の残量を示す動力源残量情報とを、前記車両に接続された
前記携帯通信端末から受信する受信手段と、
前記車両を用いた過去の走行履歴情報と、前記車両に動力源の補充を行なうことが可能な位置を示す複数の補充可能ポイントを蓄積する蓄積手段と、
受信された前記現在地情報、前記目的地情報および前記動力源残量情報と蓄積された前記走行履歴情報とに基づいて、前記複数の補充可能ポイントから、前記車両に動力源の補充を行なうべき位置を表わす補充ポイントを選出する選出手段と、
選出された前記補充ポイントに関する情報を前記携帯通信端末に送信する送信手段と、
を備
え、
前記走行履歴情報は、前記車両の過去の走行日時情報、走行経路情報、走行速度情報、並びに前記車両の走行環境に関する走行環境情報、渋滞・交通規制に関する交通情報、および前記車両の整備に関する車両整備情報の少なくともいずれか1つを含む走行状況情報を含み、
前記蓄積手段は、前記車両の過去の走行状況情報を蓄積し、
前記選出手段は、さらに、前記過去の走行状況情報と前記現在の走行状況情報とに基づいて、あらかじめ登録された複数の補充可能ポイントから前記補充ポイントを選出することを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係るサーバの制御方法は、
車両と携帯通信端末と通信可能なサーバの制御方法であって、
前記車両の現在地情報および目的地情報と
前記車両の動力源の残量を示す動力源残量情報とを、前記車両に接続された
前記携帯通信端末から受信する受信ステップと、
あらかじめサーバに蓄積された前記車両を用いた過去の走行履歴情報と前記目的地情報と前記現在地情報とに基づいて前記車両に動力源の補充を行なうことが可能な位置を表わす補充ポイントを選出する選出ステップと、
選出された前記補充ポイントに関する情報を前記携帯通信端末に送信する送信ステップと、
を含
み、
前記走行履歴情報は、前記車両の過去の走行日時情報、走行経路情報、走行速度情報、並びに前記車両の走行環境に関する走行環境情報、渋滞・交通規制に関する交通情報、および前記車両の整備に関する車両整備情報の少なくともいずれか1つを含む走行状況情報を含み、
前記蓄積ステップにおいて、前記車両の過去の走行状況情報を蓄積し、
前記選出ステップにおいて、さらに、前記過去の走行状況情報と前記現在の走行状況情報とに基づいて、あらかじめ登録された複数の補充可能ポイントから前記補充ポイントを選出することを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係るサーバの制御プログラムは、
車両と携帯通信端末と通信可能なサーバの制御プログラムであって、
前記車両の現在地情報および目的地情報と
前記車両の動力源の残量を示す動力源残量情報とを、前記車両に接続された
前記携帯通信端末から受信する受信ステップと、
あらかじめサーバに蓄積された前記車両を用いた過去の走行履歴情報と前記目的地情報と前記現在地情報とに基づいて前記車両に動力源の補充を行なうことが可能な位置を表わす補充ポイントを選出する選出ステップと、
選出された前記補充ポイントに関する情報を前記携帯通信端末に送信する送信ステップと、
をコンピュータに実行さ
せ、
前記走行履歴情報は、前記車両の過去の走行日時情報、走行経路情報、走行速度情報、並びに前記車両の走行環境に関する走行環境情報、渋滞・交通規制に関する交通情報、および前記車両の整備に関する車両整備情報の少なくともいずれか1つを含む走行状況情報を含み、
前記蓄積ステップにおいて、前記車両の過去の走行状況情報を蓄積し、
前記選出ステップにおいて、さらに、前記過去の走行状況情報と前記現在の走行状況情報とに基づいて、あらかじめ登録された複数の補充可能ポイントから前記補充ポイントを選出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、動力源補充ポイントの通知を、自動車の走行履歴情報に基づいて提供し、快適なドライブを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して、例示的に詳しく説明記載する。ただし、以下の実施の形態に記載されている、構成、数値、処理の流れ、機能要素などは一例に過ぎず、その変形や変更は自由であって、本発明の技術範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
【0017】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての情報処理システム100について、
図1を用いて説明する。
【0018】
図1に示すように、情報処理システム100は、携帯通信端末120と、サーバ130とを含む。携帯通信端末120は、サーバ130と車両110と通信可能に接続されている。
【0019】
携帯通信端末120は、現在地目的地情報取得部121と、動力源残量情報取得部122と、送信部123とを有する。サーバ130は、受信部131と、蓄積部132と、選出部133とを有する。
【0020】
携帯通信端末120の現在地目的地情報取得部121は、車両の現在地情報および目的地情報を取得する。動力源残量情報取得部122は、車両から動力源の残量を示す動力源残量情報を取得する。送信部123は、現在地情報、目的地情報および動力源残量情報をサーバ130に送信する。
サーバ130の受信部131は、現在地情報、目的地情報および動力源残量情報を携帯通信端末120の送信部123から受信する。蓄積部132は、車両110を用いた過去の走行履歴情報と、車両110に動力源の補充を行なうことが可能な位置を示す複数の補充可能ポイントを蓄積する。選出部133は、受信された現在地情報、目的地情報および動力源残量情報と蓄積された走行履歴情報とに基づいて、複数の補充可能ポイントから、車両110の動力源の補充をおこなうべき位置を表わす補充ポイントを選出する。
【0021】
以上の構成および動作により、本実施形態に係る情報処理システムによれば、動力源補充ポイントの通知を、車両の走行履歴情報に基づいて提供し、快適なドライブを提供することができる。
【0022】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る情報処理システム200の概要について、
図2を用いて説明する。
【0023】
車両の一例としての電気自動車210は、東京都にある東京スカイツリーから富士山まで走行する予定である。出発時に、ユーザは、携帯通信端末の一例としてのスマートフォン220を電気自動車210に接続する。スマートフォン220は、ユーザによりあらかじめスケジュール用のアプリケーションに入力されたスケジュールに基づいて、ユーザの目的地(ここでは例として、神奈川県藤沢市の江ノ島と富士山)についての目的地情報を取得する。また、スマートフォン220は、接続された電気自動車210から動力源残量情報の一例としてのバッテリ残量情報や、バッテリ残量情報以外にも、自動車のID、現在地情報、走行速度、走行距離、および走行時間などの車両情報を取得する。なお、目的地情報は、スケジュール用のアプリケーションから取得するだけでなく、ユーザによるスマートフォン220への直接の入力操作により取得してもよい。また、現在地情報は、電気自動車210から取得するのではなく、スマートフォン220に内蔵されたGPS(Global Positioning System)を用いて取得してもよい。スマートフォン220は、目的地情報や車両情報をクラウドサーバ230に送信する。
図2の説明において、スマートフォン220に格納されたスケジュール用のアプリケーションから目的地を取得する例を示したが、スマートフォン220の画面に表示された目的地の候補からユーザが選択しても良く、これらに限られるものでもない。
【0024】
クラウドサーバ230は、受信した目的地情報と車両情報と過去の走行履歴情報とに基づいて、電気自動車210が立ち寄るべき補充ポイントの一例としての充電ポイントを走行ルート付近から選出し、選出した充電ポイントを走行ルートと共に表示するための充電ポイント案内情報を生成する。ここで、走行履歴情報とは、自動車の過去の走行日時情報、走行経路情報、走行速度情報および走行状況情報を含む。クラウドサーバ230は、生成した充電ポイント案内情報を、スマートフォン220に送信する。ここで、充電ポイント案内情報とは、例えば、自動車の現在地と目的地とを結ぶ走行経路情報および充電ポイントの位置情報を含んだ情報である。
【0025】
図2において、出発地の東京スカイツリーでは、バッテリ残量が100%であることがメータ211のバッテリ残量表示部212に表示されている(212a)。出発時におけるバッテリの予定使用量は、神奈川県藤沢市の江ノ島辺りでは55%である(212b)。その後、東名高速道路の足柄サービスエリア(SA)270で100%に充電し(212c)、富士山では80%になる予定であった(212d)。
【0026】
しかし、実際に走行すると、首都高速道路や横浜市付近で渋滞に巻き込まれて50%に減少した(212e)。そこで、クラウドサーバ230は、VICS(Vehicle Information and Communication System)(登録商標)から受信した交通情報や過去の渋滞時の走行履歴などに基づいて、電気自動車210の充電ポイントを再度選出し、足柄SAではなく、江ノ島271で80%に充電することを提示する(212f)。富士山に到着した時点でバッテリ残量は30%となる予定になった(212g)。
【0027】
電気自動車210のメータ211は、渋滞に巻き込まれてバッテリ残量が減少した状態を示す。メータ211は、走行速度として20.0km/h、走行距離として40.0km、走行時間として3時間1分、バッテリ残量表示部212として残り50%、残り95.0kmを示す。カーナビゲーションシステム213は、出発地(Sと表示)と、現在地(黒塗りの三角形で表示)と、1つ目の目的地である江ノ島(1と表示)と、充電ポイントと、最終目的地である富士山(Gと表示)とを表示している。
【0028】
クラウドサーバ230は、VICS(登録商標)から受信した交通情報と過去の走行履歴とを元に、電気自動車210の充電ポイントを変更すると、充電ポイントを地図上に表示した充電ポイント案内情報を生成する。そして、クラウドサーバ230は、充電ポイント案内情報をネットワーク240を介してスマートフォン220に送信する。スマートフォン220は、最新の充電ポイント案内情報を受信すると、接続された電気自動車210に送信する。なお、クラウドサーバ230は、交通情報の他に天気予報などを受信して、充電ポイントの選出に用いてもよい。
【0029】
(情報処理システムの構成)
次に、情報処理システム200の構成を示すブロック図として
図3Aを用いて説明する。情報処理システム200は、スマートフォン220とクラウドサーバ230とを含み、スマートフォン220とクラウドサーバ230とはネットワーク240を介して通信可能に接続されている。スマートフォン220は、電気自動車210と通信可能に接続されている。
【0030】
電気自動車210は、メータ211とカーナビゲーションシステム213とバッテリ残量情報記憶部214とを備え、メータ211は、バッテリ残量表示部212をさらに備える。メータ211は、走行速度、走行距離、走行時間を示し、さらに、走行可能距離の目安(
図2の212に示す残95.0km)を示す。また、バッテリ残量表示部212は、バッテリ残量を0〜100%の値で示すが、バッテリ残量の表示方法はこれに限られるものではない。バッテリ残量情報記憶部214は、不図示のバッテリに接続され、バッテリ内の電力の残量を随時検出して記憶している。
【0031】
スマートフォン220は、取得部321と送信部322と受信部323とを備える。取得部321は、電気自動車210の目的地情報を、スケジュール用のアプリケーション(不図示)に入力された運転者のスケジュール情報に基づいて取得する。取得部321は、運転者によるSNS(Social Networking Service)、チャット、メールでのやりとりから目的地を推測してもよいし、カーナビゲーションシステムへの入力(電話番号、地名、地図上の位置)から取得してもよいし、カーナビゲーションシステムが導き出した行き先案内と連動させてもよい。
【0032】
また、取得部321は、車両情報として、バッテリ残量情報以外に、電気自動車210のID(Identification)と、現在地情報、走行速度、走行距離、走行ルート、走行時間のうち、少なくともいずれか1つ以上を電気自動車210から取得する。なお、車両情報はこれら情報に限れられるものではなく、電気自動車に関する情報であればよい。さらに、取得部321は、クラウドサーバ230の生成部で生成された、現在地から目的地までの走行ルート上における充電ポイント(または充電スタンド)に関する充電ポイント案内情報を取得する。送信部322は、電気自動車210から受信した目的地情報や車両情報をクラウドサーバ230に送信し、また、クラウドサーバ230から受信した充電ポイント案内情報を電気自動車210に送信する。受信部323は、クラウドサーバ230で生成されて送信された充電ポイント案内情報を受信する。
【0033】
クラウドサーバ230は、受信部331と選出部332と生成部333と送信部334と算出部335と記憶部336と走行ルート導出部337と走行履歴取得部338とを備える。受信部331は、バッテリ残量情報と目的地情報と電気自動車の現在地情報とをスマートフォン220から受信する。バッテリ残量情報は、車両情報に含まれる。
【0034】
選出部332は、走行経路情報と走行履歴情報とに基づいてバッテリ消費量を予測し、バッテリ残量情報とバッテリ消費量とに基づいて、あらかじめ登録された複数の充電可能ポイントからお奨めの充電ポイントを選出する。選出部332は、また、現在の車両情報をも考慮して充電ポイントを選出する。さらに、選出部332は、過去の走行状況情報と現在の走行状況情報とに基づいて、充電ポイントを選出する。選出部332は、また、電気自動車の走行距離があらかじめ定められた距離に達したタイミング、または電気自動車の走行時間があらかじめ定められた時間に達したタイミングで充電ポイントを選出する。
【0035】
例えば、連休最終日の午後に行楽地から自宅への帰路で渋滞が発生し、温度と湿度が高いことからエアコンを多用するため、バッテリ残量の減少スピードが速いというように判断する。そして、予測したバッテリ消費量に対応する今後の走行可能距離を算出した上で、バッテリの充電ポイントを選出する。バッテリの充電ポイントの選出は、1つでもよいが、複数であることが望ましい。また、あらかじめ定められたタイミングとは、例えば、30分毎などの一定の走行時間や、10km毎などの一定の走行距離のようにユーザにおいて設定可能である。なお、お奨め充電ポイントの位置情報は、随時更新され、記憶部336に格納される。
【0036】
図6Aに示す運転者の走行履歴を参照して、コンビニエンスストアによく止まる運転者であれば、コンビニエンスストアに付随した充電ポイントを優先的に提案する。また、
図3Bに示す充電可能ポイントの情報を示すテーブル350を用いて、選出部332は、充電可能ポイントのエリア、属性、電気料金(円/KWh)に基づいて運転者の走行予定や時刻を参照して、あるいは、運転者からの直接の希望に応じて、食事をしながら充電することが望ましいと判断すると、レストランに付随した充電ポイントを優先的に提案する。
【0037】
選出部332は、充電ポイントを選出する際に、各充電ポイントで充電すべき電力量を併せて提案してもよい。例えば、次の日の走行予定を考慮して、次の日に充電せずに走行可能となるような電力量を提案してもよい。
【0038】
一方、選出部332は、充電可能ポイントごとの電気料金をユーザに提示すると共に、電気自動車210に近接した電気料金の価格の高い充電ポイントと、他の電気料金の価格が安い充電ポイントとを選出する。また、選出部332は、運転者から携帯通信端末に音声に対して希望パラメータ(電気料金の価格の安いところなど)を音声入力された場合には、この音声をクラウドサーバ230において解析し、運転者の希望に添うお奨め充電ポイント選出してもよい。
【0039】
次に、生成部333は、選出部332が選出した充電ポイントと、目的地までの走行経路情報とを含む補充ポイント案内情報を生成する。なお、充電ポイント案内情報に含まれる充電ポイントは、1つであっても複数であってもよく、また、ユーザにおいてお奨め充電ポイントの数を選択可能であってもよい。生成部333は、さらに、電気自動車210に近接した電気料金の価格高い充電ポイントでは、他の電気料金の価格が安い充電ポイントまで到達するためのつなぎとして補充すべき必要最低限の補充量を示す情報を提案してもよい。生成部333は、電気料金の価格の高い充電ポイントを経由して電気料金の価格の安い充電ポイントまでの経路情報を提示する。一方、生成部333は、電気料金の価格の安い充電ポイントであれば、目的地に到達するまでに存する他の充電ポイントの電気料金の価格と現在のバッテリ残量とに基づいて、電気料金の価格の安い充電ポイントにおけるフル充電を提案してもよい。
【0040】
送信部334は、生成部333において生成された充電ポイント案内情報を、ネットワーク240を介してスマートフォン220に送信する。
【0041】
算出部335は、走行日時情報、走行環境情報、交通情報、車両情報、車両整備情報に基づいてバッテリ消費量やバッテリ消費特性を算出する。
【0042】
記憶部336は、地図情報、充電可能ポイントの位置情報を記憶しており、さらに、電気自動車210を用いた過去の走行履歴情報を蓄積する蓄積手段としても機能する。また、記憶部336は、電気自動車210の過去の走行状況情報に加えて、電気自動車210と同車種の電気自動車または走行能力において同性能の電気自動車に関する過去の走行状況情報を蓄積する。選出部332は、電気自動車210と同車種の電気自動車210または走行能力において同性能の自動車に関する過去の走行状況情報と現在の走行状況情報とに基づいて、あらかじめ登録された複数の充電可能ポイントから充電ポイントを選出する。記憶部336は、通学生が多い、暴走車が多い、徘徊老人が多いなどの道路状況に付随する情報をSNS(Social Networking Service)から取得して記憶してもよく、選出部332がその情報を用いて充電ポイントを選択してもよい。
【0043】
記憶部336において記憶された情報を共有する仲間をあらかじめ階層的に登録しておき、それぞれの仲間との間で、階層ごとに定められた範囲の情報を共有してもよい。例えば、家族同士であれば、全情報を共有するが、友人同士ではスケジュールは共有せずに、車種と走行履歴まで、ツイッター(登録商標)のような短文投稿サイトの仲間同士や知人関係では、充電ポイント使用履歴のみを共有するといった階層分けを行なってもよい。消費電力を抑える運転方法について、仲間内で記憶部336に蓄積して、ナレッジを共有してもよい。クラウドサーバ230は、蓄積されたナレッジから最適運転方法を導いて、スマートフォン220を介して運転者にアドバイスを送ってもよい。
【0044】
記憶部336は、さらに不図示の走行履歴情報の他、アプリケーションプログラムを記憶している。そのアプリケーションプログラムは、電気自動車210に接続されたスマートフォン220からクラウドサーバ230にログインすると起動して、スマートフォン220のディスプレイに様々なGUI(Graphic User Interface)を表示させる。アプリケーションプログラムは、スマートフォン220の内部にインストールされているかのように振る舞い、スマートフォン220に対するユーザの操作を検知して、その操作に応じた処理を行ない、スマートフォン220の画面表示を変える。アプリケーションプログラムは、このようにユーザからの入力を受け付けてユーザや電気自動車210に関する情報を取得して、記憶部336にデータベースを構築する。
【0045】
走行ルート導出部337は、目的地情報と現在地情報とに基づいて目的地までの走行経路情報を導出する。選出部332が充電ポイントを選出した後は、その充電ポイントを含む走行経路を再度導出する。この時、走行ルートの特徴についての情報を、走行経路情報に含めてもよい。例えば、充電ポイントAまでの経路について、「狭い」「一方通行が多い」「渋滞しやすい」「通学路を含む」などの特徴がある場合には、そのような特徴をユーザに知らせるべく、送信部334を介してスマートフォン220に送信する。
【0046】
走行履歴取得部338は、走行履歴情報として、自動車の過去の走行日時情報、走行経路情報、走行速度情報および走行状況情報を取得して記憶部336に記憶する。走行状況情報は、自動車の走行環境に関する走行環境情報、渋滞・交通規制に関する交通情報、および自動車の整備に関する車両整備情報の少なくともいずれか1つを含む。走行環境情報は、走行経路の温度、湿度、風向、風速、降水量、天気などに関する情報である。走行日時に、お盆や正月のように属性を付けて記憶部336に記憶してもよい。さらに、渋滞に関しては、事故渋滞と工事渋滞とに別々に分けて記憶してもよい。
【0047】
(情報処理システム全体の処理の流れ)
次に、情報処理システム200と電気自動車210とを含む全体の処理の流れを
図4を用いて説明する。
図4は、情報処理システム200と電気自動車210との処理の流れを示すシーケンス図である。
【0048】
ステップS401において、スマートフォン220の取得部321は、電気自動車210の目的地情報をスケジュール用アプリケーションから取得する。ステップS403において、スマートフォン220は電気自動車210に接続する。ステップS405において、スマートフォン220は、クラウドサーバ230にログインする。ステップS407において、クラウドサーバ230は、ログイン処理を行ないアプリケーションプログラムを起動する。ステップS409において、電気自動車210のメータ211は、車両情報450として、自動車ID451と走行距離352と走行時間453とを表示し、さらに、バッテリ残量表示部212にバッテリ残量454を表示する。ステップS411において、スマートフォン220は、ユーザからのユーザ情報の入力を受け付ける。ステップS413において、電気自動車210は、自動車ID451などの車両情報450をスマートフォン220に送信する。
【0049】
ステップS415において、スマートフォン220の受信部323は車両情報450を受信すると、送信部322は、目的地情報と車両情報450とユーザ情報とをクラウドサーバ230に送信する。ステップS417において、クラウドサーバ230の選出部332は、記憶部336に記憶された複数の充電ポイントのデータを読み出し、充電ポイントを選出する。ステップS419において、生成部333は、選出された充電ポイントを走行経路に表示した充電ポイント案内情報を生成する。ステップS421において、送信部334は、生成された充電ポイント案内情報をスマートフォン220に送信する。ステップS423において、スマートフォン220の送信部322は、受信した充電ポイント案内情報を電気自動車210に送信する。
【0050】
電気自動車210は、スマートフォン220から充電ポイント案内情報を受信すると、ステップS425において、カーナビゲーションシステム213に充電ポイント案内情報(つまり、車両位置から目的地までのルートとお奨め充電ポイントの位置とを示す情報)を表示する。
【0051】
(スマートフォンの画面表示)
次に、スマートフォン220の画面501に表示される表示情報について説明する。スマートフォン220は、電気自動車210に接続されると、まず、その電気自動車210に特化されたドライバプログラムを備えているか否か判定する。判定した結果、自機にドライバプログラムを備えている場合には、そのドライバプログラムを利用して電気自動車210から車両情報等を受信する。電気自動車210の車種は多岐に渉るため、それぞれの電気自動車ごとのドライバプログラムをスマートフォン220に格納していたのでは、スマートフォン220の記憶容量を圧迫してしまう。そこで、通常は、ドライバプログラムをスマートフォン220内部に格納することはなく、
図5Aに示す画面501をスマートフォン220に表示させてユーザに確認させる。ユーザが、クラウドサーバ230への接続を要求した場合(
図5AでYESを選択)、スマートフォン220はクラウドサーバ230に対して、通信確立および車両情報等の取得をリクエストする。
【0052】
クラウドサーバ230は、スマートフォン220を介して、電気自動車210との通信を確立すると、電気自動車210から車両情報(バッテリ残量、現在地、平均速度など)を受信する。そして、クラウドサーバ230は、受信した車両情報を記憶部336に格納されたユーザデータベースに記憶する。
【0053】
一方、クラウドサーバ230は、電気自動車210に対応したアプリケーションプログラムを起動して、スマートフォン220のディスプレイに
図5Bに示す画面502のような様々なGUIを表示させる。
図5Bに示すとおり、一例として、運転者の操作によりマイカーが選択された画面502を示す。アプリケーションプログラムは、スマートフォン220に対するユーザの操作を検知して、その操作に応じた処理を行ない、スマートフォン220の画面表示を変える。これにより、スマートフォン220の記憶容量を圧迫することもなく、また、アプリケーションのバージョンアップをユーザサイドで行なう必要もなくなるという利点がある。
【0054】
アプリケーションプログラムは、スマートフォン220のIDおよび接続された電気自動車210を確認する。確認が終了すると、クラウドサーバ230は、ディスプレイに
図5Cに示す画面503を表示させて、ユーザに運転者を選択させる。
図5Cでは、一例として、A村a男、A村b子、A村c太、その他、の選択肢を表示し、A村b子が選択されたことを示す。クラウドサーバ230は、選択された運転者による電気自動車210の利用が初めてか否か判断し、初めてであると判断すると、
図5Dに示す画面504を表示させて、GUIを介して運転者に情報を入力させる。クラウドサーバ230は、入力された情報をユーザ情報として記憶部336のデータベースに蓄積する。入力される情報は、
図5Dでは、運転者氏名と運転免許証の番号であるが、これらに限られるものではない。
【0055】
アプリケーションプログラムは、ユーザ情報の登録が済むと、運転者に目的地の設定を求めてもよい。クラウドサーバ230は、目的地として
図5Eに示す画面505を表示させて、スケジュールから取得、×××駅、会社、学校などを示す。画面505では、運転者によりスケジュールから目的地を取得することを選択されている。なお、目的地は、運転者の過去の走行履歴情報から選択されても、直接入力により設定されてもよい。また、スマートフォン220において、スケジュール用のアプリケーションからあらかじめ目的地情報を取得している場合には、車両情報等としてクラウドサーバ230に目的地情報を送信されている。このため、運転者において、「スケジュールから取得」を選択すればよい。
【0056】
(ナレッジのテーブル)
次に、
図6Aおよび
図6Bを用いて、クラウドサーバ230の記憶部336のデータベースに格納されるユーザのデータについて説明する。
【0057】
図6Aは、車種 KATOパルサーEV 20××年製を利用する、ユーザIDが50A25PM0のユーザと、ユーザIDが31B66QM0のユーザの妻についての過去の走行履歴テーブル610を示す。ここで、走行履歴情報とは、いつ、どこを、どのような走行状況の中で、どのような速度で、走行したかを表わす情報であり、走行状況情報を含む。ここで、走行状況情報は、自動車の走行環境に関する走行環境情報、渋滞・交通規制に関する交通情報、および自動車の整備に関する車両整備情報の少なくともいずれか1つを含む。また、走行環境とは、天気、温度、湿度、風向、風速、降水量などを含む。
【0058】
走行履歴テーブル610は、走行履歴情報の一例として、タイミング、エリア、走行経路、属性、平均速度(km/h)、電力消費量(KWh)を含む。ここでタイミングは、パルサーEVを利用した日付を示しているが時刻を含めてもよい。このタイミングにより、ユーザやユーザの家族が運転した場合の電力消費傾向を把握することが可能である。次に、エリアは、街中、市街地、郊外、渋滞、観光地、山間部など走行経路を大別する。
【0059】
属性は、ユーザごとの走行経路からコンビニエンスストア、ファミリーレストラン、スーパーマーケットなどよく立ち寄る施設や場所、またはよく立ち寄る施設や場所に近接している施設の種類に基づいて分類する。これにより、ユーザおよびユーザの家族における電気自動車210の利用傾向が分かる。
【0060】
次に、走行経路は、ユーザなどが実際に走行した経路に関する情報である。例えば、ユーザIDが50A25PM0のユーザは、2012/04/29において○○スーパーに買い物に行くために電気自動車を利用したことを示す。同様に、50A25PM0のユーザは、2012/05/05において○○温泉の××旅館から□□美術館まで走行したことが分かる。このように走行経路の履歴を蓄積することで、同一経路を走行する際のバッテリの電力消費量を把握することが可能である。
【0061】
平均速度(km/h)は、走行経路を走行した際の速度の平均値を示す。電力消費量(KWh)は、走行経路を走行した際のバッテリの消費量である。走行経路との関係で、あるいは平均速度との関係で、電力消費量を予測するために用いられる。
【0062】
図6Aでは、本人または家族の走行履歴情報を蓄積する場合について説明したが、特定の仲間で、走行履歴情報(例えば、走行環境とバッテリ使用状況のデータ)を共有できるように、記憶部336において、
図6Bに示すような車種ごとの走行履歴テーブル620を生成してもよい。走行履歴テーブル620は、車種、エリア、タイミング、平均燃費(km/KWh)、バラツキを含む。車種は、A、B、...と複数有る。この車種は、メーカー毎の具体的な同車種であっても良く、セダン、クーペ、ワゴン、ワンボックスのような外観や排気量が同様の自動車や、走行能力が同性能である自動車による種類分けであってもよい。エリアは、走行履歴テーブル620において、街中、高速、郊外の3段階を示すが、他に山間部、沿岸部、工場エリア、商業エリア、住宅街などに分けてもよい。
【0063】
タイミングは、走行時間帯を示し、テーブル620においては、平日日中、休日日中、夜中の3段階で示すが、これに限られるものではない。平均燃費は、車種Aで同一のエリアを同一のタイミングで走行した際の燃費の平均値を示す。バラツキは、平均燃費に関するばらつきを示す。
【0064】
走行履歴テーブル620に示すユーザの走行データは、各ユーザにおいてあらかじめ設定した仲間と共有することが可能である。例えば、車種Aについては、グループaで共有し、車種Bについては、エリアと平均燃費については共有する、というようにユーザにおいて共有する仲間と開示する情報の範囲を指定することが可能である。このような他人の走行履歴情報を用いることにより、初めて走る道路であっても、前に同じ車種の自動車が走った情報から、より正確に電力消費量を推定することができる。
【0065】
次に、
図7A〜
図7Fを用いて、クラウドサーバ230の記憶部336のデータベースに格納される自動車毎のデータについて説明する。算出部335は、これら
図7A〜
図7Fの情報に基づいてバッテリ消費量やバッテリ消費特性を算出し、選出部332は、算出されたバッテリ消費量に基づいて充電ポイントを選出する。
【0066】
図7Aは、電気自動車210の1回のドライブにおける走行日時情報を示すテーブル710である。テーブル710には、電気自動車210のIDごとに、走行日と走行時間帯とを走行記録D1〜Dnとして記録する。また、燃費(km/KWh)とバラツキとを記録する。例えば、テーブル710は、IDが101101Aの電気自動車の走行記録D1として、走行日2011/01/02、走行時間帯AM8:54〜AM11:20を示す。そして、この際の電気自動車210の速度が5.5(km/KWh)であり、バラツキが15であることを示す。このように、ID101101AについてはD1〜D3までの走行記録を示す。同様に、ID101101Bについては、D1〜D6までの走行記録を記憶する。
【0067】
次に、
図7Bは、電気自動車210の1回のドライブ毎の走行環境情報を示すテーブル720である。テーブル720には、電気自動車210のIDごとに、天気、温度、湿度、風向、風速、降水量などの環境記録E1〜Enと共に燃費(km/KWh)を記録する。例えば、テーブル720は、IDが101101Bの電気自動車の環境記録E1として、天気、温度等を示す。この電気自動車ごとの環境記録Enと燃費(km/KWh)とに基づいて、算出部335は、バッテリ消費特性を算出する。
【0068】
次に、
図7Cは、電気自動車210の1回のドライブ毎の交通情報を示すテーブル730である。テーブル730には、電気自動車210のIDごとに、渋滞情報1〜渋滞情報nと、交通規制1〜交通規制nとを交通記録T1〜Tnと燃費(km/KWh)とバラツキとを記録する。例えば、テーブル730は、IDが101101Aの電気自動車の交通記録T1として、渋滞情報1と交通規制1〜交通規制nと燃費(km/KWh)とバラツキとを示す。この電気自動車ごとの交通記録Tnをスマートフォン220から受信部331は受信し、記憶部336に記憶されると、選出部332は道路の混雑状況を把握して走行記録Dや環境記録Eに基づいて、充電ポイントを選出する。
【0069】
次に、
図7Dは、電気自動車210の1回のドライブ毎の車両情報を示すテーブル740である。テーブル740には、電気自動車210のIDごとに、バッテリ残量、出発地、現在地、目的地、平均速度、走行距離、走行時間、走行経路、充電情報などを車両記録V1〜Vnとして記録する。例えば、テーブル740は、IDが101101Aの電気自動車の車両記録V1として、バッテリ残量などを示す。この電気自動車ごとの車両記録Vnに基づいて、選出部332は、充電ポイントを選出する。
【0070】
次に、
図7Eは、電気自動車210の1回のドライブ毎の車両整備情報を示すテーブル750である。テーブル750には、電気自動車210のIDごとに、タイヤ空気圧、タイヤ磨耗度、タイヤ交換時期、オイル量、オイル汚れ、オイル交換時期、燃費(km/KWh)、バラツキを整備記録M1〜Mnとして記録する。例えば、テーブル750は、IDが101101Aの電気自動車の交通記録M1〜Mnとして示す。この電気自動車ごとの整備記録Mnをスマートフォン220から受信部331は受信し、記憶部336に記憶されると、算出部335は、バッテリ消費特性の算出に用いる。
【0071】
次に、
図7Fは、電気自動車210の1回のドライブごとに取得した走行記録、環境記録、交通記録、車両記録および整備記録に基づいて算出されたバッテリ消費特性B1〜Bnを示すテーブル760である。テーブル760には、電気自動車210のIDごとに、バッテリ消費特性を更新して記録する。例えば、テーブル760は、電気自動車210のIDごとに、走行記録D、環境記録E、交通記録T、車両記録V、整備記録M、および燃費(km/KWh)に基づいて算出されたバッテリ消費特性を示す。この電気自動車ごとの各記録に基づいて、算出部335は、電気自動車のバッテリのバッテリ消費特性を算出する。
【0072】
(スマートフォンの処理)
次に、スマートフォン220の処理を
図8Aを用いて説明する。
図8Aは、スマートフォン220の処理の流れを示すフローチャートである。
【0073】
ステップS801において、取得部321は、目的地情報をスケジュール用アプリケーションから取得すると、ステップS803に進む。目的地情報を取得しない場合には、ステップS801を繰り返す。ステップS803において、電気自動車210に接続する。ステップS805において、クラウドサーバ230にネットワーク240を介してログインする。ステップS807において、取得部321は、ユーザによるユーザ情報の入力を受け付ける。ステップS809において、取得部321は、車両情報450を取得すると、ステップS811に進む。一方、車両情報450を取得しない場合には、ステップS809を繰り返す。ステップS811において、送信部322は、ネットワーク240を介してクラウドサーバ230にユーザ情報と車両情報450とを送信する。ステップS813において、受信部323は、充電ポイント案内情報をクラウドサーバ230から受信する。ステップS815において、送信部322は、充電ポイント案内情報を電気自動車210に送信する。ステップS817において、目的地に到着したことを確認した場合には処理を終了する。一方、目的地に到着したことを確認しない場合には、ステップS809に戻り、現在地を取得し、充電ポイント案内情報の更新処理を繰り返す。
【0074】
(クラウドサーバの処理)
次に、クラウドサーバ230の処理を
図8Bを用いて説明する。
図8Bは、クラウドサーバ230の処理の流れを示すフローチャートである。
【0075】
ステップS831において、クラウドサーバ230は、スマートフォン220からのログインを受け付ける。ステップS833において、受信部331は、ユーザ情報、目的地情報、車両情報をスマートフォン220から受信すると、ステップS835に進む。一方、ユーザ情報、目的地情報、車両情報を受信しない場合には、これら情報を取得するまで処理を繰り返す。ステップS835において、選出部332は、受信したユーザ情報や目的地情報や車両情報や、記憶部336から読み出したバッテリ消費特性に基づいて充電ポイントを選出する。
【0076】
ステップS837において、生成部333は、選出した充電ポイントに基づいて、充電ポイント案内情報を生成する。ステップS839において、送信部334は、充電ポイント案内情報をスマートフォン220に送信する。ステップS841において、目的地情報や車両情報を新たに受信した場合には、ステップS833に戻り、これら情報を新たに受信しない場合には、処理を終了する。
【0077】
(クラウドサーバのハードウェア構成)
次に、クラウドサーバ230のハードウェア構成について説明する。
図9は、クラウドサーバ230のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0078】
クラウドサーバ230は、CPU(Central Processing Unit)910、ROM(Read Only Memory)920、通信制御部930、RAM(Random Access Memory)940、ストレージ980を備えている。CPU910は中央処理部であって、様々なプログラムを実行することによりクラウドサーバ230全体を制御する。
【0079】
ROM920は、リードオンリメモリであり、CPU910が最初に実行すべきブートプログラムの他、各種パラメータ等を記憶している。また、通信制御部930は、ネットワークを介したスマートフォン220との通信を制御する。RAM940は、ランダムアクセスメモリであり、スマートフォン220のID941を記憶する。さらに、車両情報450、走行日時情報、交通情報、走行環境情報、車両整備情報などを記憶する。また、ストレージ980は、充電ポイント981や、自動車ID451、走行履歴情報983、充電履歴情報984、バッテリ消費特性985などを格納する。さらに、ストレージ980には、充電ポイント取得モジュール991、充電ポイント案内情報生成モジュール992、バッテリ消費量算出モジュール993、バッテリ消費特性算出モジュール994等が格納されている。
【0080】
スマートフォンのID941は、ログインした(
図4のS405)スマートフォン220のIDである。RAM940は、車両情報450として、自動車ID451、バッテリ残量454、出発地944、目的地945、現在地946、平均速度947、走行距離452、走行経路949、走行時間453、充電情報951を記憶する。
【0081】
自動車ID451は、スマートフォン220と接続されている自動車のIDである。車両情報450は、この自動車ID451と共に、現在のバッテリ残量454と、出発地944と、目的地945と、現在地946と、出発地944から現在地946までの平均速度947とを記憶する。
【0082】
さらに、出発地944から現在地946までの走行距離452と、出発地944から目的地945までの走行経路949と、出発地944から現在地946までの走行時間453と、現在地946に到達するまでに充電した場合の充電情報951とを車両情報として記憶する。クラウドサーバ230は、スマートフォン220から受信部331において受信したこれら車両情報に基づいて、選出部332において充電ポイントを選出し、生成部333において充電ポイント案内情報を生成する。
【0083】
RAM940は、また、走行日時情報として走行日952と走行時間帯953とを記憶する。さらに、RAM940は交通情報として、渋滞情報954と交通規制955とを記憶する。クラウドサーバ230は、スマートフォン220から受信したこれらの情報に基づいて、充電ポイントを選出し、充電ポイント案内情報を生成する。また、RAM940は、走行環境情報として、天気961、走行中の社外の温度962、走行中の車外の湿度963、風向964、風速965、降水量966などを記憶する。RAM940には、さらに、車両整備情報として、タイヤ空気圧971、タイヤ磨耗度972、タイヤ交換時期973、オイル量974、オイル汚れ975、オイル交換時期976などを記憶する。クラウドサーバ230は、スマートフォン220から受信したこれら情報に基づいて、算出部335において、バッテリ消費量やバッテリ消費特性を算出する。
【0084】
次に、ストレージ980には、道路沿いまたは施設内に設置されている充電ポイント981と、自動車ID451に紐付けられた走行履歴情報983、充電履歴情報984とバッテリ消費特性985とが格納されている。走行履歴情報は、いつ、どこを、どのような状況の中で、どのような速度で、走行したかを表わす履歴である。選出部332は走行履歴情報に基づいてバッテリの消費量を予測し、バッテリ残量とバッテリ消費量とに基づいて、充電ポイントを選出する。充電履歴情報は、いつ、どこで充電したかを示す情報である。選出部332は、走行履歴情報だけでなく、さらに充電履歴情報にも基づいて充電ポイントを選出する。
【0085】
また、ストレージ980には、ユーザID986に紐付けて、運転者氏名987、運転免許証番号988、および車両操作特性情報989などが格納されている。車両操作特性情報989は、運転者のアクセル操作、ブレーキ操作、エアコンの効かせ具合などの車両操作特性を含む情報である。選出部332は、運転者氏名987と運転免許証番号988と車両操作特性情報989と、運転中の電気自動車210のバッテリ消費特性とに基づいて、充電ポイントを選手する。ストレージ980には、さらに、充電ポイント取得モジュール991、充電ポイント案内情報生成モジュール992、バッテリ消費特性算出モジュール994が格納されている。
【0086】
充電ポイント取得モジュール991は、充電ポイント981が新たに設置された場合や、既存の充電ポイントの設備が拡充された場合などにそれらの情報を取得する。記憶部336は、他のユーザなどから受信した充電ポイントに関する情報を記憶する。また、充電ポイント案内情報生成モジュール992は、選出部332において選出された充電ポイント981を、走行経路949に表示した充電ポイント案内情報を生成する生成部333として機能する。バッテリ消費量算出モジュール993は、車両情報、走行日時情報、交通情報、走行環境情報から、電気自動車210のバッテリ消費量を算出する算出部335として機能する。バッテリ消費特性算出モジュール994は、車両情報、走行日時情報、交通情報、走行環境情報から、電気自動車210のバッテリ消費の特性を算出する算出部335として機能する。
【0087】
(クラウドサーバ230での処理の流れ)
図10Aを用いて、クラウドサーバ230におけるより詳しい処理の流れを説明する。ステップS1011において、スマートフォン220から、電気自動車210の接続リクエストを受信したと判断すると、ステップS1013に進み、ディスクリプタの取得処理を行なう。取得したディスクリプタに基づいて、デバイスドライバおよびアプリケーションプログラムを選定し、起動する。さらに、アプリケーションプログラムの実行に伴い、所定の表示画面をスマートフォン220に送信する。
【0088】
ステップS1021において、電気自動車の接続完了通知を受信したと判断すると、ステップS1025において、車種特定処理を行なう。
【0089】
さらに、ステップS1031において、USBパケットの送信を行なうと判定した場合には、ステップS1033に進み、送信用USBパケットを生成し、さらにステップS1035においてIPカプセリングして電気自動車宛に送信する。その後、電気自動車からの受信を待ち(S1037)、受信するとIPアンカプセリングを行ない(S1039)、受信USBパケットの処理を行なう(S1041)。
【0090】
(ディスクリプタの取得方法)
図10B、
図10C、
図10Dは、ステップS1013で説明したディスクリプタのやりとりについてより詳しく説明する図である。これらの図は、クラウドサーバ230とスマートフォン220と電気自動車210との間でやり取りされるパケットデータについて示している。
【0091】
図10Bにおいて、まず、スマートフォン220と電気自動車210とが接続されると、セットアップ・ステージS1051において、トークン・パケットとデータ・パケットとを、スマートフォン220から電気自動車210に送信する。電気自動車210は、これに応えてハンドシェイク・パケットをスマートフォン220に送信する。適正なハンドシェイク・パケットが返ってくるか否かにより、自機で電気自動車210を制御できるか判断する。
【0092】
例えば、スマートフォン220に接続されることがあらかじめ想定されている電気自動車210であれば、適正なハンドシェイク・パケットが返り、データ・ステージ、ステータス・ステージを続ける。それにより取得したデバイスディスクリプタに対応して、スマートフォン220内に用意されたデバイスドライバを駆動することで、入出力デバイスを制御できる。しかし、スマートフォン220が接続を想定されている電気自動車210は非常に数が少ない。セットアップ・ステージS1051においてハンドシェイク・パケットが返ってこない場合、ここで、USB切断処理を行ない(S1052)、スマートフォン220はクラウドサーバ230に対してデータ取得のリクエストを行なう(S405)。
【0093】
次にクラウドサーバ230は、スマートフォン220を介して、電気自動車210との間で、セットアップ・ステージS1053を再度行ない、データ・ステージS1054に進むことにより、デバイスディスクリプタといったデバイス情報を取得する。クラウドサーバ230は、世の中に存在する様々な電気自動車210とも接続可能となるように数多くのドライバおよびデータ変換モジュールをあらかじめ備えている。そのため、クラウドサーバ230と電気自動車210との間では、セットアップ・ステージS1053、データ・ステージS1054、ステータス・ステージS1055と順調に進み、電気自動車210と接続が適正に確立する。
【0094】
図10Cは、電気自動車210は、ハンドシェイク・パケットを返すものの、スマートフォン220が電気自動車210から取得したデバイスディスクリプタに対応するドライバを有していない場合のシーケンスを示す。この場合、スマートフォン220と電気自動車210との間でセットアップ・ステージS1061、データ・ステージS1062、ステータス・ステージS1063を行なう。この3つのステージによって取得したデバイスディスクリプタに対応するデバイスドライバをスマートフォン220が有していないと判断すると、USB切断処理S1064を行ない、スマートフォン220はクラウドサーバ230に対してデータ取得のリクエストを行なう(S405)。
【0095】
そして、スマートフォン220は、クラウドサーバ230に対して電気自動車210との接続を要求する。スマートフォン220と電気自動車210との間のUSB接続を切断後、クラウドサーバ230において、再度、セットアップ・ステージS1065、データ・ステージS1066、ステータス・ステージS1067を行なう。これによりクラウドサーバ230は、電気自動車210から直接デバイスディスクリプタを取得して、デバイスにあったドライバを駆動できる。
【0096】
図10Dは、スマートフォン220と電気自動車210との間のセットアップ・ステージS1071およびデータ・ステージS1072において取得したデバイスディスクリプタを、スマートフォン220の内部にキャッシュする場合の処理を示している。USB切断処理を行なう前に、取得したデバイスディスクリプタを、スマートフォン220の内部にキャッシュし(S1074)、スマートフォン220はクラウドサーバ230に対してデータ取得のリクエストを行なう(S405)。
【0097】
そして、スマートフォン220と電気自動車210との間の接続を一度切断した後に、クラウドサーバ230主導で、電気自動車210との接続確立処理を開始する(S1075〜S1077)。この場合、セットアップ・ステージS1075において、スマートフォン220は、セットアップ用のトークン・パケットおよびデータ・パケットを電気自動車210に送らず、ハンドシェイク・パケットを生成し、クラウドサーバ230に送信する。また、データ・ステージS1076では、スマートフォン220は、トークン・パケットとデータ・パケットとをクラウドサーバ230から受信すると、それらを電気自動車210に送らずに、キャッシュからデバイスディスクリプタを読出し、クラウドサーバ230に送信する。すなわち、電気自動車210からデバイスディスクリプタを取得する処理を省略することが可能となるため、電気自動車210との通信切断後の再開を効率良く行なうことが可能となる。
【0098】
(電気自動車の車種特定テーブル)
図10Eに示すように、スマートフォン220は、デバイスドライバを有するデバイスディスクリプタと、インタフェースディスクリプタと、ベンダIDと、プロダクトIDとの対応関係を示すテーブル1080を記憶する。
【0099】
スマートフォン220は、電気自動車210が接続された際に電気自動車210から通知されたデバイスディスクリプタと、テーブル1080のデバイスディスクリプタとを比較する。電気自動車210から通知されたデバイスディスクリプタがテーブル1080上のデバイスディスクリプタと一致する場合には、スマートフォン220は、電気自動車210が自機で処理可能なデバイスであると判定する。一方、デバイスディスクリプタが一致しない場合には、スマートフォン220は、自機で処理不可能なデバイスであると判定する。
【0100】
なお、電気自動車210から通知されたデバイスディスクリプタ内のベンダIDとプロダクトIDとを抽出し、テーブル1080内のベンダIDおよびプロダクトIDと比較してもよい。その場合、テーブル1080内に一致するベンダIDおよびプロダクトID7存在する場合には、自機で処理可能な出力デバイスであると判定できる。逆に、ベンダIDおよびプロダクトIDが一致しない場合には、スマートフォン220は、自機で処理不可能な電気自動車210であると判定できる。
【0101】
(USB接続処理)
図11A〜
図11Dを用いて、USBでの通信を確立するまでにクラウドサーバ230とスマートフォン220と電気自動車210との間でやりとりされる信号をより詳細に説明する。特に、ここでは、
図10Dに示したように、デバイスディスクリプタをキャッシュに保存する例について説明する。
【0102】
ステップS1101において、電気自動車210をスマートフォン220に接続する。次に、ステップS1102において、スマートフォン220は電気自動車210に対するUSB接続処理を開始し、リセット信号を送信する。次に、ステップS1103において、スマートフォン220は、電気自動車210に対してアドレスを指定する。この後においてスマートフォン220と電気自動車210との間でやりとりされるパケットにはそのアドレスが付加される。
【0103】
ステップS1104において、スマートフォン220はディスクリプタを電気自動車210から取得するために「GET DESCRIPTOR」の処理を行なう。「GET DESCRIPTOR」の処理は、
図10Dで説明したステップS1071〜S1073と同様であるため、詳細は説明しない。ディスクリプタのリクエストを電気自動車210に送信すると(S1105)、電気自動車210は、エンドポイント0領域に記憶されたデバイスディスクリプタをスマートフォン220に送信する(S1106、S1107)。スマートフォン220は、ステータス・ステージS1073において、その確認信号(ACK)を電気自動車210に送信する。
【0104】
この時点でデバイスディスクリプタを取得したスマートフォン220は、そのデバイスディスクリプタをキャッシュに保存する(S1074)。また、そのデバイスディスクリプタを用いて、スマートフォン220が制御可能な電気自動車210か判定する(S403)。制御不可能と判断すると、ステップS1111に進み、USB切断処理を行ない、同時に、クラウドサーバ230に対し、電気自動車210の制御依頼を行なう(S1112)。
【0105】
次に、ステップS1113において、クラウドサーバ230は、電気自動車210の制御を行なうべく処理を開始し、リセット信号を、スマートフォン220を介して電気自動車210に送信する。次に、ステップS1115において、クラウドサーバ230は、セットアドレスを行ない、電気自動車210に対してアドレスを指定する。
【0106】
さらに、クラウドサーバ230は、ゲットディスクリプタ(S1116)と、ゲットコンフィギュレーション(S1124)とをスマートフォン220を介して電気自動車210に対して行なう(S1123)。具体的には、ステップS1117において、クラウドサーバ230は、ゲットディスクリプタをスマートフォン220に送る。ステップS1119において、スマートフォン220は、キャッシュに保存されたデバイスディスクリプタを読み出し、クラウドサーバ230に送信する。
【0107】
ステップS1125において、電気自動車210は、エンドポイント0領域に記憶されたコンフィギュレーションディスクリプタを送信する。次に、クラウドサーバ230は、スマートフォン220を介して電気自動車210に対してBULK TRANSFERを行なうと(S1126)、電気自動車210は、記憶部336に保存された車両情報などを読み出して(S1127)、クラウドサーバ230に送信する。
【0108】
ステップS403において、電気自動車210のデバイスディスクリプタに基づいて、制御可能なデバイスではないと判定すると、
図11BのステップS1128に進む。ステップS1128、S1129では、コンフィギュレーションディスクリプタ取得処理を行ない、電気自動車210は、それに応じてコンフィギュレーションディスクリプタをスマートフォン220に送信する。スマートフォン220は、ステップS1132において、取得したコンフィギュレーションディスクリプタをキャッシュに保存する。そして、ステップS403において、スマートフォン220は、コンフィギュレーションディスクリプタに基づいて、電気自動車210がスマートフォン220にとって制御可能なデバイスか否か判定する。制御可能ではないと判定すると、ステップS1133に進んでスマートフォン220と電気自動車210との間のUSB接続を切断する。
【0109】
USB接続を切断後、スマートフォン220は、クラウドサーバ230に対して、電気自動車210の制御を依頼する。クラウドサーバ230は、その制御依頼に応じて、USB制御を開始すると共にリセット信号を、スマートフォン220を介して電気自動車210に送信する(S1135)。そして続けてセットアドレスを行ない(S1136)、アドレスを電気自動車210に指定する。さらに、GET DESCRIPTOR(S1137)で、スマートフォン220に対して、ディスクリプタを要求すると、スマートフォン220は、その要求を電気自動車210に中継する代わりに、デバイスディスクリプタをキャッシュから読出して(S1139)、クラウドサーバ230に返す(S1140)。
【0110】
さらに、クラウドサーバ230は、スマートフォン220を介して電気自動車210に対してGET CONFIGURATIONを実行すると(S1141)、スマートフォン220は、そのコマンドを電気自動車210に送信する代わりに、キャッシュに記憶されたコンフィギュレーションディスクリプタを読み出し、クラウドサーバ230に送信する(S1143)。次に、クラウドサーバ230は、スマートフォン220を介して電気自動車210に対してBULK TRANSFERを行なうと(S1144)、電気自動車210は、記憶部336に保存された車両情報を読み出して(S1145)、スマートフォン220を介してクラウドサーバ230に送信する。
【0111】
ステップS403において、コンフィギュレーションディスクリプタに基づいて、制御可能なデバイスであると判定すると(B)、
図11CのステップS1146に示すBULK TRANSFERに進む。BULK TRANSFERでも、セットアップ・ステージ、データ・ステージ、ステータス・ステージを行なうことにより、電気自動車210は記憶部336から車両情報を読出して、スマートフォン220に送信する(S1149)。
【0112】
スマートフォン220は、読出された車両情報を受信すると、キャッシュに保存する(S1151)。
【0113】
スマートフォン220が、電気自動車210の車両情報をキャッシュに保存すると、ステップS1154に進んでUSB接続の切断処理を行ない、さらに、
図11DのステップS1156に進む。
【0114】
図11DのステップS1156では、やはりクラウドサーバ230に対してUSBデバイス制御の依頼を行なう。スマートフォン220は、クラウドサーバ230に対して、電気自動車210の制御を依頼する。クラウドサーバ230は、その制御依頼に応じて、USB制御を開始すると共にリセット信号を、スマートフォン220を介して電気自動車210に送信する(S1157)。そして続けてセットアドレスを行ない(S1159)、アドレスを電気自動車210に指定する。さらに、GET DESCRIPTOR(S1161)で、スマートフォン220に対して、ディスクリプタを要求すると、スマートフォン220は、その要求を電気自動車210に中継する代わりに、デバイスディスクリプタをキャッシュから読出して(S1163)、クラウドサーバ230に返す。
【0115】
さらに、クラウドサーバ230は、スマートフォン220を介して電気自動車210に対してGET CONFIGURATIONを実行すると(S1165)、スマートフォン220は、そのコマンドを中継する代わりに、キャッシュに保存されたコンフィギュレーションディスクリプタを読出して、スマートフォン220を中継してクラウドサーバ230に送信する(S1167)。
【0116】
次に、クラウドサーバ230は、スマートフォン220を介して電気自動車210に対してBULK TRANSFERを行なうと(S1169)、スマートフォン220は、キャッシュに保存された車両情報を読み出して(S1171)、クラウドサーバ230に送信する。
【0117】
以上のシーケンスにより、スマートフォン220のキャッシュをうまく使って、クラウドサーバ230と電気自動車210との通信を効率的に行なうことが可能となる。
【0118】
以上の構成および動作により、動力源補充ポイントの通知を、自動車の走行履歴情報に基づいて提供し、快適なドライブを提供することができる。
【0119】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態に係る情報処理システム1200について、
図12および
図13を用いて説明する。
図12は、本実施形態に係る情報処理システム1200の概要を説明するための図である。
図13は、本実施形態に係る情報処理システム1200の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る情報処理システム1200は、上記第2実施形態と比べると、バッテリ残量や走行距離などの車両情報を電気自動車からスマートフォンに送信しなくとも、スマートフォンの撮像部で電気自動車の車内を撮像した画像をクラウドサーバに送信することで、画像から必要な車両情報を読み出す点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0120】
情報処理システム1200は、スマートフォン1220とクラウドサーバ1230とを含み、スマートフォン1220は、ネットワーク240を介してクラウドサーバ1230と通信可能に接続されている。スマートフォン1220は、電気自動車210と通信可能に接続されている。
【0121】
図12において、スマートフォン1220は、電気自動車210のメータ211およびバッテリ残量表示部212を撮像し、撮像した画像の画像データを、ネットワーク240を介してクラウドサーバ1230に送信する。クラウドサーバ1230は、受信した画像データから、例えば、メータ211に表示された走行速度20km/h、走行距離40.0kmおよび走行時間3時間1分を読み込む。また、バッテリ残量表示部212のバッテリ残量が50%であり、走行可能距離が95.0kmであることなども読み込む。クラウドサーバ1230は、読み込んだ画像データの情報に基づいて、充電ポイント981を選出し、選出した充電ポイント981に基づいて充電ポイント案内情報を生成する。クラウドサーバ1230は、生成した充電ポイント案内情報を送信部から送信し、ネットワーク240を介してスマートフォン1220に送信する。スマートフォン1220は、クラウドサーバ1230から送信された充電ポイント案内情報を受信すると、電気自動車210に送信する。
【0122】
図13を用いて、情報処理システム1200の構成についてブロック図を用いて説明する。スマートフォン1220は撮像部1324を有する。この撮像部1324は、電気自動車210のメータ211およびバッテリ残量表示部212を撮像する。送信部1323は、撮像した画像データをクラウドサーバ1230に送信する。クラウドサーバ1230の読出部1337は、受信部331において受信した画像データから走行速度や走行距離などの車両情報を読み出す。算出部1335は、読み出された車両情報や他の走行日時情報などからバッテリ消費特性を算出し、また、バッテリ消費量を算出する。選出部1332は、算出されたバッテリ消費量に基づいて充電ポイントを選出する。生成部1333は、選出された充電ポイントを表示する充電ポイント案内情報を生成する。
【0123】
このように、スマートフォン1220で撮像した画像データをクラウドサーバ1230に送信したタイミングで充電ポイント案内情報を更新できるため、例えば、信号待ちのタイミングや、休憩をとるタイミングで容易に充電ポイント案内情報を更新することができる。
【0124】
以上の構成および動作により、本実施形態に係る情報処理システム1200によれば、スマートフォンの撮像部を用いて撮像した画像情報に基づいて車両情報を取得することができるため、ユーザの自由なタイミングで充電ポイント案内情報を取得することができる。
【0125】
[第4実施形態]
次に本発明の第4実施形態に係る情報処理システム1400について、
図14および
図15を用いて説明する。
図14は、本実施形態に係る情報処理システム1400の概要を説明するための図である。
図15は、本実施形態に係る情報処理システム1400の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る情報処理システム1400は、上記第2実施形態と比べると、クラウドサーバで生成される充電ポイント案内情報が3次元(3D:three-dimensional)画像で生成される点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0126】
情報処理システム1400は、スマートフォン1420とクラウドサーバ1430とを含み、スマートフォン1420は、ネットワーク240を介してクラウドサーバ1430と通信可能に接続されている。スマートフォン1420は、電気自動車1410と通信可能に接続されている。
【0127】
図14において、スマートフォン1420は、電気自動車1410から取得した車両情報、走行日情報、交通情報などを、ネットワーク240を介してクラウドサーバ1430に送信する。
【0128】
クラウドサーバ1430は、受信した車両情報等に基づいて、現在地946から目的地945までの走行経路949上に充電ポイント981を示した充電ポイント案内情報を3D映像で立体的に生成する。クラウドサーバ1430は、生成した充電ポイント案内情報についての3D画像データをスマートフォン1420に送信する。スマートフォン1420は、受信した3D画像データを電気自動車1410に送信すると、カーナビゲーションシステム1413に充電ポイント案内情報が3D画像で表示される。
【0129】
図15を用いて、情報処理システム1400の構成についてブロック図を用いて説明する。クラウドサーバ1430の受信部331は、スマートフォン1420から送信された車両情報、走行日時情報、交通情報、車両整備情報などを受信する。生成部1533は、受信した各情報に基づいて選出部332で選出された充電ポイントを走行経路949上に表示した充電ポイント案内情報を、3D画像で生成する。生成した3D画像のデータを、送信部1534は、スマートフォン1420に送信する。
【0130】
スマートフォン1420は、受信した3D画像のデータを電気自動車1410に送信すると、電気自動車1410のカーナビゲーションシステム1413は、充電ポイント案内情報に関する3D画像を表示する(
図11の1413)。
【0131】
このように、充電ポイント案内情報を表示した走行経路949をカーナビゲーションシステム1413に3D画像を用いて表示することにより、充電ポイントを容易に認識することが可能である。
【0132】
以上の構成および動作により、本実施形態に係る情報処理システム1400によれば、スマートフォンから送信された車両情報などを用いて生成される充電ポイント案内情報を、カーナビゲーションシステムに表示する際に3D画像で表示することができるため、初めて訪れる場所であっても迷うことなく充電ポイントにたどり着くことができる。
【0133】
[第5実施形態]
次に本発明の第5実施形態に係る情報処理システム1600について、
図16を用いて説明する。
図16は、本実施形態におけるスマートフォン1620の画面1601に表示される表示情報を示す図である。
【0134】
本実施形態に係る情報処理システム1600は、上記第4実施形態と比べると、クラウドサーバで生成される充電ポイント案内情報に、充電ポイントに関する運転難易度またはリスク度を映像や音声で追加する点で異なる。その他の構成および動作は、第4実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0135】
情報処理システム1600は、スマートフォン1620とクラウドサーバ1630とを含み、スマートフォン1620は、ネットワーク240を介してクラウドサーバ1630と通信可能に接続されている。スマートフォン1620は、電気自動車1610と通信可能に接続されている。
【0136】
図16において、クラウドサーバ1630は、充電ポイント1651にアクセスする道路に関して、他のユーザから寄せられた評価を記憶し、その評価を用いて、充電ポイントの属性(運転難易度やリスク度)を導き出し、スマートフォン1620に送信する。クラウドサーバ1630は、また、充電ポイント1651を示した現在地から目的地までの走行経路に属性情報(運転難易度やリスク度に関する情報)を付加し、充電ポイント案内情報を生成する。
【0137】
例えば、カーナビゲーション1613に示すように、充電ポイント1651が対向車線沿いにあり、利用するためにはUターンをする必要があるとする。この場合、スマートフォン1620の表示画面1621には、「次のお奨め充電ポイントは、対向車線沿いのためUターンが必要です。」のコメントが表示されるように、クラウドサーバ1630が表示画面データを生成し、送信する。すなわち、このように対向車線にある充電ポイント1651を利用する場合のように、利用する際に運転の困難さを伴うか否かについて、クラウドサーバ1630は、あらかじめ他のユーザによる5段階評価を受け付ける。クラウドサーバ1630は、受け付けた評価の結果に基づいて運転難易度を算出する。選出部は、運転の困難さを表わす運転難易度を用い、充電ポイントをランク付けし、お奨めの充電ポイントを選出する。なお、運転難易度の高い道路の例としては、通学路に指定されている道路などがあげられる。また、リスク度の高い道路の例としは、夜間に暴走車が頻出する道路、高齢者等の徘徊が確認された道路、事故が頻発する道路、ゲリラ豪雨のように天気の急激な変化に伴い通行時に事故の危険を伴う道路などがあげられる。
【0138】
以上の構成および動作により、本実施形態に係る情報処理システム1600によれば、ユーザから取得した道路状況に関するナレッジを含めた充電ポイント案内情報を、カーナビゲーションシステムを通じて提示することができるため、初めて運転する環境でも安心して運転することができる。
【0140】
なお、上記実施形態では、電気自動車にはソーラーカーが含まれる。また、上記実施形態では、電気自動車を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、電力に代わる動力源として、水素でも、ガソリンであってもよい。 以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。
【0141】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明の範疇に含まれる。