【文献】
森山 徹,ソリューションの軌跡,日経オープンシステム,日本,日経BP社,1998年 7月15日,第64号,第198-203ページ
【文献】
逆瀬川 皓一朗,キャプテン・アダプタとターミナルソフト NEC PC−CM302/NS−98PV1−HMW,エレクトロニクスライフ,日本放送出版協会,1989年 8月 1日,第8巻,第110-114ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
商品選択画面に表示される桝目状の商品テーブルの縦軸、横軸に個別の商品属性を割り当て、それらそれぞれの商品属性の属性値によって定まる桝目が商品を特定し、その桝目に購入数量を入力して商品選択をできるようにした電子商取引システムにおいて、
前記商品選択画面は、少なくとも前記購入数量の数量入力枠が配された構成とされ、販売者サーバからネットワークを介して購入者端末にダウンロードされるようになっており、
前記購入者端末において、前記商品テーブルの各桝目の数量入力枠にポインティングしたときに、購入数量を入力するサブ入力枠が、その桝目に対応してサブウィンドウに表示され、前記サブ入力枠に購入数量が入力されたときに、前記サブウィンドウ内で合算された購入数量が前記桝目ごとの入力枠に表示されるとともに、そのサブウィンドウごとに予め関連付けられた算出条件にもとづき合計金額が算出表示されるようになっており、
前記サブウィンドウは、前記購入数量を内訳入力できる複数の前記サブ入力枠を含んだ構成とされ、
前記算出条件は、複数の前記サブ入力枠で購入数量が入力された複数の商品の単価を変動させるための単価変動条件であり、
前記商品選択画面は、前記サブウィンドウのサブ入力枠に購入数量が入力されたときに、前記単価変動条件にしたがって前記合計金額を算出することを特徴とする電子商取引システム。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【0024】
図1に示した電子商取引システム1は、利用者(購入者)がパソコンなどの購入者端末3から、インターネットなどの通信ネットワーク5を介して、販売者サーバ2をアクセスして取引できるようにしたシステムである。販売者サーバ2側では、販売すべき商品の情報が商品データベース11に登録されている。
【0025】
また、この電子商取引システム1は、複数の企業、商店など(以下、店舗という。)が集まって販売者を構成する電子モールシステム、または特定の企業を販売者とした電子販売システムのいずれにも適用が可能であるが、本例では電子モールシステムに適用したものを示しており、図示するように、商品情報や画面情報を登録したり、購入者向け画面を生成したりするための各店舗の販売者端末4が通信ネットワーク5に接続されている。
【0026】
本実施形態のシステムは、種々の店舗に対応した種々の商品選択画面Cを購入者端末3に提供できるようになっており、後述する
図4〜
図11に示した商品選択画面Cは、桝目状の商品テーブルc3に配された複数の商品の中から所望の商品の桝目c33について購入数量を入力することで商品を選択できるようにしたものである。
【0027】
この販売者サーバ2は、購入者が購入者端末3を操作してアクセスしてきたときには、購入者が購入を希望する商品について、商品データベース11から対象となる商品の単価等を取り出し、2次元に配列させた桝目状の商品テーブルc3を含んだ商品選択画面C(
図4参照)の画面情報を編集し、その画面情報を購入者端末3に送信して、購入者端末3の表示画面にブラウザ(不図示)を通じて商品選択画面Cの画面情報をダウンロードさせて表示させ、さらに、その商品選択画面Cで商品の選択ができるようになっている。
【0028】
商品データベース11は、商品ごとに区分され、後述する商品テーブルc3に編集可能に単価等を含む商品情報が格納されている。さらに、商品テーブルc3を含む商品選択画面Cの設計データや画面情報そのものを保存できるようなデータベースであってもよい。
【0029】
販売者サーバ2は、購入者の購入者端末3のダウンロード要求の操作にしたがい、複数の関連商品からなる特定の商品群について、商品テーブルc3に編集し、その商品テーブルc3を含んだ商品選択画面Cを購入者端末3に送信し、それを受けた購入者端末3は、ブラウザを介してその商品選択画面Cを表示するようになっている。
【0030】
そして、購入者端末3において、その商品選択画面Cで商品が選択され、購入数量が入力され、注文操作がなされると、その注文情報が販売者サーバ10に返信される。
【0031】
このように、本電子商取引システム1では、販売者サーバ2と購入者端末3との間で、電子商取引に関する種々のデータの送受信が行われる。また、販売者サーバ2と販売者端末4との間でも、商品選択画面Cを含む購入者向けの種々の画面に関する種々のデータの送受信が行われる。
【0032】
本システムの代表的な機能について、
図2を参照しながら説明する。
【0033】
このシステムは、各店舗用のバックオフィス機能として、購入者向け画面の設計、生成と、その画面に表示させる商品カテゴリおよび商品の各情報の登録、変更とをできるようにした商品登録機能A、システムの管理・保守等を目的としたシステム管理機能Bなどを有する一方、購入者向けの機能として、2次元マトリクスの桝目状の商品テーブルc3(
図4参照)で商品を選択させるようにした商品選択機能C、購入者により選択されカート16(
図3参照)に格納された商品の情報を一覧表示して注文を受け付けるようにしたカート表示/注文機能Dなどを有している。
【0034】
以上の各機能は、販売者サーバ2と、ユーザ(販売者端末4あるいは購入者端末3)との間のユーザインターフェースとして、販売者サーバ2に通信ネットワーク5を介して接続された各端末で操作、表示される対話型の表示画面を含んでおり、それらの画面は、トップページTの下位に位置付けられ、トップページTよりリンクにより表示させることができる。なお、図面およびその説明では、各機能に対応した画面に、上記各機能の同一の符号を付している。
【0035】
また、上記各機能のユーザインターフェースは、表示画面による対話形式によるものであるが、さらにCSVデータなどのカード型データによるインターフェースによってできるようにしてもよい。
【0036】
ついで、本システムの内部基本構成について、
図3を参照しながら説明する。
【0037】
図3中、12は、商品選択画面のデザインファイル(不図示)などにデータを登録しながら画面を生成するとともに、そこで登録、更新した商品データを商品データベース11に登録する商品選択画面設計手段、13は本システム1の商品選択画面Cを通じて実行される商品選択/カート格納処理、14はカート表示/注文画面Dを通じて実行される選択商品一覧表示/注文受付処理である。また、16は購入者の商品選択操作によって商品情報が一時的に記憶されるカート、15は注文を受け付けた際に動作する受注処理を示している。なお、ユーザ登録機能、在庫管理機能、システム管理機能に関する処理や、通信処理、ブラウザなどは図示を省略した。
【0038】
また、本システムは、
図1に示すように、販売者サーバ2、購入者端末3、店舗端末4などを含んだ機器構成であり、これらの機器2、3、4に搭載されたCPU(不図示)やプログラムにもとづいて動作するものであるが、システムの動作は、これら機器の協働によってなされ、その役割分担は特定のものには限定されないため、
図3ではこれらの機器の図示は省略した。
【0039】
商品選択画面設計手段12は、購入者向け画面生成プログラムなどを含んで構成され、商品選択画面C等の各画面の画面レイアウトを設計しながら、商品情報を商品データベース11に対して登録、変更できるようになっており、販売者サーバ2と販売者端末4との協働により構成されている。また、商品選択画面設計手段12はさらに、後述する商品選択画面におけるサブウィンドウの種々の設計も行えるようになっている。
【0040】
商品選択/カート格納処理13は、購入者端末3で、購入者に商品カテゴリを選択操作させながら所望の商品選択画面Cを表示させ、その商品選択画面Cで、その商品カテゴリに含まれる商品群の複数の商品情報が、共通事項と桝目状の商品テーブルc3とによって表示され、購入者が商品テーブルc3の所望の商品の桝目c33の数量入力枠c332に購入数量を入力し合計算出操作をすると、数量入力された商品の合計金額を計算し表示し、さらにその後の購入者のカート格納操作により、選択した商品の情報をカート16に格納する構成となっている。
【0041】
本実施形態では、宿泊施設の商品選択画面Cを
図4に例示しており、具体的には、
図4を参照しながら後述する。
【0042】
一覧表示/注文受付処理14は、購入者端末3に、購入者が選択したカート16内商品の一覧を含むカート表示画面(不図示)を表示させ、その画面で注文操作がされたときに、カート16に格納された商品の注文を受け付ける構成となっている。
【0043】
受注処理15は、一覧表示/注文受付処理14により受け付けた注文情報にもとづいて、所定の受注に関する処理、たとえば、受注伝票の作成、在庫の確認などの処理を実行する。
【0044】
つぎに、商品選択画面および商品選択/カート格納処理について、
図4を参照しながら説明する。
【0045】
図4のルーム予約画面(商品選択画面C)は、旅館が提供する洋室の予約に関する画面であり、購入者端末3の画面上には、商品群の共通事項c1である、代表画像c11や商品に共通するコメントc12と、予約可能な日付のうち最も近い将来日付を含んだカレンダーc2と、共通事項c1を共通の属性としたを有した商品(ルーム)に関する3行、5列の商品テーブルc3とが表示される。なお、
図5〜
図11においては、共通事項c1とカレンダーc2の図示を省略する。
【0046】
また、本図例の商品テーブルc3は横軸c32に日付属性を配したものであり、列数を5列に定めており、横方向にスクロールしながら表示できるようになっている。
【0047】
カレンダーc2は、購入者の操作で前月、次月に表示切替でき、カレンダーの日付の中からマウス等でポインティング操作をして、横軸c32の日付属性の属性値の基準日(開始日)を選択できるようになっている。
【0048】
商品テーブルc3は、縦軸c31の商品属性を部屋種類とし、個室A(2人)、個室B(3人)、相部屋C(5人まで)が属性値として3行に区分表示され、横軸c32の商品属性を日付属性とし、7月6日(金)より連続する5日間の日付が属性値として5列に区分表示されている(一部はスクロールで表示)。両属性の属性値によって定まる各桝目c33には、単価c331、定員および購入数量の数量入力枠c332が配されている。
【0049】
この日付属性の表示用日付の基準日は、購入者がカレンダーc2より選択した日付であり、その日付を基準日とする5日間の日付が商品テーブルc3の横軸c32の属性値として表示される。なお、この商品選択画面Cが最初に呼び出されたときには、選択可能な日付のうち最も近い将来日付を表示用日付の基準日として表示されるようになっている。
【0050】
購入者は、この商品テーブルc3に配された複数の商品の中から、桝目c33を選択することで商品を選択できるようになっており、具体的には、桝目c33内の数量入力枠c332に数量を入力することで商品の選択ができるようになっている。
【0051】
より具体的には、つぎの手順で商品選択を行う。
【0052】
まず、マウスなどで所望の商品の桝目c33をポインティングする(
図5参照)。すると、その選択された桝目c33に対応して、矢印の先端が桝目c33を指すように、サブウィンドウs1がふきだし表示のごとく商品テーブルc3等に重なるように表示される。このサブウィンドウs1には単価に関するコメントが表示される。なお、サブウィンドウはポップアップ表示のように別ウィンドウで表示するようにしてもよい。
【0053】
図例には、「個室A(2人)」を選択した例が示してあり、単価は5,250円であり、ポインティングする前は、定員2人の部屋を1人で利用する場合や子供料金についてのコメントは画面上のどこにも表示されていなかったが、桝目c33にポインティングすることで、「1人での利用は7,350円になります。子供は半額です。」という単価に関する情報を含んだサブウィンドウsが表示される。
【0054】
つぎに、その商品の数量入力枠c332をポインティングする(
図6参照)。すると、その選択された数量入力枠c332に対応して、矢印の先端が数量入力枠c332を指すように、サブウィンドウs2がふきだし表示のごとく商品テーブルc3等に重なるように表示される。このサブウィンドウs2には、単価に関する内訳入力用の質問形式のガイダンスs21、s21と、サブ入力枠s23、s23とが表示される。
【0055】
このサブウィンドウs2は、数量をより詳細に入力できるようにしたものであり、ガイダンスs21、s21が表示され、対応するサブ入力枠s23、s23に数量を入力することで、詳細で確実な入力をすることができ、それによって数量入力枠c332への入力や、画面を切り替えての詳細な入力をすることなく、商品選択の入力を完結させることができる。
【0056】
具体的には、このサブウィンドウs2は、大人と子供の人数(申込数)を個別に入力できるようにしてあり、それぞれのサブ入力枠s23、s23と、入力によって変動する単価(価格)に関するコメントs25、s25とが、サブウィンドウs2内に表示される。
【0057】
本例のコメントs25、s25としては、「申込数の合計が1以上なら1人あたり7,350円」、「申込数の合計が2以上なら1人あたり5,250円」、子供の人数入力に関して、「この申込数が1以上なら1人あたり2,625円」が表示される。
【0058】
つまり、大人2人で申し込む場合、商品テーブルc3の桝目c33の表示どおりであるが、定員2人に大人1人だけの場合、1人あたりの単価が割り増しになること、子供が含まれる場合、子供は1人あたり単価が減額されることが表示される。
【0059】
また、備考欄には、桝目c33をポインティングしたときに表示されるサブウィンドウs1に表示されたコメントが表示される。
【0060】
このようなサブウィンドウs2のガイダンスs21(質問)にしたがい、所望の人数(たとえば大人「1」人、子供「1」人)を入力し、OKボタンs26を操作すると(
図7参照)、そのサブウィンドウs2が画面上から消え、合算された総申込数である「2」(1+1)人が、該当する桝目c33の数量入力枠c332に表示され、合計金額欄c4に、大人1人、子供1人の場合の合計金額(7,875円)が表示される(
図8参照)。
【0061】
このように、サブウィンドウs2内での内訳入力で単価が単価変動条件にしたがって変動されるようになっているので、サブウィンドウs2の質問にしたがって所望の人数を入力すれば、それに応じた内訳人数、それに応じて単価変動条件にもとづいて変動された単価にもとづいて合計金額が算出される。
【0062】
このようにサブウィンドウs2で質問形式で数量を内訳を入力できるようになっているため、商品選択に関し、このような種々の内訳の設定を必要とする商品であっても、購入者は画面を切り替えて入力する必要がなく、迅速に商品を選択することができる。
【0063】
販売者にとっても、種々の単価を設けるなどのきめ細かで顧客満足が図れるサービスを、購入者に手間をかけることなく提供できる。また、サブウィンドウs2で種々の設定が行える構成であるため、多くの商品選択画面Cや他の設定画面を用意する必要もなく、画面の管理の手間を軽減できる。
【0064】
また、この図例では、大人2人の場合、桝目c33に表示された単価c31と一致しているため、桝目c33の数量入力枠c332に直接、「2」人と入力しても同じ結果が得られる。なお、桝目c33の単価c31どおりの入力がなく、どのような場合も単価が変動する商品については、桝目c33の数量入力枠c332への入力を拒絶するようにしてもよい。また、そのような場合には、桝目c33に単価c31を表示しない構成としてもよい。
【0065】
こうして、サブウィンドウs2で数量が入力され、合計金額が算出され、購入者がその内容を確認したときには、「カートに入れる」ボタンc5を操作することで、注文の準備が完了する。
【0066】
ついで、同一の商品選択画面C(
図4参照)の他の入力操作例について説明する。
【0067】
図9には、この商品選択画面C(
図4参照)において、「相部屋(5人まで)」(単価、3,150円)の桝目c33の数量入力枠c33をポインティングした例を示した。
【0068】
この桝目c33の数量入力枠c332にポインティングすると、その選択された数量入力枠c332に対応して、矢印の先端が数量入力枠c332を指すように、サブウィンドウs2がふきだし表示のごとく商品テーブルc3等に重なるように表示される。このサブウィンドウs2には、数量に関する入力枠s21と、商品オプションに関する質問形式のガイダンスs22、s22と、サブ入力枠s24、s24と、コメントs25とが表示される。
【0069】
このサブウィンドウs2は、数量に関するサブ入力枠s21で総人数を入力できるようにしてあり、さらに食事オプション(商品オプション)の設定入力ができるようになっている。
【0070】
食事オプションは、食事の要否と、それにもとづく費用の追加とを設定できるようにしたものである。図例では、「夕食は必要ですか」のガイダンスs22(質問)に対し、購入者が「はい」または「いいえ」をラジオボタン(サブ入力枠s24)で択一選択し、「朝食は必要ですか」のガイダンスs22(質問)に対し、購入者が食数をサブ入力枠s24に入力することができるようになっている。
【0071】
また、備考欄には、「子供さんは相部屋をご利用になれません」というコメントが表示される。このコメントは、相部屋(5人)の桝目c33をポインティングしたときにも、同様の内容のコメントが、
図5で示したものと同様のようにサブウィンドウとして表示される。
【0072】
このようなサブウィンドウs2のガイダンスs22(質問)にしたがい、人数と、食事オプションに対する食事の要否とを入力し、OKボタンs26を操作すると(
図10参照)、そのサブウィンドウs2が画面上から消え、総申込数である「2」人が、該当する桝目c33の数量入力枠c332に表示され、選択した食事オプションにもとづく費用を合算した合計金額が、合計金額欄c4に表示される(
図11参照)。図例の入力の場合、夕食が2食、朝食が1食であるから、3,150円×2+1,500円×2+500円=9,800円が算出され、合計金額欄c4に表示される。
【0073】
つぎに、商品選択画面設計手段12による商品選択画面Cの生成手順について、
図12〜
図15を参照しながら説明する。
【0074】
商品選択画面設計手段12は、販売者端末4に商品登録画面Aを表示させ、販売者はその画面を操作しながら、商品選択画面Cを設計するとともに、入力した商品の商品情報を販売者サーバ2の商品データベース11に登録できるようになっている。
【0075】
具体的には、まず、
図4に示した、対象となる商品選択画面Cを想定しながら、共通事項を入力し(この操作については図示省略)、ついで商品テーブルc3の行数、列数を行列入力枠a11、a12を入力する。なお、このシステム1では日付を横軸c32に配するようになっており、列数はその表示する日付(属性値)の数を示すものである。
【0076】
行数、列数が定まると、それにもとづき設定用の商品テーブルa2が表示される。なお、この商品選択画面Cは、ルーム予約に関するもので、購入者がカレンダーから任意の日付を選択し、その日付にもとづいて横軸c32が確定した商品テーブルc3が表示されるものであるが、日付ごとに単価を異ならせず一定としているため、設定用の商品テーブルa2には、縦軸に対応した商品属性、その属性値、属性値ごとの1つの単価および属性値ごとのサブウィンドウs1に対応したコメント(
図5参照)を、各入力枠a21、a22、a23、a24に入力できるようになっている。
【0077】
本図例では、縦軸の商品属性として「部屋種類」を入力枠a21に設定入力し、その属性値として、個室A(2人)、個室B(3人)、相部屋C(5人まで)を入力枠a22に設定入力し、それらの属性値に対応した単価として、5,250円、5,250円、3,150円を入力枠a23に設定入力し、コメントとして「1人での利用は7,350円になります。子供は半額です。」(
図5参照)を入力枠a24に設定入力したものを示した。
【0078】
図6、
図9に示したサブウィンドウs2、s2については、設定用の商品テーブルa2の縦軸の属性値をダブルクリックなどで選択することで、入力画面を切り替えて設定入力することができる。
【0079】
図6に対応したサブウィンドウs2を設定するためには、縦軸の属性値のうち、「個室A(2人)」を選択(ダブルクリック)することで
図13(a)に示したメニューa3に切り替えて行う。一方、
図9に対応したサブウィンドウs2を設定するためには、縦軸の属性値のうち、「相部屋C(5人まで)」を選択することで
図13(b)に示したメニューa3に切り替えて行う。
【0080】
上記切換操作により、
図13(a)(b)に示したように、単価に対する変動設定用の設定ボタンa31、商品オプションの設定ボタンa32、売り切れ条件の設定ボタンa33が表示される。
【0081】
単価に対する変動設定の設定ボタンa31が操作されると、
図14に示した設定画面が表示される。この画面では、
図6に示したサブウィンドウs2に表示すべき質問、数量入力枠および合計金額を算出するための単価の変動条件を設定することができる。
【0082】
具体的には、内訳数量を購入者に入力させるための質問形式の項目名欄a41、購入数量の合計、項目別のいずれで単価を変動させるかを設定するための変動条件欄a42、基準となる単価を含む具体的な条件を設定するための単価設定欄a43の各欄を設定することで、サブウィンドウs2の表示内容と合計金額の算出式(算出条件)とが商品データベース11に保存される。
【0083】
たとえば
図6のように、購入数合計が1人以上と2人以上とで大人の単価を異ならせたい場合、変動条件欄a42に購入数の合計、項目別のいずれを基準とするかを選択し、単価設定欄a43において、追加ボタンを操作して入力ウィンドウ(不図示)を表示させ、そのウィンドウに購入数(n以上)と販売単価を組み合わせて設定入力すればよい。また、たとえば子供の単価については、大人に対する割合で設定することができる。
【0084】
また、商品オプションの設定ボタンa32が操作されると、
図15に示した設定画面が表示される。この画面では、
図9に示したサブウィンドウに表示すべき質問、回答方式およびオプション料金の算出条件を設定することができる。
【0085】
具体的には、商品オプションを購入者に選択させるための質問形式の設問欄a51、その質問に購入者にどのような方式で回答させるかを設定するための回答方式欄a52、商品オプションを選択した場合の追加すべき料金を算出するための方式を設定するための追加料金欄a53の各欄を設定することで、サブウィンドウs2の表示内容と合計金額の算出式(算出条件)とが商品データベース11に保存される。
【0086】
たとえば
図9のように、夕食、朝食の要否を購入者に入力させる場合、回答方式欄a52に「はい・いいえ」か数量入力のいずれで回答させるのかを設定し、追加料金欄a53で追加徴収する料金を設定すればよい。
【0087】
こうして、サブウィンドウs2に関する設計データを保存した後、その商品について商品選択画面Cを購入者端末3にダウンロードすると、その画面において、
図6または
図9に示したようなサブウィンドウs2、s2が表示され、記憶された算出式にもとづいて合計金額が算出されることとなる。
【0088】
上記2例は、縦軸の異なる2種の属性値に対応した例を示したが、1つの属性値に対応させて、単価に対する変動条件と、商品オプションとを設定することもでき、そのように設定した場合には、1つのサブウィンドウs2に両方のガイダンスが表示され、両方の算出式にもとづいて合計金額が算出されることとなる。
【0089】
こうして、販売者端末3で設定された商品に関するデータは商品データベース11に登録される。販売者サーバ2では、その後、購入者端末3から商品選択画面Cのダウンロードの要求があった時に商品データベース11より必要なデータを取り出し、商品選択画面Cとして編集し、あるいはロジックとして組み込んで、購入者端末3にダウンロードする。
【0090】
このように、販売者は、サブウィンドウs2を含んだ商品選択画面Cを簡単に生成することができる。特に、複数の店舗が集合した電子モールシステムに、この商品選択画面設計手段12を採用すれば、そのモールに登録された多くの店舗は、この商品選択画面設計手段12を利用することで、顧客にとって使い勝手のよい商品選択画面Cを簡単、迅速に生成することができる。
【0091】
また、所望の設定対象である属性値を選択することで、
図13(a)(b)に示したように、売り切れ設定ボタンa32も表示される。このボタンを操作すると、売り切れにするための条件設定入力欄(不図示)が表示される。条件設定入力欄にはたとえば、「いますぐ売り切れにする」、「在庫数にかかわらず、つぎに購入された時点で売り切れにする」、「在庫数が(n)個以下になった時点で売り切れにする」((n)内のnを入力させる)などを表示し、その中から1つの売り切れ条件を選択させることで、在庫の有無に関係なく売り切れとすることができる。
【0092】
つぎに、商品を、商品テーブルc3を有さない商品選択画面Cで販売するようにした電子商取引システムの例について、
図16〜
図19に示した画面を参照しながら説明する。
【0093】
なお、この電子商取引システム1は、上述の実施形態で示したような商品テーブルc3で商品を販売する形態ではないが、システムの構成としては
図1〜
図3のものと概ね同じであるため、全体構成および内部構成については図示を省略する。
【0094】
図16は、商品としてロールケーキを販売する商品選択画面Cの例である。この画面には、商品の画像c11と、商品名、原材料、賞味期限、保存方法などの商品説明c12と、アレルギーの説明c13とが表示され、その下方に単価c6が表示され、さらに数量入力枠c7と、合計金額欄c4と、「カートに入れる」ボタンc5とが表示される。
【0095】
この商品選択画面Cにおいて、マウスなどで数量入力枠c7にポインティングすると、
図17に示すようにサブウィンドウs2が表われる。
【0096】
この商品選択画面Cは、プレーンおよびショコラの2種のロールケーキを販売するようになっており、内訳の商品名(ガイダンスs21)と、それぞれの内訳数量のサブ入力枠s23、s23と、1本あたりの単価、割引条件等のコメントs25とが表示される。
【0097】
そして、
図18に示すように、数量のサブ入力枠s23、s23にプレーン「2」本、ショコラ「1」本と入力し、OKボタンs26を操作すると、
図19に示すように、全体数量である「3」が数量入力枠に表示されるとともに、設定された割引条件にしたがって、1,750円×3=5,250円が算出され、その合計金額が合計金額欄c4に表示される。
【0098】
このように、商品テーブルc3を有さない商品選択画面Cにおいても、サブウィンドウを利用することで、購入者は簡単で確実に複数の商品の注文をすることができる。
【0099】
販売者にとっても、種々の単価を設けるなどのきめ細かで顧客満足が図れるサービスを、購入者に手間をかけることなく提供できる。また、多くの商品選択画面を用意する必要もなく、画面の管理の手間を軽減できる。
【0100】
図16〜
図19に示したサブウィンドウs2についても、販売者端末で商品選択画面設計手段を動作させて設定し、設定したサブウィンドウs2内の表示内容や合計金額の算出条件などを販売者サーバに保存しておくことができる。