(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一抽選および前記第二抽選を経て前記複合保留表示が表示された後、前記保留表示制御手段が再び前記第一抽選および前記第二抽選のいずれか一方を実行し、新たに決定された前記第一の部分および前記第二の部分のいずれか一方の態様を前記複合保留表示の一部として設定することで、前記第一の部分および前記第二の部分のいずれか一方の態様が変化した新たな前記複合保留表示が表示される可能性があることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような遊技機では、複合保留表示を構成する第一の部分の態様と第二の部分の態様の両方が、当否判定結果を示唆するものとして設定されることがある。しかし、第一の部分の態様と第二の部分の態様が一定程度リンクする構成となっているため、それなりに当否判定結果が当たりとなる期待がもてるときと、そうでないときの差が大きい。具体的には、当否判定結果が当たりとなるときには、第一の部分の態様と第二の部分の態様の両方が当たりとなる期待がもてる態様になり、当否判定結果がはずれとなるときには、第一の部分の態様と第二の部分の態様の両方が当たりとなる期待があまりもてない態様になるケースが頻発するため、複数の部分を有する複合保留表示を表示する意味が薄れてしまう。
【0005】
本発明は、第一の部分と第二の部分を含む複合保留表示が表示される遊技機において、当該複合保留表示を利用した遊技の趣向性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、当否判定情報を所定数記憶可能な記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記当否判定情報のうち、当否判定結果の報知が開始されていない当否判定情報の存在を示す保留表示を表示装置に表示する保留表示制御手段と、を備え、前記保留表示は、複数種の態様が設定された第一の部分と、複数種の態様が設定された第二の部分を含む複合保留表示として表示されることがあり、前記保留表示制御手段は、前記第一の部分の態様を決定する第一抽選
により前記第一の部分の態様を通常の態様とは異なる所定の特殊態様とすることを決定した場合に限り、当該第一抽選とは異なる前記第二の部分の態様を決定する第二抽選
により前記第二の部分の態様を決定し、前記表示装置に
前記複合保留表示を表示することを特徴とする。
【0007】
上記本発明にかかる遊技機は、第一の部分の態様を決定する第一抽選とは別の第二抽選によって第二の部分の態様が決定される。つまり、複合保留表示の第一の部分と第二の部分のそれぞれが独立した抽選によって態様が決定されるため、両部分それぞれの態様に対する興味が高まる。つまり、複合保留表示を利用した遊技の趣向性を向上させることが可能である。
【0009】
また、第二の部分が表示される、すなわち複合保留表示が表示されるのは、第一の部分の態様が所定の特殊態様となったときに限られるため、複合保留表示が表示されるときの価値を一定程度高めることが可能である。
【0010】
前記第一抽選および前記第二抽選を経て前記複合保留表示が表示された後、前記保留表示制御手段が再び前記第一抽選および前記第二抽選のいずれか一方を実行し、新たに決定された前記第一の部分および前記第二の部分のいずれか一方の態様を前記複合保留表示の一部として設定することで、前記第一の部分および前記第二の部分のいずれか一方の態様が変化した新たな前記複合保留表示が表示される可能性があるようにするとよい。
【0011】
このような構成とすることで、第一の部分と第二の部分の一方のみが変化する斬新な複合保留表示の変化演出を実行することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかる遊技機によれば、複合保留表示を利用した遊技の趣向性を向上させることが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明にかかる遊技機1の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
【0015】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0016】
遊技領域902には、表示装置91、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口などが設けられている。かかる表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、
図2、
図6〜
図8は、表示領域911を大まかに記載するが、その形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
【0017】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0018】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0019】
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口は複数設けられていてもよい)。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(本発明における当否判定情報に相当する)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、当該数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(いわゆる変動が開始される)こととなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否判定結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否判定結果が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否判定の報知が開始されていない数値(以下単に保留と称することもある)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大保留数は、一種の始動入賞口につき四つである。なお、本実施形態では、当否判定の報知が開始される時点で、取得された数値が大当たりとなる数値か否かが判断されることとなるが、数値が取得されたときに当否判定を行い、当否判定結果自体を記憶させておく構成としてもよい(この場合には当否判定結果自体が、当否判定情報に相当することとなる)。また、取得された数値は、当否判定結果を報知する演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。
【0020】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0021】
本実施形態にかかる遊技機1では、記憶手段に記憶されている当否判定結果の報知が開始されていない取得された数値(当否判定情報)のそれぞれに対応するマークである保留表示10が、表示装置91の表示領域911に表示される。具体的には、当否判定を実行するための数値が取得された順に並ぶよう、保留表示10が表示装置91に表示される。保留表示10は図示されない制御基板に設けられる保留表示制御手段によって制御される。本実施形態では、
図2に示すように、表示装置91の表示領域911の右下に、表示領域911の下側縁に沿って並ぶよう(当否判定結果の報知の開始が早い順に左から並ぶよう)表示される。
【0022】
保留表示10は、第一の部分21と第二の部分22を含む複合保留表示20として表示されることがある。複合保留表示20として表示されない場合には、複合保留表示20における第一の部分21に相当する部分が保留表示10となる。つまり、本実施形態では、複合保留表示20における第一の部分21に相当する部分は、保留表示10を構成する部分として記憶手段に記憶された当否判定情報が存在すれば常に表示される部分であり、第二の部分22は、保留表示10として複合保留表示20を表示する場合に当該複合保留表示20を構成する部分として表示される部分である。本実施形態では、第一の部分21はキャラクタであり、第二の部分22は「吹き出し」およびその吹き出し内の文言である。したがって、複合保留表示20は、第一の部分21を構成するキャラクタが、第二の部分22である吹き出し内に表示された文言を話しているかのような図柄(絵柄)となる。なお、通常の保留表示11(複合保留表示20ではない保留表示10のことをいう。以下同じ)と、複合保留表示20における第一の部分21が全く異なる態様となるような設定としてもよい。例えば、複合保留表示20における第一の部分21はキャラクタであるが、通常の保留表示11は記号やマーク等で構成してもよい。なお、第一の部分21や第二の部分22の構成(形態等)はどのようなものであってもよい。また、本実施形態における複合保留表示20は、第一の部分21と第二の部分22が一体的に(くっついて)表示されたものであるが、一つの保留を表しているものであることが遊技者に理解できるのであれば、第一の部分21と第二の部分22が離れていてもよい。
【0023】
図3に示すように、第一の部分21の態様として複数種の態様が設定されている。具体的には、通常態様210と、当該通常態様210とは異なる少なくとも一つの特殊態様が設定されている。本実施形態では、特殊態様として、第一特殊態様211〜第三特殊態様213が設定されている。当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(いわゆる大当たり信頼度)は、第一特殊態様211が最も低く、第三特殊態様213が最も高い(第二特殊態様212のいわゆる大当たり信頼度は、第一特殊態様211より高く、第三特殊態様213より低い)。したがって、遊技者は、特殊態様が表示されること、および特殊態様が表示されるのであればより大当たり信頼度の高い特殊態様が表示されることを願いつつ遊技することとなる。通常態様210と特殊態様の差異、各特殊態様同士の差異は、当該差異を遊技者が認識可能であればどのようなものであってもよい。本実施形態では、通常態様210および各特殊態様とでは、キャラクタの表情が異なるように設定されている。
【0024】
同様に、
図3に示すように、第二の部分22の態様も複数の態様が設定されている。本実施形態では、第一態様221〜第三態様223が設定されている。当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(いわゆる大当たり信頼度)は、第一態様221が最も低く、第三態様223が最も高い(第二態様222のいわゆる大当たり信頼度は、第一態様221より高く、第三態様223より低い)。したがって、遊技者は、より大当たり信頼度の高い態様が表示されることを願いつつ遊技することとなる。各態様の差異は、当該差異を遊技者が認識可能であればどのようなものであってもよい。本実施形態では、吹き出し内に「リーチ」の文字(文言)が記載された絵柄が第一態様221として、吹き出し内に「チャンス」の文字(文言)が記載された絵柄が第二態様222として、吹き出し内に「激熱」の文字(文言)が記載された絵柄が第三態様223として設定されている。その他、文字(文言)の種類を増やす、吹き出しの「色」が変化する可能性がある設定とすることにより、第二の部分22の態様の種類を増やしてもよい。
【0025】
保留表示制御手段は、保留表示10として複合保留表示20を表示する場合、第一の部分21の態様と第二の部分22の態様を別々に抽選してその態様を決定する。本実施形態では、第一の部分21の態様が特殊態様(第一特殊態様211〜第三特殊態様213)となる場合に、第二の部分22(第一態様221〜第三態様223)を表示する設定としている。つまり、第一の部分21の態様を特殊態様とする場合に、保留表示10として複合保留表示20が表示されることとなっている。したがって、本実施形態において表示されうる複合保留表示20の態様としては、第一の部分21として設定される可能性がある第一特殊態様211〜第三特殊態様213と、第二の部分22として設定される可能性がある第一態様221〜第三態様223の組み合わせ分存在する。
【0026】
本実施形態では、第一の部分21の態様を決定する抽選として第一抽選が、第二の部分22の態様を決定する抽選として第二抽選が設定されている。両抽選とも、対象となる保留に対応する当否判定が大当たりとなるか否かによって用いるテーブルが異なる。つまり、第一抽選は、当否判定が大当たりとなる(当否判定情報(上記数値)が大当たりとなる)ものである場合には大当たり用第一抽選テーブル(
図4(a)参照)を用い、はずれとなる(当否判定情報(上記数値)がはずれとなる)ものである場合にははずれ用第一抽選テーブルを用いる(
図4(b)参照)。大当たり用第一抽選テーブルが、はずれ用第一抽選テーブルよりも、いわゆる大当たり信頼度の高い特殊態様が選択されやすくなっていれば、各特殊態様の選択割合等は適宜設定することが可能である。同様に、第二抽選は、当否判定が大当たりとなる(当否判定情報(上記数値)が大当たりとなる)ものである場合には大当たり用第二抽選テーブルを用い(
図4(c)参照)、はずれとなる(当否判定情報(上記数値)がはずれとなる)ものである場合にははずれ用第二抽選テーブルを用いる(
図4(d)参照)。大当たり用第二抽選テーブルが、はずれ用第二抽選テーブルよりも、いわゆる大当たり信頼度の高い態様が選択されやすくなっていれば、各態様の選択割合等は適宜設定することが可能である。
【0027】
本実施形態では、第一抽選は、第一の部分21を特殊態様とすることが決定された場合に実行するものとしている。保留表示制御手段は、まず第一の部分21を通常態様210とするか特殊態様とするかを決定するための保留変化抽選を行い、当該抽選によって第一の部分21を特殊態様とすることが決定された場合に第一抽選を行い、設定する特殊態様を複数種の特殊態様のうちから決定する。保留変化抽選は、当否判定が大当たりである場合の方がはずれである場合よりも特殊態様に変化する確率が高いものであればよい。第二抽選は、第一の部分21の態様を通常態様210とは異なる特殊態様となった場合に実行されるものであるから、本実施形態では、保留変化抽選によって第一の部分21を特殊態様とすることが決定された場合に、第一抽選および第二抽選を実行することになる。後述するように、第一抽選の結果は、第二抽選の内容に全く影響を与えない。
【0028】
なお、このような保留変化抽選を行わない構成としてもよい。具体的には、第一抽選を、通常態様210および複数種の特殊態様のうちのいずれかから態様を選択するためのもの(抽選対象に通常態様210を含んだもの)とすることで第一の部分21の態様を決定するための抽選とし、当該第一抽選によって第一の部分21の態様を複数種の特殊態様のうちのいずれかにすることが決定された場合に、第二抽選を行うという構成にしてもよい。
【0029】
保留制御手段による複合保留表示20の態様を決定するための制御(保留態様決定処理)の一例は
図5に示す通りである。なお、
図5に示すフローチャートは、複合保留表示20の態様を決定するために必要なステップを表示しており、それ以外のステップ(複合保留表示20ではない保留表示10が表示される場合に、当該保留表示10の態様を決定するために必要なステップ)は省略してある。
【0030】
保留制御手段は、まず、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として保留変化抽選を行う(S1)。つまり、当否判定が大当たりであるか否か(当否判定情報(数値)が大当たりとなるものであるか否か)に基づき、第一の部分21を通常態様210とするか特殊態様(第一特殊態様211〜第三特殊態様213のいずれか)とするかを決定する。なお、具体的な説明を省略するが、大当たり用の保留変化抽選テーブルと、はずれ用の保留変化抽選テーブルを予め設定し、当否判定の内容に合わせて抽選テーブルを選択する構成とすればよい。
【0031】
上述したように、本実施形態では、保留変化抽選で第一の部分21を通常態様210とすることが決定された場合(保留変化抽選に当選しなかった場合)(S1「No」)には、第二の部分22を表示することはない。つまり、第一の部分21に相当する部分が保留表示10として表示され、複合保留表示20は表示されない。この後、別の抽選を行い、第一の部分21に相当する部分の保留表示10が変化することがある構成としてもよい。
【0032】
第一の部分21を特殊態様とすることが決定された場合(保留変化抽選に当選した場合)(S1「Yes」)には、当否判定が大当たりであるか否か(当否判定情報(数値)が大当たりとなるものであるか否か)を判断する(S2)。当否判定が大当たりとなるものである場合(S2「Yes」)には、大当たり用第一抽選テーブルに基づき第一抽選を行い(S3)、第一の部分21の態様を決定する。その後、大当たり用第二抽選テーブルに基づき第二抽選を行い(S4)、第二の部分22の態様を決定する。一方、当否判定がはずれとなるものである場合(S2「No」)には、はずれ用第一抽選テーブルに基づき第一抽選を行い(S5)、第一の部分21の態様を決定する。その後、はずれ用第二抽選テーブルに基づき第二抽選を行い(S6)、第二の部分22の態様を決定する。S3およびS4、またはS5およびS6で決定された第一の部分21および第二の部分22の態様は、複合保留表示20の態様として確定し、当該態様のデータは表示装置91を制御する制御手段(図示せず)に送られる(S7)。
【0033】
本実施形態では、保留表示10として複合保留表示20を表示することが決定された場合、先に第一の部分21が表示された後、第二の部分22が表示されることとなる。つまり、遊技者からみれば、第一の部分21が通常態様210ではない特殊態様となった後(
図6(a)(b)参照)、当該第一の部分21を構成するキャラクタが第二の部分22を構成する文言を話しているかのような演出形態となる(
図6(c)参照)。なお、本実施形態では、第二の部分22は一時的に表示される。つまり、第二の部分22が表示された後、一定時間経過したり、保留の順番が繰り上がったりしたことをもって消去される。また、逆に第一の部分21が消えて第二の部分22が残る構成としてもよい。このように、第一の部分21と第二の部分22の少なくともいずれか一方が、所定条件の成立をもって消去されたり、通常の態様に戻ったりする構成としてもよい。
【0034】
以上説明したように、本実施形態では、S3やS5で実行される第一抽選の結果と、S4やS6で実行される第二抽選の結果はリンクしない。つまり、両抽選は、当否判定が大当たりか否かということには左右されるものの、一方の抽選の結果が他方の抽選の結果に影響を与えるといったことはない。したがって、第一の部分21および第二の部分22の一方が大当たりに期待がもてない態様であったとしても、他方が大当たりに期待がもてる態様となりうる。つまり、遊技者にとって、大当たりに期待がもてる状態となるチャンスが二回ある(例えば、本実施形態でいえば、最初に表示される第一の部分21が期待薄な第一特殊態様211であったとしても、その後表示される第二の部分22が期待大の第三態様223となる可能性がある(
図6(b)(c)参照))ということなるから、遊技の趣向性を高めることが可能である。
【0035】
ただ、第二の部分22があまりにも頻繁に表示されてしまうと、当該第二の部分22に対する興味が薄れてしまうことになるため、本実施形態では、第二の部分22が表示される条件を、第一の部分21の態様が特殊態様(第一特殊態様211〜第三特殊態様213)となるときに限定している(ただし、これはあくまで例示であり、第一の部分21の態様が特殊態様にならないときに、第二の部分22が表示されることがある構成としてもよい)。第一の部分21の態様が特殊態様となる確率(上記保留変化抽選によって第一の部分21が特殊態様となる確率)を適宜調整することで、第二の部分22が表示される頻度を程よいものとすることができる。しかも、第一の部分21を構成するキャラクタが特殊態様になったときに何か文言を話す、という演出形態となるため、遊技者にとって分かりやすく面白みのある演出とすることが可能である。
【0036】
上記複合保留表示20を用いた演出の趣向性をさらに高めるため、次のような発展型の演出が実行される可能性があってもよい。具体的には、複合保留表示20が表示された後、保留表示制御手段が再び第一抽選および第二抽選のいずれか一方を実行することがあってもよい。つまり、複合保留表示20が一度表示された後、当該複合保留表示20の第一の部分21と第二の部分22のうち、いずれか一方が変化した複合保留表示20が再度表示されることがあってもよい。本実施形態では、
図7に示すように、ある複合保留表示20が表示された後、当該複合保留表示20の第二の部分22のみが変化した複合保留表示20が表示されることもあれば、
図8に示すように、ある複合保留表示20が表示された後、当該複合保留表示20の第一の部分21のみが変化した複合保留表示20が表示されることもあるように設定されている。また、このように第一の部分21と第二の部分22のうちのいずれか一方が変化した複合保留表示20が再度表示されることが二回以上発生する場合があってもよい。また、第一の部分21や第二の部分22が再度表示される場合は、先に表示されていた態様よりも大当たり信頼度が高いものに変化する(ランクアップする)構成とすることが好ましい。
【0037】
再度第一抽選および第二抽選のいずれか一方が実行される条件は適宜設定(例えば、最初の抽選時に後の抽選を予め行う、または保留表示後から所定時間経過後に行う、保留の消化時等)することができる。また、変化した複合保留表示20が表示されるタイミングは適宜設定することができる。例えば
図7に示すように、いわゆる保留の消化順が変わらない段階で変化した複合保留表示20を表示することがあってもよいし、
図8に示すように、先に複合保留表示20を表示してから、いわゆる保留の消化順が繰り上がった後、変化した複合保留表示20を表示することがあってもよい。また所定時間経過後や保留数や遊技状態(演出状態)に応じて表示してもよい。
【0038】
また、最初に複合保留表示20が表示されることが決定されたときに、第一の部分21および第二の部分22のいずれか一方の態様を段階的に変化させる演出形態とすることが決定されうる構成としてもよい。つまり、例えば複合保留表示20が表示されることが決定されたとき、先に表示する複合保留表示20の第二の部分22を第一形態とし、後に表示する複合保留表示20の第二の部分22を第一形態よりも大当たりに期待がもてる形態とする(最初に第二の部分22が第一形態であると見せかけて、第一形態よりも大当たりに期待がもてる形態に変化させる)、といった演出が発生しうる構成としてもよい。また、その際は保留数に応じて行うか否かを決定してもよい。
【0039】
このような複合保留表示20の変化が発生する場合、先の複合保留表示20を残したまま後の複合保留表示20に変化させてもよいし、先の複合保留表示20の第一の部分21および第二の部分22の少なくともいずれか一方を消去したり、通常の態様に戻したりした後、先ほどまで表示されていた先の複合保留表示20とは異なる後の複合保留表示20が表示されるような構成としてもよい。
【0040】
このように、複合保留表示20の第一の部分21と第二の部分22の一方のみが変化する保留変化演出が実行される可能性がある構成とすることで、複合保留表示20を用いた演出の趣向性をさらに向上させることが可能となる。つまり、保留表示が変化する可能性がある遊技機は種々知られているところ、複合保留表示20の第一の部分21と第二の部分22のいずれか一方のみが変化する可能性がある(第一の部分21のみが変化する可能性もあるし、第二の部分22のみが変化する可能性がある)というものは従来にない斬新な印象を与えるとものである。なお、かかる演出の存在は、複合保留表示20の第一の部分21と第二の部分22の両方が変化する、すなわち複合保留表示20の全体が変化するような演出が発生する可能性があるように設定することを妨げるものではない。
【0041】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0042】
上記実施形態にかかる遊技機1は、ある条件が成立したときに、保留表示10として複合保留表示20が表示されるものである(毎回複合保留表示20が表示されるわけではない)ことを説明したが、全ての保留表示10が複合保留表示20となるものにも同様の技術思想が適用可能である。つまり、新たな当否判定情報が取得(記憶手段に記憶)される度に第一抽選と第二抽選を行い、複合保留表示20の態様を決定する構成としてもよい。また、複合保留表示20の第二の部分22の態様の一つとして、通常の態様を設定した構成としてもよい。
【0043】
また、
図5に示したフローのS1を無くし、第一抽選によって決定される選択肢として、「第一の部分を特殊態様としない」を含む第一抽選テーブルを設定するとともに、第二抽選によって決定される選択肢として、「第二の部分を表示しない」や「第二の部分を通常の態様とする」を含む第二抽選テーブルを設定した上で、新たな当否判定情報が取得(記憶手段に記憶)される度に第一抽選と第二抽選を行い、保留表示10を複合保留表示20ではないものとする場合にはその態様を、または複合保留表示20とする場合にはその態様を決定する構成としてもよい。つまり、複合保留表示20とする場合もそうでない場合も、
図5に示したS3およびS4、またはS5およびS6に相当する第一抽選および第二抽選にて保留表示10の態様を設定する構成としてもよい。
【0044】
また、上記実施形態における第二の部分22の態様を決定するための第二抽選は、第一の部分21を特殊態様とすることが決定された場合に実行されるものであることを説明したが、当該第二抽選を実行するための契機は適宜変更可能である。つまり、第一抽選と第二抽選の両方が実行されることとなった場合に、第一抽選の結果と第二抽選の結果が互いに影響を及ぼし合うようなものでさえなければよく、各抽選を実行することになる契機はどのようなものであってもよい。また、第一の部分21を特殊態様とするか否かの抽選は、特定の状態(例:時短状態時・高確時・通常時・専用モード等)のときだけでもよい。
【0045】
また、遊技球の入賞を契機として当否判定を実行することとなる複数の始動入賞口が設けられている場合には、全ての始動入賞口の当否判定(保留表示)に関し上記技術思想を適用してもよいし、複数の始動入賞口のいずれか一つの当否判定(保留表示)に上記関し上記技術思想を適用してもよい。また、抽選テーブルの選択割合や特殊態様の種類等は適宜変更可能である。
【0046】
また、上記実施形態では、各保留表示10は表示領域911の下側縁に沿って(右下に)表示されることを説明したが、当該表示箇所は例示にすぎず、表示領域911内で行われる演出に支障がでないようにすればどこに設けてもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、各保留表示10は各種演出等が実行されるメインの表示装置91に表示されるものであることを説明したが、メインの表示装置91以外のサブの表示装置等の他の表示装置に表示されるものについても同様の技術思想が適用可能である。また、保留表示10が表示される表示装置が、保留表示10を表示するためだけに設けられた表示装置であってもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、複合保留表示20は第一の部分21と第二の部分22を含むものであることを説明したが、これらの部分以外の部分を含むものであってもよい。