【文献】
「CR天才バカボン4 決断の瞬間」,パチンコ攻略マガジン2012年6月24日号,株式会社双葉社,2012年 5月24日,pp.26-30
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0093】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、
図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば、遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、
図1及び
図2を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
【0094】
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
【0095】
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
【0096】
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
【0097】
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(
図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。
図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
【0098】
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
【0099】
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
【0100】
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤8を備えている。遊技盤8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
【0101】
受け皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
【0102】
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
【0103】
また、受け皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
【0104】
受け皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0105】
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして配置されている。
【0106】
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
【0107】
また、受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタンとその周囲に回転式のジョグリング(ジョグダイアル)を組み合わせた形態である。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
【0108】
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(
図6)に基づいてさらに後述する。
【0109】
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
【0110】
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
【0111】
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
【0112】
〔盤面の構成〕
図3は、遊技盤8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,25、普通電動役物28、可変入賞装置30、特殊ユニット270、特殊入賞口27等が分布して設置されている。このうち始動入賞口26は遊技領域8aの下部分の中央に位置しており、特殊入賞口27は遊技領域8aの左側部分でその中央寄りに位置している。始動ゲート20は遊技領域8aの右側部分でその上寄りに位置しており、特殊ユニット270は遊技領域8aの右側部分でその中央寄りに位置しており、普通電動役物28は遊技領域8aの右側部分でその下寄りに位置している。また、3つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分でその下寄りに位置している。残るもう1つの普通入賞口25は、遊技領域8aの右側部分に配置されている。また、可変入賞装置30は始動入賞口26の下に位置している。なお、始動ゲート20、特殊ユニット270、及び、普通電動役物28は連結して備えられており、具体的な内容については後述する。
【0113】
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、始動入賞口26、特殊入賞口27、普通入賞口22,25に入球(入賞)したり、あるいは、作動時の普通電動役物28や開放動作時の可変入賞装置30に入球(入賞)したりする。なお、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、始動入賞口26、特殊入賞口27、開放動作時の可変入賞装置30、もしくは普通入賞口22に入球(入賞)する可能性がある。遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、始動ゲート20を通過する可能性があり、その場合、特殊ユニット270内を通過して作動時の普通電動役物28に入球(入賞)する可能性がある。他にも、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、普通入賞口25に入球(入賞)する可能性がある。始動入賞口26、特殊入賞口27、普通入賞口22,25、普通電動役物28、可変入賞装置30に入球(入賞)した遊技球は遊技板(遊技盤8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通穴を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。
【0114】
〔特殊ユニット〕
次に、特殊ユニット270について説明する。特殊ユニット270は、流入通路271、回転体273、流出通路275から構成されている。遊技球が特殊ユニット270に流入すると流入通路271、回転体273、流出通路275の順に通過し流出通路275の出口から排出される。また、特殊ユニット270に流入した遊技球は流出通路275の出口から排出されるまで9秒〜12秒を要し、遊技球が回転体273に到達するタイミングでその時間が異なっている。
【0115】
流入通路271は、遊技球が1つ通過し得る程度の幅を有する透明な部材で構成されており、遊技球の視認性は確保されている。流入通路271の入口には、始動ゲート20が備えられており、出口は回転体273に接続されており、入口(始動ゲート20)から出口(回転体273)までの距離は短く形成されている。したがって、流入通路271の出口から回転体273に案内されずに流入通路271内に所定個数の遊技球が停滞したとしても、流入通路271が短いためそれ以上の遊技球を特殊ユニット270へ流入させるのを困難とし、パチンコ機1内での遊技球の停滞を防止している。
【0116】
回転体273は、例えば車輪を模した形態を有しており、パチンコ機1の電源投入時(電源OFF等の停電時以外)は盤面に沿って一方向(例えば反時計回り)に一定の速度(1周あたり12秒)で回転している。回転体273には、その周縁部に4つの孔が等間隔に形成されており、1つの孔には遊技球が1球入り込むことが可能である。したがって、回転体273は3秒毎に1球の遊技球を案内することが可能であることを表している。回転体273の1つの孔に入り込んだ遊技球は、回転体273の回転動作に合わせて周回し、流出通路275の入口に案内される。
【0117】
流出通路275は、流入通路271と同様に、遊技球が1つ通過し得る程度の幅を有する透明な部材で構成されており、遊技球の視認性は確保されている。流出通路275の入口は回転体273に接続されており、出口には普通電動役物28が備えられている。したがって、普通電動役物28が作動している場合、特殊ユニット270の流出通路275の出口から排出される遊技球は、普通電動役物28内に入球することとなる。一方、普通電動役物28が作動していない場合、特殊ユニット270の流出通路275の出口から排出される遊技球は、普通電動役物28内に入球することなく遊技領域8a内を流動し、最終的にアウト口32から遊技盤8の裏側へ回収されることとなる。
【0118】
したがって、遊技領域8aの右側領域を流動している遊技球が無作為に特殊ユニット270に流入すると、遊技球は入口に備えられている始動ゲート20を通過し、等速で回転する回転体273のいずれかの孔に入り込んで周回し、流入してから9秒〜12秒後に流出通路275から排出される。そして、特殊ユニット270から遊技球が排出された際に普通電動役物28が作動中である場合、普通電動役物28内に遊技球が入球し、普通電動役物28が非作動である場合、普通電動役物28に入球することなく遊技領域8aを流動することとなる。
【0119】
〔普通電動役物、第2役連作動領域〕
本実施形態において、上記の特殊ユニット270の出口に備えられている普通電動役物28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って第2役連作動領域277への通過を可能にする。普通電動役物28は、例えば、1つの開閉部材28aを有している。この開閉部材28aは、例えば、舌片型(ベロタイプ)の可動片であり、図示しない普通電動役物ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。すなわち、開閉部材28aの可動片は盤面より奥に引っ込んだ位置(閉止位置)にある状態で第2役連作動領域277への通過を不能にしているが、盤面より手前側へ突出した位置(開放位置)に移動すると、特殊ユニット270から排出される遊技球を受け止め、第2役連作動領域277への通過を案内する。
【0120】
〔特殊入賞口、第1役連作動領域〕
また、特殊入賞口27内には第1役連作動領域276が備えられている。したがって、遊技球が遊技領域8aの左領域を流動している際に無作為に特殊入賞口27に入球(入賞)すると、遊技球は第1役連作動領域276を通過することを表している。
【0121】
〔役物連続作動装置作動領域(役連作動領域)〕
特殊入賞口27内に備えられている第1役連作動領域276、及び、特殊ユニット270の出口に位置する普通電動役物28内に備えられている第2役連作動領域277は、それぞれ遊技球が通過するゲートとなっており、そのゲートを通過することで役物連続作動装置(可変入賞装置30を連続して作動させることができる装置)に関する作動の設定が行われる。
【0122】
上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で停止表示され、その後、第1役連作動領域276又は第2役連作動領域277を遊技球が通過した場合)に作動し、大入賞口(参照符号なし)への入賞を可能にする(特別電動役物、特別入賞事象発生手段)。可変入賞装置30は、遊技領域8aの中央領域下部に配置された装置であり(アタッカー)、例えば1つの開閉部材30aを有している。この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉止状態)にあり、このとき大入賞口への入賞は常に不能(大入賞口は閉塞中)である。可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、大入賞口を開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、大入賞口への入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。ここでも同様に、遊技盤8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変入賞装置30(作動時の大入賞口)に向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が作動時の可変入賞装置30に必ず流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
【0123】
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。また、始動入賞口26、普通入賞口22,25、特殊入賞口27、普通電動役物28、可変入賞装置30(大入賞口)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
【0124】
図4は、遊技盤8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び遊技状態表示装置38が設けられている。
【0125】
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
【0126】
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
【0127】
なお、普通図柄の作動記憶について保存しない形態でもよく、普通図柄作動記憶ランプ33aを備えなくてもよい。すなわち、普通図柄の変動表示が可能な状態で始動ゲート20を遊技球が通過すると、普通図柄の変動表示を開始してもよい。普通図柄の変動表示が可能な状態とは、普通図柄の変動表示及び停止表示が実行されておらず、普通電動役物28が作動していない状態を表している。また、普通図柄の変動表示が可能な状態ではない場合、始動ゲート20を遊技球が通過しても普通図柄の作動記憶が記憶されることはなく、したがって、始動ゲート20の通過を契機とした普通図柄の変動表示が開始されることはない。
【0128】
また、第1特別図柄表示装置34は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
【0129】
また、遊技状態表示装置38には、例えば、大当り種別表示ランプ38d、38e、確率変動状態表示ランプ38a、時短状態表示ランプ38b、右打ち表示ランプ38fにそれぞれ対応する5つのLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に取り付けられている。
【0130】
〔遊技盤のその他の構成:
図3を参照〕
上記の演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
【0131】
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eは例えば上下2段に形成されており、このうち上段が遊技者からみて奥に位置し、下段が遊技者からみて手前に位置する。上下2段とも、それぞれ転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがてその下段から下方の遊技領域8a内に流下する。
【0132】
また、転動ステージ40eの略中央位置には流入通路40gが形成されており、この流入通路40gには上段の転動ステージ40eから遊技球が無作為に流入し得る。流入通路40gは演出ユニット40の下縁部を下方に延びた後、手前側へL字形状に屈曲して形成されており、その終端に球放出口40hが形成されている。球放出口40hは前面に向けて開口しており、その開口位置が始動入賞口26の真上に位置している。このため転動ステージ40e上から流入通路40g内に流入した遊技球は、球放出口40hから放出されて、その真下にある始動入賞口26を通過しやすくなる(ただし、常に通過するわけではない。)。
【0133】
その他に演出ユニット40には、演出用の可動体40f(例えばハート形の装飾物)とともに図示しない駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。このような可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
【0134】
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。
図5は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
【0135】
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
【0136】
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤8には、始動入賞口26及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して始動入賞口スイッチ80及びカウントスイッチ84が装備されている。始動入賞口スイッチ80は始動入賞口26への遊技球の入賞を検出するためのものである。また、カウントスイッチ84は可変入賞装置30(大入賞口)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。
【0137】
他にも、特殊入賞口27及び普通電動役物28にそれぞれ対応して第1役連作動領域スイッチ274及び第2役連作動領域スイッチ278が装備されている。第1役連作動領域スイッチ274は特殊入賞口27への遊技球の入賞を検出するとともに、第1役連作動領域276を遊技球が通過したことを検出するためのものである。第2役連作動領域スイッチ278は作動中の普通電動役物28内に遊技球が入球し、第2役連作動領域277を遊技球が通過したことを検出するためのものである(検出手段)。
【0138】
同様に遊技盤8には、普通入賞口22,25への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,25について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば、盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,25に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口25に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
【0139】
いずれにしても、これらスイッチ類78、80、84、86、274、278の入賞検出信号や通過検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86、第1役連作動領域スイッチ274、第2役連作動領域278からの入賞検出信号や通過検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
【0140】
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,38及びランプ33a,34aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,38及びランプ33a,34aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
【0141】
また、遊技盤8には、普通電動役物28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ普通電動役物28及び可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
【0142】
さらに、遊技盤ユニット8には、特殊ユニット270の回転体273に対応して回転体モータ273mが設けられている。回転体モータ273mは、例えば図示しない動力伝達機構を用いて回転体273を等速で回転動作させるものである。回転体モータ273mについては、上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
【0143】
本実施形態では、電源投入後から回転体273が一定動作を行うため、回転体モータ273mに対し、主制御装置70(主制御CPU72)から一定動作用の駆動信号が出力されている。また、回転体モータ273mには、図示しないインデックスセンサが配置することで、このセンサを用いて回転に関する原点位置の検出を行ってもよく、主制御装置70には、これらインデックスセンサからの原点位置検出信号が入力されてもよい。
【0144】
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、ガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
【0145】
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
【0146】
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
【0147】
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
【0148】
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
【0149】
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
【0150】
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
【0151】
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
【0152】
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
【0153】
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
【0154】
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
【0155】
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
【0156】
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、普通電動役物28、可変入賞装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
【0157】
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
【0158】
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45を接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。その他、遊技盤8にはパネル電飾基板138が設置されており、ランプ駆動回路132からの駆動信号がパネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53に印加されている。
【0159】
上記の液晶表示器42は遊技盤8の裏側に設置されており、遊技盤8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
【0160】
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
【0161】
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
【0162】
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット164は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
【0163】
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
【0164】
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
【0165】
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
【0166】
図6及び
図7は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
【0167】
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
【0168】
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
【0169】
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
【0170】
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
【0171】
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
【0172】
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
【0173】
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
【0174】
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
【0175】
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
【0176】
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
【0177】
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
【0178】
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
【0179】
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
【0180】
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
【0181】
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
【0182】
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
【0183】
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は
図7に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
【0184】
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
【0185】
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(
図9中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(
図9中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
【0186】
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(
図9)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
【0187】
〔電源断発生チェック処理〕
図8は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
【0188】
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
【0189】
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
【0190】
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
【0191】
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
【0192】
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
【0193】
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(
図6)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
【0194】
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。
図9は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
【0195】
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
【0196】
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数、普通図柄当り決定乱数等が含まれる。
【0197】
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
【0198】
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78、始動入賞口スイッチ80、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86、第1役連作動領域スイッチ274、第2役連作動領域スイッチ278からの入賞検出信号や通過検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
【0199】
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、始動入賞口スイッチ80、カウントスイッチ84、第1役連作動領域スイッチ274、第2役連作動領域スイッチ278からの入賞検出信号や通過検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
【0200】
本実施形態では、始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
【0201】
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果や先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で第1役連作動領域276又は第2役連作動領域277の通過を契機として取得した作動情報に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
【0202】
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて普通電動役物28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して普通電動役物28を作動させる。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
【0203】
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80、84、86、274、278から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
【0204】
ステップS207a:次に主制御CPU72は、モータ管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は回転体モータ273mに対して駆動信号を出力する場合、その駆動信号を対応するポート出力要求バッファに格納する。なお、回転体モータ273mは、電源投入時から予め決まったパターンで回転している。例えば、回転体モータ273mは、決まった回転速度(1周あたり12秒)で一方向(反時計回り)に回転するという動作を繰り返す。このため主制御CPU72は、モータ管理処理において回転体モータ273mに対応する回転パターンに基づく駆動信号を生成する。
【0205】
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
【0206】
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
【0207】
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
【0208】
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
【0209】
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、大入賞口ソレノイド90の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
【0210】
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
【0211】
ステップS213:そして主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
【0212】
なお、本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
【0213】
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
【0214】
ステップS215,ステップS216:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
【0215】
〔スイッチ入力イベント処理〕
図10は、スイッチ入力イベント処理(
図9中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
【0216】
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(第1事象が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
【0217】
ステップS18:主制御CPU72は、可変入賞装置30の大入賞口に対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで大入賞口カウント処理を実行する。大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
【0218】
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS28aに進む。
【0219】
ステップS24:普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。なお、上限数を1個とし、さらに、普通図柄が非変動状態、かつ、普通電動役物が非作動状態である場合を記憶の条件としてもよい。すなわち、普通図柄当り乱数が一度取得されると、その乱数に基づいた普通図柄の変動表示(停止表示)及び当選時の普通電動役物の作動が終了するまで普通図柄当り乱数が取得されない設定としてもよい。主制御CPU72は次にステップS28aに進む。
【0220】
ステップS28a:主制御CPU72は、特殊入賞口27内に設けられた第1役連作動領域276に対応する第1役連作動領域スイッチ274から検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS28bに進む。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS29aに進む。
【0221】
ステップS28b:主制御CPU72は、第1役連作動領域通過フラグ設定処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は第1役連作動領域スイッチ274が有効時間内であるか否かを確認し、有効時間内であることが確認されると第1役連作動領域通過フラグをONにセットする。この有効時間は、大当り遊技が開始される前に(具体的には、条件装置が作動した後)にONに設定され、第1役連作動領域通過フラグ又は第2役連作動領域通過フラグがONに設定されるとOFFに設定される(これに限定されず、ONのまま大当り遊技が終了するとOFFに設定されてもよい)。したがって、条件装置が作動した後に最初に第1役連作動領域スイッチ274からの検出信号を受信すると第1役連作動領域通過フラグがONにセットされ、一方、条件装置が作動して第2役連作動領域通過フラグがONにセットされると、この第1役連作動領域通過フラグはONにセットされることはない。第1役連作動領域通過フラグはRAM76に記憶されており、第1役連作動領域通過フラグがONにセットされると、条件装置作動後に遊技球が第1役連作動領域を最初に通過したことを示している。なお、第1役連作動領域通過フラグは大当り遊技の終了後にOFFにセットされる。主制御CPU72はステップS29aに進む。
【0222】
ステップS29a:主制御CPU72は、特殊ユニット270の出口に位置する普通電動役物28内に設けられた第2役連作動領域277に対応する第2役連作動領域スイッチ278から検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS29bに進む。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(
図9)に復帰する。
【0223】
ステップS29b:主制御CPU72は、第2役連作動領域通過フラグ設定処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は第2役連作動領域スイッチ278が有効時間内であるか否かを確認し、有効時間内であることが確認されると第2役連作動領域通過フラグをONにセットする。この有効時間は、大当り遊技が開始される前に(具体的には、条件装置が作動した後)にONに設定され、第1役連作動領域通過フラグ又は第2役連作動領域通過フラグがONに設定されるとOFFに設定される(これに限定されず、ONのまま大当り遊技が終了するとOFFに設定されてもよい)。したがって、条件装置が作動した後に最初に第2役連作動領域スイッチ278からの検出信号を受信すると第2役連作動領域通過フラグがONにセットされ、一方、条件装置が作動して第1役連作動領域通過フラグがONにセットされると、この第2役連作動領域通過フラグはONにセットされることはない。第2役連作動領域通過フラグはRAM76に記憶されており、第2役連作動領域通過フラグがONにセットされると、条件装置作動後に遊技球が第2役連作動領域を最初に通過したことを示している。なお、第2役連作動領域通過フラグは大当り遊技の終了後にOFFにセットされる。主制御CPU72は割込管理処理(
図9)に復帰する。
【0224】
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図11は、第1特別図柄記憶更新処理(
図10中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
【0225】
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は第1特別図柄用に2つのセクション(例えば2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(
図10)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
【0226】
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(
図9中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
【0227】
ステップS32:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行ってもよい。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
【0228】
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
【0229】
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
【0230】
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
【0231】
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理状態(内部状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中は先読みによる演出を行わないためである。
【0232】
ステップS37:変動時間短縮機能が非作動の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32〜S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
【0233】
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
【0234】
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」〜「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」〜「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」〜「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
【0235】
ステップS39:そして主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
【0236】
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(
図10)に復帰する。
【0237】
〔取得時演出判定処理〕
図12は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理(
図11中のステップS37)においてこの取得時演出判定処理を実行する(先判定実行手段)。上記のように、この処理は第1特別図柄(始動入賞口26への入賞時)について実行される。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
【0238】
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
【0239】
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(
図11中のステップS35)でRAM76に記憶されているものである。
【0240】
ステップS54:そして主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
【0241】
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、変動時間(又は変動パターン番号)やリーチ変動の有無の判定情報が反映される。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(
図11中のステップS39)で送信バッファにセットされる。
【0242】
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(
図11)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
【0243】
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、これと組になる大当り図柄乱数が「確変図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「A0H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、これと組になる大当り図柄乱数が「非確変(通常)図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「01H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。なお、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値が未だ存在しなければ、フラグ値はリセット(00H)されている。また、確率状態予定フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。なお、ここでは「確率状態予定フラグ」を用いて厳密に事前の当り判定を行う例を挙げているが、単純に現在の確率状態に基づいて事前の当り判定を行う場合、このステップS56と以降のステップS58,ステップS60,ステップS62,ステップS76等を省略してもよい。
【0244】
主制御CPU72は、未だ確率状態予定フラグがセットされていなければ(ステップS56:No)、次にステップS66を実行する。
【0245】
ステップS66:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお、低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
【0246】
ステップS68:次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
【0247】
ステップS70:そして主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行する。
【0248】
ステップS64:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
【0249】
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72を実行する。
【0250】
ステップS72:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72は上記のはずれ時変動パターン情報事前判定処理(ステップS80)を実行する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
【0251】
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(
図11中のステップS35)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、上記のステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「非確変(通常)図柄」又は「確変図柄」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
【0252】
ステップS76:そして主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットする。具体的には、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「非確変(通常)図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「A0H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
【0253】
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「非確変(通常)図柄」に該当する場合は「01H」がセットされ、「確変図柄」に該当する場合は「A0H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
【0254】
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39)で送信バッファにセットされる。
【0255】
以上は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、先のステップS76を経て確率状態予定フラグがセットされた場合、以下の手順が実行される。ただし、上記のように現在の確率状態だけで事前の当り判定を行う場合、以下のステップS56,ステップS58,ステップS60,ステップS62、及びステップS76を実行する必要はない。
【0256】
ステップS56:主制御CPU72は、既に確率状態予定フラグに値がセットされていることを確認すると(Yes)、次にステップS58を実行する。
【0257】
ステップS58:主制御CPU72は、先ず低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。
【0258】
ステップS60:次に主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードする。確率状態予定フラグは、上記のように直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、上記のように確率状態予定フラグの値として「A0H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグの値として「01H」がセットされている。
【0259】
ステップS62:そして主制御CPU72は、ロードした確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率の予定を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行し、高確率時用比較値をセットする。
【0260】
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが既にセットされており、その値が高確率を予定するものである場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72以降を実行することになる。これに対し、先のステップS62で確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでなく、通常(低)確率の予定を表すものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72以降を実行する。これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(通常確率状態→高確率状態、高確率状態→通常確率状態)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる。
【0261】
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(
図11)に復帰する。
【0262】
〔普通図柄記憶更新処理〕
次に、上記の普通図柄記憶更新処理(
図10中のステップS24)について説明する。
図13は、普通図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。以下、普通図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
【0263】
ステップS40:ここでは先ず、主制御CPU72は普通図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値の4未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている普通図柄当り決定乱数の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は普通図柄について4つのセクション(例えば各1バイト)に分けられており、各セクションには普通図柄当り決定乱数を1個ずつ記憶可能である。このとき、作動記憶数カウンタの値が上限値(最大値)に達していれば(Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(
図10)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が上限値(最大値)未満であれば(No)、主制御CPU72は次のステップS41に進む。
【0264】
ステップS41:主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1つ加算する。普通図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(
図9中のステップS210)で普通図柄作動記憶ランプ33aの点灯状態が制御されることになる。
【0265】
ステップS42:そして主制御CPU72は、上記のサンプリング回路77を通じて乱数発生器75から普通図柄当り決定乱数値を取得する。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビットのデータバス幅を有する場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから普通図柄当り決定乱数値をリードすると、これを普通図柄当り決定乱数として転送先(乱数記憶領域)のアドレスにセーブする。なお、普通図柄当り決定乱数値は、例えばRAM76の当り乱数カウンタ領域から取得することとしてもよい。この場合、主制御CPU72は、指定したアドレスから普通図柄当り決定乱数値をリードすると、これを普通図柄に対応する当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
【0266】
ステップS43:主制御CPU72は、セーブした普通図柄当り決定乱数を普通図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これを領域内の空きセクションに記憶させる。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に当り決定乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に当り決定乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO形式である。
【0267】
ステップS44:そして主制御CPU72は、普通図柄演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は例えば普通図柄の始動音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するための設定を行う。なお、主制御CPU72はこの処理の前に例えば先読み判定処理を行ってもよい。この場合、主制御CPU72は先読み判定処理において抽選の当否を事前に判定し、その結果に基づいて普図先判定演出コマンドを生成する。そして、主制御CPU72はステップS44で普図先判定演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するための設定を行うことができる。
【0268】
以上の手順を終えるか、もしくは普通図柄作動記憶数が4(最大値)に達していた場合(ステップS40:Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(
図10)に復帰する。
【0269】
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(
図9)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。
図14は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
【0270】
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
【0271】
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄(第1特別図柄)が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、始動条件(第1始動条件)を満たすとして主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
【0272】
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
【0273】
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
【0274】
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
【0275】
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が16ラウンド大当りの態様で停止表示され、所定条件を満たすと(例えば、役連作動領域を遊技球が通過すると)、それまでの遊技状態(通常状態、時間短縮状態、高確率状態)から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。
【0276】
可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90が、予め設定された大入賞口開放パターンに基づいて、一定時間(例えば、29秒間、又は、9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば計5回、又は、計16回)にわたって励磁される。具体的には、最初に大入賞口ソレノイド90が29秒間(又は、9個の入賞をカウントするまで)5回又は16回にわたって励磁される。これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(第1特別電動役物の連続作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で16回あれば、これらを「16ラウンド」と総称することがある。なお、これら2種類の大当りだけではなく、その他にも複数の当選種類を設けてもよい。
【0277】
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数に対応する開放回数と1ラウンドごとの開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(
図9中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
【0278】
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段)。また、「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の当選確率が高確率(例えば低確率で65536.00分の1→1.00分の1程度)になり、また、普通図柄の変動時間が短縮(例えば非作動時で30秒程度→5.5秒(又は8.5秒)程度に短縮)されるとともに普通電動役物28の開放時間が延長(例えば非作動時で0.1秒程度→3.0秒程度に延長)される。なお、普通電動役物28の開放回数が増加(例えば、非作動時で1回(0.1秒)→3回(各回1秒、計3秒)に増加)してもよい。したがって、「時間短縮状態」では、普通電動役物28が作動する確率が非常に高くなり、作動中の普通電動役物28内に遊技球を入球させやすくなっている(いわゆる電チューサポート)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上で「時間短縮状態」だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
【0279】
なお、可変入賞装置管理処理の具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。
【0280】
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類(特殊当選種類)として例えば(1)「第1大当り」、(2)「第2大当り」、(3)「第3大当り」が設けられている(これ以上があってもよい)。
【0281】
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄の種類に対応している。例えば、「第1大当り」は「当選図柄A(通常図柄A)」の大当りに対応し、「第2大当り」は「当選図柄B(通常図柄B)」の大当りに対応し、「第3大当り」は「当選図柄C(確変図柄C)」の大当りに対応する。このため以下の説明では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。なお、当選図柄に対応して実行される大当り遊技についての具体的な処理の内容についてはさらに後述する。
【0282】
上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄がいずれかの当選図柄の態様で停止表示され、役連作動領域を遊技球が通過すると、それまでの遊技状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、当選図柄に対応して大入賞口開放パターンが決定され、それに応じて大入賞口の開放が実行される。また、大当り遊技が終了すると、当選図柄の種類に応じて「確率変動機能」を作動するか否かが決定され、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与されるか否かが決定される。具体的には、当選図柄が「当選図柄A,B(通常図柄A,B)」ではなく「当選図柄C(確変図柄C)」であった場合、「確率変動機能」を作動することが決定され、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与されることが決定される。なお、「確率変動機能」が作動するか否かとは別に大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動することとなり、「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
【0283】
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて可変入賞装置30が開閉動作する(特例遊技実行手段)。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄(第1特別図柄)が小当りの態様で停止表示されると、通常確率状態又は高確率状態の中で小当りの遊技(可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される。このような小当りの遊技では可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また、小当りの遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。
【0284】
〔特別図柄変動前処理〕
図15は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
【0285】
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
【0286】
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(
図9中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
【0287】
これに対し、第1特別図柄の作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
【0288】
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている第1特別図柄の抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の特別図柄当り判定処理で内部抽選に使用される。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(
図9中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)することになる。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
【0289】
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(内部抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では通常確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
【0290】
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
【0291】
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
【0292】
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
【0293】
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(
図9中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
【0294】
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
【0295】
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば、2.0秒程度)に設定される(短縮時変動時間決定手段)。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.0秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
【0296】
本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出、ストーリーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
【0297】
〔はずれ時変動パターン選択テーブルの例〕
図16は、はずれ時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、はずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段、変動時間規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」〜「8」が割り当てられている。
【0298】
変動パターン番号「1」〜「5」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「6」〜「8」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。なお、このような変動パターン選択テーブルは、取得時演出判定処理(
図12)の事前判定処理においても使用される(大当り時も同様)。
【0299】
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
【0300】
〔
図15:特別図柄変動前処理を参照〕
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
【0301】
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
【0302】
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて3種類が用意されている。3種類の内訳は、「当選図柄A」、「当選図柄B」、「当選図柄C」である。なお、3種類の当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよいる。具体的には、「当選図柄A」であれば、「当選図柄A1」、「当選図柄A2」「当選図柄A3」といった具合である。また、「当選図柄B」、「当選図柄C」についても同様に複数の当選図柄を含んでいてもよい。
【0303】
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図17は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、
図17に示される第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
【0304】
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには停止図柄別の振分値が示されている。各振分値「15」,「15」,「70」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する停止図柄の種類「当選図柄A(通常図柄A)」、「当選図柄B(通常図柄B)」、「当選図柄C(確変図柄C)」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時に選択される停止図柄として、「当選図柄A」が選択される割合は100分の15(=15%)であり、「当選図柄B」が選択される割合は100分の15(=15%)であり、「当選図柄C」が選択される割合は100分の70(=70%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
【0305】
ここで、「当選図柄A」や「当選図柄B」は「通常図柄」の種類であることを表しており、大当り遊技終了後の遊技状態は、「時間短縮状態」に設定される。一方、「当選図柄C」は「確変図柄」の種類であることを表しており、大当り遊技終了後の遊技状態は「確変状態(高確率状態)」に設定される。
【0306】
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」,「03H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「当選図柄B」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H02H」で記述されることになる。
【0307】
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
【0308】
〔
図15:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。なお、停止表示時間についても、はずれ時よりも長い停止時間(例えば、8.0秒)がセットされる。
【0309】
本実施形態では、内部抽選の結果、大当りに該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行うこととしている。そして、「大当り当選時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、大当りに該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出、ストーリーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
【0310】
〔大当り当選時変動パターン選択テーブルの例〕
図18は、大当り当選時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、大当りに当選した場合に使用するテーブルである。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「13」〜「20」が割り当てられている。
【0311】
変動パターン番号「13」〜「20」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。
【0312】
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「14」を選択する。
【0313】
〔
図15:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
【0314】
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
【0315】
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「2回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「1回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。上記のように内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
【0316】
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン決定手段、変動時間決定手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合に、はずれ変動時と同等の変動パターンを選択している。
【0317】
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
【0318】
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
【0319】
〔
図14:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
【0320】
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(
図15中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
【0321】
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図19は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(
図15中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
【0322】
ステップS2216:第1特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
【0323】
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、第1特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)する。
【0324】
ステップS2220:そして主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。
【0325】
ステップS2226:主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」〜「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」〜「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」〜「1」(コマンド表記は「13H」〜「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」〜「0」(コマンド表記は「12H」〜「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
【0326】
ステップS2228:そして主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(
図15)に復帰する。
【0327】
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に
図20は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
【0328】
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
【0329】
〔停止表示時間対応表〕
図21は、停止表示時間対応表の一例を示す図である。この停止表示時間対応表は、変動パターンが決定される際に参照され(例えば、
図15中のステップS2405、ステップS2408、ステップS2412)、特別図柄の内部抽選の結果に対応した停止表示時間が停止図柄表示タイマにセットされる。
【0330】
例えば、特別図柄の内部抽選の結果がはずれであった場合、0.5秒である停止表示時間が停止図柄表示タイマの値にセットされる。同様に、特別図柄の内部抽選の結果が小当りであった場合、0.5秒である停止表示時間が停止図柄表示タイマの値にセットされる。一方、特別図柄の内部抽選の結果が大当りであった場合、8.0秒である停止表示時間が停止図柄表示タイマの値にセットされる。したがって、大当り時における特別図柄の停止表示ははずれ時や小当り時よりも長い時間にわたり行われること、及び、停止表示が行われてから条件装置が作動するまで8.0秒程度の時間が設けられていることを表している。また、条件装置が作動すると特別図柄や普通図柄に関する抽選確率状態は低確率状態に強制的に設定されることとなっている。したがって、特別図柄の停止表示時の遊技状態が高確率状態(確率変動状態)や時間短縮状態であった場合(普通図柄に関する抽選確率が高確率状態であった場合)、この条件装置が作動するまでの長い時間にわたって行われる特別図柄の停止表示中では、普通図柄に関する抽選確率状態が高確率状態であることを表している(始動ゲート20に遊技球を通過させると普通図柄の作動抽選で当選しやすいことを表している(普通図柄の作動抽選については後述する))。
【0331】
〔
図20:特別図柄停止表示中処理を参照〕
ステップS4100において停止図柄表示タイマの値を減算すると、主制御CPU72は次にステップS4200を実行する。
【0332】
ステップS4200:そして主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(
図15中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
【0333】
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
【0334】
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。
【0335】
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
【0336】
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。
【0337】
ステップS4400:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始」をセットする。また、合わせて主制御CPU72は、大当り開始を表す大当り開始演出コマンドを生成する。大当り開始演出コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
【0338】
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
【0339】
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
【0340】
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
【0341】
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
【0342】
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
【0343】
ステップS4606:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また、合わせて主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
【0344】
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。なお、ここでは「回数切り」としているが、「高確率状態」の場合の回数切りカウンタの値は、極端に膨大な値(例えば10000回以上)に設定することができる。このような膨大な値を設定することで、実質的に次回の当選が得られるまで「高確率状態」が継続することを確率的に保証することができる。なお、「高確率状態」ではなく単独の「時間短縮状態」だけである場合、回数切りカウンタは標準的な数値(例えば50回又は100回等)に設定される。
【0345】
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンドを生成してから、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
【0346】
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
【0347】
ステップS4650:ここで、主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグであるが、上記のように「高確率状態」で回数切りカウンタの値が0になった場合、確率変動機能作動フラグがリセットされるが、「時間短縮状態」が継続するため時間短縮機能作動フラグは回数切りカウンタの値が0になるまでリセットされない。そして、「時間短縮状態」で回数切りカウンタの値が0になった場合、時間短縮機能作動フラグがリセットされ、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
【0348】
〔表示出力管理処理〕
次に
図22は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(
図9中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
【0349】
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
【0350】
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38a、時短状態表示ランプ38bの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38aに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお、確率変動状態表示ランプ38aは、特別図柄に関する大当り遊技が開始されるまで、もしくは、特別図柄の変動表示が規定回数行われた後に確率変動機能がOFFにされまで点灯しつづけ、その後非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38bに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。
【0351】
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38d、38eの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は後述する連続作動回数コマンドの値に基づき、大当り種別表示ランプ38d、38eのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数コマンドで指定された大入賞口開放パターンに対応するいずれかの表示ランプ38d、38eである。例えば、連続作動回数コマンドの値が「16ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「16ラウンド(16R)」を表すランプ38eに対して点灯信号を出力する。また、連続作動回数コマンドの値が「5ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「5ラウンド(5R)」を表すランプ38dに対して点灯信号を出力する。
【0352】
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。
図23は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、開始時設定処理(ステップS5150)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
【0353】
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5150〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。
【0354】
例えば、未だ可変入賞装置30を作動(開閉動作)させるための準備をしていない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として開始時設定処理(ステップS5150)を選択する。可変入賞装置30を作動(開閉動作)させるための準備が完了し、可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
【0355】
〔開始時設定処理〕
図24は、開始時設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時にのみ条件装置を作動させ、その後、第1役連作動領域276又は第2役連作動領域277を遊技球が通過したか否かで可変入賞装置30を作動(開閉動作)させるか否かの条件を設定するためのものである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
【0356】
ステップS5170:主制御CPU72は、条件装置が作動しているか否かを確認する。ここで、「条件装置」とは、その作動が役物連続作動装置の作動に必要な条件とされる装置であり、「役物連続作動装置」とは、可変入賞装置30を連続して作動させることができる装置である。したがって、この条件装置が作動していない限り、大当り遊技において可変入賞装置30は作動しないことを表している。この確認の結果、条件装置が作動している場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5176を実行する。一方、条件装置が作動していない場合(No)、主制御CPU72はステップS5172を実行する。
【0357】
ステップS5172:主制御CPU72は、大当りフラグがONであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグ領域に大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5173を実行する。一方、大当りフラグの値がセットされていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5178を実行する。なお、この手順は小当りフラグの値を参照する内容に書き換えてもよい(ただしYes/Noの論理は逆となる。)。
【0358】
ステップS5173:主制御CPU72は、遊技状態リセット処理を実行する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5174を実行する。
【0359】
ステップS5174:主制御CPU72は、条件装置を作動させる設定を行う。また、この処理において役物連続作動装置についても作動させる設定を行う。なお、大当り遊技が終了すると共に、条件装置や役物連続作動装置の作動も終了することとなる。この処理を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(
図23)に復帰する。
【0360】
ステップS5176:主制御CPU72は、第1役連作動領域通過フラグ又は第2役連作動領域通過フラグがONであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、第1役連作動領域通過フラグ又は第2役連作動領域通過フラグの値を参照し、参照した値が01H(ONに対応)であるか否かを確認する。この確認の結果、第1役連作動領域通過フラグ又は第2役連作動領域通過フラグがONである場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5178を実行する。一方、第1役連作動領域通過フラグ又は第2役連作動領域通過フラグがONではない場合(No)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(
図23)に復帰する。
【0361】
ステップS5178:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉パターン設定処理に設定する。したがって、大当り時に遊技球が第1役連作動領域276又は第2役連作動領域277を通過しない限り大当り遊技が実行されないことを表している。この処理を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(
図23)に復帰する。
【0362】
〔遊技状態リセット処理〕
図25は、遊技状態リセット処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順例に沿って内容を説明する。
【0363】
ステップS5182:確率変動作動機能をOFFに設定する。これにより、特別図柄の内部抽選の抽選確率が通常確率状態(低確率状態)(例えば、399分の1)に設定されることとなる。また、この処理において、確率変動機能作動フラグ(高確率状態機能作動フラグ)がリセットされ、大当り遊技中の遊技状態は「低確率状態」に設定されることとなる。主制御CPU72は次にステップS5184を実行する。
【0364】
ステップS5184:主制御CPU72は、時間短縮作動機能をOFFに設定する。これにより、大当り遊技中における普通図柄の作動抽選の抽選確率が通常確率状態(低確率状態)(例えば、65536.00分の1)に設定され、普通図柄の変動時間が通常状態(例えば、10〜40秒程度)に設定される。また、この処理において、時間短縮機能作動フラグ(時間短縮状態機能作動フラグ)がリセットされる。また、この処理において、時間短縮ステータスを設定しない状態にリセットする。
【0365】
なお、遊技状態リセット処理を実行する際の遊技状態が「確変状態(高確率状態)」や「時間短縮状態」ではなく「通常状態」である場合は、この遊技状態リセット処理を実行しなくてもよい。
【0366】
以上の手順を終えると、主制御CPU72は開始時設定処理(
図24)に復帰する。
【0367】
〔大入賞口開放パターン設定処理(ラウンド数決定手段)〕
図26は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ可変入賞装置30(大入賞口)を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
【0368】
ステップS5202:主制御CPU72は、現在の遊技状態が大役中、つまりRAM76のフラグ領域に大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5204に進む。一方、大当りフラグの値がセットされていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5212に進む。なお、この手順は小当りフラグの値を参照する内容に書き換えてもよい(ただしYes/Noの論理は逆となる。)。
【0369】
〔大当り時の手順〕
先ず、大当り時の手順は以下となる。
ステップS5204:主制御CPU72は、開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は遊技球が通過した役連作動領域(第1役連作動領域276又は第2役連作動領域277)の種類に基づいて、大入賞口開放パターンを設定する。大入賞口開放パターンの設定により、大入賞口の開放回数に対応する実行ラウンド数や、大入賞口の開放時間、ラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)が設定されることとなる。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
【0370】
〔開放パターン選択処理〕
図27は、開放パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順例に沿って内容を説明する。
【0371】
ステップS5272:主制御CPU72は、第1役連作動領域通過フラグがONであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、第1役連作動領域通過フラグの値を参照し、参照した値が01H(ONに対応)であるか否かを確認する。この確認の結果、第1役連作動領域通過フラグがONである場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5278を実行する。一方、第1役連作動領域通過フラグがONではない場合(No)、すなわち、第2役連作動領域通過フラグがONである場合、主制御CPU72は次にステップS5280を実行する。
【0372】
ステップS5278:主制御CPU72は、大入賞口の開放パターンを開放パターン1に設定する。主制御CPU72は次にステップS5284を実行する。
【0373】
ステップS5280:主制御CPU72は、大入賞口の開放パターンを開放パターン2に設定する。主制御CPU72は次にステップS5284を実行する。
【0374】
ステップS5284:主制御CPU72は、開放パターンコマンドを生成する。具体的には、先の処理(ステップS5278、又は、ステップS5280)で設定した開放パターンに対応した開放パターンコマンドを生成する。生成した開放パターンコマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
【0375】
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(
図26)に復帰する。
【0376】
〔
図26:大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
開放パターン選択処理(ステップS5204)において開放パターンが設定されると、主制御CPU72は次にステップS5206を実行する。
【0377】
ステップS5206:主制御CPU72は、大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は開放パターン別実行ラウンド対応表を参照して、先の開放パターン選択処理(ステップS5204)で選択した開放パターンに基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数、すなわち、大入賞口を開放する回数を設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。なお、主制御CPU72は開放パターン別実行ラウンド対応表の具体的な内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0378】
〔開放パターン別実行ラウンド対応表(ラウンド遊技パターン規定手段)〕
図28は、開放パターン別実行ラウンド対応表の一例を示す図である。この開放パターン別実行ラウンド対応表は、上記実行ラウンド数の設定において参照され、開放パターンに基づいて実行ラウンド数が設定される。
【0379】
例えば、開放パターンが「開放パターン1」に設定されていた場合、実行ラウンド数は「5R(ラウンド)」が設定される。すなわち、大入賞口が5回開放されると大当り遊技が終了することを表している。なお、この「5R」については、大当り遊技が短時間で終了することを表している(開放時間:29秒×5回)。
【0380】
例えば、開放パターンが「開放パターン2」に設定されていた場合、実行ラウンド数は「16R(ラウンド)」が設定される。すなわち、大入賞口が16回開放されると大当り遊技が終了することを表している。なお、この「16R」については、大当り遊技が長時間(開放時間:29秒×16回)にわたり行われるため大量の賞球を獲得することができる。
【0381】
このように、開放パターンに対応させて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定すること、すなわち、大入賞口を開放する回数を設定することで、大当り遊技中において獲得できる賞球数を異ならせて設定することができる。
【0382】
ここで、特別図柄の内部抽選において当選して条件装置が作動した後に(当選態様での特別図柄の停止表示が行われた後に)、第1役連作動領域276を遊技球が通過した場合、開放パターン1が選択され、5Rに対応した大当り遊技が開始されるのに対し、第2役連作動領域277を遊技球が通過した場合、開放パターン2が選択され、16Rに対応した大当り遊技が開放されることを表している。したがって、5R大当り遊技よりも16R大当り遊技の方が大量の賞球を獲得することができるため、条件装置が作動した後に遊技球を通過させる役連作動領域は第1役連作動領域276よりも第2役連作動領域277を遊技者は所望することとなる。
【0383】
〔
図26:大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
大当り時の実行ラウンド数が設定されると、主制御CPU72は次にステップS5208を実行する。
【0384】
ステップS5208:主制御CPU72は、大当り時において大入賞口を開放する時間(開放タイマ)をラウンド毎に設定する。具体的には、主制御CPU72は大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。
【0385】
ステップS5210:主制御CPU72は、大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。例えば、1ラウンド目と2ラウンド目の間の大入賞口(大入賞口)の開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマを設定する。
【0386】
ステップS5211:そして主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5206)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、実行ラウンド数の種類が「5R」の場合、連続作動回数コマンドは「5ラウンド」を表す値として生成され、「16R」の場合、連続作動回数コマンドは「16ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
【0387】
ステップS5220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
【0388】
なお、上記においては、開放パターンに対応して、実行ラウンド数、開放タイマ、インターバルタイマをそれぞれ設定していた。しかし、これに限定されず、予め各ラウンド毎に実行するスケジュール(開放大入賞口の種類、開放タイマ、インターバルタイマ)をそれぞれ規定しておき、開放パターンに対応して1ラウンド目のスケジュールを実行(消化)するか否か、2ラウンド目のスケジュールを実行(消化)するか否か、といった設定を16ラウンド目までそれぞれ設定してもよい。
【0389】
〔小当り時の手順〕
ステップS5212:一方、小当りの場合(ステップS5202:No)、主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、例えば1回目、2回目でそれぞれ「0.1秒開放」の開放パターンが設定される。なお、「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
【0390】
ステップS5214:主制御CPU72は、先のステップS5212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
【0391】
ステップS5216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお、本実施形態では、上記のように小当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されており、このような開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
【0392】
ステップS5218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば1秒程度に設定される。
【0393】
ステップS5220:小当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして主制御CPU72は、次に大入賞口開閉動作処理を実行する。
【0394】
〔大入賞口開閉動作処理〕
図29は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
【0395】
ステップS5302:主制御CPU72は、可変入賞装置30の大入賞口を開放させる。具体的には、可変入賞装置30を作動させる場合は大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。
【0396】
ステップS5304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大入賞口開放パターン設定処理(
図26中のステップS5208又はステップS5216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
【0397】
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5308を実行する。
【0398】
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
【0399】
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(例えば9個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド、小当り時の1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5302〜ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
【0400】
上記のステップS5306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
【0401】
ステップS5312:主制御CPU72は、大入賞口を閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。
【0402】
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大入賞口開放パターン設定処理(
図26中のステップS5210又はステップS5218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5316に進む。
【0403】
ステップS5316:主制御CPU72は、大役中(大当り遊技中)であるか否かを確認する。現在の遊技が大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。これに対し、現在の遊技が小当りであれば(No)、主制御CPU72は次にステップS5322に進む。
【0404】
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
【0405】
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
【0406】
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5302〜ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
【0407】
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
【0408】
〔大入賞口閉鎖処理〕
図30は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
【0409】
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
【0410】
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
【0411】
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
【0412】
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
【0413】
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
【0414】
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
【0415】
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(
図23中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(5回又は16回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
【0416】
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
【0417】
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
【0418】
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
【0419】
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
【0420】
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(
図26中のステップS5214)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
【0421】
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
【0422】
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(
図23中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
【0423】
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
【0424】
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
【0425】
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
【0426】
〔終了処理〕
図31は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
【0427】
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
【0428】
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。また、この処理において、大当り終了演出コマンドを作成する。
【0429】
ステップS5510:主制御CPU72は、遊技状態管理処理を実行する。この処理において、主制御CPU72は、特別図柄の当選図柄に基づき、確率変動作動機能や時間短縮作動機能をON又はOFFに設定したり、確率変動回数を設定したり、時間短縮回数を設定したりする処理を実行する。他にも、時間短縮状態の種類(時間短縮ステータス)を設定したりする。なお、遊技状態管理処理の詳細については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0430】
ステップS5514:そして主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、高確率状態機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。具体的には、高確率状態移行コマンドや時間短縮状態移行コマンドを作成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
【0431】
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
【0432】
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り中」を消去する。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
【0433】
ステップS5516:いずれにしても、以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を開始時設定処理に設定する。
【0434】
ステップS5518:そして主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(
図14中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
【0435】
〔遊技状態管理処理〕
図32は、遊技状態管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順例に沿って内容を説明する。
【0436】
ステップS5600:主制御CPU72は、当選図柄の種類が当選図柄Cであるか否かを確認する。具体的には、今回の大当り遊技の開始契機となった第1特別図柄の停止表示時における当選図柄(停止図柄)の種類が当選図柄C(確変図柄C)であったか否かを確認する。この確認の結果、当選図柄の種類が当選図柄Cである場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5602を実行する。一方、当選図柄の種類が当選図柄Cではない場合(No)、すなわち、当選図柄の種類が当選図柄A(通常図柄A)又は当選図柄B(通常図柄B)である場合、主制御CPU72は次にステップS5604を実行する。
【0437】
ステップS5602:主制御CPU72は確率変動作動機能をONに設定する。これにより、特別図柄の内部抽選の抽選確率が通常確率状態(低確率状態)(例えば、399分の1)から高確率状態(例えば、40分の1)に移行されることとなる。また、この処理において、確率変動機能作動フラグ(高確率状態機能作動フラグ)がセットされ、遊技状態は「高確率状態」に設定されることとなる。なお、大当り遊技中は、特別図柄の内部抽選の抽選確率は通常確率状態(低確率状態)である。主制御CPU72は次にステップS5606を実行する。
【0438】
ステップS5604:主制御CPU72は確率変動作動機能をOFFに設定する。これにより、特別図柄の内部抽選の抽選確率が通常確率状態(低確率状態)(例えば、399分の1)に設定されることとなる。また、この処理において、確率変動機能作動フラグ(高確率状態機能作動フラグ)がリセットされ、遊技状態は「通常確率状態(通常状態、低確率状態)」に設定されることとなる。主制御CPU72は次にステップS5608を実行する。
【0439】
ステップS5606:主制御CPU72は、確率変動回数を10000回に設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。主制御CPU72は次にステップS5608を実行する。
【0440】
ステップS5608:主制御CPU72は、時間短縮作動機能をONに設定する。これにより、普通図柄の作動抽選の抽選確率が通常確率状態(低確率状態)(例えば、65536.00分の1)から高確率状態(例えば、1.00分の1)に移行され、普通図柄の変動時間が短縮(例えば非作動時で30秒程度→5.5秒(又は8.5秒)程度に短縮)されるとともに普通電動役物28の開放時間が延長(例えば非作動時で0.1秒程度→3.0秒程度に延長)される。なお、普通電動役物28の開放回数が増加(例えば、非作動時で1回→3回に増加)してもよい。したがって、「時間短縮状態」では、普通電動役物28が作動する確率が非常に高くなり、作動中の普通電動役物28内に遊技球を入球させやすくなっている(いわゆる電チューサポート)。なお、大当り遊技中は、普通図柄の作動抽選の抽選確率は通常確率状態(低確率状態)である。
【0441】
ここで、ステップS5602で主制御CPU72により確率変動作動機能がONに設定された場合であったとしても、ステップS5604で主制御CPU72により確率変動作動機能がOFFに設定された場合であったとしても、この処理により大当り遊技終了後は時間短縮作動機能がONに設定されることとなる。したがって、遊技状態が「高確率状態」である場合は「時間短縮状態」が含まれることを表している。
【0442】
時間短縮作動機能をONに設定すると、主制御CPU72は次にステップS5610を実行する。
【0443】
ステップS5610:主制御CPU72は、当選図柄の種類が当選図柄Aであるか否かを確認する。具体的には、今回の大当り遊技の開始契機となった第1特別図柄の停止表示時における当選図柄(停止図柄)の種類が当選図柄A(通常図柄A)であったか否かを確認する。この確認の結果、当選図柄の種類が当選図柄Aである場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5614を実行する。一方、当選図柄の種類が当選図柄Aではない場合(No)、すなわち、当選図柄の種類が当選図柄B(通常図柄B)又は当選図柄C(確変図柄C)である場合、主制御CPU72は次にステップS5612を実行する。
【0444】
ステップS5612:主制御CPU72は、当選図柄の種類が当選図柄Bであるか否かを確認する。具体的には、今回の大当り遊技の開始契機となった第1特別図柄の停止表示時における当選図柄(停止図柄)の種類が当選図柄B(通常図柄B)であったか否かを確認する。この確認の結果、当選図柄の種類が当選図柄Bである場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5616を実行する。一方、当選図柄の種類が当選図柄Bではない場合(No)、すなわち、当選図柄の種類が当選図柄C(確変図柄C)である場合、主制御CPU72は次にステップS5618を実行する。
【0445】
ステップS5614:主制御CPU72は、時間短縮回数を100回に設定する。設定した時間短縮回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した時間短縮回数は、これ以降の遊技において時間短縮状態で行う上限回数となる。主制御CPU72は次にステップS5620を実行する。
【0446】
ステップS5616:主制御CPU72は、時間短縮回数を100回に設定する。設定した時間短縮回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した時間短縮回数は、これ以降の遊技において時間短縮状態で行う上限回数となる。主制御CPU72は次にステップS5622を実行する。
【0447】
ステップS5618:主制御CPU72は、時間短縮回数を10000回に設定する。設定した時間短縮回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した時間短縮回数は、これ以降の遊技において時間短縮状態で行う上限回数となる。主制御CPU72は次にステップS5624を実行する。
【0448】
ステップS5620:主制御CPU72は、時間短縮ステータスを「時短A」に設定する。具体的には、主制御CPU72はRAM76の時間短縮ステータス領域にアクセスし、時間短縮ステータス領域に「時短A」を表す値を保存する。
【0449】
ここで、「時間短縮ステータス」とは、予め複数種類規定されている時間短縮状態の種類を表すものである。したがって、大当り遊技終了後にこの処理で設定された種類の時間短縮状態で遊技が進行することを表している。なお、上記で説明したように特別図柄の変動パターンについては時間短縮状態の種類(「時間短縮ステータス」)に対応して選択可能な変動パターンの種類は変更されず、すなわち、通常状態と全ての種類の時間短縮状態とで参照される変動パターン選択テーブルが同一であった。一方、普通図柄の変動パターンについては時間短縮状態の種類(「時間短縮ステータス」)に対応して選択可能なものが異なり、すなわち、参照する変動パターン選択テーブルが「時間短縮ステータス」に対応して異なっていることを表している(具体的な内容については後述する)。
【0450】
ステップS5622:主制御CPU72は、時間短縮ステータスを「時短B」に設定する。具体的には、主制御CPU72はRAM76の時間短縮ステータス領域にアクセスし、時間短縮ステータス領域に「時短B」を表す値を保存する。
【0451】
ステップS5624:主制御CPU72は、時間短縮ステータスを「時短C」に設定する。具体的には、主制御CPU72はRAM76の時間短縮ステータス領域にアクセスし、時間短縮ステータス領域に「時短C」を表す値を保存する。
【0452】
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は終了処理(
図31)に復帰する。
【0453】
〔遊技状態作動回数設定テーブル〕
図33は、遊技状態作動回数設定テーブルの一例を示す図である。遊技状態作動回数設定テーブルは、上記で説明した遊技状態管理処理により主制御CPU72により設定される遊技状態作動回数(時間短縮機能が作動する回数や確率変動機能が作動する回数)及び時間短縮ステータスをまとめたものである。具体的には、特別図柄の内部抽選において当選した際に選択される当選図柄(停止図柄)に基づき設定される、大当り遊技終了後に作動することとなる確率変動作動機能や時間短縮作動機能やそれらの作動回数、さらに、各当選図柄に基づいて設定される時間短縮ステータスをまとめたものである。
【0454】
例えば、当選図柄が当選図柄Aに該当した場合、確率変動作動機能は「OFF」に設定され、時間短縮回数が「100回」で時間短縮作動機能が「ON」に設定され、さらに、時間短縮ステータスが「時短A」に設定される。したがって、大当り遊技終了後の遊技状態については、具体的には、特別図柄の内部抽選に関する抽選確率状態は低確率状態に設定され、普通図柄の作動抽選に関する抽選確率状態は時間短縮回数を消化するまで高確率状態に設定されることを表している。同様に、時間短縮ステータスについても、大当り遊技終了後から時間短縮回数を消化するまで「時短A」であることを表している。
【0455】
例えば、当選図柄が当選図柄Bに該当した場合、確率変動作動機能は「OFF」に設定され、時間短縮回数が「100回」で時間短縮作動機能が「ON」に設定され、さらに、時間短縮ステータスが「時短B」に設定される。したがって、大当り遊技終了後の遊技状態については、具体的には、特別図柄の内部抽選に関する抽選確率状態は低確率状態に設定され、普通図柄の作動抽選に関する抽選確率状態は時間短縮回数を消化するまで高確率状態に設定されることを表している。同様に、時間短縮ステータスについても、大当り遊技終了後から時間短縮回数を消化するまで「時短B」であることを表している。
【0456】
例えば、当選図柄が当選図柄Cに該当した場合、当選図柄Aや当選図柄Bとは異なり、確率変動回数が「10000回で確率変動作動機能が「ON」に設定され、時間短縮回数が「10000回」で時間短縮作動機能が「ON」に設定され、さらに、時間短縮ステータスが「時短C」に設定される。したがって、大当り遊技終了後の遊技状態については、具体的には、特別図柄の内部抽選に関する抽選確率状態及び普通図柄の作動抽選に関する抽選確率状態は確率変動回数(時間短縮回数)を消化するまで高確率状態に設定されることを表している。同様に、時間短縮ステータスについても、大当り遊技終了後から時間短縮回数(確率変動回数)を消化するまで「時短C」であることを表している。
【0457】
このように、大当り遊技の終了時には、確率変動作動機能や時間短縮作動機能に関する設定が行われることで、特別図柄や普通図柄に関する抽選確率状態が変更されたり、時間短縮ステータスが設定されたりしている。次に、普通図柄に関する遊技処理について詳細に説明する。
【0458】
〔普通図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理中に実行される普通図柄遊技処理(
図9中のステップS206)の詳細について説明する。
図34は、普通図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。普通図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1001)、普通図柄変動前処理(ステップS2001)、普通図柄変動中処理(ステップS3001)、普通図柄停止表示中処理(ステップS4001)、普通電動役物管理処理(ステップS5001)のサブルーチン群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って普通図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
【0459】
ステップS1001:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2001〜ステップS5001のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして普通図柄遊技処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(普通遊技管理ステータスの値)によって異なる。例えば、未だ普通図柄が変動表示を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として普通図柄変動前処理(ステップS2001)を選択する。一方、既に普通図柄変動前処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として普通図柄変動中処理(ステップS3001)を選択し、普通図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として普通図柄停止表示中処理(ステップS4001)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
【0460】
ステップS2001:普通図柄変動前処理では、主制御CPU72は普通図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
【0461】
ステップS3001:普通図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、普通図柄表示装置33の駆動制御を行う。具体的には、普通図柄表示装置33を構成する2つのLEDに対してそれぞれON又はOFFの駆動信号を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって普通図柄の変動表示が行われる。なお、本実施形態では2つのLEDを交互に点灯及び消灯させることで、普通図柄の変動表示を行うため、駆動信号のパターンをシンプルに(例えば2パターンで)構成することができ、それだけ主制御CPU72の負荷を軽減することができる。
【0462】
ステップS4001:普通図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33の駆動制御を行う。ここでも同様に、2つのLEDに対してそれぞれON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより普通図柄の停止表示が行われる。なお、本実施形態では上下2つのLEDのうち、例えば上のLEDを点灯させた状態で当選時の停止表示を行い、下のLEDを点灯させた状態で非当選時の停止表示を行うことができる(上下の論理は逆でもよい。)。
【0463】
ステップS5001:普通電動役物管理処理は、先の普通図柄停止表示中処理において当りの態様(例えば上のLEDが点灯)で普通図柄が停止表示された場合に選択される。普通図柄が当りの態様で停止表示されると、この処理において主制御CPU72は作動条件が満たされたものとして、普通電動役物28を作動させる。なお、普通電動役物28についての作動条件についてはさらに後述する。
【0464】
普通電動役物28の作動中は、先の実行選択処理(ステップS1001)においてジャンプ先が普通電動役物管理処理(ステップS5001)にセットされ、普通図柄の変動表示は行われない。また普通電動役物管理処理においては、普通電動役物ソレノイド88が所定時間、規定回数(例えば1回)だけ励磁され、これにより普通電動役物28が設定されたパターンで作動し、第2役連作動領域277への遊技球の通過が可能となる。
【0465】
〔普通図柄変動前処理〕
次に
図35は、普通図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
【0466】
ステップS6100:先ず主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている普通図柄作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72は普通図柄遊技処理に復帰する。
【0467】
これに対し、普通図柄作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS6200を実行する。
【0468】
ステップS6200:主制御CPU72は、普通図柄記憶シフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(普通図柄当り決定乱数)を読み出し、これを例えば別の共通記憶領域に保存する。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は第1セクションから順に乱数を読み出し、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。共通記憶領域に保存された各乱数は、以降の当り判定処理で作動抽選に使用される。なお、普通図柄に関する作動記憶が1つである場合、すなわち、乱数を記憶するセクションが1つだけである場合、このセクションを順に移動(シフト)する処理は実行しなくてもよい。
【0469】
ステップS6250:次に主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数減算処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、RAM76に記憶されている普通図柄作動記憶数カウンタの値を1つ減算し、減算後の値を「普通図柄変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(
図9中のステップS210)の中で普通図柄作動記憶ランプ33による記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS6300を実行する。
【0470】
ステップS6300:主制御CPU72は、当り判定処理(作動抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(作動抽選実行手段)。このとき設定される普通図柄当り値の範囲は、非時間短縮状態(時間短縮機能が非作動時)と時間短縮状態(時間短縮機能作動時)とで異なり、時間短縮状態では非時間短縮状態よりも当り値の範囲が拡大されることで、作動抽選の当選確率が非時間短縮状態に比較して極端に高く設定される。そして、このとき読み出した乱数値が当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は普通図柄当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS6400に進む。なお、本実施形態ではプログラム上で当り値の範囲を設定して当り判定を行っているが、予め当り判定テーブルをROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら当り判定を行うプログラミング例もある。
【0471】
ここで、状態別の具体的な当選確率については、上記で説明したように、普通図柄に関する作動確率の確率状態が低確率状態(通常状態)である場合、当選確率は1/65536.00に設定され、高確率状態(時間短縮状態)である場合、当選確率は1/1.00に設定されている。状態別の具体的な当選確率については別の図面を用いてさらに後述する。
【0472】
ステップS6400:主制御CPU72は、先の当り判定処理で当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS6404を実行する。
【0473】
ステップS6404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄表示装置33によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄指定コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(
図9中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
【0474】
なお本実施形態では、普通図柄表示装置33に2つのLEDを用いているため、例えば上記のように、はずれ時の停止図柄の表示態様をいずれか1つ(下側)のLEDの点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。このような考え方は、普通図柄表示装置33に7セグメントLEDを用いた場合も同様に適用することができる。
【0475】
ステップS6406:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄についてはずれ時の変動パターン番号を決定する。変動パターン番号は、そのときの変動時間を規定したりするものであり、例えば主制御CPU72による乱数抽選で決定される。すなわち主制御CPU72は、この処理において例えば後述する普通図柄はずれ時変動パターン決定テーブルを参照し、このテーブル上で普通図柄変動パターン決定乱数に対応する変動パターン番号を選択する。またテーブルには、変動パターン番号に対応する変動時間(例えば10.0秒〜40.0秒)が予め設定されており、主制御CPU72は選択した変動パターン番号に対応する変動時間をテーブルから取得することができる。
【0476】
〔普通図柄はずれ時変動パターン選択テーブルの例〕
図36は、はずれ時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。主制御CPU72は、
図36に示される普通図柄はずれ時変動パターン選択テーブルを参照して変動パターンの種類(変動パターン番号)を決定する。
【0477】
普通図柄はずれ時変動パターン選択テーブル中、左カラムには振分値が示されている。各振分値「25」、「25」、「25」、「25」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する変動パターンの種類(変動パターン番号)、「1」、「2」、「3」、「4」が示されている。すなわち、変動パターン番号として、「1」が選択される割合は100分の25(=25%)であり、「2」が選択される割合は100分の25(=25%)であり、「3」が選択される割合は100分の25(=25%)であり、「4」が選択される割合は100分の25(=25%)である。各振分値の大きさは、抽選用乱数(普通図柄変動パターン決定乱数)を用いた選択比率に相当する。
【0478】
また、各変動パターン番号に対応する変動時間が示されている。すなわち、変動パターン番号として「1」が選択された場合、普通図柄の変動表示の変動時間は「10.0秒」であり、「2」が選択された場合、普通図柄の変動表示の変動時間は「20.0秒」であり、「3」が選択された場合、普通図柄の変動表示の変動時間は「30.0秒」であり、「4」が選択された場合、普通図柄の変動表示の変動時間は「40.0秒」である。
【0479】
例えば、普通図柄変動パターン決定乱数値が0〜255までの範囲内の値である場合、普通図柄はずれ時変動パターン選択テーブルの選択比率に対応して、変動パターン番号「1」の比較値を「63」、変動パターン番号「2」の比較値を「127」、変動パターン番号「3」の比較値を「191」、変動パターン番号「4」の比較値を「255」と規定する。そして、取得した変動パターン決定乱数値を、「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「111」であったとすると、最初の比較値「63」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「127」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。したがって、普通図柄のはずれ時の変動表示が「20.0秒」にわたって実行されることを表している。
【0480】
〔
図13:普通図柄変動前処理を参照〕
上記のように、はずれ時変動パターン決定処理(ステップS6406)において変動パターン番号(変動時間)を決定すると、主制御CPU72は次にステップS6414を実行する。
【0481】
以上のステップS6404,ステップS6406は、当り判定結果がはずれ時の制御手順であるが、判定結果が当り(ステップS6400:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。
【0482】
ステップS6410:主制御CPU72は、当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は当り時停止図柄番号を決定する。ただし本実施形態では、普通図柄について複数の当選図柄が設けられていないため、基本的に主制御CPU72は、常に1種類の停止図柄番号を選択することになる。
【0483】
ステップS6412:次に主制御CPU72は、当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄について当り時の変動パターン番号を決定する。変動パターン番号は、そのときの変動時間を規定したりするものであり、例えば主制御CPU72による乱数抽選で決定される。すなわち主制御CPU72は、この処理において例えば後述する遊技状態に対応する普通図柄当り時変動パターン決定テーブルを参照し、このテーブル上で普通図柄変動パターン決定乱数に対応する変動パターン番号を選択する。またテーブルには、変動パターン番号に対応する変動時間(例えば5.5秒〜30.0秒)が予め設定されており、主制御CPU72は選択した変動パターン番号に対応する変動時間をテーブルから取得することができる。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
【0484】
〔当り時変動パターン決定処理〕
図37は、当り時変動パターン決定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
【0485】
ステップS7001:主制御CPU72は、普通図柄変動パターン決定乱数値を参照する。具体的には、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域にアクセスし、普通図柄変動パターン決定乱数値を参照する。主制御CPU72は次にステップS7003を実行する。
【0486】
ステップS7003:主制御CPU72は、現在の時間短縮ステータスが時短Aであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76の時間短縮ステータス領域にアクセスし、現在の時間短縮ステータスに関する値を参照する。そして、参照した値が時短Aに対応する値であるか否かにより、現在の時間短縮ステータスが時短Aであるか否かを確認する。この確認の結果、現在の時間短縮ステータスが時短Aである場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS7011を実行する。一方、現在の時間短縮ステータスが時短Aではない場合(No)、すなわち、現在の時間短縮ステータスが時短B、時短C、又は、設定されていない(通常状態である)場合、主制御CPU72は次にステップS7005を実行する。
【0487】
ステップS7005:主制御CPU72は、現在の時間短縮ステータスが時短Bであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72は先のステップS7003で参照した値が時短Bに対応する値であるか否かにより、現在の時間短縮ステータスが時短Bであるか否かを確認する。この確認の結果、現在の時間短縮ステータスが時短Bである場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS7013を実行する。一方、現在の時間短縮ステータスが時短Bではない場合(No)、すなわち、現在の時間短縮ステータスが時短C、又は、設定されていない(通常状態である)場合、主制御CPU72は次にステップS7007を実行する。
【0488】
ステップS7007:主制御CPU72は、現在の時間短縮ステータスが時短Cであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72は先のステップS7003で参照した値が時短Cに対応する値であるか否かにより、現在の時間短縮ステータスが時短Cであるか否かを確認する。この確認の結果、現在の時間短縮ステータスが時短Cである場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS7015を実行する。一方、現在の時間短縮ステータスが時短Cではない場合(No)、すなわち、現在の時間短縮ステータスが設定されていない(通常状態である)場合、主制御CPU72は次にステップS7017を実行する。
【0489】
ステップS7011:主制御CPU72は、第1普通図柄当り時変動パターン選択テーブルを参照する。具体的には、主制御CPU72はROM74にアクセスし、第1普通図柄当り時変動パターン選択テーブルを参照する。主制御CPU72は次にステップS7021を実行する。
【0490】
ステップS7013:主制御CPU72は、第2普通図柄当り時変動パターン選択テーブルを参照する。具体的には、主制御CPU72はROM74にアクセスし、第2普通図柄当り時変動パターン選択テーブルを参照する。主制御CPU72は次にステップS7021を実行する。
【0491】
ステップS7015:主制御CPU72は、第3普通図柄当り時変動パターン選択テーブルを参照する。具体的には、主制御CPU72はROM74にアクセスし、第3普通図柄当り時変動パターン選択テーブルを参照する。主制御CPU72は次にステップS7021を実行する。
【0492】
ステップS7017:主制御CPU72は、第4普通図柄当り時変動パターン選択テーブルを参照する。具体的には、主制御CPU72はROM74にアクセスし、第4普通図柄当り時変動パターン選択テーブルを参照する。主制御CPU72は次にステップS7021を実行する。
【0493】
ステップS7021:主制御CPU72は、普通図柄当り時変動パターン抽選を実行する。具体的には、先の処理(ステップS7001)で参照した普通図柄変動パターン決定乱数値と、先の処理(ステップS7011、ステップS7013、ステップS7015、又は、ステップS7017)で参照した普通図柄当り時変動パターン選択テーブルとに基づき、普通図柄の当り時における変動パターンの種類(変動パターン番号)を選択的に決定する。主制御CPU72は次にステップS7023を実行する。
【0494】
ステップS7023:主制御CPU72は、普通図柄当り時変動パターンを設定する。具体的には、主制御CPU72はこれから実行する普通図柄の変動表示について、先の処理(ステップS7021)で決定した変動パターン番号に対応した設定とする。具体的には、普通図柄の変動表示に関する変動タイマに、先の処理(ステップS7021)で決定した変動パターン番号に対応する変動時間をセットする。主制御CPU72は次にステップS7025を実行する。
【0495】
ステップS7025:主制御CPU72は、普通図柄当り時変動パターンコマンドを生成する。具体的には、主制御CPU72は先のステップS7201で決定した普通図柄に関する変動パターンの種類(変動パターン番号)に対応する普通図柄当り時変動パターンコマンドを生成する。なお、この普通図柄当り時変動パターンは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
【0496】
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は普通図柄変動前処理(
図35)に復帰する。
【0497】
〔第1普通図柄当り時変動パターン選択テーブルの例〕
図38は、第1普通図柄当り時変動パターン選択テーブル(時短A)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、普通図柄の作動抽選で当りに当選し、かつ、その際の時間短縮ステータスが時短Aに該当している場合に使用するテーブルであり、主制御CPU72は、この選択テーブルを参照して変動パターンの種類(変動パターン番号)を決定する。
【0498】
第1普通図柄当り時変動パターン選択テーブル中、左カラムには振分値が示されている。各振分値「50」、「50」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する変動パターンの種類(変動パターン番号)、「30」、「33」が示されている。すなわち、変動パターン番号として、「30」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「33」が選択される割合は100分の50(=50%)である。各振分値の大きさは、抽選用乱数(普通図柄変動パターン決定乱数)を用いた選択比率に相当する。
【0499】
また、各変動パターン番号に対応する変動時間が示されている。すなわち、変動パターン番号として「30」が選択された場合、普通図柄の変動表示の変動時間は「5.5秒」であり、「33」が選択された場合、普通図柄の変動表示の変動時間は「8.5秒」である。
【0500】
例えば、普通図柄変動パターン決定乱数値が0〜255までの範囲内の値である場合、第1普通図柄当り時変動パターン選択テーブルの選択比率に対応して、変動パターン番号「30」の比較値を「127」、変動パターン番号「33」の比較値を「255」と規定する。そして、取得した変動パターン決定乱数値を、「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「177」であったとすると、最初の比較値「127」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「255」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「33」を選択する。したがって、普通図柄の当り時の変動表示が「8.5秒」にわたって実行されることを表している。
【0501】
また、変動時間に対応して、作動時の普通電動役物28内に入球することが可能か否かが示されている。具体的には、普通電動役物28内に備えられている第2役連作動領域277を遊技球が通過することが可能か否かが示されている。すなわち、変動パターン番号の「30」に対応した変動時間が「5.5秒」である場合、作動時の普通電動役物28内に入球することは「不可能」であり、変動パターン番号の「33」に対応した変動時間が「8.5秒」である場合、作動時の普通電動役物28内に入球することは「可能」である。
【0502】
ここで、上記で説明したように、特殊ユニット270に流入した遊技球は流出通路275の出口から排出されるまで9秒〜12秒を要し、遊技球が回転体273に到達するタイミングでその時間が異なっている。したがって、特殊ユニット270の入口の始動ゲート20を通過して普通図柄の変動表示が開始されてから、流出通路275の出口から排出されるのに9秒〜12秒を要することを表している。したがって、普通図柄の所定の変動時間と停止時間(0.5秒)にわたって行われる変動表示及び停止表示が終了して、普通電動役物28が3.0秒間にわたって作動している間に、流出通路275の出口から排出されると作動時の普通電動役物28内に入球することが可能であることを表している。すなわち、普通図柄の変動時間が「5.5秒」である場合は、始動ゲート20の通過後の6秒から3秒間(通過後9秒)にわたり普通電動役物28が作動しているため、流出通路275の出口から遊技球が排出されるのは通過後の9秒〜12秒であることから、作動時の普通電動役物28内に入球することが不可能であることを表している。一方、普通図柄の変動時間が「8.5秒」である場合は、始動ゲート20の通過後の9秒から3秒間(通過後12秒)にわたり普通電動役物28が作動しているため、流出通路275の出口から遊技球が排出されるのは通過後の9秒〜12秒であることから、作動時の普通電動役物28内に入球することが可能であることを表している。したがって、普通図柄の変動時間が「5.5秒」である場合、遊技球が作動時の普通電動役物28内に入球して第2役連作動領域277を通過することは「不可能」であり、普通図柄の変動時間が「8.5秒」である場合、遊技球が作動時の普通電動役物28内に入球して第2役連作動領域277を通過することは「可能」であることを表している。
【0503】
〔第2普通図柄当り時変動パターン選択テーブルの例〕
図39は、第2普通図柄当り時変動パターン選択テーブル(時短B)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、普通図柄の作動抽選で当りに当選し、かつ、その際の時間短縮ステータスが時短Bに該当している場合に使用するテーブルであり、主制御CPU72は、この選択テーブルを参照して変動パターンの種類(変動パターン番号)を決定する。
【0504】
第2普通図柄当り時変動パターン選択テーブル中、左カラムには振分値が示されている。各振分値「25」、「75」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する変動パターンの種類(変動パターン番号)、「50」、「55」が示されている。すなわち、変動パターン番号として、「50」が選択される割合は100分の25(=25%)であり、「55」が選択される割合は100分の75(=75%)である。各振分値の大きさは、抽選用乱数(普通図柄変動パターン決定乱数)を用いた選択比率に相当する。
【0505】
また、各変動パターン番号に対応する変動時間が示されている。すなわち、変動パターン番号として「50」が選択された場合、普通図柄の変動表示の変動時間は「5.5秒」であり、「55」が選択された場合、普通図柄の変動表示の変動時間は「8.5秒」である。
【0506】
例えば、普通図柄変動パターン決定乱数値が0〜255までの範囲内の値である場合、第2普通図柄当り時変動パターン選択テーブルの選択比率に対応して、変動パターン番号「50」の比較値を「63」、変動パターン番号「55」の比較値を「255」と規定する。そして、取得した変動パターン決定乱数値を、「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「177」であったとすると、最初の比較値「63」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「255」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「55」を選択する。したがって、普通図柄の当り時の変動表示が「8.5秒」にわたって実行されることを表している。
【0507】
また、変動時間に対応して、作動時の普通電動役物28内に入球することが可能か否かが示されている。具体的には、普通電動役物28内に備えられている第2役連作動領域277を遊技球が通過することが可能か否かが示されている。すなわち、変動パターン番号の「50」に対応した変動時間が「5.5秒」である場合、作動時の普通電動役物28内に入球することは「不可能」であり、変動パターン番号の「55」に対応した変動時間が「8.5秒」である場合、作動時の普通電動役物28内に入球することは「可能」である。
【0508】
〔第3普通図柄当り時変動パターン選択テーブルの例〕
図40は、第3普通図柄当り時変動パターン選択テーブル(時短C)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、普通図柄の作動抽選で当りに当選し、かつ、その際の時間短縮ステータスが時短Cに該当している場合に使用するテーブルであり、主制御CPU72は、この選択テーブルを参照して変動パターンの種類(変動パターン番号)を決定する。
【0509】
第3普通図柄当り時変動パターン選択テーブル中、左カラムには振分値が示されている。各振分値「1」、「99」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する変動パターンの種類(変動パターン番号)、「70」、「77」が示されている。すなわち、変動パターン番号として、「70」が選択される割合は100分の1(=1%)であり、「77」が選択される割合は100分の99(=99%)である。各振分値の大きさは、抽選用乱数(普通図柄変動パターン決定乱数)を用いた選択比率に相当する。
【0510】
また、各変動パターン番号に対応する変動時間が示されている。すなわち、変動パターン番号として「70」が選択された場合、普通図柄の変動表示の変動時間は「5.5秒」であり、「77」が選択された場合、普通図柄の変動表示の変動時間は「8.5秒」である。
【0511】
例えば、普通図柄変動パターン決定乱数値が0〜255までの範囲内の値である場合、第3普通図柄当り時変動パターン選択テーブルの選択比率に対応して、変動パターン番号「70」の比較値を「3」、変動パターン番号「77」の比較値を「255」と規定する。そして、取得した変動パターン決定乱数値を、「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「177」であったとすると、最初の比較値「3」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「255」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「77」を選択する。したがって、普通図柄の当り時の変動表示が「8.5秒」にわたって実行されることを表している。
【0512】
また、変動時間に対応して、作動時の普通電動役物28内に入球することが可能か否かが示されている。具体的には、普通電動役物28内に備えられている第2役連作動領域277を遊技球が通過することが可能か否かが示されている。すなわち、変動パターン番号の「70」に対応した変動時間が「5.5秒」である場合、作動時の普通電動役物28内に入球することは「不可能」であり、変動パターン番号の「77」に対応した変動時間が「8.5秒」である場合、作動時の普通電動役物28内に入球することは「可能」である。
【0513】
〔第4普通図柄当り時変動パターン選択テーブルの例〕
図41は、第4普通図柄当り時変動パターン選択テーブル(通常状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、普通図柄の作動抽選で当りに当選し、かつ、その際の時間短縮ステータスが設定されていない場合(遊技状態が通常状態である場合)に使用するテーブルであり、主制御CPU72は、この選択テーブルを参照して変動パターンの種類(変動パターン番号)を決定する。
【0514】
第4普通図柄当り時変動パターン選択テーブル中、左カラムには振分値が示されている。振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、振分値に対応する変動パターンの種類(変動パターン番号)、「10」が示されている。すなわち、変動パターン番号として、「10」が選択される割合は100分の100(=100%)である。したがって、遊技状態が時間短縮状態(又は確率変動状態(確変状態))ではなく通常状態である場合、変動パターンの種類(変動パターン番号)として「10」が選択されることを表している。
【0515】
また、変動パターン番号「10」に対応する変動時間が示されている。すなわち、変動パターン番号として「10」が選択された場合、普通図柄の変動表示の変動時間は「30.0秒」である。
【0516】
また、変動時間に対応して、作動時の普通電動役物28内に入球することが不可能であることが示されている。具体的には、普通電動役物28内に備えられている第2役連作動領域277を遊技球が通過することが不可能であることが示されている。
【0517】
〔
図35:普通図柄変動前処理を参照〕
ステップS6413:主制御CPU72は、当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33による停止図柄(当り図柄)の表示態様を決定する。ただし、上記のように本実施形態では停止図柄番号が常に1種類であるため、主制御CPU72は常に1つの表示態様(上側のLEDを点灯)を決定する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する普通図柄に関する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(当り時)を生成する。これら普通図柄に関する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理(
図9中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
【0518】
ステップS6414:次に主制御CPU72は、普通図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択し、変動パターンに対応する変動時間の値を変動タイマにセットする。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に普通図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する普通図柄に関する変動開始コマンドを生成する。この普通図柄に関する変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は普通図柄遊技処理に復帰する。
【0519】
〔
図34:普通図柄変動中処理,普通図柄停止表示中処理〕
普通図柄遊技処理に復帰すると、主制御CPU72は普通図柄変動中処理(ステップS3001)を次のジャンプ先に設定する。普通図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数、又は割込カウンタのカウント数)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように普通図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は普通図柄停止表示中処理(ステップS4001)を次のジャンプ先に設定する。
【0520】
普通図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は当り時停止図柄決定処理(
図35中のステップS6404,ステップS6410)で決定した停止図柄に基づいて普通図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する普通図柄に関する図柄停止コマンドを生成する。普通図柄に関する図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。なお、普通図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
【0521】
〔普通電動役物管理処理〕
次に、普通電動役物管理処理について説明する。
図42は、普通電動役物管理処理の構成例を示すフローチャートである。普通電動役物管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5101)、開放パターン設定処理(ステップS5201)、開閉動作処理(ステップS5301)、閉鎖処理(ステップS5401)、終了処理(ステップS5501)のサブルーチン群を含む構成である。
【0522】
ステップS5101:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5201〜ステップS5501のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして普通電動役物管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ普通電動役物28の作動を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として開放パターン設定処理(ステップS5201)を選択する。一方、既に開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として開閉動作処理(ステップS5301)を選択し、開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として閉鎖処理(ステップS5401)を選択する。また、開閉動作処理及び閉鎖処理を実行すると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5501)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
【0523】
〔開放パターン設定処理〕
ステップS5201:開放パターン設定処理では、主制御CPU72は普通電動役物28の開放パターンとして、例えば作動時間(開放時間)と作動回数(開放回数)を設定する。なお本実施形態では、非時間短縮状態(通常状態)と時間短縮状態において、普通電動役物28の作動時間を異ならせて設定される。例えば、非時間短縮状態(通常状態)の場合は普通電動役物28の作動時間を0.1秒に設定し、時間短縮状態の場合は普通電動役物28の作動時間を3.0秒に設定する。主制御CPU72は、次のジャンプ先として開閉動作処理(ステップS5301)を設定する。
【0524】
ステップS5301:次の開閉動作処理では、主制御CPU72は先のステップS5201で設定した作動時間に基づいて普通電動役物ソレノイド88を駆動する。これにより、実際に普通電動役物28の作動(開放)が行われる。また主制御CPU72は、次のジャンプ先として閉鎖処理(ステップS5401)を設定する。
【0525】
ステップS5401:閉鎖処理では、主制御CPU72は作動時間の経過をタイマカウンタ値に基づいてカウントする。そして、タイマカウンタの値が0以下になれば、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を非作動状態(OFF)に切り替える。そして主制御CPU72は、次のジャンプ先として終了処理(ステップS5501)を設定する。
【0526】
ステップS5501:終了処理では、主制御CPU72は普通電動役物28の作動を終了する際の条件を整える。例えば、主制御CPU72は普通電動役物作動フラグの値(01H)をリセットする。そして主制御CPU72は、普通図柄遊技処理の中の実行選択処理(
図34中のステップS1001)でのジャンプ先を普通図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は普通電動役物管理処理に復帰する。
【0527】
〔普通図柄作動条件設定テーブル〕
図43は、普通図柄作動条件設定テーブルの構成例を示す図である。この普通図柄作動条件設定テーブルは、非時間短縮状態(通常中)と時間短縮状態(時短中)、さらに、時間短縮ステータスによって普通図柄の当り確率や変動時間を異なる設定とし、また、当り時の普通電動役物28の開放パターン(作動時間)を設定するためのものである。
【0528】
図43中の見出し行を除く上段に示されているように、本実施形態においては、非時間短縮状態(時間短縮機能の非作動時)で行われる作動抽選に際して、通常の当り確率(例えば1/65536.00)が適用される。また、非時間短縮状態で行われる普通図柄の変動表示については、上記のように普通図柄変動パターン乱数を用いて設定された変動時間(例えば、30.0秒)が適用される。普通電動役物28が作動する作動時間及び作動回数はそれぞれ0.1秒及び1回が適用され、作動中の普通電動役物28内への入球は不可能となっている。
【0529】
一方、
図43中の見出し行を除く中段、下段に示されているように、時間短縮状態(時間短縮機能の作動時)で行われる作動抽選に際しては、通常に比較して高い当り確率(例えば1≒1/1.00)が適用される。これにより、時間短縮状態では非時間短縮状態よりも高い頻度で作動抽選に当選する(作動条件が満たされる)ことから、それだけ高い頻度で普通電動役物28への入球が発生しやすくなる。また、時間短縮状態で行われる普通図柄の変動表示については、上記のように予め設定されたいずれかの変動時間(例えば5.5秒又は8.5秒)が適用されることになる。ここで、変動時間として5.5秒が設定される割合については、時間短縮ステータスで異なっており、例えば、時短Aである場合は50%、時短Bである場合は25%、時短Cである場合は1%となっている。一方、変動時間として8.5秒が設定される割合については、時間短縮ステータスが時短Aである場合は50%、時短Bである場合は75%、時短Cである場合は99%となっている。また、普通電動役物28が作動する作動時間及び作動回数については、時間短縮ステータスに関係することなくそれぞれ3.0秒及び1回が適用される。普通電動役物28の作動時間は3.0秒と時間短縮ステータスに関係なく同一に設定されているが、普通図柄の変動時間が異なっているため、上記で説明したように作動中の普通電動役物28内への入球は、変動時間が5.5秒である場合は不可能であり、変動時間が8.5秒である場合が可能となっている。
【0530】
以上が普通図柄遊技処理(
図9中のステップS206)を通して行われる普通図柄に関する作動抽選や普通電動役物28を作動させるための制御手法の概要である。次に、普通図柄の変動時間が5.5秒及び8.5秒である場合に行われるそれぞれの遊技に関する処理について具体的に説明する。
【0531】
〔普通電動役物への入球に関するタイムチャート1〕
図44は、普通電動役物への入球に関するタイムチャート1の一例を示す図である。ここで、図中(A)は、特別図柄(第1特別図柄)の変動又は停止の変化を示している。図中(B)は、条件装置の作動又は停止の変化を示している。図中(C)は、遊技状態、具体的には、普通図柄に関する確率状態の高確率又は低確率の変化を示している。図中(D)は、普通図柄の変動又は停止の変化を示している。図中(E)は、普通電動役物の作動又は停止の変化を示している。図中(F)は、遊技球が普通電動役物の位置に到達する時間帯を示しており、到達することが可能な時間帯(○)又はその位置に存在することが不可能な時間帯(×)の変化を示している。図中(G)は、第2役連作動領域スイッチのON又はOFFの状態を示している。
【0532】
〔時刻t0(0秒)〕
図44中(A):時刻t0において、特別図柄(第1特別図柄)の変動表示が終了する。ここで、その特別図柄の内部抽選の結果が当選に該当していた場合を想定する。したがって、当選時の特別図柄の変動表示が終了したことにより、時刻t0から時刻t1までの時間TA(例えば、8.0秒)にわたって特別図柄の停止表示が行われることとなる。なお、この時刻t0を基準となる0秒として説明する。
【0533】
図44中(C):また、この時刻t0における遊技状態は時間短縮状態である場合を想定する。したがって、普通図柄の作動抽選の抽選確率状態は高確率であることを表している。
【0534】
図44中(D):特別図柄の当選時の変動表示が終了すると同時期に、特殊ユニット270の入口に位置する始動ゲート20を遊技球が通過したことで、普通図柄の変動表示が開始される。なお、普通図柄の作動抽選の抽選確率状態は高確率(1/1.00)であることから当選しやすくなっており、当選した場合を想定する。また、普通図柄の変動パターンの選択抽選で、変動時間8.5秒に対応する変動パターンが選択された場合を想定する。したがって、時刻t0から時刻t2までの時間TB(8.5秒)にわたって普通図柄の変動表示が行われることとなる。
【0535】
〔時刻t1(8.0秒)〕
図44中(A):時刻t1において、時間TA(8.0秒)にわたって行われていた特別図柄の当選時の停止表示が終了する。
【0536】
図44中(B):特別図柄の当選時の停止表示が終了したことにより、条件装置が作動する。したがって、これ以降に第1役連作動領域276又は第2役連作動領域277を遊技球が通過すると、大当り遊技が開始される条件が満たされたことを表している。なお、大当り遊技については、上記で説明したように、第1役連作動領域276を通過した場合は5ラウンド大当り遊技が開始され、第2役連作動領域277を通過した場合は16ラウンド大当り遊技が開始される。
【0537】
図44中(C):条件装置が作動したことにより、特別図柄に関する内部抽選の抽選確率状態及び普通図柄に関する作動抽選の抽選確率状態が低確率状態に設定される。
【0538】
〔時刻t2(8.5秒)〕
図44中(D):時刻t2において、時間TB(8.5秒)にわたって行われていた普通図柄の当選時の変動表示が終了する。そして、時刻t2から時刻t3までの時間TC(例えば、0.5秒)にわたって普通図柄の当選時の停止表示が行われることとなる。
【0539】
〔時刻t3(9.0秒)〕
図44中(D):時刻t3において、時間TC(0.5秒)にわたって行われていた普通図柄の当選時の停止表示が終了する。
【0540】
図44中(E):普通図柄の当選時の停止表示が終了したことにより、普通電動役物28が作動する(開放状態となる)。また、普通電動役物28の作動(開放)は時刻t3から時刻t5までの時間TD(例えば、3.0秒)にわたって行われる。したがって、この時間TDの時間内に普通電動役物28に遊技球が到達していると、第2役連作動領域277へ遊技球が案内されることとなる。
【0541】
図44中(F):また、時刻t0において特殊ユニット270の入口に位置する始動ゲート20を通過した遊技球は、特殊ユニット270内を案内された後に出口から外部に排出されることとなる。そして、その排出される時刻については、時刻t0からカウントして9秒〜12秒の3秒間(時間TF)の間で排出されることとなる。なお、この時間幅は上記で説明したように、回転体273の内部に格納されるタイミングに依存している。したがって、特殊ユニット270の出口に位置する普通電動役物28に到達可能な時間帯は、時刻t0から9秒〜12秒後の時刻t3〜時刻t5であることを表している。
【0542】
したがって、普通電動役物28が作動している時間帯(時刻t3〜t5)(
図44中(E))と、遊技球が普通電動役物28に到達することが可能な時間帯(時刻t3〜時刻t5)(
図44中(F))とが重なっていることを表している。
【0543】
〔時刻t4(11秒頃)〕
図44中(G):時刻t0において特殊ユニット270の入口に位置する始動ゲート20を通過した遊技球が、時刻t4において特殊ユニット270から排出される。そして、排出された遊技球が作動中の普通電動役物28に案内されて第2役連作動領域277を通過することで、第2役連作動領域スイッチ278がON状態となる。
【0544】
この第2役連作動領域スイッチ278がON状態になったことで、可変入賞装置30の作動に関する開放パターンが開放パターン2に設定され、16ラウンド大当り遊技が開始されることとなる。
【0545】
〔時刻t5(12.0秒)〕
図44中(E):普通電動役物28の開放が終了し閉鎖状態となる。したがって、これ以降に普通電動役物28の位置に遊技球が到達したとしても、遊技球を第2役連作動領域277へ案内することはないことを表している。なお、普通電動役物28が閉鎖状態になった後、普通電動役物28に関する有効時間(TE(例えば、1秒程度))が設定される。例えば、普通電動役物28が閉鎖する直前に遊技球が普通電動役物28の位置に到達し、この時間TE内に第2役連作動領域277を遊技球が通過した場合、その通過が有効なものとして取り扱われ、16ラウンド大当り遊技が開始されることとなる。一方、時間TEが終了した後に第2役連作動領域277を遊技球が通過したとしても、その通過は無効なものとして取り扱われ、大当り遊技が開始されることはない。これにより、不正に第2役連作動領域277に遊技球を通過させたとしても、16ラウンド大当り遊技が開始されることはないことを表している。
【0546】
図44中(F):遊技球が普通電動役物の位置に存在することが不可能な時間帯(時間TG(例えば、3.0秒))が開始される。これは、上記で説明したように、特殊ユニット270内の回転体273の格納個数(例えば、4個)と回転周期(例えば、1回転あたり12.0秒)に依存している。
【0547】
〔時刻t6(15.0秒)〕
図44中(F):また、遊技球が普通電動役物28の位置に到達可能な時間帯(時間TH(例えば、3.0秒))が開始される。したがって、時刻t0以降に特殊ユニット270へ入球した遊技球がこの時間TH内に普通電動役物28の位置に到達することを現している。
【0548】
〔時刻t7(18.0秒)〕
図44中(F):そして、遊技球が普通電動役物の位置に存在することが不可能な時間帯が再び開始されることとなる。
【0549】
上記のように、遊技球が特殊ユニット270(入口の始動ゲート20)に入球したことにより、普通図柄に関する作動抽選で当選し、かつ、普通図柄の変動表示に関する変動時間として8.5秒が選択された場合、その入球した遊技球は作動中(開放状態中)の普通電動役物28に向かって特殊ユニット270の出口から排出されることとなる。したがって、その遊技球は普通電動役物28に案内されて第2役連作動領域277を通過することとなり、その結果、16ラウンド大当り遊技が開始されることとなる。
【0550】
なお、上記の例では、特別図柄の当選時の変動表示が終了した際に、遊技球が特殊ユニット270(入口の始動ゲート20)に入球した場合を説明した。次に、特別図柄の当選時の停止表示が終了する直前に、遊技球が特殊ユニット270(入口の始動ゲート20)に入球した場合について説明する。
【0551】
〔普通電動役物への入球に関するタイムチャート2〕
図45は、普通電動役物への入球に関するタイムチャート2の一例を示す図である。ここで、図中(A)〜図中(G)のそれぞれの内容については、上記
図44の例で説明した内容と同様であるため説明を省略する。
【0552】
〔時刻t10(0秒)〕
図45中(A):時刻t10において、特別図柄(第1特別図柄)の変動表示が終了する。ここで、その特別図柄の内部抽選の結果が当選に該当していた場合を想定する。したがって、当選時の特別図柄の変動表示が終了したことにより、時刻t10から時刻t11までの時間TA(例えば、8.0秒)にわたって特別図柄の停止表示が行われることとなる。なお、この時刻t10を基準となる0秒として説明する。
【0553】
図45中(C):また、この時刻t10における遊技状態は時間短縮状態である場合を想定する。したがって、普通図柄の作動抽選の抽選確率状態は高確率であることを表している。
【0554】
〔時刻t11(8.0秒)直前〕
図45中(D):時刻t11直前、すなわち、時間TA(8.0秒)にわたって行われていた特別図柄の当選時の停止表示が終了する直前に、特殊ユニット270の入口に位置する始動ゲート20を遊技球が通過したことで、普通図柄の変動表示が開始される。なお、普通図柄の作動抽選の抽選確率状態は高確率(1/1.00)であることから当選しやすくなっており、当選した場合を想定する。また、普通図柄の変動パターンの選択抽選で、変動時間8.5秒に対応する変動パターンが選択された場合を想定する。したがって、時刻t11直前から時刻t12までの時間TB(8.5秒)にわたって普通図柄の変動表示が行われることとなる。
【0555】
〔時刻t11(8.0秒)〕
図45中(A):時刻t11において、時間TA(8.0秒)にわたって行われていた特別図柄の当選時の停止表示が終了する。
【0556】
図45中(B):特別図柄の当選時の停止表示が終了したことにより、条件装置が作動する。したがって、これ以降に第1役連作動領域276又は第2役連作動領域277を遊技球が通過すると、大当り遊技が開始される条件が満たされたことを表している。
【0557】
図45中(C):条件装置が作動したことにより、特別図柄に関する内部抽選の抽選確率状態及び普通図柄に関する作動抽選の抽選確率状態が低確率状態に設定される。
【0558】
〔時刻t12(16.5秒)〕
図45中(D):時刻t12において、時間TB(8.5秒)にわたって行われていた普通図柄の当選時の変動表示が終了する。そして、時刻t12から時刻t13までの時間TC(例えば、0.5秒)にわたって普通図柄の当選時の停止表示が行われることとなる。
【0559】
〔時刻t13(17.0秒)〕
図45中(D):時刻t13において、時間TC(0.5秒)にわたって行われていた普通図柄の当選時の停止表示が終了する。
【0560】
図45中(E):普通図柄の当選時の停止表示が終了したことにより、普通電動役物28が作動する(開放状態となる)。また、普通電動役物28の作動(開放)は時刻t13から時刻t15までの時間TD(例えば、3.0秒)にわたって行われる。したがって、この時間TDの時間内に普通電動役物28に遊技球が到達していると、第2役連作動領域277へ遊技球が案内されることとなる。
【0561】
図45中(F):また、時刻t11直前において特殊ユニット270の入口に位置する始動ゲート20を通過した遊技球は、特殊ユニット270内を案内された後に出口から外部に排出されることとなる。そして、その排出される時刻については、時刻t11からカウントして9秒〜12秒の3秒間(時間TF)の間で排出されることとなる。なお、この時間幅は上記で説明したように、回転体273の内部に格納されるタイミングに依存している。したがって、特殊ユニット270の出口に位置する普通電動役物28に到達可能な時間帯は、時刻t11から9秒〜12秒後の時刻t13〜時刻t15であることを表している。
【0562】
したがって、普通電動役物28が作動している時間帯(時刻t13〜t15)(
図45中(E))と、遊技球が普通電動役物28に到達することが可能な時間帯(時刻t13〜時刻t15)(
図45中(F))とが重なっていることを表している。
【0563】
〔時刻t14(19秒頃)〕
図45中(G):時刻t11において特殊ユニット270の入口に位置する始動ゲート20を通過した遊技球が、時刻t14において特殊ユニット270から排出される。そして、排出された遊技球が作動中の普通電動役物28に案内されて第2役連作動領域277を通過することで、第2役連作動領域スイッチ278がON状態となる。
【0564】
この第2役連作動領域278がON状態になったことで、可変入賞装置30の作動に関する開放パターンが開放パターン2に設定され、16ラウンド大当り遊技が開始されることとなる。
【0565】
〔時刻t15(20.0秒)〕
図45中(E):普通電動役物28の開放が終了し閉鎖状態となる。したがって、これ以降に普通電動役物28の位置に遊技球が到達したとしても、遊技球を第2役連作動領域277へ案内することはないことを表している。なお、普通電動役物28が閉鎖状態になった後、普通電動役物28に関する有効時間(TE(例えば、1秒程度))が設定される。例えば、普通電動役物28が閉鎖する直前に遊技球が普通電動役物28の位置に到達し、この時間TE内に第2役連作動領域277を遊技球が通過した場合、その通過が有効なものとして取り扱われ、16ラウンド大当り遊技が開始されることとなる。
【0566】
図45中(F):遊技球が普通電動役物の位置に存在することが不可能な時間帯(時間TG(例えば、3.0秒))が開始される。
【0567】
〔時刻t16(23.0秒)〕
図45中(F):また、遊技球が普通電動役物28の位置に到達可能な時間帯(時間TH(例えば、3.0秒))が開始される。したがって、時刻t11以降に特殊ユニット270へ入球した遊技球がこの時間TH内に普通電動役物28の位置に到達することを現している。
【0568】
〔時刻t17(24.0秒)〕
図45中(F):そして、遊技球が普通電動役物の位置に存在することが不可能な時間帯が再び開始されることとなる。
【0569】
上記のように、遊技球が特殊ユニット270(入口の始動ゲート20)に入球するタイミングに依存することなく、普通図柄に関する作動抽選で当選し、かつ、普通図柄の変動表示に関する変動時間として8.5秒が選択された場合、その遊技球は特殊ユニット270から排出されるタイミングに普通電動役物28が作動(開放)しているため、第2役連作動領域277を通過することが可能となる。そして、第2役連作動領域277を通過したことにより、16ラウンド大当り遊技が開始されることとなる。次に、普通図柄に関する作動抽選で当選し、かつ、普通図柄の変動表示に関する変動時間として8.5秒ではなく5.5秒が選択された場合について説明する。
【0570】
〔普通電動役物への入球に関するタイムチャート3〕
図46は、普通電動役物への入球に関するタイムチャート3の一例を示す図である。ここで、図中(A)〜図中(G)のそれぞれの内容については、上記
図44の例で説明した内容と同様であるため説明を省略する。
【0571】
〔時刻t20(0秒)〕
図46中(A):時刻t20において、特別図柄(第1特別図柄)の変動表示が終了する。ここで、その特別図柄の内部抽選の結果が当選に該当していた場合を想定する。したがって、当選時の特別図柄の変動表示が終了したことにより、時刻t20から時刻t23までの時間TA(例えば、8.0秒)にわたって特別図柄の停止表示が行われることとなる。なお、この時刻t20を基準となる0秒として説明する。
【0572】
図46中(C):また、この時刻t20における遊技状態は時間短縮状態である場合を想定する。したがって、普通図柄の作動抽選の抽選確率状態は高確率であることを表している。
【0573】
図46中(D):特別図柄の当選時の変動表示が終了すると同時期に、特殊ユニット270の入口に位置する始動ゲート20を遊技球が通過したことで、普通図柄の変動表示が開始される。なお、普通図柄の作動抽選の抽選確率状態は高確率(1/1.00)であることから当選しやすくなっており、当選した場合を想定する。また、普通図柄の変動パターンの選択抽選で、変動時間5.5秒に対応する変動パターンが選択された場合を想定する。したがって、時刻t20から時刻t21までの時間TB(5.5秒)にわたって普通図柄の変動表示が行われることとなる。
【0574】
〔時刻t21(5.5秒)〕
図46中(D):時刻t21において、時間TB(5.5秒)にわたって行われていた普通図柄の当選時の変動表示が終了する。そして、時刻t21から時刻t22までの時間TC(例えば、0.5秒)にわたって普通図柄の当選時の停止表示が行われることとなる。
【0575】
〔時刻t22(6.0秒)〕
図46中(D):時刻t22において、時間TC(0.5秒)にわたって行われていた普通図柄の当選時の停止表示が終了する。
【0576】
図46中(E):普通図柄の当選時の停止表示が終了したことにより、普通電動役物28が作動する(開放状態となる)。また、普通電動役物28の作動(開放)は時刻t22から時刻t24までの時間TD(例えば、3.0秒)にわたって行われる。したがって、この時間TDの時間内に普通電動役物28に遊技球が到達していると、第2役連作動領域277へ遊技球が案内されることとなる。
【0577】
〔時刻t23(8.0秒)〕
図46中(A):時刻t23において、時間TA(8.0秒)にわたって行われていた特別図柄の当選時の停止表示が終了する。
【0578】
図46中(B):特別図柄の当選時の停止表示が終了したことにより、条件装置が作動する。したがって、これ以降に第1役連作動領域276又は第2役連作動領域277を遊技球が通過すると、大当り遊技が開始される条件が満たされたことを表している。
【0579】
図46中(C):条件装置が作動したことにより、特別図柄に関する内部抽選の抽選確率状態及び普通図柄に関する作動抽選の抽選確率状態が低確率状態に設定される。
【0580】
〔時刻t24(9.0秒)〕
図46中(E):普通電動役物28の開放が終了し閉鎖状態となる。したがって、これ以降に普通電動役物28の位置に遊技球が到達したとしても、遊技球を第2役連作動領域277へ案内することはないことを表している。なお、普通電動役物28が閉鎖状態になった後、普通電動役物28に関する有効時間(TE(例えば、1秒程度))が設定される。例えば、普通電動役物28が閉鎖する直前に遊技球が普通電動役物28の位置に到達し、この時間TE内に第2役連作動領域277を遊技球が通過した場合、その通過が有効なものとして取り扱われ、16ラウンド大当り遊技が開始されることとなる。
【0581】
図46中(F):また、普通電動役物28が閉鎖状態となった直後に、時刻t20において特殊ユニット270の入口に位置する始動ゲート20を通過した遊技球は、特殊ユニット270内を案内された後に出口から外部に排出されることとなる。そして、その排出される時刻については、時刻t20からカウントして9秒〜12秒の3秒間(時間TF)の間で排出されることとなる。
【0582】
したがって、普通電動役物28が作動している時間帯(時刻t22〜t24)(
図46中(E))と、遊技球が普通電動役物28に到達することが可能な時間帯(時刻t24〜時刻t25)(
図46中(F))とが重なっていないことを表している。すなわち、時刻t20において特殊ユニット270の入口に位置する始動ゲート20を通過した遊技球が、普通電動役物28により第2役連作動領域277へ案内されることは不可能であることを表している。
【0583】
ここで、第2役連作動領域277への通過が不可能なことから、大当り遊技を開始するには残された第1役連作動領域276へ遊技球を通過させる必要がある。なお、第1役連作動領域276に遊技球を通過させると、可変入賞装置30の作動に関する開放パターンが開放パターン1に設定され、5ラウンド大当り遊技が開始されることとなる。
【0584】
〔時刻t25(12.0秒)〕
図46中(F):遊技球が普通電動役物の位置に存在することが不可能な時間帯(時間TG(例えば、3.0秒))が開始される。
【0585】
〔時刻t26(15.0秒)〕
図46中(F):また、遊技球が普通電動役物28の位置に到達可能な時間帯(時間TH(例えば、3.0秒))が開始される。したがって、時刻t20以降に特殊ユニット270へ入球した遊技球がこの時間TH内に普通電動役物28の位置に到達することを現している。
【0586】
〔時刻t27(18.0秒)〕
図46中(F):そして、遊技球が普通電動役物の位置に存在することが不可能な時間帯が再び開始されることとなる。
【0587】
上記のように、遊技球が特殊ユニット270(入口の始動ゲート20)に入球したことにより、普通図柄に関する作動抽選で当選し、かつ、普通図柄の変動表示に関する変動時間として5.5秒が選択された場合、その入球した遊技球は作動終了後(閉鎖状態中)の普通電動役物28に向かって特殊ユニット270の出口から排出されることとなる。したがって、その遊技球は普通電動役物28に案内されて第2役連作動領域277を通過することはできない。よって、16ラウンド大当り遊技ではなく5ラウンド大当り遊技しか開始することができないこととなる。
【0588】
なお、上記の例では、特別図柄の当選時の変動表示が終了した際に、遊技球が特殊ユニット270(入口の始動ゲート20)に入球した場合を説明した。次に、特別図柄の当選時の停止表示が終了する直前に、遊技球が特殊ユニット270(入口の始動ゲート20)に入球した場合について説明する。
【0589】
〔普通電動役物への入球に関するタイムチャート4〕
図47は、普通電動役物への入球に関するタイムチャート4の一例を示す図である。ここで、図中(A)〜図中(G)のそれぞれの内容については、上記
図44の例で説明した内容と同様であるため説明を省略する。
【0590】
〔時刻t30(0秒)〕
図47中(A):時刻t30において、特別図柄(第1特別図柄)の変動表示が終了する。ここで、その特別図柄の内部抽選の結果が当選に該当していた場合を想定する。したがって、当選時の特別図柄の変動表示が終了したことにより、時刻t30から時刻t31までの時間TA(例えば、8.0秒)にわたって特別図柄の停止表示が行われることとなる。なお、この時刻t30を基準となる0秒として説明する。
【0591】
図47中(C):また、この時刻t30における遊技状態は時間短縮状態である場合を想定する。したがって、普通図柄の作動抽選の抽選確率状態は高確率であることを表している。
【0592】
〔時刻t31(8.0秒)直前〕
図47中(D):時刻t31直前、すなわち、時間TA(8.0秒)にわたって行われていた特別図柄の当選時の停止表示が終了する直前に、特殊ユニット270の入口に位置する始動ゲート20を遊技球が通過したことで、普通図柄の変動表示が開始される。なお、普通図柄の作動抽選の抽選確率状態は高確率(1/1.00)であることから当選しやすくなっており、当選した場合を想定する。また、普通図柄の変動パターンの選択抽選で、変動時間5.5秒に対応する変動パターンが選択された場合を想定する。したがって、時刻t31直前から時刻t32までの時間TB(5.5秒)にわたって普通図柄の変動表示が行われることとなる。
【0593】
〔時刻t31(8.0秒)〕
図47中(A):時刻t31において、時間TA(8.0秒)にわたって行われていた特別図柄の当選時の停止表示が終了する。
【0594】
図47中(B):特別図柄の当選時の停止表示が終了したことにより、条件装置が作動する。したがって、これ以降に第1役連作動領域276又は第2役連作動領域277を遊技球が通過すると、大当り遊技が開始される条件が満たされたことを表している。
【0595】
図47中(C):条件装置が作動したことにより、特別図柄に関する内部抽選の抽選確率状態及び普通図柄に関する作動抽選の抽選確率状態が低確率状態に設定される。
【0596】
〔時刻t32(13.5秒)〕
図47中(D):時刻t32において、時間TB(5.5秒)にわたって行われていた普通図柄の当選時の変動表示が終了する。そして、時刻t32から時刻t33までの時間TC(例えば、0.5秒)にわたって普通図柄の当選時の停止表示が行われることとなる。
【0597】
〔時刻t33(14.0秒)〕
図47中(D):時刻t13において、時間TC(0.5秒)にわたって行われていた普通図柄の当選時の停止表示が終了する。
【0598】
図47中(E):普通図柄の当選時の停止表示が終了したことにより、普通電動役物28が作動する(開放状態となる)。また、普通電動役物28の作動(開放)は時刻t33から時刻t34までの時間TD(例えば、3.0秒)にわたって行われる。したがって、この時間TDの時間内に普通電動役物28に遊技球が到達していると、第2役連作動領域277へ遊技球が案内されることとなる。
【0599】
〔時刻t34(17.0秒)〕
図47中(E):普通電動役物28の開放が終了し閉鎖状態となる。したがって、これ以降に普通電動役物28の位置に遊技球が到達したとしても、遊技球を第2役連作動領域277へ案内することはないことを表している。なお、普通電動役物28が閉鎖状態になった後、普通電動役物28に関する有効時間(TE(例えば、1秒程度))が設定される。例えば、普通電動役物28が閉鎖する直前に遊技球が普通電動役物28の位置に到達し、この時間TE内に第2役連作動領域277を遊技球が通過した場合、その通過が有効なものとして取り扱われ、16ラウンド大当り遊技が開始されることとなる。
【0600】
図47中(F):また、普通電動役物28が閉鎖状態となった直後に、時刻t31において特殊ユニット270の入口に位置する始動ゲート20を通過した遊技球は、特殊ユニット270内を案内された後に出口から外部に排出されることとなる。そして、その排出される時刻については、時刻t31からカウントして9秒〜12秒の3秒間(時間TF)の間で排出されることとなる。
【0601】
したがって、普通電動役物28が作動している時間帯(時刻t33〜t34)(
図47中(E))と、遊技球が普通電動役物28に到達することが可能な時間帯(時刻t34〜時刻t35)(
図47中(F))とが重なっていないことを表している。すなわち、時刻t31において特殊ユニット270の入口に位置する始動ゲート20を通過した遊技球が、普通電動役物28により第2役連作動領域277へ案内されることは不可能であることを表している。
【0602】
ここで、第2役連作動領域277への通過が不可能なことから、大当り遊技を開始するには残された第1役連作動領域276へ遊技球を通過させる必要がある。なお、第1役連作動領域276に遊技球を通過させると、可変入賞装置30の作動に関する開放パターンが開放パターン1に設定され、5ラウンド大当り遊技が開始されることとなる。
【0603】
〔時刻t35(20.0秒)〕
図47中(F):遊技球が普通電動役物の位置に存在することが不可能な時間帯(時間TG(例えば、3.0秒))が開始される。
【0604】
〔時刻t36(23.0秒)〕
図47中(F):また、遊技球が普通電動役物28の位置に到達可能な時間帯(時間TH(例えば、3.0秒))が開始される。したがって、時刻t31以降に特殊ユニット270へ入球した遊技球がこの時間TH内に普通電動役物28の位置に到達することを現している。
【0605】
〔時刻t37(26.0秒)〕
図47中(F):そして、遊技球が普通電動役物の位置に存在することが不可能な時間帯が再び開始されることとなる。
【0606】
上記のように、遊技球が特殊ユニット270(入口の始動ゲート20)に入球するタイミングに依存することなく、普通図柄に関する作動抽選で当選し、かつ、普通図柄の変動表示に関する変動時間として5.5秒が選択された場合、その入球した遊技球は作動終了後(閉鎖状態中)の普通電動役物28に向かって特殊ユニット270の出口から排出されることとなる。したがって、その遊技球は普通電動役物28に案内されて第2役連作動領域277を通過することはできない。よって、16ラウンド大当り遊技ではなく5ラウンド大当り遊技しか開始することができないこととなる。
【0607】
上記の
図44〜
図47を用いて、普通図柄の変動時間が5.5秒及び8.5秒である場合に行われるそれぞれの遊技に関する処理について具体的に説明した。具体的には、普通図柄の当り時の変動時間によって、普通電動役物28への遊技球の入球が可能又は不可能になることで、大当り遊技のラウンド数が16ラウンド又は5ラウンドに振り分けられることを説明した。
【0608】
このように、本実施形態によれば、先ず、普通図柄の当選時の時間短縮ステータスによって変動時間が5.5秒又は8.5秒が選択される割合が異なっており、次に、普通図柄の変動時間によって第2役連作動領域277への通過が可能又は不可能となり、最後に、第2役連作動領域277を遊技球が通過したことを検出したか否かによって大当り遊技におけるラウンド数が16ラウンド5ラウンドに振り分けられている。具体的には、本実施形態によれば、時間短縮ステータスを3種類(時短A、時短B、時短C)設定し、第2役連作動領域277への通過が可能となる変動時間(8.5秒)が選択される割合を各時間短縮ステータスに対応して設定(時短Aでは50%、時短Bでは75%、時短Cでは99%)している(なお、時間短縮ステータスが設定されていない場合(通常状態)では0%に設定されている)。したがって、普通図柄の当選時の時間短縮ステータスに対応して大当り遊技におけるラウンド数が16ラウンド5ラウンドに振り分けられる確率が異なっていることを表している。具体的には、時間短縮ステータスが時短Aである場合は16ラウンド大当りを開始することが可能な割合は50%であり、時短Bである場合は16ラウンド大当りを開始することが可能な割合は75%であり、時短Cである場合は16ラウンド大当りを開始することが可能な割合は99%であることを表している(なお、時間短縮ステータスが設定されていない場合(通常状態)では16ラウンド大当りを開始することが可能な割合は0%である)。すなわち、3種類の時間短縮ステータスを規定することによって、異なるラウンド振り分け率を複数(時短3つ+通常1つ)有することができる。このように、一般的なパチンコ機では特別図柄の種類毎(第1特別図柄又は第2特別図柄)に2種類しかなかったラウンド振り分け率の単調さを改善し、複数のラウンド振り分け率を有することで遊技性の幅を広げることができ、さらに、遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
【0609】
〔ゲームフロー〕
図48及び
図49は、パチンコ機において展開されるゲームフローについて説明する図である。パチンコ機1による遊技は、遊技者の操作に応じて遊技球を遊技領域8a内に打ち込む(発射する)ことで進行する。なお以下の説明では、適宜、図中の参照符号F1〜F101等を括弧付きで示す。また、以下の説明で用いる「入賞」は、「検出された入球が有効なものとして扱われること」を意味している。以下、各モード又は各契機に沿って内容を説明する。
【0610】
まず、
図48に示される、パチンコ機1において展開されるゲームフロー(その1)について説明する。具体的には、遊技状態が「非時間短縮状態」であり、時間短縮ステータスが設定されていない(リセットされている)場合に、パチンコ機1において進行される遊技について説明する。
【0611】
例えば、遊技者がパチンコ機1で遊技を開始した当初は、パチンコ機1の内部状態(遊技状態)が「通常遊技中」の状態となっているものとする。本実施形態において「通常遊技中」の状態は、普通図柄(作動抽選)に関して「非時間短縮状態(普図低確率)」であり、かつ、特別図柄(内部抽選)に関して「低確率状態(特図低確率)」であることを意味する。この内部状態を演出上で表すために風景や情景の異なる背景画像が用意されており、いわゆる滞在モードを変化させることで内部状態の違いを遊技者に教示している。ここで、内部状態が「通常遊技中」である場合、滞在モードが〔F1〕「通常モード」であることを表現している。なお、他の内部状態に対応する〔F51〕ナイトモード、〔F52〕お祭りモード、〔F53〕花火モードについては後述する。
【0612】
〔F1〕通常モードにて、〔F11〕特別図柄(第1特別図柄)の内部抽選に当選した場合、大当りが確定したこととなる。すなわち、この後、所定の条件(第1又は第2役連作動領域276又は277を遊技球が通過すること)を満たすと、大当り遊技(ラウンド遊技)が実行されることが確定したことを表している。
【0613】
なお、〔F11〕第1特別図柄が当選した場合、
図17を用いて説明したように、特別図柄の停止表示時の図柄は当選図柄A、当選図柄B、又は、当選図柄Cのいずれかが選択される。
【0614】
〔F11〕特別図柄が当選図柄A〜当選図柄Cのいずれかで停止表示された後、特殊入賞口27内に備えられている第1役連作動領域276を遊技球の通過(〔F21〕)が確認されると、大入賞口開放パターンとして開放パターン1が設定される。
【0615】
開放パターン1が設定されると、上記で説明したように5ラウンド大当り遊技が実行される。具体的には、〔F31〕レギュラーボーナスが実行される。
【0616】
〔F31〕レギュラーボーナスでは、可変入賞装置30が所定時間(例えば、29.0秒又は所定の個数の遊技球が入賞するまで)にわたる開放動作が5回実行される。したがって、遊技者が実質的に獲得できる賞球数は5ラウンド分に相当する。
【0617】
〔F31〕レギュラーボーナス(大当り遊技)が終了すると、特別図柄の当選図柄の種類に応じた遊技状態が設定される。具体的には、当選図柄Aや当選図柄Bの場合、時間短縮状態に設定され、当選図柄Cの場合、高確率状態(確変状態)に設定される。また、同時に時間短縮ステータスが設定され、当選図柄Aの場合には〔F41〕時短A、当選図柄Bの場合には〔F42〕時短B、当選図柄Cの場合には〔F43〕時短Cにそれぞれ設定される。
【0618】
また、各遊技状態(各時間短縮ステータス)に応じて遊技モードが移行される。例えば、時間短縮状態(時短A)である場合、遊技モードは〔F51〕ナイトモードに設定され、時間短縮状態(時短B)である場合、遊技モードは〔F52〕お祭りモードに設定され、高確率状態(時短C)である場合、遊技モードは〔F53〕花火モードに設定される。
【0619】
〔F51〕ナイトモードに遊技モードが設定されると、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、「時間短縮状態」であり、時間短縮ステータスが「時短A」で遊技が進行する。また、遊技者に現在の遊技モードを教示するために、演出画面内にはそれぞれ異なる背景画像が表示され、〔F51〕ナイトモードについては、夜のビル街を表現した背景画像が表示される。
【0620】
〔F52〕お祭りモードに遊技モードが設定されると、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、「時間短縮状態」であり、時間短縮ステータスが「時短B」で遊技が進行する。また、遊技者に現在の遊技モードを教示するために、演出画面内にはそれぞれ異なる背景画像が表示され、〔F52〕お祭りモードについては、太鼓、提灯、団扇、花火といったお祭りを表現した背景画像が表示される。
【0621】
〔F53〕花火モードは、特別図柄の当選確率は「高確率状態」であり、かつ、「時間短縮状態」であり、時間短縮ステータスが「時短C」で遊技が進行する。また、遊技者に現在の遊技モードを教示するために、演出画面内にはそれぞれ異なる背景画像が表示され、〔F53〕花火モードについては、複数の打ち上げ花火といった花火大会を表現した背景画像が表示される。
【0622】
なお、〔F51〕ナイトモード、〔F52〕お祭りモード、〔F53〕花火モードにおいて、特別図柄の変動表示が所定の変動回数、すなわち、時間短縮回数(例えば、100回又は10000回)実行されると(〔F59〕)、遊技モードは〔F1〕通常モードに移行され、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、「非時間短縮状態」に設定され、時間短縮ステータスについてもリセットされる(非設定)。
【0623】
次に、
図49に示される、パチンコ機1において展開されるゲームフロー(その2)について説明する。具体的には、遊技状態が「時間短縮状態」であり、時間短縮ステータスが設定されている(時短A、時短B、又は、時短Cのいずれか)場合に、パチンコ機1において進行される遊技について説明する。
【0624】
例えば、遊技状態が「時間短縮状態」であり、時間短縮ステータスが〔時短A〕である際、すなわち、滞在モードが〔F51〕ナイトモードである際に、〔F61〕特別図柄(第1特別図柄)の内部抽選に当選した場合、大当りが確定したこととなる。すなわち、この後、所定の条件(第1又は第2役連作動領域276又は277を遊技球が通過すること)を満たすと、大当り遊技(ラウンド遊技)が実行されることが確定したことを表している。
【0625】
ここで、〔F61〕特別図柄(第1特別図柄)の内部抽選に当選し、条件装置が作動するまでに、始動ゲート20に遊技球を通過させると、普通図柄の作動抽選状態は高確率状態(時間短縮状態)であるため、普通図柄の作動抽選で当選することとなる(〔F71〕)。
【0626】
〔F71〕普通図柄の作動抽選と同時期に普通図柄の変動パターンも抽選され、変動時間が異なる変動パターンのいずれかが選択されることとなる。ここで、上記のように、普通図柄の変動時間が5.5秒に対応する変動パターンが選択される選択比率は50%であり、変動時間が8.5秒に対応する変動パターンが選択される選択比率は50%である。したがって、変動時間が8.5秒に対応する変動パターンが選択され、作動中の普通電動役物28に入球して第2役連作動領域277を通過可能な選択比率は50%であることを表している。一方、変動時間が5.5秒に対応する変動パターンが選択され、作動中の普通電動役物28に入球せず第2役連作動領域277が通過不可能となり、第1役連作動領域276のみの通過が可能な選択比率は50%であることを表している。
【0627】
そして、条件装置が作動した後に、所定の条件(第1又は第2役連作動領域276又は277を遊技球が通過すること)を満たすと、大当り遊技(ラウンド遊技)が実行されることとなる。
【0628】
例えば、遊技状態が「時間短縮状態」であり、時間短縮ステータスが〔時短B〕である際、すなわち、滞在モードが〔F52〕お祭りモードである際に、〔F62〕特別図柄(第1特別図柄)の内部抽選に当選した場合、大当りが確定したこととなる。すなわち、この後、所定の条件(第1又は第2役連作動領域276又は277を遊技球が通過すること)を満たすと、大当り遊技(ラウンド遊技)が実行されることが確定したことを表している。
【0629】
ここで、〔F62〕特別図柄(第1特別図柄)の内部抽選に当選し、条件装置が作動するまでに、始動ゲート20に遊技球を通過させると、普通図柄の作動抽選状態は高確率状態(時間短縮状態)であるため、普通図柄の作動抽選で当選することとなる(〔F72〕)。
【0630】
〔F72〕普通図柄の作動抽選と同時期に普通図柄の変動パターンも抽選され、変動時間が異なる変動パターンのいずれかが選択されることとなる。ここで、上記のように、普通図柄の変動時間が5.5秒に対応する変動パターンが選択される選択比率は25%であり、変動時間が8.5秒に対応する変動パターンが選択される選択比率は75%である。したがって、変動時間が8.5秒に対応する変動パターンが選択され、作動中の普通電動役物28に入球して第2役連作動領域277を通過可能な選択比率は75%であることを表している。一方、変動時間が5.5秒に対応する変動パターンが選択され、作動中の普通電動役物28に入球せず第2役連作動領域277が通過不可能となり、第1役連作動領域276のみの通過が可能な選択比率は25%であることを表している。
【0631】
そして、条件装置が作動した後に、所定の条件(第1又は第2役連作動領域276又は277を遊技球が通過すること)を満たすと、大当り遊技(ラウンド遊技)が実行されることとなる。
【0632】
例えば、遊技状態が「時間短縮状態」「高確率状態」であり、時間短縮ステータスが〔時短C〕である際、すなわち、滞在モードが〔F53〕花火モードである際に、〔F63〕特別図柄(第1特別図柄)の内部抽選に当選した場合、大当りが確定したこととなる。すなわち、この後、所定の条件(第1又は第2役連作動領域276又は277を遊技球が通過すること)を満たすと、大当り遊技(ラウンド遊技)が実行されることが確定したことを表している。
【0633】
ここで、〔F63〕特別図柄(第1特別図柄)の内部抽選に当選し、条件装置が作動するまでに、始動ゲート20に遊技球を通過させると、普通図柄の作動抽選状態は高確率状態(時間短縮状態)であるため、普通図柄の作動抽選で当選することとなる(〔F73〕)。
【0634】
〔F73〕普通図柄の作動抽選と同時期に普通図柄の変動パターンも抽選され、変動時間が異なる変動パターンのいずれかが選択されることとなる。ここで、上記のように、普通図柄の変動時間が5.5秒に対応する変動パターンが選択される選択比率は1%であり、変動時間が8.5秒に対応する変動パターンが選択される選択比率は99%である。したがって、変動時間が8.5秒に対応する変動パターンが選択され、作動中の普通電動役物28に入球して第2役連作動領域277を通過可能な選択比率は99%であることを表している。一方、変動時間が5.5秒に対応する変動パターンが選択され、作動中の普通電動役物28に入球せず第2役連作動領域277が通過不可能となり、第1役連作動領域276のみの通過が可能な選択比率は1%であることを表している。
【0635】
そして、条件装置が作動した後に、所定の条件(第1又は第2役連作動領域276又は277を遊技球が通過すること)を満たすと、大当り遊技(ラウンド遊技)が実行されることとなる。
【0636】
〔F80〕条件装置が作動した後に、役連作動領域を遊技球が通過すると大当り遊技が開始される。また、遊技球が通過した役連作動領域の種類により、開始される大当り遊技の内容が異なっており、具体的には、大当り遊技において設定される可変入賞装置30の開放パターンが異なっている。例えば、〔F81〕第1役連作動領域276を遊技球が通過した場合、開放パターン1が設定された大当り遊技が開始される。一方、〔F82〕第2役連作動領域277を遊技球が通過した場合、開放パターン2が設定された大当り遊技が開始される。
【0637】
開放パターン1が設定されると、上記で説明したように5ラウンド大当り遊技が実行される。具体的には、〔F91〕レギュラーボーナスが実行される。
【0638】
〔F91〕レギュラーボーナスでは、可変入賞装置30が所定時間(例えば、29.0秒又は所定の個数の遊技球が入賞するまで)にわたり5回開放作動する。したがって、遊技者が実質的に獲得できる賞球数は5ラウンド分に相当する。
【0639】
一方、開放パターン2が設定されると、上記で説明したように16ラウンド大当り遊技が実行される。具体的には、〔F92〕ビッグボーナスが実行される。
【0640】
〔F92〕ビッグボーナスでは、可変入賞装置30が所定時間(例えば、29.0秒又は所定の個数の遊技球が入賞するまで)にわたる開放動作が16回実行される。したがって、遊技者が実質的に獲得できる賞球数は16ラウンド分に相当し、〔F91〕レギュラーボーナス時(5ラウンド分)よりも多くの賞球を獲得することができる。
【0641】
すなわち、普通図柄の作動抽選での当選した際に、変動時間が8.5秒に対応する変動パターンが選択されると、16ラウンド分の賞球数が獲得できる〔F92〕ビッグボーナスが実行されることを表している。一方、変動時間が5.5秒に対応する変動パターンが選択されると、5ラウンド分の賞球数しか獲得できない〔F91〕レギュラーボーナスが実行されることを表している。
【0642】
〔F91〕レギュラーボーナス又は〔F92〕ビッグボーナスにいずれかの大当り遊技が終了すると、特別図柄の当選図柄の種類に応じた遊技状態が設定される(〔F100〕)。具体的には、当選図柄Aや当選図柄Bの場合、時間短縮状態に設定され、当選図柄Cの場合、高確率状態(確変状態)に設定される。また、同時に時間短縮ステータスが設定され、当選図柄Aの場合には〔F101〕時短A、当選図柄Bの場合には〔F102〕時短B、当選図柄Cの場合には〔F103〕時短Cにそれぞれ設定される。
【0643】
そして、各遊技状態(各時間短縮ステータス)に応じて遊技モードが移行される。例えば、時間短縮状態(時短A)である場合、遊技モードは〔F51〕ナイトモードに設定され、時間短縮状態(時短B)である場合、遊技モードは〔F52〕お祭りモードに設定され、高確率状態(時短C)である場合、遊技モードは〔F53〕花火モードに設定される。
【0644】
したがって、〔F51〕ナイトモードにて特別図柄が当選し(〔F61〕)、大当り遊技が実行され(〔F91〕レギュラーボーナス又は〔F92〕ビッグボーナス)、特別図柄の当選における当選図柄の種類が当選図柄Cであった場合(〔F103〕)、遊技状態は〔F53〕花火モードに移行されることを表している。他にも、〔F51〕ナイトモードから、大当り遊技が終了すると、〔F51〕ナイトモードが継続する可能性もあり、〔F52〕お祭りモードに移行される可能性もある。なお、
図17に示したように、当選図柄Aや当選図柄Bが選択される選択比率はそれぞれ15%であるのに対し、当選図柄Cが選択される選択比率は70%であるため、〔F53〕花火モードに移行される可能性が一番高くなる。このように、大当り遊技終了後に設定される遊技モードは大当り遊技前に設定されていた遊技モードに関係なく、特別図柄の当選図柄の種類に応じて設定されることとなる。
【0645】
なお、大当り遊技の内容、すなわち、ラウンド回数については、特別図柄の当選図柄の種類に関係なく、条件装置が作動した後に遊技球が通過した役連作動領域の種類に応じて設定される。具体的には、第1役連作動領域276を遊技球が通過した場合、5ラウンド大当り遊技が開始され、第2役連作動領域277を遊技球が通過した場合、16ラウンド大当り遊技が開始されることとなる。ここで、第2役連作動領域277に遊技球を通過させるには、普通図柄が当選し、かつ、普通図柄の変動表示の変動時間が8.5秒に対応する変動パターンが選択される必要がある。この変動時間が8.5秒に対応する変動パターンが選択される選択比率は、時間短縮ステータスに対応してそれぞれ異なって設定されている。具体的には、時間短縮ステータスと変動時間が8.5秒に対応する変動パターンが選択される選択比率はそれぞれ、「時短A」である場合50%であり、「時短B」である場合75%であり、「時短C」である場合99%である。なお、滞在している遊技モードと変動時間が8.5秒に対応する変動パターンが選択される選択比率の関係も同様に、〔F51〕ナイトモードである場合50%であり、〔F52〕お祭りモードである場合75%であり、〔F53〕花火モードである場合99%であることを表している。
【0646】
したがって、時間短縮ステータスに対応して大当り遊技の内容(すなわち、ラウンド回数)がそれぞれ異なる振り分け率を有することを表している。具体的には、時間短縮ステータスと大当り遊技の内容(すなわち、ラウンド回数)の振り分け率はそれぞれ、「時短A」である場合5ラウンド大当り50%と16ラウンド大当り50%であり、「時短B」である場合5ラウンド大当り25%と16ラウンド大当り75%であり、「時短C」である場合5ラウンド大当り1%と16ラウンド大当り99%であることを表している。このように、遊技状態(時間短縮ステータス)を3種類用意することによって、ラウンド振り分け率を3種類有することを表している。なお、時間短縮ステータスが設定されていない場合、すなわち、非時間短縮状態(通常状態)である場合は、大当り遊技の内容(すなわち、ラウンド回数)の振り分け率は5ラウンド大当り100%と16ラウンド大当り0%であることから、本実施形態のパチンコ機1は合計4種類のラウンド振り分け率を有する遊技性を実現することができる。このように遊技性の幅を広げることで、遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
【0647】
〔ゲームフローに合わせた演出〕
以上のゲームフローを実現するため、本実施形態ではゲームフローに合わせた演出を実行している。以下、具体的な演出例を挙げて説明する。
【0648】
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、上記のように演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。
【0649】
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される(
図1参照)。各演出図柄は、例えば数字の「1」〜「9」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。このうち左演出図柄については、数字が「1」〜「9」の昇順に並んだ図柄列を構成しており、中演出図柄と右演出図柄については、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
【0650】
図50は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と結果表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(第1特別図柄)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、結果表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と結果表示演出の基本的な流れについて説明する。
【0651】
〔変動表示前〕
図50中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき第1特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
【0652】
また、液晶表示器42の画面下部には、第1特別図柄の作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1を付す)が表示されるものとなっている。このマーカM1は、その表示個数が対応する第1特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。なお、
図50中(A)の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表している(記憶数表示演出実行手段)。
【0653】
また、演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面下部には第4図柄(図中に参照符号Z1)が表示されている。この第4図柄Z1は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。
【0654】
また、第4図柄Z1については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、結果表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「大当り(当選図柄A、当選図柄B、当選図柄C)」であれば、それらに対応する態様(例えば赤表示色等)で第4図柄Z1は停止表示される。
【0655】
〔変動表示演出開始〕
図50中(B):例えば第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また、変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
【0656】
この場合の背景画像は、例えば浴衣を着こなした女性キャラクターが長椅子に腰掛け、夕涼みでもするかのようにリラックスしている風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。本実施形態において「通常モード」は、上記の変動時間短縮機能が非作動であり、また、確率変動機能も非作動である通常状態に対応するものとする。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったりする。なお、内部状態別に対応するモードについてはさらに後述する。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
【0657】
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
【0658】
〔左図柄停止〕
図50中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「8」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
【0659】
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の
図50中(B)に示されているように、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ非表示となり、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶数が減少したことを演出上でも遊技者に教示することができる。
【0660】
そして、
図50中(C)の例においては、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りが3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
【0661】
〔右演出図柄停止〕
図50中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「7」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「9」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。また、その他にも、例えば「5」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「8」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
【0662】
〔結果表示演出〕
図50中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で結果表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「8」−「1」−「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
【0663】
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と結果表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
【0664】
また、上記の例は非当選時についてのものであるが、大当り(当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、結果表示演出において演出図柄が大当りの態様で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34の停止表示態様)に対応させて選択される。
【0665】
〔大当り時の演出例〕
図51は、「当選図柄A」の大当り(当選)時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である。ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や結果表示演出及び予告演出が含まれるものとする。その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
【0666】
以下のリーチ演出は、第1特別図柄表示装置34において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、第1特別図柄が「当選図柄A」の態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される。なお、
図51中、各演出図柄を数字のみに簡略化して示している。また、上記のマーカM1については、ここでの図示を省略している。以下、演出の流れに沿って説明する。
【0667】
〔変動表示演出〕
図51中(A):第1特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。
【0668】
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図51中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階(例えば2〜5段階)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面上で変動表示されている演出図柄の手前に位置し、例えば画面の左端からひょっこりと出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、ここでいう「リーチ発生前予告」とは、いずれかの演出図柄が停止表示される前にリーチの可能性や大当りの可能性を予告するという意味である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
【0669】
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図51中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターがセリフ(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
【0670】
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の
図51中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
【0671】
〔左演出図柄の停止〕
図51中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左上段位置に数字の「6」を表す演出図柄が停止し、左下段位置には数字の「7」を表す演出図柄が停止している。
【0672】
〔リーチ状態の発生〕
図51中(E):そして左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、右下段位置には数字の「6」を表す演出図柄が停止しており、画面の右上段位置には数字の「7」を表す演出図柄が停止していることから、画面の対角線上(2本の斜めライン上)に数字の「6」−「変動中」−「6」と「7」−「変動中」−「7」の2種類のリーチ状態が発生している。そして画面上には、対角線上でリーチ状態となる2本の斜めラインを強調する画像が合わせて表示される。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。さらに、この例では中演出図柄について数字の「6」と「7」という2つの候補があるため(いわゆるダブルリーチ、ダブルテンパイ)、それだけ期待度の高いリーチ状態である。
【0673】
リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される(ただし、この時点では未だ当選の結果は表出されていない。)。リーチ演出では、テンパイした数字(ここでは「6」と「7」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の四隅にそれぞれ縮小された状態で表示される場合もある。
【0674】
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図51中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ予告発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
【0675】
〔リーチ演出の進行〕
図51中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」〜「8」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、数字の「6」又は「7」のいずれかが最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「5」まで消去されて「6」が画面手前に残ると「大当り」であり、数字の「6」まで消去されて「7」が画面手前に残っても「大当り」であるが、数字の「7」も消去されてしまうと「はずれ」であることを意味する。なお、この場合、数字の「7」が消去された後の画面上に例えば数字の「8」が表示される。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」・・・と順番に画像が消去されていき、数字の「5」の順番が近付くに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。この後、例えば画面上で数字の「4」までが消去されたとすると、いよいよ次に数字の「5」が消去されると、今度は「大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
【0676】
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図51中(H):リーチ演出が終盤に近付いたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入るようにして表示され、そのキャラクターが何らかのセリフを発するという内容(又は、無言で微笑むという内容でもよい)のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。この時点で例えばリーチ演出の内容は、「数字の「5」が消去されれば、次に「6」−「6」−「6」の大当りの可能性が高まる」という展開である。したがって、このタイミングで大きくキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
【0677】
その後、例えば「数字の「2」〜「6」までが消去されてしまい、最後に数字の「7」が消去されずに残れば、「7」−「7」−「7」の大当りになる」という展開となる。このようなタイミングでさらにキャラクターの画像を出現させると、遊技者に対して「いよいよ大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
【0678】
〔結果表示演出〕
図51中(I):第1特別図柄の停止表示に略同期して、最後の中演出図柄が停止する。この例では、内部的には当選図柄が「当選図柄A」に該当しているため、演出上で奇数の「7」を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させている。
【0679】
図51中(J):そして、例えば第1特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄としての結果表示演出についても確定停止表示が行われる。演出図柄の確定停止表示は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。このような確定停止表示を行うことで、最終的な当選が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。また、この場合に第4図柄Z1は、「当選図柄A」に対応する態様(例えば赤表示色等)で停止表示される。
【0680】
また、内部抽選の結果が非当選であれば、第1特別図柄がはずれ図柄で停止表示されるため、演出図柄も同様にはずれの態様で結果表示演出が行われる(図柄演出実行手段)。この場合、画面の中央には「6」や「7」以外の数字「5」や「8」を表示することで、残念ながら今回の変動では大当りにならなかったことを知らせる演出が行われる。なお、このような演出は「はずれリーチ演出」として実行されるものである。
【0681】
次に、特別図柄が「当選図柄A」で停止表示され、大当りが確定した後に実行される大当り遊技を含めた演出について説明する。
【0682】
〔大当り時停止演出〕〔大当り確定演出〕
図52中(A):特別図柄が「当選図柄A」を表す態様での変動表示が終了すると、停止表示が開始され、さらに、大当りが確定したことを教示する大当り確定演出が実行される。ここでは、例えば、画面内に、「BONUS 確定」といった文字情報が表示されると共に、女性キャラクターが登場し、「BONUS確定!やったね!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、このあと特定の条件を満たすと大当り遊技が開始されることを遊技者に教示することができる。また、画面の右上隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは数字の「7」)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「「7」の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。
【0683】
〔第1役連作動領域通過要請演出〕
図52中(B):そして、遊技盤面が画面内に表示され、その遊技盤面内の特殊入賞口27を指し示し、「ココに入れてね!」といった文字情報が表記された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する第1役連作動領域通過要請演出が実行される。これにより、特殊入賞口27に遊技球を入球(入賞)させることで大当り遊技が開始されることを遊技者に教示することができる。
【0684】
〔大当り中演出〕〔REGULARBONUS演出〕
〔1ラウンド目〕
図52中(C):その後、遊技者により遊技球が遊技領域8aに発射され、その遊技球が特殊入賞口27内の第1役連作動領域276を通過すると、大入賞口に関する開放パターン1が設定され、大当り遊技が開始される。ここでは、例えば、画面内に「REGULAR BONUS ROUND1」のラウンド数を表す文字情報が表示される。これにより、遊技者にROUND1からROUND5までの間に大量の賞球の獲得ができることを教示することができる。
【0685】
〔5ラウンド目〕
図53中(D):その後、大当り遊技が順調に進行し、最終の5ラウンドに移行すると、画面内には「REGULAR BONUS ROUND5」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示されている。また、画面の右上隅位置には、上記の「残し目」としての演出図柄(数字の「7」)が引き続き表示されている。
【0686】
〔大当り終了時演出(当選図柄A)〕〔ナイトモード突入演出〕
図53中(E1):大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容のエンディング演出(大役終了演出)が実行される。この例では、特別図柄の当選図柄の種類が当選図柄Aであった場合、画面内に「ナイトモード突入」という文字情報が表示されている。このようなエンディング演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「ナイトモード」(特別図柄の内部抽選確率が低確率状態かつ時間短縮状態(特別図柄が100回(時間短縮回数)にわたって変動表示されると終了))に移行することを遊技者に教示することができる。さらに、時間短縮状態ステータスが「時短A」であり、ナイトモード中に特別図柄に当選した場合、5ラウンド大当り遊技が50%、16ラウンド大当り遊技が50%といったラウンド振り分け率である遊技状態に移行することを遊技者に教示することができる。
【0687】
〔ステージチェンジ演出〕
また、背景が夜間のビル街の画像をモチーフとした背景画像に変化する。これにより、モードが通常モード(背景:縁側画像)からナイトモードに変更したことを遊技者に教示することができる。
【0688】
〔大当り終了時演出(当選図柄B)〕〔お祭りモード突入演出〕
図53中(E2):この例では、大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、特別図柄の当選図柄の種類が当選図柄Bであった場合、画面内に「お祭りモード突入」という文字情報が表示されている。このようなエンディング演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「お祭りモード」(特別図柄の内部抽選確率が低確率状態かつ時間短縮状態(特別図柄が100回(時間短縮回数)にわたって変動表示されると終了))に移行することを遊技者に教示することができる。さらに、時間短縮状態ステータスが「時短B」であり、お祭りモード中に特別図柄に当選した場合、5ラウンド大当り遊技が25%、16ラウンド大当り遊技が75%といったラウンド振り分け率である遊技状態に移行することを遊技者に教示することができる。
【0689】
〔ステージチェンジ演出〕
また、背景がお祭り画像をモチーフとした背景画像に変化する。これにより、モードが通常モード(背景:縁側画像)からお祭りモードに変更したことを遊技者に教示することができる。
【0690】
〔大当り終了時演出(当選図柄C)〕〔花火モード突入演出〕
図53中(E3):この例では、大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、特別図柄の当選図柄の種類が当選図柄Cであった場合、画面内に「花火モード突入」という文字情報が表示されている。このようなエンディング演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「花火モード」(特別図柄の内部抽選確率が高確率状態かつ時間短縮状態(特別図柄が10000回(時間短縮回数)にわたって変動表示されると終了)に移行することを遊技者に教示することができる。さらに、時間短縮状態ステータスが「時短C」であり、花火モード中に特別図柄に当選した場合、5ラウンド大当り遊技が1%、16ラウンド大当り遊技が99%といったラウンド振り分け率である遊技状態に移行することを遊技者に教示することができる。
【0691】
〔ステージチェンジ演出〕
また、背景が花火画像をモチーフとした背景画像に変化する。これにより、モードが通常モード(背景:縁側画像)から花火モードに変更したことを遊技者に教示することができる。
【0692】
次に、遊技状態が時間短縮状態である際に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。例えば、上記の「花火モード」に突入した後を想定し説明する。
【0693】
図54中(F):大当り遊技のエンディング演出が終了すると、前回の結果の大当り時の演出図柄の組み合わせ(「7」−「7」−「7」)が停止表示された状態が表示される。これにより、第1特別図柄の始動条件が満たされた状態となる。
【0694】
〔次変動開始〕
図54中(G):その後、第1特別図柄の変動表示が開始される。ここでは、この状態で第1特別図柄に対応する作動記憶(合計3個)が存在しているため、その中で最も古い作動記憶を1つ消費して次の第1特別図柄の変動表示が開始される。
【0695】
〔結果表示演出〕
図54中(H):その後、:第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で結果表示演出が行われる。この場合、演出図柄の組み合わせは「6」−「3」−「4」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。これにより、遊技者に対して「第1特別図柄の停止表示が確定した」ということを演出上でも教示することができる。
【0696】
次に、「花火モード」で遊技が順調に進行し、第1特別図柄が当選態様(当選図柄A、当選図柄B、又は、当選図柄C)で停止表示される場合を想定して説明する。上記と同様に当選図柄Aが選択された場合を想定する。
【0697】
〔次変動開始〕
図55中(J):第1特別図柄の変動表示が開始される。ここでは、この状態で第1特別図柄に対応する作動記憶(合計3個)が存在しているため、その中で最も古い作動記憶を1つ消費して次の第1特別図柄の変動表示が開始される。
〔左図柄停止〕
図55中(K):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「7」を表す演出図柄が停止したことを表している。
【0698】
〔右演出図柄停止〕〔リーチ状態の発生〕
図55中(L):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「7」を表す演出図柄が停止したことを表している。したがって、「7」−「変動中」−「7」のリーチ状態が発生している。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。
【0699】
図56中(M):その後、リーチ演出が終了し、第1特別図柄の停止表示に略同期して、最後の中演出図柄が停止する。この例では、内部的には当選図柄が「当選図柄A」に該当しているため、演出上で奇数の「7」を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させている。
【0700】
〔大当り時停止演出〕〔大当り確定演出〕
図56中(N):特別図柄が「当選図柄A」を表す態様での変動表示が終了すると、停止表示が開始され、さらに、大当りが確定したことを教示する大当り確定演出が実行される。ここでは、例えば、画面内に、「BONUS 確定」といった文字情報が表記された画像、及び、右方向を指し示す矢印とともに「右打ちしてください」といった文字情報が表示された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する大当り確定演出が実行される。これにより、このあと特定の条件を満たすと大当り遊技が開始されることを遊技者に教示することができる。また、これまでの遊技中に行っていた遊技球の発射する位置が左打ちから右打ちの仕様に変更されたことを遊技者に教示することができる。
【0701】
なお、画面の右上隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは数字の「7」)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「「7」の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。
【0702】
〔第2役連作動領域通過要請演出〕
図56中(O):そして、遊技盤面が画面内に表示され、その遊技盤面内の特殊ユニット270の入口に位置する始動ゲート20を指し示し、「ココに入れてね!」といった文字情報が表記された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する第2役連作動領域通過要請演出が実行される。これにより、始動ゲート20に遊技球を通過させることで大当り遊技が開始されるかもしれないことを遊技者に教示することができる。具体的には、大当り遊技に関する演出が進行することを遊技者に教示することができる。
【0703】
〔ゲート通過時演出〕
図57中(P):その後、遊技者により遊技球が遊技領域8aに発射され、その遊技球が始動ゲート20を通過すると、普通図柄の作動抽選が実行され、その通過した遊技球は特殊ユニット270内を普通電動役物28に向けて案内されることとなる。そして、普通図柄の作動抽選が実行されると、ゲート通過時演出が実行される。ゲート通過時演出は、普通電動役物作動説明演出、ボタン押下演出、ボタン押下成功演出等から構成されている。
【0704】
〔普通電動役物作動説明演出〕
この例では、先ず、「ボタン連打チャンス!ハート役物を落下させると電チューがタイミングよく作動するよ!」といった文字情報が表示された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する普通電動役物作動説明演出が実行される。これにより、演出切替ボタン45を連続して押下した結果、ハート役物40fが落下すると、特殊ユニット270内を案内されている遊技球が普通電動役物28内に入球することを遊技者に教示することができる。
【0705】
〔ボタン押下演出〕
図57中(Q):そして、「連打開始!!」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様なセリフが発せられ、演出切替ボタン45が押下された様子を表す画像が表示されるボタン押下演出が実行される。これにより、演出切替ボタン45を連続して押下することを遊技者に教示することができる。
【0706】
ここで、普通図柄の変動パターンの選択で変動時間が8.5秒に対応する変動パターンが選択された場合を想定する。すなわち、始動ゲート20を通過した遊技球が、普通電動役物28が作動している間に特殊ユニット270内から排出された結果、その普通電動役物28内の第2役連作動領域277を通過する場合を想定する。
【0707】
〔ボタン押下成功演出〕
図57中(R):普通電動役物28内の第2役連作動領域277を遊技球が通過すると、液晶表示器42の手前側に可動体40fを落下させるボタン押下成功演出が実行される。なお、ボタン押下成功演出は、第2役連作動領域277を遊技球が通過する前であって、普通図柄の変動時間8.5秒の変動表示が終了した後や、普通電動役物28の作動開始時等に実行してもよい。すなわち、普通図柄の変動時間8.5秒の変動パターンが選択されたことに対応してボタン押下成功演出を演出してもよい。
【0708】
〔大当り中演出〕〔オープニング演出〕
図58中(S):その後、第2役連作動領域277を遊技球が通過することで、大当り遊技が開始される。ここでは、第2役連作動領域277を遊技球が通過したため、16ラウンド大当り遊技が開始されることとなる。この例では、画面内に、「やったね!16Rよ!」といった文字情報が表記された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する大当り中演出(オープニング演出)が実行される。これにより、このあと16ラウンド大当り遊技が開始されることを遊技者に教示することができる。
【0709】
〔大当り中演出〕〔BIGBONUS中演出〕
〔1ラウンド目〕
図58中(T):大入賞口に関する開放パターン2が設定され、大当り遊技が開始される。ここでは、例えば、画面内に「BIG BONUS ROUND1」のラウンド数を表す文字情報が表示される。これにより、遊技者にROUND1からROUND16までの間に大量の賞球の獲得ができることを教示することができる。また、画面の右上隅位置には、上記の「残し目」としての演出図柄(数字の「7」)が引き続き表示されている。
【0710】
〔16ラウンド目〕
図58中(U):その後、大当り遊技が順調に進行し、最終の16ラウンドに移行すると、画面内には「BIG BONUS ROUND16」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示されている。
【0711】
この後、大当り遊技が終了すると、上記でも説明したように、特別図柄の当選図柄の種類に応じて、この後に移行する内部状態を教示する内容のエンディング演出(大役終了演出)が実行される。例えば、特別図柄の当選図柄の種類が当選図柄Aであった場合、「ナイトモード」に滞在モードへの移行が実行され、当選図柄Bであった場合、「お祭りモード」に滞在モードへの移行が実行され、当選図柄Cであった場合、「花火モード」に滞在モードへの移行が実行される。
【0712】
上記においては、普通図柄の変動表示の変動時間が8.5秒に対応する変動パターンが選択された場合について説明したが、次に、変動時間が5.5秒に対応する変動パターンが選択される場合について説明する。具体的には、普通図柄の変動表示が変動時間5.5秒にわたって行われ、その後普通電動役物28が作動し、その普通電動役物28の作動終了後(閉鎖後)に始動ゲート20を通過した遊技球が特殊ユニット270から放出された場合を想定する。なお、普通電動役物28に関する有効時間についても終了した場合を想定する。
【0713】
〔大当り開始前演出〕〔普通電動役物作動終了時演出〕
図59中(R):ボタン押下演出(
図57中(Q))が実行され、その間に普通電動役物28の作動が終了して第2役連作動領域277を遊技球が通過しないまま、普通電動役物28に関する有効時間が終了すると、普通電動役物作動終了時演出が実行される。この例では、画面内に、「残念…5Rよ」といった文字情報が表記された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する大当り中演出(オープニング演出)が実行される。これにより、16ラウンド大当り遊技が開始されることはないことを遊技者に教示することができる。
【0714】
〔第1役連作動領域通過要請演出〕
図59中(S):そして、遊技盤面が画面内に表示され、その遊技盤面内の特殊入賞口27を指し示し、「ココに入れてね!」といった文字情報が表記された画像、及び、左方向を指し示す矢印とともに「左打ちしてください」といった文字情報が表示された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する第1役連作動領域通過要請演出が実行される。これにより、特殊入賞口27に遊技球を入球(入賞)させることで大当り遊技が開始されることを遊技者に教示することができる。また、これまでの遊技中に行っていた遊技球の発射する位置が右打ちから左打ちの仕様に変更されたことを遊技者に教示することができる。
【0715】
〔大当り中演出〕〔REGULARBONUS中演出〕
〔1ラウンド目〕
図59中(T):その後、遊技者により遊技球が遊技領域8aに発射され、その遊技球が特殊入賞口27内の第1役連作動領域276を通過すると、大入賞口に関する開放パターン1が設定され、大当り遊技が開始される。ここでは、例えば、画面内に「REGULAR BONUS ROUND1」のラウンド数を表す文字情報が表示される。これにより、遊技者にROUND1からROUND5までの間に大量の賞球の獲得ができることを教示することができる。
【0716】
この後、大当り遊技が順調に進行し、最終の5ラウンド目が終了すると、上記でも説明したように、特別図柄の当選図柄の種類に応じて、この後に移行する内部状態を教示する内容のエンディング演出(大役終了演出)が実行される。例えば、特別図柄の当選図柄の種類が当選図柄Aであった場合、「ナイトモード」に滞在モードへの移行が実行され、当選図柄Bであった場合、「お祭りモード」に滞在モードへの移行が実行され、当選図柄Cであった場合、「花火モード」に滞在モードへの移行が実行される。
【0717】
上記においては、時間短縮状態中に特別図柄が当選態様で停止表示が行われ、条件装置が作動するまでの間に始動ゲート20への遊技球の通過を促していた(第2役連作動領域通過要請演出)。もし、条件装置が作動するまでの間に始動ゲート20を遊技球が通過しなかった場合、普通電動役物28内の第2役連作動領域277への遊技球の通過が不可能となってしまう。すなわち、条件装置が作動することで、普通図柄に関する作動抽選の抽選確率状態が高確率状態(時間短縮状態)から低確率状態に設定変更されるため、普通図柄が当選しにくくなり普通電動役物28が作動しにくくなることを表している。したがって、時間短縮状態中に特別図柄に当選し、条件装置が作動するまでに始動ゲート20を遊技球が通過しなかった場合、遊技者は16ラウンド大当り遊技ではなく5ラウンド大当り遊技しか実行できなくなってしまい、大量の賞球を獲得できる機会をなくしまうこととなる。そこで、5ラウンド大当り遊技ではなく16ラウンド大当り遊技といった大量の賞球を獲得できる機会があることを遊技者に教示するために、始動ゲート20に遊技球を通過させることで16ラウンド大当り遊技が開始されるかもしれないといったことを教示する時短中大当り遊技方法教示演出が実行される。
【0718】
〔時短中大当り遊技方法教示演出〕
図60中(P):第2役連作動領域通過要請演出(
図56中(O))が実行されたまま、遊技球が始動ゲート20を通過せず、条件装置が作動すると時短中大当り遊技方法教示演出が実行される。この例では、画面内の上部に「時短中の大当りの遊技方法」といった文字情報が表示され、さらに、その遊技盤面内の特殊ユニット270の入口に位置する始動ゲート20及び出口に位置する普通電動役物28を指し示し、「ゲートを通過させると電チューが作動するよ!」といった文字情報が表記された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する時短中大当り遊技方法教示演出が実行される。これにより、時間短縮状態中に特別図柄が当選した場合、特殊ユニット270の始動ゲート20に遊技球を通過させる必要があることを遊技者に教示することができる。
【0719】
図60中(Q):そして、遊技盤面内の特殊ユニット270の出口に位置する普通電動役物28内に遊技球が入球する様子を指し示し、「電チュー内に球が入ると16R大当りよ!!」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様なセリフが発せられる演出が実行される。これにより、16ラウンド大当り遊技が開始されるには、普通電動役物28に遊技球を入球させる必要があることを遊技者に教示することができる。
【0720】
図60中(S):そして、遊技盤面内の特殊ユニット270の出口に位置する普通電動役物28内に遊技球が入球できずに落下する様子を指し示し、「電チュー内に球が入らないと5R大当りよ!!」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様なセリフが発せられる演出が実行される。これにより、5ラウンド大当り遊技は普通電動役物28に入球させられなかった際に行われることを遊技者に教示することができる。
【0721】
この後、遊技盤面が画面内に表示され、その遊技盤面内の特殊入賞口27を指し示し、「ココに入れてね!」といった文字情報が表記された画像、及び、左方向を指し示す矢印とともに「左打ちしてください」といった文字情報が表示された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する第1役連作動領域通過要請演出が実行される。これにより、特殊入賞口27に遊技球を入球(入賞)させることで5ラウンド大当り遊技が開始されることを遊技者に教示することができる。また、これまでの遊技中に行っていた遊技球の発射する位置が右打ちから左打ちの仕様に変更されたことを遊技者に教示することができる。
【0722】
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、記憶数表示演出、大当り時停止演出、第1役連作動領域通過要請演出、第2役連作動領域通過要請演出、ゲート通過時演出、大当り開始前演出、普通電動役物作動終了時演出、時短中大当り遊技方法教示演出、大当り中演出、REGULARBONUS演出、BIGBONUS演出、大当り終了時演出、ナイトモード突入演出、お祭りモード突入演出、花火モード突入演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
【0723】
〔演出制御処理〕
図61は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
【0724】
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
【0725】
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド、大当り開始演出コマンド、開放パターンコマンド、大当り終了演出コマンド、高確率状態移行コマンド、時間短縮状態移行コマンド、変動パターン先判定コマンド、普通図柄変動開始コマンド等がある。
【0726】
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は上述した記憶数表示演出や、マーカM1を用いた先読み予告演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0727】
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や結果表示演出の内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において、演出制御CPU126は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後演出等)の演出パターンを選択する。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0728】
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄の作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
【0729】
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
【0730】
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
【0731】
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
【0732】
ステップS412:その他の処理では、例えば演出用に可動体がある場合、演出制御CPU126は可動体の駆動用ICに対して制御信号を出力する。特に図示していないが、可動体は例えばソレノイドやステッピングモータ等の駆動源によって動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行うものである。これらソレノイドやステッピングモータ等の駆動源は、例えば
図5中のパネル電飾基板138に接続することができる。
【0733】
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される作動記憶演出管理処理の内容について説明する。
【0734】
〔作動記憶演出管理処理〕
図62は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
【0735】
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS702を実行しない。
【0736】
ステップS702:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄に対応したマーカM1を表示させる演出を選択する。
【0737】
ステップS704:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS706を実行しない。
【0738】
ステップS706:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄に対応したマーカM1をスライドさせる演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(
図61)に復帰する。
【0739】
〔演出図柄管理処理〕
図63は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
【0740】
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(
図14中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
【0741】
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択する。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
【0742】
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
【0743】
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた結果表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と結果表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、結果表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して結果表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。ただし本実施形態において、小当り時には、はずれと同様か近似した態様で結果表示演出を実行する。
【0744】
なお、この処理中において、演出制御CPU126は、はずれ時において時間短縮状態において所定の変動回数の変動表示を実行し、その後、時間短縮状態から非時短状態(通常状態)に移行する際に、花火モード、お祭りモード、ナイトモードから通常モードに移行する演出を実行する設定を行う。また、上記で説明したように大当り時には第1役連作動領域276又は第2役連作動領域277への遊技球の通過を遊技者に要請する第1役連作動領域通過要請演出又は第2役連作動領域通過要請演出を実行する設定を行う。大当り時についての具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
【0745】
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば、当選種類(当選図柄A〜当選図柄C)、開放パターン(開放パターン1、開放パターン2))に応じて大役中演出の内容を選択する。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。また、「小当り」に該当していた場合、演出制御CPU126は例えばモード移行演出を実行させる制御を行う。
【0746】
〔演出図柄変動前処理〕
図64は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
【0747】
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
【0748】
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
【0749】
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(
図61中のステップS404)、ランプ駆動処理(
図61中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
【0750】
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
【0751】
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
【0752】
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
【0753】
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」〜「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
【0754】
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
【0755】
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当り(5ラウンド大当り、16ラウンド大当り)に該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
【0756】
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」〜「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。ここで決定される演出図柄の種類は、上記の「大当りの組み合わせ」を構成するものである(例えば「6」−「6」−「6」)。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
【0757】
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
【0758】
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」〜「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドに基づいて決まる。
【0759】
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「4」等)を決定する。
【0760】
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
【0761】
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
【0762】
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(
図63中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び結果表示演出が実行されるとともに(演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される(演出実行手段)。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される(演出実行手段)。
【0763】
〔演出図柄停止表示中処理〕
図65は、上記の演出図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
【0764】
ステップS634:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS642を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS636を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
【0765】
ステップS636:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS634:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS640を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS638を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
【0766】
ステップS638:演出制御CPU126は、小当り時停止演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は演出図柄変動表示前処理の小当り時変動演出パターン選択処理(
図64中ステップS608)で決定した「小当り時の図柄の組み合わせ」に基づいた演出図柄の停止表示演出の実行を設定する。
【0767】
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当り(5ラウンド大当り、16ラウンド大当り)に該当した場合、演出制御CPU126はステップS636で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS640を実行する。
【0768】
ステップS640:演出制御CPU126は、大当り時停止演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は大当り確定演出(
図52中(A)、
図56中(N))や、第1役連作動領域通過要請演出(
図52中(B))、第2役連作動領域通過要請演出(
図56中(O))、ゲート通過時演出(
図57中(P)〜
図57中(R))等の演出を実行する設定を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
【0769】
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS634ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS642を実行する。
【0770】
ステップS642:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は演出図柄変動表示前処理のはずれ時変動演出パターン選択処理(
図64中ステップS612)で決定した「はずれ時の図柄の組み合わせ」に基づいた演出図柄の停止表示演出の実行を設定する。
【0771】
以上のステップS638,ステップS640,ステップS642のいずれかの処理の実行を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。その後、大当りであった場合、演出制御CPU126は可変入賞装置作動時処理(
図63中のステップS508)に進む。はずれ時、又は、小当り時であった場合、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(
図63中のステップS502)に進む。
【0772】
〔大当り時停止演出パターン選択処理〕
図66は、大当り時停止演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順例に沿って内容を説明する。
【0773】
ステップS650:演出制御CPU126は、現在の遊技状態が時間短縮状態中であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドとして通常中を表すコマンドが保存されているか否かを確認することで、現在の遊技状態が時間短縮状態中であるか否かを確認する。この確認の結果、現在の遊技状態が時間短縮状態中ではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS654を実行する。一方、現在の遊技状態が時間短縮状態中である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS652を実行する。
【0774】
ステップS652:演出制御CPU126は、普通図柄変動開始コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、普通図柄変動開始コマンドが保存されているか否かを確認することで、そのコマンドを受信したか否かを確認する。すなわち、大当りが確定した後に、遊技球が始動ゲート20を通過したことを契機にした普通図柄の変動表示が開始されたか否かを確認する。この確認の結果、普通図柄変動開始コマンドを受信した場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS658を実行する。一方、普通図柄変動開始コマンドを受信していない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS656を実行する。
【0775】
ステップS654:演出制御CPU126は、第1役連作動領域通過要請演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、予め演出表示制御装置144(VDP152)の画像ROM154に記憶されている大当り確定演出及び第1役連作動領域通過要請演出に関する各種画像データを進行具合に基づいて適宜読み出すことにより大当り確定演出及び第1役連作動領域通過要請演出を実行する設定を行う。同様に、各種ランプ(盤面ランプ等)やBGM、音声データに関する演出内容についても適宜読み出している。
【0776】
例えば、先ず大当り確定演出を実行する設定が行われ、次に第1役連作動領域通過要請演出を実行する設定が行われる。具体的には、「BONUS 確定」といった文字情報が表記された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する大当り確定演出(
図52中(A))を先ず実行する設定が行われる。そして、遊技盤面が画面内に表示され、その遊技盤面内の特殊入賞口27を指し示し、「ココに入れてね!」といった文字情報が表記された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する第1役連作動領域通過要請演出(
図52中(B))を次に実行する設定が行われる。
【0777】
ステップS656:演出制御CPU126は、第2役連作動領域通過要請演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、予め演出表示制御装置144(VDP152)の画像ROM154に記憶されている大当り確定演出及び第2役連作動領域通過要請演出に関する各種画像データを進行具合に基づいて適宜読み出すことにより大当り確定演出及び第2役連作動領域通過要請演出を実行する設定を行う。同様に、各種ランプ(盤面ランプ等)やBGM、音声データに関する演出内容についても適宜読み出している。
【0778】
例えば、先ず大当り確定演出を実行する設定が行われ、次に第2役連作動領域通過要請演出を実行する設定が行われる。具体的には、「BONUS 確定」といった文字情報が表記された画像、及び、右方向を指し示す矢印とともに「右打ちしてください」といった文字情報が表示された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する大当り確定演出(
図56中(N))を先ず実行する設定が行われる。そして、遊技盤面が画面内に表示され、その遊技盤面内の特殊ユニット270の入口に位置する始動ゲート20を指し示し、「ココに入れてね!」といった文字情報が表記された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する第2役連作動領域通過要請演出(
図56中(O))を次に実行する設定が行われる。なお、第2役連作動領域通過要請演出においても右方向を指し示す矢印とともに「右打ちしてください」といった文字情報が表示された画像が表示される。
【0779】
ステップS658:演出制御CPU126は、ゲート通過時演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、予め演出表示制御装置144(VDP152)の画像ROM154に記憶されているゲート通過時演出に関する各種画像データを進行具合に基づいて適宜読み出すことによりゲート通過時演出を実行する設定を行う。同様に、各種ランプ(盤面ランプ等)やBGM、音声データに関する演出内容についても適宜読み出している。
【0780】
例えば、普通電動役物作動説明演出、ボタン押下演出、ボタン押下成功演出等を実行する設定が行われる。具体的には、「ボタン連打チャンス!ハート役物を落下させると電チューがタイミングよく作動するよ!」といった文字情報が表示された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する普通電動役物作動説明演出(
図57中(P))を先ず実行する設定が行われる。そして、「連打開始!!」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様なセリフが発せられ、演出切替ボタン45が押下された様子を表す画像が表示されるボタン押下演出(
図57中(Q))を次に実行する設定が行われる。さらに、普通図柄の変動パターン(変動時間)に対応して、液晶表示器42の手前側に可動体40fを落下させるボタン押下成功演出(
図57中(R))を実行する設定が行われる。なお、ボタン押下成功演出については、普通図柄の変動パターン(変動時間)に対応して実行するか否かが設定され、変動時間が8.5秒に対応する変動パターンの場合、演出の実行が設定され、変動時間が5.5秒に対応する変動パターンの場合、演出の実行は設定されない。
【0781】
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄停止表示中処理(
図65)に復帰する。
【0782】
〔可変入賞装置作動時処理〕
図67は、可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
【0783】
ステップS800:演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであったか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り開始演出コマンドが保存されているか否かを確認する。この確認の結果、今回の変動が大当りであった場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS802を実行する。一方、今回の変動が大当りではなかった場合(No)、演出制御CPU126はステップS804を実行する。なお、今回の変動が大当りであったか否かの確認は、大当り開始演出コマンドの他に抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、停止図柄コマンド等に基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り時リーチ変動に該当していれば、今回の変動が大当りであったと判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動が大当りであったと判定することができる。
【0784】
ステップS802:演出制御CPU126は、大当り時演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は大当り時に実行する演出の設定、例えば、上記で説明した、条件装置が作動してから第1又は第2役連作動領域276、277のいずれかを遊技球が通過するまでに行われる大当り開始前演出、可変入賞装置30が作動を開始して大入賞口が開放される際に実行される大当り中演出、そして、可変入賞装置30が作動を終了してエンディング時間に行われる大当り終了時演出を実行する設定が行われる。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
【0785】
ステップS804:演出制御CPU126は、小当り時演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は小当り時に実行する演出を設定する処理を実行する。
【0786】
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(
図63)に復帰する。
【0787】
〔大当り時演出設定処理〕
図68は、大当り時演出設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
【0788】
ステップS810:演出制御CPU126は、大当り終了演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り終了演出コマンドが保存されているか否かを確認する。この確認の結果、大当り終了演出コマンドを受信した場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS818を実行する。一方、大当り終了演出コマンドを受信していない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS812を実行する。
【0789】
ステップS812:演出制御CPU126は、役連作動領域スイッチコマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、役連作動領域スイッチコマンドが保存されているか否かを確認する。この確認の結果、役連作動領域スイッチコマンドを受信した場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS816を実行する。一方、役連作動領域スイッチコマンドを受信していない場合演出制御CPU126は次にステップS814を実行する。
【0790】
ステップS814:演出制御CPU126は大当り開始前演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は大当り遊技の開始前、すなわち、条件装置が作動してから遊技球がいずれかの役連作動領域を通過するまでに実行する大当り開始前演出を設定する。例えば、大当り時停止演出をそのまま継続する設定や、普通電動役物作動終了時演出(
図59中(R)、
図59中(S))や時短中大当り遊技方法教示演出(
図60中(P)〜
図60中(R))を実行する設定を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。演出制御CPU126は可変入賞装置作動時処理(
図67)に復帰する。
【0791】
ステップS816:演出制御CPU126は大当り中演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は大当り遊技中に実行する演出、例えば、上記で説明したREGULARBONUS演出(
図52中(C)、
図53中(D))、BIGBONUS演出(
図58中(T)、
図58中(U))等を実行する設定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。演出制御CPU126は可変入賞装置作動時処理(
図67)に復帰する。
【0792】
ステップS818:演出制御CPU126は大当り終了時演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は大当り遊技の終了時に実行する演出、例えば、上記で説明したナイトモード突入演出(
図53中(E1))、お祭りモード突入演出(
図53中(E2))、花火モード突入演出(
図53中(E3))を実行する設定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。演出制御CPU126は可変入賞装置作動時処理(
図67)に復帰する。
【0793】
〔大当り開始前演出設定処理〕
図69は、大当り開始前演出設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
【0794】
ステップS830:演出制御CPU126は、第2役連作動領域通過要請演出が現在実行中であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は第2役連作動領域通過要請演出の実行が現在設定されているか否かを確認する。この確認の結果、第2役連作動領域通過要請演出が現在実行中である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS840を実行する。一方、第2役連作動領域通過要請演出が現在実行中ではない場合(No)、すなわち、第1役連作動領域通過要請演出又はゲート通過時演出が現在実行中である場合、演出制御CPU126は次にステップS832を実行する。
【0795】
ステップS832:演出制御CPU126は、ゲート通過時演出が現在実行中であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はゲート通過時演出、すなわち、普通電動役物作動説明演出、ボタン押下演出、ボタン押下成功演出のうちいずれかの演出の実行が現在設定されているか否かを確認する。この確認の結果、ゲート通過時演出が現在実行中である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS834を実行する。一方、ゲート通過時演出が現在実行中ではない場合(No)、すなわち、第1役連作動領域通過要請演出が現在実行中である場合、演出制御CPU126は次にステップS836を実行する。
【0796】
ステップS834:演出制御CPU126は、普通電動役物に関する有効時間が終了したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、普通電動役物の有効時間に関するコマンドが保存されているか否かを確認することで、普通電動役物に関する有効時間が終了したか否かを確認する。この確認の結果、普通電動役物に関する有効時間が終了した場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS838を実行する。一方、普通電動役物に関する有効時間が終了していない場合(No)、すなわち、現在の状態が普通電動役物に関する有効時間内である場合、演出制御CPU126は次にステップS836を実行する。
【0797】
ステップS836:演出制御CPU126は、演出継続設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126はこれまで行われてきた演出を継続して実行する設定をする。
【0798】
例えば、大当り時停止演出から第1役連作動領域通過要請演出が実行されている場合、その第1役連作動領域通過要請演出を継続して実行する設定を行う。具体的には、遊技盤面が画面内に表示され、その遊技盤面内の特殊入賞口27を指し示し、「ココに入れてね!」といった文字情報が表記された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する第1役連作動領域通過要請演出(
図52中(B))を継続して実行する設定が行われる。
【0799】
他にも、大当り時停止演出からゲート通過時演出が実行されている場合、そのゲート通過時演出を継続して実行する設定を行う。なお、ゲート通過時演出は普通電動役物作動説明演出、ボタン押下演出、ボタン押下成功演出から構成されているため、例えば、普通図柄作動説明演出が継続して実行された場合、その普通電動役物作動説明演出が終了後にはボタン押下演出、及び、ボタン押下成功演出(変動時間が8.5秒に対応)を順次実行する設定が行われることとなる。
【0800】
ステップS838:演出制御CPU126は、普通電動役物作動終了時演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、予め演出表示制御装置144(VDP152)の画像ROM154に記憶されている普通電動役物作動終了時演出に関する各種画像データを進行具合に基づいて適宜読み出すことにより普通電動役物作動終了時演出を実行する設定を行う。同様に、各種ランプ(盤面ランプ等)やBGM、音声データに関する演出内容についても適宜読み出している。
【0801】
例えば、先ず普通電動役物作動終了時演出を実行する設定が行われ、次に第1役連作動領域通過要請演出を実行する設定が行われる。具体的には、「残念…5Rよ」といった文字情報が表記された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する大当り中演出(オープニング演出)(
図59中(R))を先ず実行する設定が行われる。そして、そして、遊技盤面が画面内に表示され、その遊技盤面内の特殊入賞口27を指し示し、「ココに入れてね!」といった文字情報が表記された画像、及び、左方向を指し示す矢印とともに「左打ちしてください」といった文字情報が表示された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する第1役連作動領域通過要請演出(
図59中(S))を次に実行する設定が行われる。
【0802】
ステップS840:演出制御CPU126は、時短中大当り遊技方法教示演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、予め演出表示制御装置144(VDP152)の画像ROM154に記憶されている時短中大当り遊技方法教示演出に関する各種画像データを進行具合に基づいて適宜読み出すことにより時短中大当り遊技方法教示演出を実行する設定を行う。同様に、各種ランプ(盤面ランプ等)やBGM、音声データに関する演出内容についても適宜読み出している。
【0803】
例えば、先ず3つの演出から構成された時短中大当り遊技方法教示演出を実行する設定が行われ、次に第1役連作動領域通過要請演出を実行する設定が行われる。具体的には、「時短中の大当りの遊技方法」といった文字情報が表示され、さらに、その遊技盤面内の特殊ユニット270の入口に位置する始動ゲート20及び出口に位置する普通電動役物28を指し示し、「ゲートを通過させると電チューが作動するよ!」といった文字情報が表記された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する1つ目の時短中大当り遊技方法教示演出(
図60中(P))を実行する設定が行われる。そして、遊技盤面内の特殊ユニット270の出口に位置する普通電動役物28内に遊技球が入球する様子を指し示し、「電チュー内に球が入ると16R大当りよ!!」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様なセリフが発せられる2つ目の時短中大当り遊技方法教示演出(
図60中(Q))を実行する設定が行われる。そして、遊技盤面内の特殊ユニット270の出口に位置する普通電動役物28内に遊技球が入球できずに落下する様子を指し示し、「電チュー内に球が入らないと5R大当りよ!!」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様なセリフが発せられる3つ目の時短中大当り遊技方法教示演出(
図60中(R))を実行する設定が行われる。最後に、遊技盤面が画面内に表示され、その遊技盤面内の特殊入賞口27を指し示し、「ココに入れてね!」といった文字情報が表記された画像、及び、左方向を指し示す矢印とともに「左打ちしてください」といった文字情報が表示された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する第1役連作動領域通過要請演出(
図59中(S))を実行する設定が行われる。
【0804】
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は大当り時演出設定処理(
図68)に復帰する。
【0805】
〔大当り中演出設定処理〕
図70は、大当り中演出設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
【0806】
ステップS850:演出制御CPU126は、開放パターンコマンドが開放パターン1に対応するものであるのか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、開放パターン1に対応する開放パターンコマンドが保存されているか否かを確認する。この確認の結果、開放パターンコマンドが開放パターン1に対応するものである場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS854を実行する。一方、開放パターンコマンドが開放パターン1に対応するものではない場合(No)、すなわち、開放パターンコマンドが開放パターン2に対応するものである場合、演出制御CPU126は次にステップS858を実行する。
【0807】
ステップS854:演出制御CPU126は、REGULARBONUS演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、予め演出表示制御装置144(VDP152)の画像ROM154に記憶されているREGULARBONUS演出に関する各種画像データを進行具合に基づいて適宜読み出すことによりREGULARBONUS演出を実行する設定を行う。同様に、各種ランプ(盤面ランプ等)やBGM、音声データに関する演出内容についても適宜読み出している。
【0808】
例えば、可変入賞装置30の開放パターンとして開放パターン1が選択されると、「REGULAR BONUS ROUND1」のラウンド数を表す文字情報が表示され、その後ラウンドが進行する毎にラウンド数の表記を変更するREGULARBONUS演出(
図52中(C)〜
図53中(D))を実行する設定が行われる。
【0809】
ステップS858:演出制御CPU126は、BIGBONUS演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、予め演出表示制御装置144(VDP152)の画像ROM154に記憶されているBIGBONUS演出に関する各種画像データを進行具合に基づいて適宜読み出すことによりBIGBONUS演出を実行する設定を行う。同様に、各種ランプ(盤面ランプ等)やBGM、音声データに関する演出内容についても適宜読み出している。
【0810】
例えば、可変入賞装置30の開放パターンとして開放パターン2が選択されると、先ず、「やったね!16Rよ!」といった文字情報が表記された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発するオープニング演出(
図58中(S))を実行する設定が行われる。そして、「BIG BONUS ROUND1」のラウンド数を表す文字情報が表示され、その後ラウンドが進行する毎にラウンド数の表記を変更するBIGBONUS演出(
図58中(T)〜
図58中(U))を実行する設定が行われる。
【0811】
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は大当り時演出設定処理(
図68)に復帰する。
【0812】
〔大当り終了時演出設定処理〕
図71は、大当り終了時演出設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
【0813】
ステップS870:演出制御CPU126は、停止図柄コマンドは当選図柄Aに対応したものであったか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、停止図柄コマンドの値を参照し、その値が当選図柄Aに対応したものであるか否かを確認することで、停止図柄コマンドは当選図柄Aに対応したものであったか否かを確認する。この確認の結果、停止図柄コマンドは当選図柄Aに対応したものであった場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS876を実行する。一方、停止図柄コマンドは当選図柄Aに対応したものではなかった場合(No)、すなわち、停止図柄コマンドが当選図柄B又は当選図柄Cに対応したものであった場合、演出制御CPU126は次にステップS872を実行する。
【0814】
ステップS872:演出制御CPU126は、停止図柄コマンドは当選図柄Bに対応したものであったか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、停止図柄コマンドの値を参照し、その値が当選図柄Bに対応したものであるか否かを確認することで、停止図柄コマンドは当選図柄Bに対応したものであったか否かを確認する。この確認の結果、停止図柄コマンドは当選図柄Bに対応したものであった場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS878を実行する。一方、停止図柄コマンドは当選図柄Bに対応したものではなかった場合(No)、すなわち、停止図柄コマンドが当選図柄Cに対応したものであった場合、演出制御CPU126は次にステップS880を実行する。
【0815】
ステップS876:演出制御CPU126は、ナイトモード突入演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、予め演出表示制御装置144(VDP152)の画像ROM154に記憶されているナイトモード突入演出に関する各種画像データを進行具合に基づいて適宜読み出すことによりナイトモード突入演出を実行する設定を行う。同様に、各種ランプ(盤面ランプ等)やBGM、音声データに関する演出内容についても適宜読み出している。
【0816】
例えば、「ナイトモード突入」という文字情報といった文字情報が表記された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する演出、及び、夜間のビル街の画像をモチーフとした背景画像に変化させる演出(
図53中(E1))を実行する設定が行われる。
【0817】
ステップS878:演出制御CPU126は、お祭りモード突入演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、予め演出表示制御装置144(VDP152)の画像ROM154に記憶されているお祭りモード突入演出に関する各種画像データを進行具合に基づいて適宜読み出すことによりお祭りモード突入演出を実行する設定を行う。同様に、各種ランプ(盤面ランプ等)やBGM、音声データに関する演出内容についても適宜読み出している。
【0818】
例えば、「お祭りモード突入」という文字情報といった文字情報が表記された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する演出、及び、お祭りをモチーフとした背景画像に変化させる演出(
図53中(E2))を実行する設定が行われる。
【0819】
ステップS880:演出制御CPU126は、花火モード突入演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、予め演出表示制御装置144(VDP152)の画像ROM154に記憶されている花火モード突入演出に関する各種画像データを進行具合に基づいて適宜読み出すことにより花火モード突入演出を実行する設定を行う。同様に、各種ランプ(盤面ランプ等)やBGM、音声データに関する演出内容についても適宜読み出している。
【0820】
例えば、「花火モード突入」という文字情報といった文字情報が表記された画像が表示され、女性キャラクターが同様なセリフを発する演出、及び、花火をモチーフとした背景画像に変化させる演出(
図53中(E3))を実行する設定が行われる。
【0821】
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は大当り時演出設定処理(
図68)に復帰する。
【0822】
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
【0823】
例えば、特別図柄の種類として第1特別図柄の1種類だけを上記で説明したが、さらにもう1種類の第2特別図柄を用いてもよい。具体的には、第2特別図柄用の第2始動入賞口、第2特別図柄表示装置、第2特別図柄作動記憶ランプ等をさらに備え、第2始動入賞口に遊技球が入賞した場合、第1特別図柄と同様の処理、例えば、第2特別図柄用の抽選乱数等の取得、内部抽選の実行、第2特別図柄の変動表示及び停止表示等を実行してもよい。
【0824】
また、その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な設定値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。