特許第6041520号(P6041520)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6041520
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】外装用役物
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/073 20060101AFI20161128BHJP
   E04F 13/08 20060101ALI20161128BHJP
   E04F 19/02 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
   E04F13/08 101Q
   E04F13/08 W
   E04F19/02 Q
   E04F19/02 T
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-94337(P2012-94337)
(22)【出願日】2012年4月18日
(65)【公開番号】特開2013-221345(P2013-221345A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2015年4月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】390018463
【氏名又は名称】アイジー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】本間秀映
【審査官】 五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭59−194438(JP,U)
【文献】 特開2008−208571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/07−13/30
E04F 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直平面上の固定片と略中央部分を屋外側へ突出し嵌合部を形成した敷目板と、複数本の化粧目地が形成された垂直面状の化粧面部の略中央部分の裏面部分に屋内側に突出した係合部をもち前記化粧目地の裏面部分の係合部の根本部分にを形成した化粧キャップの2部材から形成したことを特徴とする外装用役物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建築、構築物に用いる外装材の長手方向の端部を付き合わせて出来るコーナー部(出隅部・入隅部)、縦目地部に使用する外装用役物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に金属板を表面材とし、合成樹脂発泡体を芯材とし、シート状物を裏面材としたサンドイッチ構造の外装材、あるいは無機系の材料からなる外装材を用いて横張り状に壁体を形成した場合には、外装材の長手方向の突き合わせにより目地部が形成され、コーナー部においてはL型の出隅材・入隅材を脳天打ちしたり、敷目板と化粧キャップの2部材の嵌合により形成する方法がある。(例えば、特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−262032号公報
【特許文献2】特開2005−240471号公報
【特許文献3】特開2005−264705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1は化粧面部と裏面側へ突出した係合部を一体に形成したコーナー部構造に係るものであるが、一体に形成するために係合片を複数本形成する必要があり強度に課題があった。また、特許文献2、3の役物は、化粧面に凹状の化粧目地を複数本形成した外装材の意匠性を、外装材のつなぎ目部分で断続することなく形成するために外装用役物の化粧面に凹状に合致した化粧目地を形成したものであり、特許文献1における単板部材(一部材)を加工して成型加工する煩雑さを無くすために、カバー材となる表面部を2部材で形成されているものである。しかしながら、成型・加工は楽になるものの2部材で形成するために被覆材と突起体が分離してしまう危険があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような欠点を解決するために、垂直平面上の固定片と略中央部分を屋外側へ突出し嵌合部を形成した敷目板と、複数本の化粧目地が形成された垂直面状の化粧面部の略中央部分の裏面部分に屋内側に突出した係合部をもち前記化粧目地の裏面部分の係合部の根本部分にを形成した化粧キャップの2部材から形成したことを特徴とする外装用役物を提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
以上説明したように、本発明に係る外装用役物によれば、(1)係合部を連続して形成出来るために強度が向上する。(2)係合部を連続して形成出来るために敷目板との取り付け強度が向上する。(3)化粧キャップを1部材で形成出来るために強度が向上し、コスト削減も図れる。(4)煩雑な成型加工が必要でなくなる。等の特徴、効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る外装用役物に使用する敷目板と化粧キャップの一実施例を示す断面図である。
図2】本発明に係る外装用役物に使用する化粧キャップの一実施例を示す斜視図である。
図3】本発明に係る外装用役物の施工状態を示す断面図である。
図4】本発明に係る外装用役物の施工状態を示す斜視図である。
図5】本発明に係る外装用役物に使用する外装材の一例を示す断面図である。
図6】本発明に係る外装用役物に使用する化粧キャップのその他の実施例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0008】
以下に図面を用いて本発明に係る外装用役物の代表的な実施例について詳細に説明する。図1は本発明に係る外装用役物Aに使用する敷目板Bと化粧キャップCとを示す断面図、図2は化粧キャップCを示す斜視図、図3は外装用役物Aの施工状態を示す断面図、図4は外装用役物Aの施工状態を示す斜視図、図5は外装材Dを示す断面図であり、Aは外装用役物、Bは敷目板、Cは化粧キャップ、Dは外装材、αは壁下地、βは固定具である。
【0009】
さらに詳説すると、外装用役物Aと敷目板Bは金属製薄板材、例えば鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、ガルバリウム鋼板、ホーロー鋼板、クラッド鋼板、ラミネート鋼板(塩ビ鋼板等)、サンドイッチ鋼板(制振鋼板等)、合成樹脂製板材、例えば塩化ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等(勿論、これらを各種色調に塗装したカラー板を含む)の一種をロール成形、プレス成形、切り欠き加工等によって各種形状に成形ものである。
【0010】
敷目板Bは長尺状板材であり、図1(a)に示すように垂直部1と嵌合部4とから形成したものである。さらに詳説すると、垂直部1は垂直平面状の固定片2と、固定片2の先端をはぜ状に屈曲した舌片3とから形成したものである。また、嵌合部4は垂直部1のほぼ中央部分を上方に屈曲して形成した2本のガイド片5と、両ガイド片5の先端を内側方に屈曲し先端を内方に屈曲して断面略U字状の嵌合溝6を形成し、嵌合溝6内に突出した嵌合爪7とから形成したものである。この嵌合部4は後記する化粧キャップCの係合部9を係合する部分である。
【0011】
化粧キャップCは外装材Dの化粧面および断面形状によって定めるものであり、図5に示すような外装材Dを使用して壁体を形成する場合には、図2(a)、(b)(図2(a)を90度右回転した図)に示すような化粧キャップCとなる。
【0012】
さらに詳説すると、化粧キャップCは外装材Dの外装化粧面D1と外装化粧目地D2と同形状に形成した狭い幅の化粧面8aと、化粧面8a間に形成される凹状で水平な化粧目地8bよりなる化粧面部8と、化粧面部8の裏面中央に長手方向に突出した係合部9から形成したものであり、化粧面部8は図3に示すように、外装材Dの端部を被覆し意匠性、防水性を向上する部分である。勿論、化粧目地8bと図5に示す外装材Dの外装化粧目地D2は施工時に合致する部分である。
【0013】
係合部9は化粧面部8の裏面中央に突出可能な位置を略45度で適宜間隔で屈曲した立ち上がり部10と、立ち上がり部10の先端近傍に外側方に突出して形成した係合片11からなり、係合片11は敷目板Bの嵌合爪7に係合され、化粧キャップCを壁下地αに固定するためのものである。また、12aは固定孔であり、固定具βで化粧キャップCに上端を壁下地αに固定するための部分である。なお、化粧面8a間の係合部9側の内面角度は90度以下が好ましい。
【0014】
13はであり、化粧目地8bの裏面部分に形成される係合部9の根となる部分を切り欠いて形成したものである。
【0015】
13は、凹状に加工された化粧目地8bの成型歪が係合9まで影響するのを防止し、連続した係合部9の成型加工を可能にして強度を向上すると共に、成型精度の向上を図
るものであり、係合部9の根元から化粧面部8裏面にかけて形成され、化粧目地8bの幅以上に形成するものである。
【0016】
防水片12は化粧面部8の上端部分をさらに上方に突出して形成したものであり、左右端部部分は外装材D同士の連結溝内に挿入されると共に、中央の上方に突出した部分は目地部間で上下の化粧キャップC間の防水機能を向上する部分である。
【0017】
目地カバー片14は化粧面部8の下端部分を内方に屈曲して形成したものであり、外装材Dの横目地部分を被覆するものである。
【0018】
外装材Dは図5に示すように、外装化粧面D1と外装化粧目地D2を形成した雄雌嵌合構造の長尺状外装材Dであり、金属系サイディング材、窯業系サイディング材、セラミック、等より成形したものである。
【0019】
勿論、化粧キャップCの各面の角部分は鋭角にならないように面取りして形成し、怪我の無いようにするものである。
【0020】
以上説明したのは本発明に係る外装用役物をコーナー部の出隅役物として使用する外装用役物Aについて説明したが、図6(a)、(b)に示すようなY字状の入隅役物、T字状の縦目地用役物を形成することも出来るものである。
【符号の説明】
【0021】
A外装用役物
B敷目板
C化粧キャップ
D外装材
D1外装化粧面
D2外装化粧目地
α壁下地
β固定具
1垂直部
2固定片
3舌片
4嵌合部
5ガイド片
6嵌合溝
7嵌合爪
8化粧面部
8a化粧面
9係合部
10立ち上がり部
11係合片
12防水片
12a固定孔
13
14目地カバー片
図1
図2
図3
図4
図5
図6