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特許6041622印刷文書管理システム、印刷文書管理方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6041622
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】印刷文書管理システム、印刷文書管理方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
   G06F3/12 338
   G06F3/12 347
   G06F3/12 322
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-236803(P2012-236803)
(22)【出願日】2012年10月26日
(65)【公開番号】特開2014-86017(P2014-86017A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年10月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】木村 満夫
【審査官】 田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−242032(JP,A)
【文献】 特開2009−075976(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0182640(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ユーザの印刷文書を独立に管理するための、他のユーザから参照できないようにしたユーザごとの印刷文書リストを用いて、印刷文書を管理する印刷文書管理システムであって、
印刷文書データの入稿リクエストに、当該印刷文書データを譲渡する譲渡先のユーザが指定されているか判別する譲渡文書判別手段と、
前記譲渡文書判別手段で前記譲渡先のユーザが指定されていると判別した場合、前記印刷文書データを識別するための情報と、譲渡元のユーザの情報と、前記譲渡先のユーザの情報とを含む譲渡文書個別情報を、複数のユーザがアクセス可能な譲渡文書リストに追加する第1追加手段と、
印刷文書一覧の取得リクエストを受信した場合、当該印刷文書一覧の取得リクエストを行ったユーザが前記譲渡先のユーザとなっている譲渡文書個別情報を前記譲渡文書リストから検索し、当該検索された譲渡文書個別情報に関する印刷文書データを前記印刷文書一覧の取得リクエストを行ったユーザの印刷文書リストに追加する第2追加手段と、
前記印刷文書一覧の取得リクエストを行ったユーザの印刷文書リストに基づいて、印刷文書一覧を作成する作成手段と、
を有することを特徴とする印刷文書管理システム。
【請求項2】
前記譲渡文書判別手段で前記譲渡先のユーザが指定されていないと判別した場合、前記第1追加手段は、前記印刷文書データを識別するための情報を、前記入稿リクエストを行ったユーザの印刷文書リストに追加することを特徴とする請求項1に記載の印刷文書管理システム。
【請求項3】
前記第2追加手段は、前記検索の結果、当該印刷文書一覧の取得リクエストを行ったユーザが前記譲渡先のユーザとなっている譲渡文書個別情報があった場合、更に、当該検索された譲渡文書個別情報の譲渡元のユーザが、譲渡元として許可するユーザを予め登録した譲渡受付許可リストに登録されているか判断し、登録されていると判断した場合に、当該検索された譲渡文書個別情報に関する印刷文書データを前記印刷文書一覧の取得リクエストを行ったユーザの印刷文書リストに追加することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の印刷文書管理システム。
【請求項4】
前記第2追加手段は、当該検索された譲渡文書個別情報の譲渡元のユーザが前記譲渡受付許可リストに登録されていないと判断した場合、当該検索された譲渡文書個別情報に関する印刷文書データを前記印刷文書一覧の取得リクエストを行ったユーザの印刷文書リストに追加しないことを特徴とする請求項3に記載の印刷文書管理システム。
【請求項5】
前記第2追加手段は、前記検索の結果、当該印刷文書一覧の取得リクエストを行ったユーザが前記譲渡先のユーザとなっている譲渡文書個別情報が無かった場合、追加を行わず、
前記作成手段は、前記第2追加手段による追加が行われていない前記印刷文書一覧の取得リクエストを行ったユーザの印刷文書リストに基づいて、印刷文書一覧を作成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷文書管理システム。
【請求項6】
前記印刷文書データの入稿リクエストに含まれるアクセストークンが正当かどうかを、認証サーバに問い合わせる問合せ手段と、
当該問合せ手段による問合せ結果に基づいて、前記入稿リクエストを行ったユーザが特定されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の印刷文書管理システム。
【請求項7】
前記印刷文書一覧の取得リクエストに含まれるアクセストークンが正当かどうかを、認証サーバに問い合わせる第2問合せ手段と、
当該第2問合せ手段による問合せ結果に基づいて、前記印刷文書一覧の取得リクエストを行ったユーザが特定されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の印刷文書管理システム。
【請求項8】
前記譲渡文書判別手段で前記譲渡先のユーザが指定されていると判別した場合、前記第1追加手段は、前記印刷文書データを識別するための情報と、譲渡元のユーザの情報と、前記譲渡先のユーザの情報とを含む譲渡文書個別情報を、複数のユーザがアクセス可能な譲渡文書リストに追加するとともに、当該印刷文書データの譲渡履歴を履歴リストに追加することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の印刷文書管理システム。
【請求項9】
前記印刷文書の印刷リクエストを受信した場合、当該印刷リクエストで指定された印刷文書を、印刷先として指定されたプリンタが解釈可能な印刷データに変換して保持し、前記プリンタからの要求に応じて、該印刷データを該プリンタに送信する送信手段を、更に有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の印刷文書管理システム。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の印刷文書管理システムの各手段として機能させるためのコンピュータプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のコンピュータプログラムを格納した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項12】
各ユーザの印刷文書を独立に管理するための、他のユーザから参照できないようにしたユーザごとの印刷文書リストを用いて、印刷文書を管理するシステムによる印刷文書管理方法であって、
譲渡文書判別手段が、印刷文書データの入稿リクエストに、当該印刷文書データを譲渡する譲渡先のユーザが指定されているか判別する譲渡文書判別ステップと、
第1追加手段が、前記譲渡文書判別ステップで前記譲渡先のユーザが指定されていると判別した場合、前記印刷文書データを識別するための情報と、譲渡元のユーザの情報と、前記譲渡先のユーザの情報とを含む譲渡文書個別情報を、複数のユーザがアクセス可能な譲渡文書リストに追加する第1追加ステップと、
第2追加手段が、印刷文書一覧の取得リクエストを受信した場合、当該印刷文書一覧の取得リクエストを行ったユーザが前記譲渡先のユーザとなっている譲渡文書個別情報を前記譲渡文書リストから検索し、当該検索された譲渡文書個別情報に関する印刷文書データを前記印刷文書一覧の取得リクエストを行ったユーザの印刷文書リストに追加する第2追加ステップと、
作成手段が、前記印刷文書一覧の取得リクエストを行ったユーザの印刷文書リストに基づいて、印刷文書一覧を作成する作成ステップと、
を有することを特徴とする印刷文書管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各ユーザの印刷文書を独立に管理するための、他のユーザから参照できないようにしたユーザごとの印刷文書リストを用いて、印刷文書を管理する印刷文書管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷対象にされた文書データと、印刷先のプリンタとを管理する印刷文書管理システムが知られている。印刷文書管理システムは、ユーザアプリケーションや、他の文書管理システムから文書データを受け取り、印刷文書情報を作成して、文書データに紐づけて保持する。印刷文書管理システムは、ユーザからの印刷実行リクエストに従い、印刷処理を実行して、印刷処理の結果を印刷文書情報に反映する。
【0003】
また、特許文献1では、サーバで管理されている文書の印刷権利を、第1の端末から第2の端末に譲渡する技術について開示している。この特許文献1では、第1の端末から印刷権利譲渡要求がサーバに送られると、該サーバは印刷用パスワードを発行して、該印刷用パスワードを含む印刷権利譲渡通知を、譲渡先となる第2の端末に送信する。第2の端末は、受信した印刷権利譲渡通知に基づいて印刷権利データを作成し、その印刷権利データを用いることによりサーバで管理されている文書の印刷を行えるようになる。すなわち、サーバで管理されている文書は全ての端末からアクセスできるようになっており、印刷権利データを有している端末であれば印刷できるような仕組みとなっている。
【0004】
一方、近年、インターネットの普及、ネットワークの高速化によって、ソフトウェアで提供されていた機能が、インターネット上のサービスとして提供されるケースが増えている。このようなサービスのバックエンドとして、印刷文書管理システムが存在するケースも考えられる。インターネット上でのサービスは、複数のテナント(企業などの契約の単位)に対して提供される。このように複数のテナントにサービスが提供される場合、各テナントのユーザ管理は、インターネット上に設けられた認証サービスによって行われる。
【0005】
インターネット上で印刷サービスを提供する場合、認証サービスで管理されるユーザ情報に関連づけて、印刷文書もユーザごとに管理する必要がある。とくに、不特定多数のユーザを想定したインターネット上の印刷サービスでは、よりセキュリティ面を強化する必要がある。したがって、各ユーザの印刷文書を管理するためのリストは、ユーザごとに完全に独立し、他のユーザから参照できないようにアクセス制御される。
【0006】
一方で、このようなユーザごとの印刷文書のリストは完全に独立し、アクセス権が管理されているようなセキュリティの厳しいシステムにおいて、印刷文書自体を、他のユーザに譲渡したい、というユースケースも存在する。すなわち、印刷文書の所有者を、譲渡元ユーザから譲渡先ユーザに変更するようにしたい場合がある。しかしながら、このようなセキュリティの厳しいシステムをバックエンドにもつ印刷サービスにおいては、ユーザ間で印刷文書の譲渡を実現することは容易ではない。例えば、ユーザAはユーザBの印刷文書リストに直接アクセスすることはできないので、ユーザAは印刷文書をユーザBの印刷文書リストに直接譲渡することはできない。また、ユーザBもユーザAの印刷文書リストに直接アクセスする権限がないので、ユーザBがユーザAの印刷文書リストから印刷文書を直接取得することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−134811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、ユーザごとに印刷文書のリストが完全に独立し、アクセス権が管理されているインターネット上の印刷サービスにおいて、ユーザ間で印刷文書を譲渡する(印刷文書の所有者を変更する)ための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の印刷文書管理システムは、各ユーザの印刷文書を独立に管理するための、他のユーザから参照できないようにしたユーザごとの印刷文書リストを用いて、印刷文書を管理する印刷文書管理システムであって、印刷文書データの入稿リクエストに、当該印刷文書データを譲渡する譲渡先のユーザが指定されているか判別する譲渡文書判別手段と、前記譲渡文書判別手段で前記譲渡先のユーザが指定されていると判別した場合、前記印刷文書データを識別するための情報と、譲渡元のユーザの情報と、前記譲渡先のユーザの情報とを含む譲渡文書個別情報を、複数のユーザがアクセス可能な譲渡文書リストに追加する第1追加手段と、印刷文書一覧の取得リクエストを受信した場合、当該印刷文書一覧の取得リクエストを行ったユーザが前記譲渡先のユーザとなっている譲渡文書個別情報を前記譲渡文書リストから検索し、当該検索された譲渡文書個別情報に関する印刷文書データを前記印刷文書一覧の取得リクエストを行ったユーザの印刷文書リストに追加する第2追加手段と、前記印刷文書一覧の取得リクエストを行ったユーザの印刷文書リストに基づいて、印刷文書一覧を作成する作成手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
各ユーザの印刷文書を独立に管理するための、他のユーザから参照できないようにしたユーザごとの印刷文書リストを用いて、印刷文書を管理する印刷文書管理システムにおいて、印刷文書を譲渡する機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】印刷文書管理システムの全体構成を示す図である。
図2】クライアント端末、サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】プリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】(A)認証サーバおよび(B)リクエスト受付サーバの構成図である。
図5】(A)印刷文書管理サーバおよび(B)印刷サーバの構成図である。
図6】印刷文書データ保存サーバの構成図を示した図である。
図7】ユーザ情報を示した図である。
図8】印刷文書情報を示した図である。
図9】印刷文書データの入稿リクエストを受信した際の処理の流れを示す図である。
図10】印刷文書一覧取得リクエストを受信した際の処理の流れを示す図である。
図11】印刷リクエストを受けて印刷処理を行う処理の流れを示す図である。
図12】印刷文書データの入稿リクエストを受信した際の処理の流れを示す図である。
図13】印刷文書一覧取得リクエストを受信した際の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、本実施形態の前提となる印刷文書管理システムについて説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る印刷文書管理システムの全体構成を示す図である。図1において、101は、企業などのイントラネット内のシステムであることを示す。クライアント端末110、プリンタ111は、不図示の通信回線を介して接続されている。図1において、クライアント端末110、プリンタ111は、複数台接続されていることを仮定している。
【0014】
102は、データセンターに設けられた印刷文書管理システムであることを示す。リクエスト受付サーバ121、認証サーバ122、印刷文書データ保存サーバ124、印刷文書管理サーバ123、印刷サーバ125は、不図示の通信回線を介して接続されている。
【0015】
通信回線は、例えば、LAN、WAN、電話回線、専用デジタル回線、ATMやフレームリレー回線、ケーブルテレビ回線、データ放送用無線回線等のいずれか又はこれらの組み合わせにより実現される、いわゆる通信ネットワークである。通信回線は、データの送受信が可能であればよく、クライアント端末110、プリンタ111、及び各サーバ間の通信手段が異なっていてもよい。
【0016】
103もデータセンターに設けられた他のシステムであるが、印刷文書管理システム102とデータセンターが同じでも、異なっていてもよい。他システム103は、クライアント端末110からの指示に基づいて、印刷文書管理システム102に印刷文書を投入するようなサービスであることを想定している。
【0017】
101、102、103は、インターネット104を介して接続されている。
【0018】
クライアント端末110は、例えば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、モバイルパソコン、PDA(パーソナルデータアシスタント)、プログラムの実行環境が内蔵された携帯電話(スマートフォン等)であってもよい。
【0019】
プリンタ111は、ネットワークに接続が可能な印刷機能を備えたデバイス(例えば、レーザープリンタ、MFP等)である。
【0020】
リクエスト受付サーバ121は、クライアント端末110あるいはプリンタ111からのリクエストを受信し、レスポンスを返す。
【0021】
認証サーバ122は、OpenIDなどの認証プロトコルをサポートし、印刷システムにアクセスするユーザの情報を管理する。認証サーバ122は、クライアント端末110からのリクエストを受けてユーザ認証を行い、アクセストークンを発行する。また、リクエスト受付サーバ121からの問い合わせを受けて、アクセストークンの正当性を検証する。
【0022】
印刷文書データ保存サーバ124は、SMBなどのファイル共有プロトコルに対応したファイルサーバ、あるいはSAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)やNAS(ネットワーク・アタッチド・ストレージ)など、ネットワークに直接、接続することが可能なストレージである。印刷文書データ保存サーバ124は、印刷文書情報に紐づく印刷文書データを保持する。
【0023】
印刷文書管理サーバ123は、印刷文書データ保存サーバ124に保存された印刷文書データに関連付けられた情報(印刷文書情報)を管理する。
【0024】
印刷サーバ125は、印刷リクエストを受けて、印刷文書データ保存サーバ124に保存された印刷文書データを読み出し、プリンタ111が解釈可能な形式に変換する。
【0025】
図2は、クライアント端末110、リクエスト受付サーバ121、認証サーバ122、印刷文書データ保存サーバ124、印刷文書管理サーバ123、印刷サーバ125の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【0026】
図2において、CPU21、RAM22、ROM23、LANアダプタ24、ビデオアダプタ25、入力部(キーボード)26、入力部(マウス)27、ハードディスク28、及びCD−ROMドライブ29は、それぞれシステムバス20を介して互いに接続されている。システムバス20は、例えば、PCIバス、AGPバス、及びメモリバス等から成る。なお、図2では、各バス間の接続用チップやキーボードインタフェース、いわゆるSCSIやATAPIのような入出力用インタフェースの記載は省略されている。
【0027】
CPU21は、オペレーションシステムのプログラムやアプリケーションプログラムに基づく四則演算、比較演算等の各種の演算やハードウェアの制御を行う。RAM22は、ハードディス28や、CD−ROMドライブ29に装着されたCD−ROM等の記憶媒体から読み出されたOSのプログラムやアプリケーションプログラム等を実行する際に利用される。これらのプログラムはCPU21により実行される。
【0028】
ROM23には、オペレーションシステムと協働してハードディスク28等へのデータの入出力を制御する、いわゆるBIOS等が記憶される。LANアダプタ24は、CPU21によって制御されるオペレーションシステムの通信プログラムと協働してネットワークを介して接続された外部装置との通信を行う。ビデオアダプタ25は、ディスプレイ装置に出力する画像信号を生成する。キーボード26やマウス27はユーザからの指示を入力するためのユーザインタフェースである。
【0029】
ハードディスク28は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラム(例えば、本発明における印刷システムプログラム等)を記憶している。
【0030】
CD−ROMドライブ29は、CD−ROM、CD−R、及びCD−R/W等の記憶媒体を装着してアプリケーションプログラムをハードディスク28にインストールするのに用いられる。なお、その他の光学式ドライブ(CD−Rドライブ、DVDドライブ、BDドライブ等)を用いてもよいのは言うまでもない。
【0031】
図3は、プリンタ111の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。図3において、CPU31、RAM32、ROM33、LANアダプタ34、プリンタエンジン35、ハードディスク36、操作パネル37、及びICカード読取部38は、それぞれシステムバス30を介して互いに接続されている。システムバス30は、例えば、PCIバス、AGPバス、及びメモリバス等から成る。なお、図3では、各バス間の接続用チップやキーボードインタフェース、いわゆるSCSIやATAPIのような入出力用インタフェースの記載は省略されている。
【0032】
CPU31は、RAM32をワークメモリとして、ハードディスク36等に格納されたソフトウェアを実行する。また、操作パネル37から入力されるユーザの指示に応じて、プリンタ111の動作を設定する。また、CPU31は、LANアダプタ34を介して、外部の機器から入力される印刷データに基づき画像データを生成し、プリンタエンジン35に供給して印刷を行う。ROM33には、ハードディスク36等へのデータの入出力を制御する、いわゆるBIOS等が記憶される。
【0033】
図4〜6は、本システムを構成する各サーバの構成図である。本実施形態では、各サーバのCPUが各プログラムを実行することにより、それぞれの処理部として機能するものとするが、その一部を電子回路等のハードウェアで実現するようにしても構わない。
【0034】
図4の(A)は、認証サーバ122の構成図である。認証サーバ122は、ユーザ情報411を保持する。クライアント端末101から認証リクエストを受け付け、ユーザ情報411に従って認証を行い、アクセストークンを発行する認証部301備える。また、認証サーバ122は、アクセストークンを受け取り、正当性を検証するアクセストークン検証部412を備える。
【0035】
図4の(B)は、リクエスト受付サーバ121の構成図である。リクエスト受付サーバ121は、クライアント端末101からのリクエストを受け付けるリクエスト受信部402、認証サーバ122にアクセストークンの検証を依頼する認証サーバ問い合わせ部403、クライアント端末101へのレスポンスを送信するレスポンス送信部404を備える。
【0036】
図5の(A)は、印刷文書管理サーバ123の構成図を示した図である。印刷文書管理サーバ123は、印刷文書データ保存サーバ124に保存された印刷文書データに関連付けられた印刷文書情報511を保持する。文書管理サーバ123は、印刷文書情報511を管理する印刷文書管理部501、認証サーバ122から取得したユーザ情報からユーザが所属するテナントを特定するテナント特定部502、ユーザを特定するユーザ特定部503を備える。また、文書管理サーバ123は、入稿された印刷文書が譲渡対象であるかどうかを判断する譲渡文書判別部504を備える。
【0037】
図5の(B)は、印刷サーバ125の構成図である。印刷サーバ125は、プリンタ102を管理する印刷装置情報531を保持する。印刷サーバ125は、印刷装置情報531を管理する印刷装置管理部521、印刷文書管理サーバ123から印刷要求を受信する印刷要求受信部522を備える。また、印刷サーバ125は、印刷文書データ保存サーバ124に保存された印刷文書データを読み出してプリンタ111が解釈可能な形式に変換する印刷処理部523を備える。
【0038】
図6は、印刷文書データ保存サーバ124の構成図である。印刷文書データ保存サーバ124は、印刷文書データ611を保持する。
【0039】
図7は、認証サーバ122が保持するユーザ情報411の詳細を示した図である。ユーザ情報411は、ユーザリスト701を含む。ユーザリスト701は、各ユーザのユーザID、パスワード、テナントIDを含むユーザ個別情報702のリストである。
【0040】
図8は、印刷文書管理サーバ123が保持する印刷文書情報511の詳細を示した図である。印刷文書情報511は、テナントリスト801を含む。テナントリスト801は、各テナントについての、テナントID、オーナーリスト(印刷文書を入稿したユーザを印刷文書のオーナーと呼ぶ)、譲渡文書リストを含むテナント個別情報802によって構成されるリストである。オーナーリストは、各オーナーについての、オーナーID(言い換えれば、印刷文書を入稿したユーザID)、印刷文書リスト、譲渡受付許可リストを含むオーナー個別情報803によって構成されるリストである。印刷文書リストは、各印刷文書についての、印刷文書ID、ドキュメント名、受付日時、ページ数、印刷回数、ステータスを含む印刷文書個別情報804によって構成されるリストである。また、テナント個別情報802に含まれる譲渡文書リストは、各譲渡文書についての、印刷文書ID、ドキュメント名、受付日時、ページ数、印刷回数、ステータス、譲渡元ユーザ名、譲渡先ユーザ名を含む譲渡文書個別情報805によって構成されるリストである。また、オーナー個別情報803に含まれる譲渡受付許可リストは、譲渡を受け付けるユーザ名を含む譲渡受付許可個別情報806によって構成されるリストである。
【0041】
図9〜11は、本実施形態の印刷文書管理システムが行う処理の流れを示す図である。
【0042】
図9は、本実施形態の印刷文書管理システムが、他システム103(例えば、帳票の作成を行う帳票サービス等)から印刷文書データ(例えば、帳票をPDF化した文書等)の入稿リクエストを受信した際の処理の流れを示す図である。例えば、他システム103は、クライアント端末110のユーザ(例えばユーザA)からの帳票作成指示に基づいて帳票文書を作成し、当該作成した文書を印刷文書データとして印刷文書管理システムに入稿リクエストの送信処理を開始する。ここで、他システム103と印刷文書管理システム102は、ユーザ認証において連携していることが前提となる。
【0043】
他システム103は、認証サーバ122に対してユーザ名(例えば、帳票サービスを依頼したユーザのユーザ名が「ユーザA」であったとする)、およびパスワードを送信して認証を行い、印刷文書管理システムにアクセスするために必要なアクセストークンを取得する(911)。アクセストークンは、認証サーバ122が管理するユーザ情報に関連付けられている。その後、他システム103は、印刷文書データの入稿リクエストをリクエスト受付サーバ121に送信する(910)。その入稿リクエストには、印刷文書データとそれに関連付けられた情報、および、認証サーバ122から取得したアクセストークンが含まれる。
【0044】
入稿リクエストを受信したリクエスト受付サーバ121は、入稿リクエストに含まれるアクセストークンが正当かどうかを認証サーバ122に問い合わせる(912)。認証サーバ122は、アクセストークンの正当性を検証し、正当であれば、リクエスト受付サーバ121に、アクセストークンに関連付けられたユーザ情報を送信する(912)。例えば、アクセストークンに関連付けられたユーザAのユーザ情報が送信される。なお、アクセストークンが正当でなければエラーが送信される。リクエスト受付サーバ121は、認証サーバ122からアクセストークンに関連付けられたユーザ情報を受信した場合、入稿リクエストと当該受信したユーザ情報とを印刷文書管理サーバ123に送信する(913)。
【0045】
印刷文書管理サーバ123は、入稿リクエストに譲渡先ユーザの指定があるかどうかを判断し、指定がなければ、「ユーザA」の印刷文書リスト901に入稿された印刷文書を追加する。印刷文書リストは、ユーザごとに存在し、対応するユーザ情報がなければアクセスできないように印刷文書管理サーバ123によってアクセス制御されている。つまり、「ユーザA」の印刷文書リスト901にアクセスするためには、ユーザAのユーザ情報が必要であり、ユーザ情報を取得するためには、認証サーバからユーザ情報に関連付けられたアクセストークンを取得する必要がある。ユーザBの場合も同様である。
【0046】
ここでは、譲渡先ユーザとして「ユーザB」が指定されていたものとする。ユーザAのユーザ情報を用いてユーザBの印刷文書リスト902にアクセスすることはできないので、その場合、図8のテナント個別情報802に含まれる譲渡文書リスト903に印刷文書を追加する(914)。譲渡文書リスト903は、テナント内のすべてのユーザがアクセスできるように、印刷文書管理サーバ123によってアクセス制御されている。ここで、ユーザA、ユーザBは、同一のテナント(921)に所属し、譲渡文書リスト903はテナントごとに存在するものとする。なお、譲渡文書リスト903に登録される譲渡文書個別情報には、当該入稿リクエストされた印刷文書データの印刷文書IDと、譲渡元ユーザ名(入稿リクエストを行ったユーザA)、譲渡先ユーザ名(ユーザB)が含まれている。
【0047】
更に、印刷文書管理サーバ123は、印刷文書データ保存サーバ124に入稿リクエストされた印刷文書データを保存する(915)。
【0048】
図10は、本実施形態の印刷文書管理システムが、クライアント端末110から送信される印刷文書一覧取得リクエストを受信する際の処理の流れを示す図である。
【0049】
クライアント端末110は、認証サーバ122に対してユーザ名(仮に「ユーザB」とする)、パスワードを送信して認証を行い、印刷文書管理システムにアクセスするために必要なアクセストークンを取得する(1012)。クライアント端末110は、印刷文書一覧取得リクエストをリクエスト受付サーバ121に送信する(1010)。印刷文書一覧取得リクエストには、認証サーバ122から取得したアクセストークン(ユーザBのアクセストークン)が含まれる。
【0050】
クライアント端末110からの印刷文書一覧取得リクエストを受信したリクエスト受付サーバ121は、印刷文書一覧取得リクエストに含まれるアクセストークンが正当かどうかを認証サーバ122に問い合わせる(1015)。認証サーバ122は、アクセストークンの正当性を検証し、正当であれば、リクエスト受付サーバ121に、アクセストークンに関連付けられたユーザ情報を送信する(1015)。例えば、アクセストークンに関連付けられたユーザBのユーザ情報が送信される。リクエスト受付サーバ121は、認証サーバ122からアクセストークンに関連付けられたユーザ情報を受信した場合、印刷文書一覧取得リクエストと当該受信したユーザ情報とを印刷文書管理サーバ123に送信する(1013)。
【0051】
印刷文書管理サーバ123は、図8のテナント個別情報802に含まれる譲渡文書リスト903を検索し、譲渡先が「ユーザB」に指定されている譲渡文書個別情報があるかどうかを確認する(1023)。譲渡先が「ユーザB」の譲渡文書が見つかった場合は、更に、「ユーザB」の譲渡受付許可リスト1002(図8のオーナー個別情報803に含まれる)内に、その譲渡文書の譲渡元ユーザである「ユーザA」が含まれているかどうかを確認する(1025)。「ユーザB」の譲渡受付許可リスト1002に「ユーザA」が含まれていると確認できたら、「ユーザB」の印刷文書リスト902にその譲渡文書の印刷文書情報を追加し(1021)、譲渡文書リスト903からその譲渡文書個別情報を削除する(1024)。一方、「ユーザB」の譲渡受付許可リスト1002に譲渡元ユーザである「ユーザA」が含まれていないと判定した場合、その譲渡文書は「ユーザB」の印刷文書リスト902に追加されない。譲渡受付許可リストを用いることによって、譲渡元として許可するユーザを予め指定しておくことができるので、身元不明のユーザからの文書の譲渡を自動的に拒否することができるようになる。
【0052】
譲渡文書リストに保存されている譲渡文書の確認が終わった後、印刷文書管理サーバ123は、「ユーザB」の印刷文書リスト902から印刷文書一覧を作成し(1022)、リクエスト受付サーバ121に送信する(1014)。そして、リクエスト受付サーバ121は、印刷文書一覧取得リクエストのレスポンスとして、当該受信した印刷文書一覧をクライアント端末110に送信する(1011)。
【0053】
図11は、本実施形態の印刷文書管理システムが、クライアント端末110から送信される印刷リクエストを受けて印刷処理を行う際の処理の流れを示す図である。クライアント端末110は、図10で送信された印刷文書一覧の中からユーザにより選択された文書の印刷処理を実行させるための印刷リクエストを送信する。
【0054】
クライアント端末110は、認証サーバ122に対してユーザ名、パスワードを送信して認証を行い、印刷文書管理システムにアクセスするために必要なアクセストークンを取得する(1115)。クライアント端末110は、印刷リクエストをリクエスト受付サーバ121およびプリンタ111に送信する(1114、1113)。クライアント端末110からリクエスト受付サーバ121に送信する印刷リクエストには、印刷対象としてユーザにより指定された文書の印刷文書ID、印刷先プリンタ名、(部数や両面などの)印刷属性、認証サーバ122から取得したアクセストークンが含まれる。また、プリンタ111に送信する印刷リクエストには、印刷文書IDが含まれる。
【0055】
クライアント端末110からの印刷リクエストを受信したリクエスト受付サーバ121は、その印刷リクエストに含まれるアクセストークンが正当かどうかを認証サーバ122に問い合わせる(1116)。認証サーバ122は、アクセストークンの正当性を検証し、正当であれば、リクエスト受付サーバ121に、アクセストークンに関連付けられたユーザ情報を送信する(1116)。リクエスト受付サーバ121は、認証サーバ122からアクセストークンに関連付けられたユーザ情報を受信した場合、印刷リクエストと当該受信したユーザ情報とを印刷文書管理サーバ123に送信する(1117)。
【0056】
印刷文書管理サーバ123は、リクエスト受付サーバ121から受信した印刷リクエストとユーザ情報とを、印刷サーバ125に送信する(1118)。印刷サーバ125は、印刷リクエストに含まれる印刷文書IDに関連付けられた印刷文書データを印刷文書データ保存サーバ124にリクエストし(1119)、印刷文書データ保存サーバ124からその印刷文書データを取得する(1120)。印刷サーバ125は、当該取得した印刷文書データを、印刷先に指定されたプリンタ111が解釈可能な印刷データに変換して保持する。一方、クライアント端末110から印刷リクエストを受信したプリンタ111は、当該印刷リクエストに含まれる印刷文書IDを印刷サーバ125に送信(1112)する。印刷サーバ125は、プリンタから受信した印刷文書IDに対応する印刷データをプリンタに送信(1111)して、印刷を実行させる。
【0057】
図12は、図9において、リクエスト受付サーバ121、印刷文書管理サーバ123が行う処理の流れを示すフローチャートである。ステップS1201で、リクエスト受付サーバ121のリクエスト受信部402は、他システムからの印刷文書入稿リクエストを受信する。ステップS1202で、リクエスト受付サーバ121の認証サーバ問い合わせ部403は、認証済みのユーザからのリクエストかどうか(リクエストに含まれるアクセストークンが正当かどうか)を認証サーバ122に問い合わせる。
【0058】
認証サーバ122に問い合わせた結果、認証サーバ問い合わせ部403が、ステップS1203において、認証済みのユーザでない(リクエストに含まれるアクセストークンが不正)と判断した場合、ステップS1209に進む。ステップS1209において、リクエスト受付サーバ121のレスポンス送信部404は、エラーレスポンスをリクエストの応答として他システムに送信して終了する。一方、ステップS1203で、認証済みのユーザである(リクエストに含まれるアクセストークンが正当)と判断した場合、リクエスト受付サーバ121は入稿リクエストと当該認証されたユーザ情報とを印刷文書管理サーバ123に送信する。
【0059】
そして、ステップS1204で、印刷文書管理サーバ123のテナント特定部502は、該ユーザ情報に含まれるテナントIDを用いて、図8のテナントリスト801を検索することにより、リクエストしたユーザのテナント個別情報802を特定する。
【0060】
ステップS1205で、印刷文書管理サーバ123の譲渡文書判別部504は、入稿リクエストに譲渡先ユーザの指定が含まれているかどうかを判断する。譲渡先ユーザが指定されていると判断した場合は、ステップS1208で、図8の譲渡文書個別情報805を作成し、当該作成した譲渡文書個別情報805をテナント個別情報802に含まれる譲渡文書リストに追加し、ステップS1210へ進む。一方、ステップS1205で譲渡先ユーザが指定されていないと判断した場合、印刷文書管理サーバ123のユーザ特定部503は、ステップS1206で、テナント個別情報802に含まれるオーナーリストを検索することにより、当該入稿リクエストの指示を行ったユーザのオーナー個別情報803を特定する。ステップS1207で、印刷文書管理サーバ123の印刷文書管理部501は、入稿リクエストに基づいて図8の印刷文書個別情報804を作成して、オーナー個別情報803に含まれる印刷文書リストに当該作成した印刷文書個別情報804を追加し、ステップS1210へ進む。ステップS1210で、印刷文書管理サーバ123の印刷文書管理部501は、リクエストに含まれる印刷文書データを印刷文書データ保存サーバ124に保存する。
【0061】
図13は、図10において、リクエスト受付サーバ121、印刷文書管理サーバ123が行う処理の流れを示すフローチャートである。ステップS1301で、リクエスト受付サーバ121のリクエスト受信部402は、クライアント端末110からの印刷文書一覧取得リクエストを受信する。ステップS1302で、リクエスト受付サーバ121の認証サーバ問い合わせ部403は、認証済みのユーザからのリクエストかどうか(リクエストに含まれるアクセストークンが正当かどうか)を認証サーバ122に問い合わせる。
【0062】
認証サーバ122に問い合わせた結果に基づいて、ステップS1303で、認証サーバ問い合わせ部403が、認証済みでない(リクエストに含まれるアクセストークンが不正)と判断した場合、ステップS1308に進む。ステップS1308で、クエスト受付サーバ121のレスポンス送信部404は、エラーレスポンスを当該リクエストの応答として送信して終了する。一方、ステップS1303で、認証サーバ問い合わせ部403が、認証済みのユーザである(リクエストに含まれるアクセストークンが正当)と判断した場合、リクエスト受付サーバ121は印刷文書一覧取得リクエストと当該認証されたユーザ情報とを印刷文書管理サーバ123に送信する。
【0063】
そして、ステップS1304で、印刷文書管理サーバ123のテナント特定部502は、該ユーザ情報に含まれるテナントIDを用いて、図8のテナントリスト801を検索することにより、リクエストしたユーザのテナント個別情報802を特定する。
【0064】
印刷文書管理サーバ123の印刷文書管理部501は、ステップS1305で、テナント個別情報802に含まれる譲渡文書リストを検索し、ステップS1306で、ユーザ情報に含まれるユーザ名が譲渡先ユーザ名と一致する譲渡文書個別情報805があるかどうかを判断する。ステップS1306で、ユーザ情報に含まれるユーザ名に一致する譲渡先ユーザ名を有する譲渡文書個別情報805がないと印刷文書管理部501で判断した場合、ステップS1313へ進む。一方、ステップS1306で、ユーザ情報に含まれるユーザ名に一致する譲渡先ユーザ名を有する譲渡文書個別情報805があると印刷文書管理部501で判断した場合、ステップS1307に進む。
【0065】
ステップS1307で、印刷文書管理サーバ123のユーザ特定部503は、テナント個別情報802に含まれるオーナーリストを検索することにより、当該印刷文書一覧取得リクエストを行ったユーザのオーナー個別情報803を特定する。ステップS1309で、印刷文書管理部501は、当該特定したオーナー個別情報803に含まれる譲渡受付許可リスト内に、ステップS1306で検出された譲渡文書個別情報805の譲渡元ユーザ名が含まれているかを検索する。S1310で、印刷文書管理部501は、ステップS1306で検出された譲渡文書個別情報805の譲渡元ユーザ名と一致するユーザ名を含む譲渡受付許可個別情報806が譲渡受付許可リスト内にあると判断した場合はS1311に進み、無いと判断した場合はステップS1313へ進む。
【0066】
ステップS1311で、印刷文書管理部501は、その譲渡文書に関する印刷文書個別情報804を作成して、オーナー個別情報803に含まれる印刷文書リストに追加する。そして、ステップS1312で、印刷文書管理部501は、ステップS1306で検出された譲渡文書個別情報805を譲渡文書リストから削除し、ステップS1313へ進む。ステップS1313で印刷文書管理部501は、印刷文書リスト902から印刷文書一覧を作成し、前記リクエスト受付サーバ121のレスポンス送信部404は、リクエストの応答として、当該作成された印刷文書一覧を送信する。
【0067】
図1の例では、印刷文書管理システムの各サーバは、それぞれ一台構成で示しているが、クラスタ構成によって、同じ役割のサーバが複数台の構成であってもよいことは言うまでもない。あるいは、一つ以上のサーバが一台のサーバに集約されてもよいことは言うまでもない。
【0068】
また、譲渡元ユーザが印刷文書を譲渡した履歴を残すために、印刷文書管理サーバに、ユーザごとの印刷文書履歴リストを設けてもよい。その場合、図9の913から始まるシーケンスにおいて、譲渡文書リストに譲渡文書を追加するとともに、印刷文書履歴リストに印刷文書の譲渡履歴を追加する。
【0069】
以上述べたように、本発明に依れば、ユーザごとに印刷文書のリストが完全に独立し、アクセス権が管理されているインターネット上の印刷サービスにおいて、ユーザ間で印刷文書を譲渡できるようになる(印刷文書の所有者を変更できる)。
【0070】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。その処理は、上述した実施例の機能を実現させるソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13