【実施例1】
【0014】
図1は、本発明に係る画像処理装置の一実施例を組み込んだ撮像装置の概略構成ブロック図を示す。101は撮像部、102は現像処理部、103は画像信号処理部、104はフレームメモリである。105A,105Bは画像合成部、107は同期制御部、108はCPU、109はユーザ操作部、110A,110Bは表示部、112は、フレームメモリ104のデータ書き込みと読出しを制御するメモリ制御部である。
【0015】
撮像部101は被写体の光学像から生成される画像データを現像処理部102に供給する。現像処理部102は、撮像部101からの撮影画像データを現像処理し、画像信号処理部103は、現像処理部102の出力画像に所定の画像処理を施す。画像信号処理部103は、メモリ制御部112に対してフレームメモリ104に画像データを転送する為のリクエストを発行し、メモリ制御部112は、フレームメモリ104に画像データを格納する。
【0016】
ユーザは、ユーザ操作部109により、画像データを表示部110A,110Bに出力するか否かをCPU108に指示できる。CPU108は、ユーザによるこの指示に従い、画像合成部105A,105Bによるフレームメモリ104へのアクセス帯域削減モードの可否を判断する。帯域削減モードでは、画像合成部105A,105Bは、同期制御部107により同じタイミング信号で制御され、協調して動作する。帯域削減モードで動作させることができない場合、画像合成部105A,105Bは、同期制御部107からのそれぞれ独立のタイミング信号で制御され、互いに独立に動作する。画像合成部105Aの出力画像は表示部110Aに供給され、画像合成部105Bの出力画像は表示部110Bに供給される。
【0017】
図2を参照して、画像合成部105A,105Bによるレイヤ合成の概念を簡単に説明する。素材201〜205のレイヤデータをレイヤ合成部206が合成して、合成画像207を出力する。レイヤ0の素材201は撮像部101からの撮影画像である。レイヤ1の素材202は時刻、例えば撮影時刻である。レイヤ2の素材203は、特定箇所を示すフレーム枠、例えば、顔認識範囲を示すフレーム枠である。レイヤ3の素材204は、記録中の示すアイコン/文字である。レイヤ4の素材205は、撮影画像上に重畳する飾り等である。フレームメモリ104は、これら複数のレイヤデータを記憶できる。
【0018】
図3は、画像合成部105A,105Bの概略構成ブロック図を示す。画像合成部105A,105Bは同じ構成からなる。画像合成部105A,105Bの一方が第1の画像合成手段に相当し、他方が第2の画像合成手段に相当する。
【0019】
301はタイミング制御部、302はレイヤ管理部、303は読出し制御部、304はリクエスト・マスク制御部、305は信号切換え部、306はFIFO、307はレイヤ合成部である。308はラインメモリ制御部、309はラインメモリ310,311のバンク制御部、310,311はラインメモリ、312は出力制御部である。
【0020】
タイミング制御部301は、同期制御部107からライン単位の処理をする為のタイミング信号を受け取る。読出し制御部303は、タイミング制御部301からのタイミング信号に従い、レイヤ管理部302から各レイヤのフレームメモリ104上のアドレス情報を取得し、リクエスト・マスク制御部304にフレームメモリ104へのアクセス・リクエストを発行する。リクエスト・マスク制御部304は、読出し制御部303からのアクセス・リクエストをメモリ制御部112に発行するか止めるかを判断する。アクセス・リクエストが発行された場合、メモリ制御部112は、フレームメモリ104から読み出した画像データを信号切換え部305に転送する。信号切換え部305は、メモリ制御部112に接続する2つの入力ポートを持っており、一方の入力ポートからのデータを選択してFIFO306に転送する。FIFO306は、信号切換え部305からの、フレームメモリ104より読み出した画像データを一時蓄える。
【0021】
レイヤ合成部307は、FIFO306で蓄えられた画像データと、ラインメモリ制御部308から読み出された画像データとを合成する。レイヤ合成部307で合成された合成画像データは、再びラインメモリ制御部308に書き戻される。ラインメモリ制御部308は、ラインメモリ310、ラインメモリ311及びバンク制御部309で構成されている。バンク制御部309は、タイミング制御部301からのライン先頭を指示するタイミング信号に従い、ラインメモリ310とラインメモリ311の一方を出力用に使用し、もう一方を画像合成用に使用する。出力制御部312は、タイミング制御部301からのタイミング信号に従い、ラインメモリ制御部308から読み出されたデータを表示部110A,110Bに出力する。
【0022】
図4を参照して、帯域削減モード動作におけるレイヤ割り当て動作を説明する。401は、画像合成部105Aの出力画像例を示す。402は画像合成部105Aが出力画像401を生成する為の素材であるレイヤ0の画像例を示す。403は、画像合成部105Aが出力画像401を生成する為の素材であるレイヤ1の画像例を示す。404は、画像合成部105Aが出力画像401を生成する為の素材であるレイヤ2の画像例を示す。405は、画像合成部105Aが出力画像401を生成する為の素材であるレイヤ3の画像例を示す。406は、画像合成部105Aが出力画像401を生成する為の素材であるレイヤ4の画像例を示す。
【0023】
407は、画像合成部105Bの出力画像例を表している。408は、画像合成部105Bが出力画像407を生成する為の素材であるレイヤ0の画像例を示す。409は、画像合成部105Bが出力画像407を生成する為の素材であるレイヤ1の画像例を示す。410は、画像合成部105Bが出力画像407を生成する為の素材であるレイヤ2の画像例を示す。
【0024】
出力画像401と出力画像407を生成するにあたり、共通の素材レイヤを共通レイヤと呼び、それぞれに固有のレイヤを独自レイヤと呼ぶことにする。本実施例では、帯域削減モードにおいて、共通レイヤを先頭に配置し、次に独自レイヤを配置するレイヤ割り付け方法を採用する。
【0025】
図5は、同期制御部107の概略構成ブロック図を示す。501,502はタイミング信号を発生するタイミング発生部、503,504は信号切換え部を示す。信号切換え部503は、画像合成部105Aを制御するタイミング信号を選択する。信号切換え部504は、画像合成部105Bを制御するタイミング信号を選択する。画像合成部105A,105Bを帯域削減モードで動作させる場合、CPU108は、画像合成部105A,105Bが同じ一つのタイミング発生部501又は502で制御されるように信号切換え部503,504を制御する。
【0026】
図6は、帯域削減モードでのメモリ制御部112と画像合成部105A,105Bの信号切換え部との間のデータの流れを示す。そのデータの流れを太実線で図示してある。なお、画像合成部105Aの構成要素には、
図3で説明した符号に符号Aを付加し、画像合成部105Bの構成要素には、
図3で説明した符号に符号Bを付加してある。画像合成部105A,105Bの構成要素としては、理解に必要な構成要素のみを図示し、他を省略してある。
【0027】
ユーザは、ユーザ操作部109により画像合成部105A,105Bの出力画像情報をCPU108に通知又は設定する。CPU108は、画像合成部105A,105Bの出力画像情報により、画像合成部105A,105Bを帯域削減モードで動作させることが可能か否かを判断する。帯域削減モードで動作するには、次の4条件を満たす必要がある。第1の条件は、画像合成部105A,105Bの出力画像サイズが同じであることである。第2の条件は、画像合成部105A,105Bの出力フレームレートが同じであることである。第3の条件は、共通レイヤの後に独自レイヤを配置できるレイヤ割り当てが可能であることである。第4の条件は、画像合成部105Aの出力タイミングと画像合成部105Bのそれとを同じにすることが可能であることである。
【0028】
上記4条件が満たされる場合、同期制御部107は、タイミング発生部501(または502)から生成されたタイミング信号を画像合成部105A,105Bに供給する。画像合成部105Aは、レイヤ0から順に画像データを読み出し画像合成を行う。他方、画像合成部105Bは、共通レイヤの画像合成に対する動作と、独自レイヤの画像合成に対する動作が異なる。すなわち、共通レイヤに対しては、リクエスト・マスク制御部304Bがメモリ制御部112へのアクセス・リクエストをマスクする。そして、信号切換え部305Bが、画像合成部105Aが発行したアクセス・リクエストでフレームメモリ104から読み出される画像データをFIFO
306Bに供給する。独自レイヤに対しては、リクエスト・マスク制御部304Bが読出し制御部303
Bからのアクセス・リクエストをメモリ制御部112に供給する。そして、信号切換え部305Bが、画像合成部105Bが発行したアクセス・リクエストでフレームメモリ104から読み出される画像データをFIFO
306Bに供給する。
【0029】
このような動作により、共通レイヤに対応する部分についてメモリアクセスを削減できる。
【0030】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明は上述の実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。