特許第6041635号(P6041635)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6041635
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】計量装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 21/30 20060101AFI20161206BHJP
   G01G 3/14 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   G01G21/30
   G01G3/14
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-253953(P2012-253953)
(22)【出願日】2012年11月20日
(65)【公開番号】特開2014-102142(P2014-102142A)
(43)【公開日】2014年6月5日
【審査請求日】2015年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000127570
【氏名又は名称】株式会社エー・アンド・デイ
(74)【代理人】
【識別番号】100087826
【弁理士】
【氏名又は名称】八木 秀人
(74)【代理人】
【識別番号】100166327
【弁理士】
【氏名又は名称】舟瀬 芳孝
(72)【発明者】
【氏名】橘 正樹
【審査官】 岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 仏国特許出願公開第2486649(FR,A1)
【文献】 特開2005−55340(JP,A)
【文献】 実開平4−43232(JP,U)
【文献】 実開昭61−173029(JP,U)
【文献】 実開昭61−115935(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 1/00−23/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物が載置される計量皿と、前記計量皿に加わる荷重を計測するセンサ部と、前記センサ部を支持する秤本体ケースと、を備えた計量装置において、
前記センサ部は、前記秤本体ケースの外部且つ上方に配置され、
前記計量皿には、前記センサ部の側面全体を覆う筒状のカバーが一体的に設けられ、
前記カバーは、平面視において、前記計量皿よりも小さく形成され、
前記カバーの下端が、前記秤本体ケースの上面に対して上方に離間されて、該カバーの下端と該秤本体ケースの上面との間にクリアランスが形成されている、
ことを特徴とする計量装置。
【請求項2】
前記秤本体ケースの上面には、該秤本体ケースの上面外縁を下流端とする排水案内面が形成され、
前記排水案内面は、その下流端よりも上流側に向かうに従って高くなるように傾斜されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の計量装置。
【請求項3】
前記秤本体ケースの上面には、上方に突出した複数の突出部が前記カバーの外側において設けられ、
前記各突出部は、その各上端が前記計量皿に対向して配置されて、該計量皿に過荷重が加わった際に該計量皿に当接してストッパとなる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の計量装置。
【請求項4】
前記複数の突出部の少なくとも一つは、計量値を表示する表示部である、
ことを特徴とする請求項3に記載の計量装置。
【請求項5】
前記複数の突出部の少なくとも一つは、前記秤本体ケースの背面コーナー部に配置されている、
ことを特徴とする請求項3または4に記載の計量装置。
【請求項6】
前記秤本体ケースの上面には、前記センサ部の取り付け位置において、上方に突出した台座が設けられ、
前記台座上に前記センサ部が取付けられている、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に排水性とメンテナンス性に優れた計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
計量装置として、電子天秤が広く知られている。電子天秤は、計量皿に加わる荷重をロードセル等のセンサ部によって電気信号に変換し、それを荷重値として表示部に表示する装置であり、食品業や製造業など様々な分野で使用されている。この種の電子天秤は、通常、センサ部が秤本体ケースの内部に収納されており、計量皿が秤本体ケースの外部上方に配置されている。そして、その計量皿とセンサ部とは、秤本体ケースの上面に形成された開口を介して連結されている。このため、このような電子天秤においては、秤本体ケース上面の開口から水や埃が入り込むおそれがある。
【0003】
このような問題に対しては、それを解消すべく、特許文献1が、秤本体ケース上面の開口にダイヤフラムを設け、このダイヤフラムによって水や埃が秤本体ケース内に入り込むことを防止する計量装置を提案し、特許文献2が、計量皿の下側に円筒状の水切りを設け、この水切りによって水が秤本体ケース内に入り込むことを防止する計量装置を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−291765
【特許文献2】実公昭61−36897
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記計量装置においては、いずれも、センサ部を秤本体ケースの内部に収納した上で、その秤本体ケースに対する防水・防塵を図っており、水や埃が、一旦、秤本体ケース内に入ってセンサ部の位置にまで至ったときには、それらの排出は容易には行えない。
また、上記計量装置においては、センサ部が秤本体ケース内に収納されており、簡単にはセンサ部を外部に露出させることができない。このため、センサ部の水洗い等、メンテナンス作業性の点で好ましい状況にはない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みて成されたもので、その目的は、センサ部に水や埃が至りにくくするだけでなく、仮に、水がセンサ部の位置にまで至ったとしても、その水を簡単に排出することができ、さらには、センサ部の水洗い等のメンテナンス作業性を向上させることができる計量装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、被測定物が載置される計量皿と、前記計量皿に加わる荷重を計測するセンサ部と、前記センサ部を支持する秤本体ケースと、を備えた計量装置において、
前記センサ部は、前記秤本体ケースの外部且つ上方に配置され、
前記計量皿には、前記センサ部の側面全体を覆う筒状のカバーが一体的に設けられ、
前記カバーは、平面視において、前記計量皿よりも小さく形成され、
前記カバーの下端が、前記秤本体ケースの上面に対して上方に離間されて、該カバーの下端と該秤本体ケースの上面との間にクリアランスが形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、センサ部の周囲を筒状のカバーによって覆うことにより、カバーに風防の役割を果たさせることができる一方、仮に、水がセンサ部の位置にまで至ったとしても、カバーの下端が秤本体ケースの上面に対して上方に離間されていることから、その水を、秤本体ケースの上面上を伝わらせることにより、カバーの下端と秤本体ケースの上面との間を通して排水できる。
また本発明によれば、センサ部が秤本体ケースの外部に配置されているので、センサ部の水洗いを行うことができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記秤本体ケースの上面には、該秤本体ケースの上面外縁を下流端とする排水案内面が形成され、前記排水案内面は、その下流端よりも上流側に向かうに従って高くなるように傾斜されていることを特徴とする。本発明によれば、排水案内面の傾斜を利用して、秤本体ケースの上面における排水性をさらに向上できる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記秤本体ケースの上面には、上方に突出した複数の突出部が前記カバーの外側において設けられ、前記各突出部は、その各上端が前記計量皿に対向して配置されて、該計量皿に過荷重が加わった際に該計量皿に当接してストッパとなることを特徴とする。本発明によれば、秤本体ケースに複数の突出部が設けられ、その各突出部が過荷重防止用ストッパとして作用する。この各突出部がカバーの外側に配置されているので、カバーの内部に突出部を設けた場合のように突出部が排水を阻害することはなく、排水性を維持したまま過荷重を防止することができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3において、前記複数の突出部の少なくとも一つは、計量値を表示する表示部であることを特徴とする。本発明によれば、表示部を過荷重防止用ストッパとして利用することができる。
【0012】
請求項5の発明は、請求項3または4において、前記複数の突出部の少なくとも一つは、前記秤本体ケースの背面コーナー部に配置されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか1項において、前記秤本体ケースの上面には、前記センサ部の取り付け位置において、上方に突出した台座が設けられ、前記台座上に前記センサ部が取付けられていることを特徴とする。本発明によれば、秤本体ケースの上面に台座を設け、この台座にセンサ部を取り付けているので、センサ部を、秤本体ケースの上面よりも一段高い位置に配置できる。したがって、秤本体ケースの上面とカバーの下端との間から風が入り込むとしても、その風をセンサ部に直接当たりにくくすることができ、センサ部に水や埃が付着することをさらに抑制することができる。また、本発明によれば、センサ部が秤本体ケースの上面よりも一段高い位置に配置されるので、センサ部の位置まで浸入した水は、高い位置から秤本体ケースの上面に流れ落ち、センサ部の位置に水が滞留することを防止できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、カバーに風防の役割を果たさせる一方で、仮に、水がセンサ部の位置にまで至ったとしても、その水を、カバーの下端と秤本体ケースの上面との間を通して排水できることから、センサ部に水や埃が至りにくくするだけでなく、仮に、水がセンサ部の位置にまで至ったとしても、その水を簡単に排出することができる。
また、本発明によれば、センサ部を水洗いすることができることから、メンテナンス作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係る電子天秤を示す正面斜視図である。
図2】同電子天秤の背面斜視図である。
図3】同電子天秤の縦断面図(図1に示す線III−IIIに沿う断面図)である。
図4】同電子天秤の縦断面図(図3に示す線IV−IVに沿う断面図)である。
図5】同電子天秤の横断面図(図1に示すV−Vに沿う断面図)である。
図6】本発明の第2実施形態に係る電子天秤を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1図5は、本発明の第1実施形態に係る電子天秤10Aを示している。
電子天秤10Aは、図1図5に示すように、前面側(正面側)において表示部50を備えている。表示部50は、中空縦壁状をもって起立配置されており、この表示部50の前面には液晶画面50aが設けられている。この表示部50内には、液晶画面50a裏面側において、後述のロードセル20で検出した出力を演算処理するとともに、液晶画面50aに表示するデータを制御する電子回路基板40が配置されている。
【0018】
前記表示部50の後面には、図1図5に示すように、その下側領域に対して、平面視略矩形状に形成された合成樹脂製の秤本体ケース12が一体的に接続されている。この秤本体ケース12は、表示部50の横幅と同一横幅を維持しつつ後方に延びており、その内部は、表示部50内に連なっている。
この秤本体ケース12は上面12aを有している。秤本体ケース上面12aは、略中央部が最も高く、それよりも外側(外縁)になるほど低くなるように湾曲されており、その秤本体ケース上面12aは、その略中央部を中心としてその略中央部から外周縁部に至る全面が、傾斜した排水案内面12Aを構成している。このため、仮に、秤本体ケース12の上面12aに水が存在することになったとしても、その水は、秤本体ケース上面12aの外縁側に自然に流れて秤本体ケース12の外側へと排水される。しかも本実施形態においては、上記排水機能をより高めるべく、秤本体ケース12の横方向両側周縁部及び後方周縁部に傾斜面12Aaが形成され、その傾斜角度は他の部分よりも大きなものとなっている。
この秤本体ケース12の上面12aには、図1図2図4図5に示すように、該秤本体ケース12の後方側(背面側)の左右コーナ部において、中空突出部56がそれぞれ形成されている。この中空突出部56は、その上端が表示部50の上端と同一高さに形成されており、秤本体ケース12の上面12a上方には、中空の表示部50と左右一対の中空突出部56,56に囲まれたロードセル収容室Sが形成されている。この中空突出部56の外側面は、秤本体ケース12の外側面と面一に形成されて、電子天秤10Aの側方および後方からの外観意匠の統一が図られている。
この秤本体ケース12内には、図3に示すように、電源である乾電池18を収容する電池収容室17が画成されている。電池収容室17は、ケース12の底面側に開口しており、その開口部に組み付けられた蓋17aを取り外すことにより、乾電池18の交換を行うことができる。
【0019】
前記秤本体ケース12の上面12aには、図2図5に示すように、ロードセル20が配置されている。ロードセル20は、その固定側端部20aが固定ネジ27a,27bを利用して秤本体ケース12の上面12aに固定されており、これにより、ロードセル20は、片持ち梁状をもって横方向(図3中、左右方向)に水平に延びている。
ロードセル20は、起歪部を画成するめがね型の側面貫通孔23を設けた金属製矩形ブロック状の起歪体22を備えている。起歪体22の上側起歪部22a上面には歪ゲージ24が貼り付けられ、起歪体22の上面には、歪ゲージ24と電気的に接続されて出力補償用抵抗等のブリッジ回路を構成するフレキシブルプリント配線板24aが貼り付けられている。このロードセル20の固定側端部20aには、上下貫通孔26が形成されている(図3図4参照)。この上下貫通孔26は、秤本体ケース12上面壁に設けられた上下貫通孔14を介してケース12内に連通しており、これら上下貫通孔26、14には、上記フレキシブルプリント配線板24aから導出する電気配線25が挿通されている。この電気配線25は、上下貫通孔26,14を貫通して秤本体ケース12内に導かれた後、ケース12内の中継配線基板16(図4参照)を介して前記表示部50における電子回路基板40に接続されている。
【0020】
このような起歪体22に対しては、その上面側においてシリコン絶縁被覆28aが設けられ、上下貫通孔26には、密閉手段であるシリコン材28bが装填されている。シリコン絶縁被覆28aは、電装部品(歪ゲージ24やフレキシブルプリント配線板24a)や電気配線25を覆って、これらの電装部品の導電部における絶縁と防水を確保し、シリコン材28bは、秤本体ケース12内を確実に密閉することになる。
【0021】
本実施形態では、歪ゲージ24などの電装部品が搭載されている起歪体22の上面側に電気配線25挿通用の上下貫通孔26が開口されているので、ロードセル20(に搭載された電装部品)と秤本体ケース12内に配置された電子回路基板40とを接続する電気配線25は、起歪体22の上面から左右にはみ出すことなく収まる。このため、起歪体22の上面に露呈している電装部品の導電部に防水のための絶縁被覆28aを形成し易くなり、また、ロードセル20を搬送したり電子天秤として組み付ける際に、電気配線25が何かに引っ掛かって絶縁被覆28aが剥がれるおそれもなくなる。
【0022】
前記ロードセル20の可動側端部20bには、図3図4に示すように、被測定物を載せる計量皿30が連結されている。計量皿30は、ロードセル20の可動側端部20bに連結される透明合成樹脂製の皿本体32と、皿本体32の上面側を覆う合成樹脂製の皿カバー34とで構成されている。
皿本体32は、略矩形状の天板部35と筒形状の透明カバー36とを一体成形することにより形成されている。天板部35は、ロードセル20の可動側端部20bの上面に固定ネジ31a,31bを利用して固定された連結板29に、固定ネジ31cを用いて連結されている。この天板部35は皿カバー34と略同形状に形成されており、この天板部35に皿カバー34が着脱自在に嵌め込まれている。
【0023】
透明カバー36は、図2図5に示すように、天板部35の下面から下方に延出されている。透明カバー36は、平面視において、その占める割合が天板部35の場合よりも小さく、全体として凸状に形成されている。このため、天板部35は、透明カバー36に対して、手前側の一辺と背面側(後方側)の両コーナー部が外側にはみ出した状態になっており、この部分の下方領域に前記表示部50と前記中空突出部56とが配置されている(図5参照)。この表示部50と中空突出部56は透明カバー36の外側に配置され、その各上端は、天板部35に対向するとともに上下方向に所定のクリアランスをもって配置されている。したがって、計量皿30に過荷重が加わった際には、表示部50の上端や中空突出部56の上端が皿本体32の天板部35に当接することになり、過荷重がロードセル20に作用することが防止される。
【0024】
透明カバー36は、図2図5に示すように、ロードセル配設空間Sに配設されるロードセル20の周りを余裕をもって囲んでいる。この透明カバー36の下端は、秤本体ケース上面12aの上方において、該秤本体ケース12の上面12aに対して所定のクリアランス51をもって配置されており、そのクリアランス51は、前述の表示部50と天板部35のクリアランスや、中空突出部56の上端と天板部35とのクリアランスよりも僅かに大きく形成されている。このため、過荷重時には、透明カバー36の下端と秤本体ケース12の上面とは接触せず、前述の如く、表示部50の上端や中空突出部56の上端と皿本体32の天板部35とが当接することになる。
【0025】
次に上記の如く構成された電子天秤10Aの作用について説明する。
【0026】
上記電子天秤10Aにおいては、ロードセル20が秤本体ケース12の外部且つ上方に配置されるとともに、透明カバー36と秤本体ケース12の上面12aとの間にクリアランス51が設けられているので、液体がロードセル配設空間Sに浸入した場合には、その液体は、秤本体ケース上面12aを流れ、透明カバー36と秤本体ケース上面12aとの間のクリアランス51を通って外部に排水される。
また、秤本体ケース12の上面12aが、排水案内面12Aを構成して傾斜しているので、秤本体ケース12の上面12aに水が存在することになったとしても、その水は自然に外部に排水される。
さらに、表示部50や中空突出部56が透明カバー36の外側に配置されているので、これらを透明カバー36の内部に配置した場合のように透明カバー36の内部で排水が妨げられることがなく、確実に排水することができる。このため、電子天秤10Aにおいては、ロードセル配設空間Sに浸入した水を内部に滞留させることなく、スムーズに外部に排水することができる。
【0027】
また、電子天秤10Aにおいては、筒状の透明カバー36がロードセル20の側面全体を覆うように配置されているので、透明カバー36が風防として作用し、高精度の計量が可能となる。さらに、透明カバー36によってロードセル配設空間Sへのゴミ等の侵入を防止できるので、ロードセル配設空間S(ロードセル20の周辺領域)の汚れを抑制できる。
【0028】
さらに、電子天秤10Aにおいては、透明カバー36を計量皿30に一体的に設けたので、計量皿30を取り外すだけで透明カバー36も取り外され、ロードセル20が露出される。具体的には、計量皿30の皿カバー34を皿本体32から取り外し、固定ネジ31cを外して皿本体32を透明カバー36と一体的にロードセル20の可動側端部20bから取り外せば、ロードセル配設空間S全体が開放される。このように、ロードセル20を簡単に露出させることができるので、本実施形態においては、洗浄などのメンテナンスを容易に行うことができる。しかも、本実施形態においては、ロードセル20周辺領域の汚れ具合を、透明カバー36を通して外部から視認でき、必要に応じて計量皿30を取り外して、ロードセル20周辺領域の汚れを洗浄できる。
【0029】
本実施形態では、ロードセル20の固定側端部20a を秤本体ケース12の上面12aの高さ位置で固定するようにしたが、これに限定されるものではない。たとえば、図6に示すように、秤本体ケース12の上面に台座13を設け、この台座13にロードセル20の固定側端部20aを固定してもよい。同図に示す台座13は、最も高い位置が略水平に形成され、この位置にロードセル20が固定される。また台座13の周囲には傾斜部13Aが設けられ、その傾斜部13Aの表面は、内側よりも外側が低くなる傾斜面13aとされている。このような台座13を設けた場合には、ロードセル20が透明カバー36と秤本体ケース上面12aとの間のクリアランス51から見えにくくなり、クリアランス51から入り込んだ風がロードセル20に直接当たることを防止することができる。また、ロードセル20が一段高い位置に配置されているので、ロードセル20の位置の水は確実に排水される。
【0030】
以上実施形態について説明したが本発明にあっては、次の態様を包含する。
(1)排水案内面12Aを構成する秤本体ケース上面12aの形状は、前述の実施形態に係る形状に限定されるものではなく、秤本体ケース上面12aの水が外側に流れるような傾斜面を有する形状であればよいこと。たとえば、秤本体ケース上面12a全体を、図3の右側から左側にかけて低くなる傾斜面としてもよいし、また、ロードセル20の固定位置が最も高く、外側にむけて徐々に低くなるような傾斜面としてもよい。さらに、秤本体ケース12の全体を傾斜させるのではなく、一部分のみを傾斜させるようにしてもよい(排水案内面12Aを秤本体ケース上面12aの一部に形成すること)。
(2)ロードセル20としては、種々のものを用いることができること。
【符号の説明】
【0031】
10A 電子天秤(計量装置)
12 秤本体ケース
12a 秤本体ケース上面
12A 排水案内面
13 台座
13A 台座傾斜部
13a 台座傾斜面
20 ロードセル(センサ部)
30 計量皿
32 皿本体
34 皿カバー
36 透明カバー(カバー)
50 中空立壁状の表示部
51 クリアランス
56,56A 中空突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6