特許第6041637号(P6041637)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6041637
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/36 20060101AFI20161206BHJP
   E06B 7/36 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   E06B3/36
   E06B7/36 B
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-259325(P2012-259325)
(22)【出願日】2012年11月28日
(65)【公開番号】特開2014-105492(P2014-105492A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2014年12月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(74)【代理人】
【識別番号】100096448
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 嘉明
(72)【発明者】
【氏名】長 晃司
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−273361(JP,A)
【文献】 特開2006−316510(JP,A)
【文献】 実開昭57−155271(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/04−3/46
E05D 1/00−9/00
E06B 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉体をその吊り元側上部に取付部を介して取り付けたヒンジにより枠体に開閉可能に設けた建具であって、
前記枠体の吊り元側縦枠は、縦枠本体の内側面に内向き突部を有し、かつ前記開閉体の吊り元側縦框は断面略円形であり、
前記吊り元側縦枠は、上枠まで連続する前記縦枠本体前記上枠と離隔した前記内向き突部とを有し、前記内向き突部の上端面と前記上枠の下面との間に面内方向に向かう凹部が形成されており
前記開閉体の吊り元側上部には、前記吊り元側縦框の外周面から前記凹部に突出する突出部を有する取付用ブラケットが設けられており
前記ヒンジの軸受部を有した取付部材は、その軸受部を境として両側に一側取付部と他側取付部を有し、
前記一側取付部は前記開閉体上部に取り付けられており、かつ前記他側取付部は前記取付用ブラケットの前記突出部に取り付けられていることを特徴とする建具。
【請求項2】
前記吊り元側縦枠は前記縦枠本体に別体の内向き突部が取り付けられている請求項1記載の建具。
【請求項3】
前記取付用ブラケットは、軸受部を備えた横向き部と、この横向き部と連続した縦向き部を有し、
前記横向き部の長手方向一側部、取付部材の一側取付部を上框に固着する裏板として上框に固着されており
前記横向き部の長手方向他側部は、取付部材の他側取付部固着具で固着されており
前記縦向き部は、吊り元側縦框に固着具で固着して取り付けられている請求項1又は2記載の建具。
【請求項4】
前記取付用ブラケットを、前記横向き部を有した上ブラケットと、前記縦向き部を有した下ブラケットを固着具で連結したものとした請求項3記載の建具。
【請求項5】
前記取付用ブラケットの吊り元側縦框の外周面から凹部に突出した突出部を覆うカバー体が設けられており
前記カバー体と縦枠本体の内側面との間の隙間及び、カバー体と内向き突部の上端面との間の隙間は、防塵材で閉塞されている請求項1〜4いずれか1項記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の出入口に取り付ける扉等の枠体に開閉体を開閉可能に設けた建具に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の出入口に取り付ける扉が特許文献1に開示されている。
この扉は、上枠と左右の縦枠からなる枠体と、この枠体に開閉可能に設けられた扉体を備え、吊り元側縦枠に補助枠を設け、扉体の吊り元側縦框を断面略円形とすると共に、その吊り元側縦框を下のヒンジと上のヒンジで回動可能に枠に支持することで、扉体の開閉時に吊り元側縦框と補助枠との間に手指を挟み込み難く、安全性を向上できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4860943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の扉は、その上のヒンジは上枠に下向きに設けた軸受部と、吊り元側縦框に設けた軸受部を備えたピボットヒンジで、吊り元側縦框の回動中心を外周面の中心とするために、軸受部を吊り元側縦框の外周面の中心に設けているから、吊り元側縦框に軸受部を固着するスペースを確保できず、その軸受部を扉体の横框に固着している。
このために、上のヒンジの軸受部の取付強度に限度があり、大重量の扉体を安定して確実に回動自在に支持できないことがある。
例えば、扉体の幅、高さが大きい大型サイズの扉体を安定して確実に回動自在に支持できないことがある。
【0005】
本発明の目的は、枠体に開閉体を開閉可能に設けた建具において、開閉体の開閉時に、枠体の吊り元側縦枠と開閉体の吊り元側縦框との間に手指を挟み込み難く安全性を向上できると共に、その開閉体の上部を枠体に回動自在に支持するヒンジの軸受部を開閉体に強固に取り付けることで、大重量の開閉体を安定して確実に回動自在に支持できる建具とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、開閉体をその吊り元側上部に取付部を介して取り付けたヒンジにより枠体に開閉可能に設けた建具であって、
前記枠体の吊り元側縦枠は、縦枠本体の内側面に内向き突部を有し、かつ前記開閉体の吊り元側縦框は断面略円形であり、
前記吊り元側縦枠は、上枠まで連続する前記縦枠本体前記上枠と離隔した前記内向き突部とを有し、前記内向き突部の上端面と前記上枠の下面との間に面内方向に向かう凹部が形成されており
前記開閉体の吊り元側上部には、前記吊り元側縦框の外周面から前記凹部に突出する突出部を有する取付用ブラケットが設けられており
前記ヒンジの軸受部を有した取付部材は、その軸受部を境として両側に一側取付部と他側取付部を有し、
前記一側取付部は前記開閉体上部に取り付けられており、かつ前記他側取付部は前記取付用ブラケットの前記突出部に取り付けられていることを特徴とする建具である。
【0007】
本発明の建具は、前記吊り元側縦枠は前記縦枠本体に別体の内向き突部が取り付けられているものとすることができる。
このようにすれば、内向き突部を縦枠本体よりも短くすることで凹部を形成できるから、その凹部を容易に形成できる。
【0008】
本発明の建具において、前記取付用ブラケットは、軸受部を備えた横向き部と、この横向き部と連続した縦向き部を有し、
前記横向き部の長手方向一側部、取付部材の一側取付部を上框に固着する裏板として上框に固着されており
前記横向き部の長手方向他側部は、取付部材の他側取付部固着具で固着されており
前記縦向き部は、吊り元側縦框に固着具で固着して取り付けられているものとすることができる。
このようにすれば、取付用ブラケットを上框と吊り元側縦框に固着して開閉体に強固に取り付けていると共に、取付部材の一側取付部を横向き部を裏板として上框に強固に取り付けでるから軸受部の取付強度をより一層強くできる。
【0009】
本発明の建具は、前記取付用ブラケットを、前記横向き部を有した上ブラケットと、前記縦向き部を有した下ブラケットを固着具で連結したものにできる。
このようにすれば、上ブラケットと下ブラケットを別々に取り付けた後に連結して取付用ブラケットとすることができ、その取付用ブラケットの取り付けが容易である。
【0010】
本発明の建具において、前記取付用ブラケットの吊り元側縦框の外周面から凹部に突出した突出部を覆うカバー体が設けられており
前記カバー体と縦枠本体の内側面との間の隙間及び、カバー体と内向き突部の上端面との間の隙間は、防塵材で閉塞されているものとすることができる。
このようにすれば、取付用ブラケットの凹部に突出した突出部が見えないので、見栄えが良いと共に、凹部とカバー体との間の防塵性が優れたものとなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、開閉体の開閉時に、枠に吊り元側縦枠と開閉体の吊り元側縦框との間に手指を挟み込み難く安全性を向上できる。
開閉体の上部を枠体に回動自在に支持するヒンジの軸受部を有した取付部材は、その軸受部を境として面内方向の両側部を固着して取り付けているので、その軸受部を開閉体に強固に取り付けることができ、大重量の開閉体を安定して確実に回動自在に支持できる。
取付用ブラケットの突出部は吊り元側縦框の上部から凹部に突出し、その取付用ブラケットの突出部は高いところにあるから、通常の開閉体の開閉時に手指が取付用ブラケットの突出部に触れることはなく、その取付用ブラケットの突出部と吊り元側縦枠の上部との間に手指を挟まれることはない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態を示す建具の正面図である。
図2図1のA−A線に沿う拡大断面図である。
図3図1のB部拡大図である。
図4図3のC−C線に沿う断面図である。
図5図4のD−D線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の建具は、図1に示すように、建物の出入口などの開口1を形成する枠体2と、枠体2に開閉可能に設けた開閉体3を備えている。
枠体2は、上枠20と左右の縦枠21,21を有し、枠体2と床22で開口1を形成している。
なお、枠体2を上枠20と左右の縦枠21,21と下枠を有するものとし、その枠体2で開口1を形成することもできる。
つまり、枠体2は、少なくとも上枠20と左右の縦枠21,21を有するものである。
【0014】
開閉体3は上框30と下框31と吊り元側縦框32と戸先側縦框33を方形状に連結し、その内部にパネルやガラス等のパネル体34が装着してある。
そして、吊り元側縦框32の下部が図示しない下のヒンジで床22に面外方向に回動可能に支持され、吊り元側縦框32の上部が上のヒンジ4で面外方向に回動可能に支持されている。
この吊り元側縦框32と隣接した左右一方の縦枠21が吊り元側縦枠で、戸先側縦框33と隣接した左右他方の縦枠21は戸先側縦枠である。
なお、枠体2に左右一対の開閉体を開閉可能に設けた建具の場合には、左右の縦枠21がそれぞれ吊り元側縦枠である。
【0015】
吊り元側縦枠となる左右一方の縦枠21は、図1図2図3に示すように、縦枠本体50と、この縦枠本体50の面内方向の内側面50a(吊り元側縦框32に向かう面)に設けた内向き突部60を有している。
縦枠本体50と上枠20が連結されている。
内向き突部60は縦枠本体50よりも短く、その上部は上枠20の下部と離隔し、上框20の下面20aと縦枠本体50の内側面50aと内向き突部60の上端面60aとの間に面内方向の内側に開口した凹部5を形成している。
【0016】
縦枠本体50は図2に示すように、面外方向一側の面内方向に向かう一側部51と面外方向他側の面内方向に向かう他側部52を面外方向に向かう連結部53で連結した断面略コ字形状で、連結部53の内面が内側面50aである。
【0017】
内向き突部60は図2に示すように、面外方向に向かう基端板61と、この基端板61の面外方向一側端と連続した面内方向の内側に向かう一側板62と、基端板61の面外方向他側端と連続した面内方向の内側に向かう他側板63と、一側板62、他側板63の面内方向内側端を連結する面外方向に向かう先端板64を有した中空形状である。
一側板62、他側板63は基端寄りの傾斜面62a,63aと先端寄りの平行面62b,63bでほぼくの字形状で、内向き突部60は、基端から先端に向けて面外方向の寸法(見込み寸法)が順次小さくなるように傾斜した基端寄りの傾斜面と、この傾斜面の先端と連続して先端に向かい、面外方向の寸法(見込み寸法)が同一となるような平行面を有し、その先端板64の見込み寸法が基端板61の見込寸法よりも小さい。
【0018】
図2においては、縦枠本体50と内向き突部60は別体でそれぞれアルミ押出形材より成り、縦枠本体50の内側面50aに内向き突部60がビスなどにより固着して取り付けてある。つまり、縦框にアタッチメントを取り付けてある。
これにより、内向き突部60を切断等して縦枠本体50よりも短く作成してビスなどで連結することによって吊り元側縦枠21とすることができるから、枠体2に前述の凹部5を簡単に形成できる。
【0019】
つまり、吊り元側縦枠を縦枠本体50と内向き突部60を一体に有するものとしても良いが、その場合には内向き突部60の上部分を縦枠本体50から切断等して除去して凹部5を形成することになるから、その作業が面倒となる。
【0020】
吊り元側縦框32は図2に示すように、外周面32aがパネル体34を取り付ける面内方向内側のパネル取付部32a−1以外が円形で、断面略円形である。
そして、吊り元側縦框32と吊り元側縦枠21は、外周面32aが内向き突部60の先端板64と面内方向の隙間を置いて対向している。
図2に示す吊り元側縦框32は、縦框本体35と、縦框カバー36を備えている。
【0021】
縦框本体35は面外方向に対向した2つの円弧状片35a,35aと、面内方向に対向した2つの直線状片35b,35bを有した中空形状で、一方の直線状片35bが前述のパネル取付部32a−1である。
縦框カバー36は円弧状に湾曲していると共に、縦框本体35の他方の直線状片35bに取り付けられ、2つの円弧状片35aを円弧状に連続する。
この縦框カバー36には凹陥部36aが形成され、防塵材37が装着してある。
この防塵材37は吊り元側縦枠21の内向き突部60の先端板64、つまり、先端面に接触し、開閉体3が閉じ位置のときに吊り元側縦框32の外周面32aと吊り元側縦枠の内向き突部60の先端面との間の隙間を塞ぐようにしている。
縦框本体35、縦框カバー36はアルミ押出形材より成る。
【0022】
そして、開閉体3が図2に仮想線で示すように、最大開放位置まで回動したときに、内向き突部60の基端寄りの傾斜面62aと開閉体3との間の隙間を、手指の厚さよりも大きくすることで、開閉体3の開閉時に、枠体2の吊り元側縦枠21と開閉体3の吊り元側縦框32との間に手指を挟み込み難く安全性を向上できる。
【0023】
上のヒンジ4は図3図5に示すように、軸受部4aと支軸4bを備え、その軸受部4aが吊り元側縦框32の外周面32aの中心とほぼ同一位置、好ましくは同一位置に上向きに設けてある。
支軸4bは上枠20に設けられ、この支軸4bに軸受部4aが回転可能に嵌合している。
つまり、上のヒンジ4はピボットヒンジである。
【0024】
軸受部4aは取付部材40に設けてある。この取付部材40は軸受部4aよりも面内方向一側方に突出した一側取付部41と、軸受部4aよりも面内方向他側方に突出した他側取付部42を有している。
そして、一側取付部41は吊り元側縦框32の外周面32aから上框30に突出し、上框30の横板30aの上面に接し、固着具、例えばビス43で固着して取り付けられる。
他側取付部42は吊り元側縦框32の外周面32aから吊り元側縦枠側、つまり凹部5に突出している。
【0025】
このように、軸受部4aを有した取付部材40の他側取付部42は凹部5に位置し、吊り元側縦框32に直接固着できないので、開閉体3の吊り元側上部に取付用ブラケット44を取り付け、この取付用ブラケット44の凹部5に位置した突出部に他側取付部42を固着具、例えばビス45で固着して取り付ける。
【0026】
このように、軸受部4aを設けた取付部材40を、その軸受部4aを境とした面内方向の両側部で固着しているから、軸受部4aの取付強度が強く、大重量の開閉体3を安定して確実に回動自在に支持できる。
【0027】
取付用ブラケット44は横向き部44aと、この横向き部44aと連続した縦向き部44bを有している。
横向き部44aが、吊り元側縦框32の2つの直線状片32bに形成した上端面に開口した凹部32cに嵌まり合い、その長手方向一側部44a−1が上框30の横板30aの下面に接して固着具、例えばビス46で固着して取り付ける。
前述の一側取付部41からビス43を上框30の横板30aの孔を貫通して長手方向一側部44a−1のビス穴44cに螺合することで、取付部材40の一側取付部41が上框30の横板30aに取り付けられる。
これにより、横向き部44aの長手方向一側部44a−1が裏板の役目を果たすから、一側取付部41の上框30への取付強度が大である。
【0028】
横向き部44aの長手方向他側部44a−2は吊り元側縦框32の外周面32aから凹部5に突出し、その長手方向他側部44a−2が前述の突出部で、その上面に他側取付部42がスペーサ47を介して接すると共に、ビス45を長手方向他側部44a−2のビス穴44dに螺合することで、他側取付部42が取付用ブラケット44の突出部に取り付けられる。スペーサ47はビス47aで横向き部44aに固着して取り付けてある。
【0029】
取付用ブラケット44の縦向き部44bは、前述の凹部32cから吊り元側縦框32の縦框本体35内に突出して一方の直線状片32bの内面に接し、固着具、例えばビス48で固着して取り付ける。
縦框本体35の上端面よりも縦框カバー36の上端面が下方に位置し、取付用ブラケット44の部分には縦框カバー36が存在しないようにすることで、縦框カバー36を切断等せずに取付用ブラケット44を凹部5に突出できるようにしてある。
【0030】
取付用ブラケット44は上ブラケット70と下ブラケット71を有している。
上ブラケット70は、前述の横向き部44aに相当する横片70aと、その横片70aの長手方向他端部に下向きに設けた垂下片70bと、その垂下片70bの下端部に面内方向の内側に向けて設けた連結横片70cとで略コ字形状である。
下ブラケット71は、前述の縦向き部44bに相当する縦片71aと、この縦片71aの上部に面内方向の外側に向けて設けた連結横片71bとで鉤形状である。
そして、上ブラケット70の横片70aを前述のように横框30に取り付けると共に、下ブラケット71の縦片71aを前述のように吊り元側縦框32の縦框本体35の一方の直線状片35bに取り付け、連結横片70c,71c同士を固着具、例えばビス73で固着することで、横向き部44aと縦向き部44bを有した取付用ブラケット44とする。
【0031】
このようにすることで、上ブラケット70と下ブラケット71を別々に取り付けた後に連結横片70c,71bを固着することで取付用ブラケット44を取り付けでき、その取付用ブラケット44の取り付けが容易である。
なお、上ブラケット70の連結横片70cと下ブラケット71の連結横片71bを一体として上ブラケット70と下ブラケット71が一体に連続した取付用ブラケット44とすることができる。
【0032】
取付用ブラケット44の吊り元側縦框32の外周面32aから凹部5に突出した突出部にカバー体80が取り付けられ、その突出部を覆って見えないようにしてある。
カバー体80は、面内方向の一端面板80aと、下面板80bと面外方向の一側面板80c、他側面板80dで囲まれ、上面と面内方向の一側方が開口した箱形状で、その一端面板80aをビス81で取付用ブラケット44(上ブラケット70の垂下片70b)に固着して取り付け、各面板を吊り元側縦框32の外周面32aに接している。
【0033】
カバー体80の一端面板80aにベース材82を前述のビス81で固着して取り付け、このベース材82に防塵材83を装着してある。
この防塵材83は吊り元側縦枠の縦枠本体50の内側面50aに接触している。
【0034】
吊り元側縦枠の内向き突部60の基端板61にブラケット65が固着具、例えばビス65aで固着して取り付けてある。
このブラケット65に小ロフタ66とベース材67がビス65bで固着して取り付け、そのベース材67に防塵材68が上向きに設けてある。
この防塵材68はカバー体80の下面板80bに接触している。
【0035】
このようであるから、カバー体80と凹部5との間の隙間が防塵材68,83で閉塞され、防塵性が優れたものとなる。
【0036】
開閉体3の開閉によりカバー体80が回動するが、このカバー体80は開閉体3の吊り元側の上部に設けてあるから、通常の開閉動作時に人がカバー体80に触れることなく、カバー体80と縦枠本体50との間、カバー体80と内向き突部60との間に人の手指が挟まれることはない。
【0037】
この実施の形態では、開閉体3が面外方向一側方及び面外方向他側方に回動して開放できる出入口に設置する扉としてあるが、開閉体3を面外方向一側方又は面外方向他側方にのみ回動して開放できる扉とすることもできる。
【符号の説明】
【0038】
1…開口、2…枠体、3…開閉体、4…上のヒンジ、4a…軸受部、4b…支軸、5…凹部、20…上枠、20a…下面、21…縦枠(吊り元側縦枠)、30…上框、32…吊り元側縦框、32a…外周面、40…取付部材、41…一側取付部、42…他側取付部、50…縦枠本体、50a…内側面、60…内向き突部、60a…上端面、68…防塵材、70…上ブラケット、71…下ブラケット、80…カバー体、83…防塵材。
図1
図2
図3
図4
図5