特許第6041658号(P6041658)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6041658
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】樹脂盛装飾方法
(51)【国際特許分類】
   B05D 1/26 20060101AFI20161206BHJP
   B05D 5/06 20060101ALI20161206BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   B05D1/26 Z
   B05D5/06 104B
   B05D7/24 301T
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-273977(P2012-273977)
(22)【出願日】2012年12月14日
(65)【公開番号】特開2014-117646(P2014-117646A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2015年11月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000137823
【氏名又は名称】株式会社ミマキエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【弁理士】
【氏名又は名称】原口 貴志
(72)【発明者】
【氏名】田林 勲
(72)【発明者】
【氏名】古旗 朝隆
(72)【発明者】
【氏名】池田 明
【審査官】 横島 隆裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−161824(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3128105(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3135934(JP,U)
【文献】 特開2005−119243(JP,A)
【文献】 特開2008−265238(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/00−7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂を山盛りにした装飾である樹脂盛を対象物上に形成する樹脂盛装飾方法であって、
紫外線硬化型のインクを吐出する記録ヘッドを備えているインクジェットプリンターによって画像を前記対象物上にUVインクジェット印刷する画像印刷ステップと、前記樹脂盛が形成される領域である樹脂盛領域を区画する枠であって前記樹脂盛のもとになる液体状の材料である液体材料を塞き止めるために隆起した隆起枠を前記対象物上に生成する隆起枠生成ステップと、前記対象物上において前記隆起枠生成ステップによって生成された前記隆起枠によって区画されている前記樹脂盛領域に前記液体材料を滴下する材料滴下ステップとを備えており、
前記隆起枠生成ステップは、前記インクジェットプリンターによるUVインクジェット印刷によって前記隆起枠を生成するステップであり、
前記画像印刷ステップにおいて前記画像をUVインクジェット印刷する場合の前記記録ヘッドの複数回の主走査のうち少なくとも一部の回の主走査と、前記隆起枠生成ステップにおいて前記隆起枠をUVインクジェット印刷する場合の前記記録ヘッドの複数回の主走査のうち少なくとも一部の回の主走査とは、同一の主走査であることを特徴とする樹脂盛装飾方法。
【請求項2】
前記隆起枠は、前記画像の輪郭を形成していることを特徴とする請求項1に記載の樹脂盛装飾方法。
【請求項3】
前記隆起枠の少なくとも一部は、前記画像の少なくとも一部を形成していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂盛装飾方法。
【請求項4】
前記隆起枠生成ステップにおいて前記隆起枠を生成する前記インクが吐出される前記記録ヘッドは、前記画像印刷ステップにおいて前記画像を生成する前記インクが吐出される前記記録ヘッドであることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の樹脂盛装飾方法。
【請求項5】
前記インクジェットプリンターは、前記画像用の前記インクを吐出する前記記録ヘッドと、前記隆起枠用の前記インクを吐出する前記記録ヘッドとを副走査の方向にずらして搭載していて主走査の方向に移動可能であるキャリッジを備えており、
前記隆起枠の少なくとも一部は、前記画像に重ねられていることを特徴とする請求項1から請求項4までの何れかに記載の樹脂盛装飾方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂を山盛りにした装飾である樹脂盛を対象物上に形成する樹脂盛装飾方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の樹脂盛装飾方法として、透明フィルム上に硬化性の透明樹脂を滴下することによって透明フィルム上に透明樹脂による樹脂盛を形成する方法が知られている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−264275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の樹脂盛装飾方法においては、樹脂盛を形成するために対象物に透明フィルムを貼り付ける作業が必要であるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、対象物上に樹脂盛を形成する作業を従来より効率化することができる樹脂盛装飾方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の樹脂盛装飾方法は、合成樹脂を山盛りにした装飾である樹脂盛を対象物上に形成する樹脂盛装飾方法であって、紫外線硬化型のインクを吐出する記録ヘッドを備えているインクジェットプリンターによって画像を前記対象物上にUVインクジェット印刷する画像印刷ステップと、前記樹脂盛が形成される領域である樹脂盛領域を区画する枠であって前記樹脂盛のもとになる液体状の材料である液体材料を塞き止めるために隆起した隆起枠を前記対象物上に生成する隆起枠生成ステップと、前記対象物上において前記隆起枠生成ステップによって生成された前記隆起枠によって区画されている前記樹脂盛領域に前記液体材料を滴下する材料滴下ステップとを備えており、前記隆起枠生成ステップは、前記インクジェットプリンターによるUVインクジェット印刷によって前記隆起枠を生成するステップであることを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の樹脂盛装飾方法は、対象物上に樹脂盛を形成する作業のうちの対象物上へのUVインクジェット印刷の作業において、画像を対象物上にUVインクジェット印刷するだけではなく、樹脂盛のもとになる液体材料を塞き止めるための隆起枠も対象物上にUVインクジェット印刷するので、対象物上に樹脂盛を形成する作業を従来より効率化することができる。
【0008】
また、本発明の樹脂盛装飾方法において、前記隆起枠は、前記画像の輪郭を形成していても良い。
【0009】
この構成により、本発明の樹脂盛装飾方法は、対象物上に印刷された画像の輪郭を形成している隆起枠によって区画されている樹脂盛領域に樹脂盛のもとになる液体材料を滴下するので、この画像に樹脂盛を重ねることになり、結果として、この画像を樹脂盛によって効果的に装飾することができる。
【0010】
また、本発明の樹脂盛装飾方法において、前記隆起枠の少なくとも一部は、前記画像の少なくとも一部を形成していても良い。
【0011】
この構成により、本発明の樹脂盛装飾方法は、画像とは完全に別である隆起枠を生成する構成と比較して、隆起枠が目立ち難いので、画像および樹脂盛によって対象物を効果的に装飾することができる。
【0012】
また、本発明の樹脂盛装飾方法において、前記画像印刷ステップにおいて前記画像をUVインクジェット印刷する場合の前記記録ヘッドの複数回の主走査のうち少なくとも一部の回の主走査と、前記隆起枠生成ステップにおいて前記隆起枠をUVインクジェット印刷する場合の前記記録ヘッドの複数回の主走査のうち少なくとも一部の回の主走査とは、同一の主走査であっても良い。
【0013】
この構成により、本発明の樹脂盛装飾方法は、画像をUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッドの複数回の主走査と、隆起枠をUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッドの複数回の主走査とが完全に別々の主走査である構成と比較して、記録ヘッドの主走査の回数を全体として低減するので、UVインクジェット印刷に必要な時間を低減することができ、結果として、対象物上に樹脂盛を形成する作業全体に必要な時間も低減することができる。
【0014】
また、本発明の樹脂盛装飾方法において、前記隆起枠生成ステップにおいて前記隆起枠を生成する前記インクが吐出される前記記録ヘッドは、前記画像印刷ステップにおいて前記画像を生成する前記インクが吐出される前記記録ヘッドであっても良い。
【0015】
この構成により、本発明の樹脂盛装飾方法は、隆起枠専用の紫外線硬化型のインクをインクジェットプリンターが備えている必要がないので、隆起枠専用の紫外線硬化型のインクをインクジェットプリンターが備えている構成と比較して、使用するインクジェットプリンターの構造を簡略化することができる。
【0016】
また、本発明の樹脂盛装飾方法において、前記インクジェットプリンターは、前記画像用の前記インクを吐出する前記記録ヘッドと、前記隆起枠用の前記インクを吐出する前記記録ヘッドとを副走査の方向にずらして搭載していて主走査の方向に移動可能であるキャリッジを備えており、前記隆起枠の少なくとも一部は、前記画像に重ねられていても良い。
【0017】
この構成により、本発明の樹脂盛装飾方法は、隆起枠の少なくとも一部が画像に重なった装飾が施される場合に、画像の所定の位置の印刷と同時に、この位置に対して副走査の方向にずれた位置において隆起枠の印刷を実行するので、画像をUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッドの複数回の主走査と、隆起枠をUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッドの複数回の主走査とが完全に別々の主走査である構成と比較して、記録ヘッドの主走査の回数を全体として低減することができる。したがって、本発明の樹脂盛装飾方法は、画像をUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッドの複数回の主走査と、隆起枠をUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッドの複数回の主走査とが完全に別々の主走査である構成と比較して、UVインクジェット印刷に必要な時間を低減することができ、結果として、対象物上に樹脂盛を形成する作業全体に必要な時間も低減することができる。
【0018】
本発明の印刷物は、画像と、合成樹脂を山盛りにした装飾である樹脂盛が形成される領域である樹脂盛領域を区画する枠であって前記樹脂盛のもとになる液体状の材料である液体材料を塞き止めるために隆起した隆起枠とがUVインクジェット印刷によって生成されていることを特徴とする。
【0019】
この構成により、本発明の印刷物は、樹脂盛を形成する作業のうちのUVインクジェット印刷の作業において、画像をUVインクジェット印刷するだけではなく、樹脂盛のもとになる液体材料を塞き止めるための隆起枠もUVインクジェット印刷するので、樹脂盛を形成する作業を従来より効率化することができる。また、本発明の印刷物は、隆起枠が生成された後であって樹脂盛のもとになる液体材料が樹脂盛領域に滴下される前である状態で、譲渡されることができる。
【0020】
また、本発明の印刷物は、前記隆起枠によって区画されている前記樹脂盛領域に前記樹脂盛が形成されていても良い。
【0021】
この構成により、本発明の印刷物は、樹脂盛を形成する作業のうちのUVインクジェット印刷の作業において、画像をUVインクジェット印刷するだけではなく、樹脂盛のもとになる液体材料を塞き止めるための隆起枠もUVインクジェット印刷するので、樹脂盛を形成する作業を従来より効率化することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の樹脂盛装飾方法は、対象物上に樹脂盛を形成する作業を従来より効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る印刷物の一部分の正面図である。(b)は、図1(a)に示す印刷物の一部分の底面断面図である。
図2図1に示す印刷物の製造に使用されるインクジェットプリンターの斜視図である。
図3】(a)は、画像層が生成された図1に示す対象物の一部分の正面図である。(b)は、図3(a)に示す対象物の一部分の底面断面図である。
図4】(a)は、画像層および隆起枠が生成された図1に示す対象物の一部分の正面図である。(b)は、図4(a)に示す対象物の一部分の底面断面図である。
図5】(a)は、隆起枠が生成された図1に示す対象物の一部分の正面図である。(b)は、図5(a)に示す対象物の一部分の底面断面図である。
図6】(a)は、画像が4パスで印刷される場合の1パス目の図1に示す対象物の一部分の底面断面図である。(b)は、画像が4パスで印刷される場合の2パス目の図6(a)に示す対象物の一部分の底面断面図である。(c)は、画像が4パスで印刷される場合の3パス目の図6(a)に示す対象物の一部分の底面断面図である。(d)は、画像が4パスで印刷される場合の4パス目の図6(a)に示す対象物の一部分の底面断面図である。
図7】隆起枠が画像の一部を形成している場合の図1に示す印刷物の一部分の正面図である。
図8】(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る印刷物の一部分の正面図である。(b)は、図8(a)に示す対象物の一部分の底面断面図である。
図9】(a)は、画像層が生成された図8に示す対象物の一部分の正面図である。(b)は、図9(a)に示す対象物の一部分の底面断面図である。
図10】(a)は、画像層および隆起枠が生成された図8に示す対象物の一部分の正面図である。(b)は、図10(a)に示す対象物の一部分の底面断面図である。
図11図8に示す対象物上に画像および隆起枠を印刷している最中のインクジェットプリンターのキャリッジの近傍の平面図である。
図12】隆起枠が画像の一部を形成している場合の図8に示す印刷物の一部分の正面図である。
図13】(a)は、画像の輪郭を形成していない隆起枠が画像の一部を形成している場合の本発明の第2の実施の形態に係る印刷物の一部分の正面図である。(b)は、図13(a)に示す印刷物の一部分の底面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0025】
(第1の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る印刷物の構成について説明する。
【0026】
図1(a)は、本実施の形態に係る印刷物10の一部分の正面図である。図1(b)は、印刷物10の一部分の底面断面図である。
【0027】
図1に示すように、印刷物10は、合成樹脂を山盛りにした装飾である樹脂盛13が対象物11上に形成された物である。印刷物10は、対象物11と、紫外線硬化型のインク(以下「UVインク」と言う。)によって対象物11上にUVインクジェット印刷された画像12aを形成する画像層12と、画像層12上に形成されることによって対象物11上に形成された樹脂盛13と、樹脂盛13が形成される領域である樹脂盛領域14aを区画する枠であって樹脂盛13のもとになる液体状の材料である液体材料を塞き止めるために隆起した隆起枠14とを備えている。
【0028】
対象物11は、例えば、合成樹脂などの材料で形成されている。対象物11は、例えば、スマートフォン用のカバーなどの物である。
【0029】
樹脂盛13は、例えば無色透明な合成樹脂によって形成されている。
【0030】
隆起枠14は、紫外線硬化型のUVインクが対象物11上にUVインクジェット印刷されて形成されている。
【0031】
次に、印刷物10の製造に使用されるインクジェットプリンターの構成について説明する。
【0032】
図2は、印刷物10の製造に使用されるインクジェットプリンター20の斜視図である。
【0033】
図2に示すように、インクジェットプリンター20は、対象物11を載せるテーブル21と、矢印20aで示す主走査の方向(以下「主走査方向」と言う。)に延在する本体22とを備えている。インクジェットプリンター20は、入力されたデータに基づいた形状に自動的にUVインクを塗布する装置である。
【0034】
テーブル21は、矢印20aで示す主走査方向に直交する矢印20bで示す副走査の方向(以下「副走査方向」と言う。)に延在していて本体22を矢印20bで示す副走査方向に移動可能に支持しているガイド機構21aを、矢印20aで示す主走査方向における両側に備えている。
【0035】
本体22は、矢印20aで示す主走査方向に延在しているガイドレール23と、矢印20aで示す主走査方向に移動可能にガイドレール23に支持されているキャリッジ24とを備えている。キャリッジ24は、UVインクの滴をテーブル21に向けて吐出するための複数の記録ヘッド25と、記録ヘッド25によって吐出されたUVインクを硬化させるための紫外線をテーブル21に向けて照射するための図示していないLED(Light Emitting Diode)とを搭載している。
【0036】
記録ヘッド25は、例えば、シアンのUVインク、マゼンタのUVインク、イエローのUVインク、ブラックのUVインク、白色のUVインク、無色透明なUVインクなど、UVインクの種類毎に設けられている。
【0037】
次に、樹脂盛13によって対象物11に装飾を施す樹脂盛装飾方法、すなわち、印刷物10の製造方法について説明する。
【0038】
1.印刷ステップ
作業者は、対象物11をインクジェットプリンター20のテーブル21の所定の位置に固定し、印刷データに基づいた画像層12および隆起枠14を対象物11上に生成するように、インクジェットプリンター20に指示する。なお、印刷データのうち隆起枠14のデータとしては、画像12aのデータから画像編集ソフトウェアによって抽出された画像12aの輪郭のデータが採用されても良い。
【0039】
作業者から指示を受けたインクジェットプリンター20は、テーブル21に対してキャリッジ24をガイドレール23に沿って矢印20aで示す主走査方向に移動するとともに、テーブル21に対して本体22をガイド機構21aに沿って矢印20bで示す副走査方向に移動する。すなわち、インクジェットプリンター20は、テーブル21上に固定された対象物11に対してキャリッジ24を印刷データに応じて移動する。そして、インクジェットプリンター20は、テーブル21上に固定された対象物11上に向けてキャリッジ24上の記録ヘッド25によってUVインクを吐出するとともに、対象物11上に吐出されたUVインクに向けてキャリッジ24上のLEDによって紫外線を照射する。すなわち、インクジェットプリンター20は、印刷データに基づいた形でUVインクを対象物11上にUVインクジェット印刷することによって、UVインクによる画像層12と、UVインクによる隆起枠14とを対象物11上に生成する。
【0040】
図3(a)は、画像層12が生成された対象物11の一部分の正面図である。図3(b)は、図3(a)に示す対象物11の一部分の底面断面図である。図4(a)は、画像層12および隆起枠14が生成された対象物11の一部分の正面図である。図4(b)は、図4(a)に示す対象物11の一部分の底面断面図である。
【0041】
印刷ステップにおいては、図3に示すように対象物11上に画像層12による画像12aを生成する画像印刷ステップを実行した後で、図4に示すように対象物11上に隆起枠14を生成する隆起枠生成ステップを実行するようになっている。
【0042】
ここで、隆起枠14は、樹脂盛領域14aを区画するために、厚みが画像層12の厚みより厚くなっている。
【0043】
画像層12と、隆起枠14との厚みの違いは、例えば、記録ヘッド25によって吐出されるUVインクの層の数の違いによって実現されることができる。すなわち、隆起枠14を形成するUVインクの層の数を、画像層12を形成するUVインクの層の数より多くすることによって実現されることができる。
【0044】
また、画像層12と、隆起枠14との厚みの違いは、例えば、記録ヘッド25によって吐出されるUVインクの粒の大きさの違いによって実現されることもできる。すなわち、隆起枠14を形成するUVインクが記録ヘッド25によって吐出された時点の粒の大きさを、画像層12を形成するUVインクが記録ヘッド25によって吐出された時点の粒の大きさより大きくすることによって実現されることができる。
【0045】
また、画像層12と、隆起枠14との厚みの違いは、例えば、記録ヘッド25によって吐出されるUVインクの層の数の違いと、記録ヘッド25によって吐出されるUVインクの粒の大きさの違いとの組み合わせによって実現されることもできる。
【0046】
2.材料滴下ステップ
作業者は、印刷ステップの後、インクジェットプリンター20のテーブル21から対象物11を取り外し、対象物11上において印刷ステップによって生成された隆起枠14によって区画されている樹脂盛領域14aに、樹脂盛13のもとになる液体材料を、手作業で滴下する。樹脂盛領域14aに滴下された液体材料は、隆起枠14によって塞き止められるので、隆起枠14を乗り越えることなく、樹脂盛領域14a内で時間経過に伴って硬化して図1に示すように樹脂盛13になる。そして、樹脂盛13が生成されると、印刷物10は完成する。
【0047】
なお、本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、合成樹脂のもとになる液体材料を作業者の手作業で対象物11上に滴下するようになっているが、合成樹脂のもとになる液体材料を専用の装置によって対象物11上に滴下するようになっていても良い。
【0048】
以上に説明したように、本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、対象物11上に樹脂盛13を形成する作業のうちの対象物11上へのUVインクジェット印刷の作業において、画像12aを対象物11上にUVインクジェット印刷するだけではなく、樹脂盛13のもとになる液体材料を塞き止めるための隆起枠14も対象物11上にUVインクジェット印刷するので、対象物11上に樹脂盛13を形成する作業を従来より効率化することができる。
【0049】
また、本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、インクジェットプリンター20の印刷機能によるUVインクの塗布によって隆起枠14を高精度に生成することができるので、隆起枠14によって区画されている樹脂盛領域14a内に生成される樹脂盛13を対象物11上に高精度に形成することができる。
【0050】
また、本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法において、隆起枠生成ステップにおいて隆起枠14を生成するUVインクが吐出される記録ヘッド25は、画像印刷ステップにおいて画像12aを生成するUVインクが吐出される記録ヘッド25であっても良い。すなわち、画像印刷ステップにおいて画像12aを生成するUVインクが例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのUVインクである場合、隆起枠14を生成するUVインクは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのUVインクの少なくとも1つであっても良い。この構成により、本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、隆起枠14専用のUVインクをインクジェットプリンター20が備えている必要がないので、隆起枠14専用のUVインクをインクジェットプリンター20が備えている構成と比較して、使用するインクジェットプリンター20の構造を簡略化することができる。
【0051】
なお、本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、例えば、無色透明なUVインクまたは白色のUVインクなど、隆起枠14専用のUVインクをインクジェットプリンター20が備えている構成であっても良い。
【0052】
図5(a)は、隆起枠14が生成された対象物11の一部分の正面図である。図5(b)は、図5(a)に示す対象物11の一部分の底面断面図である。
【0053】
本実施の形態に係る印刷ステップは、図3に示すように対象物11上に画像12aを生成する画像印刷ステップを実行した後で、図4に示すように対象物11上に隆起枠14を生成する隆起枠生成ステップを実行するようになっている。しかしながら、印刷ステップは、図5に示すように対象物11上に隆起枠14を生成する隆起枠生成ステップを実行した後で、図4に示すように対象物11上に画像12aを生成する画像印刷ステップを実行するようになっていても良い。
【0054】
図6(a)は、画像12a(図1参照。)が4パスで印刷される場合の1パス目の対象物11の一部分の底面断面図である。図6(b)は、画像12aが4パスで印刷される場合の2パス目の対象物11の一部分の底面断面図である。図6(c)は、画像12aが4パスで印刷される場合の3パス目の対象物11の一部分の底面断面図である。図6(d)は、画像12aが4パスで印刷される場合の4パス目の対象物11の一部分の底面断面図である。
【0055】
本実施の形態に係る印刷ステップは、図3に示すように対象物11上に画像12aを生成する画像印刷ステップを実行した後で、図4に示すように対象物11上に隆起枠14を生成する隆起枠生成ステップを実行するようになっている。しかしながら、印刷ステップは、対象物11上に画像12aを生成する画像印刷ステップの少なくとも一部と、対象物11上に隆起枠14を生成する隆起枠生成ステップの少なくとも一部とを同時に実行するようになっていても良い。例えば、図6に示すように、画像印刷ステップにおいて画像12aをUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッド25(図2参照。)の4回の主走査と、隆起枠生成ステップにおいて隆起枠14をUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッド25の4回の主走査とが、同一の主走査であっても良い。図6に示す画像層12は、矢印20b(図2参照。)で示す副走査方向における任意の位置において、矢印20aで示す主走査方向における1回の主走査毎に1/4の領域にUVインクの粒15が記録ヘッド25から対象物11上に着弾されることによって、最終的に4回の主走査によって1層で形成される。一方、図6に示す隆起枠14は、矢印20bで示す副走査方向における任意の位置において、矢印20aで示す主走査方向における1回の主走査毎に全領域にUVインクの粒15が記録ヘッド25から対象物11上に着弾されることによって、最終的に4回の主走査によって4層で形成される。
【0056】
図6に示す例においては、画像印刷ステップにおいて画像12aをUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッド25の複数回の主走査と、隆起枠生成ステップにおいて隆起枠14をUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッド25の複数回の主走査とが、全て同一の主走査である。しかしながら、画像印刷ステップにおいて画像12aをUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッド25の複数回の主走査のうち一部の回の主走査と、隆起枠生成ステップにおいて隆起枠14をUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッド25の複数回の主走査のうち一部の回の主走査とが、同一の主走査であるだけでも良い。
【0057】
本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、画像印刷ステップにおいて画像12aをUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッド25の複数回の主走査のうち少なくとも一部の回の主走査と、隆起枠生成ステップにおいて隆起枠14をUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッド25の複数回の主走査のうち少なくとも一部の回の主走査とが、同一の主走査である場合、画像12aをUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッド25の複数回の主走査と、隆起枠14をUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッド25の複数回の主走査とが完全に別々の主走査である構成と比較して、記録ヘッド25の主走査の回数を全体として低減するので、UVインクジェット印刷に必要な時間を低減することができ、結果として、対象物11上に樹脂盛13を形成する作業全体に必要な時間も低減することができる。
【0058】
図7は、隆起枠14が画像12aの一部を形成している場合の印刷物10の一部分の正面図である。
【0059】
本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、図7に示すように、隆起枠14が画像12aの一部を形成するようになっていても良い。図7に示す印刷物10を生成する樹脂盛装飾方法においては、隆起枠生成ステップが画像印刷ステップの一部を構成することになる。この構成により、本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、画像12aとは完全に別である隆起枠14を生成する構成と比較して、隆起枠14が目立ち難いので、画像12aおよび樹脂盛13によって対象物11を効果的に装飾することができる。なお、本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、隆起枠14の一部が画像12aの一部を形成するようになっていても良いし、画像12aとは完全に別である隆起枠14を生成するようになっていても良い。
【0060】
本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、隆起枠14が画像12aの輪郭を形成している。この構成により、本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、対象物11上に印刷された画像12aの輪郭を形成している隆起枠14によって区画されている樹脂盛領域14aに樹脂盛13のもとになる液体材料を滴下するので、この画像12aに樹脂盛13を重ねることになり、結果として、この画像12aを樹脂盛13によって効果的に装飾することができる。なお、本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、隆起枠14が画像12aの輪郭を形成していなくても良い。
【0061】
なお、印刷物10は、図4に示す状態、すなわち、隆起枠14が生成された後であって樹脂盛13のもとになる液体材料が樹脂盛領域14aに滴下される前である状態で、譲渡されることができる。印刷物10は、図4に示す状態で譲渡された場合、譲渡先で材料滴下ステップが実行されることができる。
【0062】
(第2の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る印刷物の構成について説明する。
【0063】
なお、本実施の形態に係る印刷物の構成のうち第1の実施の形態に係る印刷物10(図1参照。)の構成と同様の構成については、印刷物10の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0064】
図8(a)は、本実施の形態に係る印刷物110の一部分の正面図である。図8(b)は、印刷物110の一部分の底面断面図である。
【0065】
図8に示すように、印刷物110の構成は、隆起枠14が画像層12上に重ねられて生成されていることを除いて、印刷物10の構成と同様である。
【0066】
次に、樹脂盛13によって対象物11に装飾を施す樹脂盛装飾方法、すなわち、印刷物110の製造方法について説明する。
【0067】
1.印刷ステップ
作業者は、対象物11をインクジェットプリンター20のテーブル21の所定の位置に固定し、印刷データに基づいた画像層12および隆起枠14を対象物11上に生成するように、インクジェットプリンター20に指示する。なお、印刷データのうち隆起枠14のデータとしては、画像12aのデータから画像編集ソフトウェアによって抽出された画像12aの輪郭のデータが採用されても良い。
【0068】
作業者から指示を受けたインクジェットプリンター20は、第1の実施の形態と同様に、印刷データに基づいた形でUVインクを対象物11上にUVインクジェット印刷することによって、UVインクによる画像層12と、UVインクによる隆起枠14とを対象物11上に生成する。
【0069】
図9(a)は、画像層12が生成された対象物11の一部分の正面図である。図9(b)は、図9(a)に示す対象物11の一部分の底面断面図である。図10(a)は、画像層12および隆起枠14が生成された対象物11の一部分の正面図である。図10(b)は、図10(a)に示す対象物11の一部分の底面断面図である。
【0070】
印刷ステップにおいては、図9に示すように対象物11上に画像層12による画像12aを生成する画像印刷ステップを実行した後で、図10に示すように対象物11上に隆起枠14を生成する隆起枠生成ステップを実行するようになっている。
【0071】
なお、本実施の形態においては、画像層12と、隆起枠14との厚みは、同一であっても良い。
【0072】
2.材料滴下ステップ
作業者は、印刷ステップの後、インクジェットプリンター20のテーブル21から対象物11を取り外し、対象物11上において印刷ステップによって生成された隆起枠14によって区画されている樹脂盛領域14aに、樹脂盛13のもとになる液体材料を、手作業で滴下する。樹脂盛領域14aに滴下された液体材料は、隆起枠14によって塞き止められるので、隆起枠14を乗り越えることなく、樹脂盛領域14a内で時間経過に伴って硬化して図8に示すように樹脂盛13になる。そして、樹脂盛13が生成されると、印刷物110は完成する。
【0073】
なお、本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、合成樹脂のもとになる液体材料を作業者の手作業で対象物11上に滴下するようになっているが、合成樹脂のもとになる液体材料を専用の装置によって対象物11上に滴下するようになっていても良い。
【0074】
以上に説明したように、本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、対象物11上に樹脂盛13を形成する作業のうちの対象物11上へのUVインクジェット印刷の作業において、画像12aを対象物11上にUVインクジェット印刷するだけではなく、樹脂盛13のもとになる液体材料を塞き止めるための隆起枠14も対象物11上にUVインクジェット印刷するので、対象物11上に樹脂盛13を形成する作業を従来より効率化することができる。
【0075】
また、本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、インクジェットプリンター20の印刷機能によるUVインクの塗布によって隆起枠14を高精度に生成することができるので、隆起枠14によって区画されている樹脂盛領域14a内に生成される樹脂盛13を対象物11上に高精度に形成することができる。
【0076】
また、本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法において、隆起枠生成ステップにおいて隆起枠14を生成するUVインクが吐出される記録ヘッド25は、画像印刷ステップにおいて画像12aを生成するUVインクが吐出される記録ヘッド25であっても良い。すなわち、画像印刷ステップにおいて画像12aを生成するUVインクが例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのUVインクである場合、隆起枠14を生成するUVインクは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのUVインクの少なくとも1つであっても良い。この構成により、本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、隆起枠14専用のUVインクをインクジェットプリンター20が備えている必要がないので、隆起枠14専用のUVインクをインクジェットプリンター20が備えている構成と比較して、使用するインクジェットプリンター20の構造を簡略化することができる。
【0077】
なお、本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、例えば、無色透明なUVインクまたは白色のUVインクなど、隆起枠14専用のUVインクをインクジェットプリンター20が備えている構成であっても良い。
【0078】
図11は、対象物11上に画像12aおよび隆起枠14を印刷している最中のインクジェットプリンター20(図2参照。)のキャリッジ24の近傍の平面図である。
【0079】
本実施の形態に係る印刷ステップは、図9に示すように対象物11上に画像12aを生成する画像印刷ステップを実行した後で、図10に示すように対象物11上に隆起枠14を生成する隆起枠生成ステップを実行するようになっている。しかしながら、印刷ステップは、対象物11上に画像12aを生成する画像印刷ステップの少なくとも一部と、対象物11上に隆起枠14を生成する隆起枠生成ステップの少なくとも一部とを同時に実行するようになっていても良い。例えば、図11に示すように、画像印刷ステップにおいて画像12aをUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッド25の主走査と、隆起枠生成ステップにおいて隆起枠14をUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッド25の主走査とが、同一の主走査であっても良い。図11に示すキャリッジ24は、記録ヘッド25として、画像12a用のUVインクを吐出する記録ヘッド25aと、隆起枠14用のUVインクを吐出する記録ヘッド25bとを矢印20bで示す副走査方向にずらして搭載していて、矢印20aで示す主走査方向に移動可能にガイドレール23に支持されている。図11に示す樹脂盛装飾方法は、隆起枠14が画像12aに重なった装飾が施される場合に、画像12aの所定の位置の印刷と同時に、この位置に対して矢印20bで示す副走査方向にずれた位置において隆起枠14の印刷を実行するので、画像12aをUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッド25aの複数回の主走査と、隆起枠14をUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッド25bの複数回の主走査とが完全に別々の主走査である構成と比較して、記録ヘッド25a、25bの主走査の回数を全体として低減することができる。したがって、図11に示す樹脂盛装飾方法は、画像12aをUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッド25aの複数回の主走査と、隆起枠14をUVインクジェット印刷する場合の記録ヘッド25bの複数回の主走査とが完全に別々の主走査である構成と比較して、UVインクジェット印刷に必要な時間を低減することができ、結果として、対象物11上に樹脂盛13を形成する作業全体に必要な時間も低減することができる。
【0080】
図12は、隆起枠14が画像12aの一部を形成している場合の印刷物110の一部分の正面図である。
【0081】
本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、図12に示すように、隆起枠14が画像12aの一部を形成するようになっていても良い。図12に示す印刷物110を生成する樹脂盛装飾方法においては、隆起枠生成ステップが画像印刷ステップの一部を構成することになる。この構成により、本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、画像12aとは完全に別である隆起枠14を生成する構成と比較して、隆起枠14が目立ち難いので、画像12aおよび樹脂盛13によって対象物11を効果的に装飾することができる。なお、本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、隆起枠14の一部が画像12aの一部を形成するようになっていても良いし、画像12aとは完全に別である隆起枠14を生成するようになっていても良い。
【0082】
本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、隆起枠14が画像12aの輪郭を形成している。この構成により、本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、対象物11上に印刷された画像12aの輪郭を形成している隆起枠14によって区画されている樹脂盛領域14aに樹脂盛13のもとになる液体材料を滴下するので、この画像12aに樹脂盛13を重ねることになり、結果として、この画像12aを樹脂盛13によって効果的に装飾することができる。
【0083】
図13(a)は、画像12aの輪郭を形成していない隆起枠14が画像12aの一部を形成している場合の印刷物110の一部分の正面図である。図13(b)は、図13(a)に示す印刷物110の一部分の底面断面図である。
【0084】
本実施の形態に係る樹脂盛装飾方法は、例えば図13に示すように、隆起枠14が画像12aの輪郭を形成していなくても良い。図13に示す印刷物110を生成する樹脂盛装飾方法においては、隆起枠生成ステップが画像印刷ステップの一部を構成することになる。
【0085】
なお、印刷物110は、図10に示す状態、すなわち、隆起枠14が生成された後であって樹脂盛13のもとになる液体材料が樹脂盛領域14aに滴下される前である状態で、譲渡されることができる。印刷物110は、図10に示す状態で譲渡された場合、譲渡先で材料滴下ステップが実行されることができる。
【符号の説明】
【0086】
10 印刷物
11 対象物
12a 画像
13 樹脂盛
14 隆起枠
14a 樹脂盛領域
20 インクジェットプリンター
20a 矢印(主走査の方向を示す矢印)
20b 矢印(副走査の方向を示す矢印)
24 キャリッジ
25、25a、25b 記録ヘッド
110 印刷物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13