特許第6041661号(P6041661)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6041661
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】面状ライトユニット
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20161206BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20161206BHJP
【FI】
   F21S2/00 492
   F21S2/00 493
   F21S2/00 496
   F21Y115:10
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-275786(P2012-275786)
(22)【出願日】2012年12月18日
(65)【公開番号】特開2014-120385(P2014-120385A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2015年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120396
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】宮下 純司
(72)【発明者】
【氏名】安原 良
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 清一
【審査官】 鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−209128(JP,A)
【文献】 特開2012−074309(JP,A)
【文献】 特開平07−036035(JP,A)
【文献】 特開2006−048968(JP,A)
【文献】 特開2012−209206(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に導光空間が形成されるシート支持部材と、
該シート支持部材上に設置され前記導光空間の上方に配された拡散シートと、
前記拡散シートの少なくとも一辺側に並んで配置された複数の光源と、
下面を前記光源側に向けていると共に前記光源から出射された光の光軸に対して傾斜した状態で前記導光空間に設置された傾斜光学シートと、
前記傾斜光学シートの下方に設置された反射シートと、
複数の前記光源の光出射面側に設置されていると共に前記光源から出射される光を該光源の前方の前記導光空間に向けて集光する集光レンズとを備え
前記傾斜光学シートが、前記拡散シートに対しても傾斜し、前記光源から遠い領域ほど前記拡散シートから離れていることを特徴とする面状ライトユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の面状ライトユニットにおいて、
前記拡散シートの上に配されたプリズムシートを備えていることを特徴とする面状ライトユニット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の面状ライトユニットにおいて、
複数の前記光源を実装した基板を備え、
前記基板の表面が、白色とされていることを特徴とする面状ライトユニット。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の面状ライトユニットにおいて、
前記傾斜光学シートが、平行な複数の稜線を有する複数のプリズム部を上面に有するプリズムシートであることを特徴とする面状ライトユニット。
【請求項5】
請求項に記載の面状ライトユニットにおいて、
前記プリズム部の頂角が、前記光源に近い領域と遠い領域とで異なっていることを特徴とする面状ライトユニット。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか一項に記載の面状ライトユニットにおいて、
前記傾斜光学シートが、拡散シートであることを特徴とする面状ライトユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネルのバックライトなどの照明に用いる面状ライトユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ノートPC(パーソナルコンピュータ)、カーナビゲーション装置、モバイルタイプPC、携帯電話機、PDA、ATM(現金自動預け払い機)等のディスプレイには、画像表示のための液晶表示装置が広く採用されている。この液晶表示装置には、液晶表示パネルの裏面側から光を照射して表示画面の輝度を高めるバックライトユニットが用いられている。
【0003】
このバックライトユニットには、蛍光管やLED等の光源からの光を導光して主面全体から液晶表示パネルに向けて出射させる導光板を用いたタイプが知られているが、その他に、導光板を用いずに反射面部材と発光面部材との間の空間に光を出射させて、反射および拡散させる中空式面照明装置が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1から3には、中空のユニットケースの底面側に光反射部材を配置し、ユニットケースの反射面部材と対向する表側に発光面部材を配置し、ユニットケースにおける反射面部材と発光面部材とで挟まれる空間を中空導光領域とし、配線基板に多数個のLEDを列設実装して成るLED光源を中空導光領域に隣接して、中空導光領域に出射するように配置した中空式照明装置が提案されている。この中空式照明装置では、LED光源からの光を集光するLEDコリメータをLED光源の出射部に配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−60061号公報
【特許文献2】特開2008−300194号公報
【特許文献3】特開2009−99271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
上記特許文献1から3に記載の中空式照明装置では、コリメータレンズを用いてLEDから出射される光を集光して中空導光領域に向けて出射させ、反射面部材によって上方に反射して出射しているが、発光エリアにおける明るさムラが生じ易いという不都合があった。すなわち、光源から遠いほど、中空導光領域の上方に配置された拡散シート等のシート類に対する光の入射角度が大きくなり、シート類を透過できる光が少なくなってしまう不都合があった。このため、光源から遠いほど暗くなり易いと共に光源側が明るくなり易く、効率も低下してしまっていた。また、コリメータレンズからの直接光がシート類へ入射する際、入射角度が大きくなってしまうため、シート類に対する光の入射効率が悪いという不都合があった。
【0007】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、導光板を用いない中空構造を採用しつつ明るさムラの改善や輝度の向上を図ることができ、指向性の調整も可能である面状ライトユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係る面状ライトユニットは、内側に導光空間が形成されるシート支持部材と、該シート支持部材上に設置され前記導光空間の上方に配された拡散シートと、前記拡散シートの少なくとも一辺側に並んで配置された複数の光源と、下面を前記光源側に向けていると共に前記光源から出射された光の光軸に対して傾斜した状態で前記導光空間に設置された傾斜光学シートとを備えていることを特徴とする。
【0009】
この面状ライトユニットでは、下面を光源側に向けていると共に光源から出射された光の光軸に対して傾斜した状態で導光空間に設置され下面から入射される光を上面から光路を変更して出射する傾斜光学シートを備えている。この導光空間内の傾斜光学シートによって光源からの光は、角度を変えて上方に向かい拡散シートに入射する。つまり、光源からの光は、傾斜光学シートによって拡散シートへの入射角度を小さくすることができるため、拡散シートに対する透過率が向上する。この結果、面状ライトユニットの輝度が向上する。このとき拡散シートの透過率が改善する割合は、光源から離れるほど大きくなる傾向があるので、面状ライトユニットの明るさムラも改善する。また、傾斜光学シートの光路変更機能を調整することによって、輝度ばかりでなく拡散シートへ入射され拡散シートから出射される光の指向性も調整することが可能になる。さらに、導光板を用いずにシート部材のみを追加するだけで済むため、構造が簡易であり、軽量で安価に実現可能である。
【0010】
第2の発明に係る面状ライトユニットは、第1の発明において、前記傾斜光学シートの前記光源に近い領域と遠い領域とで、前記光軸に対する傾斜角度が異なっていることを特徴とする。
すなわち、この面状ライトユニットでは、傾斜光学シートの光源に近い領域と遠い領域とで、光軸に対する傾斜角度が異なっているので、光源に近い領域と遠い領域とで光路の変更方向を変えることができ、光の指向性を領域に応じて変えることができる。例えば、光源に近い領域では、遠い領域に比べて比較的明るくなりやすいため、近い領域では上方への光路の変更角度を小さくすると共に遠い領域では上方への光路の変更角度を大きくすると良い。このようにすると近い領域よりも遠い領域で比較的多くの光を透過させられるようになるため、全体の明るさムラの改善と輝度の向上とを図ることができる。
【0011】
第3の発明に係る面状ライトユニットは、第1又は第2の発明において、前記拡散シート上に設置され発光面領域を窓部とした枠状のフロントケースを備え、前記シート支持部材が、前記導光空間を囲んだ四角枠状の支持部材であり、前記傾斜光学シートが、前記発光面領域の前記光源側の一端部から離間した位置の直下から前記一端部の反対側の他端部から離間した位置の直下まで延在していることを特徴とする。
発光面領域の光源側の一端部は、光源に近接した領域であるため、明るくなりやすいと共に、反対側の他端部は、光源から最も遠い部分であるが、光源に対向するシート支持部材の内側面からの反射によって明るくなりやすい。
このため、本発明の面状ライトユニットでは、傾斜光学シートが、発光面領域の光源側の一端部から離間した位置の直下から一端部の反対側の他端部から離間した位置の直下まで延在しているので、上記一端部及び上記他端部の直下では傾斜光学シートによる光路変更を行わず、中間領域のみ光路変更して拡散シートに光を導くことで、両端部での輝度を抑えて全体の輝度均一性を向上させることができる。
【0012】
第4の発明に係る面状ライトユニットは、第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記傾斜光学シートが、平行な複数の稜線を有する複数のプリズム部を有するプリズムシートであることを特徴とする。
すなわち、この面状ライトユニットでは、傾斜光学シートが、平行な複数の稜線を有する複数のプリズム部を有するプリズムシートであるので、プリズム部の頂角等の形状設定に応じて透過光の進行方向を調整することができる。
【0013】
第5の発明に係る面状ライトユニットは、第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記傾斜光学シートが、拡散シートであることを特徴とする。
すなわち、この面状ライトユニットでは、傾斜光学シートが、拡散シートであるので、透過光を拡散させて直上方向に進む光の成分を増やすことができる。
【0014】
第6の発明に係る面状ライトユニットは、第4の発明において、前記プリズム部の頂角が、前記光源に近い領域と遠い領域とで異なっていることを特徴とする。
すなわち、この面状ライトユニットでは、プリズム部の頂角が、光源に近い領域と遠い領域とで異なっているので、プリズム部の頂角に応じて近い領域における透過光の進行方向と遠い領域における透過光の進行方向とを異ならせて指向性や輝度を調整することができる。例えば、明るくなりやすい前記近い領域では、プリズム部の頂角を大きくして直上方向への透過を抑制し、暗くなりやすい前記遠い領域では、プリズム部の頂角を小さくして直上方向への透過を増やすことにより、全体の輝度の均一化を図ることができる。
【0015】
第7の発明に係る面状ライトユニットは、第1から第6の発明のいずれかにおいて、前記傾斜光学シートの下方に設置された反射シートを備えていること特徴とする。
すなわち、この面状ライトユニットでは、傾斜光学シートの下方に設置された反射シートを備えているので、反射シートからの反射光も利用することで、輝度をさらに向上させることができる。
【0016】
第8の発明に係る面状ライトユニットは、第1から第7の発明のいずれかにおいて、複数の前記光源の光出射面側に設置されていると共に前記光源から出射される光を該光源の前方の前記導光空間に向けて集光する集光レンズを備えていること特徴とする。
すなわち、この面状ライトユニットでは、光源から出射される光をその光源の前方の導光空間に向けて集光する集光レンズを備えているので、集光レンズによって輝度均一性や指向性等をさらに高精度に調整することが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る面状ライトユニットによれば、導光空間において下面を光源側に向け、光源の光軸に対して傾斜した傾斜光学シートを備えているので、面状ライトユニットから出射される光の指向性や輝度を調整することが可能になる。
したがって、この面状ライトユニットは、明るさムラが少ないと共に高い輝度が得られ、簡易な構成で安価な装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る面状ライトユニットの第1実施形態において、面状ライトユニットを示す分解斜視図である。
図2】第1実施形態において、面状ライトユニットを示す簡略的な断面図である。
図3】第1実施形態において、傾斜光学シートがプリズムシートの場合(a)と、拡散シートの場合(b)と、傾斜光学シートが拡散シートであって反射シートからの反射光が入射する場合(c)についての光の進行方向を示す説明図である。
図4】拡散シートへの光の入射角と透過率との関係を示すグラフである。
図5】拡散シートへの光の入射角とプリズムシートからの出射角とを示す説明図である。
図6】拡散シートへの光の入射角とプリズムシートからの出射角との関係を示すグラフである。
図7】第1実施形態において、プリズムシートの傾斜光学シートを透過する光の出射角度を示す説明図である。
図8】第1実施形態において、プリズムシートの傾斜光学シートにおける頂角35°に対する出射角度を示すグラフである。
図9】第1実施形態において、プリズムシートの傾斜光学シートにおける頂角63°に対する出射角度を示すグラフである。
図10】第1実施形態において、拡散シートへの光の入射角40°に対する透過率を示すグラフである。
図11】第1実施形態において、拡散シートへの光の入射角40°に対するプリズムシートからの出射角を示すグラフである。
図12】第1実施形態において、発光面領域(L.A.(ライティングエリア))端面(一端部)からの距離に対する輝度を示すグラフである。
図13】第1実施形態において、傾斜光学シートの有無による指向性の違いを示すグラフである。
図14】本発明に係る面状ライトユニットの第2実施形態を示す簡略的な断面図である。
図15】本発明に係る面状ライトユニットの第3実施形態を示す簡略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る面状ライトユニットの第1実施形態を、図1から図13に基づいて説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために必要に応じて縮尺を適宜変更している。
【0020】
本実施形態における面状ライトユニット1は、例えば液晶表示パネルのバックライトユニットに用いられるものであって、図1及び図2に示すように、上部が開口した箱状のバックケース2と、該バックケース2の底面上に設置された反射シート3と、該反射シート3上に設置されていると共に内側に導光空間が形成されるシート支持部材4と、該シート支持部材4上に設置され反射シート3との間に導光空間を空けて配された拡散シート5と、該拡散シート5上に設置された第1プリズムシート6Aおよび第2プリズムシート6Bと、これらプリズムシート上に設置された偏光シート7と、該偏光シート7上に設置された発光面領域LAを窓部とした枠状のフロントケース8と、拡散シート5の少なくとも一辺側に並んで配置され反射シート3と拡散シート5との間の導光空間に光を照射する複数の光源Lと、複数の光源Lが実装された帯状のフレキシブルプリント基板9と、複数の光源Lの光出射面側に設置されていると共に光源Lから出射される光を該光源Lの前方の前記導光空間に向けて集光する集光レンズ10と、下面を光源L側に向けていると共に光源Lの光軸10aに対して傾斜した状態で導光空間に設置され、下面から入射される光を、光路を変更して上面から出射する傾斜光学シート11A,11Bとを備えている。
【0021】
なお、本実施形態では、フロントケース8側の光出射面側を表面側又は上面側として記載している。
上記シート支持部材4は、拡散シート5の外周部(4辺)に沿って延在していると共に中空空間となる導光空間を囲んだ四角枠状の支持部材である。このシート支持部材4は、白色材料の樹脂で成形されている。
また、シート支持部材4は、拡散シート5をその外周部全体にわたって固定している。すなわち、拡散シート5は、シート支持部材4上に外周部全体(4辺全部)にわたって両面テープ(図示略)によって接着され固定されている。
【0022】
さらに、このシート支持部材4は、拡散シート5の外周部に沿って延在して拡散シート5をその外周部全体にわたって固定する支持フレームであり、光源L側のフレーム部分が切り欠かれて、複数の光源Lを実装したフレキシブルプリント基板9および集光レンズ10が設置可能なスペースを設けてある。
また、シート支持部材4は、上述したように白色材料で形成されることが好ましいが、金属製であっても構わない。
【0023】
上記光源Lとしては、LED素子が採用されている。また、複数の光源Lは、フレキシブルプリント基板9上に実装されている。
なお、本実施形態では、白色LEDのLED素子が採用されている。この白色LEDは、例えば基板上の半導体発光素子を樹脂材で封止したものである。上記半導体発光素子として、例えば青色(波長λ:470〜490nm)LED素子又は紫外光(波長λ:470nm未満)LED素子が採用され、上記樹脂材としては、シリコーン樹脂を主剤とし、例えばYAG蛍光体が添加されたものが採用される。なお、白色LEDとしては、上記以外でも種々のものが採用可能である。
【0024】
これら複数の光源Lを実装したフレキシブルプリント基板9は、バックケース2の内壁面の一つに伝熱テープ(図示略)を介して接着されている。この伝熱テープは、フレキシブルプリント基板9の保持と光源Lの放熱のために用いられている。
なお、フレキシブルプリント基板9は、白色のレジストを用いたものが好ましい。この場合、漏れ光がフレキシブルプリント基板9の白色レジストで白色光として反射され、輝度の向上に寄与する。
【0025】
上記反射シート3は、光反射機能を有する金属板、フィルム、箔等、銀蒸着膜を設けたフィルムや、アルミ金属蒸着膜を設けたフィルム、白色シートなどが採用可能であり、本実施形態では、例えばポリエステル系樹脂を用いた多層膜構造の反射フィルムを用いている。
【0026】
上記第1プリズムシート6Aは、拡散シート5上に配され、上記第2プリズムシート6Bは、第1プリズムシート6A上に配されている。第1プリズムシート6A及び第2プリズムシート6Bは、拡散シート5からの光を上面側に集光するための透明シート状の部材であり、平行な複数の稜線を有するプリズム部を上面側に有している。また、第1プリズムシート6Aは、光源Lの光軸10aに対して、プリズム部の稜線がねじれの位置に設定され、特に、上方への高い指向性が得られる方向として、光源Lの光軸10aに直交する方向と平行に設定される。なお、本実施形態では、光源Lの光軸10が、集光レンズ10で集光された光の光軸と同じに設定されている。
【0027】
また、第2プリズムシート6Bは、光源Lの光軸10aに対して、プリズム部の稜線が平行に設定されている。すなわち、第1プリズムシート6Aと第2プリズムシート6Bとは、互いのプリズム部の稜線がねじれの位置に配され、平面視で互いに稜線が直交している。このような第1プリズムシート6Aおよび第2プリズムシート6Bとしては、例えば住友スリーエム株式会社製のBEF(Brightness Enhancement Film:商品名)シートが採用可能である。
【0028】
上記偏光シート7は、光のS成分とP成分の内、一方の成分のみを透過し、他方を反射する反射型偏光フィルムである。反射された成分の光は、反射シート3側に戻り、再度、反射型偏光フィルムに入射するまでの間に、反射型偏光フィルムを透過する成分の光に変換される。このような反射型偏光フィルムは、例えば住友スリーエム株式会社製のD−BEF(商品名)シートが採用可能である。なお、偏光シート7として、吸収型偏光シートを採用しても構わない。また、用途に応じて偏光シート7を省略しても構わない。
【0029】
上記集光レンズ10は、光源Lの並び方向に沿って延在しているコリメートレンズである。この集光レンズ10は、複数の光源Lを収納可能な断面矩形状の溝部を延在方向に沿って有していると共に、光源Lの光軸方向に突出した断面円弧状の先端形状を有した棒状の凸レンズである。このため、この集光レンズ10は、押出成形で容易に形成でき、生産性が高く低コストである。
なお、光源Lからの光を導光空間に入射させる手段としては、集光レンズ10の他に反射鏡などを利用することも可能である。また、光源としてレーザ光源を採用する際には、所望の方向に出射光を広げるレンズを用いてもよい。
【0030】
上記傾斜光学シート11A,11Bは、シート支持部材4の対向する一対の内側面に形成されたスリット(図示略)に両端部が嵌め込まれて傾斜状態に固定されている。なお、シート支持部材4の両内側面にそれぞれ段差部を設け、これら段差部上に傾斜光学シート11A,11Bの両端部を載置すると共に接着して傾斜光学シート11A,11Bを固定しても構わない。
【0031】
この傾斜光学シートは、図3の(a)に示すように、平行な複数の稜線を有する複数のプリズム部11aを有するプリズムシートである傾斜光学シート11A、又は図3の(b)に示すように、拡散シートである傾斜光学シート11Bが採用可能である。なお、プリズムシートの場合、プリズム部11aは下面に形成しても上面に形成しても構わない。
【0032】
本実施形態の面状ライトユニット1では、図2に示すように、集光レンズ10により集光された光源Lからの光が、直接又は反射シート3で反射された後に傾斜光学シート11A,11Bで上方に向けて光路変更され、拡散シート5を介して拡散し、第1プリズムシート6A、第2プリズムシート6Bおよび偏光シート7を通してフロントケース8の窓部(発光面領域)から上方に出射される。なお、図2では、2枚のプリズムシートを1枚で図示し、偏光シート7は省略している。
【0033】
例えば、図3の(a)に示すように、プリズムシートの傾斜光学シート11Aである場合、プリズム部11aの頂角などの形状設定に応じて透過光の進行方向を任意に設定可能である。また、図3の(b)に示すように、拡散シートの傾斜光学シート11Bである場合、透過する光を拡散させて直上方向に進む光の成分を増やすことが可能である。さらに、この場合、図3の(c)に示すように、反射シート3との間で光が反射を繰り返して直上方向への光をより増やすことも可能になる。特に、これらの傾斜光学シート11A,11Bを採用することで、光源L及び集光レンズ10から遠い領域では、直上に出射される光が増えるため、明るさムラの改善や輝度の向上を図ることができる。
【0034】
なお、従来の導光板を用いたバックライトでは、光源から出射された光を近接した導光板の端面にできるだけ入光させるように光学設計されるが、本実施形態の面状ライトユニット1では、導光板を用いない中空構造であるため、集光レンズ10によりできるだけ光源Lから離れたところで集光させるように光学設計されており、かつ傾斜光学シート11A,11Bも光路変更によりできるだけ光源Lから離れたところへ光が進行するように光学設計されている。
【0035】
図4に示すように、拡散シート5への入射角θに対する拡散シートの透過率Tは、入射角θが小さくなるほど高くなるが、傾斜光学シート11A,11Bを用いない従来の場合、入射角θが60〜85°程度であり、透過率Tが10〜55%であった。なお、入射角θが0°では、透過率Tは約90%となる。
また、図5に示すように、拡散シート5への入射角θに対するプリズムシート6A,6Bからの出射角αは、傾斜光学シート11A,11Bを用いない従来の場合、図6に示すように、20〜25°程度になってしまう。なお、プリズムシート6A,6Bからの出射角αが0°、すなわち直上方向へ光を出射させるには、図6に示すように、入射角θを30°に近づけることが好ましい。
【0036】
本実施形態において、例えば図7に示すように、頂角φが35°のプリズム部11aに設定したプリズムシートの傾斜光学シート11Aを、光軸10aに対して5.4°傾斜させた場合、シミュレーションの結果、図8に示すように、入射角θが30°となる。すなわち、このプリズムシートの傾斜光学シート11Aを用いることで、プリズムシート6A,6Bからの出射角αを0°に設定することが可能になる。
【0037】
以上のように本実施形態の面状ライトユニット1は、光源Lの発光を効率よく出射できる。そこでこのような条件を使って面状ライトユニット1を設計する手順の一例を説明する。多くの場合、先ず面状ライトユニット1の外形が決められる。このときの外形的な制約から中空導光領域が決まり、続いて傾斜光学シート11Aの傾斜角が決まる。本実施形態では5.4°であった。続いて傾斜角が5.4°である場合における傾斜拡散シート11Aのプリズム部11aの頂角φと出射角θ(拡散シートへの入射角θ)との関係を計算し、図8の関係を得る。また予め、使用するプリズムシート6A,6Bについて入射角θと出射角αの関係を求めておく(図6等)。
【0038】
ここまで準備できたら最終製品の使用状況にあわせて出射角αを決める。本実施形態のように出射角αを0°とする場合は、図6から入射角θを30°とし、図8から入射角θが30°のときプリズム頂角φを35°とすれば良い。以上のようにして図6図8を使うことにより面状ライトユニット1全体の仕様が決められる。
【0039】
次に傾斜光学シート11Aのプリズム部11aの頂角φを調整して、輝度を向上させるとともに指向性を変える場合を説明する。頂角φが65°のプリズム部11aに設定したプリズムシートの傾斜光学シート11Aを、光軸10aに対して5.4°傾斜させた場合、シミュレーションの結果、図9に示すように、拡散シートへの入射角θが約40°となる。この場合、図10に示すように、拡散シートへの入射角θが40°であると、透過率Tが約80%となることがわかる。
このように、従来では透過率Tが10〜55%程度であったのに対し、本実施形態では、透過率Tを約80%に大幅に向上させることが可能になる。
さらに、図11に示すように、拡散シートへの入射角θが40°であると、プリズムシート6Aからの出射角αが10°程度になり、図6に示す従来に比べて直上方向に近い出射方向が得られる。
【0040】
次に、発光面領域LAの一端部(光源L側の端部)からの距離に対する輝度を、プリズムシートの傾斜光学シート11A,11Bが有る場合(図中、「光学シートあり」と記載)と無い場合(図中、「光学シートなし」と記載)とについて、上記D−BEFシートの偏光シート7が有る場合(図中、「DBEFシートあり」と記載)と無い場合(図中、「光学シートなし」と記載)とで測定した結果を、図12に示す。
【0041】
この図から分かるように、傾斜光学シート11Aが有る本実施形態では、傾斜光学シート11Aの無い従来(通常構成)に比べて、輝度が、偏光シート7が有る場合で6%向上し、偏光シート7が無い場合で19%向上している。
なお、図12に示すように、傾斜光学シート11Aが無い場合、発光面領域LAの他端部(光源Lと反対側の端部)の輝度が高くなっているが、これはシート支持部材4の他端部近傍における内面で反射された光によるものである。しかしながら、傾斜光学シート11Aが有る本実施形態では、発光面領域LAの他端部における輝度の高まりが抑制されている。
【0042】
次に、プリズムシートの傾斜光学シート11Aの有る場合と無い場合とで、指向性について測定した結果を、図13に示す。なお、この実施形態では、D−BEFシートの偏光シート7を用いている。また、指向性における0°方向は、発光面領域LAの直上方向としている。この結果からわかるように、傾斜光学シート11Aが無い従来例では、約0°にピークがある指向性を有しているのに対し、傾斜光学シート11Aが有る本発明の実施例では、約10°の方向にピークがある指向性を有している。このように本発明では、指向性を調整可能であるため、カーナビゲーションに用いられる液晶表示装置のバックライト等で特定方向に指向性を傾けたい場合などにも有効である。
【0043】
このように本実施形態の面状ライトユニット1では、下面を光源L側に向けていると共に光源Lの光軸10aに対して傾斜した状態で導光空間に設置され下面から入射される光を上面から光路を変更して出射する傾斜光学シート11A,11Bを備えているので、導光空間内の傾斜光学シート11A,11Bによって集光レンズ10で集光された光源Lからの光が上方に向けて角度を変えて拡散シート5に入射される。
【0044】
したがって、傾斜光学シート11A,11Bの光路変更機能によって、拡散シート5へ入射され該拡散シート5から出射される光の指向性や輝度を調整することが可能になる。また、集光レンズ10からの光が拡散シート5に直接入射する割合を低減することができると共に、傾斜光学シート11A,11Bによって拡散シート5への入射角度を小さくすることができ、高い透過率を得ることができる。さらに、導光板を用いずにシート部材のみを追加するだけで済むため、構造が簡易であり、軽量で安価に実現可能である。
【0045】
次に、本発明に係る面状ライトユニットの第2から第4実施形態について、図14及び図15を参照して以下に説明する。なお、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。また、以下の各実施形態を説明する図14及び図15では、図2と同様に構成を簡易的に図示している。
【0046】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、傾斜光学シート11A,11Bが光源L及び集光レンズ10の上方から対向するシート支持部材4の内周面の近傍まで延在させて設置しているのに対し、第2実施形態の面状ライトユニット21は、図14に示すように、傾斜光学シート11A,11Bが、発光面領域LAの光源L側の一端部から離間した位置の直下から前記一端部の反対側の他端部から離間した位置の直下まで延在している点である。
【0047】
発光面領域LAの光源L側の一端部は、図12に示すように、光源Lに近接した領域であるため、明るくなりやすいと共に、反対側の他端部は、光源Lから最も遠い部分であるが、光源Lに対向するシート支持部材4の内側面からの反射によって明るくなりやすい。
しかしながら、第2実施形態の面状ライトユニット21では、傾斜光学シート11A,11Bが、発光面領域LAの光源L側の一端部から離間した位置の直下から一端部の反対側の他端部から離間した位置の直下まで延在しているので、上記一端部及び上記他端部の直下では傾斜光学シート11A,11Bによる光路変更を行わず、中間領域のみ光路変更して拡散シート5に光を導くことで、両端部での輝度を抑えて全体の輝度均一性を向上させることができる。
【0048】
また、第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、傾斜光学シート11A,11Bが直線的に延在して傾斜されているのに対し、第3実施形態の面状ライトユニット31は、図15に示すように、傾斜光学シート11A,11Bの光源Lに近い領域と遠い領域とで、光軸10aに対する傾斜角度が異なっている点である。
すなわち、第3実施形態では、傾斜光学シート11A,11Bが光源L側から漸次曲率が大きくなるようにカーブした傾斜状態に設置されており、光軸10aに対する傾斜角度が、直線的に設置された場合に比べて、光源Lに近い領域では入射角がより大きく、遠い領域では入射角がより小さくなっている。
【0049】
このように、第3実施形態の面状ライトユニット31では、傾斜光学シート11A,11Bの光源Lに近い領域と遠い領域とで、光軸10aに対する傾斜角度が異なっているので、光源Lに近い領域と遠い領域とで光路の変更方向を変えることができ、光の指向性を領域に応じて変えることができる。特に、光源Lに近い領域では、遠い領域に比べて比較的明るくなりやすいため、第3実施形態では、近い領域では上方への光路の変更角度を小さくすると共に遠い領域では上方への光路の変更角度を大きくすることで、近い領域よりも遠い領域に向けて比較的多くの光を透過させて、全体の明るさムラの改善と輝度の向上とを図ることができる。
【0050】
また、第4実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、頂角が一定のプリズム部11aを有したプリズムシートである傾斜光学シート11Aを用いているのに対し、第4実施形態の面状ライトユニットは、プリズム部11aの頂角φが、光源Lに近い領域と遠い領域とで異なっている点である。
例えば、第4実施形態では、明るくなりやすい前記近い領域で、プリズム部11aの頂角φを前記遠い領域よりも大きく設定することで、直上方向への光の透過を抑制すると共に、暗くなりやすい前記遠い領域で、プリズム部11aの頂角を、前記近い領域よりも小さく設定することで、直上方向への光の透過を増やすことで、面内の輝度均一性を向上させることができる。
【0051】
このように、第4実施形態の面状ライトユニットでは、プリズム部11aの頂角φが、光源Lに近い領域と遠い領域とで異なっているので、プリズム部11aの頂角φに応じて前記近い領域と前記遠い領域とで透過光の進行方向を変えて指向性や輝度を調整することができる。
【0052】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
【0053】
例えば、上記各実施形態の面状ライトユニットでは、液晶表示装置のバックライト用としているが、面状光源として他の照明用途に用いても構わない。なお、単に照明用として採用する場合は、光学シートは無くても構わない。
また、2枚のプリズムシートを用いているが、1枚のプリズムシートを採用したライトユニットとしても構わない。さらに、拡散シートを複数枚重ねて設置しても構わない。
【0054】
さらに、フロントケースの代わりに、リムシートを用いても構わない。このリムシートは、液晶表示パネルとバックライトユニット(面状ライトユニット)との接合に用いる両面テープであって、遮光及び反射の機能を有したシートである。
また、コリメータレンズを用いて光源の光を集光しているが、このレンズの形状を工夫して、指向性を非対称にすることで、輝度を向上させることができる。
【0055】
また、上記各実施形態では、拡散シートの一辺側だけに光源と集光レンズとを配置して一枚の傾斜光学シートを設置しているが、互いに対向する2辺側にそれぞれ光源と集光レンズとを設置し、これらに対応した2枚の傾斜光学シートを導光空間内に設置しても構わない。
【符号の説明】
【0056】
1,21,31…面状ライトユニット、2…バックケース、3…反射シート、4…シート支持部材、6A…第1プリズムシート、6B…第2プリズムシート、7…偏光シート、8…フロントケース、9…フレキシブルプリント基板、10…集光レンズ、10a…光源の光軸、11A,11B…傾斜光学シート、L…光源、LA…発光面領域
図1
図2
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図5
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図14
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図13