(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
機体と、この機体に開閉自在に設けられる前扉と、この前扉に設けられるベース部材と、このベース部材に取り付けられ、上側の第1位置と下側の第2位置との間で上下方向にスライド可能な役物と、前記第2位置にある前記役物の下方に近接するようにして前記前扉に設けられる構造体と、前記役物を前記第1位置と前記第2位置の間にある第3位置において仮固定する仮ロック装置と、前記役物を前記第2位置において固定する本ロック装置と、を備え、
前記仮ロック装置は、前記役物と前記ベース部材のいずれか一方に設けられた突起部と、他方に設けられた突起保持部とを有し、前記突起保持部が前記突起部を保持することによって前記役物を仮固定する構成とされ、
前記本ロック装置は、前後方向の一側に移動して前記役物を固定すると共に、前後方向の他側に移動して前記役物の固定を解除するロック部材を有し、前記ロック部材は、一回の操作で前記一側から前記他側、あるいは前記他側から前記一側へ選択的に移動する構成とされる、遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明をパチンコ機に採用した場合の実施の形態例について、図面を用いて説明する。なお、以下の説明において、前後、上下、左右の各方向は、何れもパチンコ機の前に着席した遊技者から見た方向を指すものとする。
【0019】
図1および
図2に示すように、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠(機体)2と、本体枠2の内側に収容される遊技盤(図示せず)と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部9が形成されたガラス扉(前扉)4と、このガラス扉4の開口部9に取り付けられた透明なガラス板10と、遊技球を収容する受皿5と、ハンドル7と、を主に備えて構成される。遊技者は、パチンコ機Pと対面するように座り、ハンドル7を回して遊技盤に遊技球を発射させることによって、遊技を行うことができる。このとき、遊技者は、ガラス板10を介して遊技盤を視認可能である。また、図示しないが、遊技盤には、始動口、一般入賞口、スルーチャッカ、風車、釘、ステージ、液晶表示器、可動役物、アタッカー、アウト口などが設けられている。
【0020】
ガラス扉4は、本体枠2の前側をほぼ全体に亘って覆う構造体であって、左側部が本体枠2と一対のヒンジ14を介して取り付けられることにより、これら一対のヒンジ14を中心に前後方向に開閉する。なお、通常、ガラス扉4は施錠装置13によって閉じられた状態にロックされている。ガラス扉4は、ガラス扉4のベースとなるガラス扉ベース130と、上部に設けられる一対のスピーカ6と、上部中央に設けられるランプ役物11と、上部右角部から左側部の下部にかけて設けられる装飾レンズ12と、上部右角に設けられる回転灯ユニット(役物)50と、この回転灯ユニット50の直下であって右側部に設けられるサイドパネル(構造体)20と、を有しており、これらが取り付けられた状態での開閉が可能に構成される。なお、受皿5はガラス扉4の下部に一体的に設けられる。また、符号8は演出用のタッチボタンである。
【0021】
ランプ役物11および装飾レンズ12の内部には、図示しないLEDが複数設けられており、遊技の進行に伴ってLEDの点灯制御を行うことにより、ランプ役物11や装飾レンズ12を用いた様々な演出が行われる。また、回転灯ユニット50は、図示しないが、環状に整列した複数のLEDを有している。各LEDが整列した順序に点灯と消灯を複数回繰り返すことにより擬似的に回転灯のような演出を行うことができる。例えば、本実施形態では、この回転灯ユニット50を大当たりの確定的な報知や大当たり遊技中の演出に用いている。
【0022】
なお、詳しくは後述するが、回転灯ユニット50は、スライドベース(ベース部材)70にスライド可能に取り付けができるようになっている。このスライドベース70は、
図13に示すように、ガラス扉ベース130の上部右角に予め設けられている。このため、本実施形態例の回転灯ユニット50は、ガラス扉4の上部右角で上下方向にスライド自在となっている。そして、回転灯ユニット50を上方向に少しスライドさせることにより、サイドパネル20の意匠替え(デザインシート27,28の交換)を行うことができる構成となっている。
【0023】
サイドパネル20は、
図2に示すようにガラス扉4の右側部から前方へ突出するように形成された装飾用の装置であり、奥行きがおよそ100mm、厚さがおよそ10mm程度、高さがおよそ300mm程度の縦長で薄いケース21と、このケース21に内装される装飾用の各種部品(
図5等参照)とを有して構成される。
【0024】
ケース21は、樹脂材料から成る成形部品であり、
図9に示すように上方と後方が開放され、断面が略コ字状に形成された構造体であって、その上部に開口21aが形成されている。そして、後述するデザインシート27,28、導光板22、LED基板26等(
図4等参照)を前方からケース21で覆うことにより、
図2に示すサイドパネル20が完成する。なお、ケース21は透明であり、デザインシート27,28に印刷された意匠(後述)を、遊技者等は外側から視認できるようになっている。
【0025】
また、
図2から明らかなように、パチンコ機Pの右側部の大半はサイドパネル20が占めており、隣り合うパチンコ機は、サイドパネル20によって仕切られた格好となる。即ち、サイドパネル20は、装飾用に設けられているものであるが、一種の仕切り壁としても機能する。なお、遊技者がパチンコ機Pの前に座った状態において、遊技者はサイドパネル20の左側面を見ることができるが、右側面を見ることは困難である。その一方で、パチンコ機Pの周囲を歩いている人にとっては、サイドパネル20の右側面が際立って見えることになる。
【0026】
次に、サイドパネル20の詳細構造について
図3〜
図8を用いて説明する。サイドパネル20は、
図5等に示すように、導光板22と、デザインシート27,28と、LED基板26と、シート押え部材30,31と、ベース35と、これらを内装する透明なケース21(
図9参照)と、を備えている。このサイドパネル20は、起立した状態でパチンコ機Pのガラス扉4の右側部に一体的に取り付けられている(
図2参照)。
【0027】
LED基板26は、
図5に示すように、細長い基板であって、その表面に複数のLED25a,25b,・・・から成るLED群25が設けられている。LED基板26は、LED群25の光の向きが前方(正面側)を向くようにして、導光板22の後方に配置される。なお、LED基板26は、パチンコ機Pの遊技と連動してLED群25の点灯制御を行うように構成されており、例えば、スタンバイ中と、通常の遊技中と、大当たり遊技中とで異なる点灯制御を行っている。より具体的には、スタンバイ中は遊技者を惹き付けるために明るく点灯し、通常の遊技中は遊技盤に設けられた液晶表示器での演出との兼ね合いで明るさをやや抑えて点灯し、大当たり遊技中は派手に点灯するといった点灯制御を行っている。
【0028】
導光板22は、
図3〜
図7に示すように、縦長な薄板状に形成され、LED群25からの光を後面22dの側から受けることにより、左側面22aおよび右側面22bが面発光して、デザインシート27,28を照らすよう構成される。勿論、前面22cもLED群25の光によって発光する。よって、外観上、サイドパネル20は、その左側面、右側面、および前面が光って見えることになる。これにより、演出効果が向上する。
【0029】
さらに、導光板22の左側面22aの表面には無数の溝24が形成されている。この溝24の形状を
図10に示す。
図10に示すように、溝24は断面が略三角形状を成している。この溝24によって、後方から前方に向かって入射する光が屈折する。その結果、左側面22aより右側面22bの方が明るく発光する。即ち、本実施形態では、無数の溝24によって、サイドパネル20の左側が暗く、右側が明るく光る構成となっているのである。
【0030】
左側面22aを暗くした理由は、遊技者の興味をなるべく遊技盤に設けられた液晶表示器の画面に集中させるためである。より詳細に言えば、遊技中は液晶表示器に様々な演出が表示されるため、遊技者はその演出に集中したいが、仮にサイドパネル20の左側面があまりに明るく光っているとすると、遊技者の気が散ってしまい、せっかくの演出に興味を持てなくなってしまうなどの悪影響があるからである。その点、導光板22の右側面22bは、パチンコ機Pを遊技している遊技者にとって視認困難であるため、暗くしなくても良い。このような理由から、導光板22の左側面22aと右側面22bとで明暗を分けるような構成としているのである。
【0031】
また、
図3に示すように、導光板22の左側面22aの下部には次に述べるデザインシート27の突起27bが入り込むための第1凹部23aが設けられ、
図4に示すように、導光板22の右側面22bの下部にはデザインシート28の突起28bが入り込むための第2凹部23bが設けられている。但し、第1凹部23aと第2凹部23bとは位置が前後方向にずれているから、デザインシート27を導光板22の右側面22b側に取り付けようとしても、デザインシート27の突起27bが第2凹部23bに入らない。同様に、デザインシート28を導光板22の左側面22a側に取り付けようとしても、デザインシート28の突起28bが第1凹部23aに入らない。この構成により、デザインシート27およびデザインシート28の取付けの間違いを防止することができる。
【0032】
上記したデザインシート27は、樹脂製材料から成り、可撓性を有する薄いシート状に形成され、表面にパチンコ機Pの機種に関する情報(例えば、当選確率、大当たりのラウンド数、ルールなど)が印刷されている。このデザインシート27は、
図5に示すように、導光板22の左側面22aと対向するように配置される。なお、デザインシート27の上部には、手指でデザインシート27を容易に掴むことができるようにするためのツマミ部27aが設けられている。また、デザインシート27の下部には、デザインシート27の取付けの間違いを防止するための突起27b(
図3参照)が設けられている。
【0033】
また、デザインシート28は、樹脂製材料から成り、可撓性を有する薄いシート状に形成されている。さらに、
図5に示すように、デザインシート28の上部には、手指でデザインシート28を容易に掴むことができるようにするためのツマミ片28aが設けられ、その下部にはデザインシート28の取付けの間違いを防止するための突起28bが設けられる。ただし、デザインシート28の表面に印刷されるデザインは、デザインシート27に印刷されるものとは異なっている。具体的には、デザインシート28は、パチンコ機Pのモチーフとなっているキャラクタや機種名等が印刷されている。なお、デザインシート28は、導光板22の右側面22aと対向するように配置される。
【0034】
シート押え部材30は、
図3および
図5に示すように、デザインシート27を導光板22の左側面22aに対向した状態に保持するためのものであり、デザインシート27の高さと略同一なバー30aと、このバー30aの上端から前方に折れ曲がる係止部30bとにより形成され、デザインシート27の一方(後側)の側縁部を全体的に押えている。
【0035】
また、シート押え部材31は、
図4および
図5に示すように、デザインシート28を導光板22の右側面22bに対向した状態に保持するためのものであり、デザインシート28の高さと略同一なバー31aと、このバー31aの上端から前方に折れ曲がる係止部31bとにより形成され、デザインシート28の一方(後側)の側縁部を全体的に押えている。
【0036】
ベース35は、
図5に示すように、導光板22の上方に位置して、LED基板26およびシート押え部材30,31が取り付けられた導光板22を保持するためのものである。そして、
図6および
図7に示すように、ベース35には、デザインシート27,28を挿入するための挿入口37,38が設けられている。具体的には、立板36とガイド板40との間の隙間が挿入口37となり、ガイド板40とガイド板45との間の隙間が挿入口38となる。なお、デザインシート27,28の挿入を容易にするために、ガイド板40とガイド板45とは高さ位置を上下方向に少しずらして設けられている。
【0037】
ガイド板40には、3つのR形状部41a,41b,41cと、2つの切欠き42a,42bが設けられている。R形状部41cは、
図8に示すように、挿入口37の一部を上方から覆うように先端が屈曲して形成される。他の2つのR形状部41a,41bの形状も同様である。そのため、挿入口37は、
図8に示す通り、R形状部41a,41b,41cによって右側が開放された状態となっている。そして、デザインシート28を右側からガイド板40に突き当てるようにして差し込むことにより、デザインシート28は、ガイド板40のR形状部41a,41b,41cに沿って撓みながら挿入口37へと案内されるようになっている。
【0038】
一方、切欠き部42bは、
図4に示すように、デザインシート28のツマミ片28aが露呈する程度の深さで切欠かれた凹部として形成される。この切欠き42bが設けられていることにより、ツマミ片28aを手指で掴んで容易に引き抜くことができる。なお、切欠き42aの形状も同様である。
【0039】
ここで、R形状部41cを例に挙げて、R形状部41a,41b,41cと挿入口37との位置関係について説明を補足する。
図8に示すように、R形状部41cは、挿入口37の幅方向(
図8の左右方向)の半分を超える程度の範囲で、上方から挿入口37を覆うように屈曲している。別言すれば、R形状部41cの上端部が挿入口37の上方にせり出している。この構成により、例えば、ゴミ等が挿入口37に落下することを防止することができる。即ち、R形状部41cは、デザインシート28を挿入口37へ案内する機能だけでなく、挿入口37にゴミ等が入ることを防止するための屋根としても機能するのである。
【0040】
また、いったん挿入口37からケース21内に挿入されたデザインシート28は、まっすぐ上方に引き抜こうとしてもR形状部41cが邪魔をして容易に外れない。即ち、R形状部41cは、デザインシート28が簡単に引き抜かれないようにストッパとしても機能している。
【0041】
なお、ガイド板45はガイド板40と同一部品で構成されている。即ち、3つのR形状部46a,46b,46cの形状と、2つの切欠き47a,47bの形状とは、それぞれガイド板40のものと同じである。このようにガイド板40とガイド板45とを同一部品としたのは部品点数およびコストの削減のためであるが、それぞれを専用に設計しても良い。この場合、1つのガイド板に1つの切欠きを設けておけば十分である。
【0042】
次に、サイドパネル20の意匠替えを行う手順について、
図27を用いて説明する。まず、意匠替えを行いたい作業者は、回転灯ユニット50を
図27に示すように上方にスライドさせる。そうすると、ケース21の開口21aが現われると共に、挿入口37,38が露呈される。なお、詳しくは後述するが、
図27に示す回転灯ユニット50は、スライドベース70に仮固定されている状態を示している。次に、作業者がデザインシート27のツマミ片27aを手指で掴んで右上方向に引っ張ると、デザインシート27は、ガイド板45のR形状部46a,46b,46cによって撓みながら、最終的に挿入口38から取り出される。デザインシート28についても同様の手順により挿入口37から取り出すことができる。
【0043】
次に、予め用意しておいた新しいデザインシートをサイドパネル20の右側からガイド板40,45に突き当てるようにしながら差し込む。すると、デザインシートは撓みながら挿入口37,38に挿入される。そのままデザインシートを押し込んでいくと、最終的には、デザインシートの下部の突起が凹部23a,23bに当接する位置で止まる。挿入口37から挿入されたデザインシートは、導光板22の右側面22bに対向する位置に配置され、挿入口38から挿入されたデザインシートは、導光板22の左側面22aに対向する位置に配置される。
【0044】
このとき、サイドパネル20の左側に入れるべきデザインシートを右側に間違って挿入した場合、上述したように、デザインシートの突起が導光板22の第2凹部23bに正しく入り込まないため、作業者はデザインシートの挿入間違いに気付く(逆の場合も同様である)。そのため、デザインシートの取付けの間違いは起こらない。そして、新しいデザインシートの挿入が完了したら、回転灯ユニット50を元の位置までスライドさせて固定すれば、デザインシートの交換が完了する。
【0045】
以上説明したように、本実施形態に係るパチンコ機Pによれば、デザインシートを交換するだけでサイドパネル20の意匠替えを行うことができるため、汎用性が高い。また、デザインシートをサイドパネル20の右側から挿入できるため、回転灯ユニット50を完全に取り外す必要がない。よって、作業効率が高まる。
【0046】
また、サイドパネル20の左側が明るく光っていると、遊技者が液晶表示器に表示される演出に集中できないという状況も考えられるところ、本実施形態では、導光板22の表面加工(溝24)によってサイドパネル20の左側を右側に比べて暗くなるように工夫しているので、遊技者が遊技中にサイドパネル20からの光に気を取られることがなくなる。よって、遊技に集中することができる。その一方で、本実施形態において、サイドパネル20の右側はデザインシート28に印刷された意匠が際立つように明るく光っているので、遊技を行うか否か迷っているような人々に対して訴求効果を発揮することができる。
【0047】
このように、本実施形態では、サイドパネル20の左側面は機種情報等が印刷されたデザインシートを遊技者に見せる目的に使用されるため、演出の邪魔にならないように控え目に発光するようにし、サイドパネル20の右側面はパチンコ機の周囲の人に対してアピールするような宣伝広告の目的で使用されるため、派手に発光するようにしている。よって、実際に遊技を行っている遊技者と、これから遊技を行おうと思っている者との両者に対して好適な演出を行うことができるのである。
【0048】
続いて、回転灯ユニット50について
図11および
図12を用いて説明する。回転灯ユニット50は、LED基板等(図示せず)が内装され、光による演出を行う飾り部51と、この飾り部51を支持する支持部52と、ハーネス(図示せず)と、を備えて構成されている。
【0049】
支持部52は、
図12に示すように、飾り部51の後側を保持する飾り保持部53と、この飾り保持部53の背面に位置するプレート54と、スライド小片55a〜dと、第1凸部56と、第2凸部57と、ロック穴58と、第1突起59と、穴63と、を備えて構成されている。
【0050】
スライド小片55aは、プレート54の右側縁に沿うようにして、プレート54の上端から略中央にかけて設けられた小片であって、後述するレール72a(
図14参照)内で摺接する部材である。スライド小片55aは、プレート54の表面から垂直に起立して外方(右側)に折れ曲がるように形成されている。より詳しく言うと、スライド小片55aは、断面略L字状の部材を逆さにして取り付けたような形状を成す。一方、スライド小片55bは、スライド小片55aと同じ形状であって、鉛直軸を中心にして鏡像対称となるようにプレート54の左側縁に設けられる。即ち、スライド小片55aとスライド小片55bとは対を成している。
【0051】
スライド小片55cは、プレート54の右側縁に沿うようにして、プレート54の下端に設けられた小片であって、後述するレール72c(
図14参照)内で摺接する部材である。スライド小片55cは、スライド小片55aと同様に、プレート54の表面から垂直に起立して外方(右側)に折れ曲がるように形成され、断面略L字状の部材を逆さにして取り付けたような形状を成す。なお、スライド小片55cのプレート54の表面から垂直に起立するまでの高さは、スライド小片55aのプレート54の表面から垂直に起立するまでの高さよりも、少し高くなっている。一方、スライド小片55dは、プレート54の左側縁に沿うようにして、プレート54の下端に設けられた小片であって、後述するレール72d(
図14参照)内で摺接する部材である。スライド小片55dは、スライド小片55bと同様に、プレート54の表面から垂直に起立して外方(左側)に折れ曲がるように形成され、断面略L字状の部材を逆さにして取り付けたような形状を成す。スライド小片55dは、スライド小片55cと鉛直軸を中心にして対称となるような位置に設けられ、スライド小片55cと対を成している。
【0052】
第1凸部56は、プレート54の上端部中央に設けられ、下側が開放された中空の箱型形状に形成され、その内部が第1開口部60となっている(
図25参照)。また、第2凸部57は、プレート54の下端部中央から下方向へ突出するように形成されている。なお、第1開口部60は、後述するスライドベース70の第3凸部73と係合するためのものであり、第2凸部57は、後述するスライドベース70の第3開口部75と係合するためのものである。
【0053】
ロック穴58は、プレート54の下部左側に設けられ、横長方形状に形成されている。このロック穴58の周縁は突条58aで縁取られている。また、第1突起59は、ロック穴58の下側に突条58aと一体的に設けられると共に、プレート54の後方に突出するように形成されている。なお、この第1突起59は、後述するロックアーム100の第2突起104と係合するためのものである(
図25参照)。
【0054】
穴63は、プレート54の略中央部に設けられ、横長方形状に形成されている。穴63は、回転灯ユニット50が備えるハーネス(図示せず)を排出するためのものである。
【0055】
次に、回転灯ユニット50を取り付けるためのスライドベース70について
図13〜15を用いて説明する。スライドベース70は、回転灯ユニット50が摺動する平滑な摺動面71aが形成されたベース板71と、レール72a〜dと、第3凸部73と、第4凸部74と、第3開口部75と、穴76〜穴79と、を備えて構成され、ガラス扉ベース130の上部右角に取り付けられている。
【0056】
レール72aは、スライドベース70の右側縁に沿うようにして、スライドベース70の上端から略中央手前にかけて設けられた部材であって、摺動面71aから垂直に起立して内側(左側)に折れ曲がるように形成されている。より詳しく言うと、レール72aは、断面略L字状の部材を逆さにして取り付けたような形状を成す。一方、レール72bは、レール72aと同じ形状であって、鉛直軸を中心にして鏡像対称となるようにスライドベース70の左側縁に設けられる。即ち、レール72aとレール72bとは対を成している。
【0057】
レール72cは、レール72aと同様に、スライドベース70の右側縁に沿うようにして、スライドベース70の略中央から下端にかけて設けられた部材であって、摺動面71aから垂直に起立して内側(左側)に折れ曲がるように形成され、断面略L字状の部材を逆さにして取り付けたような形状を成す。一方、レール72dは、レール72cと同じ形状であって、鏡像対称となるようにスライドベース70の左側縁に設けられ、レール72cと対を成している。
【0058】
レール72dについてより詳しく言うと、レール72dは、
図15に示すように、摺動面71aから垂直に起立した壁80と、この壁80と直角に取り付けられた壁81とにより構成され、壁80と壁81とベース板71との間に空間82が形成される。この空間82は、上述したスライド小片55dがスライド移動するためのものである。そして、レール72dの上端部に設けられた開口部分が、スライド小片55dを空間82へ導入するための入口83dである。また、レール72dと同様に、レール72aの上端部には、スライド小片55aを導入するための入口83aが、レール72bの上端部には、スライド小片55bを導入するための入口83bが、レール72cの上端部には、スライド小片55cを導入するための入口83cが、それぞれ設けられている(
図14)。
【0059】
第3凸部73は、
図14に示すように、スライドベース70の上部中央に形成された切欠きの底面から、上方へ突出するように形成されている。また、第4凸部74は、スライドベース70の下部中央の位置に、前方へ突出するように形成されており、第4凸部74には、上方が開放された第3開口部75が設けられている。
【0060】
穴79は、スライドベース70の右側の上部から中央部にかけて設けられ、縦長方形状に形成されている。穴79は、回転灯ユニット50の穴63から引き出されたハーネスをパチンコ機Pに備えられた電子回路に導くためのものである。
【0061】
回転灯ユニット50のプレート54の面とスライドベース70の摺動面71aとを対峙させて、スライド小片55a〜dがレール72a〜dに設けられた入口83a〜83dから導入(挿入)されると、スライド小片55a〜dがレール72a〜dの各空間に沿って下方向へスライド(摺動)可能となる。この回転灯ユニット50のスライド小片55dがレール72dの入口83dに挿入される位置のことを、以下の説明において、「挿入位置」と言うことにする。
【0062】
なお、詳しくは後述するが、
図15に示すように、入口83dのすぐ上にはブロック115が入口83dを塞ぐように出現しており、ブロック115を前方または後方に動かして入口83dを開放しなければ、スライド小片55dをレール72dに挿入することができないようになっている。
【0063】
入口83a〜83dから挿入されたスライド小片55a〜dが下方向へスライドして、スライド小片55dの下端部62がレール72dの下端部84とほぼ同じ位置に到達すると(
図12および
図15参照)、回転灯ユニット50の第1開口部60とスライドベース70の第3凸部73とが係合し、回転灯ユニット50の第2凸部57とスライドベース70の第3開口部75とが係合する(
図22参照)。これにより、回転灯ユニット50の位置決めが行われ、回転灯ユニット50が前後方向および左右方向に固定される。この回転灯ユニット50が前後方向および左右方向に固定される位置のことを、以下の説明において、「本固定位置H2」と言うことにする。なお、本実施形態例の「本固定位置H2」が本発明の「第2位置」に相当する。
【0064】
本実施形態例の「第1開口部60」、「第3凸部73」、「第2凸部57」および「第3開口部75」が本発明の「位置決め装置」に相当する。また、本実施形態例の「第3凸部73」、「第2凸部57」が本発明の「凸部」に相当し、本実施形態例の「第1開口部60」、「第3開口部75」が本発明の「凹部」に相当する。
【0065】
なお、
図20〜
図26は、回転灯ユニット50がスライドベース70に取り付けられる状態をより分かりやすくするために、回転灯ユニット50の飾り部51等を省略し、プレート54とプレート54に設けられている部材のみを記載している。
【0066】
次に、回転灯ユニット50をスライドベース70に上下方向で固定するロック装置90について、
図16、
図17および
図22を用いて説明する。なお、
図16および
図17は、ガラス扉ベース130の背面を示した図である。
【0067】
ロック装置90は、樹脂製材料から成り、筒状ケース91と、ロックバー92と、ヘッド93と、を備えて構成されており、スライドベース70の背面に設けられている。
【0068】
筒状ケース91は、
図22に示すように、スライドベース70の摺動面71aに対し垂直になるように設けられると共に、スライドベース70の穴76の後側に設けられている。ロックバー92は、筒状ケース91の内側をスライド自在となるように筒状ケース91内に設けられ、直方体状に形成されている。ヘッド93は、ロックバー92の後端に取り付けられている。ヘッド93の後端は、略四角形状に形成されており、作業者が手で押したり引いたりしやすい形状となっている。なお、ロックバー92は筒状ケース91から抜け落ちないようになっている。
【0069】
図22に示すように、回転灯ユニット50が本固定位置H2で位置決めされた状態で、ヘッド93が前側に押されると、ロックバー92の先端がロック穴58に入り込む。ロックバー92は、ロック穴58に入り込んでからヘッド93が筒状ケース91の後端91aに当たるまで前側に移動する。これにより、回転灯ユニット50が上下方向で固定される(
図23参照)。一方、回転灯ユニット50が上下方向で固定された状態でヘッド93が後側に引かれると、ロックバー92がロック穴58から抜ける。これにより、回転灯ユニット50の上下方向の固定が解除される。ロックバー92が前側に移動してロック穴58に入りこんだ状態におけるヘッド93の位置のことを以下の説明においてロック位置K1と言うことにし、ロックバー92が後側に移動してロック穴58から抜けた状態におけるヘッド93の位置のことをロック解除位置K2と言うことにする。このように、ロック装置90は、作業者がヘッド93をつまんで前後に押し引きすることで、ロックバー92が前後方向に選択的に移動するのである。
【0070】
なお、本実施形態例の「ロック装置90」および「ロック穴58」が本発明の「本ロック装置」に相当し、本実施形態例の「ロックバー92」が本発明の「ロック部材」に相当する。
【0071】
次に、回転灯ユニット50をスライドベース70に仮固定するロックアーム100について、
図16、
図17および
図24を用いて説明する。ロックアーム100は、樹脂製材料から成り、板状のアーム本体101と、ノック部102と、を備えて構成されている。ロックアーム100は、ロック装置90の上側に位置するようにスライドベース70の背面に設けられている。
【0072】
ノック部102は、
図17および
図24に示すように、略直方体状のノック本体103と第2突起104とを有し、アーム本体101の上部中央から前側に突出して設けられている。第2突起104はノック本体103の前端に設けられ、前方へ突出するように形成されている。
【0073】
第2突起104は、
図14および
図24に示すように、常態では、スライドベース70の穴78から所定量だけ飛び出した位置(以下、この位置を保持位置Rと言う)にある。この保持位置Rにある第2突起104に所定以上の外力が前側から加えられると、可撓性を有するアーム本体101が後方に撓んで第2突起104が後側に移動する。一方、第2突起104に外力が与えられなくなると、撓んだアーム本体101が元の位置に戻って、第2突起104が保持位置Rに移動する。
【0074】
回転灯ユニット50が挿入位置から下方向にスライド移動してくると、挿入位置と本固定位置H2との間で、回転灯ユニット50の第1突起59とロックアーム100の第2突起104が係合し、第2突起104が第1突起59を上側に保持する。これにより、回転灯ユニット50がスライドベース70に仮固定される(
図25参照)。この状態において、回転灯ユニット50をさらに押し下げると、ロックアーム100の第2突起104は回転灯ユニット50の第1突起59を介して外力を受けるため、ロックアーム100のノック部102は後方に撓む。すると、第1突起59と第2突起104との係合が解かれ、回転灯ユニット50が仮固定されている位置より下方向にスライド可能となる。なお、回転灯ユニット50がスライドベース70に仮固定される位置(以下、この位置を単に「仮固定位置H3」と言う)が本発明の「第3位置」に相当する。
【0075】
なお、本実施形態例の「ロックアーム100」および「第1突起59」が本発明の「仮ロック装置」に相当する。また、本実施形態例の「第1突起59」が本発明の「突起部」に相当し、本実施形態例の「第2突起104」が本発明の「突起保持部」に相当する。
【0076】
次に、スライドベース70から回転灯ユニット50が抜き取られることを阻止するストッパアーム110について、
図16〜
図19を用いて説明する。ストッパアーム110は、樹脂製材料から成り、縦長方形の板状のネック部111と、ヘッド部112と、を備えて構成されている。ストッパアーム110は、ロックアーム100の右側に位置するように、スライドベース70の背面に設けられている。
【0077】
ヘッド部112は、
図18に示すように、前後に長い略直方体状の基板113と、リブ114a〜bと、ブロック115、とを備えて構成されており、ネック部111の上端に設けられている。
【0078】
リブ114aは、基板113の上側面の右側縁に沿うようにして、基板113の前端から略中央にかけて設けられている。リブ114aは、左右側面から見た形状が略台形状を横にしたような形状に形成されている。一方、リブ114bは、リブ114aと同じ形状であって、リブ114aと平行になるように基板113の左側縁に配置されている。
【0079】
ブロック115は、基板113、リブ114aおよびリブ114bの前面に設けられ、多角形状で前後方向への厚さが2ミリ程度の板状に形成されている。ブロック115は、
図14に示すように、常態では、スライドベース70の穴77から前方へ飛び出した阻止位置S1にある。
【0080】
ここで、
図19に示すように、前側からブロック115に所定以上の外力が加えられると、可撓性を有するネック部111が根元部分を支点にして後側に撓んで、ヘッド部112が後側に移動する。これにより、ブロック115がC1方向に移動して、ブロック115の位置が阻止位置S1から第1退避位置S2に変位する。同様に、後側からブロック115に所定以上の外力が加えられると、可撓性を有するネック部111が根元部分を支点にして前側に撓み、ブロック115がC2方向に移動して、ブロック115の位置が阻止位置S1から第2退避位置S3に変位する。前側または後側からブロック115に外力が与えられなくなると、ネック部111が元の位置に戻り、ブロック115が第1退避位置S2または第2退避位置S3から阻止位置S1に移動する。
【0081】
回転灯ユニット50が本固定位置H2または仮固定位置H3から上方にスライド移動してきて、スライド小片55dの上端部61が入口83dから飛び出してくると、上端部61が阻止位置S1に位置するブロック115に当接する(
図26(1))。即ち、ブロック115は、常態では、回転灯ユニット50のスライド経路上に保持されている。このため、ストッパアーム110は、本固定位置H2等から上方にスライド移動してきた回転灯ユニット50がスライドベース70から抜けることを防止(取り外されることを阻止)する。スライド小片55dの上端部61がブロック115に当接する位置のことを、以下の説明において、「当接位置H4」と言うことにする。なお、本実施形態例の「当接位置H4」が本発明の「第1位置」に相当する。
【0082】
また、ブロック115が第1退避位置S2または第2退避位置S3に移動している状態、即ち、阻止位置S1に位置するブロック115が外力を受けて入口83dを開放している状態で、回転灯ユニット50を当接位置H4より上方向にスライドさせると、回転灯ユニット50がスライドベース70から抜き取られる。
【0083】
本実施形態例では、
図16および
図17に示すように、ロック装置90、ロックアーム100およびストッパアーム110がスライドベース70の背面に複数のビス(図示せず)によって留め付けられている。これにより、スライドベース70とロック装置90等とは一体となる。
【0084】
また、本実施形態例では、ロックアーム100とストッパアーム110とは一体成形されているので、ロックアーム100とストッパアーム110とが一体成形されていない場合よりも、部品数が少なくて済む。このため、本実施形態例のパチンコ機Pは、製作コストを低減することができる場合がある。なお、ロックアーム100とストッパアーム110とが別々の部品で構成されていても良い。
【0085】
なお、本実施形態例では、回転灯ユニット50が当接位置H4と本固定位置H2との間を上下方向にスライド移動しても、回転灯ユニット50に繋がるハーネスが破損しないように、穴63と穴79の位置および形状が定められている。
【0086】
次に、回転灯ユニット50の脱着方法について、
図20〜
図27を参照しながら説明する。なお、
図22および
図23は、
図21に示すA2−A2の断面線に沿った断面図であり、
図24および
図25は、
図20に示すA1−A1の断面線に沿った断面図である。また、
図26(1)〜(3)は、ストッパアーム110のネック部111が撓んで変形する経過を示した図である。
【0087】
回転灯ユニット50のスライド小片55dの下端部63をブロック115に押し当てブロック115に所定以上の外力を加えると、
図26(3)に示すように、ネック部111が後側に撓んで、ブロック115が第1退避位置S2に移動する。ブロック115が第1退避位置S2に移動している状態で、スライド小片55a〜dをレール72a〜dに設けられた入口83a〜83dに挿入する。そうすると、回転灯ユニット50がスライドベース70の摺動面71aでスライド可能となる。
【0088】
なお、ブロック115に外力を加える方法は、上記した方法に限られず、例えば、作業者が手でブロック115に所定以上の外力を加えても良い。
【0089】
本実施形態例では、スライド小片55a〜dをレール72a〜dに設けられた入口83a〜83dに挿入する(抜き取る)方法として、ブロック115を第1退避位置S2に移動させる方法と、第2退避位置S3に移動させる方法と、の2通りの方法がある。本実施形態例のパチンコ機Pは、作業者が2通りの方法から好きな方法を選択することができるので汎用性がある。
【0090】
また、
図19に示すように、第1退避位置S2と第2退避位置S3は、阻止位置S1に対して正逆方向の関係にあるため、ブロック115を第1退避位置S2から第2退避位置S3に移動させるために、ブロック115に加える外力が一方向で足りることになる。例えば、第2退避位置S3が阻止位置S1の左前側に位置していることにより第1退避位置S2と第2退避位置S3とが正逆方向の関係にないとする。このような場合には、ブロック115を第1退避位置S2から第2退避位置S3に移動させるためには、ブロック115を第1退避位置S2から阻止位置S1へいったん変位させた後に、あらためて別の方向から外力を加えて阻止位置S1から第2退避位置S3へ変位させる必要がある。これと比較すると、本実施形態例のパチンコ機Pは、ブロック115を第1退避位置S2と第2退避位置S3との間で移動させやすいので、回転灯ユニット50の脱着が比較的容易となる場合がある。
【0091】
図22に示すように、回転灯ユニット50が本固定位置H2にスライド移動すると、第1開口部60と第3凸部73とが係合し、第2凸部57と第3開口部75とが係合する。このため、本実施形態例に係るパチンコ機Pは、回転灯ユニット50を本固定位置H2に固定しやすいので、回転灯ユニット50の取り付けを円滑に行うことが可能となり、サイドパネル20のデザインシートの交換等の作業効率を高めることができる。
【0092】
なお、本固定位置H2で回転灯ユニット50の位置決めを行うために、第1開口部60および第3凸部73のみを設ける構成であっても良いし、第2凸部57および第3開口部75のみを設ける構成であっても良い。また、例えば、第1開口部60、第3凸部73、第2凸部57および第3開口部75をすべて設けなくても良いし、これらの替わりに、レール72a〜dの下端部に適当な障害壁を設けて、この障害壁にスライド小片55a〜dが当接することで回転灯ユニット50の位置決めが行われる構成としても良い。
【0093】
図22に示すように、本固定位置H2でヘッド93が前側(A方向)に押されると、ロックバー92がロック穴58に挿入され、回転灯ユニット50が上下方向でスライドベース70に固定される(
図23)。
【0094】
本実施形態例では、サイドパネル20のデザインシートの交換等の後、ヘッド93を前側に押し忘れてしまっても、
図28に示すように、ガラス扉4がT2の方向へ移動して閉じられると、ヘッド93は、本体枠2の当接部T1に当接して前側に押し出され、回転灯ユニット50を上下方向で固定するようになっている。このため、本実施形態例に係るパチンコ機Pは、回転灯ユニット50の固定忘れを防止することができる。また、このようにすると、ガラス扉4を閉じる動作によって生じる外力を利用して回転灯ユニット50を固定できるため、回転灯ユニット50の固定が楽である。
【0095】
図23に示すように、回転灯ユニット50が上下方向に固定されている状態で、ヘッド93が後側(B方向)に引かれ、ロック位置K1からロック解除位置K2に移動すると、上下方向の固定が解除され回転灯ユニット50が上方向にスライド可能となる。
【0096】
ネジで回転灯ユニット50をガラス扉ベース130に固定する構造であると、ドライバー等の工具を必要とし、回転灯ユニット50の脱着作業が煩わしい。本実施形態例では、ロックバー92が前方向に移動して回転灯ユニット50を固定し、後方向に移動して回転灯ユニット50の固定を解除するので、回転灯ユニット50の固定および固定解除が簡単である。
【0097】
図24に示すように、回転灯ユニット50を本固定位置H2から上方向にスライドさせると、仮固定位置H3で第1突起59が第2突起104に当接する。作業者が回転灯ユニット50に前側から所定以上の外力を加えながら上方向にスライドさせると、第2突起104に外力が加わる。第2突起104に外力が加わると、第2突起104が保持位置Rから後側に移動し、第1突起59が第2突起104を乗り越える。第1突起59が第2突起104を乗り越えた後、作業者が回転灯ユニット50から手を離すと、回転灯ユニット50は仮固定位置H3で仮固定される(
図25)。
【0098】
このように、本実施形態例に係るパチンコ機Pは、仮固定位置H3で回転灯ユニット50を仮固定することができるので、回転灯ユニット50をスライドベース70から完全に取り外さなくても、本固定位置H2の下方に近接するサイドパネル20のデザインシートの交換行うことができる。よって、本実施形態例に係るパチンコ機Pは、デザインシートの交換等の作業効率を高めることができる。
【0099】
また、回転灯ユニット50をスライドベース70から完全に取り外すと、取り外した直後等に回転灯ユニット50を落として破損させるトラブルを起こす可能性があるが、本実施形態例のパチンコ機Pは、回転灯ユニット50を仮固定させて交換等の作業を行い得るため、トラブルを防止できる。
【0100】
また、回転灯ユニット50を片手で支えて、サイドパネル20の交換を一方の手で行うと、誤って回転灯ユニット50を下方にスライド落下させてしまい、回転灯ユニット50とガイド板40との間に手を挟んでしまう可能性がある。本実施形態例のパチンコ機Pは、回転灯ユニット50を仮固定することができるため、作業中に手を挟む等の事故の発生を防止することができる。
【0101】
なお、本実施形態例では、第1突起59が回転灯ユニット50に設けられ、ロックアーム100がスライドベース70と一体となって、第2突起104がスライドベース70に設けられているが、第2突起104が回転灯ユニット50に設けられ、第1突起59がスライドベース70に設けられていても良い。
【0102】
図26(1)に示すように、回転灯ユニット50が仮固定位置H3から当接位置H4にスライド移動すると、ストッパアーム110のブロック115は、回転灯ユニット50のスライド小片55dに当接して、回転灯ユニット50がスライドベース70から抜き取られることを阻止する。このため、本実施形態例のパチンコ機Pは、デザインシートの交換作業中等に、回転灯ユニット50がスライドベース70から抜け落ちて破損したり、回転灯ユニット50がスライドベース70から抜け落ちることで回転灯ユニット50に繋がるハーネスが破損したりすることを防止することができる。
【0103】
本実施形態例では、スライド小片55dは、回転灯ユニット50がスライドベース70の摺動面71aでスライドを可能とする機能と、回転灯ユニット50がスライドベース70から抜けることを阻止する機能の双方を兼ねているので、部品(部材)数が少なくてすむ。このため、本実施形態例のパチンコ機Pは、パチンコ機の製作コストを低減することができる。
【0104】
本実施形態例では、樹脂製材料で形成されているネック部111が撓むことにより、入口83dを開放する構造となっているが、これに限られず、例えばネック部111をバネ等の弾性体に替えて、入口83dを開放する構造であっても良い。また、同様に、本実施形態例では、樹脂製材料で形成されているアーム本体101が撓み、第2突起104が後方に移動して仮固定を解除する構造となっているが、これに限られず、例えばアーム本体101をバネ等の弾性体に替えて、仮固定を解除する構造であっても良い。
【0105】
なお、本発明は、パチンコ機に限らず、スロットマシン、その他の遊技機に採用しても良い。