(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施の形態1]
図1〜
図8は、本発明の実施の形態1に係る包装箱を説明するものであって、
図1は側面視の断面図、
図2は展開図、
図3は組み立てた状態を示す斜視図、
図4および
図5は製品の収容要領を説明する断面図、
図6は一部(半円内フラップ)を示す部分平面図、
図7は一部(内フラップ)を示す部分平面図、
図8は一部(内フラップ)を示す斜視図である。なお、各図は模式的に描かれたものであって、本発明は描かれた形態に限定されるものではない。
【0010】
(換気扇)
まず、本発明の包装箱に収容する製品である換気扇について説明する。なお、本発明は、収容する製品を換気扇に限定するものではなく、同様の形状を具備する各種工業製品を収容することができるものである。
図1において、換気扇1は、張り出した枠部3と、内部に羽根(図示しない)を備えた胴部4と、この羽根にシャフトを介し接続した羽根駆動用のモーターを固定するモーター部7で構成されている。このとき、胴部4(径小部に相当する)の外径は枠部3(径大部に相当する)の外径に対して小さくなっている。
換気扇1は、住宅などにおける施工の際、室内の天井や壁の開口に胴部4を差込み、枠部3を天井面、壁面にねじなどで固定する。枠部3は正面にギャラリ(図示しない)を設け室内空気の吸い込み口を形成する。この枠部3のみが室内に現れることから、インテリア性が良い。またギャラリにより室内から換気扇内部の部品を隠すことも可能で意匠性に優れている。
【0011】
(包装箱)
次に、包装箱2について説明する。包装箱2は一枚の段ボール紙を折り曲げて形成された六面体の箱であって、材料取りの無駄が抑えられ、材料歩留まりが向上している。なお、本発明は段ボール紙製に限定するものではなく、段ボール紙と同様に、所定の剛性を有し、折り曲げ自在な材料であればよい。
図2において、包装箱2は、折り曲げ自在に接続された側面13a、13c、13b、13dと、側面13a、13c、13b、13dにそれぞれ折り曲げ自在に接続された天面9a、10c、9b、10dと、側面13a、13c、13b、13dの天面9a、10c、9b、10dの反対側に、それぞれ折り曲げ自在に接続された内フラップ(以下「支持部」と称す)5a、外フラップ10a、内フラップ(以下「支持部」と称す)5b、外フラップ10bと、側面13dの側面13bの反対側に折り曲げ自在に接続された糊代14と、を有している。
なお、以下の説明において、側面13aと内フラップ5aとの接続部、および側面13bと内フラップ5bとの接続部を、それぞれ折り曲げ部6aおよび折り曲げ部6bと称す場合がある。また、同一形状である部材については、符号の添え字「a、b」の記載を省略して説明する場合や、一方のみを図示する場合がある。
【0012】
図1において、包装箱2は、糊代14が側面13aに接着され、天面9aの先端と天面9bの先端とが突き合わさるように折り曲げられ、天面10cの先端と天面10dの先端とが突き合わさるように折り曲げられ、図示しない接着テープによって接続されることによって天面を形成している。さらに、外フラップ10aの先端と、外フラップ10bの先端とが突き合わさるように折り曲げられ、図示しない接着テープによって接続されることによって底面を形成している。
そして、換気扇1の枠部3は、下方より内フラップ5a、5bによって支持されている。このとき、内フラップ5a、5bの上に枠部3が乗り、内フラップ5a、5bの先端が、枠部3と胴部4との隅部に当接するだけで、特別な固定等を必要としていない。
換気扇1の下部と包装箱2の底面(外フラップ10a、10bによって形成されている)との間には空間距離8が形成され、モーター部7を落下衝撃から保護しているから、例え、包装箱2が落下してもモーター部7は故障することなく、また運搬時の衝撃も直接モーター部7に伝わらず換気扇1の信頼性を損なうことがない。
【0013】
(支持部)
図2において、内フラップ5a、5bは、側面13a、13bとの折り曲げ部に近い位置に、切り欠き部12a、12bが形成され、切り欠き部12a、12bによって、半円内フラップ11a、11bが内フラップ5a、5bとは別個に折り曲げ自在に形成されている。
半円内フラップ11a、11bは、外フラップ10a、10bよりも内側(天面寄り)になるように折り曲げることによって、外フラップ10a、10bが箱内側に入り込まないようにすることができ、包装箱2の変形を防止することができる。
さらに、外フラップ10aの先端と外フラップ10bの先端とのあわせ部を接着テープなどで固定する際にも、外フラップ10a、10bを固定することが容易になり、作業性が向上するだけでなく、自動機などで、ある程度の応力を加えながら接着テープを貼ることも可能となり生産性に優れる。
なお、内フラップ5aと半円内フラップ11aとは、および内フラップ5bと半円内フラップ11bとは、それぞれ切り欠き部12aおよび切り欠き部12bにより所定の空間(隙間)を有している。これにより内フラップ5a、5bと半円内フラップ11a、11bとは完全に縁切りされ、内フラップ5a、5bを包装箱2の内側に折り込んでも半円内フラップ11a、11bが内フラップ5a、5bに倣って内側に折り込まれることを防止している。
【0014】
(収容作業)
次に、包装箱2に換気扇1を収容する作業について説明する。
図4の(a)において、包装箱2は側面および天面が組み立てられた状態で、天面が下方になるように載置されている。このとき、内フラップ5a、5bは略水平に折り曲げられているものの、半円内フラップ11a、11bは折り曲げられないで、側面に平行(鉛直の姿勢)になっている。
図4の(b)において、換気扇1は枠部3を下にして、枠部3でもって内フラップ5a、5bを上方より下方に押し込むことにより、内フラップ5a、5bを箱内に挿入する。そうすると、内フラップ5a、5bが換気扇1(枠部3)に倣って包装箱2の内部に折り込まれ、折り曲げ部6a、6bで折り畳まれる。
【0015】
図4の(c)において、換気扇1が所定の位置まで挿入されると、内フラップ5a、5bが枠部3の側面から離れる。
すなわち、内フラップ5a、5bの先端と折り曲げ部6a、6bと先端との距離(H)と換気扇1の枠部3の厚さ(T)との和が、側面13の高さ(箱内の深さ(D)に同じ)よりも小さく((H+T)<D)なっている(
図2参照)。
図5の(a)において、内フラップ5a、5bは、段ボール紙の反弾性(弾性復元力)によって箱内側に戻り、換気扇1の胴部4に当たる。このため、内フラップ5a、5bの位置が固定され、換気扇1は浮き上がらないように支持される。
【0016】
図5の(b)において、半円内フラップ11a、11bを折り曲げる。
図5の(c)において、折り曲げられた半円内フラップ11a、11bに重なるように、外フラップ10a、10bを折り曲げ、外フラップ10aの先端と外フラップ10bの先端との突き合わせ部に跨がって接着テープ(図示しない)を貼付する。
このようにすることで換気扇1を上方から挿入するだけで内フラップ5a、5bが折り曲げられ、さらには換気扇1との固定が不要であることから、作業性がよく作業時間が大幅に改善できるとともに作業者の訓練も不要である。
さらに、換気扇1と内フラップ5a、5bとが外れることもなく信頼性の良い包装箱2が得られる。
【0017】
(半円内フラップ)
次に、半円内フラップ11a、11bの形状について図を用いて説明する。
図6に示すように内フラップ5が切り欠き部12により分割され、半円内フラップ11が形成されている。半円内フラップ11を半円形状にすることで、外フラップ10が箱内部に入り込まないようにする為の面積を適正に保つことができ、且つ、内フラップ5の強度減少を抑え、さらに、外フラップ10の折曲時に外フラップ10の面に沿って滑り、半円内フラップ11が確実に折り曲げられていない場合においても引っかかることなくスムーズに外フラップ10を閉じることができる。
【0018】
(支持部)
次に、内フラップ5について説明する。
図2において、内フラップ5(内フラップ)の長さ(支持機能を発揮する際の「高さ」に相当する)Hは、折り曲げ部6の長さLよりも短い寸法で形成している。これにより、内フラップ5は特に屈曲することなく箱内側に折り込められるため、作業性が良いだけでなく、換気扇1を支持する際に、座屈することがない。
【0019】
(支持部の付根部分)
図7において、内フラップ5(内フラップ)と外フラップ10との間には所定の隙間が形成され、内フラップ5(内フラップ)の折り曲げ部6付近には、箱内面と接することがないように付根部分が切り欠かれ隙間51が設けられている。これにより、内フラップ5を包装箱2の内側に折り込んでも、内フラップ5が箱内側の側面と擦れることなく、弾性によって箱内側に戻りやすくなる。
さらに、先端部分52を突出させることで、換気扇1をより大きい面で支えることができ、より重量のある換気扇1でも対応可能となる。
【0020】
(支持部の切り欠き)
次に内フラップ5の先端に設けた切り欠きについて図を用いて説明する。
図7において、内フラップ5の先端に製品に合わせた切り欠き53a、53bが設けられている。切り欠き53a、53bの形状は収容する換気扇1の外形に合わせ、換気扇1が包装箱2に収容された際、換気扇1の外形と内フラップ5に設けた切り欠き53a、53bが嵌ることとなる。
なお、この切り欠き53a、53bは換気扇1を上方から挿入する際の位置決めとしても機能し、換気扇1の所定の位置を切り欠き53a、53bに合わせて挿入することで、包装箱2内における前記嵌合をより確実にすることができる。
このようにすることで、包装箱2内で換気扇1の位置決めが可能となり、換気扇1の動きを抑制することができるから、換気扇1が故障することや傷付きを防ぐことができる。
【0021】
さらに、
図8に示すように内フラップ5aの先端部分と内フラップ5bの先端部分との双方が干渉することがないように、切り欠き55、56を設ける。このようにすることで包装箱2の内部へ内フラップ5a、5bを折り込む際に、双方の先端部が干渉することが防止され、内フラップ5a、5bが変形することなく梱包作業を行なうことが可能である。
【0022】
[実施の形態2]
図9〜
図14は、本発明の実施の形態2に係る包装箱を説明するものであって、
図9は側面視の断面図、
図10は展開図、
図11は組み立てた状態を示す斜視図、
図12および
図13は製品の収容要領を説明する断面図、
図14は一部(内フラップ)を示す部分平面図である。なお、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。また、各図は模式的に描かれたものであって、本発明は描かれた形態に限定されるものではない。また、同様の内容については符号の添え字「a、b」の記載を省略して説明する場合や、一方のみを図示する場合がある。
【0023】
(包装箱)
図10において、包装箱20は、折り曲げ自在に接続された側面13a、13c、13b、13dと、側面13a、13c、13b、13dにそれぞれ折り曲げ自在に接続された天面9a、10c、9b、10dと、側面13a、13c、13b、13dの天面9a、10c、9b、10dの反対側に、それぞれ折り曲げ自在に接続された内フラップ底部15a、外フラップ10a、内フラップ底部15b、外フラップ10bを有している。そして、内フラップ底部15aには内フラップ(以下「支持部」と称す)5aが、内フラップ底部15bには内フラップ(以下「支持部」と称す)5bが、それぞれ折り曲げ自在に接続されている。また、側面13dの側面13bの反対側には、糊代14が折り曲げ自在に接続されている。
さらに、内フラップ5a、5bの内フラップ底部15a、15bに近い位置に、作業者(図示しない)の指が入る大きさの指係止孔17a、17bが形成されている。なお、指係止孔17a、17bを、内フラップ5a、5bと内フラップ底部15a、15bとに跨がって形成したり、内フラップ底部15a、15bに形成したりしてもよい。
【0024】
なお、以下の説明において、側面13aと内フラップ底部15aとの接続部および側面13bと内フラップ底部15bとの接続部を、それぞれ折り曲げ部6aおよび折り曲げ部6bと、内フラップ底部15aと内フラップ5aとの接続部および内フラップ底部15bと内フラップ5bとの接続部を、それぞれ折り曲げ部16aおよび折り曲げ部16bと、それぞれ称す。また、同一形状である部材については、符号の添え字「a、b」の記載を省略して説明する場合がある。
そうすると、実施の形態1で説明した包装箱2は、内フラップ5が折り曲げ部6において側面13に直接接続されている(例えば、
図2参照)のに対し、実施の形態2における包装箱20は、内フラップ5が内フラップ底部15を介して接続され、折り曲げ部6が側面13に対して、前者(包装箱2)では1個所で折り曲げられ、後者(包装箱20)は2個所で折り曲げられるという相違がある(これについて、以下、詳細に説明する)。
【0025】
(収納状況)
図9において、包装箱20は、糊代14が側面13aに接着され、天面9aの先端と天面9bの先端とが突き合わさるように折り曲げられ、それらの上に、天面10cの先端と天面10dの先端とが突き合わさるように折り曲げられ、図示しない接着テープによって接続されることによって天面が形成されている。
さらに、外フラップ10aの先端と、外フラップ10bの先端とが突き合わさるように折り曲げられ、図示しない接着テープによって接続されることによって底面が形成されている。
そして、換気扇1の枠部3は、下方より内フラップ5a、5bによって支持されている。このとき、内フラップ5a、5bの上に枠部3が乗り、内フラップ5a、5bの先端が、枠部3と胴部4との隅部に当接するだけで、特別な固定等を必要としていない。
換気扇1の下部(モーター部7の下面)と包装箱20の底面(外フラップ10a、10bによって形成されている)との間には空間距離8が形成され、モーター部7を落下衝撃から保護しているから、例え、包装箱20が落下してもモーター部7は故障することなく、また運搬時の衝撃も直接モーター部7に伝わらず換気扇1の信頼性を損なうことがない。
【0026】
(収容作業)
次に、包装箱20に換気扇1を収容する作業について説明する。
図12の(a)において、包装箱20は側面および天面が組み立てられた状態で、天面が下方になるように載置され、内フラップ底部15は折り曲げ部6において略水平に(90°)折り曲げられている。このとき、内フラップ5は内フラップ底部15と同一面を形成し、共に、略水平になっている(折り曲げ部16において折り曲げられていない)。
【0027】
図12の(b)において、換気扇1は枠部3を下にして、枠部3でもって内フラップ底部15および内フラップ5を上方より下方に押し込むことにより、内フラップ底部15は折り曲げ部6において、さらに折り曲げられ、内フラップ底部15および内フラップ5は箱内に挿入される。そうすると、内フラップ底部15および内フラップ5は、換気扇1の枠部3に倣って包装箱20の内部に折り込まれ、折り曲げ部6において折り畳まれる(180°)。
【0028】
図12の(c)において、換気扇1が所定の位置まで挿入されると、内フラップ5は天面9に干渉することなく、包装箱20の内部に折り込まれる。すなわち、内フラップ5の先端と折り曲げ部6の先端との距離(H)は、側面13の高さ(箱内の深さ(D)に同じ)よりも小さくなっている(H<D、
図10参照)。
【0029】
図13の(a)において、指係止孔17(
図10参照)に指を係止(挿入)して、折り曲げ部16を上方に引き上げることにより、内フラップ底部15は折り曲げ部6において曲げ戻され、内フラップ底部15と内フラップ5とは折り曲げ部16において略鋭角(側面視においてV字状)に折り曲げられる。そうすると、内フラップ5は上方に引き上げられ、換気扇1の枠部3より外れて、段ボール紙の反弾性(弾性復元力)によって箱内側に戻り、その先端が換気扇1の胴部4に当たる。
【0030】
図13の(b)において、内フラップ5の先端部に設けられた先端突起57(
図14参照)を換気扇1の枠部3の内部に差し込む。そして、内フラップ底部15を、折り曲げ部6において再度折り曲げ、折り曲げ部16において曲げ戻して、略水平にする(90°)。このとき、内フラップ5の先端は、換気扇1の枠部3と胴部4との隅に当接して、内フラップ5の位置が固定され、換気扇1は浮き上がらないように支持される。
【0031】
図13の(c)において、内フラップ底部15に重なるように、外フラップ10a、10bを折り曲げ、外フラップ10aの先端と外フラップ10bの先端との突合せ部に跨って接着テープ(図示しない)を貼付する。このとき、内フラップ底部15が内フラップ5によって略水平に支持されているため、外フラップ10a、10bは内フラップ底部15に当接して水平になるまで折り曲げられ、過剰に折り曲げられて箱内に入り込む(落ち込む)ことが防止される。
したがって、包装箱20の変形を防止することができる。さらに、外フラップ10aの先端と外フラップ10bの先端とのあわせ部を接着テープなどで固定する際も、外フラップ10aと外フラップ10bとを固定することが容易になり、作業性が向上するだけでなく、自動機などで、ある程度の応力を加えながら接着テープを貼ることも可能となり生産性に優れる。
【0032】
(支持部)
次に、内フラップ5について説明する。
図14において、内フラップ5の先端と折り曲げ部6との距離Hは、内フラップ5の長さCよりも短い寸法で形成している。これにより、内フラップ5は特に屈曲することなく箱内側に折り込められるため、作業性が良いだけでなく、換気扇1を支持する際に、座屈することがない(
図13(c)参照)。
【0033】
(支持部の寸法)
図14において、内フラップ底部15bと外フラップ10a、10bとの間には所定の隙間51a、51bが形成され、内フラップ底部15bの幅寸法(折り曲げ部6の長さに同じ)Aは、箱の内寸法(対向した側面13cの内面と側面13dの内面との距離に同じ)Bよりも長い寸法になっている(A>B)。これにより、内フラップ底部15bを箱内に折り込む際(
図12の(b)参照)や、内フラップ5bを引き上げる際(
図13の(a)参照)、内フラップ底部15bの側縁は、箱内側(側面13cの内面および側面13dの内面)に摺動するものの、内フラップ底部15bに重なるように、外フラップ10a、10bを折り曲げたり、両者の突合せ部に跨って接着テープ(図示しない)を貼付する際(
図13の(c)参照)、内フラップ底部15bが、弾性によって箱内側に戻る(押し込む)ことが防止されている(内フラップ底部15aについても同様)。
さらに、内フラップ5bの先端における幅寸法Cは、箱の内寸法Bよりも短く(C<B)、内フラップ5bと内フラップ底部15bとの折り曲げ部16bにおける幅寸法Eは、内フラップ5bの先端の幅寸法Cよりも短い(E<C)。これにより、内フラップ5bを引き上げた際に、内フラップ5bが箱内側の側面と擦れることなく、弾性によって箱内側に戻り易くなっている(内フラップ5aについても同様)。
なお、以上は、内フラップ5が、折り曲げ部16が短い台形を呈しているが、本発明はこれに限定するものではなく、長方形(E=C)であっても、折り曲げ部16が長い台形(C<E<B)であってもよい。
【0034】
(シーソースイッチ)
図15は、本発明の実施の形態2に係る包装箱(
図9に示す包装箱)に収容される換気扇を説明するものであって、(a)は枠部を示す斜視図、(b)は枠部に設けられたシーソースイッチを示す斜視図である。
図15において、換気扇1の枠部3には、その運転の入/切(ON/OFF)をするシーソースイッチ(以下「入/切スイッチ」と称す)21が設けられている。入/切スイッチ21は揺動中心21cを挟んで「運転入り面21a」と「運転切り面21b」とを具備し、運転入り面21aが押し込まれることによって「入り状態(ON)」になり、反対に、運転切り面21bが押し込まれることによって「切り状態(OFF)」になる。このとき、運転入り面21aが押し込まれたときは、運転切り面21bが突出し、反対に、運転切り面21bが押し込まれたときは、運転入り面21aが突出する。
【0035】
そして、換気扇1が、例えば、常時換気用である場合には、「入り状態」で出荷されることから、運転入り面21aが押し込まれ、運転切り面21bが突出した状態で、梱包(出荷)されることになる。
そうすると、梱包の際に、突出している運転切り面21bが内フラップ5に接触することで、運転切り面21bが押し込まれ、「入りでも切りでもない状態」あるいは「切り状態」になってしまうおそれがある。そこで、包装箱20には、以下に説明する拡大切り欠き58を設けられている。
なお、運転入り面21aおよび運転切り面21bは、平面や滑らかな曲面(例えば、山谷を具備する)であるが、その形状は限定されるものではなく、また、その機能を示す記号(例えば、「ON」や「OFF])が凸文字あるいは凹文字で示されている場合がある。また、揺動中心21cは明確な線ではなく、幅を持っていることから、運転入り面21aと運転切り面21bとの境界は、必ずしも明りょうではない。
【0036】
(拡大切り欠き)
次に内フラップ5bの先端に設けられた拡大切り欠き58bについて図を用いて説明する。なお、内フラップ5aにも、内フラップ5bと同様の拡大切り欠き58aが設けられているから、以下の共通する内容についての説明においては、符号の添え字「a、b」の記載を省略する。
図14において、内フラップ5の先端部分52に換気扇1に合わせた、切り欠き53と拡大切り欠き58とが設けられている。拡大切り欠き58は、切り欠き53に連続し、内フラップ5のより先端寄りに形成され、切り欠き53よりも幅が広くなっている。
【0037】
そして、換気扇1が包装箱20に梱包(挿入)され、換気扇1の枠部3が包装箱20の底面に接触した際、入/切スイッチ21の運転切り面21bが拡大切り欠き58に侵入し、入/切スイッチ21の運転入り面21aが内フラップ5の拡大切り欠き58に沿った先端部分52(以下「入り面接触部59」と称す)に接触している。
したがって、換気扇1が包装箱20に梱包(挿入)作業中に、運転切り面21bが内フラップ5に接触することで、運転切り面21bが押し込まれた場合でも、最終的に、運転入り面21aが入り面接触部59に接触して、押し込まれるから、換気扇1を確実に「入り状態」にして梱包作業を完了(出荷)することが可能になる。
【0038】
図16および
図17は、本発明の実施の形態2に係る包装箱とこれに収納される換気扇との一部の寸法関係を模式的に説明する側面図であって、(a)は換気扇が収納箱の一方側に寄って収納される場合、(b)は換気扇が収納箱の他方側に寄って収納される場合、
図17は
図16の(a)の変形例(入/切スイッチの運転入り面の位置を変更した場合)である。
図16の(a)および(b)において、入/切スイッチ21の運転入り面21aの端から揺動中心21cまでの距離を「S1」、入/切スイッチ21の運転切り面21bの端から揺動中心21cまでの距離を「S2」、換気扇1の枠部3の運転入り面21a側の端から揺動中心21cまでの距離を「L1」、換気扇1の枠部3の運転切り面21b側の端から揺動中心21cまでの距離を「L2」、包装箱20の側面13cの内面から拡大切り欠き58の側面13c側の側縁までの距離を「W1」、拡大切り欠き58の幅を「W2」、そして包装箱20の側面13dの内面から拡大切り欠き58の側面13d側の側縁までの距離を「W3」としている。
そうすると、前記各距離の間には以下のような関係がある。
【0039】
図16の(a)において、換気扇1を側面13c側に寄せて梱包(挿入)した場合には、入/切スイッチ21の運転入り面21aが入り面接触部59に接触するための式1を満たし、入/切スイッチ21の運転切り面21bが入り面接触部59に接触しないための式2を満たしている。
図16の(b)において、換気扇1を側面13d側に寄せて梱包(挿入)した場合には、入/切スイッチ21の運転入り面21aが入り面接触部59に接触するための式3を満たし、入/切スイッチ21の運転切り面21bが先端部分52(先端突起57寄り)に接触しないための式4を満たしている。
(L1−S1)<W1 ・・・・・式1
L1>W1 ・・・・・式2
(W1+W2)<(L2+S1)・・・・・式3
W3>(L2−S2)・・・・・式4
【0040】
図17において、
図16の(a)に示された入/切スイッチ21とは、運転入り面21aおよび運転切り面21bの位置が反対になっている。このため、
図16の(a)における「L1、L2」および「W1、W3」が、それぞれ「L2、L3」および「W3、W1」に変更され、拡大切り欠き58bが、切り欠き53bの先端突起57b側に移動している。したがって、入/切スイッチ21の運転入り面21aおよび運転切り面21bの位置に応じて、
図16の(a)または
図17の何れかを採用すれば、換気扇1を確実に「入り状態」にして梱包作業を完了(出荷)することが可能になる。
なお、以上は、内フラップ5a、5bに拡大切り欠き58a、58bが設けられているが、本発明はこれに限定するものではなく、内フラップ5aまたは内フラップ5aの一方にのみ、拡大切り欠き58aまたは拡大切り欠き58bが設けられてもよい。
さらに、内フラップ5aには
図16の(a)に示す拡大切り欠き58aを、内フラップ5bには
図17に示す拡大切り欠き58aを設けるようにしてもよい。
さらに、包装箱2(実施の形態1)の内フラップ5a、5bの一方または両方に、拡大切り欠き58a、58bを設けてもよい。
【0041】
(支持部の先端突起)
さらに、
図14に示すように内フラップ5bの先端部分に先端突起57bを設ける。このようにすることで先端突起57bが、換気扇1の枠部3の内部に差し込まれ、内フラップ5bが箱内部で動くことを防止し、製品を確実に保持することができる(内フラップ5aの先端においても同様)。さらに、包装箱2(実施の形態1)の内フラップ5bの先端部分に先端突起57bを設けてもよい。