(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
掘削用のケーシングと、ケーシングを全周回転駆動する全周回転駆動装置と、クレーンによりケーシング内に吊支挿入されるダウンザホールハンマーと、ダウンザホールハンマーを長手方向にスライド自在の状態で回転駆動するよう保持するテーブルマシーンと、ダウンザホールハンマーをケーシング内でケーシングの軸方向に平行な姿勢から軸方向に対し所要角度傾斜した傾斜姿勢に保持することが可能なハンマー傾斜姿勢保持手段と、ダウンザホールハンマーに作動用圧力エアを供給するスイベル機構とからなり、
前記ハンマー傾斜姿勢保持手段は、テーブルマシーンの下側に別個独立して設けられ、ダウンザホールハンマーを傾動させるための空間を開けてタウンザホールハンマーを囲繞する環状基体と、環状基体の外周に周方向一定間隔おきに水平に突設される先端部材と、環状基体を水平姿勢に保持するように夫々の先端部材がケーシングの内周面に圧接支持される水平反力受けジャッキと、テーブルマシーンと環状基体との上下間で周方向一定間隔おきに介装連結され、ダウンザホールハンマーを保持するテーブルマシンを環状基体との水平姿勢から所要角度傾斜した傾斜姿勢に傾動することが可能なテーブルマシン傾動用ジャッキとからなる掘削装置。
掘削用のケーシングと、ケーシングを全周回転駆動する全周回転駆動装置と、クレーンによりケーシング内に吊支挿入されるダウンザホールハンマーと、ダウンザホールハンマーを長手方向にスライド自在の状態で回転駆動するよう支持するテーブルマシーンと、ダウンザホールハンマーをケーシング内でケーシングの軸方向に平行な姿勢から軸方向に対し所要角度傾斜した傾斜姿勢に保持することが可能なハンマー傾斜姿勢保持手段と、ダウンザホールハンマーに作動用圧力エアを供給するスイベル機構とからなり、
前記ハンマー傾斜姿勢保持手段は、テーブルマシーンの下部にテーブルマシンと並行して一体に設けられ、ダウンザホールハンマーを長手方向にスライド自在に且つ回転自在に支持する環状基体と、テーブルマシーン及び環状基体を介してダウンザホールハンマーを軸方向に平行な姿勢から傾斜姿勢に保持するようにテーブルマシン及び環状基体の夫々の外周に周方向一定間隔おきに突設されるテーブルマシン側先端部材及び環状基体側先端部材と、夫々の先端部材がケーシングの内周面に圧接支持されるテーブルマシーン傾動用ジャッキ及び環状基体傾動用ジャッキとからなる掘削装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の掘削装置では、破砕ユニットにより硬質地盤を破砕する際に、ケーシングの内断面の略全面を破砕することはできても、ケーシングの内径以上は破砕することができず、従って破砕ユニットで破砕し得なかった周辺地盤部は、ケーシング下端の切削ビットによって切削するようにしているが、切削するのに時間がかかり、また切削ビットが早期に磨滅、破損し易いという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑み、ダウンザホールハンマーによって、岩盤などの硬質地盤をケーシングの内径を越える範囲まで破砕可能で、硬質地盤を効率よく破砕できる掘削装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明の掘削装置は、
図1〜
図3に示すように、掘削用のケーシング1と、ケーシング1を回転駆動する全周回転駆動装置2と、クレーンによりケーシング1内に吊支挿入されるダウンザホールハンマー3と、ダウンザホールハンマー3を長手方向にスライド自在の状態で回転駆動するよう保持するテーブルマシーン4と、ダウンザホールハンマー3をケーシング1内でケーシング1の軸方向に平行な姿勢から軸方向に対し所要角度傾斜した傾斜姿勢に保持することが可能なハンマー傾斜姿勢保持手段5と、ダウンザホールハンマーに作動用圧力エアを供給するスイベル機構6とからな
り、
前記ハンマー傾斜姿勢保持手段5は、テーブルマシーン4の下側に別個独立して設けられ、ダウンザホールハンマー3を傾動させるための空間5eを開けてタウンザホールハンマー3を囲繞する環状基体5aと、環状基体5aの外周に周方向一定間隔おきに水平に突設される先端部材5bと、環状基体5aを水平姿勢に保持するように夫々の先端部材5bがケーシング1の内周面に圧接支持される水平反力受けジャッキ5cと、テーブルマシーン3と環状基体5aとの上下間で周方向一定間隔おきに介装連結され、ダウンザホールハンマー3を保持するテーブルマシン4を環状基体5aとの水平姿勢から所要角度傾斜した傾斜姿勢に傾動することが可能なテーブルマシン傾動用ジャッキ5dとからなることを特徴とする。
【0009】
請求項
2に係る発明の掘削装置は、
図6及び
図7に示すように、掘削用のケーシング1と、ケーシング1を回転駆動する全周回転駆動装置2と、クレーンによりケーシング1内に吊支挿入されるダウンザホールハンマー3と、ダウンザホールハンマー3を長手方向にスライド自在の状態で回転駆動するよう支持するテーブルマシーン4と、ダウンザホールハンマー3をケーシング1内でケーシング1の軸方向に平行な姿勢から軸方向に対し所要角度傾斜した傾斜姿勢に保持することが可能なハンマー傾斜姿勢保持手段7と、ダウンザホールハンマー3に作動用圧力エアを供給するスイベル機構6とからな
り、
前記ハンマー傾斜姿勢保持手段7は、テーブルマシーン4の下部にテーブルマシン4と並行して一体に設けられ、ダウンザホールハンマー3を長手方向にスライド自在に且つ回転自在に支持する環状基体7aと、テーブルマシーン4及び環状基体7aを介してダウンザホールハンマー3を軸方向に平行な姿勢から傾斜姿勢に保持するようにテーブルマシン4及び環状基体7aの夫々の外周に周方向一定間隔おきに突設されるテーブルマシン4側先端部材8b及び環状基体7a側先端部材7bと、夫々の先端部材8b,7bがケーシング1の内周面に圧接支持されるテーブルマシーン傾動用ジャッキ8c及び環状基体傾動用ジャッキ7cとからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明の掘削装置は、
図1〜
図3に示すように、掘削用のケーシング1と、ケーシング1を回転駆動する全周回転駆動装置2と、クレーンによりケーシング1内に吊支挿入されるダウンザホールハンマー3と、ダウンザホールハンマー3を長手方向にスライド自在の状態で回転駆動するよう保持するテーブルマシーン4と、ダウンザホールハンマー3をケーシング1内でケーシング1の軸方向に平行な姿勢から軸方向に対し所要角度傾斜した傾斜姿勢に保持することが可能なハンマー傾斜姿勢保持手段5と、ダウンザホールハンマーに作動用圧力エアを供給するスイベル機構6とからなるもので、岩盤などの硬質地盤G2を掘削するにあたり、ダウンザホールハンマー3を、ケーシング1内でハンマー傾斜姿勢保持手段5によりケーシング1の軸方向に対し所要角度傾斜した傾斜姿勢に保持し、ハンマーロッド3aをテーブルマシーン4で回転させながら掘削ビット3bの打撃を行うことにより、硬質地盤G2をケーシング1の内径を越える範囲まで破砕することが可能となり、その硬質地盤G2を効率良く破砕することができる。
【0014】
また、この掘削装置では、ハンマー傾斜姿勢保持手段5によってダウンザホールハンマー3をケーシング1の軸方向に対して傾斜角度を掘削途上において適宜変位させることによって、ケーシング1の内部又はその外部周辺の硬質地盤G2の掘削位置を小刻みに分散変位させて掘削することができるため、それだけ掘削能力を軽減することができ、ダウンザホールハンマー3として、ケーシング1の径に比べて小径のものを使用することが可能となり、エアコンプレッサーを小型にできると共に、掘削装置全体の重量の軽減化を図ることができる。
【0015】
これに対し、従来では、ケーシング1の底部に面する硬質地盤全域を一度に切削する必要があるから、太径のダウンザホールハンマーを使用する必要があり、それだけ圧力エアの供給量が大きいため、大きなエアコンプレッサーが必要となる。
【0016】
又、本発明によれば、ハンマー傾斜姿勢保持手段5は、テーブルマシーン4の下側に別個独立して設けられ、ダウンザホールハンマー3を傾動させるための空間5eを開けてタウンザホールハンマー3を囲繞する環状基体5aと、環状基体5の外周に周方向一定間隔おきに水平に突設される先端部材5bと、環状基体5aを水平姿勢に保持するように夫々の先端部材5bがケーシング1の内周面に圧接支持される水平反力受けジャッキ5cと、テーブルマシーン3と環状基体5cとの上下間で周方向一定間隔おきに介装連結され、ダウンザホールハンマー3を保持するテーブルマシン4を環状基体5aとの水平姿勢から所要角度傾斜した傾斜姿勢に傾動することが可能なテーブルマシン傾動用ジャッキ5dとからなるもので、複数のハンマー傾動用ジャッキ5dを適宜に伸縮作動させるだけの簡単な操作によって、ダウンザホールハンマー3をケーシング1の軸方向と平行な姿勢から軸方向に対し所要角度傾斜した傾斜姿勢に適宜変位して保持することができる。
【0017】
請求項
2に係る発明の掘削装置は、
図6及び
図7に示すように、掘削用のケーシング1と、ケーシング1を回転駆動する全周回転駆動装置2と、クレーンによりケーシング1内に吊支挿入されるダウンザホールハンマー3と、ダウンザホールハンマー3を長手方向にスライド自在の状態で回転駆動するよう支持するテーブルマシーン4と、ダウンザホールハンマー3をケーシング1内でケーシング1の軸方向に平行な姿勢から軸方向に対し所要角度傾斜した傾斜姿勢に保持することが可能なハンマー傾斜姿勢保持手段7と、ダウンザホールハンマー3に作動用圧力エアを供給するスイベル機構6とからなるもので、岩盤などの硬質地盤G2を掘削するにあたり、ダウンザホールハンマー3を、ケーシング1内でハンマー傾斜姿勢保持手段5によりケーシング1の軸方向に対し所要角度傾斜した傾斜姿勢に保持し、ハンマーロッド3aをテーブルマシーン4で回転させながら掘削ビット3bの打撃を行うことにより、硬質地盤G2をケーシング1の内径を越える範囲まで破砕することが可能となり、その硬質地盤G2を効率良く破砕することができる。
【0018】
また、この掘削装置では、ハンマー傾斜姿勢保持手段
7によってダウンザホールハンマー3をケーシング1の軸方向に対して傾斜角度を掘削途上において適宜変位させることによって、ケーシング1の内部又はその外部周辺の硬質地盤G2の掘削位置を小刻みに分散変位させて掘削することができるため、それだけ掘削能力を軽減することができ、ダウンザホールハンマー3として、ケーシング1の径に比べて小径のものを使用することが可能となり、エアコンプレッサーを小型にできると共に、掘削装置全体の重量の軽減化を図ることができる。
【0019】
これに対し、従来では、ケーシング1の底部に面する硬質地盤全域を一度に切削する必要があるから、太径のダウンザホールハンマーを使用する必要があり、それだけ圧力エアの供給量が大きいため、大きなエアコンプレッサーが必要となる。
【0020】
又、本発明によれば、前記ハンマー傾斜姿勢保持手段7は、テーブルマシーン4の下部にテーブルマシン4と並行して一体に設けられ、ダウンザホールハンマー3を長手方向にスライド自在に且つ回転自在に支持する環状基体
7aと、テーブルマシーン4及び環状基体
7aを介してダウンザホールハンマー3を軸方向に平行な姿勢から傾斜姿勢に保持するようにテーブルマシン4及び環状基体
7aの夫々の外周に周方向一定間隔おきに突設されるテーブルマシン4側先端部材8b及び環状基体
7a側
先端部材7bと、夫々の先端部材8b,7bがケーシング1の内周面に圧接支持されるテーブルマシーン傾動用ジャッキ8c及び環状基体傾動用ジャッキ7cとからなるもので、テーブルマシーン4のマシーン本体4aとこれの下部の環状基体7aとに夫々複数の傾斜姿勢保持用ジャッキ8c,7cを上下2段にわたって装備しているため、ダウンザホールハンマー3を一層安定良く傾斜姿勢に保持できる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る掘削装置について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
先ず、
図1〜
図3に示す掘削装置は、掘削用のケーシング1と、このケーシング1を回転駆動する全周回転駆動装置2と、図示しないクレーンによってケーシング1内に吊支挿入されるダウンザホールハンマー3と、このダウンザホールハンマー3を回転駆動するテーブルマシーン4と、ダウンザホールハンマー3をケーシング1内でケーシング1の軸方向と平行な姿勢又はその軸方向に対し所要角度傾斜した傾斜姿勢に保持するハンマー姿勢保持手段5と、ダウンザホールハンマー3に作動用圧力エアを供給するスイベル機構6とによって構成される。
【0028】
全周回転駆動装置2は、一般的なオールケーシング工法に使用される全周回転圧入装置からなるもので、ケーシングの外周面を掴持して全周回転あるいは周方向に左右揺動させながらケーシングを地盤中に押し込んで掘削するタイプのもので、周知の構造からなる。すなわち、
図1及び
図2に概略図示するように、ベースフレーム2aの四隅に設けた昇降シリンダ2bに連結された昇降フレーム2cを備え、昇降フレーム2cにはケーシング1が挿通されるテーパ孔(図示省略)を有する回転フレーム(図示省略)が回転可能に支持され、昇降フレーム2cに連結されたチャックシリンダ(図示省略)によってケーシング1とテーパ孔との間に楔部材(図示省略)を挿入して、回転フレームとケーシング1とを締結するようになっており、ケーシング1を回転フレームに把持した状態で回転フレームをモータ(図示省略)により回転駆動すると共に、昇降シリンダ2bを下降させることにより、ケーシング1を回転させながら地盤中に押し込むことができる。ケーシング1の下端には掘削ビット1aが複数取り付けられている。
【0029】
ダウンザホールハンマー3は、軸方向(上下長手方向)に長尺な略円筒状のハンマーロッド3aをテーブルマシーン4によって回転させながら、このハンマーロッド3aに内蔵されたピストン(図示せず)を圧力エアによって上下動させ、このピストンの下動時にハンマーロッド3aの先端の掘削ビット3bで打撃し、この打撃力とハンマーロッド3a全体の回転力とによって岩盤などの硬質地盤G2を破砕しつつ地盤を掘削するようになっている。ハンマーロッド3aの外周面には長手方向全域に延びる凸条部3oが周方向一定間隔おきに条設されている。このダウンザホールハンマー3の上端には、回転するダウンザホールハンマー3に対し圧力エアを供給するためのスイベル機構6が設けられ、このスイベル機構6は、クレーンから垂下される昇降ワイヤー21のフック22に吊支ワイヤー23を介して吊支されている。スイベル機構6には、図示しないエアコンプレッサーからの圧力エアが、エアホース24によって供給される。
【0030】
テーブルマシーン4は、油圧駆動式のロータリーテーブルで、
図1及び
図3の(a) に示すように、マシーン本体である筐体4a内に駆動用円環部材4bを回転自在に支持すると共に、駆動用円環部材4bの外周に周設した大歯車4cに、筐体4aの上部の4箇所に設置した油圧モータ4dによって夫々回転駆動する4つの小歯車4eを噛合させ、駆動用円環部材4bの内周面にはハンマーロッド3aの凸条部3oに対応する凹条部4oを設け、駆動用円環部材4bに挿通したハンマーロッド3aの凸条部3oを、駆動用円環部材4bの凹条部4oに対しロッド長手方向スライド自在に係合させるようにしたもので、油圧モータ4dの回転により、小歯車4e及び大歯車4cを介して駆動用円環部材4bを回転させることによって、ダウンザホールハンマー3のハンマーロッド3aを長手方向にスライド自在の状態で回転駆動させるようになっている。
【0031】
ハンマー傾斜姿勢保持手段5は、
図1及び
図3の(b) ,(c) に示すように、テーブルマシーン4の下側に対抗して独立して設けられ、ダウンザホールハンマー3を傾斜させるための空間5eを開けてダウンザホールハンマー3の周囲を囲繞するリング状の環状基体5aと、この環状基体5aの外周に周方向一定間隔おきに(ここでは周方向に90°の間隔で)水平に突設され、環状基体5aを水平姿勢に保持するように各先端部材5bがケーシング1の内周面に圧接支持される複数(ここでは4つ)の水平反力受けジャッキ5cと、環状基体5aの上端部とテーブルマシーン4の筐体4aとの間で周方向一定間隔おきに介装連結された複数(ここでは4つ)のテーブルマシン傾動用ジャッキ5dとによって構成される。各水平反力受けジャッキ5c及び各テーブルマシン傾動用ジャッキ5dは、夫々油圧式のジャッキであり、それらの油圧配管の図示は省略する。各ハンマー傾動用ジャッキ5dは、上下方向に伸縮作動するように配置されるもので、ジャッキ本体部5d
1 (
図3の(b) 参照)側は環状基体5aの上端部に固定され、伸縮作動部5d
2 (
図3の(b) 参照)はテーブルマシーン4の筐体4aの下端部に枢着されている。
【0032】
上記ハンマー姿勢保持手段5の作用について説明すると、
図1は、ケーシング1により比較的軟質の地盤G1を掘削し、その掘削土砂を
図4に示すようにハンマーグラブ20でケーシング1の上方に排除した後、ケーシング1内に挿入したダウンザホールハンマー3を、ハンマー姿勢保持手段5によってケーシング1と平行な姿勢に保持した状態を示したもので、この状態において、ハンマー姿勢保持手段5の環状基体5aが複数の水平反力受けジャッキ5cによって水平姿勢に保持され、全てのハンマー傾動用ジャッキ5dが収縮限位置2あって、テーブルマシーン4の筐体4aが水平姿勢に保持され、それによってダウンザホールハンマー3が、ケーシング1の軸方向と平行な姿勢でケーシング1と同軸状に位置している状態を示す。また、ダウンザホールハンマー3は、クレーンから垂下される昇降ワイヤー21のフック22に吊支ワイヤー23を介して吊支されている。
【0033】
図1に示すようにダウンザホールハンマー3がケーシング1の軸方向と平行な姿勢でケーシング1と同軸状に位置する状態で、ハンマーロッド3aをテーブルマシーン4により回転させながら、ハンマーロッド3aの先端側の掘削ビット3bで打撃することにより、ダウンザホールハンマー3は、掘削ビット3bの打撃力とハンマーロッド3a全体の回転力とによって、
図1に示すようにケーシング1の内断面の中央部側で岩盤などの硬質地盤G2を破砕することができる。
【0034】
図1に示す状態から、
図2に示すように、複数のテーブルマシン傾動用ジャッキ5dのうちの例えば同図の右側寄りにあるジャッキ5dを伸張作動状態にし、左側寄りのジャッキ5dを収縮位置に保持した状態にすることによって、テーブルマシーン4の筐体4aを同図に関し所要角度右上がりに傾斜させると、ダウンザホールハンマー3は、同図の実線図示のように環状基体5a内の空間5eの範囲内でケーシング1の軸方向に対し所要角度傾斜した傾斜姿勢となってその傾斜姿勢に保持される。しかして、この状態から、ダウンザホールハンマー3のハンマーロッド3aをテーブルマシーン4により回転させながら、ハンマーロッド3a先端の掘削ビット3bで打撃することにより、ダウンザホールハンマー3は、
図2の実線図示のような傾斜姿勢のまま、掘削ビット3bの打撃力とハンマーロッド3a全体の回転力とによって、硬質地盤G2を破砕することができる。
【0035】
この時、ケーシング1は静止状態にあり、ハンマー姿勢保持手段5は、ケーシング1と一体的結合関係にあると共に、テーブルマシーン傾動用ジャッキ5dを介してテーブルマシーン4の筐体4aと一体的結合関係にあることから、ケーシング1を所要角度、例えば90°回転させる毎に、ダウンザホールハンマー3のハンマーロッド3aをテーブルマシーン4で回転させつつ掘削ビット3bで打撃し、これを4回繰り返すことによって、硬質地盤G2におけるケーシング1の内断面を全周にわたって破砕することができる。
図2に仮想線で示す傾斜姿勢のダウンザホールハンマー3は、ケーシング1を180°回転させることにより、同図の実線で示す傾斜姿勢のダウンザホールハンマー3が左右対称位置に反転した状態を示す。
【0036】
この掘削装置の大きな特徴は、ダウンザホールハンマー3を所要角度の傾斜姿勢に保持した状態で、上記のようにハンマーロッド3aをテーブルマシーン4により回転させつつ掘削ビット3bで打撃することによって、岩盤などの硬質地盤G2をケーシング1の内径を越える範囲まで破砕することを可能とするものである。
図2では、傾斜したダウンザホールハンマー3の掘削ビット3bはケーシング1の内径を越えていない様に見えるが、ハンマー姿勢保持手段5を図示の位置より適宜下方へ移動させることにより、ケーシング1の内径を越え、更にケーシング1の外径を越える硬質地盤G2の破砕も可能となる。
【0037】
次に、上述した
図1〜
図3に示す掘削装置による掘削工法を説明する。先ず、地表面上に設置した全周回転駆動装置2によってケーシング1を回転させながら地盤G1中に押し込むと共に、
図4に示すように、ケーシング1内の土砂25を適宜にハンマーグラブ20によりケーシング1の上方に排除していくことによって地盤G1の掘削を進行する。
【0038】
しかして、岩盤や転石などの硬質地盤G2に遭遇すると、ハンマーグラブ20では破砕することができないので、
図1に示すように、テーブルマシーン4及びハンマー姿勢保持手段5に貫装したダウンザホールハンマー3をクレーンで吊り下げてケーシング1内に挿入する。テーブルマシーン4の油圧モータ4d及びハンマー姿勢保持手段5のジャッキ5c,5dには、図示しない油圧ホースを通じて作動用圧油を供給し、ダウンザホールハンマー3には、エアホース24によりスイベル機構6を通じて作動用圧力エアを供給する。尚、ハンマー傾斜姿勢保持手段5は、ケーシング1への挿入前は、水平反力受けジャッキ5cを適宜収縮させておいて、挿入後にそれを伸張作動させて、
図1及び
図3の(c) に示すように、先端部材5bをケーシング1の内周面に圧接支持させて、環状基体5aを水平姿勢に保持固定する。
図1は、ダウンザホールハンマー3がケーシング1の軸方向と平行姿勢でケーシング1と同軸状に位置した状態で、ハンマーロッド3aをテーブルマシーン4で回転させながら掘削ビット3bで打撃することによって、ケーシング1の内断面の中央部側で岩盤などの硬質地盤G2を破砕している状態を示し、その破砕によって削られた又は削られようとしている凹所を27で示す。
【0039】
上記のようにしてケーシング1の内断面の中央部側を破砕した後、ハンマー傾斜姿勢保持手段5のハンマー傾動用ジャッキ5dを適宜に伸縮作動させて、テーブルマシーン4の筐体4aを水平姿勢に対し所要角度傾斜させることにより、ダウンザホールハンマー3をケーシング1の軸方向に対し適宜傾斜した傾斜姿勢となし、この傾斜姿勢でハンマーロッド3aを回転させながら掘削ビット3bで打撃することにより、このダウンザホールハンマー3を傾斜姿勢のままで、掘削ビット3bの打撃力とハンマーロッド3a全体の回転力とにより、ケーシング1の内断面の中央部側からケーシング1の内径を越え、更にその外径を越える範囲にわたって硬質地盤G2を破砕する。
【0040】
そして、ケーシング1を、全周回転駆動装置2により所要角度回転させる毎に静止させて、傾斜姿勢にあるダウンザホールハンマー3のハンマーロッド3aをテーブルマシーン4で回転させながら掘削ビット3bで打撃し、この操作をケーシング1が1回転するまで所要数回繰り返すことによって、ケーシング1の内径を越える範囲の硬質地盤G2の破砕をケーシング1の内断面の全周にわたって行なう。
図2には、この破砕によって硬質地盤G2が削られる凹所を28で示し、また同図の27は既に破砕による削られた
図1に示した中央部側の凹所を示す。また、このケーシング1の内断面の全面にわたる硬質地盤G2の破砕作業を複数回繰り返すことによって、硬質地盤G2を所要深さまで破砕することができる。
【0041】
上記のように、傾斜姿勢のダウンザホールハンマー3によって、ケーシング1の内径を越える範囲の硬質地盤G2の破砕をケーシング1の内断面の全面にわたって行なった後、ダウンザホールハンマー3を傾斜姿勢に保持しているハンマー姿勢保持手段5の水平反力受けジャッキ5cを収縮させてケーシング1との縁を切った状態で、ケーシング1を全周回転駆動装置2によって回転させながら硬質地盤G2中に押し込むと、ケーシング1下端の掘削ビット1aが食い付く硬質地盤G2部分は、既にダウンザホールハンマー3により破砕されているため、ケーシング1は、
図5に示すように破砕物26の周辺部に沿って容易に掘削貫入してゆく。
【0042】
こうしてケーシング1を所要深さまで貫入したならば、ダウンザホールハンマー3を、テーブルマシーン4及びハンマー姿勢保持手段5と共にケーシング1から引き上げた後、同じ
図5に示すようにケーシング1内に挿入したハンマーグラブ20によって、破砕物26をケーシング1の上方に排除する。最終的には、ケーシング1を全周回転駆動装置2によって地盤G1,G2から向き取る抜き取ることにより、掘削作業を完了する。
【0043】
上述した
図1〜
図3に示すような掘削装置によれば、岩盤などの硬質地盤G2を掘削するにあたり、ダウンザホールハンマー3を、ケーシング1内でハンマー姿勢保持手段5によりケーシング1の軸方向に対し所要角度傾斜した傾斜姿勢に保持し、ハンマーロッド3aをテーブルマシーン4で回転させながら掘削ビット3bの打撃を行うようにするから、硬質地盤G2をケーシング1の内径を越える範囲まで破砕可能となり、その硬質地盤G2を効率良く破砕することができる。また、この掘削装置では、ハンマー姿勢保持手段5によって、ダウンザホールハンマー3をケーシング1の軸方向と平行な姿勢に保持することもできるから、硬質地盤G2の掘削にあたり、ケーシングの軸方向と平行な姿勢によるダウンザホールハンマー3の保持と、傾斜姿勢による保持を併用することによって、硬質地盤G2を一層効率よく破砕することができる。また、この掘削装置では、ハンマー傾斜姿勢保持手段5によってダウンザホールハンマー3をケーシング1の軸方向に対して傾斜角度を掘削途上において適宜変位させることによって、ケーシング1の内部又はその外部周辺の硬質地盤G2の掘削位置を小刻みに変位させ分散して掘削することができるため、それだけ掘削能力を軽減することができ、ダウンザホールハンマー3として、ケーシング1の径に比べて小径のものを使用することが可能となり、エアコンプレッサーを小型にでき、その搬入・搬出を容易にすると共に、掘削装置全体の重量の軽減化を図ることができる。
【0044】
図6は本発明に係る他の掘削装置を示す。この掘削装置は、掘削用のケーシング1と、このケーシングを回転駆動する全周回転駆動装置2(
図1,
図2参照)と、クレーンによりケーシング1内に吊支挿入されるダウンザホールハンマー3と、このダウンザホールハンマー3を長手方向にスライド自在の状態で回転駆動するよう支持するテーブルマシーン4と、ダウンザホールハンマー3をケーシング1内でケーシング1の軸方向に対し所要角度傾斜した傾斜姿勢に保持するハンマー傾斜姿勢保持手段7と、ダウンザホールハンマー3に作動用圧力エアを供給するスイベル機構6とによって構成される。
【0045】
この
図6に示す掘削装置が
図1〜
図3に示される掘削装置と相違するところは、
図6に示すように、ハンマー傾斜姿勢保持手段7は、テーブルマシーン4の下部でダウンザホールハンマー3を長手方向にスライド自在で回転自在に支持するようにテーブルマシーン4の筐体4aと同心状に一体に連結されたリング状の環状基体7aと、この環状基体7aの外周に周方向一定間隔おき(ここでは周方向に90°の間隔をおいて)に突設されて、ダウンザホールハンマー3をケーシング1の軸方向に対し所要角度傾斜させて環状基体7aをその対応する傾斜姿勢に保持するように各先端部材7bがケーシング1の内周面に圧接支持される複数の環状基体傾動用ジャッキ7cと、テーブルマシーン4の筐体4a外周に周方向一定間隔(ここでは周方向に90°の間隔)おきに突設されていて、テーブルマシーン4の筐体4aを前記環状基体7aと同じ傾斜姿勢に保持するように各先端部材8bがケーシング1の内周面に圧接支持される複数のテーブルマシ傾動用ジャッキ8cとによって構成される。
【0046】
前記環状基体7a内には、
図7の(e) に示すように、ハンマーロッド3aの凸条部3oにスライド自在に係合する凹条部12oを内周面に形成した円環部材12が同心状に配置され、この円環部材12は、環状基体7a内に軸受部材(図示せず)を介して回転自在に支持されている。従って、ダウンザホールハンマー3は、ハンマーロッド3aの凸条部3oを円環部材12内の凹条部12oに係合させて円環部材12に挿通させた状態で、環状基体7aを前記複数の傾斜姿勢保持用ジャッキ8cでケーシング1に固定することより、ケーシング1の軸方向に対し所要角度傾斜した傾斜姿勢で環状基体7aに対しスライド自在で回転自在に支持される。
【0047】
この
図6に示す掘削装置の他の構成については、
図1〜
図3に示される掘削装置と全く同じあるため、同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
図7の(d) は
図6のd−d線拡大断面図で、テーブルマシーン4の筐体4a外周にテーブルマシ傾動用ジャッキ8cを周方向一定間隔おきに突設した状態を示し、(e) は
図6のe−e線拡大断面図で、テーブルマシーン4の筐体4aと同心状の環状基体7aの外周に環状基体傾動用ジャッキ7cを周方向一定間隔おきに突設した状態を示す。
【0048】
しかして、岩盤などの硬質地盤G2に遭遇してダウンザホールハンマー3を使用する時は、テーブルマシーン4及びハンマー傾斜姿勢保持手段7に貫装したダウンザホールハンマー3をクレーンで吊り下げてケーシング1内に挿入し、ハンマー傾斜姿勢保持手段7のジャッキ7c,8cを作動させて、ダウンザホールハンマー3を、
図6に示すようにケーシング1の軸方向に対し所要角度傾斜した傾斜姿勢に保持し、この傾斜姿勢のままハンマーロッド3aをテーブルマシーン4によって回転させながら掘削ビット3bを打撃することにより、掘削ビット3bの打撃力とハンマーロッド3a全体の回転力によって、ケーシング1の内断面の中央部側からケーシング1の内径を越え、更にその外径を越えるような範囲にわたって硬質地盤G2を破砕することができる。
図6において29は、その破砕によって削られた又は削られようとしている凹所を示す。
【0049】
その後、ケーシング1を全周回転駆動装置2により所要角度回転させる毎に、傾斜姿勢にあるダウンザホールハンマー3のハンマーロッド3aをテーブルマシーン4で回転させながら掘削ビット3bで打撃し、この操作をケーシング1が1回転するまで所要数回繰り返すことによって、ケーシング1の内径を越える範囲の硬質地盤G2の破砕をケーシング1の内断面の全面にわたって行い、またこのケーシング1の内断面の全面にわたる破砕作業を複数回繰り返すことにより、硬質地盤G2を所要深さまで破砕することができる。
【0050】
上述した
図6に示す掘削装置は、ケーシング1と、このケーシング1を回転駆動する全周回転駆動装置2と、ケーシング1内に吊支挿入されるダウンザホールハンマー3と、ダウンザホールハンマー3を回転駆動するテーブルマシーン4と、ダウンザホールハンマー3をケーシング1内で傾斜姿勢に保持するハンマー傾斜姿勢保持手段7と、ダウンザホールハンマー3に作動用圧力エアを供給するスイベル機構6からなるもので、ハンマー傾斜姿勢保持手段7によって、ダウンザホールハンマー3をケーシング軸方向に対し所要角度傾斜した傾斜姿勢にだけ保持するから、ハンマー傾斜姿勢保持手段7による傾斜作業に手間がかからず、作業が簡単となる。
【0051】
また、
図6に示す掘削装置のハンマー傾斜姿勢保持手段7は、テーブルマシーン4の筐体4aと同心状に連結された環状基体7aと、この環状基体7aの外周に周方向一定間隔おきに突設され、ダウンザホールハンマー3をケーシング軸方向に対し所要角度傾斜させて前記環状基体7aを対応する傾斜姿勢に保持するように各先端部材7bがケーシング1の内周面に圧接支持される複数の環状基体傾動用ジャッキ7cと、テーブルマシーン4の筐体4a外周に周方向一定間隔おきに突設されて、テーブルマシーン4の筐体4aを前記環状基体7aと同じ傾斜姿勢に保持するように各先端部材8bがケーシング1の内周面に圧接支持される複数のテーブルマシ傾動用ジャッキ8cとからなるもので、テーブルマシーン4の筐体4aとこれの下側の環状基体7aとに夫々複数の環状基体傾動用ジャッキ7c及びテーブルマシ傾動8cを上下2段に装備しているため、ダウンザホールハンマー3を一層安定良く傾斜姿勢に保持することができる。
【0052】
図8は本発明に係る更に他の掘削装置を示す。この掘削装置は、掘削用のケーシング1と、このケーシング1を回転駆動する全周回転駆動装置2と、図示しないクレーンによりケーシング1内に吊支挿入されるダウンザホールハンマー3と、このダウンザホールハンマー3を回転駆動するテーブルマシーン4と、ダウンザホールハンマー3を、ケーシング1内において、ケーシング1の中心軸Oと同軸位置(
図8の(b) の実線図示位置)又はその中心軸Oに対し偏心した偏心位置(
図8の(b) の仮想線図示位置)に保持するハンマー保持手段9と、ダウンザホールハンマー3に作動用エアを供給するスイベル機構6とによって構成される。
【0053】
前記ハンマー保持手段9は、テーブルマシーン4の筐体4aの外周に周方向一定間隔で(ここでは周方向に90°の間隔で)おきに突設されていて、テーブルマシーン4の筐体4aを水平位置に保持するように各先端部材10がケーシング1の内周面に圧接支持される複数の(ここでは4つの)油圧式水平反力受けジャッキ11からなるものである。ダウンザホールハンマー3及びテーブルマシーン4の構造については、
図1〜
図3に示す掘削装置のものと同じである。
【0054】
この
図8に示す掘削装置の使用について説明すると、
図8の(a) には、岩盤などの硬質地盤G2に遭遇してダウンザホールハンマー3を使用するにあたり、ダウンザホールハンマー3をケーシング1内でその中心軸Oと同軸位置に配置して、ケーシング1内の硬質地盤G2部分の中心部側を破砕しようとする状態を実線で示している。この時、4つの水平反力受けジャッキ11は、
図8の(b) から分かるように、夫々同じ伸張作動状態で各先端部材10をケーシング1の内周面に圧接支持させて、テーブルマシーン4の筐体4aを、水平姿勢でケーシング1と同心位置に保持している。従って、この状態でダウンザホールハンマー3のハンマーロッド3aをテーブルマシーン4によって回転させながら、掘削ビット3bで打撃することによって、ケーシング1内の硬質地盤G2部分の中心部側を破砕することができる。
【0055】
硬質地盤G2の破砕を終えた後、4つの水平反力受けジャッキ11の例えば1つを収縮作動状態とし、他の3つを夫々適当な伸張作動状態とすることにより、
図8の(b) の仮想線図示のようにテーブルマシーン4の筐体4aを水平姿勢のままケーシング1の中心軸Oに対し偏心した位置に保持し、ダウンザホールハンマー3をケーシング1の中心軸Oに対し偏心した位置に保持することができる。この状態で、ダウンザホールハンマー3のハンマーロッド3aをテーブルマシーン4で回転させながら掘削ビット3bで打撃することによって、ケーシング1内硬質地盤G2部分の中心部から周辺部にわたる部分を破砕することができる。
【0056】
そしてまた、
図8の(b) の仮想線図示のようにダウンザホールハンマー3をケーシング1の中心軸Oに対し偏心した位置に保持した状態で、ケーシング1を全周回転駆動装置2により所要角度回転させる毎に静止させて、ダウンザホールハンマー3のハンマーロッド3aをテーブルマシーン4で回転させながら掘削ビット3bで打撃し、この操作をケーシング1が1回転するまで所要数回繰り返すことにより、ケーシング1内の硬質地盤G2の破砕をケーシング1の内断面の全面にわたって行い、またこのケーシング1の内断面の全面にわたる破砕作業を複数回繰り返すことによって、硬質地盤G2を所要深さまで破砕することがでできる。
【0057】
上記のような
図8に示す掘削装置によれば、一つのダウンザホールハンマー3によってケーシング1の内断面の全面を有効に破砕することができる。
【0058】
また、この掘削装置では、ハンマー保持手段9によってダウンザホールハンマー3をケーシング1の中心軸Oと同軸位置又はその中心軸Oに対し偏心した偏心位置に偏位可能に保持することが可能であるから、掘削途上においてダウンザホールハンマー3をケーシング1の内部で径方向に適宜変位させることによって、ケーシング1の内部硬質地盤G2の掘削位置を小刻みに変位させ分散して掘削することができるため、それだけ掘削能力を軽減することができ、ダウンザホールハンマー3として、ケーシング1の径に比べて小径のものを使用することが可能となり、エアコンプレッサーを小型にでき、その搬入・搬出を容易にすると共に、掘削装置全体の重量の軽減化を図ることができる。