特許第6041791号(P6041791)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 能美防災株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6041791-消火剤タンク 図000002
  • 特許6041791-消火剤タンク 図000003
  • 特許6041791-消火剤タンク 図000004
  • 特許6041791-消火剤タンク 図000005
  • 特許6041791-消火剤タンク 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6041791
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】消火剤タンク
(51)【国際特許分類】
   A62C 13/76 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
   A62C13/76 B
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-242316(P2013-242316)
(22)【出願日】2013年11月22日
(65)【公開番号】特開2015-100483(P2015-100483A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2016年2月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002169
【氏名又は名称】彩雲国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100088052
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 文彦
(74)【代理人】
【識別番号】100189968
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 浩司
(72)【発明者】
【氏名】石郷岡 将平
【審査官】 大城 恵理
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−153879(JP,A)
【文献】 特開昭59−90572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 13/76
A62C 13/62
A62C 13/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク部と、前記タンク部の内部に貯蔵された消火剤と、前記消火剤を前記タンク部の外部に放出する放出部と、前記タンク部の内部に上下方向に延在し、前記タンク部の内部に貯蔵されている前記消火剤が流入する流入口を有し、その流入口から流入した前記消火剤を前記放出部に誘導する誘導管と、前記タンク部の内部の圧力を圧力ガスにより高める圧力手段とを備えた消火剤タンクにおいて、
前記タンク部の内部には前記消火剤として上方に層を形成する低粘度消火剤と下方に層を形成する高粘度消火剤とが貯蔵されており、
前記誘導管は、その下部に設けられた連通路形成部であって、前記高粘度消火剤の層中に前記低粘度消火剤の層と前記流入口とを連通し、前記低粘度消火剤が流れる連通路を形成する連通路形成部を備えていることを特徴とする消火剤タンク。
【請求項2】
前記連通路形成部が、前記誘導管の周囲に突出する突出部であることを特徴とする請求項1に記載の消火剤タンク。
【請求項3】
前記突出部が、リング状の大径部であることを特徴とする請求項2に記載の消火剤タンク。
【請求項4】
前記連通路形成部は、前記低粘度消火剤の層から前記高粘度消火剤の層へと移動する際に前記連通路を形成するものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の消火剤タンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、消火剤を内部に貯蔵し、圧力ガスにより消火剤を外部に放出する消火剤タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
消火剤タンクは、一般に、圧力ガスを圧力源として内部の消火剤を外部に放出することができるようになっている。その圧力方式には蓄圧式と加圧式とがあるが、何れの方式においても、圧力ガスによりタンク内部の圧力を高め、それにより消火剤を押圧して外部に放出するものとなっている。
【0003】
この消火剤タンクには、一般に、消火剤として水が用いられている。水を消火剤として消火をする際には、水を火源とその周囲に散布することにより、火災の消火をすると共に、火源の周囲を濡らすことで周囲への延焼防止もしている。
【0004】
ところで、水による消火や延焼防止等の効率を良くするために、水にその粘度を高める添加剤を添加し、消火対象物への付着性を強くすることが考えられている。例えば、特開2011−167357(特許文献1)に開示の技術は、そのような消火剤として水にゲル化剤を添加して調整したゲル含有消火水を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−167357公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、水の粘度を高めた消火剤の場合、液体の分散性は低くなるので、広い範囲に散布するとなると、その効率は低くなると考えられる。又、水の粘度を高めた消火剤の場合、可燃物に消火剤が浸透し難いため、冷却効果が弱くなると考えられる。
【0007】
そこで、水に粘度を高める添加剤が添加されておらず、粘度が低いままの消火剤と、水に粘度を高める添加剤が添加され、粘度が高められている消火剤との両方を順次散布することによって、粘度が低いままの消火剤を先に放出して可燃物を冷却した後に、粘度が高められている消火剤を放出して可燃物に消火剤を付着させることが考えられる。
【0008】
この発明は、水に粘度を高める添加剤が添加されておらず、その粘度が低いままの消火剤(以下「低粘度消火剤」という)と、水に粘度を高める添加剤が添加され、その粘度が高められている消火剤(以下「高粘度消火剤」という)とを1つのもので順次放出することができる消火剤タンクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、タンク部と、前記タンク部の内部に貯蔵された消火剤と、前記消火剤を前記タンク部の外部に放出する放出部と、前記タンク部の内部に上下方向に延在し、前記タンク部の内部に貯蔵されている前記消火剤が流入する流入口を有し、その流入口から流入した前記消火剤を前記放出部に誘導する誘導管と、前記タンク部の内部の圧力を圧力ガスにより高める圧力手段とを備えた消火剤タンクにおいて、前記タンク部の内部には前記消火剤として上方に層を形成する低粘度消火剤と下方に層を形成する高粘度消火剤とが貯蔵されており、前記誘導管は、その下部に設けられた連通路形成部であって、前記高粘度消火剤の層中に前記低粘度消火剤の層と前記流入口とを連通し、前記低粘度消火剤が流れる連通路を形成する連通路形成部を備えていることを特徴とする消火剤タンクである。
【0010】
又、この発明は、前記連通路形成部が、前記誘導管の周囲に突出する突出部であることを特徴とする消火剤タンクである。
【0011】
又、この発明は、前記突出部が、リング状の大径部であることを特徴とする消火剤タンクである。
【0012】
又、この発明は、前記連通路形成部は、前記低粘度消火剤の層から前記高粘度消火剤の層へと移動する際に前記連通路を形成するものであることを特徴とする消火剤タンクである。
【発明の効果】
【0013】
この発明においては、タンク部の内部には消火剤として上方に層を形成する低粘度消火剤と下方に層を形成する高粘度消火剤とが貯蔵されており、誘導管が高粘度消火剤の層中に低粘度消火剤の層と誘導管の流入口とを連通し、低粘度消火剤が流れる連通路を形成する連通路形成部を備えていることにより、それら消火剤を圧力ガスにより押圧し、誘導管を通じて放出部から外部に放出する際に、先ずは、低粘度消火剤を連通路形成部が形成する連通路を介して流入口から誘導管内に流入させ、誘導管を通じて放出部から外部に放出させることができ、次いで、低粘度消火剤が無くなり次第、高粘度消火剤を流入口から誘導管内に流入させ、誘導管を通じて放出部から外部に放出させることができる。
【0014】
従って、この発明によれば、低粘度消火剤と高粘度消火剤とを1つのもので順次放出することができる消火剤タンクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の消火剤タンクの一例を示したものであり、貯蔵される消火剤として低粘度消火剤(上層)と高粘度消火剤(下層)が充填されている状態の消火剤タンク全体の縦断面図である。
図2】同上を示したものであり、上層の低粘度消火剤が放出される際の図1に相当する図である。
図3】同上の下層の高粘度消火剤の層中に上層の低粘度消火剤の層と誘導管の流入口とを連通する連通路を含む部分の図2の要部拡大図である。
図4】同上を示したものであり、上層の低粘度消火剤の放出が終了し、下層の高粘度消火剤が放出するされる際の図1に相当する図である。
図5】同上を示したものであり、連通路形成部の一例である誘導管のリング部の平面視の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施形態の一態様を蓄圧式の消火剤タンクに適用する場合を例に図面に基づいて説明する。尚、この発明は、後記で説明する通り、加圧式の消火剤タンクにも適用することができる。
【0017】
消火剤タンク1は、タンク部2と、タンク部2の内部に貯蔵される消火剤3と、消火剤3をタンク部2の外部に放出する放出部4と、タンク部2の内部に上下方向に延在して設けられ、タンク部2の内部に貯蔵されている消火剤3が流入する流入口5aを有し、その流入口5aから流入した消火剤3を放出部4に誘導する誘導管の一例であるサイホン管5とを備えており、更に、蓄圧式である本実施形態においては、タンク部2の内部の圧力を圧力ガスにより高める圧力手段として、圧力ガス(加圧された窒素ガス等)をタンク部2の内部に導入する導入管6を備えている。
【0018】
尚、放出部4は、本実施形態においては、タンク部2の上部開口2aを閉鎖する蓋部2bの上部に設けられており、消火剤3を外部に放出する放出ノズル4aと、その放出ノズル4aが接続される接続口とサイホン管5の上端部が接続される接続口とを連通する連通管4bとを有している(この放出部4は、連通管4bを常時は閉止する弁部と、火災時に弁部を開放する操作部とを更に有するが、それらの図示は省略する)。又、サイホン管5において、上端部はタンク部2の蓋部2bを貫通し、前記の通り放出部4に接続されているが、下端部はタンク部2の底部近傍まで至り、その下端部に消火剤3が流入する前記の流入口5aが設けられている。
【0019】
そして、消火剤タンク1において、前記の消火剤3として、上方に層を形成する低粘度消火剤3aと下方に層を形成する高粘度消火剤3bとがタンク部2の内部に貯蔵されており、サイホン管5は、その下部に設けられた連通路形成部であって、高粘度消火剤3bの層中に低粘度消火剤3aの層と流入口5aとを連通し、低粘度消火剤3aが流れる連通路3cを形成する連通路形成部5bを備えている。
【0020】
ここで、「低粘度消火剤」とは、前記の通り、水に粘度を高める添加剤が添加されておらず、その粘度が低いままの消火剤を意味するが、前記の低粘度消火剤3aとしては、具体的には、消火用の水として一般的に用いられている水(水道水等)をそのまま用いることができる。又、「高粘度消火剤」とは、前記の通り、水に粘度を高める添加剤が添加され、その粘度が高められている消火剤を意味するが、前記の高粘度消火剤3bとしては、水に高分子吸水ポリマー等のゲル化剤を含めて従来一般に用いられている増粘のための添加剤を添加して調整したものを用いることができる。又、その他の増粘のための添加剤としては、水にチキソトロピー性(掻き混ぜたり、振り混ぜたりすることにより、ゲルが流動性のゾルに変わる性質)をもたらすコロイド性含水ケイ酸塩を含む鉱物(例えば、スメクタイトやベントナイト等)やそのケイ酸塩からなる化合物を含む添加剤も用いることができる。尚、粘度が異なる二種類の消火剤により、「低粘度消火剤」と「高粘度消火剤」とを構成すればよく、上記に例示したものとは別のその他の消火剤を用いるようにしてもよい。
【0021】
又、サイホン管5の下部に設けられている連通路形成部5bは、本実施形態においては、サイホン管5の下端部の流入口5aの周囲外方に突出して設けられている外形が円のリング状大径部としている(図5参照)。この連通路形成部5bにおいて、大径部の寸法は放出する消火剤の流量等に応じて適宜変更することができ、又、形状についても、後記でも説明するが、適宜変更することができる。
【0022】
尚、消火剤タンク1は、常時は、図1に示したように、タンク部2の内部に消火剤3として前記の低粘度消火剤3aと高粘度消火剤3bとが貯蔵されているが、蓄圧式である本実施形態においては、圧力ガスも充填されている。圧力ガスは、具体的には、導入管6からタンク部2の内部の消火剤3における上層の低粘度消火剤3aの上方の空間に導入されて充填されており、図1に示したように、低粘度消火剤3aの上方から低粘度消火剤3aと高粘度消火剤3bとを常時下方に押圧するものとなっており(矢印参照)、火災時、放出部4が開放されれば、低粘度消火剤3aと高粘度消火剤3bとをサイホン管5の下端部の流入口5aからサイホン管5の内部に流入させ、サイホン管5を通じて放出部4に誘導し、放出ノズル4aから放出させる圧力源として機能するようになっている。
【0023】
消火剤タンク1は、前記の通り構成されているところ、消火剤3として、上方に層を形成する低粘度消火剤3aと下方に層を形成する高粘度消火剤3bとがタンク部2の内部に貯蔵されており、サイホン管5が、その下部に設けられた連通路形成部であって、高粘度消火剤3bの層中に低粘度消火剤3aの層と流入口5aとを連通し、低粘度消火剤3aが流れる連通路3cを形成する連通路形成部5bを備えていることにより、低粘度消火剤3aと高粘度消火剤3bとを圧力ガスにより押圧し、サイホン管5を通じて放出部4から外部に放出する際に、先ずは、図2及び図3に示したように、低粘度消火剤3aを連通路形成部5が形成する連通路3cを介して流入口5aからサイホン管5内に流入させ、サイホン管5を通じて放出部4から外部に放出させることができ(矢印参照)、次いで、図4に示しように、低粘度消火剤3aが無くなり次第、高粘度消火剤3bを流入口5aからサイホン管5内に流入させ、サイホン管5を通じて放出部4から外部に放出させることができるようになっている。
【0024】
つまり、消火剤タンク1は、消火剤3として、上方に層を形成する低粘度消火剤3aと下方に層を形成する高粘度消火剤3bとがタンク部2の内部に貯蔵されており、サイホン管5が、その下部に設けられた連通路形成部であって、高粘度消火剤3bの層中に低粘度消火剤3aの層と流入口5aとを連通し、低粘度消火剤3aが流れる連通路3cを形成する連通路形成部5bを備えていることにより、低粘度消火剤3aと高粘度消火剤3bとを1つのもので順次放出することができるようになっている。
【0025】
消火剤タンク1においては、前記の通り、連通路形成部5aにより高粘度消火剤3bの層中に低粘度消火剤3aの層と流入口5aとを連通し、低粘度消火剤3aが流れる連通路3cが形成されている。連通路3cは、タンク部2の内部に低粘度消火剤3aと高粘度消火剤3bとが充填されている状態でサイホン管5をタンク部2の上部開口部2aから内部に挿入し、連通路形成部5aを上方の低粘度消火剤3aの層から下方の高粘度消火剤3bの層へと移動させることにより形成することができるものであり、具体的には、連通路形成部5aをそのように移動させることで、高粘度消火剤3bを押し退け、それによって形成されるスペースに低粘度消火剤3aを流れ込ませることにより形成することができるものである。尚、サイホン管5がタンク部2の内部に挿入されている状態で低粘度消火剤3aと高粘度消火剤3bとをタンク部2の内部に充填した場合でも、サイホン管5を上下動させ、連通路形成部5aを前記のように低粘度消火剤3aの層から高粘度消火剤3bの層へと移動させれば、連通路3cの形成は可能である。
【0026】
ここで、連通路形成部5aにより高粘度消火剤3bの層中に低粘度消火剤3aが流れる連通路3cが形成される現象は両消火剤の粘度の違い(流動性の違い)によって発生するものと解されるが、その現象の発生については実験によって確認している。
【0027】
[実験例]
実験は、この発明の消火剤タンクの実験装置としてタンク部の内部の様子を外部から視認できるものを用意して行った(連通路形成部の形状は、消火剤タンク1における連通路形成部5aの形状と同様の外形が円のリング状の形状とした)。使用した消火剤は、低粘度消火剤としては水(水道水)とし、高粘度消火剤としては合成スメクタイト5%水溶液とした。各消火剤の粘度ついては、B型粘度計により測定したところ、低粘度消火剤として使用した水の粘度が25℃で(水は温度で粘度が変わるため)0.890mPas・s、高粘度消火剤として使用した合成スメクタイト5%水溶液の粘度がスピンドル回転数6rpmで50000mPas・s、同回転数60rpmで6500mPas・sであった。尚、合成スメクタイトは水にチキソトロピー性をもたらすものであり、その水溶液の粘度は前記のようにスピンドル回転数によって異なることになる。
【0028】
実験の結果、サイホン管を実験装置のタンク部の内部に挿通し、連通路形成部を上方の低粘度消火剤の層から下方の高粘度消火剤の層へと移動させたところ、高粘度消火剤の層中に低粘度消火剤の層とサイホン管の流入口とを連通して低粘度消火剤が流れる連通路が形成されているのを確認することができた。尚、この連通路が経時的に安定して持続形成されることも確認できた。又、圧力ガスにより上方からそれら消火剤を押圧したところ、先ずは、低粘度消火剤が連通路を介して流入口からサイホン管に流入し、低粘度消火剤が無くなり次第、次いで、高粘度消火剤が流入口からサイホン管に流入するのを確認することができた。即ち、消火剤タンク1について説明した通りの現象が発生するのを確認することができた。
【0029】
更に、高粘度消火剤として合成スメクタイト3%水溶液(粘度はスピンドル回転数6rpmで24800mPas・s、同回転数60rpmで2650mPas・s、使用した粘度計は前記と同じ)を使用した実験も行ったが、実験の結果は前記と同様のものを得ることができた。
【0030】
尚、高粘度消火剤として使用した両水溶液の散布対象物への付着性については、合成スメクタイト5%水溶液の場合、表面がある程度滑らかなものでも付着し、合成スメクタイト3%水溶液の場合、ベニヤ板のように表面の摩擦が大きなものであれば付着するという違いがある。
【0031】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
【0032】
連通路形成部5bの形状については、前記の通り、連通路3cを形成することができる範囲で適宜変更することができる。例えば、外形が円に代えて多角形とすることができ、又、外形が円や多角形のように周方向に連続するものに代えて複数の短片が周囲に放射状に突出する形状とすることもできる。
【0033】
又、この発明は、前記の通り、加圧式の消火剤タンクにも適用することができる。その場合、例えば、上記の実施形態における導入管6の外部に露出する側の端部に開閉機構を介して圧力ガスを封入した加圧用ガスボンベを接続し、加圧用ガスボンベをタンク部2の外部に設けるようにしてもよいし、導入管6を設けるのに代えて、加圧用ガスボンベをその放出部を含めてタンク部2の内部に設けるようにしてもよい。
【0034】
又、連通路は、経時的に安定して持続形成されるものであるが、使用時に確実に形成されるようにするために、必要な際に上下移動可能となるようにサイホン管5をタンク部2に結合する構造としてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1:消火剤タンク 2:タンク部 2a:上部開口 2b:蓋部 3:消火剤
3a:低粘度消火剤 3b:高粘度消火剤 4:放出部 4a:放出ノズル
4b:連通管 5:サイホン管 5a:流入口 5b:連通路形成部
6:導入管
図1
図2
図3
図4
図5