(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態による反応器システムを概略的に示すブロック図である。
【0016】
【
図2】本発明の一実施形態による反応器システムのための触媒ユニットを概略的に示すブロック図である。
【0017】
【
図3】本発明の他の実施形態による反応器システムを概略的に示すブロック図である。
【0018】
【
図4A】本発明の一実施形態による一次供給物分配ユニットを概略的に示すブロック図である。
【0019】
【
図4B】本発明の一実施形態による二次供給物分配ユニットを概略的に示すブロック図である。
【0020】
【
図5A】本発明の一実施形態による、関連した反応器内部装置を含む反応器シェルの一部分の概略断面図である。
【0021】
【
図5B】
図5Aの5B−5B線に沿った方向に見たときの、複数の収集トレーセグメントを示す供給物分配ユニットの平面図である。
【0022】
【
図5C】収集トレーセグメントを除いた状態であり複数のノズルトレーセグメントを示す
図5Bの供給物分配ユニットの一部分の平面図である。
【0023】
【
図5D】
図5Bの5D−5D線に沿った方向に見たときの
図5Bの供給物分配ユニットの一部分の断面図である。
【0024】
【
図5E】
図5Cの5E−5E線に沿った方向に見たときの複数のノズルトレーセグメントを支えるトラスの側面図である。
【0025】
【
図6A】本発明の一実施形態による、ノズルトレーと関連する一次デフレクタプレートを示す一次供給物分配ユニットの斜視図である。
【0026】
【
図6B】本発明の一実施形態による、二次供給物分配ユニットの二次デフレクタプレートと関連する混合ボックスの斜視図である。
【0027】
【
図6C】本発明の一実施形態による、二次デフレクタプレートを含む二次供給物分配ユニットの概略の側面図である。
【0028】
【
図6D】本発明の一実施形態による、収集トレー上のライザーと関連する二次デフレクタプレートの概略の側断面図である。
【0029】
【
図7A】本発明の他の実施形態による混合ボックスの概略の平面図である。
【
図7B】
図7Aの混合ボックスの分離された半分の概略の平面図である。
【0030】
【
図7C】本発明の他の実施形態による、二次供給物分配ユニットの収集トレーセグメント上に配置された混合ボックスの1つの半分の斜視図である。
【0031】
【
図8】本発明の一実施形態による、流体分配ノズルのアレイを示すノズルトレーの一部分の概略の平面図である。
【0032】
【
図9A】本発明の一実施形態による、側面から見たときの流体分配ノズルを示す図である。
【
図9B】
図9Aの9B−9B線に沿った方向に見たときのノズルの縦断面図である。
【
図9C】
図9Aの9C−9C線に沿った方向のノズルにおける、液体入口を示す図である。
【0033】
【
図10】本発明の一実施形態による、流体分配チムニーのアレイを示すノズルトレーの一部分の概略の平面図である。
【0034】
【
図11A】本発明の一実施形態による、側面から見たときの流体分配ノズルを示す図である。
【
図11B】11B−11B線に沿った方向に見たときの
図11Aのノズルの縦断面図である。
【
図11D】
図11Aの11D−11D線に沿った方向のノズル本体における弯曲液体入口を示す図である。
【0035】
【
図12A】本発明の他の実施形態による流体分配チムニーの正面図である。
【0036】
【
図13】本発明の他の実施形態による流体分配ノズルの概略の縦断面図である。
【0037】
【
図14A】本発明による、供給物分配ユニットと関連する触媒支持ユニットを示す反応器シェルの一部分の概略の側断面図である。
【
図14B】
図14Aの14B−14B線に沿った方向に見たときの、複数のスクリーンパネルを示す触媒支持ユニットの平面図である。
【
図14C】スクリーンパネルを除いた状態であり複数のグリッドパネルを示す
図14Bの触媒支持ユニットの平面図である。
【
図14D】スクリーンパネル及びグリッドパネルを除いた状態であり複数の触媒支持ビームを示す
図14Bの触媒支持ユニットの一部分の平面図である。
【
図14E】
図14Bの14E−14E線に沿った方向に見たときの触媒支持ビーム、グリッドパネル及びスクリーンパネルを示す断面図である。
【
図14F】
図14Dの14F−14F線に沿った方向に見たときの反応器シェル及びシェル棚と関連する触媒支持ビームを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、下降流複床触媒反応器用の流体を一様に分配するための反応器内部装置を提供する。そのような反応器は、接触脱ろう、水素化処理、水素化仕上げ処理及び水素化分解などの様々な反応を行うために化学及び石油精製産業で用いることができる。本発明は、液体炭化水素供給物などの液体と水素ガスなどの気体との間の混合相反応を行うのに特に有用である。より詳細には、本発明は、反応器実質(reactor internals)の高さを同時に最小限にしながら、固体触媒の床の上方の気相及び液相の混合及び分配を改善するためのシステム及び装置に関する。本発明は、気液混合物が広範囲の工程において固体触媒粒子の複数の床を通過する触媒反応器、特に、油精製作業における水素化処理及び水素化分解に用いられる下降流触媒反応器に特に有用である。
【0039】
特に示さない限り、個別の構成要素若しくは構造又は構成要素若しくは構造の組合せを選択することができる要素、材料又は他の成分の属の列挙は、列挙した構成要素及びそれらの混合物のすべての可能な亜属組合せを含むものとする。また、「含む」及びその変形語は、リストにおける項目の列挙が本発明の材料、要素、構造、組成物及び方法でも有用であり得る他の同様な項目を除外しないように、非限定的であるものとする。
【0040】
図面を参照すると、
図1は、本発明の一実施形態による反応器システム10を概略的に示すブロック図である。反応器システム10は、少なくとも実質的に垂直であり得る反応器シェル壁を有する反応器シェル30を含むことができる。反応器シェル30は、少なくとも1つの触媒ユニット100を収容し得る(例えば、
図2参照)。一実施形態において、反応器システム10は、第1の触媒ユニット100a及び第nの触媒ユニット100nとして
図1に示すように複数の触媒ユニットを含むことができる。反応器シェル30内の触媒ユニット100の数は、一般的に1個から約8個の範囲とすることができ、例えば、nは、約2から8の範囲とすることができる。
【0041】
図2は、本発明による、反応器システム10のための触媒ユニット100を概略的に示すブロック図である。一実施形態において、触媒ユニット100は、供給物分配ユニット200/200’、触媒支持ユニット400及び触媒床402を含むことができる。供給物分配ユニットは、一次供給物分配ユニット200’(例えば、
図4A参照)又は二次供給物分配ユニット200(例えば、
図4B参照)であり得る。一実施形態において、供給物分配ユニット200/200’は、関連した触媒床402の上方に配置されてもよく、触媒床402は、触媒支持ユニット400上で又はそれにより支持されてもよい。一実施形態において、触媒床402は、固体触媒の層を含むことができる。
【0042】
図3は、本発明の他の実施形態による反応器システム10を概略的に示すブロック図である。反応器システム10は、一次供給物分配ユニット200’及び少なくとも1つの二次供給物分配ユニット200を含むことができる。
図3の実施形態において、反応器システム10は、第1の二次供給物分配ユニット200a及び第nの供給物分配ユニット200nを含むことができる。反応器シェル30内の二次供給物分配ユニット200の数は、一般的に1個から約8個の範囲とすることができる。反応器シェル30内の一次及び二次供給物分配ユニット200’/200の総数は、反応器シェル30内の触媒ユニット100の数に対応し得る。
【0043】
図4Aは、本発明の一実施形態による一次供給物分配ユニット200’を概略的に示すブロック図である。一次供給物分配ユニット200’は、一次デフレクタプレート210及びノズルトレー260を含むことができる。一次デフレクタプレート210は、ノズルトレー260上方に配置されてもよい。一次デフレクタプレート210は、複数の打ち抜き穴を有し得る(例えば、
図6A参照)。一次デフレクタプレート210は、流体が一次デフレクタプレート210を通ってノズルトレー260に移ることを可能にするように構成されてもよい。ノズルトレー260は、複数の流体分配ノズル600を含むことができる(例えば、
図8参照)。一実施形態において、一次デフレクタプレート210は、流体分配ノズル600上で支持されてもよい。
【0044】
図4Bは、本発明の一実施形態による二次供給物分配ユニット200を概略的に示すブロック図である。二次供給物分配ユニット200は、混合ボックス220、収集トレー240、二次デフレクタプレート250及びノズルトレー260を含むことができる。混合ボックス220は、収集トレー240の上に配置されてもよい。二次デフレクタプレート250は、収集トレー240の下方、ノズルトレー260の上方に配置されてもよい。二次デフレクタプレート250は、それぞれが複数の打ち抜き穴を有する第1の周辺部分及び第2の周辺部分を含むことができる(例えば、
図6B参照)。二次デフレクタプレート250は、打ち抜き穴がない完全な中央部分をさらに含むことができる(例えば、
図6B及び6D参照)。ノズルトレー260は、複数の流体分配ノズルを含むことができる(例えば、
図8参照)。一実施形態において、二次デフレクタプレート250は、流体分配ノズル600上で支持されてもよい。
【0045】
図5Aは、本発明の一実施形態による、シェル壁32を有する反応器シェル30を含む反応器20の一部分の概略の断面図を示す。反応器シェル30は、一次供給物分配ユニット200’及び少なくとも1つの二次供給物分配ユニット200を収容し得る。触媒床402は、一次供給物分配ユニット200’及び二次供給物分配ユニット(単数又は複数)200のそれぞれの下方に配置されてもよい。各触媒床402は、触媒支持ユニット400の上に配置されてもよい(例えば、
図14A〜F参照)。一次供給物分配ユニット200’、二次供給物分配ユニット(単数又は複数)200及び触媒支持ユニット400のそれぞれは、反応器シェル30の壁32により支持されてもよい。一次供給物分配ユニット200’、二次供給物分配ユニット(単数又は複数)200及び触媒支持ユニット(単数又は複数)400の位置におけるシェル壁32は、少なくとも実質的に垂直であり得る。一次供給物分配ユニット200’、二次供給物分配ユニット(単数又は複数)200及び触媒支持ユニット400のそれぞれは、シェル壁32に対して少なくとも実質的に垂直に配置されてもよい。
【0046】
図5Bは、
図5Aの5B−5B線に沿った方向に見たときの二次供給物分配ユニット200の平面図である。二次供給物分配ユニット200は、複数の収集トレーセグメント242を含むことができる。収集トレーセグメント242は、一緒になって収集トレー240を画定する(例えば、
図6C参照)。収集トレーセグメント242は、収集トレー240の都合の良い組立て及び分解ができるように可逆的に互いに添着されてもよい。一実施形態において、収集トレーセグメント242は、くさび型ピンなどの複数のピン(図示せず)により互いに添着されてもよい。1つの収集トレーセグメント242は、ノズルトレーセグメント262(例えば、
図5C参照)を示すために除かれたものとして
図5Bに示されている。二次供給物分配ユニット200が
図5Bに示すような収集トレーセグメント242の構成に限定されず、むしろ収集トレーセグメント242の他の数及び構成も本発明の範囲内にあることを理解すべきである。
【0047】
図5Cは、収集トレーセグメント242を除いた状態である
図5Bの二次供給物分配ユニット200の一部分の平面図である。二次供給物分配ユニット200は、複数のノズルトレーセグメント262をさらに含む。ノズルトレーセグメント262は、一緒になってノズルトレー260を画定する(例えば、
図8及び10参照)。
図5Cにおいて、ノズルトレーセグメント242の1つは移動させられたものとして示されている。収集トレーセグメント242及びノズルトレーセグメント262のそれぞれは、複数のトラス302により支持されてもよい(例えば、
図5D参照)。トラス302は、次に支持リング34により支持されてもよい。支持リング34は、シェル壁32の内面32aに取り付けられてもよい。一実施形態において、支持リング34は、トラス302を取り付けるように構成された複数のブラケット(図示せず)を含むことができる。各トラスは、反応器シェル30に及び得る。2つのトラス302が
図5Cに示されているが、他の数のトラス302も本発明の範囲内にある。一般的に、反応器シェル32に及ぶトラス302の数は、1個から約6個の範囲とすることができる。
【0048】
さらに
図5Cを参照すると、支持リング34は、反応器シェル壁32の内面32aに取り付けられてもよく、例えば、それに溶接されてもよく、支持リング34は、その円周に配置されてもよい。一実施形態において、支持リング34は、収集トレー240及びノズルトレー260をそれぞれ支持するように構成された上部及び下部棚を有する金属スカート(図示せず)を含むことができる。他の実施形態において、支持リング34は、上部リング、及び上部リングと同軸でありかつそれらから垂直方向に離隔された下部リング(上部リングも下部リングも図示せず)を含むことができ、ここで上部リング及び下部リングのそれぞれは、反応器シェル壁32の内面32aに取り付け(例えば、溶接)されていてもよい。
【0049】
さらに
図5Cを参照すると、ノズルトレーセグメント262は、ノズルトレー260の都合の良い組立て及び分解ができるように可逆的に互いに添着されてもよい。一実施形態において、ノズルトレーセグメント262は、くさび型ピンなどの複数のピン(図示せず)により互いに添着されてもよい。二次供給物分配ユニット200が
図5Cに示すようなノズルトレーセグメント262の構成に限定されず、むしろノズルトレーセグメント262の他の数及び構成も本発明の範囲内にあることを理解すべきである。
【0050】
図5Dは、
図5Bの5D−5D線に沿った方向に見たときの、一対の離隔されたトラス302を示す、
図5Bの二次供給物分配ユニット200の一部分の断面図である。各トラス302は、上部フランジ304及び下部フランジ306を含むことができる。複数の収集トレーセグメント242は、上部フランジ304上に配置されてもよく、それにより支持されてもよい。複数のノズルトレーセグメント262は、下部フランジ306上に配置されてもよく、それにより支持されてもよい。
【0051】
図5Eは、
図5Cの5E−5E線に沿った方向に見たときの、トラス下部フランジ306上の複数のノズルトレーセグメント262を支えるトラス302の側面図である。一実施形態において、トラス302は、支持リング34に取り付けられたブラケット(図示せず)により各端において支持されてもよい。
図5Eにおいて、収集トレーセグメント242は、トラス302から除かれているものとして示されている。
【0052】
図6Aは、本発明の一実施形態による、一次供給物分配ユニット200’のノズルトレー260と関連する一次デフレクタプレート210の斜視図である。一実施形態において、一次デフレクタプレート210は、少なくとも実質的に円形であり得る。一次デフレクタプレート210は、一般的に反応器シェル30の断面積の約70%から100%、しばしば反応器シェル30の断面積の約90%から100%の範囲にある面積を有し得る。一般的に、ノズルトレー260は、反応器シェル30の断面積の約95%から100%の範囲にある面積を有し得る。ノズル600(例えば、
図9A〜C参照)は、図解を明瞭にするために
図6Aから削除されている。ノズルトレー260及び一次デフレクタプレート210の両方は、反応器シェル壁32に対して少なくとも実質的に垂直に配置されてよい。
【0053】
図6Bは、本発明の一実施形態による、二次供給物分配ユニット200の二次デフレクタプレート250と関連する混合ボックス220の斜視図である。収集トレー240は、図解を明瞭にするために
図6Bから削除されている。二次デフレクタプレート250は、混合ボックス220の下方に配置されてもよい。二次デフレクタプレート250は、第1の周辺部分254a、第2の周辺部分254b及び完全な中央部分252を含むことができる。第1の周辺部分254a及び第2の周辺部分254bのそれぞれが複数の打ち抜き穴256を有し得る。これに対して、完全な中央部分252は、打ち抜き穴、穴又は空隙が少なくとも実質的になくてもよい。二次デフレクタプレート250は、液体が打ち抜き穴256を通過するように構成されてもよい。
【0054】
図6Cは、本発明の一実施形態による、二次供給物分配ユニット200の概略の側面図である。二次供給物分配ユニット200は、上面240aを有する収集トレー240、上面240a上に配置された混合ボックス220、収集トレー240の下方に配置された二次デフレクタプレート250及び二次デフレクタプレート250の下方に配置されたノズルトレー260を含むことができる。二次供給物分配ユニット200は、ライザー244をさらに含むことができる。ライザー244は、少なくとも実質的に円筒状とすることができ、収集トレー240の上面240aに取り付けられていてよい。ライザー244は、収集トレー240に対して少なくとも実質的に垂直に延在してもよい。
【0055】
図6Dは、本発明の一実施形態による、収集トレー240上のライザー244と関連する二次デフレクタプレート250の概略の側断面図である。二次デフレクタプレート250は、完全な表面を有しいかなる打ち抜き穴、穴又は空隙もない完全な中央部分252を含む。完全な中央部分252は、二次デフレクタプレート250の第1及び第2の周辺部分254a、254bの間に配置されてもよい。一実施形態において、完全な中央部分252は、ライザー244の断面積より大きい面積を占有し得る。副次的な実施形態において、完全な中央部分252の面積は、ライザー244の内壁の位置における収集トレー240から二次デフレクタプレート250まで角度θで延在する直線により定義される切頭錐体(frusto−conical volume)の基部によって輪郭を描くことができる。一般的に、θは、約20°から70°、通常約30°から60°、しばしば約40°から50°の範囲とすることができる。二次デフレクタプレート250と収集トレー240との間の垂直方向の間隔C
Hは、一般的にライザー244の直径の約25%から50%の範囲とすることができる。他の副次的な実施形態において、完全な中央部分252は、ライザー244の断面積の約2倍(2X)から5倍(5X)の面積を占有し得る。
【0056】
図7Aは、本発明の実施形態による混合ボックス220の概略の平面図であり、
図7Bは、
図7Aの混合ボックス220の分離された半分の概略の平面図である。混合ボックス220は、第1の半分220a及び第2の半分220bを含むことができる。第1及び第2の混合ボックスの半分220a、220bは、第1及び第2の半分220a、220bを一緒に接合又は連結するための連結フランジ222をそれぞれ含むことができる。一実施形態において、第1及び第2の半分220a、220bは、くさび型ピンなどの複数のピン(図示せず)により、それらの連結フランジ222において互いに可逆的に添着されてもよい。
【0057】
図7Cは、本発明の他の実施形態による、収集トレーセグメント242上に配置された混合ボックス220の1つの半分の斜視図である。ライザー244は、混合ボックス220の下方の収集トレーセグメント242上に配置されてもよい。ライザー244は、二次デフレクタプレート250の上方に配置されてもよい。ライザー244は、ライザー244の内面上に配置された少なくとも1つのバッフル(図示せず)を含むことができる。1つの収集トレーセグメント242だけを
図7Cに示す。実際には、複数の収集トレーセグメント242は一緒になって収集トレー240を形成する。
【0058】
図8は、本発明の一実施形態による、流体分配ノズル600のアレイを含むノズルトレー260の一部分の概略の平面図である。各ノズル600は、流体を混合しノズルトレー260の下方に配置された触媒床402へ一様に分配するように構成されてもよい。ノズルトレー260上のノズル600のアレイは、一般的に約5から10インチの範囲、しばしば約6から8インチの範囲にあるノズル間隔を有する三角ピッチを有し得る。
図8にノズルトレー260の一部分のみを示すが、実際には、ノズルトレー260は、はるかにより多くのノズル600を含むことができる。
【0059】
図9A〜9Cを参照すると、
図9Aは、本発明の一実施形態による、側面から見たときの流体分配ノズル600を示す。
図9Bは、
図9Aの9B−9B線に沿った方向に見たときのノズル600の縦断面図である。
図9Cは、
図9Aの9C−9C線に沿った方向に見たときのノズル600における液体入口614を示す図である。ノズル600は、ノズル本体602、ノズル近位端600a、ノズル遠位端600b、複数の気体入口612及び少なくとも1つの液体入口614を含んでいてよい。ノズル近位端600aは、ノズルキャップ604で密閉されてもよい。一実施形態において、キャップ604は、ノズル本体602と一体に、例えば鋳造されてもよい。
【0060】
図9Bを参照すると、ノズル本体602は、近位本体部分602a、中間本体部分602b及び遠位本体部分602cを含んでもよい。
【0061】
近位本体部分602aは、実質的に円筒状の近位空隙を画定する。中間本体部分602bは、近位空隙と流体連通する実質的に円筒状の中間空隙を画定する。遠位本体部分602cは、中間空隙と流体連通する実質的に円筒状の遠位空隙を画定する。近位空隙は第1の直径を有することができ、中間空隙は第2の直径を有することができ、遠位空隙は第3の直径を有し得る。第1の直径は、第3の直径より実質的に大きくてもよく、第3の直径は、第2の直径より実質的に大きくてもよい。
【0062】
各気体入口612は、近位本体部分602aの側面に沿って配置されてもよい。各気体入口612は、気体が通って近位本体部分602aに入るように構成されてもよい。ノズル600は、気体ノズル606をさらに含むことができる。気体ノズル606は、中間本体部分602bを画定するために近位本体部分602aと遠位本体部分602cとの間にノズル本体602の壁に対して実質的に垂直に配置されてもよい。一実施形態において、気体ノズル606は、ノズル本体602と一体であってもよい。他の実施形態において、気体ノズル606は、ノズル本体602内に配置されておりそれに取り付けられた金属リングを含むことができる。
【0063】
各液体入口614は、遠位本体部分602cの側面に沿って配置されてもよい。
【0064】
各液体入口614は、液体が通過するように構成されてもよい。例えば、
図9Cにおいてわかるように、各液体入口614は、遠位本体部分602cの内面616に対して接線方向に配置されてもよい。一実施形態において、各液体入口614は直線状であり得る。
【0065】
さらに
図9Cを参照すると、各液体入口614は、液体入口長I
L及び液体入口幅I
Wを有し得る。一実施形態において、液体入口長I
Lと液体入口幅I
Wとの比(I
L:I
W)は、約2:1から5:1の範囲とすることができる。
図9Cに示す液体入口長I
Lは、例えば、液体入口614がノズル本体602に対して接線方向であるため、各液体入口614の最小の長さを表し得る。
【0066】
液体入口614のそれぞれは、遠位本体部分602cの内面616上に液体の膜を形成するように構成されてもよく、液体入口614のそれぞれは、遠位本体部分602cの内面616上の液体のらせん流を促進するように構成されてもよく、液体の流れは、液体入口614の遠位側の方向である。
【0067】
ノズル600は、遠位本体部分602cと流体連通する、収束する(converging)第1の切頭錐体部分608をさらに含むことができる。ノズル600は、第1の切頭錐体部分608の遠位側にありそれと流体連通する発散性(diverging)の第2の切頭錐体部分610をさらに含むことができる。ノズル600は、ノズル600の遠位端600bに位置する複数の陥凹(indentation)620をさらに含むことができる。陥凹620は、例えば、円錐形の噴霧パターンを有する一様に分散した噴霧としてノズル遠位端600bから出てくる流体の分散をさらに促進するように構成されてもよい。
【0068】
図10は、本発明の一実施形態による、流体分配チムニー700のアレイを含むノズルトレー260の概略の平面図である。各チムニー700には、流体の効率的な混合及びノズルトレー260の下方に配置された触媒床402への流体を一様に分配するために流体分配ノズル600’を備える、例えばレトロフィット(retrofit)することができる(例えば、
図11A〜D及び12A〜C参照)。ノズルトレー260上に配置されたチムニー700及びそれらの関連したノズル600’のアレイは、一般的に約5から10インチの範囲、しばしば約6から8インチの範囲にあるチムニー700/ノズル600’間隔を有する三角ピッチを有し得る。
図10にノズルトレー260の一部分のみを示すが、実際には、ノズルトレー260は、はるかにより多くのチムニー700を含むことができる。
【0069】
図11Aは、本発明の一実施形態による、側面から見たときの流体分配ノズル600’を示す。
図11Bは、11B−11B線に沿った方向に見たときの
図11Aのノズル600’の縦断面図であり、
図11Cは、11B−11B線に沿った方向の
図11Aのノズル600’の平面図である。
図11Dは、
図11Aの11D−11D線に沿った方向のノズル本体における液体入口614’を示す。ノズル600’は、ノズル本体602、ノズル近位端600’a、ノズル遠位体600’b、気体入口612’及び少なくとも1つの液体入口614’を含むことができる。本発明の一実施形態による水素化処理反応器用の高度に効率的なノズルトレーを提供するために既存の従来型流体分配トレーのレトロフィット中に、ノズル600’は、流体分配チムニー、例えば、チムニー700へ挿入するようにサイズ調整及び構成されてもよい(例えば、
図12A〜C参照)。
【0070】
図11Bを参照すると、ノズル本体602は、近位本体部分602a、中間本体部分602b及び遠位本体部分602cを含むことができる。
【0071】
近位本体部分602aは、実質的に円筒状の近位空隙を画定する。中間本体部分602bは、近位空隙と流体連通する実質的に円筒状の中間空隙を画定する。遠位本体部分602cは、中間空隙と流体連通する実質的に円筒状の遠位空隙を画定する。近位空隙は第1の直径を有することができ、中間空隙は第2の直径を有することができ、遠位空隙は第3の直径を有し得る。第1の直径は、第3の直径より実質的に大きくてもよく、第3の直径は、第2の直径より実質的に大きくてもよい。
【0072】
一実施形態において、気体入口612’は、ノズル本体602における近位軸方向開口部を含むことができる。気体入口612’は、気体が通って近位本体部分602aに入るように構成されてもよい。ノズル600’は、気体ノズル606をさらに含むことができる。気体ノズル606は、中間本体部分602bを画定するために近位本体部分602aと遠位本体部分602cとの間にノズル本体602の壁に対して実質的に垂直に配置されてもよい。ノズル600’は、遠位本体部分602cと流体連通する、収束する第1の切頭錐体部分608をさらに含むことができる。ノズル600は、第1の切頭錐体部分608の遠位側にありそれと流体連通する、発散する第2の切頭錐体部分610をさらに含むことができる。
【0073】
図11Cは、11C−11C線に沿った方向に見たときの、ノズル本体602内の気体ノズル606を示す
図11Aのノズル600’の平面図である。一実施形態において、気体ノズル606は、ノズル本体と一体であってもよい。他の実施形態において、気体ノズル606は、ノズル本体602内に配置されておりそれに取り付けられた金属リングを含むことができる。気体ノズル606は、ノズル本体602と同心円状に配置されてよい。
【0074】
図11Dにノズル本体602における液体入口614’を示す。液体入口614’は、遠位本体部分602cの側面に沿って配置されてもよい。液体入口614’は、液体が通って遠位本体部分602cに入るように構成されてもよい。一実施形態において、液体入口614’は、ノズル本体602の壁内に配置された弯曲流路615を含んでよい。例えば、
図11Dにおいてわかるように、弯曲流路615の内部末端は、遠位本体部分602cの内面616に対して接線方向に配置されてもよい。一実施形態において、弯曲流路615は、約60°から180°、一般的に約70°から170°、しばしば約80°から160°の範囲にある角度αに相対し得る。一実施形態において、弯曲流路615は、実質的に矩形の断面形状を有し得る。
【0075】
液体入口614’は、遠位本体部分602cの内面616上に液体の膜を形成するように構成されてもよく、液体入口614’は、遠位本体部分602cの内面616上の液体のらせん流を促進するように構成されてもよく、液体の流れは、液体入口614’の遠位側の方向である。
【0076】
ノズル600’は、ノズル600’の遠位端600bに位置する複数の陥凹620をさらに含むことができる。陥凹620は、例えば、円錐形の噴霧パターンを有する一様に分散した噴霧としてノズル遠位端600bから出てくる流体の分散をさらに促進するように構成されてもよい。
【0077】
図12Aは、本発明の他の実施形態による流体分配チムニー700の正面図であり、
図12Bは、
図12Aのチムニーの側面図であり、
図12Cは、
図11Aのノズルが挿入されている
図12Aのチムニーの縦断面図である。チムニー700は、チムニー壁702、チムニー近位端700a及びチムニー遠位端700bを含むことができる。チムニー壁702は、その中の実質的に円筒状の空隙を画定することができる。チムニー700は、チムニー遠位端700bにおいてノズルトレー260に取り付けられてもよい。チムニー壁702は、複数の側面の穴704/704’を含むことができる。一実施形態において、ノズル600’は、ノズル遠位端600’bがノズルトレー260の下面260bを越えて遠位側に突出するようにチムニー700内に挿入されてもよい。ノズル600’は、液体入口614’が少なくとも1つの側面の穴704と合致するように構成されてもよい。チムニー700に挿入されたとき、ノズル600’は、側面の穴704’をふさぎ、少なくも部分的に密閉することができる。
【0078】
図12Cは、ノズル600’(
図11A)が挿入されているチムニー700の縦断面図である。チムニー壁702は、ノズルトレー260に取り付けられてもよく、例えば、それに溶接されてもよく、ノズル600’は、チムニー壁702に取り付けられてもよく、例えば、それに溶接されてもよい。ノズル600’の特徴及び要素は、例えば、
図11A〜Dを参照して上文で記述されている。ノズル600’は、チムニー壁702内に挿入された場合に、流体、例えば、液体供給物及び水素ガスの混合物を一様に混合し、石油精製所の水素化処理反応用の反応器中の触媒床へ分配する役割を果たし得る。
【0079】
図13は本発明の他の実施形態による流体分配ノズル800の概略の縦断面図である。ノズル800は、近位部分802a及び遠位部分802bを有する実質的に円筒状の中空ノズル本体802、近位部分802aに取り付けられたキャップ804、遠位部分802bに取り付けられた基部808、並びに近位部分802a内で軸方向に配置された実質的に円筒状の内側導管806を含むことができる。
【0080】
キャップ804は、軸方向近位開口部805を有することができ、内側導管806は、近位開口部805内に配置されてもよい。内側導管806は、キャップ804を越えて近位側に延在して、内側導管806の近位端806aを画定し得る。ノズル本体802は、ノズル本体802の周囲に配置された複数の外側溝穴814を有し得る。内側導管806の遠位端806bは、外側溝穴814のそれぞれの遠位端814bに近接する位置において遠位側に終結してもよい。
【0081】
キャップ804及び基部808のそれぞれは、少なくとも実質的にドーム形であってよく、ここでキャップ804は、遠位側にゆくにつれて狭い形状から広がるテーパ付きであり、基部808は、遠位側にいくにつれて広い形状から狭い形状へのテーパ付きである。キャップ804及び基部808のそれぞれはネジ付きであってよい。キャップ804は、近位部分802aにおけるネジによりノズル本体802と封止可能に係合することができる。基部808は、遠位部分802bにおけるネジによりノズル本体802と封止可能に係合することができる。基部808は、流体が通過し分配されるように構成された軸方向遠位開口部810を有し得る。
【0082】
内側導管806は、キャップ804と封止可能に係合することができ、ノズル本体802と同心円状に配置されてもよい。ノズル本体802及び内側導管806は、一緒になってノズル800内の空隙を画定することができ、ここで空隙は、環状近位空隙803a及び実質的に円筒状の遠位空隙803bを含むことができる。内側導管806は、近位端806aの周囲に配置された複数の内側溝穴812を有してよい。内側溝穴812及び外側溝穴814の配置は、当業者にとって少なくともある程度まで設計上の選択事項でありうる。
【0083】
内側溝穴812のそれぞれは、内側導管806を介して空隙と流体連通し得る。内側導管806は、気体が内側溝穴812から遠位空隙803bまで通過するように構成されてもよい。ノズル800は、液体が外側溝穴814を通ってノズル本体802内の遠位空隙803bに移るように構成されてもよい。軸方向遠位開口部810は、切頭錐体形であり、遠位側にゆくにつれて狭い形状から広がるテーパ付きであり得る。ノズル800は、例えば、遠位部分802bにおいてノズルトレー260に取り付けられてもよい。
【0084】
一実施形態において、流体分配ノズル800は、反応器のノズルトレーに効率のよい流体混合及び分配ノズルをもたらすことができ、ノズル800は、既製品の管部品を用いて容易且つ安価に組み立てることができる。一実施形態において、ノズル800の構成部品、例えば、ノズル本体802、キャップ804及び基部808は、例えば、ANSI/ASME規格B1.20.1に準拠したナショナル・パイプ・スレッド(National Pipe Thread)(NPT)のネジを有するネジ付き標準ステンレススチール管により組立てることができる。
【0085】
図14Aは、本発明の他の実施形態による反応器20の一部分を示す概略の側断面図である。反応器20は、一次供給物分配ユニット200’、二次供給物分配ユニット200及び触媒支持ユニット400を収容し得る。一次供給物分配ユニット200’及び二次供給物分配ユニット200は、それぞれ例えば、
図4A〜13を参照して上文で述べたような要素、特徴及び特性を含むことができる。
【0086】
反応器20は、反応器シェル30を含むことができる。反応器シェル30の少なくとも一部分は、実質的に垂直なシェル壁32を有し得る。触媒支持ユニット400、一次供給物分配ユニット200’及び二次供給物分配ユニット200のそれぞれは、少なくとも実質的に水平で、反応器シェル30の壁に対して垂直に配置されてもよい。2つの触媒支持ユニット400、1つの一次供給物分配ユニット200’及び1つの二次供給物分配ユニット200のみを
図14Aに示す。一実施形態において、反応器20は、複数の二次供給物分配ユニット200を収容し得る。各二次供給物分配ユニット200は、各二次供給物分配ユニット200の下方に配置された触媒床402を支持するための対応する触媒支持ユニット400を有し得る(例えば、
図5A参照)。各触媒支持ユニット400は、複数の触媒支持ビーム406、複数のスクリーンパネル408及び複数のグリッドパネル410を含むことができる。触媒床402は、図解を明瞭にするために
図14A〜Fから削除されている。
【0087】
図14Bは、
図14Aの14B−14B線に沿った方向に見たときの反応器シェル30の平面図であり、複数の触媒支持ビーム406及び複数のスクリーンパネル408を含む触媒支持ユニット400の構成部品を示す。触媒支持ビーム406のそれぞれは、反応器シェル30に及び得る。スクリーンパネル408は一緒になって、反応器シェル30の断面積の少なくとも実質的に100%を占有し得る触媒スクリーンを画定し得る。さらに
図14Bを参照すると、1つのスクリーンパネル408は、グリッドパネル410を示すために外されたものとして示されている。
【0088】
図14Cは、すべてのスクリーンパネル408を除いた状態であり複数のグリッドパネル410を示す
図14Bの触媒支持ユニット400の平面図である。グリッドパネル410は、触媒支持ビーム406により支持されてもよい。スクリーンパネル408は、次にグリッドパネル410により支持されてもよい。弓形の外縁を有する辺縁に位置するグリッドパネル410は一緒になって、触媒支持ビーム406と円周のシェル棚404とにより支持されてもよい。各触媒支持ビーム406は、一対の横方向支持バー414(例えば、
図14E参照)を含むことができる。3つのグリッドパネルは、シェル棚404及び支持バー414の部分を示すために除かれたものとして
図14Cに示されている。
【0089】
さらに
図14B及び14Cに参照すると、触媒支持ユニット400が
図14B及び14Cに示すようなグリッドパネル410及びスクリーンパネル408の構成に限定されず、むしろグリッドパネル410及びスクリーンパネル408の両方の他の数及び構成も本発明の範囲内にあることを理解すべきである。一実施形態において、触媒支持ユニット400の構成部品は、容易に組み立て、分解することができる。副次的な実施形態において、触媒支持ユニット400の構成部品は、くさび型ピンなどの複数のピン(図示せず)により互いに添着されてもよい。
【0090】
図14Dは、触媒支持ビーム406及びシェル棚404をより十分に示すためにスクリーンパネル408及びグリッドパネル410の両方を除いた状態である触媒支持ユニット400の一部分の平面図である。一実施形態において、シェル棚404は、シェル壁32の内面32a上の溶接強化材料(weld build−up material)を含むことができる。
図14Dは2つの触媒支持ビーム406を示すが、本発明は、1つの触媒支持ユニット400当たり2つのそのようなビームに決して限定されるものではない。一実施形態において、各触媒支持ユニット400は、一般的に約2から6つの触媒支持ビーム406を有しうる。
【0091】
図14Eは、
図14Bの14E−14E線に沿った方向に見たときの触媒支持ビーム406、グリッドパネル410及びスクリーンパネル408を示す断面図であり、
図14Fは、
図14Dの14F−14F線に沿った方向に見たときの反応器シェル壁32及びシェル棚404と関連する触媒支持ビーム406を示す断面図である。上文で示したように、触媒支持ビーム406は、それぞれ一対の横方向支持バー414を含むことができる。支持バー414は、各グリッドパネル410の少なくとも一部分を支持するように構成されてもよい。複数のグリッドパネル410は、次に一緒になって複数のスクリーンパネル408を支持し得る。複数のスクリーンパネル408は一緒になって、反応器シェル30の全断面積に実質的に及ぶように構成されたスクリーンを形成してよく、複数のスクリーンパネル408は一緒になって、触媒床402を支持するように構成されてもよい(例えば、
図5A参照)。各触媒床402は、当業者に周知であるように、粒子状固体触媒の層を含むことができる。
【0092】
本明細書における教示及び例に照らして、本発明の多くの変形形態が可能である。したがって、以下の特許請求の範囲の範囲内で、本明細書で具体的に述べ又は例示した以外の別の方法で本発明を実施することができることが理解される。
本発明に包含されうる諸態様は、以下のとおり要約される。
[1].
複相流体混合物を一様に分配するためのノズルであって、
(a)近位本体部分、中間本体部分及び遠位本体部分を含むノズル本体を含み、
(b)近位本体部分が実質的に円筒状の近位空隙を画定し、
(c)近位本体部分が、気体が通って近位本体部分に入るように構成された少なくとも1つの気体入口を有し、
(d)中間本体部分が、近位空隙と流体連通する実質的に円筒状の中間空隙を画定し、
(e)遠位本体部分が、本体壁、及び液体が通って遠位本体部分に入るように構成された少なくとも1つの液体入口を有し、
(f)遠位本体部分が実質的に円筒状の遠位空隙を画定し、少なくとも1つの液体入口が遠位本体部分の内面に対して接線方向に配置されている、上記ノズル。
[2].
中間本体部分が気体ノズルを含む、上記1項に記載のノズル。
[3].
前記気体ノズルがノズル本体と一体である、上記2項に記載のノズル。
[4].
ノズル本体の近位端と封止可能に係合するノズルキャップをさらに含む、上記1項に記載のノズル。
[5].
(a)前記少なくとも1つの気体入口が、近位本体部分の側面に沿って配置された複数の気体入口を含み、
(b)前記少なくとも1つの液体入口が、遠位本体部分の側面に沿って配置された複数の液体入口を含む、
上記1項に記載のノズル。
[6].
前記少なくとも1つの液体入口が直線状である、上記1項に記載のノズル。
[7].
前記少なくとも1つの液体入口が、約2:1から5:1の範囲にある液体入口長ILと液体入口幅IWとの比(IL:IW)を有する、上記6項に記載のノズル。
[8].
前記少なくとも1つの気体入口がノズル本体における近位軸方向開口部を含む、上記1項に記載のノズル。
[9].
前記少なくとも1つの液体入口が、本体壁内に配置された弯曲流路を含む、上記8項に記載のノズル。
[10].
前記弯曲流路が、遠位本体部分の内面に対して接線方向に配置された内部末端を有する、上記9項に記載のノズル。
[11].
前記弯曲流路が、約60°から180°の範囲にある角度αに相対する、上記9項に記載のノズル。
[12].
(a)近位空隙が第1の直径を有し、
(b)中間空隙が第2の直径を有し、
(c)遠位空隙が第3の直径を有し、
(d)第1の直径が第3の直径より実質的に大きく、
(e)第3の直径が第2の直径より実質的に大きい、
上記1項に記載のノズル。
[13].
(a)遠位本体部分の遠位側にあり、遠位本体部分と流体連通する、収束する第1の切頭錐体部分と、
(b)第1の切頭錐体部分の遠位側にあり、第1の切頭錐体部分と流体連通する、発散する第2の切頭錐体部分と
をさらに含む、上記1項に記載のノズル。
[14].
(a)液体入口のそれぞれが、遠位本体部分の内面上に液体の膜を形成するように構成されており、
(b)液体入口のそれぞれが、遠位本体部分の内面上の液体のらせん流を得るように構成されており、液体の流れが液体入口の遠位側の方向である、
上記1項に記載のノズル。
[15].
ノズル本体の遠位端に複数の陥凹をさらに含む、上記1項に記載のノズル。
[16].
反応器用の流体分配装置であって、
(a)ノズルトレーと、
(b)ノズルトレーの上面に取り付けられており、そこから実質的に垂直に延在している複数のチムニーであって、それぞれが、開放近位端、開放遠位端、及び実質的に円筒状のチムニー空隙を画定すると共に少なくとも1つの側面開口部を有するチムニー壁を有する、複数のチムニーと、
(c)各チムニー内に配置された流体分配ノズルと
を含み、
(d)ノズルが、近位本体部分、中間本体部分及び遠位本体壁を有する遠位本体部分を含むノズル本体を含み、
(e)近位本体部分が実質的に円筒状の近位空隙を画定し、
(f)開放近位端が、気体が通過するように構成されており、
(g)中間本体部分が、近位空隙と流体連通する実質的に円筒状の中間空隙を画定し、
(h)遠位本体部分が、液体が通って遠位本体部分に入るように構成された液体入口を有し、
(i)遠位本体部分が実質的に円筒状の遠位空隙を画定し、
(j)液体入口が遠位本体壁内の弯曲流路を含み、弯曲流路が、遠位本体部分の内面に対して接線方向に配置された内部末端を有する、
上記流体分配装置。
[17].
(a)液体入口が少なくとも1つの側面開口部と流体連通しており、
(b)液体入口が、遠位本体部分の内面上の液体のらせん流を得るように構成されており、液体の流れが液体入口の遠位側の方向である、
上記16項に記載の流体分配装置。
[18].
(a)近位空隙が第1の直径を有し、
(b)中間空隙が第2の直径を有し、
(c)遠位空隙が第3の直径を有し、
(d)第1の直径が第3の直径より実質的に大きく、
(e)第3の直径が第2の直径より実質的に大きい、
上記16項に記載の流体分配装置。
[19].
(a)ノズル本体の周囲に配置された複数の外側溝穴を有する実質的に円筒状のノズル本体と、
(b)ノズル本体の近位部分に取り付けられており、軸方向近位開口部を有するキャップと、
(c)ノズル本体の遠位部分に取り付けられており、軸方向遠位開口部を有する基部と、
(d)ノズル本体の近位部分内で軸方向に配置され、キャップの近位開口部内に配置され、キャップから近位側に延在して内側導管の近位端を画定する実質的に円筒状の内側導管であって、内側導管の近位端の周囲に配置された複数の内側溝穴を有し、内側導管の遠位端が、外側溝穴のそれぞれの遠位端に近接する位置において遠位側に終結している、上記内側導管と
を含む流体分配ノズル。
[20].
(a)軸方向遠位開口部が切頭錐体形であり、遠位側にゆくにつれて狭い形状から広がるテーパ付きであり、
(b)キャップ及び基部のそれぞれがネジ付きであり、
(c)キャップがノズル本体の近位部分におけるネジによりノズル本体と封止可能に係合し、
(d)基部がノズル本体の遠位部分におけるネジによりノズル本体と封止可能に係合する、
上記19項に記載の流体分配ノズル。
[21].
(a)内側導管がノズル本体と実質的に同心円状に配置されており、
(b)内側導管がキャップと封止可能に係合し、
(c)ノズル本体及び内側導管が一緒になってデバイス内の空隙を画定し、
(d)内側溝穴のそれぞれが内側導管を介して空隙と流体連通しており、
(e)空隙が環状近位空隙及び実質的に円筒状の遠位空隙を含み、
(f)内側導管が、気体が内側溝穴から遠位空隙まで通過するように構成されており、
(g)デバイスが、液体が外側溝穴を通ってノズル本体に入るように構成されている、
上記19項に記載の流体分配ノズル。