(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記船舶用防汚塗料は、さらに、フルオロポリマおよびシリコーン樹脂粉末から成る群から選択された、前記粉末状の前記船舶用防汚塗料の全重量に対し、含有率が10wt%から19wt%である少なくとも1つの合成樹脂を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の船舶用防汚塗料。
前記フルオロポリマは、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシポリマ樹脂、ポリエチレンテトラフルオロエチレン、及びポリビニリデンフルオライドから成る群から選択される請求項7に記載の船舶用防汚塗料。
【発明を実施するための形態】
【0010】
下記の詳細な説明に概要される実施形態は、当業者が本発明を実施することが可能となるように十分に詳細に本発明の態様を記載するものである。他の実施形態を使用してもよく、また、本発明の意図する範囲から逸脱しなければ変更してもよい。従って、以下の詳細な説明は、限定された意義で解釈されるべきではない。本発明の意図する範囲は、添付する請求項によってのみ定義され、これらの請求項に与えられる均等なものの意図する範囲はこれに含まれる。
【0011】
塗料は、一般的に、海洋生物が塗料に接触する際に、海洋生物を寄せ付けないことにより船舶の水面下部に海洋汚損生物が増殖することを防止する。様々な実施形態において、塗料は、汚損生物が塗装された船舶の面に接着する能を低減もさせる。塗料上でも生物の多少の増殖が起こることが考えられ、船舶が運休中の場合に特にそうではあるが、船舶が水環境を進み始める時に生物は剥がれ落ちる。塗料は、汚損生物が船舶に強力に接着することを防止し、塗料の表面を横切る水の動きが、増殖した汚損の表面を洗浄するリンス作用として機能する。
【0012】
様々な実施形態において、本塗料は、ポリマ、船舶用バイオサイド、及び防腐剤を含有する。別の実施形態では、塗料は、抗微生物剤をさらに含有する。
【0013】
ポリマ成分は、抗ファウラント塗料のための土台として機能し、内部には塗料の他の成分が分散される。何れの特定の理論により規定しなくとも、ポリマは、他の物質が化学的に結合するマトリックスとして機能すると考えられている。さらに、防腐剤および船舶用バイオサイドは、ポリマに共有結合すると考えられており、これらの結合が、イオンが有する性質であることも当然ながら本発明の範囲内である。
【0014】
何れの場合においても、ポリマは、塗料内に防腐剤および船舶用バイオサイドを捉え、これらが船の船体などの標的面に留まることを助ける。ポリマは、ナイロン11やナイロン12、ドイツ、デュッセルドルフ、Degussa社のVestosint(登録商標)の名で入手可能、などの様々なタイプのナイロンを含む、ポリアミドでもよい。ポリマはまた、デラウェア、ウィルミントン、DuPont社のSurlyn(登録商標)、Abcite(登録商標)X60、またはAbcite(登録商標)X70などの衝撃に耐性のある粉末状塗料樹脂でもよい。様々な実施形態において、記載したポリマは、本来極性を持つと考えられる。一般的に、ポリマは、様々な物質(特に金属)に対する高い接着能、高い衝撃耐性、及び高い劣化耐性の特徴を提供する。
【0015】
様々な実施形態において、ポリマは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシポリマ樹脂(PFA)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、またはポリビニリデンフルオライド(PVDF)などのフッ素樹脂、または上記に挙げた何れかのポリマと組み合わせた粉末状のシリコーン樹脂を含んでもよい。これらの成分は、無分極であってもよい。これらの任意成分は、一般的には抗ファウラント塗料の摩擦係数を下げるために含められ、船舶が高速船である場合に主に使用され、これにより船にかかる抵抗を減少させることができるだろう。
【0016】
一般的に、ポリマは、約20ミクロン(μm)から約80(μm)の平均粒子サイズを持つ粉末状で供給される。別の実施形態では、ポリマは、平均的な粒子サイズが、約25(nm)から約40(nm)であるナノサイズの形態で供給されることが考えられる。
【0017】
ポリマは、一般的に、抗ファウラント塗料に含有されるその他の成分の融点より低いガラス転移温度を示す。従って、ポリマは、他の成分が融解し始める前にガラス転移相に入り、他の成分と結合する。このように、船舶用バイオサイド及び防腐剤は、ポリママトリックス内に分散された離散粒子として存在する。さらに、ポリマは、標的面と適合性があり、一度塗布されるとそこに強力に接着する。ポリマのガラス転移温度は、約176°Fから約248°Fの範囲内であると考えられる。
【0018】
船舶用バイオサイドは、一般的に銅や銀などの金属成分を含有する。金属成分を含むバイオサイドは、本技術分野において公知である。バイオサイドは、酸化銅(酸化第一銅またはCu
2Oとしても知られる)、銅および銀で被覆された中空微小球体、銀および銅被覆雲母片、または、マサチューセッツ、ウェイクフィールド、Agion社のAgION(商標)であってもよい。酸化銅は、広く使用されており、赤銅鉱(Red Copper)97、上質な紫(Premium grade Purple)97N、及びロロ・ティント(Lo−Lo Tint)97Nなど様々なグレードで入手可能である。しかし、船舶用バイオサイドは、記載した何れかの単一成分またはその組み合わせから成るものでもよい。船舶用バイオサイドは、ポリマと結合可能である他の従来のバイオサイド成分、好ましくは粉末状、を含んでいてもよい。
【0019】
船舶用バイオサイドは、平均的な粒子サイズが約40μmから約60μmのマイクロサイズの形態、または、平均的な粒子のサイズが約25nmから約35nmのナノサイズの形態で提供されると考えられる。上記で述べたように、バイオサイドは、一度塗料組成物として形成されると、ポリママトリックス内に分散された複数の離散粒子として存続することができる。
【0020】
防腐剤は、コネチカット、ノーウォーク、R.T.Vanderbilt Company, Inc.社のVancide(登録商標)89を含有していてもよい。防腐剤は、一般的に、バクテリアの増殖によるポリマの劣化および分解を防止するために含有される。防腐剤は、粉末状で供給されることが可能でありまたポリマと結合することが可能である他の防腐成分を含有していてもよい。
【0021】
一般的に、防腐剤は、平均的な粒子サイズが約20μmから約80μmのマイクロサイズの形態、または、平均的な粒子のサイズが約25nmから約40nmのナノサイズの形態で提供されるだろう。
【0022】
様々な実施形態において、抗ファウラント塗料は、ニューヨーク、タリータウン、Ciba社のIrgafuard(登録商標)またはIrgarol(登録商標)や、ニューヨーク、ユーティカ、Indium Corporation社の酸化インジウムまたはインジウムスズ酸化物、ミシガン、チェスターフィールド タウンシップ、Envont Technologies社のNanoKlean(商標)などの抗微生物剤を含有していてもよい。抗微生物剤は、抗ファウラント塗料の着色や劣化を導き得る、または、より大きい生物の増殖を導き得る、微生物の増殖に対しさらなる保護を提供するために含有されていてもよい。一般的に、抗微生物剤のレベルが増加されると防腐剤のレベルは減少される。従って、ファウラント増殖の追加防止とポリマの保護との間には、トレードオフが伴う。抗微生物剤は、船舶が主に停泊すると予想される水環境の特性に応じて加えられていてもよい。さらには、抗微生物剤は、一般的にブレンド可能な粉末状で提供されており、ポリマとの結合が可能である。
【0023】
ポリマ、船舶用バイオサイド、防腐剤、及び任意の抗微生物剤の内一つ以上が、成分の結合を助けるためにネットで陽または負の電荷を帯びていてもよい。上記成分は、フル帯電とは対照に極性領域を有していてもよい。
【0024】
様々な実施形態において、抗ファウラント塗料は、含有率が約40wt%から約70wt%のポリマ、約37wt%から約55wt%の船舶用バイオサイド、及び、約2wt%から約12wt%の防腐剤から成る。抗微生物剤は、含有される場合は、約2wt%から8wt%のレベルで含有される。また、付加的なフルオロポリマまたはシリコーン樹脂粉末も、含有される場合は、約10wt%から約20wt%のレベルで含有される。これらの成分は、一般的に、上記で記載したような粒子サイズを有する粉末形状で供給される。ポリマ、船舶用バイオサイド、防腐剤、及び任意の抗微生物剤及びフルロポリマまたはシリコーン樹脂粉末は、均一な粉末材料を生成するためにブレンダ内で混合される。ブレンダは、過加熱および混合物の凝固を防ぐために冷却されてもよい。
【0025】
例示的な混合物は、以下のように製造される。ポリマ成分は、円形粒子(50ミクロン粒子サイズ)の形状に凝結された47.5ポンドの極性ポリアミドナイロンから成る。船舶用バイオサイド成分は、52.5ポンドの赤第一酸化銅(red cuprous oxide)97Nプレミアムグレイド(50ミクロン粒子サイズ)から成り、防腐剤成分は、6ポンドのVancide(登録商標)89(50ミクロン粒子サイズ)から成る。上記成分は、ウォーター・ジャケット冷却されるヘンシェルミキサに入れられ、2分間3600rpmで混ぜ合わせられる。
【0026】
次に、混合物は、ポリマのガラス転移温度を超えるのに十分な温度、おそらくポリマの融解温度まで、しかし、その他の成分を融解するには至らない温度まで加熱される。一般的に、混合物は、約220°Fから約275°Fの間まで加熱される。これにより、ポリマは、流動可能となり他の成分と結合できる。一般的に、バイオサイド及び防腐剤は、互いに結合はせず、代わりに、ポリママトリックス内に分散される。一実施形態では、抗ファウラント塗料を構成する成分は、互いに結合を形成し3部構造を作り、抗微生物剤も含有する実施形態では、4部構造を作る。何れの場合においても、バイオサイド、防腐剤、及び任意抗微生物剤は、各々間とは対照的に、ポリマと直接結合または作用する。
【0027】
混合物は、可変電場にもさらされ、その中で成分は、3部(もしくは4部)結合構造を形成する物質の割合を最大にするために、径方向速度が、調整され、分けられ、再配向され、または別の形で操作される。可変電場は、一般的に、物質が通るチャンバなどの限定された空間に与えられ、成分の動きが正確に制御されるだろう。例えば、ポリマが、船舶用バイオサイド、防腐剤、及び任意の抗微生物と物理的に適切な方向に配向され、3または4部結合構造を形成するように電場は与えられる。
【0028】
一旦混合物が加熱されると、標的面に配送される間、塗料の汚染を防ぐために遮蔽ガスに囲まれたプラズマ流に塗料は注入される。塗料の温度は、塗料が標的面(つまり、船舶の面の一部分)に衝突するまで、ポリマのガラス転移温度またはそれ以上に保たなければならない。しかし、塗料が温まり過ぎると、ポリマとその他の成分との結合が壊れ、塗料の分解を導く。過剰な加熱もまた、船舶用バイオサイド、防腐剤、及び/または抗微生物剤間の結合の形成を導き、ファウラント増殖を防止するための塗料の効果を減少させる。さらに、塗料が面に衝突する前に冷却されると、面に接着する能が低下され得る。塗料は、均一に面に接着されなければ、塗料の寿命を低減することになるだろう。
【0029】
様々な実施形態において、標的面が、塗料の接着に影響し得るなんらかの化学的または物理的特性もしくは汚れを有する場合、塗料は、ポリマのみから成るプライマ塗膜に塗布されてもよい。ポリマから成るプライマ塗膜は、一般的に、抗ファウラント塗料の標的面への接着性を増加する。
【0030】
様々な実施形態において、生成混合物は、高速衝突溶融プラズマ溶射ガン機器を使用して標的面に塗布され、これには2007年6月6日に提出された、米国特許出願第11/758、991号に開示されるものなどがあり、参照によりここに組み込まれている。プラズマ溶射ガン機器の使用において、混合物は、溶射ガンに混合物を加圧された状態で供給することが可能であるビンやホッパに投入され、混合物は、面に塗布可能な抗ファウラント塗料に変えられる。
【0031】
例示的な銅含有塗料が、ASTM International(以前のASTM、米国材料試験協会)の規格番号 D6442−05“人工海水での防汚塗料からの銅溶出速度測定のための標準検査法”に準拠して90日にわたり検査された。基本的に、検査法は、人工海水内での防汚塗料から溶出される銅の割合を測定する。
【0032】
3つの試験体が用意され、下記の手順を使用して検査された。塗料検査のために設計された、およそ直径2.5インチ、長さ7.125インチのシリンダは、シリンダ下部分の外側が、ナイロン12から成るポリマベース/プライマで塗装された。ベース膜は、厚さが約0.005インチから0.008インチであり、プラズマ溶射ガンを使用して約225°Fで塗布された。次に、塗料成分が用意され、検査用シリンダのポリマベース膜の上に塗布された。塗料は、含有率48wt%のナイロン12、48wt%の紫酸化第一銅(purple cuprous oxide)、及び4wt%のVancide(登録商標)89を含有した。塗料は、厚さが約0.008インチから0.010インチであり、プラズマ溶射ガンを使用して約240°Fで塗布された。このようにして2つのグラスシリンダ及び1つの炭素繊維シリンダが準備され、検査用試験体が得られた。
【0033】
検査用シリンダ試験体は、pH、塩分濃度、及び温度の手順ガイドラインを含むASTM 標準検査法 D 6442−05に準拠して検査された。人工海水が、ASTM D 1141−98、セクション6に準拠して用意され、25±1°Cで2つの100L槽に溜められた。1つの槽は、試験体が浸漬される槽であり、もう1つの槽は、海水を供給するための槽であった。人工海水は、槽内で毎時2から8循環となるように継続的に調節された。該水は、潜在不純物を除去するために、活性炭フィルタ及びキレート樹脂フィルタも通された。キレート樹脂は、銅のレベルが100μg/Lに近接または超過した場合、再生された。
【0034】
人工海水は、温度、pH,及び塩分濃度がSATM D 6442−05により要求される範囲内にあることを監視するため、供給用および試験体浸漬用槽内で分析された。温度は、24°Cから26°Cの間に維持された。pHは、必要に応じてNaOHまたはHClを使用して7.9から8.1の間に維持された。塩分濃度は、蒸留水を加えることによって33から34ppt(パーツ・パー・サウザンド)の間に維持された(導電率計などによって計測される)。該水は、ASTM D 6442−05によって要求されるように、銅含有量を100μg/L以下に維持するために、各々の測定間隔で、供給用および試験体浸漬用槽で分析された。
【0035】
検査用シリンダは、1、3、7、10、14、21、24、28、31、35、38、42、45、49、56、63、70、77、84、及び90日経過後に浸漬用槽から取りだされ、25±1°Cで、1500mLの人工海水にさらされた。検査用シリンダは、試料採取容器内で60分間、回転速度60±5rpmで回転された。該回転期間後、さらされた人工海水試料50mLは、50μLの濃縮硝酸を有するプラスチックの試料用チューブに入れられ、時折振動させながら少なくとも10分間放置された。人工海水試料は、0.45μmのナイロンシリンジフィルタを通してプラスチックの試料用チューブへろ過された。各チューブは、取り出され分析されるまで、必要に応じてポリシールキャップを使用しボトルに密封され冷蔵された。
【0036】
検査用シリンダは、次の分析までの間、人工海水の浸漬用槽に戻された。試料採取容器及び実験用ガラス器具は、再度使用する前に純水および希HCl内で十分に洗浄された。
【0037】
銅標準液が用意され、対象の範囲における検査法の直線性を確認するために、また検査法の検出限界を測定するために使用された。5mLの100mg/L銅標準液をピペットを使用して100mL容量フラスコに注入し、0.2mLのHNO
3を加え、脱イオン水で容量まで希釈し、50mg/L標準液を得た。4mLの50mg/L溶液をピペットを使用して別の200mL容量フラスコに注入し、0.2mLのHNO
3を加え、脱イオン水で容量まで希釈し、1000μg/L標準液を得た。5mLの1000μg/L標準液をピペット使用して100mL容量フラスコに注入し、10%のHNO
3で容量まで希釈し、50μg/L標準液を得た。同様な技法を適用し、0μg/Lから70μg/Lの範囲の標準液を得た。
【0038】
1、5、及び20mLの50mg/Lストック標準液をピペットを使用して別々の100mL容量フラスコに注入し、0.1mLの高純度HNO
3を加え、各々10μg/L、50μg/L、及び200μg/Lとなるように人工海水で容量まで希釈して、人工海水でのスパイクを、検査用シリンダ試験体と類似な濃度で得た。
【0039】
Chelex 100樹脂を充てんした固相抽出(SPE)カラムが、各検査試料用に、5mLの脱イオン水で洗浄された。0から100μg/Lの間の最終銅濃度を得るため、適当量の各検査試料が注入された。この手法での希釈係数は、10mLを試料量で割ったものに等しい。サンプルは、約4.5mLの10%HNO
3で2度10mL容量フラスコに溶出された。フラスコは、取りだされ10%HCLで容量まで希釈された。
【0040】
標準液、スパイク、ブランク試料1セット、及び検査試料は、Varian 220 FS AAで温度ランプシーケンス(temperature and ramp sequence)によって分析され、これには、表1に記載される一般的なAA操作条件も含め、試料の乾燥、灰化、原子化、及びチューブの洗浄も含まれた。
【表1】
【0041】
ブランク試料および50μg/Lの銅標準液は各検査試料の前に分析され、分析結果は、銅濃度を算出するために使用された。銅濃度は、数1を使用して算出された:
【数1】
ここで、Cは、検査試料の銅濃度を表し単位はμg/L、希釈係数は上記で説明したように算出される。
【0042】
各検査用シリンダ試験体の溶出速度は、数2を使用して算出される:
【数2】
ここで、Rは銅溶出速度を表し、Cは数1で算出された銅濃度を表し、Vは計測槽内の人工海水の容量を表し、Dは一日当たりの時間を表し単位は時間(hour)、Tは試料採取中の回転時間を表し単位は時間(hour)、そしてAは検査用シリンダ試験体の塗装面積を表す。容量Vは、検査を通して一定の1.5Lであった。時間Dは、検査を通して一定の24時間であった。面積Aは、検査を通して一定の200cm
2であった。溶出速度Rの単位は、μg/cm
2/dayであり、一日あたり、銅ベース塗装の面積あたりから溶出される銅の溶出質量を表す。90日間にわたる塗料10の検査結果のデータは、表2に記載される。
【表2】
【0043】
表2の第1行列目の項目は、検査のために記録されたデータの一部を記載する。項目は、データが記録された相対日であるサンプルポイント;本検査の試験体面の塗装面積である塗装面積;及び単位が時間(hour)で表わされる回転時間を含む。続く3列は、3つの異なる試験体、1つの炭素繊維シリンダC、2つのガラスシリンダ試験体H及びJ、の算出溶出速度R(数2より)である。表の最下列は、塗料が塗布された3試験体からの平均の銅塗布速度である。塗料は、第21日経過日から第90日経過日の期間の間、平均の溶出速度は、0.9μg/cm
2/dayであり、検査の第90日経過日では、塗料の平均の銅溶出速度は、0.3μg/cm
2/dayであった。
【0044】
このように、本発明の一実施形態では、ASTM D 6442−05の規定で90日経過後0.3μg/cm
2/day以下の平均銅溶出速度であった。当然のことながら、酸化銅の代わりに他の金属含有バイオサイドが使用されていてもよい。上記とは異なる銀含有バイオサイドも、本発明との併用に適している。この場合でも、塗料成分からの銀イオンの(もしくは、バイオサイドに含有される何れの金属イオンの)溶出(滲出)速度は、90日経過後で、0.3μg/cm
2/day以下のオーダである。
【0045】
本発明は、添付の図面に図示される好ましい実施形態を参照して説明されたが、均等なものを使用してもよく、また、請求項に記載されるような本発明の意図する範囲から逸脱しなければ変更してもよい。
【0046】
本発明の様々な実施形態はこのように説明されるが、新規であり、また特許状により保護されるよう望まれるものは下記を含む: