特許第6041863号(P6041863)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6041863
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】受動的かつ可逆的変形センサ
(51)【国際特許分類】
   G06M 7/00 20060101AFI20161206BHJP
   G06M 3/00 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   G06M7/00 301P
   G06M3/00 E
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-505692(P2014-505692)
(86)(22)【出願日】2012年4月20日
(65)【公表番号】特表2014-513833(P2014-513833A)
(43)【公表日】2014年6月5日
(86)【国際出願番号】FR2012000155
(87)【国際公開番号】WO2012143627
(87)【国際公開日】20121026
【審査請求日】2015年4月13日
(31)【優先権主張番号】11/01274
(32)【優先日】2011年4月22日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】513086496
【氏名又は名称】エタ・フランセ・ルプレザンテ・パール・ル・デレゲ・ジェネラル・プール・ラルムマン
【氏名又は名称原語表記】ETAT FRANCAIS represente par LE DELEGUE GENERAL POUR L’ARMEMENT
(73)【特許権者】
【識別番号】513265873
【氏名又は名称】シルマック
【氏名又は名称原語表記】SILMACH
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100122286
【弁理士】
【氏名又は名称】仲倉 幸典
(72)【発明者】
【氏名】ピエール−フランソワ・ルヴィニェ
(72)【発明者】
【氏名】パトリス・ミノッティ
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ヴェスコヴォ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンサン・ワルテル
【審査官】 吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−137097(JP,U)
【文献】 特開2003−187378(JP,A)
【文献】 特開昭54−49158(JP,A)
【文献】 特開平9−15107(JP,A)
【文献】 特開2010−236875(JP,A)
【文献】 特開2005−344483(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06M 7/00−7/10、
3/00
G08G 1/00−1/087
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
造物が受ける温度または機械的ストレスのサイクルに伴う上記構造物の方向OXにおける変形サイクルについての受動的かつ可逆的変形センサであって、
このセンサは、
構造物の2つの点または領域の間の距離における変化のサイクルを検出する検出手段(4,5,6)
上記構造物の上記2つの点または領域のどちらかにそれぞれ取り付け可能な第1および第2の部分(10,11,241,244)を有する支持体とを備え、上記検出手段は上記支持体の上記第1および第2の部分の各々に関連付けられており、
上記検出手段は、距離における変化のサイクルの少なくとも2つの異なる閾値を区別する手段(54,54,54,55,55,55,56,56,56)を備え
上記検出手段は、少なくとも第1および第2のアセンブリ(4,5,6)を備え、
各アセンブリは、
少なくとも第1および第2の部分(10,11,41,44,241,244)の一方と一体の第1の歯車(54,54,54)と、
一方で、この歯車(54,54,54)を駆動する駆動ビーム(64)であって、この駆動ビーム(64)の端部の一つで直接または間接に第1および第2の部分(10,11,41,44,241,244)の他方と一体にされ、かつ、この駆動ビーム(64)の他方の端部に、この第1の歯車(54,54,54)の歯と歯車装置を形成し得る歯(71)を有するものとを備え、
上記第1のアセンブリの上記第1の歯車の歯のピッチp1は、上記第2のアセンブリの上記第1の歯車のピッチp2と異なっていることを特徴とする受動的かつ可逆的変形センサ。
【請求項2】
請求項1の受動的かつ可逆的変形センサにおいて、
上記検出手段が検出した上記距離における変化のサイクルを計数する計数手段を備えたことを特徴とする受動的かつ可逆的変形センサ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の受動的かつ可逆的変形センサにおいて、
上記第1および第2のアセンブリが重畳されていることを特徴とする受動的かつ可逆的変形センサ。
【請求項4】
請求項1または2に記載の受動的かつ可逆的変形センサにおいて、
上記第1および第2のアセンブリが並置されていることを特徴とする受動的かつ可逆的変形センサ。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一つに記載の受動的かつ可逆的変形センサにおいて、
上記支持体の上記第1および第2の部分はL字状で、ヘッド・ツー・フットに配置され、
上記Lの基部はアンカー領域を形成し、それらのアンカー領域の一方は上記支持体の一方の側に位置し、他方は上記支持体の反対の側に位置していることを特徴とする受動的かつ可逆的変形センサ。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一つに記載の受動的かつ可逆的変形センサにおいて、
上記支持体の上記第1および第2の部分の端部(37,38)は、弾性要素(35,36)によって互いに接続されていることを特徴とする受動的かつ可逆的変形センサ。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか一つに記載の受動的かつ可逆的変形センサにおいて、
或る方向OXに順に、上記支持体(9,29,229)の上記第1および第2の部分(10,41,241)の一方と一体の第1のアンカー領域(13,33,233)、第1のアセンブリ、第2のアセンブリ、さらに第3、第4アセンブリ、そして最後に、他方の部分(11,44,244)と一体の第2のアンカー領域(14,34,234)を備えることを特徴とする受動的かつ可逆的変形センサ。
【請求項8】
請求項2から7までのいずれか一つに記載の受動的かつ可逆的変形センサにおいて、
各アセンブリは、上記第1の歯車と関連付けられた逆行停止手段を備え、
これらの逆行停止手段は、逆行停止ビームであって、この逆行停止ビームの端部の一つで上記支持体の上記第1の部分と一体になっており、上記逆行停止ビームの他方の端部に、上記第1の歯車の上記歯とかみ合うことが可能な少なくとも一つの歯を有するものを備え、
そして上記逆行停止ビームのこの歯は、上記駆動ビームの歯および上記第1の歯車の歯と同様に、各々、半径方向の面と、この歯の上記半径方向の面の端部を次の歯の半径方向の面の基部に連結する傾斜面とを有することを特徴とする受動的かつ可逆的変形センサ。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一つに記載の受動的かつ可逆的変形センサにおいて、
各アセンブリは、9の字状の駆動手段を備え、
この駆動手段は、
上記支持体の上記第2の部分に取り付けられた第1のO字状の剛性の部分と、一端がこの第1の部分と一体で、他端が1次ビームと2次ビームを含む第3の部分に一体である第2の弾性の部分とを有し、
この2次ビームは、その自由端に歯を有し上記支持体の上記第1の部分は、上記2次ビームのストロークを直接または間接に制限可能な停止部を備えることを特徴とする受動的かつ可逆的変形センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロセンサの分野に関し、より詳細には、繰り返し外部作用を受ける構造物の2つの点または領域の間の距離における変化のサイクルを検出でき、好ましくは計数できるマイクロセンサに関する。変化のサイクルとは、構造物における公知のストレスレベルを生成する、温度または機械的ストレスのサイクル(例えば、橋の上を通過する車両の数のような)である。
【背景技術】
【0002】
この点で、特許US5452335が公知であり、温度サイクルのセンサの幾つかの例を記載している。一方で、図1および図2、第4欄に示された第1の例では、予め定められた温度閾値に対して温度のサイクルを検出および計数できる受動的センサが記載されている。他方で、図10図12に関連して第10欄および第11欄に示された第2の例では、2つの温度閾値に対して、温度のサイクルを検出および計数するための電子センサが記載されている。このセンサは、電源と、予めプログラムされたマイクロプロセッサを含む。
【0003】
橋のような道路インフラストラクチャの分野では、構造変化を決定するために、通過した車両の数を知ることが重要である。
【0004】
この点で、特許FR2875324が公知であり、車両通過カウンタについて記載している。その車両通過カウンタは、主に音響空洞に配置されたマイクロフォンを備え、このマイクロフォンから放出された信号を処理するための手段に接続されている。これにより、自動車の信号特性は、このような装置によって検出される。
【0005】
また、超音波圧力センサや画像センサを用いて動作する他のデバイスが知られており、それに対して、処理手段が関連付けられている。
【0006】
これらのデバイスは、上記の2番目の例のように、幾つかの欠点を有する。
【0007】
第1の欠点は、それらの使用可能寿命に関する。それは、電力手段、すなわち電池の使用可能寿命に限定されており、せいぜい、それは約1年または2年である。
【0008】
第2の欠点は、それらを完全な煙火安全性をもって使用することができないことに関する。実際に、電位差の存在、したがって電流の存在が、爆発性物質の存在下で火災や爆発を引き起こし得る火花の形成や短絡の危険性を発生する。
【0009】
第3の欠点は、それらの磁界に対する敏感さ、特に、得られた電子回路内の誘導電流の発生、および、それから生ずる電子部品の劣化によるものに関する。さらに、ほとんどの場合、これらのセンサおよび関連付けられた処理手段は、典型的には数十センチメートルの大きいサイズを有し、したがって、それらを非常に目立たせる。そのことは、それらが破壊行為の対象となることを説明する。
【0010】
これらの欠点を克服するために、特許出願EP1998145は、構造物が受ける負荷のサイクル数を計数するための受動的かつ可逆的マイクロセンサを記載している。その負荷は、例えばこの構造物上の自動車の通過によって発生された温度、機械的張力、圧縮力、および/または、曲げ負荷のサイクル数に対応することができる。そのマイクロセンサのサイズは、それの最大の寸法で5cm、好ましくは2cmを超えないので有利であり、ほとんど無制限の使用可能寿命を有し、煙火安全性をもって使用可能であり、磁界に対する敏感さを持たず、サイクルまたは通過の数のエラーなしの計数を可能にする。
【0011】
可逆的センサは、自身を劣化させることなく、距離の変化の1つのサイクルを検出でき、それから別のサイクルを検出できるセンサに言及している。
【0012】
受動的手段は、電源なしで動作する手段に言及している。それは、上述の特許出願で用いられ、電源、つまり電力供給源を用いるいわゆる能動的手段とは対照的である。
【0013】
このマイクロセンサは、構造物の2つの点または領域の間の距離における変化のサイクルを検出および計数するための手段を備える。これらの手段は、各々アンカー領域をもつ第1の部分と第2の部分とを有する支持体を含む。これらのアンカー領域は、上記構造物の領域の上記2つの点のいずれかにそれぞれ取り付けられており、ブロック、ノッチおよび/または孔からなり、また、上記第1および第2の部分よりも小さい寸法を有している。上記計数する手段は、上記支持体の上記第1および第2の部分の各々に関連付けられている。
【0014】
より具体的には、また、図1aおよび図1bに示すように、車両の通過の数を検出および計数するための受動的マイクロセンサは、実質的にU字状の支持体101を備え、上記Uの基部を構成する第3の部分104によって互いに連結された第1の部分102および第2の部分103と、上記支持体上に配置され、上記支持体101の第1の部分102上に配置された少なくとも第1の歯車106を含む計数手段105とを備え、図1bに示すように、一方で、第1の歯車106を駆動するためのビーム107を備え、それの端部108、109の一方の端部108で上記第2の部分103に取り付けられ、それの他方の端部109に歯110が設けられ、第1の歯車106の歯112と歯車装置111を形成でき、他方で、第1の歯車106のための逆行停止デバイス113を備え、それにより、第1の部分102が支持体101の第2の部分103に接近することは、歯車106が、上記駆動するビーム107の上記駆動する歯110によって駆動されることを引き起こし、一方、これら2つの部分が離れることは、第1の歯車106が逆行停止デバイス113によって保持されることを引き起こすとともに、上記駆動するビームの上記歯110が上記第1の歯車106の歯112上で後退することを引き起こす。
【0015】
図1aに示すように、上記第1および第2の部分は、それぞれ孔によって形成された第1、第2のアンカー領域224,225を備えている。それらの各々に、例えば橋の欄干のような解析されるべき構造物上に上記マイクロセンサを取り付けるためにねじが挿入され得る。孔224,225は、上記ねじの直径よりも僅かに大きい直径を有する。
【0016】
この例示的な実施形態では、第1および第2のアンカー領域224,225は、それぞれ、互いに平行な第1の軸Y1、第2の軸Y2上に配置され、距離Lだけ離間されている。センサのサイズを最小化する好ましい態様では、これらのアンカー領域は、長さLができる限り長くなるようになるように、かつ、軸Y1,Y2間の構造物の変形が計数歯車の歯のピッチPと少なくとも等しくなるように配置されている。実際に、マイクロセンサが変形を受ける構造物に固定されている場合、2つのアンカー領域224,225の間の距離、従って軸Y1,Y2間の距離の変化は、この長さLに比例する。結果として、計数歯車の歯の与えられたピッチPについて、また、単一の駆動ビームを用いた場合に、軸Y1,Y2間の構造物の変形は、少なくともPに等しくなければならず、また、1.5×P以下であるのが好ましい。
【0017】
図1bに示すように、支持体101の各部分102,103,104の面133,134,135は、平面であり、同一平面内に配置され、上記ねじを介して解析されるべき構造物に対して押圧されるようになっている。
【0018】
この例示的な実施形態では、支持体の第3の部分104は、それ自体、逆U字状の厚い基部136を有する。この形状は、基部136によりも、このビームのUの脚により小さなセクションをもつことを可能にする。これにより、著しい力がこの第3の部分に加えられた場合に、第1、第2の部分の正常な移動の方向に対して平行な方向に、上記脚の一つに破損が起こる。これにより、正常な移動の方向におけるこれらの部分間の如何なる相対的な移動も避け、また、歯車106と駆動ビーム107の歯110との間の潜在的なずれを避けることができる。このタイプのマイクロセンサでは、計数歯車の軸は第1の部分102の軸Y1上に配置され、駆動ビーム107は第2の部分103と一体化されている。
【0019】
構造物が様々な変形を生成し得る異なる種類のストレスを受ける場合には、異なる検出閾値に対応する幾つかの変形カテゴリを区別するのが有用であるかも知れない。橋上に、図1および図1bのマイクロセンサのような幾つかのマイクロセンサが取り付けられ得る。各マイクロセンサは、残りの他の計数歯車の歯ピッチと異なる歯ピッチをもつ計数歯車を備える。したがって、それらのマイクロセンサの一つは20トン超のトラックの通過のみを計数でき、別のマイクロセンサは3.5トン超の車両のみを計数でき、また、第3のマイクロセンサは1トン超の全ての車両を計数できる。幾つかの同一のセンサも使用され得る。実際に、橋が曲げを受けながら、それらのセンサは、異なるイベントを検出するように、橋の中立素分から異なる距離に配置され得る。
【0020】
しかしながら、これらの変形を受けている構造物が小さいサイズのものであるか、または低減された潜在的な埋め込み領域をもつ場合、また、幾つかの検出閾値が実行されなければならない場合には、その構造物の表面は、検出されるべき異なる閾値と同じくらい多くの異なるマイクロセンサが配置されるのに十分大きくはないかも知れない。
【0021】
本発明は、幾つかの閾値を検出するだけでなく、出願EP1998145に記載された上記全ての利点をマイクロセンサを設けることによるこの欠点を克服することである。
【発明の概要】
【0022】
提供される解決策は構造物が受ける温度または機械的ストレスのサイクルに伴う上記構造物の方向OXにおける変形サイクルについての受動的かつ可逆的変形センサであって、
このセンサは、
構造物の2つの点または領域の間の距離における変化のサイクルを検出する検出手段
上記構造物の上記2つの点または領域のどちらかにそれぞれ取り付け可能な第1および第2の部分を有する支持体とを備え、上記検出手段は上記支持体の上記第1および第2の部分の各々に関連付けられており、
上記検出手段は、距離における変化のサイクルの少なくとも2つの異なる閾値を区別する手段を備え
上記検出手段は、少なくとも第1および第2のアセンブリを備え、
各アセンブリは、
少なくとも第1および第2の部分の一方と一体の第1の歯車と、
一方で、この歯車を駆動する駆動ビームであって、この駆動ビームの端部の一つで直接または間接に第1および第2の部分の他方と一体にされ、かつ、この駆動ビームの他方の端部に、この第1の歯車(54,54,54)の歯と歯車装置を形成し得る歯(71)を有するものとを備え、
上記第1のアセンブリの上記第1の歯車の歯のピッチp1は、上記第2のアセンブリの上記第1の歯車のピッチp2と異なっていることを特徴とする。
【0023】
また、上記検出手段が検出した上記距離における変化のサイクルを計数する計数手段を備えるのが望ましい。
【0024】
低設置面積のセンサを得るための付加的な特徴によれば、上記第1および第2のアセンブリが重畳されている。
【0025】
1つの特徴によれば、上記第1および第2のアセンブリが並置されている。
【0026】
好ましい特徴によれば、上記支持体の上記第1および第2の部分はL字状で、ヘッド・ツー・フットに配置され、上記Lの基部はアンカー領域を形成し、それらのアンカー領域の一方は上記支持体の一方の側に位置し、他方は上記支持体の反対の側に位置している。
【0027】
上記構造物上で支持体の配置を容易にする特徴によれば、上記支持体の上記第1および第2の部分の端部(37,38)は、弾性要素によって互いに接続されている。
【0028】
特別な特徴によれば、本発明によるセンサは、或る方向OXに順に、上記支持体の上記第1および第2の部分の一方と一体の第1のアンカー領域、第1のアセンブリ、第2のアセンブリ、さらに第3、第4アセンブリ、そして最後に、他方の部分と一体の第2のアンカー領域を備える。
【0029】
変形のサイクル数を検出および計数することを可能にする別の特徴によれば、本発明によるセンサでは
各アセンブリは、上記第1の歯車と関連付けられた逆行停止手段を備え、
これらの逆行停止手段は、逆行停止ビームであって、この逆行停止ビームの端部の一つで上記第1の支持体または上記支持体の上記第1の部分と一体になっており、上記逆行停止ビームの他方の端部に、上記歯車の上記歯とかみ合うことが可能な少なくとも一つの歯を有するものを備え、
そして上記逆行停止ビームのこの歯は、上記駆動ビームの歯および上記第1の歯車の歯と同様に、各々、半径方向の面と、この歯の上記半径方向の面の端部を次の歯の半径方向の面の基部に連結する傾斜面とを有する。
【0030】
特定の特徴によれば、各アセンブリは、9の字状の駆動手段を備え、
この駆動手段は、
上記支持体の上記第2の部分に取り付けられた第1のO字状の剛性の部分と、一端がこの第1の部分と一体で、他端が1次ビームと2次ビームを含む第3の部分に一体である第2の弾性の部分とを有し、
この2次ビームは、その自由端に歯を有し上記支持体の上記第1の部分は、上記2次ビームのストロークを直接または間接に制限可能な停止部を備える。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明の他の特徴および利点は、本発明の幾つかの実施形態および添付の図面の説明において明らかになるであろう。
図1a】(記載なし)
図1b】(記載なし)
図2図2は、構造物の方向OXにおける変形についての可逆的かつ受動的センサにおいて使用可能な支持体9の、本発明による第1の選択可能な実施形態を示す図である。
図3図3は、構造物の方向OXにおける変形についての可逆的かつ受動的センサにおいて使用可能な支持体29の、本発明による第2の選択可能な実施形態を示す図である。
図4a図4aは、検出および計数手段が配置された図3の支持体の斜視図である。
図4b図4bは、図4aにおける軸B−B′に沿ったセンサの断面図である。このセンサは、監視されるべき構造物上に取り付けられている。
図4c図4cは、検出および計数アセンブリの一つの拡大図である。
図5図5は、上記アセンブリの一つの部分的詳細図である。
図6図6aおよび図6bは、本発明によるマイクロセンサの動作原理を示す図である。
図7図7は、検出数を計数する手段の第1の例示的な実施形態の図である。
図8図8は、検出数を計数する手段の第2の例示的な実施形態の図である。
図9a図9aは、本発明の別の選択可能な実施形態を示す、歯車の主軸を通るOXに沿った縦断面の図である。
図9b図9bは、その実施形態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図2は、構造物の方向OXにおける変形についての可逆的かつ受動的センサにおいて使用可能な支持体9の、本発明による第1の選択可能な実施形態を示している。
【0033】
この支持体9は、2つのL字状のサブアセンブリ10,11を備えている。これらのサブアセンブリは、ヘッド・ツー・フット(head-to-foot)に配置され、隙間12によって分離されている。それぞれの基部13,14は、部分的に、監視されるべき構造物上に支持体9を固定するためのアンカー領域である。
【0034】
この例示的な実施形態では、基部13,14は、各々、2つの孔15,16および17,18を有する。それぞれ孔15,16および17,18の中心を通っている軸Y1とY2は、軸OXに垂直である。一方、それぞれ孔15,17および16,18の中心を通っている軸X1とX2は、軸OXに平行である。
【0035】
それぞれの基部13,14に対して垂直な、Lの第2の部分21,23は、軸OXに沿って配置されている。
【0036】
第1のサブアセンブリ10の第2の部分21は、軸OXに沿って均等に分配された3つの孔19を、3対の孔20とともに、備えている。1対の孔の中心を通る軸は、軸Y1と平行であり、対の各々は孔19の1つに関連付けられている。各孔20は、上記支持体から突出するピンを収容するようになっており、逆行停止手段の予備位置決めを可能にできる。
【0037】
第2のサブアセンブリ11の第2の部分23は、軸OXに沿って分配された3つの孔22を備えている。対22の各々は、孔19の1つに関連付けられている。各孔22は、上記支持体から突出するピンを収容するようになっており、駆動手段の予備位置決めを可能にできる。
【0038】
そのような支持体が例えば接着またはネジによって構造物に取り付けられるとき、隙間12内にシムを挿入して、サブアセンブリ10,11の互いに対する正確な位置決めを可能にするのが好ましい。
【0039】
図3は、構造物の方向OXにおける変形についての可逆的かつ受動的センサにおいて使用可能な支持体29の、本発明による第2の選択可能な実施形態を示している。
【0040】
この支持体29は、2つのL字状のサブアセンブリ30,31を備えている。これらのサブアセンブリは、ヘッド・ツー・フット(head-to-foot)に配置され、軸OXに沿って実質的に長手方向に、隙間32によって分離されている。それぞれの基部33,34は、部分的に、監視されるべき構造物上に支持体29を固定するためのアンカー領域である。
【0041】
上述の例のように、基部33,34は、それぞれ2つの孔15,16および17,18を備える。それぞれ孔15,16および17,18の中心を通る軸Y1とY2は、軸OXと垂直である。一方、それぞれ孔15,17および16,18の中心を通る軸X1とX2は、軸OXと平行である。
【0042】
さらに、これら第1および第2の縦部分41;44は、弾性要素、この場合には材料ストランド35,36によって、それらの端部37,38で互いに連結されている。
【0043】
第1のサブアセンブリ30の第2の部分41は、軸OXに沿って均等に分配された3つの孔19を、3対の孔20とともに、備えている。1対の孔の中心を通る軸は、軸Y1と平行であり、対の各々は孔19の1つに関連付けられている。各孔20は、上記支持体から突出するピンを収容するようになっており、逆行停止手段の予備位置決めを可能にできる。
【0044】
この第2の部分41は、孔19と同じ数の略正方形状の凹部42を備えている。各凹部は、孔19の1つに中心を合わされている。また、その第2の部分は、第2サブアセンブリ31の第2の部分44に対向して、第1のサブアセンブリ30の第2の部分41の側面から突出する3つのクレネル43を有している。孔19の各々について、その中心を通り、軸Y1と平行な軸が、クレネル43の一つの対称軸である。これらのクレネルの各々は、その中央部に、孔48を有する。
【0045】
第2サブアセンブリ31の第2の部分44は、孔19のように、軸OXに沿って分配された3つの孔22を備えている。対22の各々は、孔19の1つに関連付けられている。各孔22は、上記支持体から突出するピンを収容するようになっており、駆動手段の予備位置決めを可能にできる。
【0046】
さらに、第1のサブアセンブリ30の第2の部分41と反対側の、第2サブアセンブリ31の第2の部分44の側面は、ノッチ45を備えている。このノッチは、クレネル43の寸法よりも大きい寸法を有し、その中にクレネルの挿入を許容するようになっている。
【0047】
基部33,34の各々は、同軸で互いに対向している2つのノッチ46,47によって、上記Lの対応する第2の部分から、部分的に分離されている。
【0048】
小さなノッチ46は、絶対的には必要ではないが、それらは次の利点を有する。
− 互いに対する2つのアンカー領域の回転を容易にすること。実際に、曲げを受ける構造物上にモニタが設置されるとき、直断面は回転している。そのような構造は、弾性(コンプライアンス)を提供することによって、ストレスの不必要な増加を回避可能にする。
− 上記支持体の第2の対応する可動部分に関して、基部の中心を合わせること。
− 基部に、張力または圧縮の負荷を支持するのに必要な材料のみを残すこと。
【0049】
大きいノッチ47は、サブアセンブリ30,31を互いに一体にするための弾性要素、つまり材料ストランド35,36を創出することを可能にする。
【0050】
図4aは、検出および計数手段が配置された図3の支持体を斜めから見たところを示している。一方、図4bは、図4aにおける軸B−B′に沿ったセンサの断面を示している。このセンサは、監視されるべき構造物上に取り付けられる。図4cは、検出および計数サブアセンブリの一つを拡大して示している。
【0051】
図3における支持体29上に、3つのアセンブリ4,5,6が配置されている。各アセンブリは、
− 孔19,20,48および22に圧入され、支持体29から突出し、停止または回転の軸として機能するピン50,51,52,53、
− 歯車54,54または54
− 逆行停止手段55,55または55
− 駆動手段56,56または56
を備えている。
【0052】
幾つかの異なる変形閾値の検出を許容するために、歯車54,54または54は、、或る歯車から別の歯車へ、異なる歯ピッチを有する。
【0053】
図4cは、アセンブリ5を拡大して示している。
この後者は、
− 孔19,20,48および22に圧入され、支持体29から突出し、停止または回転の軸として機能するピン50,51,52,53、
− p2に等しい歯ピッチを有する歯車54
− 逆行停止手段55
− 駆動手段56
を備えている。
【0054】
駆動手段56は、次のものを備えた9の字状のプレートを備えている。
− 支持体29の第2サブアセンブリ31の第2の部分44に取り付けられた第1のO字状の剛性の部分60。この第1の部分の中央開口はスロット孔によって形成されている。
− 第2の弾性の部分61。この第2の弾性の部分の一つの端部は、上記第1の部分に一体になっている一方、反対側の端部は、第3の部分62に一体になっている。
− L字状の1次ビーム63を備える第3の部分62。この1次ビームの側面の一つは、第2の部分61に取り付けられている一方、基部は、2次ビーム64と一体になっている。この2次ビームは、実質的に1次ビームと同じ長さをもち、この1次ビームと平行であるが、より薄く、図5に示すように、その端部に歯71を備える。この歯は、図5に示すように、歯車54とラチェット式歯車装置を形成することができる。このように、この第3の部分62は、Uを形成する。その主な脚は上記1次および2次のビーム63,64によって形成されている。
【0055】
さらに、第1の部分60の側面65(その一部は、第2の弾性の部分61と一体になっている。)は、ピン52と実質的に同一の長さを有するノッチを備えている。この第1の部分の形状は、上記支持体上のピン52の位置決めとともに、これらの駆動手段を、それらを上記支持体上に接着またはネジによって取り付ける前に、完全に予備位置決めすることを可能にする。
【0056】
逆行停止手段55は、プレート形状を有し、かつ次のものを備える。
− 上記支持体の第1のサブアセンブリ30の第2の部分41に取り付けられた第1のO字状の剛性の部分66。この第1の部分の中央開口は、スロット孔によって形成されている。
− 上記第1の部分の寸法よりも小さい寸法をもち、L字状の1次ビーム68を備える第2の部分67。この1次ビームの側面の一つは、第1の部分66に取り付けられている一方、基部は、2次ビーム69と一体になっている。この2次ビームは、実質的に1次ビームと同じ長さをもち、この1次ビームと平行であるが、より薄く、図5に示すように、その端部に歯72を備える。この歯は、図5に示すように、歯車54とラチェット式歯車装置を形成することができる。このように、この第2の部分は、Uを形成する。その主な脚は上記1次および2次のビーム68,69によって形成されている。
【0057】
さらに、第1の部分66の側面70(その一部は、第2の部分67と一体になっている。)は、ピン52の直径と実質的に同一の寸法を有するノッチ70を備えている。この側面70の形状は、上記支持体上のピン52の位置決めとともに、これらの駆動手段を、それらを上記支持体29上に接着またはネジによって取り付ける前に、完全に予備位置決めすることを可能にする。
【0058】
この例示的な実施形態では、第1および第2のアンカー領域33,34は、それぞれ、互いに平行で距離Lだけ離間された第1の軸Y1および第2の軸Y2に沿って配置されている。上記センサのサイズを最小化する好ましい態様では、これらのアンカー領域は、長さLができるだけ長くなるように、また、軸Y1,Y2間の上記構造物の変形が上記歯車の歯のピッチpと少なくとも等しくなるように、配置されている。実際に、マイクロセンサが変形を受ける構造物に取り付けられるとき、2つのアンカー領域33,34間の、したがって軸線Y1,Y2間の距離における変化は、長さLに比例する。結果として、上記歯車の上記歯の与えられたピッチpについて、上記歯車に関連付けられた単一の駆動ビームを用いる場合には、軸線Y1,Y2間の上記構造物の変形は少なくともpに等しくなければならない。また、クレネル43の孔48に挿入されるピン53の機能は、方向OXにおいて、1次ビーム63のストロークを、関連付けられた歯車の歯のピッチpの約1.5倍に等しい値に限定することである。上記歯車の2次駆動ビームが1次ビームと平行で一体であるから、上記OX方向における変位も、関連付けられた歯車の歯のピッチpの1、5倍に限定される。結果として、制限デバイスを形成するこのピン53でもって、上記歯ピッチより大きい上記OX方向における如何なる動きも、上記歯車に、1つの歯だけに対応する角度の回転をさせる。このピン53がなければ、上記構造体の、pより大きい上記OX方向における如何なる動きΔx(アンカー領域間の間隔Δx)も、上記2次ビームの歯71にΔxの動きをさせ、上記歯車に比(Δx/p)の整数部分に等しい角度の回転をさせるだろう。
【0059】
結論として、ピン53の機能は、間接的に、上記第1の歯車の上記歯の1ピッチ半の値に対応する較正値で、支持体29の第1のサブアセンブリ30の基部33へ向かう駆動ビーム64の動きを制限することである。このように、このピン53は、2次駆動ビーム64の歯71のストロークを制限する手段、または、換言すれば停止手段を構成している。
【0060】
上記歯車の各々は、マーク97を備える。このマークは、センサの埋め込みの間、例えば2次駆動ビーム64の歯71の前に配置された、例えばストレートの刻み込みによって形成され、そして、単に、マーク97と歯71との間で、上記歯車の回転方向とは反対の方向に位置する歯車の歯を計数することによって、構造物が受ける変形のサイクル数を計数することを可能にする。
【0061】
図5に示すように、この歯車54は、その外周面17および内周面95上に、好ましくは粗い歯16を備える。この粗い歯は、抵抗トルクを創り、歯車54の自転を防ぐために、ピン50と一体のスリーブ12と協働するためのものである。
【0062】
上記駆動手段の2次ビーム64(以下では、駆動ビーム64と呼ばれる。)は、その自由端73に歯71を有する。この歯71は、上記歯車54の歯16とラチェット式歯車装置を形成することができる。
【0063】
この図において、OX方向は、このセンサによって検出され得る上記変形の方向を示している。一方、矢印は、計数歯車54の正規の回転方向を示している。この方向に沿って、この歯車54の歯16の各々は、第1の半径方向の面23と、この第1の半径方向の面の上端25を次の歯の半径方向の面26の基部に連結する傾斜面24とを備えている。さらに、この方向に沿って、駆動ビーム64と一体の歯71は、傾斜面28と、半径方向の面27とを有する。この半径方向の面は、歯車54の歯16の第1の半径方向の面23とは反対になっている。
【0064】
したがって、上記駆動ビームの歯71は、上記駆動要素の一方向における動きの間、この歯車を回転させるように上記歯車の歯と接触する駆動面と、上記駆動要素の上記一方向と反対の方向における動きの間、上記歯車の歯上での上記駆動要素のスライド、したがって後退を可能にする案内面とを有する。次いで、上記歯車は上記逆行停止手段によってブロックされる。
【0065】
上記駆動ビームは、歯16を劣化させることなく、歯16の後退を許容するのに十分な弾性を有している。また、上記駆動ビームと逆行停止ビームは、それらが上記歯車に抗するとき、撓みを有する。この初期の変形は、製造/アセンブリの欠陥や不確実性にもかかわらず、接触、したがって、かみ合いを確実にする。
【0066】
図6aおよび図6bは、本発明によるマイクロセンサの動作原理を示している。
【0067】
これらの図に示すように、そのようなセンサが、その両アンカー領域33,34によって、例えば孔15,16,17および18に挿入された接着ブロックによって、変形を生成する負荷を受ける構造物49上に取り付けられるとき、上記構造物のこの変形は、これらのブロック間の、したがってそれらのそれぞれの中心間の間隔における変化を生成するだろう。AおよびBを、初期または正規の位置における上記ブロックのそれぞれの中心とし、また、xAおよびxBを、軸OXにおけるそれらの座標とする。構造物49が荷重を受けると、上記ブロック間の間隔が変化し、点AおよびBが極端な位置A′およびB′(それらの座標はxA′およびxB′である。)になる。一方、負荷が終わるか、または幾らかの時間の後、上記ブロックは、それらの初期の位置、または僅かに異なる位置に戻る。
【0068】
初期位置と極端位置との間の座標差は次式で与えられる。
Δx=(xA′−xA)−(xB′−xB)
Δy=0 (上記の仮定による)
【0069】
上記ブロック間のこの間隔の差は、第1および第2のサブアセンブリ30,31のそれぞれの第2の部分41,44の間の位置における変化を引き起こす。歯車54,54および54は第1のサブアセンブリ30の第2の部分41と一体になっているので、また、駆動ビーム64の各々は上記歯車の一つとかみ合わされた歯71を備えているので、上記位置における変化は、矢印の方向に、上記駆動ビーム64によって、上記歯車の対応する駆動を生成する。
【0070】
上記歯車54,54および54は、異なる歯ピッチp1,p2,p3を、例えばp1<p2<p3で有しているので、構造物49が受ける変形Δxは、次表に示すように、その値および上記ピッチの値に応じて、検出され又は検出されないだろう。

【0071】
図7は、検出数を計数する手段の第1の例示的な実施形態を示している。それらの手段は、単に、例えば上記車輪の見える面に刻み込まれた、マークからなる。このマークには、主マーク97が含まれ、その上に、上記センサの埋め込みの間、上記2次駆動ビーム64の歯71が配置される。また、2次マークが含まれ、歯車56iの周辺に、例えば50個の歯の全てに、均等に分配されている。
【0072】
しかしながら、これらの計数手段は、上記歯車の歯数よりも大きい、変形の連続的なサイクル数を計数することができない。
【0073】
図8は、上述の欠点を解決することを可能にする、検出数を計数する手段の第2の例示的な実施形態を示している。これらの計数手段は、次のものを備える。
− 主マーク97。その上に、上記センサの埋め込みの間、上記2次駆動ビーム64の歯71が配置される。
− 歯車。
− 歯車54i上に同軸に取り付けられ、単一の歯151を有する第2の歯車150i。
− 第3の歯車。この第3の歯車は、例えば20個の歯を有し、歯車54iの各回転で歯151によって2π/20に等しい角度だけ駆動されることが可能になっている。
【0074】
これらの手段は、歯車54i上に存在する歯の数の0と20倍との間の、変形のサイクル数を計数することを可能にする。
【0075】
また、例えば特許出願FR2875324に記載されているような、光計数手段が使用され得る。
【0076】
図9aおよび9bは、本発明の別の選択可能な実施形態を示している。図9aは、歯車の主軸を通る、OX方向における縦断面の図である。図9bは側面図である。
【0077】
この例示的な実施形態において、支持体は、図3のものと似ているが、それよりも短い。ノッチ46,47によって部分的に区切られた2つの対向するアンカー領域233,234と、隙間12によって離間された第1および第2の縦部分241,244とを備えている。さらに、これらの第1および第2の縦部分241,244は、それらの端部で、弾性要素、この場合は材料ストランド35,36によって、互いに連結されている。
【0078】
検出手段は、3つの重畳されたアセンブリを含み、各々が
− 歯車54i、
− 逆行停止手段55i、
− 駆動手段56i
を備えている。
【0079】
上記歯車54,54および54は、支持体229と一体の同じピン250の周りに移動可能であり、異なる歯ピッチp1,p2,p3(p1>p2>p3で)を有している。これにより、3つの異なる変形閾値を検出することを可能にしている。この例示的な実施形態では、それらは同じ歯数を有し、それは1000個である。したがって、それらの直径は異なっている。最大直径および歯ピッチp1を有する一つの歯車54iは、ピン250上に最初に配置され、それから、ピン250上に、歯車54および54がそれぞれ配置されている。これらの歯車の全ては、全体的な円錐台形の形状を有し、それらの基部は第1の縦部分241に面している。
【0080】
逆行停止手段55,55または55は、対応する歯車のピッチに適合されている駆動歯を除いて、同一である。一つのものは他のものの上方に、オフセットをもって取り付けられている。その結果、それらの各々の歯は、上記対応する歯車の歯と接触している。O字状のスペーサがそれらを分離している。これらの手段は、図4a〜図5を参照して説明されたものと同一である。
【0081】
駆動手段56,56または56は、対応する歯車のピッチに適合されている駆動歯を除いて、同一である。一つのものは他のものの上方に、取り付けられている。O字状のスペーサがそれらを分離している。しかし、それらは、OX方向にオフセットされており、その結果、如何なる変形もなしに、その1次ビームの端部と停止部253とを分離している距離は、それぞれ、
手段56について1.5×p1、
手段56について1.5×p2、
手段56について1.5×p3
に略等しい。
【0082】
変形のサイクルを計数するために、各歯車は、その周辺に、20個の歯の増分をもつ、0から980までのダイヤルを備えている。第1の縦部分241は、上記歯車の半径に沿って配置されたストレートの刻み込みを備えている。そして、そこに、上記歯車の各々について、ピン250上のこれらの歯車の挿入の間、数0が置かれる。使用時には、上記歯車が異なる直径を有するので、各歯車について、ストレートの刻み込みの箇所に存在する数の目視での読み取りを実行することが必要になるだけである。
【0083】
上述の実施形態は、従来技術に対して、多くの利点を有している。つまり、マイクロセンサは、完全に受動的である。そして、検出および計数機能の動作をするために必要なパワーを提供するのは、イベント自体(構造物を曲げることができる対象物の行為)である。
【0084】
この場合、上記マイクロセンサは、電力源の寿命によって制限されない期間にわたって動作される。使用される材料(この場合はシリコン)の性質を考えると、上記センサの寿命は、全ての場合において、非常に長期間蓄えられた受動システムを含んで、全ての兵器システムの寿命よりもはるかに長い。
【0085】
この場合、上記計数器の不活性の性質は、煙火安全性で動作しているシステムへ、その用途を検討することを可能にする。それは、現在の能力よりも顕著な進歩を提供する。さらに、本発明によるマイクロセンサは、電磁界に対して全く不感である。
【0086】
さらに、それは、アセンブリを簡素化する。つまり、据え付け(タップ孔の数、接着、フランジ)を減らし、コストを減らし、裁量を増加する。
【0087】
さらに、提案された解決は、実行するのに簡単で、高信頼性の動作を有する。それは、電力源から独立しており、控えめな、低い単価を有する。
【0088】
さらに、上記逆行停止ビームの歯は、摩擦力を上記計数歯車に印加できる摩擦パッドによって置き換えられ得る。それは2つの機能をもつ。どちらの場合も、上記摩擦パッドがそれの機能を果たすことを可能にするのは、上記歯車上の上記パッドの摩擦力である。この摩擦力は、上記パッドビームの予負荷によって決定される。一方では、それは、正規の回転方向における上記計数歯車の慣性効果による過回転を制限する。他方では、上記パッドの摩擦力が上記歯車上の上記駆動ビームの摩擦力よりも大きいという条件で、それは、上記駆動歯の復帰の間、正規の方向とは反対の方向における上記計数歯車の回転を防止する。
【0089】
さらに、上記センサと上記構造物との間の熱膨張差を補償することが望まれる場合、一方では、上記センサの上記支持体を、上記構造物の材料の熱膨張係数に近い熱膨張計数をもつ1つの材料で作り、他方では、この熱膨張を、上記支持体の上記第1および第2の部分の形状と、上記計数歯車の位置決めとを介して、幾何学的に補償するのが望ましい。
【0090】
さらに、図5の枠内で、ピン50と上記歯車との間の連結は、旋回軸タイプ、例えばピン/ハブタイプ、ピン+2転がり軸受タイプ、ピン+2滑り軸受タイプ、または宝石軸受であり得る。また、抵抗トルクは逆行停止モジュールによって確実にされ得る。
図1a
図1b
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b