(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
飲料調製装置においてカプセルの遠心作用によって飲料を供給することを目的とする前記カプセルに関連付けられる又は前記カプセルの一部分であるように構成された光学読取可能コード用支持体(60a、60b)であって、
前記光学読取可能コード用支持体が、その上に表示された複数の記号からなる少なくとも1つの記号シーケンスを具備し、回転軸に沿って前記カプセルが回転駆動される間に外部読取装置の読取機構によって各記号が逐次的に読取可能であるようになっており、
前記記号が、少なくとも部分的に表面から成り、該表面が、該表面の法線に対して0°と10°の間の角度を成す入射方向を有する任意の入射光線を、前記表面の法線に対して3°と10°の間の角度を成す任意の方向に、主に拡散的に反射するように構成される、光学読取可能コード用支持体。
前記光反射面は、実質的に830nmの波長を有する入射光線によって照射されたとき、前記入射光線が前記第1の面の法線に対して0°と10°の間の角度を成す入射方向を有する場合、前記基準強度EREFの少なくとも72%の強度を有する出射光線を、前記第1の面の法線に対して3°と4.4°の間の角度を成す方向に反射する、請求項2に記載の光学読取可能コード用支持体。
複数の前記記号が少なくとも部分的に光吸収面から成り、該光吸収面は、実質的に830nmの波長、及び第2の面の法線に対して0°と10°の間の角度を成す入射方向を有する入射光によって照射されたとき、前記基準強度EREFの20%より小さい強度を有する出射光線を反射する、請求項2又は3に記載の光学読取可能コード用支持体。
前記光学読取可能コード用支持体が、前記記号シーケンスに少なくとも沿って連続的に延在する基盤構造(500)と、前記基盤構造の表面に局所的に付加され又は形成される不連続な離散的光吸収部分(528、628)とを具備し、前記不連続な離散的光吸収部分が光吸収面を形成し、前記基盤構造(500)が、前記離散的光吸収部分によって占められる表面領域の外側に光反射面(410〜414、610〜615)を形成し、前記離散的光吸収部分(400〜403、600〜604)が、前記離散的光吸収部分によって占められる前記表面領域の外側の前記基盤構造の光反射率よりも低い光反射率をもたらすように構成される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の光学読取可能コード用支持体。
前記カプセル保持手段(32)が、少なくとも部分的に透明であり、前記光学読取機構(100)が、前記カプセル保持手段(32)を通して前記光学読取可能コード用支持体の照射領域の前記反射率及び/又は前記コントラストを測定するように構成される、請求項18に記載のシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そのような種類のコード読取器の使用は、回転淹出ユニットを有する遠心抽出に基づくシステムの文脈で使用されるように適用されていない。走査素子のような移動部品を有するバーコード読取器の使用は、信頼性の点で深刻な懸念を引き起こすことがある。なぜなら回転淹出ユニットのすぐ近くに配置されたときに周期的振動及び熱蒸気を含む過酷な環境にさらされやすいからである。カメラ型センサを有するバーコード読取器は、バーコード全体の画像を取り込むことができるように位置決めされるべきである。そのため、コード全体が読取器から直接見通し可能となる必要がある。回転淹出ユニットにおいてコード読取器に割り当てられる使用可能な自由空間は極めて限定されているので、一般にこの見通し可能要件を満たすことが不可能である。
【0008】
使用されるバーコード読取器の種類を問わず、遠心抽出に基づくシステムにおける回転淹出ユニットの幾何学形状によって、カプセル上の広い部分に展開したコードをバーコード読取器で読み取ることが妨げられ、結果として、バーコードの寸法が厳しく制限され、したがって、読取りの信頼性の所与のレベルにおけるコード化情報の量が非常に少なくなり、通常はわずか20ビット程度となる。さらに、バーコード読取器は極めて高価である。
【0009】
カプセルが回転淹出ユニット内に配置されているときにそのカプセル上に印刷されたコードを信頼性をもって読み取ることは、そのコードを形成する各別個の記号の信頼できる認識を意味する。したがって、そのような記号の特性及び光学的挙動がこの文脈で適切に行われるように選択されるべきばかりでなく、この情報を全てのカプセルにおいてそれらの再現性を保証するように判断することが極めて重要である。使用された記号は、マシン内の適切な光学読取器が異なる記号間のコントラストを検出できるように、カプセル上で再現されるべきであり、読取器がカプセルホルダの中間の半透明部分を通してカプセルのコードの光学的測定を行うときであってもそのように再現されるべきである。コードは、回転淹出ユニットの過酷な環境において光学的に読取可能であるべきである。また、コードは、カプセルがカプセルホルダに挿入されている位置及び/又は向きをコード読取器が知ることなしに読取可能であるべきである。従来のバーコード及び他の当技術分野で知られたカプセル用の光学コード化要素は、これらの要件を満たすことができず、さらに光学的に十分に定義されない。
【0010】
同時継続の国際特許出願PCT/EP11/057670明細書は、飲料の調製のためのカプセルに関連付けられた又はその一部分であるように構成された支持体に関する。この支持体は、カプセルが回転軸に沿って回転駆動される間に外部装置の読取機構によって各記号が逐次的に読取可能であるように記号の少なくとも1つのシーケンスが表示された部分を備え、各シーケンスは、カプセルに関係する情報のセットをコード化する。かかる発明は、信頼性の点で深刻な懸念を生じうる走査素子のような移動部品を有するバーコード読取器を使用することなく、約100ビットの冗長又は非冗長情報のようなコード化された大量の情報を利用可能にすることができる。また他の利点は、カプセルが回転式カプセルホルダ内の淹出位置に準備され所定の位置にあるときにカプセルを回転させることによってコード支持体を読み取ることが可能なことである。しかし、それらの読取り条件が、以下のような種々の理由のため特に困難なままであるという欠点がある。すなわち、カプセルがカプセルホルダに保持されたときに光の入射及び出射光線がカプセルホルダを横切らなければならず、エネルギーの大部分が失われることになるため、並びに/又は、マシンの回転構体によって生じ、また場合によっては様々な原因(例えば、振動、摩耗、不均衡な質量分布等)から生じる特定の機械的制約により、光線が大きな角偏位を受けるおそれがあるため等の理由による。さらに、マシンの発光装置及び光感知装置の性能を改善することによって反射率の損失を補償することは、飲料調製マシンがかなり高価になるので適当ではない。
【0011】
したがって、飲料の調製のためにカプセルを使用する遠心式の飲料マシンで見られる特定の条件で信頼できる読取りを実現できるようにする、改良型のコード支持体を用意する必要がある。
【0012】
したがって、遠心抽出に基づくシステムにおいて、少なくとも100ビットの冗長又は非冗長情報をコード化するための要素であって、光学読取機構による信頼できる読取りが可能なように明確に定義された予測可能な光学特性を有する要素を備えるカプセルを用意する必要がさらに存在する。特に、カプセルに関連付けられた又はカプセルの一部分である適切な支持体、特に、遠心式の飲料マシンに見られる特に困難な読取り条件で強化された信号を生成することが可能な支持体において信頼性をもって情報を読み取る必要がある。
【0013】
本発明の1つの目的は、カプセルに関係する情報、より詳細には製造マシン内のカプセルを特定するための情報を格納、読取り、及び処理するための、並びに、製造マシンの動作パラメータの調節、及び/又はカプセルを用いて飲料を調製するための制御パラメータのための情報を取り出す又は読み取るための手段を提供することである。もう1つの目的は、そのような手段を組み込むカプセルを提供することである。
【0014】
もう1つの目的は、飲料を調製するために最適な条件を制御することである。
【0015】
もう1つの目的は、使用可能な空間が非常に限定され過酷な環境(原材料の痕跡、蒸気及び液体の存在等)である場合に、マシン内、例えば、マシンの処理モジュール/淹出ユニット内に配設されたセンサを用いてカプセルに関係する情報を信頼性をもって読み取るための解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
これらの目的の1つ又は複数は、(1つ又は複数の)独立請求項に記載のカプセル、支持体、装置、又は方法により達成される。こうした独立請求項は、これらの目的及び/又は追加の利益のための解決策をさらに提供する。
【0017】
より詳細には、第1の態様によれば、本発明は、飲料調製装置においてカプセルの遠心作用によって飲料を供給することを目的とするカプセルに関連付けられる又はカプセルの一部分であるように構成された光学読取可能コード用支持体であって、その上に表示された複数の記号からなる少なくとも1つのシーケンスを具備し、回転軸に沿ってカプセルが回転駆動される間に外部読取装置の読取機構によって各記号が逐次的に読取可能であるようになっている、光学読取可能コード用支持体に関する。記号は、少なくとも部分的に表面から成り、表面は、表面の法線に対して0°と10°の間の角度を成す入射方向に関する任意の入射光線を、3°と10°の間の角度を成す任意の方向に、主に拡散的に反射するように構成される。
【0018】
入射光線に対する拡散面によって表示される記号を支持体に設けることによって、所与の範囲の条件における記号の読取りを向上することが可能であり、かかる特性は、遠心式の飲料システムで見られるような困難な環境での信頼できる読取りを可能にする。そして、例えば、光学装置により、記号の表面の法線に対して4°の角度を成す入射方向を有する入射光線で支持体を照射し、記号の表面の法線に対して4°の角度を成す出射方向を有する任意の反射光線の強度を測定することによって、信頼性をもって記号を測定することが可能である。遠心式の飲料システムで見込まれるような状況の範囲において主に鏡面反射を回避することによって、読取りを最適化することができる。
上記入射光線が第1の面の法線に対して5°の角度を成す入射方向を有する場合、上記第1の面の法線に対して0°の角度を成す方向における、基準強度E
REFを有する出射光線、
上記入射光線が上記第1の面の法線に対して0°と10°の間の角度を成す入射方向を有する場合、上記第1の面の法線に対して3°と6°の間の角度を成す方向における、基準強度E
REFの少なくとも60%の強度を有する出射光線。特に、一実施形態では、複数の記号が少なくとも部分的に光反射面から成り、上記光反射面が、実質的に830nmの波長を有する入射光線によって照射されたとき、
上記入射光線が上記第1の面の法線に対して5°の角度を成す入射方向を有する場合、基準強度E
REFを有する出射光線を、上記第1の面の法線に対して0°の角度を成す方向に反射し、
上記入射光線が上記第1の面の法線に対して0°と10°の間の角度を成す入射方向を有する場合、基準強度E
REFの少なくとも60%の強度を有する出射光線を、上記第1の面の法線に対して3°と6°の間の角度を成す方向に反射する。
【0019】
したがって、かかる支持体は、光反射面について周知の定義された光学特性を呈し、上記表面は一般に最も反射する面である。したがって、第1の面の拡散反射率は、所与の範囲の条件において精密に定義され、かかる特性は、遠心システムのような困難な環境での信頼できる読取りを可能にする。実際、入射方向及び出射方向に従う光反射面の反射率の相対強度は、空間における反射率の分布の指標をもたらす。既知の定義された範囲の条件において相対強度の分散を限定することにより、記号のシーケンスを読み取るために光学読取装置を構成及び較正することが可能である。例えば、光学装置により、支持体の法線に対して4°の角度を成す入射方向を有する入射光線で支持体を照射し、支持体の法線に対して4°の角度を成す出射方向を有する任意の反射光線の強度を測定することによって、信頼性をもって光反射面を測定することが可能である。マシンの回転構体によって生じ、また場合によっては様々な原因(例えば、振動、摩耗、不均衡な質量分布等)及び製作公差から生じる特定の機械的制約による大きな角偏位によって特に引き起こされる、多くの位置決め誤差が、これらの測定に影響を及ぼす可能性があるため、最初の記号の反射率がそのような偏位及び誤差を許容するように選択されることが特に重要である。定義された光反射記号は、これらの全ての要件を満たすのに適切であることが判明している。
【0020】
光反射面は、実質的に830nmの波長を有する入射光線によって照射されたとき、上記入射光線が上記第1の面の法線に対して0°と10°の間の角度を成す入射方向を有する場合、基準強度E
REFの少なくとも72%の強度を有する出射光線を、上記光反射面の法線に対して3°と4.4°の間の角度を成す方向に反射することができることが有利である。この実施形態では、光反射記号の反射率の測定の信頼性のレベルがさらに高められる。
【0021】
一実施形態では、複数の記号が少なくとも部分的に光吸収面から成る。光吸収面は、実質的に830nmの波長、及び上記光吸収面の法線に対して0°と10°の間の角度を成す入射方向を有する入射光によって照射されたとき、基準強度E
REFの20%より小さい強度の出射光線を反射することができる。例えば、光反射面と光吸収面の間の光学コントラストは、数式(i1−i2)/(i1+i2)によって定義され、(ここで、i1、i2は、それぞれ同じ所与の構成における光反射記号、光吸収記号によって反射された出射光の強度をそれぞれ表す)60%より大きい。
【0022】
したがって、かかるコード支持体は、光吸収面についても周知の定義された光学特性を呈し、上記光吸収面は一般に、より反射しない面である。したがって、光吸収面の相対反射率は、所与の範囲の条件において光反射面と相対的に定義され、それにより、光反射面と光吸収面の間の反射率の差が、この全ての範囲において、光反射面と光吸収面の間の信頼できる区別を達成するのに十分なまま留まることが保証される。これは、以下のような種々の理由によって、読取り条件が特に困難なままである場合に特に重要である。すなわち、カプセルがカプセルホルダに保持されたときに光の入射及び出射光線がカプセルホルダを横切らなければならず、エネルギーの大部分が失われることになるため、並びに/又は、マシンの回転構体によって生じ、また場合によっては様々な原因(例えば、振動、摩耗、不均衡な質量分布等)から生じる特定の機械的制約により、光線が大きな角偏位を受けるおそれがあるため等の理由による。
【0023】
一実施形態では、光学読取可能コード用支持体は、少なくとも24mmの内半径及び/又は28mm未満の外半径の環形を有する。記号は、24mmと28mmの間の半径R
Sを有する円に沿って配置されうる。各記号の幅H
Sは、1mmと2.8mmの間とすることができる。
【0024】
一実施形態では、記号シーケンスが少なくとも100個の記号を備える。各記号シーケンスは、外周部の少なくとも8分の1に沿って配置されうる。全ての記号は、外周部の少なくとも半分に沿って、好ましくは全外周部に沿って配置されうる。
【0025】
結果として、多量の情報を組み込むこと、及び/又は冗長情報を含めることによりシーケンスを復号する信頼性を高めることが可能である。記号のシーケンスは、支持体上で逐次的に読取可能な100〜200個の記号を含むことが好ましい。記号のシーケンスは、140〜180個の記号を含むことがさらに好ましく、160個の記号を含むことが最も好ましい。各記号は、好ましくは5°未満、より好ましくは1.8°と3.6°の間の弧状のセクタを有する領域を覆う長方形又は台形の領域を形成する。
【0026】
したがって、シーケンスを読み取るために使用される光学読取器によって照射される表面が1つの記号の領域より小さい領域を有していても、マシンの回転構体によって生じ、また場合によっては様々な原因(例えば、振動、摩耗、不均衡な質量分布等)から生じる特定の機械的制約によって、カプセルが不正確な位置に配置される場合でも、信頼性をもって測定を行うことができる。これにより、読取器が、製造における不正確さ、特に、カプセル上の記号の形状及び位置決めに影響する可能性がある偏心に対処することが可能になる。
【0027】
各記号によって占められる表面は、3.6度より小さい角度セクタを有する領域に広がることが可能である。各記号によって占められる表面は、1.8度より大きい角度セクタを有する領域に広がることも可能である。したがって、構成要素の幅は、情報の密度と読取りの信頼性レベルとの間でよく均衡が取られる。
【0028】
一実施形態では、光学読取可能コード用支持体は、上記記号シーケンスに少なくとも沿って連続的に延在する基盤構造と、上記基盤構造の表面に局所的に付加され又は形成される不連続な離散的光吸収部分とを具備し、不連続な離散的光吸収部分は、光吸収面を形成し、基盤構造は、離散的光吸収部分によって占められる表面領域の外側に光反射面を形成し、上記離散的光吸収部分は、離散的光吸収部分によって占められる表面領域の外側の基盤構造の光反射率よりも低い光反射率をもたらす。
【0029】
驚くべきことに、提案された解決策は、生成された信号の信頼性を改善する。さらに、この解決策では、カプセルに容易に一体化されうる構造を形成することができる。
【0030】
特に、光反射面は、連続的構成の基盤構造によって、例えば、カプセルのフランジ状リムの環状部を形成すること等により得ることができる。それにより、十分に良好な反射率のための十分な厚さを形成する反射性の包装材料のより広い選択肢の利用が可能になる。コード支持体の基盤構造の材料は、カプセルの一部分を形成することができ、例えば、カプセルのカップ状本体を形成又は成形することが多い。離散的部分によって、基盤構造上の光吸収面の上側の構成は、特に、潜在的に光エネルギーの大部分がマシンからカプセルに移る際に失われる環境において、光反射信号に比べて反射率が低い信号をより弁別的に生成できるようにする。
【0031】
より詳細には、光反射用の基盤構造は、光反射面を実現するように基板構造内に配置された金属を備える。特に、光反射用の基盤構造は、一体式金属支持層、及び/又は、光反射粒子の層を備え、光反射粒子は、好ましくはポリマ母材内の金属顔料である。金属が基盤構造の一部として使用される場合、有利なことに、金属は、効果的な反射信号とカプセルの層構成部分との両方を提供するのに役立つことが可能であり、それにより強化及び/又は保護機能、例えばガスバリヤ機能をもたらすことができる。金属は、アルミニウム、銀、鉄、スズ、金、銅、及びこれらの組合せよりなる群から選択されることが好ましい。より詳細な形態では、光反射用の基盤構造は、反射面を形成するように透明なポリマ下塗り剤で覆われた一体式金属支持層を備える。ポリマ下塗り剤は、反射率の改善のために金属の反射面を平らにすることを可能にし、光吸収部分を付加するための改善された付着面を用意する。下塗り剤は、成形中の磨耗力を減少させることで金属層の成形性をもたらす。下塗り剤はまた、表面の反射率に影響するおそれがある引っ掻き又は他の変形から金属層を保護する。下塗り剤の透明性は、層を通る所定の条件の光強度の損失が無視できるような透明性とされるべきである。下塗り剤はまた、金属層と食品の直接接触を防止する。代替形態では、基盤構造は、(例えば、ポリマ層の蒸着金属被膜によって)外側金属層で覆われた内側ポリマ層を備える。非金属の透明ポリマ下塗り剤は、5ミクロン未満の厚さを有することが好ましく、0.1ミクロンと3ミクロンの間の厚さを有することが最も好ましい。定義された厚さは、金属と食品の直接接触の十分な防止を実現して維持し、反射率の向上のために、金属の表面のでこぼこを平らにし、下に配置された金属表面の光沢効果をもたらす。
【0032】
異なる形態では、光反射用の基盤構造は、一体式金属支持層又はポリマ支持層を備え、上記層は、好ましくは金属顔料である光反射粒子を含むラッカーで覆われる。ラッカーは、下塗り剤より厚みがあるため、反射顔料を有利に含むことができる。ラッカーは、3ミクロンより大きく10ミクロンより小さく、好ましくは5ミクロンと8ミクロンの間の厚さを有することが好ましい。ラッカーは、下に配置される金属層の反射率を改善する光反射層を形成する。反射率は、金属顔料のポリマに対する比(wt%)に依存する。金属顔料の比は、基盤構造の十分な反射特性を保証するために、非金属支持層について10wt%より大きく増加することもできる。
【0033】
下塗り剤とラッカーはともに、成形(例えば、深絞り成形)中の磨耗力を減少させることで金属層の成形性を改善し、それにより、コード支持体を成形可能構造とみなしてカプセルの本体を作成することを可能にする。下塗り剤又はラッカーの化学的主成分は、ポリエステル、イソシアナート、エポキシ、及びこれらの組合せのリスト中から選択されることが好ましい。支持層の下塗り剤又はラッカーの塗布プロセスは、ポリマ層の厚さ、及びフィルム内の顔料の比に依存する。フィルム内の顔料の比についてはポリマの粘度に影響するためである。例えば、金属層に対する下塗り剤又はラッカーの塗布は、溶媒和によって行うことができ、例えば、金属層にポリマ含有溶媒を塗布し、溶媒の沸点より高い温度に金属層をさらして溶媒を蒸発させ、下塗り剤又はラッカーを硬化可能にして金属層上に固定することによって行う。
【0034】
不連続な離散的光吸収部分は、上記基盤構造上に塗布されるインクによって形成されることが好ましい。インクは、0.25ミクロンと3ミクロンの間の厚さを有することが好ましい。いくつかのインク層を塗布して、例えば1ミクロンの厚さの光吸収部分を形成することで、いくつかの印刷されたインク層を位置合わせして設けることができる。インク部分は、基盤構造によって形成された反射面と比較して低い光強度を反射する。光吸収部分については、インクは、好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは約60重量%の顔料を有する。顔料は、実質的に830〜850nmの波長で本質的に光を吸収する顔料から選択される。好ましい顔料は、黒の顔料又は着色(非金属)顔料である。例えば、Pantone色コードで使用される着色顔料の201C、468C、482C、5743C、7302C、又は8006Cが満足な結果をもたらしている。基盤構造上に光吸収部分を形成するためのインクの塗布は、スタンピング、ロト彫刻(roto−engraving)、写真食刻、化学処理、又はオフセット印刷等の任意の適切なプロセスによって実現されうる。
【0035】
別の形態では、不連続な光吸収部分が、少なくとも2ミクロン、好ましくは2ミクロンと10ミクロンの間、最も好ましくは約5ミクロンの粗度(rugosity)(Rz)を有する基盤構造の粗面を形成する。対照的に、光反射面は、不連続な光吸収部分の粗度より低い粗度を有する鏡面によって得ることができる。より詳細には、基盤構造の鏡面は、5ミクロン未満であり、好ましくは0.2ミクロンと2ミクロンの間である。それ自体で知られているように、粗度(Rz)は、連続するサンプルの長さの個々の粗さの深さの算術平均値であり、ここで、Zは、1つのサンプルの長さにおける最も高いピークと最も低い谷との合計である。
【0036】
粗面部分は、好ましくは、基盤構造上にインクの粗面化層を塗布することによって形成することができる。インクの層の粗さは、乾燥後の層の表面における層の粗度(Rz)によって決定される。
【0037】
基盤構造の粗面は、研磨、ショットブラスト、ミリング、レーザ彫刻、インモールド成形、及びこれらの組合せ等の任意の適切な技術によって得ることもできる。例えば、粗さは、艶消し顔料を含むポリマラッカーを基盤構造上に塗布して所望の粗度をもたらすことによって得ることもできる。光吸収ラッカーは、例えば、基盤構造の表面全体に塗布され、レーザ又は任意の等価な手段を用いて上記ラッカーで燃焼すること等により、下の例えばアルミニウムの金属層によって形成される反射面を露出するように局所的に除去されることが可能である。
【0038】
代替形態では、吸収面のための粗面及び反射面のための鏡面をそれぞれインモールド成形によって形成することができる。それは、例えば、選択的に配置された粗面及び鏡面を含み、射出成形等によってそのような鏡面及び粗面を有する基盤構造を形成する、型穴の使用を必要とする。
【0039】
第2の態様によれば、本発明は、第1の態様による光学読取可能コード用支持体を備えるフランジ状リムを具備する、飲料生産装置において遠心作用によって飲料を供給することを目的とするカプセルに関する。
【0040】
本発明の第3の態様によれば、本発明は、第2の態様によるカプセルから飲料を調製するためのシステムであって、システムが飲料調製装置をさらに具備し、飲料調製装置が、カプセルを保持するためのカプセル保持手段と、上記回転軸に沿ってカプセル保持手段及びカプセルを回転駆動するための回転駆動手段とを備え、飲料調製装置が、
光学読取可能コード用支持体の照射領域であり記号によって占められる領域より小さい領域の反射率及び/又はコントラストを測定し、
カプセルが完全な回転を行うように回転駆動手段を駆動する
ことによって、光学読取可能コード用支持体上に表示された記号を読み取るように構成された光学読取機構をさらに備える、システムに関する。
【0041】
特に、カプセル保持手段が少なくとも部分的に透明にされてもよく、光学読取機構が、カプセル保持手段を通して光学読取可能コード用支持体の照射領域の反射率及び/又はコントラストを測定するように構成されうる。
【0042】
第4の態様によれば、本発明は、飲料調整装置において第2の態様によるカプセルの光学読取可能コード用支持体上に表示された記号を読み取るための方法であって、上記飲料調製装置が、カプセルを保持するためのカプセル保持手段と、上記回転軸に沿ってカプセル保持手段及びカプセルを回転駆動するための回転駆動手段とを備え、飲料調製装置が、光学読取機構をさらに備える方法に関する。この方法は、
光学読取可能コード用支持体の照射領域の反射率及び/又はコントラストを測定するステップであり、上記照射領域が、記号によって占められる領域より小さい、ステップと、
カプセルが完全な回転を行うように回転駆動手段を駆動するステップと
を含む。
【0043】
本発明の実施形態の非限定的な例として与えられる以下の詳細な説明及び添付の図面によって本発明はよりよく理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1は、本発明のカプセルが使用されうる、国際公開第2010/026053号パンフレットに説明されるような飲料調製システム1の例を示す。
【0046】
遠心ユニット2は、カプセル内部の飲料原材料及び液体に対し遠心力をかけるための遠心セル3を備える。セル3は、カプセルホルダ、及びカプセルホルダに受け入れられるカプセルを備えることができる。遠心ユニットは、回転モータ等の駆動手段5に連結される。遠心ユニットは、収集部及び出口35を備える。容器48が、抽出された飲料を収集するために出口の下方に配設されうる。このシステムは、貯水器6及び流体回路4等の液体供給手段をさらに備える。加熱手段31が、貯水器内に又は流体回路に沿って設けられてもよい。液体供給手段は、貯水器に連結されたポンプ7をさらに備えることができる。流れ制限手段19が、遠心力をかけられカプセルから出る液体の流れを制限するために設けられる。このシステムは、セル3内に供給される水の流量の制御を可能にするために流量計測タービン8等の流量計をさらに備えることができる。生成されたインパルスデータ10の分析を可能にするために、流量計測タービン8に計数器11が接続されうる。分析されたデータは、次いでプロセッサ12に転送される。したがって、流体回路4内の液体の正確な実流量をリアルタイムで計算することができる。ユーザインターフェース13が、制御ユニット9に送信される情報をユーザが入力できるように設けられてもよい。このシステムのさらなる特徴は、国際公開第2010/026053号パンフレットで見ることができる。
【0047】
図3a、3b、及び3cは、カプセル2A、2B、2Cのセットの実施形態に関する。これらのカプセルは、本体22、リム23、及び上壁部材又は蓋24を備えることが好ましい。蓋24は、穿孔性膜又は開口壁とすることができる。これにより、蓋24及び本体22が囲壁又は原材料室26を囲むことになる。図に示されるように、蓋24は、好ましくは1〜5mmである、リム23の内側環状部Rに連結されることが好ましい。
【0048】
リムは必ずしも図示のように水平ではない。リムは若干曲げられてもよい。カプセルのリム23は、カプセルの回転軸Zに対して(図示のように)本質的に直交する方向又は(上述のように曲げられた場合に)わずかに傾けられた方向で外側に延びることが好ましい。このように、回転軸Zは、淹出装置内のカプセルの遠心作用中における回転軸を表し、特に、淹出装置内のカプセルの遠心作用中におけるカプセルホルダ32の回転軸Zと実質的に同一である。
【0049】
図示の実施形態は例示的な実施形態にすぎず、カプセル、特にカプセル本体22が様々な異なる実施形態をとりうることは理解されよう。
【0050】
それぞれのカプセルの本体22は、可変の深さd1、d2、d3をそれぞれ有する単一凸部分25a、25b、25cを備える。そのため、部分25a、25b、25cは、切頭の又は部分的に円筒状の部分であってもよい。
【0051】
したがって、カプセル2A、2B、2Cは、好ましくは異なる容積を有するが、同じ挿入直径「D」を有することが好ましい。
図3aのカプセルは、小容積のカプセル2Aを示すのに対し、
図3b及び3cのカプセルはそれぞれ、より大きな容積のカプセル2B及び2Cを示す。ここでは、挿入直径「D」は、リム23の下面と本体22の上部との交線で決定される。しかし、挿入直径は、装置におけるカプセルの他の基準直径であってもよい。
【0052】
小容積カプセル2Aは、大容積カプセル2B、2Cの量よりも少ない量の抽出原材料、例えば、挽きコーヒーを収容することが好ましい。したがって、小カプセル2Aは、4グラムと8グラムの間の量の挽きコーヒーを有する10mlと60mlの間のショートコーヒーの供給を目的とする。より大きなカプセル2Bは、例えば60mlと120mlの間のミドルサイズコーヒーの供給を目的とし、最も大きなカプセルは、例えば120mlと500mlの間のロングサイズコーヒーの供給を目的とする。
【0053】
また、ミドルサイズコーヒーカプセル2Bは、6グラムと15グラムの間の量の挽きコーヒーを収容することができ、ロングサイズコーヒーカプセル2Cは、8グラムと30グラムの間の量の挽きコーヒーを収容することができる。
【0054】
また、本発明によるカプセルのセットは、焙煎コーヒーと挽きコーヒーの異なるブレンド、又は、異なる原産地のコーヒー並びに/又は異なる焙煎特性及び/若しくは挽き特性を有するコーヒーを収容することができる。
【0055】
カプセルは、軸Zの周りを回転するように設計される。この軸Zは、ディスクの形態を有する蓋の中心を垂直方向に横断する。この軸Zは、本体の底部の中心で終了する。この軸Zは、カプセル上に位置し基準軸として軸Zを有する円形経路である「外周部」の概念を定義する助けとなる。この外周部は、例えば蓋である蓋、又はフランジ状リム等の本体部にあることが可能である。蓋は、装置への挿入前に液体に対し不透過性であってもよく、又は蓋の中央及び/若しくは周囲に設けられた小さな開口又は孔により液体に対し透過性であってもよい。
【0056】
以降、リム23の下面とは、本体及び蓋によって形成される囲壁の外側に位置し、またカプセルの本体が可視となる側にカプセルが向けられるときに可視である、リム23の部分を指す。
【0057】
カプセル又はカプセルのセットのさらなる特性は、国際公開第2011/0069830号パンフレット、国際公開第2010/0066705号パンフレット、又は国際公開第2011/0092301号パンフレットの文献で見ることができる。
【0058】
カプセルホルダ32を有する遠心セル3の実施形態を
図2a及び2bに示す。カプセルホルダ32は、一般に、カプセルを挿入するための上側開口と容器を閉じる下側底部とが設けられた円筒形又は円錐形の開いた形状の空洞を形成する。開口は、カプセルの本体22の直径よりもわずかに大きい直径を有する。開口の輪郭は、カプセルが挿入されたときに開口の端部に掛かるように構成されたカプセルのリム23の輪郭にフィットする。その結果、カプセルのリム23は、カプセルホルダ32の受け部34に少なくとも部分的に載ることになる。下側底部には、底部の外面の中央に垂直に取り付けられた円筒シャフト33が設けられる。カプセルホルダ32は、シャフト33の中心軸Zの周りを回転する。
【0059】
また、光学読取機構100が
図2a及び2bに示されている。光学読取機構100は、カプセルホルダ32の受け部34に掛かるカプセルのリム23の下面の反射率のレベルに関する情報を含む出力信号を供給するように構成される。光学読取機構は、カプセルホルダ32を通して、より詳細には、円筒形又は円錐形の開いた形状のカプセルホルダ32の側壁を通して、リム23の下面の光学的測定を行うように構成される。代わりに、出力信号は、差分情報、例えば時間経過による反射率の差、又はコントラスト情報を含んでもよい。出力信号は、アナログ信号、例えば、時間経過をともなって測定された情報とともに変化する電圧信号としてもよい。出力信号は、デジタル信号、例えば、時間経過をともなって測定された情報の数値データを含む二値信号としてもよい。
【0060】
図2a及び2bの実施形態では、読取機構100は、光源光線105aを発するための発光器103と、反射光線105bを受けるための受光器102とを備える。
【0061】
通常、発光器103は、発光ダイオード又はレーザダイオードであって、赤外光、より詳細には850nmの波長の光を発する。通常、受光器102は、受け取った光線を電流又は電圧信号に変換するように構成された光ダイオードである。
【0062】
読取機構100は、処理手段106を備えることもでき、処理手段は、プロセッサを組み込んだプリント基板、センサ信号増幅器、信号フィルタ、並びに、上記処理手段106を発光器103、受光器102、及びマシンの制御ユニット9に接続するための回路を備える。
【0063】
発光器103、受光器102、及び処理手段106は、支持体101によって固定位置に維持され、マシンフレームに対して堅固に固定される。読取機構100は、抽出プロセス中にその位置に留まり、カプセルホルダ32とは対照的に回転駆動されない。
【0064】
特に、発光器103は、光源光線105aがほぼ直線Lに沿って方向付けられるように配設され、直線Lは、カプセルホルダ32の受け部34を含む平面Pと固定点Fで交差し、上記平面Pは、点Fを通過する法線Nを有する。固定点Fは、光源光線105aが反射面に当たるようにされる空間における絶対位置を決定するものであり、固定点Fの位置は、カプセルホルダが回転するときに不変のままである。読取機構は、集束手段104を備えることができ、集束手段は、例えば、穴、レンズ、及び/又はプリズムを使用して、光源光線105aが、カプセルホルダ32内に配置されたカプセルの蓋の下面の固定点Fにより効率的に集束するようにする。特に、光源光線105aは、固定点Fを実質的に中心とし直径dを有する円盤を照射するように集束されうる。
【0065】
読取機構100は、
図2aに示されるように、直線Lと法線Nの間の角度θ
Rが2°と10°の間、特に4°と5°の間となるように構成される。結果として、反射面が点Fに配置されたとき、反射光線105bは、固定点Fと交差する線L’にほぼ沿って方向付けられ、
図2aに示されるように、直線L’と法線Nの間の角度θ
Eは、2°と10°の間、特に4°と5°の間である。光受容器102は、直線L’にほぼ沿って方向付けられた反射光線105bを少なくとも部分的に収集するように支持体101に配設される。集束手段104はまた、反射光線105bが受容器102により効率的に集中するように構成されうる。
図2a、2bに示された実施形態では、点F、直線L、及び直線L’は同一平面上にある。別の実施形態では、点F、直線L、及び直線L’は同一平面上ではなく、例えば、点F及び線Lを通る平面と、点F及び線L’を通る平面とは、実質的に90°の角度で配置され、直接反射を除外し、よりロバストでノイズが少ない読取システムを可能にする。
【0066】
カプセルホルダ32は、直線Lに沿って点Fまでの光源光線105aの部分的伝達を可能にするように構成される。例えば、カプセルホルダの円筒形又は円錐形の開いた形状の空洞を形成する側壁が、赤外光に対し不透明でないように構成される。上記側壁は、赤外光が入ることを許容する入射面を有する、赤外線に対し透光性があるプラスチックベースの材料から作られてもよい。
【0067】
その結果、カプセルがカプセルホルダ32内に配置されたとき、光線105aは、反射光線105bを形成する前に、点Fで上記カプセルのリムの底部に当たる。この実施形態では、反射光線105bは、カプセルホルダの壁を通して受容器102まで通過する。
【0068】
カプセルホルダ32内に配置され、光源光線105によって点Fで照射される、カプセルのリム23の下面の部分は、カプセルホルダ32が回転駆動された場合のみ、時間経過とともに変化する。したがって、光源光線105がリムの下面の環状部分全体を照射するためには、カプセルホルダ32の完全な回転が必要とされる。
【0069】
出力信号は、反射光線の強度を時間経過とともに測定することにより、場合によっては光源光線の強度に対して反射光線の強度を比較することにより、演算又は生成されうる。出力信号は、時間経過にともなう反射光線の強度の変動を求めることによって演算又は生成されうる。
【0070】
本発明によるカプセルは、少なくとも1つの光学読取可能コード用支持体を備える。コード支持体は、フランジ状リムの既存部分としてもよい。光学的に読取可能なコード支持体上に記号が表示される。記号は、少なくとも1つのシーケンス内に配列され、上記シーケンスは、カプセルに関する情報のセットをコード化する。通常、各記号は特定の二進値に対応し、すなわち、第1の記号は二進値の「0」を表し、第2の記号は二進値の「1」を表すことができる。
【0071】
特に、少なくとも1つのシーケンスの情報セットは、カプセルに関連付けられたタイプを認識するための情報、及び/又は以下のリストの要素の1つ若しくは組合せを含むことができる。
最適回転速度、カプセルに入る水の温度、カプセル外の飲料収集器の温度、カプセルに入る水の流量、調製プロセス中の動作シーケンス等の、カプセルを用いて飲料を調製するためのパラメータに関する情報、
カプセルを用いて飲料を調製するためのパラメータをローカル及び/又はリモートで取得するための情報、例えば、カプセルのタイプの認識を可能にする識別子、
製造バッチ識別子、製造日、推奨賞味期限、有効期限等の、カプセルの製造に関する情報、
カプセルの製造に関する情報をローカル及び/又はリモートで取得するための情報。
【0072】
少なくとも1つのシーケンスの各情報セットは、冗長情報を含むことができる。したがって、誤り検査を比較により行うことができる。また、誤り検査によって、シーケンスのいくつかの部分が読取り不能な場合におけるシーケンスの読取り成功確率が向上する。また、少なくとも1つのシーケンスの情報セットは、誤りを検出するための情報、及び/又は上記情報セットの誤りを訂正するための情報を含むこともできる。誤りを検出するための情報は、反復コード、パリティビット、チェックサム、巡回冗長検査、暗号学的ハッシュ関数データ等を含んでもよい。誤りを訂正するための情報は、誤り訂正コード、前方誤り訂正コード、及び特に畳み込みコード又はブロックコードを含んでもよい。
【0073】
シーケンス内に配置される記号は、カプセルに関する情報セットを搬送するデータを表すために使用される。例えば、各シーケンスがビット整数を表してもよい。各記号が1つ又は複数のバイナリビットをコード化してもよい。また、データは記号間の遷移によって表されてもよい。記号は、例えば、マンチェスター符号化方式のようなライン符号化方式の変調方式を用いて、シーケンス内に配置されてもよい。
【0074】
各記号は、印刷及び/又はエンボスされうる。各記号は、所定の粗度を有するようにコード支持体を処理することによって得られてもよい。記号の形状は、以下の非包括的リスト、すなわち、アーチ状セグメント、個々に直線状であるがシーケンス部分の少なくとも一部分に沿って延在するセグメント、点、多角形、幾何学形状のうちから選択されてもよい。
【0075】
一実施形態では、記号の各シーケンスは、同じ固定長を有し、より詳細には一定の個数の記号を有する。シーケンスの構造及び/又はパターンが知られていると、読取機構による各シーケンスの認識が容易になることがある。
【0076】
一実施形態では、各シーケンスの部分における開始及び/又は停止位置の決定を可能にするために、少なくとも1つのプリアンブル記号がシーケンス部分に表示される。プリアンブル記号は、他の記号とは別に識別されるように選択される。プリアンブル記号は、他の記号と比較して異なる形状及び/又は異なる物理的特性を有することができる。2つの隣接するシーケンスが、あるシーケンスの停止及び他のシーケンスの開始を表す共通のプリアンブル記号を有してもよい。
【0077】
一実施形態では、少なくとも1つのシーケンスは、カプセルに関する情報セットをコード化する上記シーケンスの記号の位置の決定を可能にするために、プリアンブルシーケンスを定義する記号を含む。プリアンブルを定義する記号は、既知の予約されたビットシーケンス、例えば「10101010」をコード化してもよい。
【0078】
一実施形態では、プリアンブル記号及び/又はプリアンブルシーケンスは、情報セットを認証するための情報、例えば、ハッシュコード又は暗号化署名を含む。
【0079】
記号は、環状支持体の外周部の少なくとも8分の1、好ましくは環状支持体の外周部全体に分散される。コードは、連続するアーチ状セグメントを有することができる。また、記号は、個々に直線状であるが外周部の少なくとも一部に沿って延在する連続したセグメントを有することもできる。
【0080】
シーケンスは、信頼できる読取りを保証するために、外周部にそって反復されることが好ましい。シーケンスは、外周部において少なくとも2回反復される。シーケンスは、外周部において3〜6回反復されることが好ましい。シーケンスの反復とは、カプセルが360度回転されたときに同じシーケンスを2回以上検出又は読取りできるように、同じシーケンスが複製され、連続したシーケンスが外周部に沿って連続的に位置決めされることを意味する。
【0081】
図4を参照すると、コード支持体の実施形態60aが示されている。コード支持体60aは、カプセルのリム23の定義された幅を占める。カプセルのリム23は、支持体60aを形成する内側環状部と、外側(非コード化)カール部とを備えることができる。ただし、特にリムの下面が実質的に平坦にされうる場合に、リムの全幅が支持体60aによって占められることが可能である。この位置は、記号を配設するための広いエリアを提供するとともに、処理モジュール、特にピラミッド型プレートにより引き起こされる損傷、及び原材料の放出が生じにくいため、特に有利である。その結果、コード化される情報の量及び読取りの信頼性がともに向上する。この実施形態では、コード支持体60aは160個の記号を備え、各記号は1ビットの情報をコード化する。記号は連続しており、各記号は、2.25°の弧線長さ(arc−linear length)を有する。
【0082】
図4に示される実施形態では、支持体60aは、カプセルのZ軸を中心とする、内半径24.7mm及び外半径27.5mmの環形を有する。支持体60aの平均半径Rは、26.1mmと等しい。記号は、26.1mmと等しい半径R
sを有する円に沿って配置される。そして、各記号の幅H
sの最大値は2.8mmである。コード支持体60aは160個の記号を備え、各記号は1ビットの情報をコード化する。記号は連続しており、各記号は、2.25°の弧線長さ(arc−linear length)θ
Sを有する。
【0083】
別の実施形態(図示せず)では、支持体60aは、カプセルのZ軸を中心とする、内半径24.7mm及び外半径27.5mmの環形を有する。支持体60aの平均半径Rは、26.1mmと等しい。記号は、26.1mmと等しい半径R
sを有する円に沿って配置される。そして、各記号の幅H
sの最大値は2.8mmである。支持体60aは140個の記号を備え、各記号は1ビットの情報をコード化する。記号は連続しており、各記号は、2.5714°の弧線長さθ
Sを有する。
【0084】
別の実施形態(図示せず)では、支持体60aは、カプセルのZ軸を中心とする、内半径24.7mm及び外半径27.5mmの環形を有する。支持体60aの平均半径Rは、26.1mmと等しい。記号は、26.1mmと等しい半径R
sを有する円に沿って配置される。そして、各記号の幅H
sの最大値は2.8mmである。支持体60aは112個の記号を備え、各記号は1ビットの情報をコード化する。記号は連続しており、各記号は、3.2143°の弧線長さθ
Sを有する。
【0085】
図5を参照すると、コード支持体の実施形態60bが平面視で示されている。コード支持体60bは、遠心ユニット2によってカプセルの軸Zの周りをカプセルが回転するときに回転駆動されるように、カプセルに関連付けられる又はカプセルの一部分であるように構成される。カプセルの受け部は、カプセルのリム23の下面である。支持体は、記号の少なくとも1つのシーケンスが表示された外周部を有するリングであってもよく、これにより、ユーザは、飲料マシンの淹出ユニット内にカプセルを導入する前にカプセルの外周部にリングを位置決めすることができるようになる。その結果、支持体を取り付けて情報を追加することにより、情報を格納するための組み込み手段を伴わないカプセルを改変することが可能となる。支持体が別個の部品である場合、追加の固定手段なしに単純に支持体をカプセルに追加することができ、ユーザは、支持体が淹出ユニットに入るときに正確に位置決めされることを確実にし、又は、支持体の形状及び寸法が、いったん取り付けられるとカプセルに対して支持体が移動するのを防止する。コード支持体60bはまた、いったん取り付けられるとカプセルに対して支持体が固定されるように留まることを補助するために、接着剤又は機械的手段のような、カプセルの受け部に対して上記要素を堅固に固定するための追加の固定手段を備えることもできる。前述のように、コード支持体60bは、カプセルの構造に統合される等、それ自体でリムの一部分であってもよい。
【0086】
図5に示される実施形態では、支持体60bは、内半径24.7mm及び外半径27.5mmの環形を有する。支持体60bの平均半径Rは、26.1mmと等しい。記号は、26.1mmと等しい半径R
sを有する円に沿って配置される。そして、各記号の幅H
sの最大値は2.8mmである。支持体60bは160個の記号を備え、各記号は1ビットの情報をコード化する。記号は連続しており、各記号は、2.25°の弧線長さθ
Sを有する。
【0087】
別の実施形態(図示せず)では、支持体60bは、内半径24.7mm及び外半径27.5mmの環形を有する。支持体60bの平均半径Rは、26.1mmと等しい。記号は、26.1mmと等しい半径R
sを有する円に沿って配置される。そして、各記号の幅H
sの最大値は2.8mmである。支持体60bは140個の記号を備え、各記号は1ビットの情報をコード化する。記号は連続しており、各記号は、2.5714°の弧線長さθ
Sを有する。
【0088】
別の実施形態(図示せず)では、支持体60bは、カプセルのZ軸を中心とする、内半径24.7mm及び外半径27.5mmの環形を有する。支持体60bの平均半径Rは、26.1mmと等しい。記号は、26.1mmと等しい半径R
sを有する円に沿って配置される。そして、各記号の幅H
sの最大値は2.8mmである。支持体60bは112個の記号を備え、各記号は1ビットの情報をコード化する。記号は連続しており、各記号は、3.2143°の弧線長さθ
Sを有する。
【0089】
各記号は、カプセルがカプセルホルダ内に配置され、上記記号が点Fで光源光線105bと位置合わせされたときに、読取機構100によって測定されるように構成される。より詳細には、各異なる記号は、上記記号の値によって変わる光源光線105aの反射率のレベルを示す。各記号は、光源光線105aの異なる反射及び/又は吸収特性を有する。
【0090】
読取機構100は、コード支持体の照射部分の特性のみを測定するように構成されるため、光源光線がコードに含まれる全ての記号を照射するまで、カプセルが駆動手段によって回転される必要がある。通常、コードを読み取るための速度は、0.1rpmと2000rpmの間とされうる。
【0091】
本発明のコード支持体の反射特性は、定義された実験室条件で決定される。特に、読取機構100によって信頼性をもって読み取られるのに適切なカプセルの実施形態の第1の記号及び第2の記号は、
図6に示される光学台を使用して独立して測定されている。カプセル上の上記記号の拡散反射の角度測定が、
図7(各記号の反射強度)及び
図8(記号間のコントラスト)に示される。
【0092】
以降、第1の記号は第2の記号より反射するものとする。各記号の拡散反射相対強度の測定のための装置が、光源の角度θと光検出器の角度θ’を独立して修正することができるように構築される。検出器は、電動検出器アームに固定された非常に精密な機械的チップに接着されたパワーメータに連結された剥き出しの光ファイバである。全ての測定に関して、光源プレーンと検出器プレーンの間の角度Φは90°と等しい。光源は、波長λ=830nmを有する光を発するレーザダイオードである。
【0093】
図7では、検出器角度θ’(軸200)の関数としてカプセルの記号の相対拡散反射率(軸210)を示す。反射率の基準強度E
REFは、検出器角度を0°に設定し光源角度を5°に設定して、第1の記号について測定される。各記号の相対拡散反射率は、基準強度E
REFに対して計算される。曲線220a、230a、240aはそれぞれ、3つの異なる光源角度θ=0°、5°、10°の第1の記号の相対拡散反射率を示す。曲線220b、230b、240bはそれぞれ、3つの異なる光源角度θ=0°、5°、10°の第2の記号の相対拡散反射率を示す。
【0094】
相対拡散反射率は、3°と6°の間である検出器角度θ’の任意の値、及び0°と10°の間である光源角度θの任意の値について、基準強度E
REFの少なくとも60%を示す。特に、相対拡散反射率は、2.5°と4.4°の間である検出器角度θ’の任意の値、及び0°と10°の間である光源角度θの任意の値について、基準強度E
REFの少なくとも72%を示す。
【0095】
図8では、検出器角度θ’(軸300)の関数として、第1の記号と第2の記号の間の光学コントラスト(軸310)を示す。光学コントラストは、数式(i1−i2)/(i1+i2)によって定義され、ここで、i1、i2は、それぞれ角度θ及びθ’の同じ所与の構成における第1及び第2の記号によって検出器へ反射された強度をそれぞれ表す。曲線320、330、340、350はそれぞれ、4つの異なる光源角度θ=0°、5°、10°、15°の上記光学コントラストを示す。最も低いコントラスト値は、いずれも65%より大きく、したがって、信頼できる信号処理を可能にする。特に、光学コントラストは、2.5°と4.4°の間である検出器角度θ’の任意の値、及び10°と15°の間である光源角度θの任意の値について、80%よりも大きい。特に、光学コントラストは、6°より大きい検出器角度θ’の任意の値、及び0°と15°の間である光源角度θの任意の値について、75%よりも大きい。
【0096】
図9は、
図4の円周断面図で本発明の光学的に読取可能な支持体30の好ましい形態を示す。コード支持体30は、読取可能(外部)側A及び非読取可能(内部)側Bを備える。支持体の読取可能側Aにおいて、支持体は、連続する光反射面
410〜414及び光吸収面
400〜403を備える。光
反射面410〜414は、いくつかの重畳された層を備える基盤構造500によって形成される一方、光
吸収面400〜403は、基板構造上に塗布される光吸収材料の不連続な離散的部分、好ましくはインク層528の離散部分を、局所的な外周領域において基板構造上に重ねることによって形成される。基盤構造は、好ましくはアルミニウム(又はアルミニウムの合金)である金属の、好ましくは一体式の、層510を備え、この層の上に、好ましくはイソシアネート又はポリエステルで作られる透明なポリマ下塗り剤515が塗布される。金属、例えばアルミニウム層の厚さは、カプセルの収容構造(例えば、本体及びリム)内への支持体の成形性に関する決定的要因となりうる。成形性の理由から、アルミニウム層は、40ミクロンと250ミクロンの間であることが好ましく、50ミクロンと150ミクロンの間であることが最も好ましい。これらの範囲内では、アルミニウムの厚さは、特にカプセルがリム上に密着されたガスバリヤを備える場合に、カプセル内の原材料の鮮度を保つためのガスバリヤ特性をもたらすこともできる。
【0097】
コード支持体は、カプセルのリム22及び本体23(
図3a〜3b)を形成するように変形される積層体から形成されうる。そうした場合、積層体は、基盤構造500の組成を有し、カプセルの形成作業(例えば、本体、リム)の前に平坦な構成において光吸収インク部分400〜403が印刷される。したがって、インク部分の印刷は、その後の積層体の変形に効果を及ぼすはずであり、それによりコード化表面の正確な位置決めが可能になる。インクのタイプは、単一成分、複合成分、PVCベース、又はPVC不使用ベースのインクとしてもよい。黒いインクは、反射率が低くまた色インクよりコントラストが高いため、好ましい。しかし、黒インク部分は、好ましくは濃色又は不透明インクである、等価な色インク部分によって置き換えられてもよい。このインクは、例えば、着色顔料の50〜80wt%であってもよい。
【0098】
金属層は、アルミニウムであり、6ミクロンと250ミクロンの間の厚さを有することが好ましい。下塗り剤は、金属(すなわち、アルミニウム)層の粗度を小さくできるようにする。下塗り剤はまた、金属層、特にアルミニウムに対するインクの付着を向上させる。下塗り剤は、光線の拡散を減らすために比較的薄いままでなければならない。好ましくは、下塗り剤の厚さは、0.1ミクロンと5ミクロンの間であることが好ましく、0.1ミクロンと3ミクロンの間であることが最も好ましい。下塗り剤の濃度は、2gsmと3gsmの間であることが好ましく、例えば、約2.5gsmである。
【0099】
必要に応じて、基盤構造は、非読取可能側に追加の層を備えることができ、好ましくは、ポリプロピレン又はポリエチレン等のポリマ層、及びポリマ層520を金属層510に接着するための接着剤層525、又はカプセルのリム上の蓋又は膜の封止を可能にする熱融着ラッカー、又は内部保護ラッカー若しくはニスを備えることができる。定義された支持体は、カプセルの一体部分、例えば、カプセルのフランジ状リム及び本体を形成することができる。
【0100】
図9の形態による好ましい基盤構造は、支持体のB側からA側に向かってそれぞれ、30ミクロンのポリプロピレン層、接着剤、90ミクロンのアルミニウム層、濃度2.5gsmの2ミクロンのポリエステル層、及び1ミクロンの黒インク部分を備える。代替形態では、顔料層は、厚さ5ミクロンで好ましくは濃度5.5gsmのラッカーにより置き換えられ、5%(wt)の金属顔料を含む。
【0101】
図10は、本発明のコード支持体30の別の形態に関する。この場合、基盤構造は、
図9の下塗り剤515と置き換えられたラッカー530を備える。このラッカーは、アルミニウム、銀、若しくは銅の顔料等の金属顔料535を埋め込んだポリマ層である。ラッカーの厚さは、
図9の下塗り剤515よりいくらか厚く、3ミクロンと8ミクロンの間であることが好ましく、5ミクロンと8ミクロンの間であることが最も好ましい。金属顔料は、ポリマの厚さの増大によって、金属層の反射率の減少を補償することを可能にする。ラッカーはまた、金属層の粗度を小さくする。金属顔料のラッカーに対する比は、少なくとも1重量%であることが好ましく、2重量%と10重量%の間であることがより好ましい。
【0102】
図11は、本発明のコード支持体30の別の形態に関する。この場合、基盤構造500は、鏡面610〜615及び粗面600〜604を有する金属及び/又はポリマ層540を備える。鏡面610〜615は、5ミクロン未満、好ましくは0.2ミクロンと2ミクロンの間の粗度Rzを実現することによって得ることができる。光吸収面600〜604は、2ミクロンより大きい、より好ましくは5ミクロンより大きい粗度Rzを有する粗面部分を形成することによって得られる。例えば、鏡面は、金属顔料545を含むポリエステル又はイソシアナート等のポリマ層540に形成される。基盤構造の粗面は、研磨、ショットブラスト、ミリング、レーザ彫刻、化学的侵食、及びこれらの組合せ等の任意の適切な技術によって得ることができる。ポリマ層540における顔料の比は、少なくとも5重量%とすることができ、好ましくは10重量%と30重量%の間である。好ましくはアルミニウム等の金属層である支持層510が提供されうる。層510及び540は、単一の金属層又はポリマ層によって置き換えられてもよいことに留意されたい。
【0103】
本発明では、特定の金属に対する言及は、かかる金属が重量として主要な成分を表すかかる金属の可能な合金を包含し、例えば、アルミニウムはアルミニウムの合金を包含する。
【実施例】
【0104】
一体化されたコード支持体を備えるカプセルが、信号(ビット1/ビット0)の反射率のレベルを評価するために試験された。
図2a及び2bの装置の単純化された構成で試験が行われた。この構成では、カプセルホルダ32は、除去され、カプセルのリムを保持する透明な取付け板で置き換えられ、光線用の開放空気通路が設けられた。送信経路と受信経路の間の角度は、8度であり、法線軸Nの各側で4°ずつ分配された。
【0105】
実施例1−着色ラッカーを有する基盤構造による光反射面、及び上側インク部分による光吸収面を用いた検出可能コード
支持体は、5ミクロン及び5.5gsmのアルミニウム顔料ラッカーで塗布された30ミクロンのアルミニウムから形成された反射基盤構造を備えた。吸収面は、Siegwerkで販売された1ミクロンの黒PVCインクの層から形成された。反射面は、基盤構造(ビット1)によって作成され、吸収面(ビット0)は、黒インク部分によって作成された。反射面(ビット1)について測定された最大反射率は、2.68%であった。ビット1に対する広がりは、1.32%であった。吸収面(ビット0)について測定された最小反射率は、0.73%であった。ビット0に対する広がりは、0.48%であった。結果は、
図12にグラフで示される。
【0106】
実施例2−無色下塗り剤を有する基盤構造による光反射面、及び上側インク部分による光吸収面を用いた検出可能コード
反射面を形成する基盤構造と吸収面を形成するインク部分とを備える光学読取支持体を備える空のカプセルに対して、反射率測定が行われた。この場合、基板構造は、B側からA側(読取可能)に向かってそれぞれ、30ミクロンのポリプロピレン層、接着剤、90ミクロンのアルミニウム層、2ミクロン及び2.5gsm(濃度)のポリエステル下塗り剤を備える。Siegwerkで販売された1ミクロンの黒インクの不連続なビット部分が、下塗り剤の表面上に印刷された。支持体は、インク印刷後にカプセルの本体内への深絞り成形によって形成された。したがって、反射面は、基盤構造(ビット1)によって作成され、吸収面(ビット0)は、黒インク部分によって作成された。支持体の反射率が測定された。結果は、
図13にグラフで示される。反射面(ビット1)について測定された最大反射率は、5.71%であった。ビット1に対する広がりは、1.49%であった。吸収面(ビット0)について測定された最小反射率は、0.87%であった。ビット0に対する広がりは、0.47%であった。
【0107】
実施例3−基盤構造による光吸収面、及び上側インク部分による光反射面を用いた非検出可能コード
吸収面を形成する基盤構造と反射面を形成するインク部分とを備える光学読取支持体を備える空のカプセルに対して、反射率測定が行われた。この場合、アルミニウム支持層が、5ミクロンの厚さの連続的な艶消し黒色ラッカーで覆われた。反射面は、25重量%より多い光反射銀顔料を含む1ミクロンの厚さを有するインクの離散部分によって作成された。驚くべきことに、信号は、ビット1とビット2の間で十分に区別可能でなかった。結果は、
図14にグラフで示される。反射面(ビット1)について測定された最大反射率は、0.93%であった。反射面(ビット1)について測定された最小反射率は、0.53%であった。吸収面(ビット0)について測定された最小反射率は、0.21%であった。ビット0に対する広がりは、0.23%であった。