(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記把手は、前記容器本体の相対する側面に前記ヒンジ部を介して上下方向に回動自在に支持された一対のアーム部と、前記一対のアーム部の間を連結するアーチ部とを有するハンドルであることを特徴とする請求項4に記載の携帯型飲料容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、携帯型飲料容器では、上述した容器本体の側面にヒンジ部を介して回動自在に支持される把手を容器本体に対して着脱自在に取り付ける構造(以下、着脱式把手のヒンジ構造という。)とすることで、更なる利便性の向上を図ることが可能である。
【0005】
例えば、携帯型飲料容器に着脱式把手のヒンジ構造を採用した場合、容器本体から把手を取り外して洗浄を行ったり、把手を交換したりすることができるため、非常に便利である。
【0006】
しかしながら、従来の携帯型飲料容器では、容器本体から把手が着脱しづらい構造であったり、ヒンジ部等が洗浄しづらい構造であったりするため、使い勝手の面で不便を感じることがあった。
【0007】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、更なる利便性の向上を可能とした着脱式把手のヒンジ構造、並びにそのような着脱式把手のヒンジ構造を有する携帯型飲料容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 容器本体の側面にヒンジ部を介して回動自在に支持される把手を前記容器本体に対して着脱自在に取り付ける着脱式把手のヒンジ構造であって、
前記ヒンジ部は、前記容器本体の側面から突出された支軸と、
前記支軸の先端から拡径方向に突出された抜け止め部と、
前記把手に設けられて、前記支軸及び前記抜け止め部をスライド自在に案内するガイド孔と、
前記ガイド孔のスライド方向の一方側に位置して前記抜け止め部の回動を規制する回動規制部と、
前記ガイド孔のスライド方向の他方側に位置して前記抜け止め部を回動自在に案内する回動案内部とを有し、
前記ガイド孔の内側に進入した前記抜け止め部及び前記支軸を前記ガイド孔の他方側に位置させることによって、前記把手を回動させたときに前記抜け止め部が前記ガイド孔から抜け止めされた状態となる
と共に、
前記抜け止め部は、平面視で楕円形状を有し、
前記回動案内部は、前記抜け止め部の回動範囲に合わせて平面視で円形状に切り欠かれた凹部であり、
前記回動規制部は、前記凹部との境界において前記抜け止め部と当接される一対の当接部であり、
前記ガイド孔の一方側から前記抜け止め部及び前記支軸を前記ガイド孔の内側に進入させた状態から前記把手を回動させたときに、前記抜け止め部が前記一対の当接部と当接しながら前記凹部の内側へと進入すると共に、前記支軸が前記ガイド孔の一方側から他方側へとスライドすることによって、前記抜け止め部が前記ガイド孔から抜け止めされた状態となることを特徴とする着脱式把手のヒンジ構造。
〔
2〕 前記ヒンジ部は、前記容器本体の側面から突出されたガイド凸部と、
前記把手の前記ガイド凸部と対向する面に前記ガイド凸部を前記把手の回動方向に所定の角度範囲で案内するガイド凹部と、
前記ガイド凹部の前記回動方向の一端側と他端側との少なくとも一方側において、前記ガイド凸部と当接される規制凸部とを有し、
前記ガイド凸部が前記規制凸部に当接されることによって、前記把手の回動が規制されると共に、前記ガイド凸部が前記規制凸部を乗り越えることによって、前記角度範囲を超えて前記把手が回動されることを特徴とする前記〔1
〕に記載の着脱式把手のヒンジ構造。
〔
3〕 前記把手は、前記ガイド孔の前記抜け止め部及び前記支軸が進入する側とは反対側に着脱自在に取り付けられるカバー部材を有し、
前記カバー部材は、前記支軸の先端に設けられた軸穴に係合される軸ピンを有して、前記ガイド孔に沿った方向にスライド自在に取り付けられていることを特徴とする前記〔1〕
又は〔2〕に記載の着脱式把手のヒンジ構造。
〔
4〕 容器本体と、
前記容器本体の側面にヒンジ部を介して回動自在に支持される把手とを備え、
前記〔1〕〜〔
3〕の何れか一項に記載の着脱式把手のヒンジ構造を有して、前記容器本体に対して前記把手が着脱自在に取り付けられていることを特徴とする携帯型飲料容器。
〔
5〕 前記把手は、前記容器本体の相対する側面に前記ヒンジ部を介して上下方向に回動自在に支持された一対のアーム部と、前記一対のアーム部の間を連結するアーチ部とを有するハンドルであることを特徴とする前記〔
4〕に記載の携帯型飲料容器。
〔
6〕 前記把手は、前記容器本体の相対する側面において前記ヒンジ部を介して上下方向に回動自在に支持された可撓性のストラップであることを特徴とする前記〔
4〕に記載の携帯型飲料容器。
〔
7〕 前記容器本体の上部開口部を閉塞するキャップユニットを備え、
前記キャップユニットには、飲み口が開閉自在に設けられていることを特徴とする前記〔
4〕〜〔
6〕の何れか一項に記載の携帯型飲料容器。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、更なる利便性の向上を可能とした着脱式把手のヒンジ構造、並びにそのような着脱式把手のヒンジ構造を有する携帯型飲料容器を提供することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(携帯型飲料容器)
本発明の一実施形態として、例えば
図1に示す携帯型飲料容器1について説明する。なお、
図1は、携帯型飲料容器1の外観を示す斜視図である。また、
図1中の囲み部分には、線分A−A’による携帯型飲料容器100の要部断面図を示す。
【0012】
本実施形態の携帯型飲料容器100は、比較的サイズ(容量)が大きい保冷機能を有したタイプであり、その内容量は約2Lである。なお、比較的サイズ(容量)が大きい携帯型飲料容器としては、例えば1〜3L程度のものを挙げることができる。
【0013】
携帯型飲料容器100は、
図1に示すように、容器本体101と、キャップユニット102とを備えている。容器本体101は、真空断熱構造を有している。
【0014】
具体的に、この容器本体101は、例えばステンレス等からなる有底筒状の外容器101a及び内容器101bを有し、外容器101aの内側に内容器101bを収容した状態で互いの口元部を接合した二重構造の容器により構成されている。また、外容器101aと内容器101bとの間には、真空断熱層101cが設けられている。真空断熱層101cは、例えば、高真空に減圧(真空引き)されたチャンバー内で、外容器101aの底面中央部に設けられた脱気孔を塞ぐことによって形成することができる。なお、容器本体101の外周面には、塗装や印刷等が施されていてもよい。
【0015】
携帯型飲料容器100は、このような真空断熱構造を有する容器本体101によって、容器本体101に収容された飲料(内容物)を保冷することが可能となっている。なお、携帯型飲料容器の中には、真空断熱構造を有する容器本体によって、保冷機能の他にも、保温機能を持たせたものがある。
【0016】
容器本体101は、円筒状の胴部101dを有し、この胴部101dの軸方向の一端(下端)側に底部材103と、他端(上端)側に肩部材104とが取り付けられた補強構造を有している。底部材103は、容器本体101の底部を被覆した状態で設けられている。肩部材104は、容器本体101の胴部101dの上端から上方に向かって漸次縮径された肩部と、肩部の上端から筒状に起立した口頸部とを被覆した状態で設けられている。
【0017】
容器本体101には、ヒンジ部105を介してハンドル(把手)106が取り付けられている。ハンドル106は、肩部材104の相対する側面にヒンジ部105を介して上下方向に回動自在に支持された一対のアーム部106aと、一対のアーム部106aの間を連結するアーチ部106bとを有している。また、アーチ部106bには、滑り止めとなるグリップ部106cが設けられている。
【0018】
なお、上述した容器本体101に取り付けられる底部材103、肩部材104及びハンドル106には、耐熱性を有し、高強度且つ軽量な合成樹脂材料として、例えばポリプロピレン(PP)などが用いられている。また、グリップ部106cには、例えばエラストマーなどが用いられている。
【0019】
キャップユニット102は、容器本体101の上部開口部101eを閉塞するものであり、容器本体101の口頸部(肩部材104)に螺合により取り付けられている。また、キャップユニット102の内側には、止水パッキン(図示せず。)が着脱自在に取り付けられている。止水パッキンは、容器本体101とキャップユニット102との間を密閉するリング状のシール部材である。なお、止水パッキンには、例えばシリコーンゴム等の耐熱性を有するゴムやエラストマーなどが用いられている。
【0020】
キャップユニット102の上部には、略円筒状の飲み口(図示せず。)を開閉する蓋107がヒンジ部を介して回動自在に取り付けられている。蓋107は、ヒンジ部に設けられたバネ部材によって開方向に付勢されている。キャップユニット102には、蓋107が飲み口を閉塞する位置にて蓋107を固定する蓋ロック機構108が設けられている。
【0021】
蓋ロック機構108では、押ボタン108aを押圧操作することによって、蓋107のロック状態を解除し、バネ部材の付勢により蓋107を開方向に回動させることが可能となっている。また、蓋ロック機構108には、押ボタン108aの押圧操作を規制する位置と、この規制を解除する位置との間でスライドするストッパー108bが設けられている。これにより、蓋ロック機構108では、押ボタン108aの不要な操作により蓋107が開くことを防ぐことが可能となっている。
【0022】
蓋107の内側には、蓋パッキン(図示せず。)が着脱自在に取り付けられている。蓋パッキンは、飲み口と蓋107との間を密閉する栓状のシール部材である。なお、蓋パッキンには、止水パッキンと同じ材質のものが用いられている。
【0023】
なお、キャップユニット102としては、上述した飲み口が設けられた形態に限らず、中栓及びコップが設けられた形態であってもよい。また、キャップユニット102には、上述した容器本体101に取り付けられる底部材103、肩部材104及びハンドル106と同様の合成樹脂材料が用いられている。
【0024】
本実施形態の携帯型飲料容器100は、上述した容器本体101の側面にヒンジ部105を介して回動自在に支持されるハンドル(把手)106を容器本体101に対して着脱自在に取り付ける着脱式把手のヒンジ構造を有している。
【0025】
(着脱式把手のヒンジ構造)
以下、本実施形態の着脱式把手のヒンジ構造について、
図2〜
図16を参照しながら具体的に説明する。
【0026】
なお、
図2は、携帯型飲料容器100が備えるヒンジ部105の容器本体101側の構成を示し、(a)はその側面図、(b)はその平面図、(c)はその断面図である。
図3は、携帯型飲料容器100が備えるヒンジ部105のハンドル106側の構成を示し、(a)はその外側から見た側面図、(b)はその内側から見た側面図、(c)はその断面図である。
【0027】
また、
図4〜
図6は、携帯型飲料容器100が備えるハンドル106の回動動作を説明するための図であり、
図4は、ハンドル106が着脱位置にあるときのヒンジ部105を拡大して示す側面図である。
図5は、ハンドル106が抜け止め位置にあるときのヒンジ部105を拡大して示す側面図である。
図6は、ハンドル106を着脱位置から抜け止め位置へと回動させたときのヒンジ部105を拡大して示す側面図である。
【0028】
また、
図7〜
図12は、携帯型飲料容器100が備えるハンドル106の回動動作を説明するための図であり、
図7は、ハンドル106の回動が回動方向の一方側で規制された状態を示す側面図である。
図8は、
図7中に示すヒンジ部105を拡大して示す側面図である。
図9は、ハンドル106の回動が回動方向の他方側で規制された状態を示す側面図である。
図10は、
図9中に示すヒンジ部105を拡大して示す側面図である。
図11は、ハンドル106が回動方向の一端側に位置する状態を示す側面図である。
図12は、ハンドル106が回動方向の他端側に位置する状態を示す側面図である。
【0029】
図13は、カバー部材10の構成を示し、(a)はその裏面側から見た平面図、(b)はその表面側から見た平面図、(c)はその断面図、(d)はその先端側から見た側面図である。
図14は、カバー部材10がスライド方向の一方側に位置する状態を示す断面図である。
図15は、カバー部材10がスライド方向の他方側に位置する状態を示す断面図である。
図16は、カバー部材10のスライド動作を説明するための図であり、(a)はハンドル106が着脱位置にあるときの側面図、(b)はハンドル106が中間位置にあるときの側面図、(c)はハンドル106が抜け止め位置にあるときの側面図である。
【0030】
本実施形態の着脱式把手のヒンジ構造は、
図2(a)〜(c)に示すヒンジ部105の容器本体101側において、容器本体101(肩部材104)の側面から突出された支軸1と、支軸1の先端から拡径方向に突出された抜け止め部2とを有している。
【0031】
支軸1は、肩部材104の相対する側面から円柱状に突出して設けられている。支軸1の先端の中央部には、平面視で円形状の軸穴3が設けられている。
【0032】
抜け止め部2は、平面視で楕円形状を有して、支軸1の先端から拡径方向に突出して設けられている。また、抜け止め部2の中心は、支軸1の中心と一致している。抜け止め部2の長径(長軸方向の長さ)は、支軸1の外径よりも大きくなっている。一方、抜け止め部2の短径(短軸方向の長さ)は、支軸1の外径とほぼ一致している。
【0033】
本実施形態の着脱式把手のヒンジ構造は、
図3(a)〜(c)に示すヒンジ部105のハンドル106側において、支軸1及び抜け止め部2をスライド自在に案内するガイド孔4と、ガイド孔4のスライド方向の一方側に位置して抜け止め部2の回動を規制する回動規制部5と、ガイド孔4のスライド方向の他方側に位置して抜け止め部2を回動自在に案内する回動案内部6とを有している。
【0034】
ガイド孔4は、ハンドル106(一対のアーム部106a)のヒンジ部105を構成する位置において、このハンドル106を厚み方向に貫通した長孔である。ガイド孔4は、ハンドル106の長手方向(長さ方向)に沿って直線状に設けられている。また、ガイド孔4の幅は、支軸1の外径及び抜け止め部2の短径よりも大きく、且つ、抜け止め部2の長径よりも小さくなっている。これにより、ガイド孔4の内側に進入した抜け止め部2及び支軸1は、このガイド孔4の長手方向に沿ってスライド自在に案内される。
【0035】
回動案内部6は、ハンドル106(一対のアーム部106a)のヒンジ部105を構成する位置において、ガイド孔4の抜け止め部2及び支軸1が進入する側(一対のアーム部106aの内面)とは反対側(一対のアーム部106aの外面)に設けられた凹部である(以下、凹部6と示す場合がある。)。具体的に、この回動案内部6は、抜け止め部2の回動範囲に合わせて、平面視で円形状に切り欠かれた凹部6を形成している。また、凹部6の内径は、抜け止め部2の長径よりも僅かに大きくなっている。
【0036】
回動規制部5は、凹部6との境界において抜け止め部2と当接される一対の当接部である(以下、当接部5と示す場合がある。)。一対の当接部5の間隔は、ガイド孔4の幅とほぼ一致している。
【0037】
本実施形態の着脱式把手のヒンジ構造では、
図4に示すように、ハンドル106が水平方向の一方側(
図4中の左側)に位置するとき(以下、この位置のことを着脱位置という。)、ハンドル106の一対のアーム部106aの間を広げながら、ガイド孔4の内側に抜け止め部2及び支軸1を進入させたり、ガイド孔4の内側から抜け止め部2及び支軸1を抜き出したりすることができる。
【0038】
一方、本実施形態の着脱式把手のヒンジ構造では、
図5に示すように、ガイド孔4の内側に進入した抜け止め部2及び支軸1がガイド孔4の他方側に90°回動するするとき(以下、この位置のことを抜け止め位置という。)、ハンドル106を回動させたときに抜け止め部2が凹部6内でスムーズに回転しながら、ガイド孔4から抜け止めされた状態となる。
【0039】
また、本実施形態の着脱式把手のヒンジ構造では、
図4に示す着脱位置から、
図6に示すように、ハンドル106を上方に向けて回動させる。このとき、支軸1がガイド孔4の抜け止め位置よりも手前に位置していても、支軸1の中心が一対の当接部5の先端を結ぶ線よりも抜け止め位置側に位置することで、当接部5に抜け止め部2が当接しながら、この抜け止め部2に凹部6の内側へと進入しようとする力が発生し、支軸1がガイド孔4の抜け止め位置へと導かれる。
【0040】
これにより、
図6に示す状態から更に、ハンドル106を上方に向けて回動させることによって、
図5に示すように、抜け止め部2が凹部6の内側へと進入すると共に、支軸1がガイド孔4の一方側から他方側へとスライドする。これにより、抜け止め部2がガイド孔4から抜け止めされた状態となる。
【0041】
一方、本実施形態の着脱式把手のヒンジ構造では、上述したハンドル106を着脱位置から抜け止め位置まで回動させる動作とは逆の回動動作によって、ハンドル106を再び抜け止め位置から着脱位置へと戻すことが可能である。
【0042】
本実施形態の着脱式把手のヒンジ構造は、
図2(a)〜(c)に示すヒンジ部105の容器本体101側において、容器本体101(肩部材104)の側面から突出されたガイド凸部7を有している。ガイド凸部7は、支軸1の下方に位置して、支軸1よりも小さい外径且つ支軸1よりも低い高さで円柱状に突出して設けられている。
【0043】
本実施形態の着脱式把手のヒンジ構造は、
図3(a)〜(c)に示すヒンジ部105のハンドル106側において、抜け止め位置にあるとき、ガイド凸部7をハンドル106の回動方向に所定の角度範囲で案内するガイド凹部8と、ガイド凸部7と当接される規制凸部9とを有している。
【0044】
ガイド凹部8は、ガイド凸部7の回動範囲に合わせて、ガイド凸部7と対向する面(一対のアーム部106aの内面)を平面視で円形状に切り欠かくように設けられている。
【0045】
規制凸部9は、ガイド凹部8の回動方向の一端側と他端側とに位置して、ガイド凹部8の底面からガイド凹部8の深さよりも小さい高さで突出して設けられている。また、規制凸部9は、ガイド凹部8のガイド孔4を挟んだ両側に位置している。
【0046】
本実施形態の着脱式把手のヒンジ構造では、
図8に示すように、ガイド凸部7が一方の規制凸部9に当接されることによって、ハンドル106の回動が規制される。これにより、携帯型飲料容器100では、
図7に示すように、ハンドル106が回動方向の一方側(
図7中の左回り)へと回動したときに、このハンドル106が容器本体101に接触する手前で回動を停止させることができる。
【0047】
同様に、本実施形態の着脱式把手のヒンジ構造では、
図10に示すように、ガイド凸部7が他方の規制凸部9に当接されることによって、ハンドル106の回動が規制される。これにより、携帯型飲料容器100では、
図9に示すように、ハンドル106が回動方向の他方側(
図9中の右回り)へと回動したときに、このハンドル106が容器本体101に接触する手間で回動を停止させることができる。
【0048】
したがって、本実施形態の携帯型飲料容器100では、容器本体101を縦置きしたときに、重力によってハンドル106が下方に向かって回動したときでも、容器本体101に接触する手前でハンドル106の回動が停止されるため、容器本体101にハンドル106が衝突することを防ぐことができる。
【0049】
さらに、本実施形態の着脱式把手のヒンジ構造では、
図8に示す状態から、ガイド凸部7が一方の規制凸部9を乗り越える(このときクリック感を付与することができる。)ことによって、一方の規制凸部9で規制された角度範囲を超えてハンドル106を回動させることができる。これにより、携帯型飲料容器100では、
図11に示すように、ハンドル106を回動方向の一方側(
図11中の左回り)に回動させながら、このハンドル106を容器本体101に接触する位置まで回動させることが可能である。
【0050】
同様に、本実施形態の着脱式把手のヒンジ構造では、
図10に示す状態から、ガイド凸部7が他方の規制凸部9を乗り越える(このときクリック感を付与することができる。)ことによって、他方の規制凸部9で規制された角度範囲を超えてハンドル106を回動させることができる。これにより、携帯型飲料容器100では、
図12に示すように、ハンドル106を回動方向の他方側(
図12中の右回り)に回動させながら、このハンドル106を容器本体101に接触する位置まで回動させることが可能である。
【0051】
本実施形態の携帯型飲料容器100では、容器本体101に収容された飲料を飲む際に、容器本体101を両手で掴んだ状態で、キャップユニット102の飲み口に口を当てながら、容器本体101を傾ける。このとき、
図11及び
図12に示す位置でハンドル106の回動が規制されるため、ハンドル106が邪魔になることなく、容器本体101を両手で掴んだ状態のまま、容器本体101を安心して傾けることができる。また、ハンドル106を直接持たなくても、重力によってハンドル106が容器本体101から垂れ下がった状態となることがない。
【0052】
本実施形態の着脱式把手のヒンジ構造は、
図13(a)〜(d)に示すように、一対のアーム部106aの外面に着脱自在に取り付けられるカバー部材10を有している。
【0053】
カバー部材10は、基端側が略長方形を為す部分と、先端側が略半円形を為す部分とを有して、全体として偏平平板状に形成されている。なお、カバー部材10には、ハンドル106と同じ材質のものが用いられている。
【0054】
カバー部材10の裏面には、平面視で円形状の軸ピン11が突出して設けられている。軸ピン11は、カバー部材10の略半円形を為す部分の中心に位置している。
【0055】
また、カバー部材10の裏面には、互いに平行となる一対のガイドレール12が突出して設けられている。一対のガイドレール12は、カバー部材10の略長方形を為す部分に位置している。また、一対のガイドレール12は、カバー部材10の長手方向(長さ方向)に沿って互いに並行に並んで設けられている。さらに、一対のガイドレール12の先端には、互いに外側に向かって突出したフック部12aが設けられている。
【0056】
また、カバー部材10の裏面には、第1の爪部13と、先端に第2の爪部14を有するストッパー15とがそれぞれ突出して設けられている。第1の爪部13は、カバー部材10の略半円形を為す部分の先端側に位置している。また、第1の爪部13の先端は、カバー部材10の先端よりも外側に突出している。
【0057】
ストッパー15は、カバー部材10の略長方形を為す部分と略半円形を為す部分との間から突出され、平面視で一対のガイドレール12の間に位置するように、カバー部材10の長さ方向に一定の幅で延長して設けられている。また、ストッパー15は、軸ピン11及び一対のガイドレール12よりも突出した位置にある。ストッパー15の先端には、第2の爪部14が突出して設けられている。
【0058】
カバー部材10の表面には、このカバー部材10をスライド操作する際の滑り止めとなる滑り止め部16が設けられている。滑り止め部16は、カバー部材10の短手方向(幅方向)に延長された複数の溝部16aがカバー部材10の長さ方向に並んで設けられている。
【0059】
なお、滑り止め部16については、このような複数の溝部16a(凹部)を設けた構成に限らず、複数の溝部16aの代わりに、複数の突条部(凸部)を設けた構成や、エラストマーなどの滑り止め部材を設けた構成とすることも可能である。
【0060】
アーム部106aの外面には、
図3(a)〜(c)に示すように、カバー部材10の形状に合わせて、カバー部材10の厚み分だけ切りかかれたスライド凹部17が設けられている。また、スライド凹部17は、平面視でカバー部材10よりも長い略長方形を為す部分を有している。これにより、スライド凹部17の内側に嵌め込まれたカバー部材10をスライド凹部17の長手方向にスライドさせることが可能となっている。
【0061】
スライド凹部17の底面には、一対のガイドレール12がスライドする範囲で、アーム部106aを厚み方向に貫通した長孔18が設けられている。長孔18の一対のガイドレール12と対向する側面には、フック部12aが係合されるリブ19が長孔18の長手方向に亘って設けられている。
【0062】
カバー部材10は、スライド凹部17の内側に嵌め込まれた状態で、一対のガイドレール12のフック部12aをリブ19に係合させることによって、アーム部106aの外面にスライド自在に取り付けることが可能となっている。逆に、カバー部材10は、上述したフック部12aとリブ19との係合を解除することによって、アーム部106aの外面から取り外すことが可能である。
【0063】
スライド凹部17の先端側には、第1の爪部13が係止される第1の被係止部20が設けられている。第1の被係止部20は、スライド凹部17の先端側を残して、アーム部106aを厚み方向に切り欠く溝部によって形成されている。
【0064】
長孔18の内側には、ストッパー15の第2の爪部14が係止される第2の被係止部21が設けられている。第2の被係止部21は、長孔18の基端側の側面から長孔18の長手方向に延長して設けられている。第2の被係止部21のストッパー15と対向する面には、第2の爪部14が係止される第1の係止凹部21a及び第2の係止凹部21bが設けられている。
【0065】
カバー部材10は、
図14に示すように、スライド凹部17の内側に嵌め込まれた状態で、第1の係止凹部21aに第2の爪部14が係止されることによって、スライド方向の一端側(アーム部106aの基端側)に位置して固定される。また、
図14に示す位置では、スライド凹部17の内側に嵌め込まれたカバー部材10をアーム部106aから取り外すことが可能となっている。さらに、
図14に示す位置では、カバー部材10をアーム部106aに取り付けたまま、ハンドル106を容器本体101から取り外すことも可能である。
【0066】
一方、カバー部材10は、
図15に示すように、スライド凹部17の内側に嵌め込まれた状態で、第2の係止凹部21bに第2の爪部14が係止されることによって、スライド方向の他端側(アーム部106aの先端側)に位置して固定される。また、
図15に示す位置では、第1の被係止部20に第1の爪部13が係止されることによって、スライド凹部17の内側に嵌め込まれたカバー部材10を取り外すことが不可能となっている。さらに、
図15に示す位置では、ハンドル106を容器本体101から取り外すことも不可能となっている。
【0067】
カバー部材10は、
図14及び
図15に示すように、第1の係止凹部21aと第2の係止凹部21bとの間を乗り越えることによって、スライド凹部17の一端側と他端側との間でスライドさせることが可能である。
【0068】
本実施形態の着脱式把手のヒンジ構造では、軸穴3に軸ピン11が係合された状態で、カバー部材10がスライド凹部17の内側に嵌め込まれている。この場合、ハンドル106が着脱位置にあるとき、
図16(a)に示すように、スライド凹部17の内側に嵌め込まれたカバー部材10は、スライド方向の一端側(アーム部106aの基端側)に位置している。
【0069】
この状態から、
図16(b)に示すように、ハンドル106を上方に向けて回動させることによって、上述した抜け止め部2が凹部6の内側へと進入するため、スライド凹部17の内側に嵌め込まれたカバー部材10は、スライド方向の他端側(アーム部106aの先端側)に向かってスライドする。
【0070】
更に、この状態から、
図16(c)に示すように、ハンドル106を抜け止め位置まで回動させることによって、スライド凹部17の内側に嵌め込まれたカバー部材10は、スライド方向の他端側(アーム部106aの先端側)までスライドする。
【0071】
一方、本実施形態の着脱式把手のヒンジ構造では、上述した
図16(a)〜(c)示すハンドル106の回動動作とは逆の動作によって、スライド凹部17の内側に嵌め込まれたカバー部材10をスライド方向の他端側(アーム部106aの先端側)から一端側(アーム部106aの基端側)へとスライドさせることが可能である。
【0072】
以上のように、本実施形態の着脱式把手のヒンジ構造では、容器本体101に対するハンドル106の着脱を容易に行うことが可能である。また、カバー部材10を含めてヒンジ部105を分解できるため、ヒンジ部105が洗浄し易い構造となっている。したがって、このような着脱式把手のヒンジ構造を採用した携帯型飲料容器100では、更なる利便性の向上を図ることが可能である。
【0073】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記携帯型飲料容器100については、上述した外観形状を有したものに限定されるものではなく、そのサイズや機能、デザイン等に合わせて、適宜変更を加えることが可能である。また、容器本体101は、上述した真空断熱構造を有するものに限らず、本実施形形態の着脱式把手のヒンジ構造が適用可能なものであればよい。
【0074】
また、上記携帯型飲料容器100は、把手として、上記ハンドル106の代わりに、可撓性のストラップがヒンジ部105を介して容器本体101の側面に着脱自在に取り付けられた構成とすることも可能である。この場合、ハンドル106とストラップとを付け替えて使用することも可能である。
【解決手段】容器本体101の側面にヒンジ部105を介して回動自在に支持される把手106を容器本体101に対して着脱自在に取り付ける着脱式把手のヒンジ構造であって、ヒンジ部105は、容器本体101の側面から突出された支軸1と、支軸1の先端から拡径方向に突出された抜け止め部2と、把手106に設けられて、支軸1及び抜け止め部2をスライド自在に案内するガイド孔4と、ガイド孔4のスライド方向の一方側に位置して抜け止め部2の回動を規制する回動規制部5と、ガイド孔4のスライド方向の他方側に位置して抜け止め部2を回動自在に案内する回動案内部6とを有し、ガイド孔4の内側に進入した抜け止め部2及び支軸1をガイド孔4の他方側に位置させることによって、把手106を回動させたときに抜け止め部2がガイド孔4から抜け止めされた状態となる。