(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記第1の電極パターンは、隣り合う2つの圧力センシング素子の間に延伸され、上記2つの隣り合う圧力センシング素子は、上記第1の電極パターン、及び、2つの対応する第1の導電性構造物を通じて電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧力アレイセンサモジュール。
上記第2の電極パターンは、隣り合う2つの圧力センシング素子の間に延伸され、上記2つの隣り合う圧力センシング素子は、上記第2の電極パターン、及び、2つの対応する第2の導電性構造物を通じて電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧力アレイセンサモジュール。
上記圧力センシング素子の上記上部電極層は、上記第1の導電性構造物、及び、上記第3の導電性構造物を通じて、上記第1の電極パターン、及び、上記第3の電極パターンの間にそれぞれ直列接続されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の圧力アレイセンサモジュール。
上記圧力センシング素子の上記下部電極層は、上記第2の導電性構造物、及び、上記第4の導電性構造物を通じて、上記第2の電極パターン、及び、上記第4の電極パターンの間にそれぞれ直列接続されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の圧力アレイセンサモジュール。
【発明を実施するための形態】
【0014】
開示内容を詳細に説明するために、いくつかの実施形態が以下に開示される。しかしながら、実施形態は、例示的かつ説明的な目的のためのものであり、発明の保護範囲を制限するためのものではない。
【0015】
〔第1の実施形態〕
図1Aおよび
図1Bを参照すると、
図1Aは、一実施形態に係る圧力アレイセンサモジュール100の概略図である。
図1Bは、圧力センシング素子120の構造分解図である。
【0016】
一実施形態において、圧力アレイセンサモジュール100は、アレイ電極板110、複数の圧力センシング素子120(1つの圧力センシング素子だけを図示)、第1の導電性構造物131、および、第2の導電性構造物132を含んでいる。各圧力センシング素子120は、第1の導電性構造物131、および、第2の導電性構造物132を通じて、アレイ電極板110に電気的に接続可能である。
【0017】
図1Aに示されるように、アレイ電極板110は、基板112およびアレイ電極113を含んでいる。アレイ電極113は、基板112の一方の面または両面に配置され、スクリーン印刷処理を使用することによって、アレイ電極のパターンが基板112に印刷される。アレイ電極113はいくつかの電極パターン114〜117を有し、それらの回路レイアウトは顧客仕様の要件に基づく。基板112は柔軟性のある絶縁フィルムであってもよく、または、印刷された回路のボードであってもよい。そして、アレイ電極113は、各検出位置111の周囲に配置される。
【0018】
一実施形態において、アレイ電極113が基板112の両面に配置される場合に、各面における検出位置111はアレイ電極113の位置の変化に応じて調整可能である。これにより、両面における検出位置111は交互交替的にずれて配置され得る。従って、検出密度を増加させる(すなわち、単位面積当たりの素子の質を増加させる)ために、より多くの圧力センシング素子120がアレイ電極板110に配置可能である。
【0019】
図1Aにおいて、圧力センシング素子120は、アレイ電極板110の検出位置111(6つの検出位置111が例示されている)に、すなわち、電極パターンによって定義された空白の位置に配置される。圧力センシング素子120は、独立した素子である。電極パターンの設計が顧客仕様の要件に応じて調整される場合にも、独立して製造された圧力センシング素子120は、電極パターンによって定義された検出位置111に配置可能である。従って、各圧力センシング素子120の配置の位置および密度は、顧客仕様の要件に応じて容易に変更可能であり、このために、スクリーンを再製造する必要はなく、または、検出素子にスクリーン印刷処理を実行する必要はない。
【0020】
図1Aにおいて、アレイ電極113は、第1の電極パターン114、第2の電極パターン115、第3の電極パターン116、および、第4の電極パターン117を含んでいる。第1の電極パターン114は、対応する位置にある2つの圧力センシング素子120を通電させる金属線として、2つの検出位置111の間に延設される。同様に、第2の電極パターン115は、対応する位置にある2つの圧力センシング素子120を通電させる金属線として、2つの検出位置111の間に延設される。第1の電極パターン114および第2の電極パターン115の延伸方向は、相互に直交、非直交、または、平行であることが可能である。
図1Aは、第1の電極パターン114および第2の電極パターン115の延伸方向が相互に直交している配置だけを図示しているが、開示によって仕様が制限されるものではない。
【0021】
図1Aにおいて、第1の電極パターン114、および、第3の電極パターン116の延伸方向は相互に平行であり、第2の電極パターン115、および、第4の電極パターン117の延伸方向は相互に平行である。別の実施形態において、第1の電極パターン114、および、第3の電極パターン116の延伸方向は相互に平行ではない。
図1Bに示されているように、第1の電極パターン114の延伸方向は第1の方向D1と平行である。当初第1の方向D1と平行であった第3の電極パターン116の延伸方向が、第3の方向D3と平行であるように変化する場合に、第1の電極パターン114、および、第3の電極パターン116の延伸方向は同じではない。
図1Bに示されているように、第2の電極パターン115の延伸方向は、第2の方向D2と平行である。当初第2の方向D2と平行であった第4の電極パターン117の延伸方向が、第4の方向D4と平行であるように変化する場合に、第2の電極パターン115、および、第4の電極パターン117の延伸方向は同じではない。従って、上記電極パターン114〜117の方向は、調整可能である。
【0022】
図1Bを参照すると、圧力センシング素子120は、上部電極層121、下部電極層122、および、少なくとも1つの圧力センシング層122を含んでいる。上部電極層121は、第1の導線124および第1の電極パターン114が垂直方向(基板112の法線方向)に重なり合うように、第1の電極パターン114に対応する導線124を有する。同様に、下部電極層122は、第2の導線125および第2の電極パターン115が垂直方向(基板112の法線方向)に重なり合うように、第2の電極パターン115に対応する第2の導線125を有する。圧力センシング層123は、上部電極層121、圧力センシング層123、および、下部電極層122が垂直方向(基板112の法線方向)に重なり合うように、上部電極層121、および、下部電極層122の間に配置される。
【0023】
図1Bにおいて、各圧力センシング素子120の第1の導線124、および、第1の電極パターン114は、第1の導電性構造物131を通じて電気的に接続される。そして、第2の導線125、および、第2の電極パターン115は、第2の導電性構造物132を通じて電気的に接続される。従って、2つの隣り合う圧力センシング素子120は、第1の電極パターン114、および、第1の電極パターン114の両端に配置された2つの第1の導電性構造物131を通じて、モジュール化の要求が満たされるように、電気的に直列接続可能である。さらに、2つの隣り合う圧力センシング素子120は、第2の電極パターン115、および、2つの第2の導電性構造物132を通じて、電気的に直列接続可能である。2つの第2の導電性構造物132は、第2の電極パターン115の両端に配置される。
【0024】
図1Bにおいて、上部電極層121は、第3の導線126および第3の電極パターン116が垂直方向(基板112の法線方向)に重なり合うように、第3の電極パターン116に対応する第3の導線126をさらに有していてもよい。同様に、下部電極層122は、第4の導線127および第4の電極パターン117が垂直方向(基板112の法線方向)に重なり合うように、第4の電極パターン117に対応する第4の導線127をさらに有していてもよい。
【0025】
図1Bにおいて、各圧力センシング素子120の第3の導線126、および、第3の電極パターン116は、第3の導電性構造物133を通じて電気的に接続される。そして、第4の導線127、および、第4の電極パターン117は、第4の導電性構造物134を通じて電気的に接続される。従って、各圧力センシング素子120の上部電極層121は、モジュール化の要求が満たされることができるように、それぞれ第1の導電性構造物131および第3の導電性構造物133を通じて、第1の電極パターン114および第3の電極パターン116の間に直列接続される。同様に、各圧力センシング素子120の下部電極層122は、モジュール化の要求が満たされることができるように、それぞれ第2の導電性構造物132および第4の導電性構造物134を通じて、第2の電極パターン115および第4の電極パターン117の間に直列接続される。
【0026】
図1Bにおいて、上部電極層121は、上述の第1の導線124及び/又は第3の導線126の代わりに導線128を使用することにより、異なる方向で第1の電極パターン114及び/又は第3の電極パターン116に電気的に接続可能である。すなわち、第1の電極パターン114及び/又は第3の電極パターン116が方向を変更する場合、第1の電極パターン114及び第3の電極パターン116は、対応する導線128(1つ、又は、1対)を通じて接続可能である。従って、新たな圧力センシング素子120を製造する必要がないので、製造コストを減らすことになる。別の実施形態において、第1の導線124および第3の導線126は、他の2つの導線128と同時に、又は、交互に使用可能であり、又は、上記4つの導線のうち、1つ、2つ、又は、3つの導線と共に使用可能である。そして、本開示は、仕様の制限を有するものではない。
【0027】
同様に、
図1Bにおいて、下部電極層122は、上述の第2の導線125及び/又は第4の導線127の代わりに導線129を使用することにより、異なる方向で第2の電極パターン115及び/又は第4の電極パターン117を電気的に接続可能である。すなわち、第2の電極パターン115及び/又は第4の電極パターン117が方向を変更する場合、第2の電極パターン115及び第4の電極パターン117は、対応する導線129(1つ、又は、1対)を通じて接続可能である。従って、新たな圧力センシング素子120を製造する必要がないので、製造コストを減らすことになる。別の実施形態において、第2の導線125および第4の導線127は、他の2つの導線129と同時に、又は、交互に使用可能であり、又は、上記4つの導線のうち、1つ、2つ、又は、3つの導線と使用可能である。そして、本開示は、仕様の制限を有するものではない。
【0028】
図2A〜2Cを参照する。
図2Aは、一実施形態に係るアレイ電極板210の概略図である。
図2Bは、圧力センシング素子220の構造分解図である。
図2Cは、上記アレイ電極板210上に配置されている複数の圧力センシング素子220の概略図である。
図2Bにおいて、圧力センシング素子220は、上部基板224、上部電極層221、少なくとも1つの圧力センシング層223、下部電極層222、下部基板225、及び、複数の係合部228を含んでいる。係合部228は、相互に分離されており、上部電極層221、圧力センシング層223、及び、下部電極層222が上部基板224と下部基板225との間に積層されるように、係合部228は上部基板224及び下部基板225を係合する弧を形成する。さらに、上部電極層221及び下部電極層222の導線226と227は、
図3に示すように、2つの隣り合う係合部228の間の隙間を貫通可能である。
【0029】
図3、
図4A及び
図4Bを参照。
図3は、組み立てられた
図2Bの圧力センシング素子の上面図である。
図4Aは、
図3のA−A断面線に沿った断面図である。
図4Bは、
図3のB−B断面線に沿った断面図である。要素間の構造的な関係をより明確に図示するために、上部基板224および下部基板225は、破線によって示される。
【0030】
図2Aに示されるように、いくつかの第1の貫通孔H1がアレイ電極板210に形成され、電極パターン214〜217、及び、基板212を同時に貫通する。さらに、
図2B、3及び4A−4Bに示されるように、いくつかの第2の貫通孔H2、及び、第3の貫通孔H3が圧力センシング素子220上に形成される。第2の貫通孔H2は、上部基板224、上部電極層221、及び、下部
基板225を同時に貫通する。第3の貫通孔H3は、上部基板224、下部電極層222、及び、下部基板225を同時に貫通する。第2の貫通孔H2、及び、第3の貫通孔H3は、アレイ電極板210の第1の貫通孔H1に対応する。
【0031】
図3に示されるように、第2の貫通孔H2は、上部電極層221を貫通する導線226に対応する。そして、第3の貫通孔H3は、下部電極層222を貫通する導線227に対応する。上部電極層221の導線226は、上述の第1の導線124及び第3の導線126、又は、他の2つの導線128になり得る。そして、下部電極層222の導線227は、上述の第2の導線125及び第4の導線127、又は、他の2つの導線129になり得る。
【0032】
図5Aを参照すると、
図2CのC−C断面線に沿った断面図が示されている。
図2Cにおいて、いくつかの垂直導電素子(vertical conductive element)231は、圧力アレイセンサモジュール200を形成するために、圧力センシング素子220の第2の貫通孔H2(
図4Aを参照)、および、対応するアレイ電極板210の第1の貫通孔H1(
図2Aを参照)を貫通する。
図5Aに示されるように、各垂直導電素子231は、上から下へ順に、上部基板224、上部電極層221、下部
基板225、電極パターン214、及び、基板212を貫通し、上部電極層
221及び電極パターン214を垂直に導通させる。従って、隣り合う2つの圧力センシング素子220は、モジュール化の要求が満足されることができるように、電極パターン214、及び、電極パターン214の両端に配置された2つの垂直導電素子231を通じて、電気的に直列接続可能である。同じ配置が電極パターン216に適用可能であり、ここでは説明は繰り返されない。
【0033】
電極パターン214は、上述の第1の電極パターン114又は第3の電極パターン116になり得る。そして、垂直導電素子231は、上述の第1の導電性構造物131又は第3の導電性構造物133になり得る。
【0034】
図5Bを参照すると、
図2CのD−D断面線に沿った断面図が示されている。
図2Cにおいて、いくつかの垂直導電素子232は、圧力センシング素子220の第3の貫通孔H3(
図4Bを参照)、及び、対応するアレイ電極板210の第1の貫通孔H1(
図2Aを参照)を貫通して、圧力アレイセンサモジュール200を形成する。
図5Bにおいて、各垂直導電素子232は、上から下へ順に上部基板224、下部電極層222、下部基板225、電極パターン217、及び、基板212を貫通し、下部電極層222、及び、電極パターン217を垂直に導通させる。従って、隣り合う2つの圧力センシング素子220は、電極パターン217、及び、当該電極パターン217の両端に配置された、2つの垂直導電素子232を通じて、電気的に直列接続可能である。同じ配置が電極パターン215に適用可能であり、ここでは説明は繰り返されない。
【0035】
電極パターン217は、上述の第2の電極パターン115又は第4の電極パターン117として使用可能である。そして、垂直導電素子232は、上述の第2の導電性構造物132又は第4の導電性構造物134として使用可能である。垂直導電素子213及び232は、金属、合金、スズペースト、又は、異方性の導電物質によって形成可能である。垂直導電素子213及び232が導電性のある接着剤、又は、スズペーストにより形成されている場合、導電性のある接着剤、又は、スズペーストは孔を貫通し、柱の状態に凝固して、圧力センシング素子220及びアレイ電極板210は、一体としてしっかりと組み合わされる。
【0036】
図5Cを参照すると、別の実施形態に係る導電性構造物233の断面図が示されている。導電性構造物233は、例えば、スズペースト、導電性のある接着剤、または、導電性のある部品のような、導電性物質によって実現可能である。そして、導電性構造物233は、電極パターン214及び上部電極層221の間、又は、電極パターン217及び下部電極層222の間の導電媒体として使用可能である。導電性構造物233は、上述の第1の導電性構造物131、第2の導電性構造物132、第3の導電性構造物133、又は、第4の導電性構造物134として使用可能である。
【0037】
図示されていない実施形態において、導電性構造物233は、導電性のある部品によって実現されるとき、もし、導電性のある部品が導線を通じて基板212の端部の電極パターンに延伸され、導線及び対応する電極パターンが、導電性のある部品によって保持、又は、固定されているのであれば、電気的な接続の効果は達成可能である。
【0038】
図6A及び6Bを参照すると、一実施形態に係る制御モジュール300の概略図および等価回路図がそれぞれ示されている。制御モジュール300は、圧力アレイセンサモジュール100を使用することによって対象物の表面を検出するモニタリングシステムで使用可能である。例えば、制御モジュール300は、対象物の表面が衝突しているか、又は、接触しているかをモニタする。制御モジュール300は、圧力アレイセンサモジュール100を電気的に接続する。圧力アレイセンサモジュール100の構造の詳細な説明は。
図1A及び1Bを参照すれば分かり、ここでは類似点を繰り返さない。
【0039】
図6Aを参照。本実施形態において、制御モジュール300は、第1のスイッチ回路310、第2のスイッチ回路320、及び、電圧検出ユニット330を含んでいる。第1のスイッチ回路310は、いくつかの第1の信号回路118(3つの信号線によって例示される)に電気的に接続可能な並列スイッチ311を有している。いくつかの第1の信号回路118は、同時にアレイ電極113から第1のスイッチ回路310まで延伸される。それにより、第1の信号回路118は相互に並列接続され、第1の信号回路118を電気的に接続する各圧力センシング素子120の上部電極層は、相互に導電可能である。第2のスイッチ回路320は、いくつかの第2の信号回路119(2つの信号線に例示される)を同時に電気的に接続可能な並列スイッチ321を有している。いくつかの第2の信号回路119は、同時にアレイ電極113から第2のスイッチ回路320まで延伸される。それにより、第2の信号回路119は相互に並列接続され、第2の信号回路119を電気的に接続する各圧力センシング素子120の下部電極層は、相互に導電可能である。従って、第1のスイッチ回路310の並列スイッチ311は第1の信号回路118に導電し、第2のスイッチ回路320の並列スイッチ321は第2の信号回路119に導電する。圧力センシング素子120は、等価抵抗を生成するために、第1の信号回路118及び第2の信号回路119の間で並列接続可能である。
【0040】
図6Aにおいて、上記電圧検出ユニット330は、入力端Ux、出力端Uy、及び電源Vを含んでいる。上記電源Vは、入力電圧V
inを生成するために上記入力端Uxと接続する。入力端Uxは、上記第1のスイッチ回路310を通じて上記第1の信号回路118と電気的に接続している。上記出力端Uyは、上記第2のスイッチ回路320を通じて上記第2の信号回路119と電気的に接続している。
【0041】
図6Bにおいて、R
Sは、並列接続された上記圧力センシング素子120の等価抵抗を示しており、Rfは、上記電圧検出ユニット330の基準抵抗を示しており、V
inは、上記電圧検出ユニット330の入力電圧を示しており、V
outは,電圧検出ユニット330の出力電圧を示している。本実施形態において、上記電圧検出ユニット330の出力電圧V
outは、並列接続された上記圧力センシング素子120の等価抵抗Rsと関係がある。上記等価抵抗が増加する場合、関連して上記出力電圧が減少する。上記等価抵抗が減少する場合、関連して上記出力電圧が増加する。したがって、上記出力電圧は測定され、並列接続された上記圧力センシング素子120の等価抵抗R
Sは、分圧の原理に従って計算される。上記等価抵抗が予め定められた標準抵抗値を超える、又は大きく変化する場合、物体の表面が衝突している、又は接触していることが決定される。
【0042】
図7A及び7Bを参照すると、実施形態に従った制御モジュール400の概略図及び等価回路図がそれぞれ図示されている。制御モジュール400は、上記圧力アレイセンサモジュール100上の自己検出又は自己診断を行うモニタリングシステムにおいて用いられることができる。制御モジュール400は、圧力アレイセンサモジュール100と電気的に接続している。上記圧力アレイセンサモジュール100の構造の詳細説明は、
図1A及び1Bを参照して得られるので、類似点はここでは詳しく説明されない。本実施形態において、上記制御モジュール400は、第1のスイッチ回路410、第2のスイッチ回路420、及び電圧検出ユニット430を含む。上記電圧検出ユニット430は、入力端Sx、出力端Sy、及び電源Vを含む。上記電源Vは、入力電圧V
inを生成するために、上記入力Sxと接続する。
【0043】
上記第1のスイッチ回路410のスキャンスイッチ411は、上記アレイ電極113から上記第1のスイッチ回路410へ延長しているいくつかの第1の信号回路118の1つと、選択的、かつ電気的に接続している。すなわち、対応して上記第1の信号回路118に接続された圧力センシング素子120の上部電極層と電気的に接続している。上記第2のスイッチ回路420のスキャンスイッチ421は、上記アレイ電極113から上記第
2のスイッチ回路420へ延長しているいくつかの第2の信号回路119の1つと、選択的、かつ電気的に接続している。すなわち、対応して上記第2の信号回路119に接続された圧力センシング素子120の下部電極層と電気的に接続している。したがって、上記第1のスイッチ回路410のスキャンスイッチ411が、上記第1の信号回路118の選択された1つを導通させ、上記第2のスイッチ回路420のスキャンスイッチ421が、上記第2の信号回路119の選択された1つを導通させる場合、上記選択された第1の信号回路118と上記選択された第2の信号回路119との間の連結点に配置された関連した圧力センシング素子120は、抵抗を発生させるために導通される。
図7Aにおいて示されるように、X1,X2,X3は、上記第1の信号回路118に用いられる3本の信号線を示し、Y1,Y2は、上記第2の信号回路119に用いられる2本の信号線を示す。上記信号線X1及びY2が選択される場合、上記連結点(X1,Y2)に配置される上記圧力センシング素子120が導通される。信号線X3及びY1が選択される場合、上記連結点(X3,Y1)に配置される上記圧力センシング素子120が導通される。
【0044】
図7Bにおいて、Rpは、導通された圧力センシング素子120の抵抗を示し、Rfは、上記
電圧検出ユニット430の基準抵抗を示し、V
inは、上記電圧検出ユニット430の入力電圧を示し、V
outは、上記電圧検出ユニット430の出力電圧を示す。本実施形態において、上記電圧検出ユニット430の出力電圧V
outは、上記導通された圧力センシング素子120の抵抗R
pと関連する。抵抗が増加した場合、出力電圧は関連して減少し、抵抗が減少する場合、出力電圧は関連して増加する。したがって、上記第1のスイッチ回路410及び第2のスイッチ回路420のスイッチアドレスのスイッチングによって、上記圧力センシング素子120は順に検査され、出力電圧は測定され、各々の導通された圧力センシング素子120の抵抗は、分圧の原理に従って計算される。測定された抵抗が予め定められた抵抗値を超える、又は大きく変化する場合、上記圧力センシング素子120の抵抗器が故障していることが決定される。
【0045】
図8を参照すると、実施形態にしたがった制御モジュール500の概略図が示されている。制御モジュール500は、上記圧力アレイセンサモジュール100を用いることによって物体の表面を検出するモニタリングシステムにおいて、選択的に用いられることができる。例えば、制御モジュール500は、上記物体の表面が衝突又は接触されたか否かを監視する。制御モジュール500は、上記圧力アレイセンサモジュール100上の自己検出又は自己診断を行うモニタリングシステムにおいて、また選択的に用いられることができる。本実施形態において、制御モジュール500は、上記スイッチ回路とスキャン回路と(上述された2つの独立したモニタリングシステムにより必要とされた上記2つの回路)を一体的に集積する。上記制御モジュール500は、1つの回路の1つのセットに接続する必要があるだけなので、1つの回路の2つの独立したセットの設計は必要なく、回路レイアウトの設計は、非常に簡単にされる。
【0046】
上記制御モジュール500は、第1のスイッチ回路510、第2のスイッチ回路520、及び電圧検出ユニット530を含む。すなわち、
図6Aの上記制御モジュール300と
図7Aの上記制御モジュール400とは、
図8の上記制御モジュール500として集積されている。上記第1のスイッチ回路510は、第1の並列スイッチ511及び第1のスキャンスイッチ512を含む。上記第2のスイッチ回路520は、第2の並列スイッチ521及び第2のスキャンスイッチ522を含む。上記第1の並列スイッチ511は、同時に、上記第1の信号回路118のいくつかの第1の分枝端点Aに接続することができる。これにより、上記第1の信号回路118は、相互に並列に接続することができ、上記第1のスキャンスイッチ512は、上記第1の信号回路118のいくつかの第2の分枝端点Bにおいてそれぞれ導通されることができる。しかしながら、上記第1の並列スイッチ511及び上記第1のスキャンスイッチ512は、同時には用いられない。したがって、上記第1の信号回路118の各々の信号線は、第1の分枝端点A及び第2の分枝端点Bを有し、これにより、上記第1の並列スイッチ511と上記第1のスキャンスイッチ512とは、同じ第1の信号回路118を共有することができる。
【0047】
さらに、上記第2の並列スイッチ521は、同時に、上記第2の信号回路119のいくつかの第1の分枝端点Aに接続することができる。これにより、上記第2の信号回路119は、相互に並列に接続され、第2のスキャンスイッチ522は、上記第2の信号回路119のいくつかの第2の分枝端点Bにおいてそれぞれ導通されることができる。しかしながら、上記第2の並列スイッチ521と上記第2のスキャンスイッチ522とは、同時に用いられることはないだろう。したがって、上記第2の信号回路199の各々の信号線は、第1の分枝端点A及び第2の分枝端点Bを有する。これにより、上記第2の並列スイッチ521と上記第2のスキャンスイッチ522とは、同じ第2の信号回路119を共有する。
【0048】
1つの実施形態によれば、上記制御モジュール500が上記第1の並列スイッチ511及び上記第2の並列スイッチ521を用いる場合、上記第1のスキャンスイッチ512及び上記第2のスキャンスイッチ522は、上記制御モジュール500により使用不可に設定され、機能しなくなる。逆に、上記制御モジュール500が上記第1のスキャンスイッチ512及び上記第2のスキャンスイッチ522を用いる場合、上記第1の並列スイッチ511及び上記第2の並列スイッチ521は、上記制御モジュール500により使用不可に設定され、機能しなくなる。したがって、上記第1の並列スイッチ511と上記第1のスキャンスイッチ512とは同時に用いられず、上記第2の並列スイッチ521と上記第2のスキャンスイッチ522とは同時に用いられない。
【0049】
上記第1の並列スイッチ511及び上記第2の並列スイッチ521に関連する動作の詳細は、
図6A及び6Bを参照して得ることができる。各々の導通された圧力センシング素子120の等価抵抗は、上記モニタリングシステムの衝突検出ループによって直ちに検出されるので、上記等価抵抗が予め定められた標準値を超えたとき、又は大きく変化する場合、物体の表面が衝突している、又は接触していることが決定される。
図8において、V
out_Uは、衝突検出中の上記電圧検出ユニット530の出力電圧を示す。
【0050】
上記第1のスキャンスイッチ512及び上記第2のスキャンスイッチ522に関連する動作の詳細は、
図7A及び7Bを参照して得ることができる。アドレススキャンにより導通された各々の圧力センシング素子120の抵抗が、上記モニタリングシステムの自己検出ループによって直ちに検出されるので、測定された抵抗が予め定められた抵抗値を超える、又は意味のある電荷を有するとき、上記圧力センシング素子120の抵抗器が故障していることは決定される。
図8において、V
out_Sは、自己検出中に、上記電圧検出ユニット530の出力電圧を示す。
【0051】
1の実施形態に従った衝突検出ループ及び自己検出ループの検出フローチャートは以下に開示される。関連する要素の詳細は、上述されており、ここでは繰り返さない。
図9を参照する。上記制御モジュール500が上記圧力アレイセンサモジュール100を用いることにより物体の表面を検出する場合、ステップS801において図示される初期化処理が最初に実行される。初期化処理は:上記並列接続された圧力センシング素子120の初期等価抵抗Rsoの測定、静的臨界値Tstatの設定、動的臨界値Tdynの設定、衝突検出期間の設定、及び自己検出期間の設定を含む。ステップS802〜S803において、システムループが開始し、上記制御モジュール500が、上記衝突検出ループ、又は上記自己検出ループを実行するか否かを決める。上記衝突検出ループは、静的検出処理、及び/又は動的検出処理を含む。ステップS804〜S808において図示される上記衝突検出ループにおいて、上記等価抵抗Rsの予め定められた初期等価抵抗Rsoに対する差又は比が臨界値を超えたとき、物体の表面が衝突され、又は接触されていることが決定され、警告信号が送られることが決定される。ステップS809〜S811で図示される自己検出ループにおいて、アドレススキャンによって測定される抵抗が予め定められた基準抵抗を超える、又は意味のある電荷を有するとき、上記圧力センシング素子120の抵抗器が故障しており、上記システムの通常の動作が維持されるように、取り替え、又は修理しなければならないことが決定される。
【0052】
ステップS804〜S805において図示される静的検出において、計算は、並列接続された圧力センシング素子120の等価抵抗Rsと初期等価抵抗Rsoとの間の差に基づいて行われる。1つの実施形態において、比(Rs−Rso)/Rso、すなわち、初期等価抵抗Rsoに対する、等価抵抗Rs及び初期等価抵抗Rsoの測定値の差の比が、静的臨界値Tstatよりも大きい場合、又は予め定められた幅内の場合、衝突又は接触が上記物体の表面に起こっていることを意味する。そして、上記モニタリングシステムは、警告信号を送る。逆に、比(Rs−Rso)/Rsoが、予め定められた静的臨界値Tstatよりも小さいか、又は予め定められた範囲内にある場合、これは、許容できる範囲を越えた衝突が発生していない、又は接触がないことを意味する。そして、モニタリングシステムは如何なる警告信号を送らないか、又は、動的検出を実行するために工程がステップS806に進む。上記予め定められた臨界値の条件が上記静的検出及び上記動的検出の何れかを満たす限り、警告信号は送られる。
【0053】
典型的な例において、静的臨界値Tstatは、10%〜50%,15%〜35%,又は20%〜40%の間であってもよい。ユーザは、上記静的臨界値Tstatを、モニタリングシステムの要求にしたがって設定又は調整することができる。さらに、静的検出は、上記圧力アレイセンサモジュール100への静的接触、又は適用される力についての、量的な検出を実行するのみである。上記圧力アレイセンサモジュール100に適用する力の瞬時の変動を得るために、ステップS806〜S807において図示されているような上記動的検出が実行されなくてはならない。
【0054】
ステップS806〜S807において図示される動的検出において、上記並列接続された圧力センシング素子120の等価抵抗Rsの、初期等価抵抗Rsoに対する比の時間微分が計算される。1つの実施形態において、上記比Rs/Rsoが時間微分される場合、すなわち、d(Rs/Rso)/dtが、動的臨界値Tdynよりも大きい、または予め定められた範囲内にある場合、上記物体の表面は衝突、又は接触されることを意味する。そして、モニタリングシステムは警告信号を送る。逆に、d(Rs/Rso)/dtが上記動的臨界値Tdynよりも小さい、又は予め定められた範囲内にある場合、モニタリングシステムは、いかなる警告信号の送信も必要としない。
【0055】
典型的な例において、動的臨界値Tdynは10%/秒〜100%/秒,20%/秒〜90%/秒,又は30%/秒〜80%/秒の間であってもよい。サンプル時間は、0.1〜1秒又は0.3〜0.5秒である。ユーザは、上記モニタリングシステムの要求にしたがって上記動的臨界値Tdynを設定又は調整することができる。
【0056】
ステップS811において、特定の圧力センシング素子120の抵抗器の故障は決定され、システムは、維持されることができる。例えば、上記故障した圧力センシング素子120は取り替えられる、又は回路は修理される。本実施形態の上記圧力センシング素子120が独立して製造されるので、製造は、新しい回路板の製造をしなくてもよく、上記故障した圧力センシング素子120の取り換えのみを必要とする。したがって、製造コストを抑制する。
【0057】
様々な変更及び変化が、開示された実施形態で作ることができる事は、当業者にとって明白だろう。以下の特許請求の範囲、及びその同等物によって示される開示の本当の範囲において、明細書及び実施例は典型的な最適として見なされることを意図している。