(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
湯および麺を収納する複数の有底の容器を有して、本体カバーによって囲まれた本体内部に満たされる蒸気で当該内部に収容されている前記容器を加熱して前記容器の中で加熱される前記湯によって前記麺を茹でる茹麺装置であって、
前記本体内部に前記蒸気を供給する蒸気供給部と、
前記容器の中に所定の量の前記湯を供給する湯供給部と、
前記容器の中に所定の量の前記麺を供給する麺供給部と、
前記容器の中から前記麺を排出させる麺排出部と、
前記本体内部で前記湯供給部から供給される前記湯および前記麺供給部から供給される前記麺を共に収納し茹で上げられた前記麺を前記麺排出部から排出するように前記本体内部で所定の周回経路上を周回移動させる麺搬送装置と、
蒸気を噴出する蒸気噴出配管を有し前記容器が前記蒸気噴出配管の下を通過している間に前記蒸気噴出配管を前記容器の中の前記麺が浸かった前記湯の中に入れて前記蒸気を噴出させて前記容器の中の麺および湯を移動させることによって前記麺をほぐす蒸気噴出部を含んでなる茹麺装置。
【背景技術】
【0002】
一般的にうどん、中華麺、素麺などの麺は、茹籠などのような透水性麺容器に収納されて、透水性麺容器を湯で満たされた茹槽の中に入れて、透水性麺容器の中の麺を茹槽の湯で直接茹でる。
【0003】
特許文献1(特開平06−070844号公報)では、麺を収納した茹籠を茹槽の中に入れて、茹槽の中の湯で麺を茹でる茹麺機であって、茹槽の中の底部に高温湯を上に噴出する高温湯案内筒と低温になった湯を加熱手段に戻す低温湯案内筒とを有して、茹槽の中の湯のうちの高温湯を常時高温湯案内筒から上方に配置した茹籠に向けて噴出させて、茹籠の中の麺を効率よく短時間で茹で上げることを開示している。
【0004】
特許文献2(特開平08−131327号公報)では、上方が開いた茹槽と、所定の経路に沿って走行するように無端チェーンに多数の透水性麺容器を取り付けてなる麺容器搬送装置と、を含む麺の茹加工装置であって、麺容器搬送装置で透水性麺容器を周回移動させながら、麺を収納した透水性麺容器を茹槽の中に入れて、茹槽の中の湯で麺を直接茹でることを開示しいる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態を示す茹麺装置の概略図を示す。
図2は、本発明の茹麺装置に有する麺搬送装置の駆動源となるサーボモータの周辺部分の概略図を示す。
図3は、本発明の茹麺装置に有する容器の中の麺をほぐすための麺ほぐし用の蒸気噴出部の周辺部分の概略図を示す。
図4は、本発明の茹麺装置の動作フローを示す。
【0014】
本発明の茹麺装置1は、例えば、1人前、1食分、あるいは、商品の包装で1袋分などに相当するような小分けにされた所定の量の麺を十分な品質で茹で上げるために必要な所定の量の湯の中で茹でられるだけの容量を有する小さな釜のような有底の容器2(以下、単に容器2と称する)を有して、当該容器2の中に所定の量の湯および所定の量の麺を入れて、容器2の周囲に充満させた蒸気で容器2を加熱することで、容器2の中で加熱される湯で麺を茹でる。それで、本発明の茹麺装置1では、大きな茹槽がいらなくなり、茹槽を清掃する作業も省くことができ、さらに装置内の汚れも少なくなるので、清掃作業が軽減される。また、本発明の茹麺装置1では、容器2に供給する湯の量が、即時に湯を沸かすことができる程度の量で足りるので、従来の茹槽のような大量の湯を沸かす必要がなく、生産準備の時間を短縮できる。また、本発明の茹麺装置1では、大きな茹槽が不要になるため、装置を小型化できる。また、本発明の茹麺装置1では、小型の釜のような容器2の中で麺を茹でるので、網の中で麺を茹でる場合に比べて、麺が網に擦れることがないので麺の肌荒れ、すなわち、麺の表面を荒らすことがない。また、本発明の茹麺装置1で茹で上げられる麺は、小型の釜のような容器2の中で茹でられるので、釜揚げうどん、釜揚げラーメンのような風味や食感に近づけることも可能である。
【0015】
図1および
図2に示す茹麺装置1は、所定温度の蒸気を充満させるように本体内部1bを囲むように形成して成る本体カバー1aを有し、本体カバー1aの外部に備える蒸気発生装置22で生成される蒸気が、本体カバー1aによって囲まれた茹麺装置1の本体内部1bに開口する蒸気供給部20の蒸気供給配管21を通して本体内部に供給される。例えば、蒸気供給配管21は、複数の開口21aが形成されて、広い範囲に蒸気を放出するようにしても良い。また、蒸気供給配管21から放出される蒸気は、約100度以上の温度であることが好ましい。また、蒸気を充満させた本体内部1bは、約100度以上の温度に維持されることが好ましい。また、本体カバー1aは、断熱材を含む構成が好ましい。例えば、本体カバー1aに断熱材を含み、蒸気供給配管21に送られる直前の蒸気が約0.3kg/平方センチメートルの圧力で、約107度の温度に設定されると、本体カバー1aで囲まれた本体内部1bが約101度から約102度の温度に維持することが可能であり、加圧釜と同様の効果を得ることも可能である。湯および麺を入れる容器2は、本体カバー1aで囲まれた本体内部1bに複数有し、麺搬送装置3で所定の周回経路上を周回移動する間に、本体カバー1aの外から供給される湯および麺を収容して、本体カバー1aで囲まれた本体内部1bを所定の距離移動する間に麺が茹であがったところで容器2の中の湯および麺を排出したあと清掃されることを繰り返す。なお、蒸気が温度低下したあとの水および洗浄液は、本体カバー1aで囲まれた本体内部1bに充満している蒸気を外に逃がさないようにしながら水および洗浄液のみを本体カバー1aの外に適時に排出させるようにすると良い。
【0016】
図1および
図2に示す茹麺装置1が有する麺搬送装置3は、例えば、サーボモータなどから成る回転駆動装置4の部分を除いて、全体のほとんどの部分が本体カバー1aで囲まれた本体内部1bに有する構成であって、麺を収納する容器2,...,2を所定間隔毎に複数支持する一対の無端状チェーン5を複数のスプロケット6(6aから6g)に掛け回しつつ所定の周回経路上を周回移動させながら麺を搬送する構成となっている。回転駆動装置4は、本体カバー1aの外に備えられて、回転駆動軸4aを本体カバー1aを貫通するようにして本体カバー1aで囲まれた本体内部1bに有する所定のスプロケット6を回転させる構成となっている。また、回転駆動装置4の回転駆動軸4aは、軸方向を軸継手7で変更するように構成しても良い。なお、回転駆動装置4は、複数台設けられて、異なるスプロケット6を同期して回転させるように構成しても良い。無端状チェーン5は、例えば、無端状のローラチェーンなどが採用されても良い。
【0017】
麺搬送装置3は、回転駆動装置4の回転駆動軸4aを含む複数の回転軸8(8aから8g)のそれぞれに一対のスプロケット6を取り付けてあって、複数のスプロケット6に掛け回されて所定の周回経路を並行して周回移動することになる一対の無端状チェーン5のそれぞれに各容器2,...,2のそれぞれの両端2aがアタッチメントで回転自在に取り付けられている。複数のスプロケット6に掛け回される無端状チェーン5は、一対のスプロケット6を取り付けて成る少なくとも1つの回転軸8を当該回転軸8に対して所定の垂直方向に付勢部材9aなどを利用して所定の圧力で引っ張るように構成したテンション調整手段9によって弛まないように所定のテンションを維持するようにしてあっても良い。
図1に示す麺搬送装置3では、一対のスプロケット6bを取り付けてある回転軸8bに設けてあるテンション調整手段9によって、一対の無端状チェーン5に所定のテンションがそれぞれ掛けられている状態が維持されている。
【0018】
各容器2,...,2は、並行して周回移動する一対の無端状チェーン5の間であって、それら一対の無端状チェーン5に両端2aをアタッチメントでそれぞれ回転自在に取り付けられている。各容器2,...,2は、規制されない限り重力で常に容器2の底が下になるように回動しながら所定の周回経路を移動する。また、移動する各容器2,...,2は、周回経路の所定の場所に固定されている容器反転ローラ10、容器反転棒11、そして、容器反転用ガイド部材12などに、容器2の側面から無端状チェーン5側に突き出たピン2b、容器2の正面、または、容器2の底面などが当接してもなお移動が継続されることで、周回経路の所定の場所で反転して、麺の排出または容器2の洗浄などが行われる。なお、容器反転ローラ10、容器反転棒11、そして、容器反転用ガイド部材12は、樹脂や金属など適宜に使用環境に応じた材料で形成されると良い。
【0019】
また、各容器2,...,2は、内部を複数に仕切ることで、1つの容器2の中に複数のマスを形成して、各マスでそれぞれ麺を茹でるようにしても良い。
図2に示す各容器2,...,2では、それぞれ中が仕切りによって2つのマスに分かれていて、各マスに所定の量の麺および所定の量の湯をそれぞれ収納して、同時に麺を茹でることが可能になっている。各容器2,...,2の中が複数のマスに仕切られている場合、例えば、1マスの容量は、1人前、1食分、あるいは、商品の包装で1袋分などに相当するような小分けにされた所定の量の麺と、その量の麺を十分な品質で茹で上げるために必要な所定の量の湯、例えば、1食分当り約1000cc程度の湯と、を1マスの中に入れて麺を茹でられる程度の大きさの容量でも良い。
【0020】
ここからは、本発明の茹麺装置1の動作サイクルを説明しながら各部が説明される。
【0021】
本発明の茹麺装置1では、蒸気供給部20から供給される蒸気が充満している本体カバー1aで囲まれた茹麺装置1の本体内部1bにおいて、麺搬送装置3で所定の周回経路を移動する各容器2,...,2に対して、まず容器2が湯供給部30の湯供給配管31の下を通過している間に、本体カバー1aの外に備えられる湯沸タンク32から所定の量の湯が湯供給配管31を介して容器2の中に供給される(S1)。容器2内が複数のマスで仕切られている場合には、複数の湯供給配管31を備えて各マスに所定の量の湯を個別に供給するようにしても良い。
【0022】
つぎに本発明の茹麺装置1では、湯の入った容器2が再加熱用の蒸気噴出部40の蒸気噴出配管41の下を通過している間に、再加熱用の蒸気噴出配管41が容器2の移動に干渉しない位置から移動して再加熱用の蒸気噴出配管41の先端部が容器2の湯の中に入って、本体カバー1aの外に備えられる蒸気発生装置22から供給される蒸気を噴出することで、当該蒸気で容器2の中の湯を直接加熱したあと、再加熱用の蒸気噴出配管41が容器2の移動に干渉しない位置に戻される(S2)。
【0023】
図1に示す再加熱用の蒸気噴出配管41は、本体カバー1aを貫通する貫通孔に摺動可能に取り付けられて、近くのスプロケット6eと一緒に別の無端状チェーン42aで巻き回されて回転する補助スプロケット42bに取り付けた連接棒42cからなるクランク機構42によって、麺搬送装置3による容器2の移動に機械式に同期して容器2の移動を妨げることなく容器2の中に出入りするように構成されても良い。また、容器2内が複数のマスで仕切られている場合には、複数の再加熱用の蒸気噴出配管41を備えて各マスの湯の中に個別に蒸気を噴出するようにしても良い。
【0024】
つぎに本発明の茹麺装置1では、蒸気で直接加熱されたあとの湯が入った容器2が麺供給部50の麺供給通路51の下を通過している間に麺供給側ダンパー52が開いて、容器2の湯の中に所定の量の麺が供給されてる(S3)。
【0025】
図1に示す麺供給側ダンパー52は、後部のカムフォロア53dと、近くのスプロケット6eと一緒に別の無端状チェーン53aで巻き回されて回転する補助スプロケット53bに取り付けられて一緒に回転するカム53cと、から成るカム機構53によって、麺搬送装置3による容器2の移動に機械式に同期して容器2に麺を入れるときにだけ開き、それ以外は閉じるように構成されても良い。また、麺は、図示省略される麺供給装置から所定の量を適時に麺供給部50に送るようにすると良い。また、容器2内が複数のマスで仕切られている場合には、複数の麺供給通路51を備えて各マスに個別に所定の量の麺を個別に供給するようにしても良い。
【0026】
つぎに本発明の茹麺装置1では、湯および麺が入った容器2が麺ほぐし用の蒸気噴出部60の蒸気噴出配管61の下を通過している間に、麺ほぐし用の蒸気噴出配管61が容器2の移動に干渉しない位置から移動を開始して、麺ほぐし用の蒸気噴出配管61の先端部が容器2の中の麺が浸かった湯の中に入って、本体カバー1aの外に備えられる蒸気発生装置22から供給される蒸気を噴出する容器2の湯の中で蒸気を噴出させることで連続して発生する大きな泡によって容器2の中で麺及び湯をランダムに移動させて、容器2の湯の中で、まだ加熱され始めたばかりであって、まだ茹で上がる前の状態の麺をほぐすとともに、容器2の湯の中に加熱する前の麺を入れたことで低下した容器2の中の湯を再加熱したあと、麺ほぐし用の蒸気噴出配管61が容器2の移動に干渉しない位置に戻される(S4)。麺ほぐし用の蒸気噴出配管61から噴出させる蒸気は、好ましくは蒸気供給配管21に送られる蒸気よりも大きな圧力および高い温度に設定されると良く、例えば、蒸気噴出配管61に送られる直前において、約2kg/平方センチメートルの圧力で、約133度の温度に設定されても良い。
【0027】
図1および
図3に示す麺ほぐし用の蒸気噴出配管41は、本体カバー1aを貫通する貫通孔に摺動可能に取り付けられて、近くのスプロケット6fと一緒に別の無端状チェーン62aで巻き回されて回転する補助スプロケット62bに取り付けた連接棒62cからなるクランク機構62によって、麺搬送装置3による容器2の移動に機械式に同期して容器2の移動を妨げることなく容器2の中に出入りするように構成されても良い。また、麺ほぐし用の蒸気噴出配管41は、
図1および
図3に示すように、容器2の進行方向に対して前後に並ぶ複数の容器2のそれぞれに同時に麺ほぐし用の蒸気噴出配管41が出入り可能なように、前後に複数の麺ほぐし用の蒸気噴出配管41を有するようにしても良い。また、容器2内が複数のマスで仕切られている場合には、複数の麺ほぐし用の蒸気噴出配管41を備えて各マスの湯の中に個別に蒸気を噴出するようにしても良い。
【0028】
そのあと、本発明の茹麺装置1では、本体カバー1aで囲まれた本体内部1bの蒸気によって加熱される容器2の中の湯で麺が茹で上がるまで移動して(S5)、麺が茹で上がる時間にちょうど湯から麺が取り出されるように、容器2が上方から下方に移動する経路を利用して、容器2のピン2bを容器反転用ガイド部材12にガイドさせることで容器2を徐々に前のめりに傾けていき、下方の位置で容器2の正面に容器反転ローラ10が当接しても継続して容器2が移動することで、所定の位置で容器2が前のめりに反転して容器2の中の湯および麺が容器2の外に重力で落下するように排出されて、本体カバー1aの麺排出部70の麺排出通路71を通り、その先の麺排出側ダンパー72が開いて茹で上がった麺が本体カバー1aの外に排出される(S6)。容器2から排出された湯および麺は、例えば、麺排出通路71の網部74によって麺は網部74の上を傾斜に沿って茹麺装置1の外に排出され、湯は網部74を透水して湯排出口から湯回収タンク73に回収されても良い。網部74は、麺排出通路71において、閉じた状態の麺排出側ダンパー72よりも内側となる本体カバー1aで囲まれた本体内部1b側、または、閉じた状態の麺排出側ダンパー72よりも外側、または、それら両方の側に形成されても良い。また、網部74は、網状、ザル状、スリット状などのような湯を透水させる各種形状に形成されるとともにその傾斜させた表面上を麺が滑り落ちるように形成されても良い。また、容器2から排出された麺は、閉じた状態の麺排出側ダンパー72に保持されて、所定のタイミングで麺排出側ダンパー72が開くことで、所定のタイミングで本体カバー1aの外に排出されても良い。なお、容器2から排出された湯は、湯回収タンク73を介して湯供給部30から容器2に供給される湯の少なくとも一部にリサイクルされるようにして、水道などから新たに引かれた水を沸かして使用する湯の量を減らして、水道代、ボイラー燃料代および下水道代などのランニングコストを低減するために利用しても良い。
【0029】
図1および
図2に示す麺排出側ダンパー72は、後部のカムフォロア75dと、容器2を移動するための無端状チェーン5によって回転する補助補助スプロケット75eと、補助補助スプロケット75eの回転を回転軸を介して本体カバー1aの外に回転を伝達する補助補助スプロケット75fと、補助補助スプロケット75fと一緒に別の無端状チェーン75aで巻き回されて回転する補助スプロケット75bに回転軸を介して取り付けられて一緒に回転するカム75cと、から成るカム機構75によって、麺搬送装置3による容器2の移動に機械式に同期して容器2から排出された麺を本体カバー1aから排出するときにだけ開き、それ以外は閉じるように構成されても良い。また、容器2内が複数のマスで仕切られている場合には、複数の麺排出通路71を備えて各マスから個別に排出される麺を個別に本体カバー1aの外に排出するようにしても良い。なお、
図2に示す実施の形態では、容器2を移動するための一対の無端状チェーン5によって回転する一対の補助スプロケット75eを有する構成となっているのは、どちらの無端状チェーン5にも略同じ負荷が掛かるようにするために設けたものであって、どちらか一方の補助スプロケット75eのみでも良い。
【0030】
最後に、本発明の茹麺装置1では、ひっくり返った反転状態から復帰したあと移動を続ける容器2を再び反転させるために、容器2の正面に容器反転棒11が当接してもなお容器2が移動することで容器2を横向きにしたあと容器2のピン2bを容器反転用ガイド部材12にガイドさせるようにして、容器2を反転させた状態で移動させている間に容器洗浄部80の洗浄ノズル81から洗浄液を噴射して容器2が洗浄される(S7)。
【0031】
そうして本発明の茹麺装置1では、洗浄されたあとの容器2が反転状態から復帰して、再び湯供給部30から動作サイクルを開始することになる。なお、本発明の茹麺装置1では、所定の周回経路上に複数の容器2,...,2を有しているので、容器2,...,2毎に動作サイクルが実施されて、各容器2の動作サイクルがそれぞれ並行して実施されることになる。
【0032】
本発明の茹麺装置1では、本体カバー1aで囲まれた本体内部1bを蒸気で充満させるので、本体カバー1aで囲まれた本体内部1bの温度変化が小さくなるので、無菌化も可能になる。
【0033】
本発明の茹麺装置1では、本体カバー1aで囲まれた本体内部1bに当該本体内部1bを清掃するための別の洗浄ノズルを有して、適時に手動または自動で清掃するようにしても良い。
【0034】
本発明の茹麺装置1では、蒸気供給部20、再加熱用の蒸気噴出部40、麺ほぐし用の蒸気噴出部60の各部において必要な蒸気の所定圧力および蒸気の所定温度に適時に切り替えて供給できるように蒸気発生装置22を構成しても良いし、各部で蒸気の圧力変更手段および蒸気の温度変更手段を有するように構成しても良い。また、本発明の茹麺装置1では、蒸気供給部20、再加熱用の蒸気噴出部40、麺ほぐし用の蒸気噴出部60のそれぞれに別々の蒸気発生装置22を有するようにしても良い。また、本発明の茹麺装置1では、蒸気供給部20、再加熱用の蒸気噴出部40、麺ほぐし用の蒸気噴出部60のそれぞれに各種バルブとそれらバルブの動作を制御する制御装置を設けて、供給または噴出するタイミングおよび圧力が各種バルブおよび制御装置によって制御されるようにしても良い。
【0035】
また、
図1ないし
図3に示す本発明の茹麺装置1では、再加熱用の蒸気噴出配管41、麺供給側ダンパー52、麺ほぐし用の蒸気噴出配管61、および、麺排出側ダンパー71を移動させるために、麺搬送装置3のスプロケット6の回転または無端状チェーン5の移動を各クランク機構42,62またはカム機構53,74を使って伝達して駆動する構成となっているが、それに限定されることなく、モータや流体シリンダ等の各種駆動源、各種センサ、および、それらを制御する制御装置などを採用しても良い。また、使用環境に応じてプーリおよび無端ベルトで構成されても良い。また、
図1ないし
図3に示す本発明の茹麺装置1では、湯供給配管31を屈曲した配管で示し、各蒸気噴出配管41,61を真直ぐな配管で示しているが、それらに限定されずに、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、屈曲、真直ぐまたはその他の各種形状に形成されても良く、例えば、周囲の装置や部品等に干渉しない形状に適宜に形成されても良い。また、
図1ないし
図3に示す本発明の茹麺装置1の麺供給通路51、麺供給側ダンパー52、麺排出通路71および麺排出側ダンパー72は、図に示す形状に限定されずに、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜に必要な形状に形成されても良い。また、
図1ないし
図3に示す本発明の茹麺装置1では、周回経路の所定の場所で麺の排出または容器2の洗浄などを行うに際して、移動する各容器2,...,2を周回経路の所定の場所に固定されている容器反転ローラ10、容器反転棒11、そして、容器反転用ガイド部材12などを用いて反転させているが、図に示す形状および構成に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜に必要な各種形状および各種構成を採用しても良く、また、図に示すような容器2を反転させる機構に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜に容器2を反転させるための各種機構を採用しても良い。
【0036】
以上説明した発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらをこの発明の範囲から排除するものではない。特に具体的な装置については、本発明の趣旨に添った基本的な機能を有するものは、本発明に含まれる。
【解決手段】湯および麺を収納する複数の有底の容器2を有して、本体カバー1aによって囲まれた茹麺装置1の本体内部1bに満たされる蒸気で内部に収容されている容器を加熱して容器の中で加熱される湯によって麺を茹でる。さらに、蒸気供給部20から供給される蒸気で満たされる本体内部で湯供給部30から供給される湯および麺供給部50から供給される麺を共に収納した容器を加熱して、容器の中で加熱される湯によって茹で上げられた麺を麺排出部70から排出するように、容器を取り付けてある無端状チェーンを本体内部で所定の周回経路上を周回移動させて成る麺搬送装置3を含む。