【文献】
Samsung,Cell Selection/Reselection for Rel-13 low complexity MTC[online],3GPP TSG-RAN WG2#91 R2-153447,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_91/Docs/R2-153447.zip>,2015年 8月15日
【文献】
CATT,Discussion on Cell Selection for CE mode[online],3GPP TSG-RAN WG2#89bis R2-151212,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_89bis/Docs/R2-151212.zip>,2015年 4月10日
【文献】
Nokia Networks,Multiple NS/P-max handling[online],3GPP TSG-RAN WG2#91 R2-153460,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_91/Docs/R2-153460.zip>,2015年 8月14日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のシグナリング値は優先度順に並べられており、前記選択手段は、前記複数のシグナリング値の中から、前記ユーザ装置がサポートするシグナリング値のうち、最も優先度の高いシグナリング値を選択する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のユーザ装置。
前記制御手段は、セル選択を行う際には、前記基地局からSIB1で受信した最大送信電力値を使用し、セル再選択を行う際には、前記基地局からSIB3又はSIB5で受信した最大送信電力値を使用する
ことを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載のユーザ装置。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。また、本実施の形態では、LTEの移動通信システムを対象とするが、本発明はLTEに限らず他の移動通信システムにも適用可能である。また、本明細書及び特許請求の範囲において、「LTE」の用語は3GPPのRel−8以降のRelの方式(ここでは、5Gも含むこととする)の意味で使用する。
【0028】
また、以下では、複数のNS値に対応する最大送信電力をPmaxNewと記載し、既存のp−Max(複数のNS値のいずれにも対応しない共通最大送信電力)をPmaxと記載する。
【0029】
以下では、前述した課題を解決するための技術について、第1の実施の形態、第2の実施の形態、及び変形例を説明する。
【0030】
(第1の実施の形態)
<システム全体構成>
図3に、本発明の実施の形態に係る通信システムの構成図(第1、第2の実施の形態、変形例に共通)を示す。
図3に示すように、本実施の形態の通信システムは、基地局eNBとユーザ装置UEを含む。
図3には、基地局eNBとユーザ装置UEが1つずつ示されているが、これは例であり、それぞれ複数あってもよい。
【0031】
本実施の形態では、基地局eNBは、複数のNS値と、各NS値に対応する最大送信電力(PmaxNew)とをシステム情報(例:SIB1)で報知する機能を有する。一例として、基地局eNBは、優先度の高い順番(decreasing order of priority)で複数のNS値が並べられたリストをSIB2で送信するとともに、当該リストでの各NS値に対応するPmaxNewのリストをSIB1で送信する。また、基地局eNBは、複数のNS値と、それに対応する複数のPmaxNewとを組にしたリストをSIB1で送信してもよい。
【0032】
このようなリストを受信したユーザ装置UEは、通知された複数のNS値の中で、自身が適用するバンド(operating band)で、もしくは自身が適用するバンド及びDLチャネル帯域幅(channel bandwidth)で、自身が適用可能なNS値のうち最も優先度の高いNS値を選択し、当該NS値に対応するPmaxNewを選択する。
【0033】
一例として、ユーザ装置UEが適用するあるバンドに対して、基地局eNBが、NS_50、NS_03、NS_01(優先度の高い順)、及び、NS_50、NS_03、NS_01のそれぞれに対応するPmaxNewとして、PmaxNew1、PmaxNew2、PmaxNew3を送信する。そして、ユーザ装置UEがNS_50を適用する場合、ユーザ装置UEはNS_50に対応するPmaxNew1を選択し、適用する。なお、最低優先のNS値(NS_01)に対応するPmaxNewに関しては、既存のp−Max(Pmax)を用いることとしてもよい。
【0034】
上記のようなNS値とPmaxNewの報知を実現する3GPP仕様書(3GPP TS 36.331)の記載例(抜粋)を、非特許文献2からの変更箇所に下線を引いた形で
図4、
図5に示す。ここに示す例は、非特許文献4に記載されているものである。
【0035】
図4、
図5に示すように、この例では、基地局eNBは、SIB1を用いて、バンド毎に、NS値とPmaxNewのリストを送信する。当該SIB1を受信したユーザ装置UEは、選択したバンド(例:freqBandIndicatorで示すバンド)に対応するNS値のリストから、自身がサポートする最初の(優先度の最も高い)NS値(additional spectrum emission value)を選択し、当該NS値に対応するPmaxNewを選択する。もしもリストの中にユーザ装置UEが適用可能なNS値がない場合、ユーザ装置UEは、既存のp−Max(Pmax)を適用する。
【0036】
<シーケンス例>
次に、本実施の形態に係る通信システムの動作の例として、RRCアイドル状態におけるセル選択時の動作の例を
図6のシーケンス図を参照して説明する。なお、セル選択においては、受信品質(RSRQ)の測定、及び判定も行ってよいが、本例では、受信電力(RSRP)の測定、及び判定に着目した説明を行う。受信電力のことを受信レベルと称しても良い。
【0037】
図6に示す例において、ユーザ装置UEはセルサーチにより基地局eNBから同期信号(PSS/SSS)を受信し(ステップS101)、同期をとるとともにセルID(PCI)を取得する。同期信号により同期がとれた当該セルに関して、ユーザ装置UEは、基地局eNBから送信される参照信号(CRS)を受信し、受信電力(RSRP)の測定を行う(ステップS102)。ここでは、複数セルの受信電力(RSRP)を測定していると想定する。
【0038】
ユーザ装置UEは、参照信号のRSRPが最も高いセル(ベストセル)として(
図6に示す)基地局eNBのセルを選択する。
【0039】
ステップS103において、ユーザ装置UEは、基地局eNBから報知されるシステム情報(MIB、SIB1等)を受信する。ここでのSIB1は、例えば、
図4、
図5に示したように、バンド毎に、NS値とPmaxNewのリスト、及びPmaxを含むものである。
【0040】
ステップS104において、ユーザ装置UEは、自身が適用するバンドにおけるNS値を選択するとともに、当該NS値に対応するPmaxNewを選択する。
【0041】
なお、ユーザ装置UEは、MIBに含まれるDL帯域幅情報により、自身が当該セルで適用するDLチャネル帯域幅(channel bandwidth)を決定する。また、SIB1に含まれるバンド情報により自身が当該セルで適用するバンド(operating band)を決定する。ULチャネル帯域幅は、SIB2にUL帯域幅情報が含まれない限り、DLと同じとみなす。SIB2にUL帯域幅情報が含まれる場合、SIB2で報知されている値を、当該セルで適用するULチャネル帯域幅(channel bandwidth)として決定する。
【0042】
ステップS105において、「cell selection criterion S」の判定を行う。本例では、「cell selection criterion S」を満足し、当該セルを選択する。
【0043】
図2を参照して説明した問題を解決するために、本実施の形態では、「Srxlev>0」の判定を行う際のSrxlevの計算において、PmaxNewからPmaxを引いた値である「P
EMAXcompensation」を測定値に加えることとしている。言いかえると、「P
EMAXcompensation」を予め定めた最低受信レベル値(Q
rxlevmin)から引き、引いた後の最低受信レベル値を新たな最低受信レベル値と見なしてSrxlevを計算する。より詳細には以下のとおりである。
【0044】
本実施の形態におけるSrxlevの計算を適用する際の3GPP仕様書(3GPP TS 36.304)の記載例(抜粋)を、非特許文献5からの変更箇所に下線を引いた形で
図7に示す。
【0045】
図7に示すように、Srxlevは以下の式で計算される。
【0046】
Srxlev =
Q
rxlevmeas-(Q
rxlevmin+Q
rxlevminoffset)-Pcompensation-Qoffset
temp +P
EMAXcompensation
Q
rxlevmeasは受信レベルの測定値であり、Q
rxlevminとQ
rxlevminoffsetは、システム情報(例:SIB1)で報知されるパラメータである。Qoffset
tempは、タイマ(T300)が満了した際に使用されるパラメータ(connEstFailOffset)であり、本実施の形態では考慮しなくてもよい(0としてよい)。Pcompensationは、「max(P
EMAX-P
PowerClass,0)」であり、この中のP
EMAXとしてPmaxNewを使用することができる。本例(大きなPmaxnNewが23dB)では、Pcompensationを0と考えてもよい。なお、ここでは、上記のP
EMAXとして、PmaxNewとPmaxのいずれを使用する場合でも、「max(P
EMAX-P
PowerClass,0)」が0となる場合を想定している。つまり、PmaxNewとPmaxのいずれも、P
PowerClass(UEのパワークラスに基づく最大送信電力)と同じか、P
PowerClassよりも小さい場合を想定している。
【0047】
なお、ここでは、「(Q
rxlevmin+Q
rxlevminoffset)+Pcompensation+Qoffset
temp」全体を予め定めた最低受信レベル値と呼んでもよい。
【0048】
よって、本例では、便宜上、以下の式でSrxlevを計算すると考えることができる。
【0049】
Srxlev = 測定値(Q
rxlevmeas)−(定数(Q
rxlevmin)−P
EMAXcompensation)
P
EMAXcompensationについて、より詳細には、
図7に示すとおり、「Max(PmaxNew−Pmax,0)」で求められる。なお、Max(A,B)は、AとBのうちの大きな値を返す関数である。前述したように、PmaxNewは、ユーザ装置UEが当該セルで適用する最大送信電力であり、Pmaxは、既存のp−Maxの値である。なお、P
EMAXcompensationを「Max(PmaxNew−Pmax,0)」で求めることは一例である。例えば、PmaxNewから、Pmax以外の所定値を引いた値をP
EMAXcompensationとしてもよい。また、これら以外の方法で、PmaxNewに基づきP
EMAXcompensationを算出してもよい。また、「PmaxNew−Pmax」における「Pmax」として、最も優先度の低いNS値に対応するPmaxNewを用いてもよい。
【0050】
ここで、
図2の例で考えて、PmaxNew=23dBm、Pmax=17dBmとすると、P
EMAXcompensation=6dBとなる。そして、上記の定数(予め定めた最低受信レベル値)を−125dBmとすると、「定数−P
EMAXcompensation」は、−131dBmとなる。よって、P
EMAXcompensationを使用する場合は、これを使用しない場合と比較して、Srxlev>0を満たすための測定値(Q
rxlevmeas)は小さくなり、ユーザ装置UEにとってのカバレッジが広くなる。
【0051】
すなわち、
図8に示すように、P
EMAXcompensationを適用しない場合のカバレッジがBであるのに対して、P
EMAXcompensationを適用する場合には、「PmaxNew−Pmax」の分だけカバレッジが広くなり、Aで示すカバレッジが得られる。
【0052】
上述したように、これまでに説明した例では、PmaxNewとPmaxのいずれも、P
PowerClassと同じか、P
PowerClassよりも小さいという想定の下、以下の式を用いた。
【0053】
Srxlev =
Q
rxlevmeas-(Q
rxlevmin+Q
rxlevminoffset)-Pcompensation-Qoffset
temp +P
EMAXcompensation
これまでに説明した例に代えて、ユーザ装置UEは、以下の(1)の式に示すように、既存の式を用いてSrxlevを計算することとしてもよい。ただし、この場合、Pcompensationは、(2)の式に示すようにして計算する。
【0054】
(1)Srxlev = Q
rxlevmeas-(Q
rxlevmin+Q
rxlevminoffset)-Pcompensation-Qoffset
temp
(2)Pcompensation = max(P_EMAX[legacy] - P
PowerClass, 0) - max{min(P_EMAX[new], P
PowerClass) - P_EMAX[legacy], 0} (dB)
上記(2)の式において、P_EMAX[legacy]はPmax(既存のp−Max)に相当し、P_EMAX[new]はPmaxNewに相当する。
【0055】
上記の(1)、(2)の式を用いる場合、PmaxNewとPmaxのいずれも、P
PowerClassと同じか、P
PowerClassよりも小さいという想定に限定されない。以下、P_EMAX[legacy]、P_EMAX[new]、P
PowerClassの大小関係に応じて、上記(2)の式がどのような値になるか説明する。
【0056】
(a)P_EMAX[legacy]>P
PowerClass、かつ、P_EMAX[new]>P
PowerClass
この場合、Pcompensation = (P_EMAX[legacy] - P
PowerClass) - max{ P
PowerClass - P_EMAX[legacy], 0} = (P_EMAX[legacy] - P
PowerClass)となる。つまり、P_EMAX[legacy]>P
PowerClassであっても、ユーザ装置UEの最大送信電力は、P
PowerClassに限定されるので、その分の補償(カバレッジを狭くする方向の補償)をPcompensationにより行うのである。
【0057】
(b)P_EMAX[legacy]>P
PowerClass、かつ、P_EMAX[new]<P
PowerClass
この場合、Pcompensation =
(P_EMAX[legacy] - P
PowerClass) - max{(P_EMAX[new] - P_EMAX[legacy]), 0}= (P_EMAX[legacy] - P
PowerClass)となる。つまり、(a)と同じである。
【0058】
(c)P_EMAX[legacy]<P
PowerClass、かつ、P_EMAX[new]<P
PowerClass
この場合、Pcompensation = - max{(P_EMAX[new]- P_EMAX[legacy]), 0}となる。この場合は、「PmaxNewとPmaxのいずれも、P
PowerClassと同じか、P
PowerClassよりも小さいという想定」の下で、前述したP
EMAXcompensationの項を設けて計算する場合と同じである。
【0059】
(d)P_EMAX[legacy]<P
PowerClass、かつ、P_EMAX[new]>P
PowerClass
この場合、Pcompensation = -max{(P
PowerClass - P_EMAX[legacy]), 0}=- (P
PowerClass - P_EMAX[legacy])となる。この場合、(P
PowerClass - P_EMAX[legacy])の分だけ、カバレッジを広げる方向に補償がなされる。
【0060】
なお、ここでの例では、「(Q
rxlevmin+Q
rxlevminoffset)+ Qoffset
temp」全体を予め定めた最低受信レベル値と呼んでもよい。本例では、便宜上、以下の式でSrxlevを計算すると考えることができる。
【0061】
Srxlev = 測定値(Q
rxlevmeas)−(定数(Q
rxlevmin)+Pcompensation)
上記の(c)や(d)に示したように、予め定めた最低受信レベル値から、最大送信電力値(P_EMAX[new]、P
PowerClass 等)に基づく補償値((P_EMAX[new]- P_EMAX[legacy])、(P
PowerClass - P_EMAX[legacy])等)を引いて得られた補正値と、受信レベル値(Q
rxlevmeas)とからSrxlevが算出される。
【0062】
上記の式(1)、(2)を用いた例は、特に、P_EMAX[legacy] < P_EMAX[new] である場合に適している。すなわち、例えば、上記の(c)の場合において、P_EMAX[legacy] > P_EMAX[new]であるとすると、Pcompensation =0となり、カバレッジの観点からP_EMAX[legacy] > P_EMAX[new]であることが反映できない可能性がある。そこで、P_EMAX[legacy] > P_EMAX[new] のケースも考慮して、以下の式(1)、(3)を用いてSrxlevを計算することとしてもよい。(1)は上記の(1)と同じである。
【0063】
(1)Srxlev = Q
rxlevmeas-(Q
rxlevmin+Q
rxlevminoffset)-Pcompensation-Qoffset
temp
(3)Pcompensation = max(P_EMAX[legacy] - P
PowerClass, 0) - {min(P_EMAX[new], P
PowerClass) - min(P_EMAX[legacy], P
PowerClass)} (dB)
上記(3)の式において、P_EMAX[legacy]はPmax(既存のp−Max)に相当し、P_EMAX[new]はPmaxNewに相当する。
【0064】
上記の(1)、(3)の式を用いる場合も、PmaxNewとPmaxのいずれも、P
PowerClassと同じか、P
PowerClassよりも小さいという想定に限定されない。以下、P_EMAX[legacy]、P_EMAX[new]、P
PowerClassの大小関係に応じて、上記(3)の式がどのような値になるか説明する。
【0065】
(e)P_EMAX[legacy]>P
PowerClass、かつ、P_EMAX[new]>P
PowerClass
この場合、Pcompensation = (P_EMAX[legacy] - P
PowerClass) - { P
PowerClass -P
PowerClass}= (P_EMAX[legacy] - P
PowerClass)となる。つまり、P_EMAX[legacy]>P
PowerClassであっても、ユーザ装置UEの最大送信電力は、P
PowerClassに限定されるので、その分の補償(カバレッジを狭くする方向の補償)をPcompensationにより行うのである。
【0066】
(f)P_EMAX[legacy]>P
PowerClass、かつ、P_EMAX[new]<P
PowerClass
この場合、Pcompensation =
(P_EMAX[legacy] - P
PowerClass) - {P_EMAX[new] -P
PowerClass} = (P_EMAX[legacy] - P_EMAX[new])となる。この場合、(P_EMAX[legacy] - P_EMAX[new])の分の補償(カバレッジを狭くする方向の補償)が行われる。
【0067】
(g)P_EMAX[legacy]<P
PowerClass、かつ、P_EMAX[new]<P
PowerClass
この場合、Pcompensation = 0 - { P_EMAX[new]- P_EMAX[legacy] }= P_EMAX[legacy] - P_EMAX[new]となる。この場合は、P_EMAX[legacy] < P_EMAX[new]であれば、前述したP
EMAXcompensationの項を設けて計算する場合と同じである。また、式(2)を用いる場合と異なり、P_EMAX[legacy] > P_EMAX[new]であれば、(P_EMAX[legacy] - P_EMAX[new])の分の補償(カバレッジを狭くする方向の補償)が行われる。
【0068】
(h)P_EMAX[legacy]<P
PowerClass、かつ、P_EMAX[new]>P
PowerClass
この場合、Pcompensation = - (P
PowerClass - P_EMAX[legacy])となる。この場合、(P
PowerClass - P_EMAX[legacy])の分だけ、カバレッジを広げる方向に補償がなされる。
【0069】
なお、ここでの例でも、「(Q
rxlevmin+Q
rxlevminoffset)+ Qoffset
temp」全体を予め定めた最低受信レベル値と呼んでもよい。本例でも、便宜上、以下の式でSrxlevを計算すると考えることができる。
【0070】
Srxlev = 測定値(Q
rxlevmeas)−(定数(Q
rxlevmin)+Pcompensation)
上記の(g)や(h)に示したように、予め定めた最低受信レベル値から、最大送信電力値(P_EMAX[new]、P
PowerClass 等)に基づく補償値((P_EMAX[new]- P_EMAX[legacy])、(P
PowerClass - P_EMAX[legacy])等)を引いて得られた補正値と、受信レベル値(Q
rxlevmeas)とからSrxlevが算出される。
【0071】
上記の式(1)、(3)を用いた例により、P_EMAX[legacy] < P_EMAX[new] である場合のみならず、P_EMAX[legacy] > P_EMAX[new]である場合でも、適切にSrxlev を算出できる。
【0072】
図9に、上記の式(1)、(3)を用いる場合の仕様書(3GPP TS 36.304)の変更例を、非特許文献5からの変更箇所に下線を引いた形で示す。
図9において、P
EMAX1が上記のP_EMAX[legacy]に対応し、P
EMAX2がP_EMAX[new]に対応する。
【0073】
(第2の実施の形態)
上述した第1の実施の形態では、例えば、「P
EMAXcompensation」を予め定めた最低受信レベル値(Q
rxlevmin)から引き、引いた後の最低受信レベル値を新たな最低受信レベル値と見なしてSrxlevを計算することで課題を解決していた。課題を解決する手法は、これに限られず、以下で説明する手法でも解決可能である。当該手法を第2の実施の形態として説明する。以下、第1の実施の形態と異なる点について主に説明する。
【0074】
本実施の形態では、「P
EMAXcompensation」、もしくは前述した(1)、(2)の式、あるいは(1)、(3)の式を使用する代わりに、NS値とPmaxNewに対応したQ
rxlevminを使用する。すなわち、従来技術では、新UEも旧UEも同じQ
rxlevmin(つまり、同じq−RxLevMin)を使用するために、
図2で説明したような課題が生じていたが、本実施の形態では、基地局eNBが、報知情報にて、NS値とPmaxNewに対応したq−RxLevMinをユーザ装置UEに報知する。これにより、ユーザ装置UEは、NS値/PmaxNewに対応したQ
rxlevmin(最低受信レベル)を使用してSrxlevの計算を行うことができ、課題が解決される。
【0075】
本実施の形態において、上記のようなNS値、PmaxNew、及び、これらに対応した新たなq−RxLevMin(これをq−RxLevMin−PmaxNewと記述する)の報知を実現する3GPP仕様書(3GPP TS 36.331)の記載例(抜粋)を、非特許文献2からの変更箇所に下線を引いた形で
図10、
図11に示す。
【0076】
図10、
図11に示すように、この例では、基地局eNBは、SIB1を用いて、バンド毎に、NS値とPmaxNewとq−RxLevMin−PmaxNewのリストを送信する。当該SIB1を受信したユーザ装置UEは、選択したバンド(例:freqBandIndicatorで示すバンド)に対応するNS値のリストから、自身がサポートする最初の(優先度の最も高い)NS値(additional spectrum emission value)を選択し、当該NS値に対応するPmaxNew及びq−RxLevMin−PmaxNewを選択する。もしもリストの中にユーザ装置UEが適用可能なNS値がない場合、ユーザ装置UEは、既存のp−Max(Pmax)及び既存のq−RxLevMinを適用する。
【0077】
なお、NS値とPmaxNewとq−RxLevMin−PmaxNewのリストをSIB1で送信することは一例に過ぎない。例えば、SIB1ではPmaxNewとq−RxLevMin−PmaxNewを送信し、SIB2でNS値を送信してもよい。
【0078】
上記のSIB1の情報を受信し、NS値、PmaxNew、及びq−RxLevMin−PmaxNewを選択したユーザ装置UEは、セル選択において、q−RxLevMin−PmaxNewに基づき、例えば「q−RxLevMin−PmaxNew×2」としてQ
rxlevminを算出する。そして、非特許文献5に記載されている以下の式によりSrxlevを求め、「Srxlev>0」の判定を行う。
【0079】
Srxlev = Q
rxlevmeas - (Q
rxlevmin + Q
rxlevminoffset) - Pcompensation - Qoffset
temp
第1の実施の形態でも説明したように、便宜上、以下の式でSrxlevを計算すると考えることができる。
【0080】
Srxlev = 測定値(Q
rxlevmeas)−定数(Q
rxlevmin)
ここで、
図2の例で考えて、PmaxNew=23dBm(新UE)、Pmax=17dBm(旧UE)とすると、PmaxNew=23dBmに対応する定数(Q
rxlevmin、PmaxNewに対応するq−RxLevMin−PmaxNewから算出される定数)は、Pmax=17dBmに対応する定数(Q
rxlevmin、q−RxLevMinから算出される定数)よりも小さな値が設定されることが想定される。一例として、PmaxNew=23dBmに対応する定数(Q
rxlevmin)が−131dBmであり、Pmax=17dBmに対応する定数(Q
rxlevmin)が−125dBmであるとする。すると、新UEにおいて、Srxlev>0を満たすための測定値(Q
rxlevmeas)は、旧UEに比べて小さくなり、新UEにとってのカバレッジが広くなる。
【0081】
すなわち、
図8を用いて説明すると、q−RxLevMin−PmaxNewを適用しない場合(既存のq−RxLevMinを適用する場合)のカバレッジがBであるのに対して、q−RxLevMin−PmaxNewを適用する場合にはカバレッジが広くなり、Aで示すカバレッジが得られる。
【0082】
(変形例)
これまで、ユーザ装置UEが、セル選択を行う際に、P
EMAXcompensationを適用したSrxlevの計算を行う例、(1)、(2)の式を用いる例、(1)、(3)の式を用いる例、及び、q−RxLevMin−PmaxNewを適用する例を説明した。ここで、ユーザ装置UEが、あるセルから別のセルに在圏する場合等に実行するセル再選択(cell reselection)においても、在圏する(遷移先の)セルを選択する際の条件の1つとして、セル選択と同様の「cell selection criterion S」がある。つまり、在圏しようとするセル(ターゲットセル)において、Srxlev>0を満たす必要がある。よって、ユーザ装置UEは、セル選択の場合と同様に、セル再選択においても、P
EMAXcompensationを適用したSrxlevの計算、(1)、(2)の式を用いたSrxlevの計算、(1)、(3)の式を用いたSrxlevの計算、もしくは、q−RxLevMin−PmaxNewを適用したSrxlevの計算を行う。ただし、Srxlevの計算に用いるパラメータは、ターゲットセルにおけるパラメータであり、以下で説明するように、当該パラメータは、基地局eNBからSIB3、SIB5により報知する。
【0083】
本実施の形態における通信システムでは、セル再選択として、同一周波数セル再選択(intra−frequency cell re−selection)と異周波数セル再選択(inter−frequency cell re−selection)がある。
【0084】
同一周波数セル再選択において、ユーザ装置UEは、在圏しているセル(serving cell)における参照信号の受信電力が所定値以下になった場合に、当該セルの周波数(キャリア周波数と呼んでもよい)と同じ周波数の周辺セル(neighboring cell)における受信電力の測定を開始し、測定結果に基づいて周辺セルに遷移するかどうかを決定する。
【0085】
一方、異周波数セル再選択では、ユーザ装置UEは、優先度等に基づき、在圏しているセルの周波数と異なる周波数の周辺セルの測定を行って、測定結果に基づいて周辺セルに遷移するかどうかを決定する。異周波数セル再選択では、基地局eNBからユーザ装置UEに送信される複数種類のシステム情報のうちの1つであるSIB5(System information Block Type 5)に含まれる情報が用いられる(非特許文献2)。
【0086】
非特許文献2に記載されている従来のSIB5には、周辺セルの周波数毎に「InterFreqCarrierFreqInfo」が存在する。「InterFreqCarrierFreqInfo」には、周波数(dl−CarrierFreqのフィールドの値)、最大送信電力(p−Maxのフィールドの値)、プライオリティ(cellReselectionPriorityのフィールドの値)、各種閾値(threshX−High、threshX−Low等のフィールドの値)等が含まれる。
【0087】
上記のp−Maxの値は、遷移先のセル(ターゲットセル)でのPmaxに相当する。しかし、従来技術において、SIB5には、ターゲットセルのNS値が含まれないため、上記のp−Maxがターゲットセルの選定において最適な値ではない可能性がある。
【0088】
そこで、本変形例では、異周波数セル再選択において、ユーザ装置UEが遷移先のセルを適切に判定できるように、SIB5の中に、周辺セルの周波数毎に、複数のNS値と、当該複数のNS値のそれぞれに対応するp−Maxの値(以下、PmaxNew)を含めることとしている。
【0089】
また、第2の実施の形態で説明したように、q−RxLevMin−PmaxNewを用いる場合には、SIB5の中に、周辺セルの周波数毎に、複数のNS値と、当該複数のNS値のそれぞれに対応するPmaxNew、及びq−RxLevMin−PmaxNewを含めることとしている。
【0090】
各周波数についての複数のNS値は、例えば、優先度の高い順(decreasing order of priority)に並べられたリストとして基地局eNBからユーザ装置UEに通知される。また、当該複数のNS値に対応する複数のPmaxNewの値は、NS値のリストにおけるNS値の並び順と同じ順番でPmaxNewを並べたリストとして通知される。また、NS値と当該NS値に対応するPmaxNewの値とを組とし、当該組を優先度の高い順番に並べたリストをSIB5に含め、基地局eNBからユーザ装置UEに通知してもよい。また、q−RxLevMin−PmaxNewを用いる場合には、各NS値/PmaxNewに対応するq−RxLevMin−PmaxNewが通知される。
【0091】
なお、リストでの値の並べ方について、優先度の高い順とすることは例であり、優先度の低い順であってもよい。
【0092】
第1の実施の形態に基づく計算(P
EMAXcompensationを使用する計算、(1)、(2)の式を用いる計算、(1)、(3)の式を用いる計算)を行う場合、一例として、SIB5で通知する異周波数が周波数1と周波数2である場合において、SIB5の中に、周波数1に対して「(NS値1,PmaxNew1),(NS値2,PmaxNew2),(NS値3,PmaxNew3)」が含められ、周波数2に対して「(NS値1,PmaxNew1),(NS値4,PmaxNew4),(NS値5,PmaxNew5)」が含められる。例えば(NS値1,PmaxNew1)は、NS値1とPmaxNew1が対応していることを示す。
【0093】
SIB5に含まれる上記のリストを受信したユーザ装置UEが、異周波数セル再選択において、例えば「周波数1」のセルに遷移するかどうかの判定を行う際に、SIB5における「周波数1」に対応するNS値のリスト(又は、NS値とPmaxNewとの組のリスト)を参照して、当該「周波数1」において、ユーザ装置UEが適用可能なNS値のうち、最も優先度の高いNS値を選択し、更に、当該NS値に対応するPmaxNewを選択し、選択したPmaxNewを適用してSrxlevを計算し、「Srxlev>0」を満たすかどうかの判定を行う。Srxlevの計算は、セル選択の場合と同じであり、P
EMAXcompensation、もしくは、(1)、(2)の式、あるいは(1)、(3)の式を使用する。
【0094】
例えば、周波数1に対応するリストが「(NS値1,PmaxNew1),(NS値2,PmaxNew2),(NS値3,PmaxNew3)」である場合において、ユーザ装置UEがNS値2とNS値3に対応しており、NS値2がNS値3よりも優先度が高い場合に、ユーザ装置UEはNS値2を選択し、これに対応するPmaxNew2を用いて周波数1のセルに遷移するかどうかを決定する。
【0095】
また、第2の実施の形態に基づく計算(q−RxLevMin−PmaxNewを使用する計算)を行う場合、一例として、SIB5で通知する異周波数が周波数1と周波数2である場合において、SIB5の中に、周波数1に対して「(NS値1,PmaxNew1,q−RxLevMin−PmaxNew1),(NS値2,PmaxNew2,q−RxLevMin−PmaxNew2),(NS値3,PmaxNew3,q−RxLevMin−PmaxNew3)」が含められ、周波数2に対して「(NS値1,PmaxNew1,q−RxLevMin−PmaxNew1),(NS値4,PmaxNew4,q−RxLevMin−PmaxNew4),(NS値5,PmaxNew5,q−RxLevMin−PmaxNew5)」が含められる。例えば(NS値1,PmaxNew1,q−RxLevMin−PmaxNew1)は、NS値1とPmaxNew1とq−RxLevMin−PmaxNew1が対応していることを示す。
【0096】
SIB5に含まれる上記のリストを受信したユーザ装置UEが、異周波数セル再選択において、例えば「周波数1」のセルに遷移するかどうかの判定を行う際に、SIB5における「周波数1」に対応するNS値のリスト(又は、NS値とPmaxNewとq−RxLevMin−PmaxNewのセットのリスト)を参照して、当該「周波数1」において、ユーザ装置UEが適用可能なNS値のうち、最も優先度の高いNS値を選択し、更に、当該NS値に対応するPmaxNew及びq−RxLevMin−PmaxNewを選択し、選択したq−RxLevMin−PmaxNewを適用してSrxlevを計算し、「Srxlev>0」を満たすかどうかの判定を行う。
【0097】
第1の実施の形態で説明した計算を行う場合において、SIB5に関する変形例に対応する3GPP仕様書(3GPP TS 36.331)の記載例(抜粋)を
図12、
図13に示す。
図12、
図13において、非特許文献2からの変更箇所に下線が引かれている。
【0098】
図12は、SIB5(SystemInformationBlockType5 information element)の抜粋を示す。
図12に示すように、MPR−InfoのリストとしてmultiMPR−InfoListが追加されている。multiMPR−InfoListは、周辺セルの周波数毎に含められる。
図13の説明に示すように、本例において、multiMPR−InfoListは、additionalSpectrumEmission(NS値)と、これに対応するp−Maxの値(PmaxNew)の組を優先度順に並べたリストである。PmaxNewがMPR−Infoにない場合、ユーザ装置UEは、InterFreqCarrierFreqInfoにおけるp−Max(Pmax)を適用する。また、ユーザ装置UEが、リストにおけるいずれのadditionalSpectrumEmission(NS値)もサポートしない場合、ユーザ装置UEは、InterFreqCarrierFreqInfoにおけるp−Max(Pmax)を適用する。
【0099】
第2の実施の形態で説明した計算を行う場合において、SIB5に関する変形例に対応する3GPP仕様書(3GPP TS 36.331)の記載例(抜粋)を
図14、
図15に示す。
図14、
図15において、非特許文献2からの変更箇所に下線が引かれている。
【0100】
図14、
図15に示すように、PmaxNewとNS値(additionalSpectrumEmission)とq−RxLevMin−PmaxNewのリストが含まれる。当該SIB5を受信したユーザ装置UEは、周辺セルの周波数に対応するリストから、自身がサポートする最初の(優先度の最も高い)NS値(additional spectrum emission value)を選択し、当該NS値に対応するPmaxNewとq−RxLevMin−PmaxNewを選択する。もしもリストの中にユーザ装置UEが適用可能なNS値がない場合、ユーザ装置UEは、既存のp−Max(Pmax)とq−RxLevMinを適用する。なお、
図14、
図15は一例に過ぎない。
図14、
図15に示す例の他、
図12、
図13に示す例において、q−RxLevMin−PmaxNewを追加することとしてもよい。
【0101】
上記の例において、異周波数セル再選択に用いられるSIB5について説明したが、同一周波数セル再選択(intra−frequency cell re−selection)に関しては、ターゲットセルへの遷移を行うかどうかを判定するために用いられるp−Maxの値(Pmaxに相当)はSIB3の中に含められている。
【0102】
SIB5の場合と同様に、既存のSIB3には、ターゲットセルのNS値が含まれないため、上記のp−Maxがターゲットセルの選定において最適な値ではない可能性がある。
【0103】
そこで、本変形例では、同一周波数セル再選択においても、ユーザ装置UEがセル遷移を行うかどうかを適切に判定できるように、SIB3の中に、遷移先のセル(neighbor cells)に対する複数のNS値と、当該複数のNS値のそれぞれに対応するp−Maxの値(以下、PmaxNew)を含めることとしている。ただし、後述するように、複数のNS値と、当該複数のNS値のそれぞれに対応するPmaxNewを含めない方式も可能であるため、以下では、複数のNS値と、当該複数のNS値のそれぞれに対応するPmaxNewを含める場合を方式1とし、含めない場合を方式2として説明する。なお、方式1と方式2のいずれも変形例に含まれる方式である。
【0104】
<方式1>
SIB3に含める複数のNS値は、例えば、優先度の高い順(decreasing order of priority)に並べられたリストとして基地局eNBからユーザ装置UEに通知される。また、当該複数のNS値に対応する複数のPmaxNewの値は、NS値のリストにおけるNS値の並び順と同じ順番でPmaxNewを並べたリストとして通知される。また、NS値と当該NS値に対応するPmaxNewの値とを組とし、当該組を優先度の高い順番に並べたリストをSIB3に含め、基地局eNBからユーザ装置UEに通知してもよい。また、q−RxLevMin−PmaxNewを用いる場合には、各NS値/PmaxNewに対応するq−RxLevMin−PmaxNewが通知される。
【0105】
なお、リストでの並べ方について、優先度の高い順とすることは例であり、優先度の低い順であってもよい。
【0106】
第1の実施の形態に基づく計算(P
EMAXcompensationを使用する計算、(1)、(2)の式を用いる計算、(1)、(3)の式を用いる計算)を行う場合、一例として、SIB3の中に、遷移先のセルで適用し得るNS値とPmaxNewの値の組のリストとして、「(NS値1,PmaxNew1),(NS値2,PmaxNew2),(NS値3,PmaxNew3)」が含められる。
【0107】
SIB3に含まれる上記のリストを受信したユーザ装置UEは、同一周波数セル再選択において、同一周波数の他のセルに遷移するかどうかの判定を行う際に、SIB3におけるNS値のリスト(又は、NS値とPmaxNewとの組のリスト)を参照して、ユーザ装置UEが適用可能なNS値のうち、最も優先度の高いNS値を選択し、更に、当該NS値に対応するPmaxNewを選択し、選択したPmaxNewを適用して判定を実施する。つまり、選択したPmaxNewを適用してSrxlevを計算し、「Srxlev>0」を満たすかどうかの判定を行う。Srxlevの計算は、セル選択の場合と同じであり、P
EMAXcompensation、もしくは、(1)、(2)の式、あるいは(1)、(3)の式を使用する。
【0108】
また、第2の実施の形態に基づく計算(q−RxLevMin−PmaxNewを使用する計算)を行う場合、一例として、SIB3の中に、遷移先のセルで適用し得るNS値とPmaxNewとq−RxLevMin−PmaxNewの値の組のリストとして、「(NS値1,PmaxNew1,q−RxLevMin−PmaxNew1),(NS値2,PmaxNew2,q−RxLevMin−PmaxNew2),(NS値3,PmaxNew3,q−RxLevMin−PmaxNew3)」が含められる。
【0109】
SIB3に含まれる上記のリストを受信したユーザ装置UEは、同一周波数セル再選択において、同一周波数の他のセルに遷移するかどうかの判定を行う際に、SIB3におけるNS値のリスト(又は、NS値とPmaxNewとq−RxLevMin−PmaxNewの組のリスト)を参照して、ユーザ装置UEが適用可能なNS値のうち、最も優先度の高いNS値を選択し、更に、当該NS値に対応するPmaxNewとq−RxLevMin−PmaxNewを選択し、選択したq−RxLevMin−PmaxNewを適用して判定を実施する。つまり、選択したq−RxLevMin−PmaxNewを適用してSrxlevを計算し、「Srxlev>0」を満たすかどうかの判定を行う。
【0110】
第1の実施の形態で説明した計算を行う場合において、SIB3に関する変形例に対応する3GPP仕様書(3GPP TS 36.331)の記載例(抜粋)を
図16、
図17に示す。
図16、
図17において、非特許文献2からの変更箇所に下線が引かれている。
【0111】
図16は、SIB3(SystemInformationBlockType3 information element)の抜粋を示す。
図16に示すように、MPR−InfoのリストとしてmultiMPR−InfoListが追加されている。
図17に示すように、本例において、multiMPR−InfoListは、additionalSpectrumEmission(NS値)と、これに対応するp−Maxの値(本実施の形態でのPmaxNew)の組を優先度順に並べたリストである。p−Max(PmaxNew)がMPR−Infoにない場合、ユーザ装置UEは、intraFreqCellReselectionInfoにおけるp−Max(Pmax)を適用する。また、ユーザ装置UEが、リストにおけるいずれのadditionalSpectrumEmission(NS値)もサポートしない場合、ユーザ装置UEは、intraFreqCellReselectionInfoにおけるp−Max(Pmax)を適用する。
【0112】
第2の実施の形態で説明した計算を行う場合において、SIB3に関する変形例に対応する3GPP仕様書(3GPP TS 36.331)の記載例(抜粋)を
図18、
図19に示す。
図18、
図19において、非特許文献2からの変更箇所に下線が引かれている。
【0113】
図18、
図19に示すように、PmaxNewとNS値(additionalSpectrumEmission)とq−RxLevMin−PmaxNewのリストが含まれる。当該SIB3を受信したユーザ装置UEは、自身がサポートする最初の(優先度の最も高い)NS値(additional spectrum emission value)を選択し、当該NS値に対応するPmaxNewとq−RxLevMin−PmaxNewを選択する。もしもリストの中にユーザ装置UEが適用可能なNS値がない場合、ユーザ装置UEは、既存のp−Max(Pmax)とq−RxLevMinを適用する。なお、
図18、
図19は一例に過ぎない。
図18、
図19に示す例の他、
図16、
図17に示す例において、q−RxLevMin−PmaxNewを追加することとしてもよい。
【0114】
<方式2>
方式1では、SIB3の中に、複数のNS値と、当該複数のNS値のそれぞれに対応するPmaxNewを含めることとしたが、方式2では、SIB3自体は既存のSIB3(例:非特許文献2に記載された「SystemInformationBlockType3 information element」の記載内容)を用いることができる。
【0115】
方式2では、SIB3を受信したユーザ装置UEは、SIB3の中のp−Maxを、SIB1で複数のPmaxNewから選択(適用)したPmaxNewに置き換え、当該PmaxNewを用いて判定を実施する。つまり、当該PmaxNewを適用してSrxlevを計算し、「Srxlev>0」を満たすかどうかの判定を行う。Srxlevの計算は、セル選択の場合と同じであり、PEMAXcompensation、もしくは、(1)、(2)の式、あるいは(1)、(3)の式を使用する。
【0116】
方式2における3GPP仕様書(3GPP TS 36.331の5.2.2.10)の記載例(抜粋)を
図20に示す。非特許文献2からの変更箇所に下線が引かれている。
【0117】
既に説明したように、SIB1の中に、ユーザ装置UE自身が適用するバンドにおけるNS値とPmaxNewのリストが含まれ、ユーザ装置UEは、自身が適用可能な最も優先度の高い(最初にリストされた)NS値を選択するとともに、当該NS値に対応するPmaxNewを選択する。
【0118】
そして、ユーザ装置UEは、SIB3を受信すると、SIB1から選択したPmaxNew(
図20では「additionalPmax」と表記)で、SIB3におけるp−Maxを置き換える。つまり、ユーザ装置UEは、SIB1から選択したPmaxNewを、SIB3のp−Maxと見なして、同一周波数セル再選択を実施する。
【0119】
なお、方式2の動作を行う場合でも、SIB3に、p−Maxに加えて、複数のNS値と、当該複数のNS値のそれぞれに対応するPmaxNewが含まれていてもよい。この場合、例えば、ユーザ装置UEは、方式1と方式2のどちらを実行するかを設定により選択することができることとしてよい。当該設定は、ユーザ装置UEに対して固定的にされていてもよいし、基地局eNBからのシグナリングで行うこととしてもよい。
【0120】
SIB1の例については既に
図4、
図5に示したが、
図21、
図22はSIB1の他の例を示す。これらのSIB1は、NS値とPmaxNewのリストの報知を実現するSIB1であるという点で共通するものである。
図21、
図22に示すSIB1は、
図20に示したSIB3に係る動作の記載に対応するものであり、NS値とPmaxNewのリストとして「NS−PmaxList」が追加されている。
【0121】
図23は、
図21に示すSIB1を受信したユーザ装置UEの動作を記述した仕様書の変更例を示している。
図23の下線部分に記載の動作は、
図4、
図5を参照して説明した動作と基本的に同じである。つまり、ユーザ装置UEは、選択したバンド(例:freqBandIndicatorで示すバンド)に対応するNS値のリストから、自身がサポートする最初の(優先度の最も高い)NS値(additional spectrum emission value)を選択し、当該NS値に対応するPmaxNew(「additionalPmax」)を選択する。
【0122】
(装置構成)
次に、本発明の実施の形態(第1、第2の実施の形態、及び変形例を含む)におけるユーザ装置UEと基地局eNBの構成例を示す。
【0123】
<ユーザ装置UE>
図24に、ユーザ装置UEの機能構成図を示す。
図24に示すように、ユーザ装置UEは、DL信号受信部101、UL信号送信部102、RRC処理部103、セル選択制御部104を備える。なお、
図24は、ユーザ装置UEにおいて本発明に特に関連する機能部のみを示すものであり、ユーザ装置UEは、少なくともLTEに準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。
【0124】
DL信号受信部101は、基地局eNBから各種の下り信号を受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの情報を取得する機能を含み、UL信号送信部102は、ユーザ装置UEから送信されるべき上位のレイヤの情報から、物理レイヤの各種信号を生成し、基地局eNBに対して送信する機能を含む。
【0125】
RRC処理部103は、本実施の形態(第1、第2の実施の形態、及び変形例を含む)で説明したSIB1、SIB2、SIB3、SIB5等の受信、読み取りを行うとともに、NS値の選択、PmaxNew/Pmax、q−RxLevMin−PmaxNew/q−RxLevMinの選択の処理等を実施する。また、RRC処理部103は、方式2で説明したように、SIB3受信時において、SIB3のp−MaxをSIB1から選択したPmaxNewに置き換える処理も行うことができる。RRC処理部103を、選択部もしくは選択手段と称しても良い。
【0126】
セル選択制御部104は、セル選択及びセル再選択を実行する機能を含む。すなわち、セル選択制御部104には、選択されたNS値に対応する最大送信電力(PmaxNew)/最低受信レベル(q−RxLevMin−PmaxNew、Q
rxlevmin)を用いてセル選択又はセル再選択を実行する制御手段が含まれる。セル選択制御部104を、制御部もしくは制御手段と称しても良い。
【0127】
図24に示すユーザ装置UEの構成は、全体をハードウェア回路(例:1つ又は複数のICチップ)で実現してもよいし、一部をハードウェア回路で構成し、その他の部分をCPUとプログラムとで実現してもよい。
【0128】
図25は、ユーザ装置UEのハードウェア(HW)構成の例を示す図である。
図25は、
図24よりも実装例に近い構成を示している。
図25に示すように、UEは、無線信号に関する処理を行うRE(Radio Equipment)モジュール151と、ベースバンド信号処理を行うBB(Base Band)処理モジュール152と、上位レイヤ等の処理を行う装置制御モジュール153と、USIMカードにアクセスするインタフェースであるUSIMスロット154とを有する。
【0129】
REモジュール151は、BB処理モジュール152から受信したデジタルベースバンド信号に対して、D/A(Digital−to−Analog)変換、変調、周波数変換、及び電力増幅等を行うことでアンテナから送信すべき無線信号を生成する。また、受信した無線信号に対して、周波数変換、A/D(Analog to Digital)変換、復調等を行うことでデジタルベースバンド信号を生成し、BB処理モジュール152に渡す。REモジュール151は、例えば、
図24のDL信号受信部101及びUL信号送信部102における物理レイヤ等の機能を含む。
【0130】
BB処理モジュール152は、IPパケットとデジタルベースバンド信号とを相互に変換する処理を行う。DSP(Digital Signal Processor)162は、BB処理モジュール152における信号処理を行うプロセッサである。メモリ172は、DSP162のワークエリアとして使用される。BB処理モジュール152は、例えば、
図24のDL信号受信部101及びUL信号送信部102におけるレイヤ2等の機能、RRC処理部103及びセル選択制御部104を含む。なお、RRC処理部103及びセル選択制御部104の機能の全部又は一部を装置制御モジュール153に含めることとしてもよい。
【0131】
装置制御モジュール153は、IPレイヤのプロトコル処理、各種アプリケーションの処理等を行う。プロセッサ163は、装置制御モジュール153が行う処理を行うプロセッサである。メモリ173は、プロセッサ163のワークエリアとして使用される。また、プロセッサ163は、USIMスロット154を介してUSIMとの間でデータの読出し及び書込みを行う。
【0132】
<基地局eNB>
図26に、基地局eNBの機能構成図を示す。
図21に示すように、基地局eNBは、DL信号送信部201、UL信号受信部202、RRC処理部203、送信電力制御部204を備える。なお、
図26は、基地局eNBにおいて本発明の実施の形態に特に関連する機能部のみを示すものであり、基地局eNBは、少なくともLTE方式に準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。
【0133】
DL信号送信部201は、基地局eNBから送信されるべき上位のレイヤの情報から、物理レイヤの各種信号を生成し、送信する機能を含む。UL信号受信部202は、ユーザ装置UEから各種の上り信号を受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。
【0134】
RRC処理部203は、本実施の形態(第1、第2の実施の形態、及び変形例を含む)で説明したSIB1、SIB2、SIB3、SIB5等の作成、送信を行う。送信電力制御部204は、例えば、ユーザ装置UEの最大送信電力を考慮して、ユーザ装置UEに対するスケジューリングやUL電力制御等を実施する。
【0135】
図26に示す基地局eNBの構成は、全体をハードウェア回路(例:1つ又は複数のICチップ)で実現してもよいし、一部をハードウェア回路で構成し、その他の部分をCPUとプログラムとで実現してもよい。
【0136】
図27は、基地局eNBのハードウェア(HW)構成の例を示す図である。
図27は、
図26よりも実装例に近い構成を示している。
図27に示すように、基地局eNBは、無線信号に関する処理を行うREモジュール251と、ベースバンド信号処理を行うBB処理モジュール252と、上位レイヤ等の処理を行う装置制御モジュール253と、ネットワークと接続するためのインタフェースである通信IF254とを有する。
【0137】
REモジュール251は、BB処理モジュール252から受信したデジタルベースバンド信号に対して、D/A変換、変調、周波数変換、及び電力増幅等を行うことでアンテナから送信すべき無線信号を生成する。また、受信した無線信号に対して、周波数変換、A/D変換、復調等を行うことでデジタルベースバンド信号を生成し、BB処理モジュール252に渡す。REモジュール251は、例えば、
図26のDL信号送信部201及びUL信号受信部202における物理レイヤ等の機能を含む。
【0138】
BB処理モジュール252は、IPパケットとデジタルベースバンド信号とを相互に変換する処理を行う。DSP262は、BB処理モジュール252における信号処理を行うプロセッサである。メモリ272は、DSP252のワークエリアとして使用される。BB処理モジュール252は、例えば、
図26のDL信号送信部201及びUL信号受信部202におけるレイヤ2等の機能、RRC処理部203及び送信電力制御部204を含む。なお、RRC処理部203及び送信電力制御部204の機能の全部又は一部を装置制御モジュール253に含めることとしてもよい。
【0139】
装置制御モジュール253は、IPレイヤのプロトコル処理、OAM処理等を行う。プロセッサ263は、装置制御モジュール253が行う処理を行うプロセッサである。メモリ273は、プロセッサ263のワークエリアとして使用される。補助記憶装置283は、例えばHDD等であり、基地局eNB自身が動作するための各種設定情報等が格納される。
【0140】
なお、
図24〜
図27に示す装置の構成(機能区分)は一例に過ぎない。本実施の形態(第1、第2の実施の形態、及び変形例を含む)で説明する処理を実現できるのであれば、その実装方法(具体的な機能部の配置、名称等)は、特定の実装方法に限定されない。
【0141】
また、ユーザ装置UE及び基地局eNBはそれぞれ、第1、第2の実施の形態、及び変形例の全ての機能を備えることとしてもよいし、第1の実施の形態及びそれに対応する変形例の機能のみ、もしくは、第2の実施の形態及びそれに対応する変形例の機能のみを有することとしてもよい。
【0142】
(実施の形態のまとめ)
以上、説明したように、本実施の形態によれば、基地局とユーザ装置とを備える移動通信システムにおける前記ユーザ装置であって、前記基地局から、複数のシグナリング値と、当該複数のシグナリング値のそれぞれに対応する複数の最大送信電力値とを受信し、当該複数のシグナリング値のうちの1つのシグナリング値を選択し、当該選択したシグナリング値に対応する最大送信電力値を選択する選択手段と、セル選択又はセル再選択における判定対象のセルに対して予め定められた最低受信レベル値から、前記最大送信電力値に基づく補償値を引いて得られた補正値と、当該判定対象のセルに対して測定した受信レベル値とを用いて、当該判定対象のセルにおける当該受信レベル値が所定の条件を満たすか否かを判定することによりセル選択又はセル再選択を実行する制御手段とを備えることを特徴とするユーザ装置が提供される。
【0143】
上記の構成により、基地局から複数のシグナリング値と、各シグナリング値に対応する最大送信電力値とが送信される移動通信システムにおいて、ユーザ装置が適切にセル選択又はセル再選択を行うことが可能となる。
【0144】
前記選択手段は、前記基地局から、前記複数のシグナリング値のいずれにも対応しない共通最大送信電力値を受信し、前記制御手段は、前記最大送信電力値から前記共通最大送信電力値を引くことにより前記補償値を算出することとしてもよい。
【0145】
上記の「共通最大送信電力値」(実施の形態でのPmax、p−Max等に対応)は、A−MPRが許容されない旧UEへの適用が想定され、選択したシグナリング値に対応する最大送信電力値(PmaxNew)よりも小さな値となると考えられる。前記最大送信電力値から前記共通最大送信電力値を引くことにより前記補償値を算出することで、新UEのUL最大送信電力を考慮した適切な補償値を算出できる。
【0146】
例えば、前記複数のシグナリング値は優先度順に並べられており、前記選択手段は、前記複数のシグナリング値の中から、前記ユーザ装置がサポートするシグナリング値のうち、最も優先度の高いシグナリング値を選択する。この構成により、ユーザ装置は、自身にとって最適なシグナリング値を選択でき、結果として最適な最大送信電力値を選択できる。
【0147】
前記所定の条件は、例えば、前記受信レベル値から前記補正値を引いた値が0より大きいことである。この構成により、補正値を使用しない場合に比べて、カバレッジを拡大することができる。
【0148】
前記制御手段は、セル選択を行う際には、前記基地局からSIB1で受信した最大送信電力値を使用し、セル再選択を行う際には、前記基地局からSIB3又はSIB5で受信した最大送信電力値を使用するようにしてもよい。この構成により、目的に応じた適切な最大送信電力値を使用することができる。また、前記制御手段は、セル再選択を行う際に、前記基地局からSIB1で受信した最大送信電力値を使用することとしてもよい。この構成により、既存のSIB3を利用することができる。
【0149】
また、本実施の形態によれば、基地局とユーザ装置とを備える移動通信システムにおける前記ユーザ装置であって、前記基地局から、複数のシグナリング値と、当該複数のシグナリング値のそれぞれに対応する複数のパラメータ(例:q−RxLevMin−PmaxNew)とを受信し、当該複数のシグナリング値のうちの1つのシグナリング値を選択し、当該選択したシグナリング値に対応するパラメータを選択する選択手段と、セル選択又はセル再選択における判定対象のセルに対する前記パラメータに基づく最低受信レベル値と、当該判定対象のセルに対して測定した受信レベル値とを用いて、当該判定対象のセルにおける当該受信レベル値が所定の条件を満たすか否かを判定することによりセル選択又はセル再選択を実行する制御手段とを備えることを特徴とするユーザ装置が提供される。
【0150】
また、本実施の形態によれば、基地局とユーザ装置とを備える移動通信システムであって、前記基地局は、複数のシグナリング値と、当該複数のシグナリング値のそれぞれに対応する複数のパラメータ(例:q−RxLevMin−PmaxNew)とを送信する手段を備え、前記ユーザ装置は、前記基地局から、前記複数のシグナリング値と、当該複数のシグナリング値のそれぞれに対応する複数のパラメータとを受信し、当該複数のシグナリング値のうちの1つのシグナリング値を選択し、当該選択したシグナリング値に対応するパラメータを選択する選択手段と、セル選択又はセル再選択における判定対象のセルに対する前記パラメータに基づく最低受信レベル値と、当該判定対象のセルに対して測定した受信レベル値とを用いて、当該判定対象のセルにおける当該受信レベル値が所定の条件を満たすか否かを判定することによりセル選択又はセル再選択を実行する制御手段と、を備えることを特徴とする移動通信システムが提供される。
【0151】
本実施の形態で説明したユーザ装置UEは、CPUとメモリを備え、プログラムがCPU(プロセッサ)により実行されることで実現される構成であってもよいし、本実施の形態で説明する処理のロジックを備えたハードウェア回路等のハードウェアで実現される構成であってもよいし、プログラムとハードウェアが混在していてもよい。
【0152】
本実施の形態で説明した基地局eNBは、CPUとメモリを備え、プログラムがCPU(プロセッサ)により実行されることで実現される構成であってもよいし、本実施の形態で説明する処理のロジックを備えたハードウェア回路等のハードウェアで実現される構成であってもよいし、プログラムとハードウェアが混在していてもよい。
【0153】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。説明の便宜上、ユーザ装置UE及び基地局eNBは機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従ってユーザ装置UEが有するプロセッサにより動作するソフトウェア、及び、基地局eNBが有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
【0154】
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。
【課題】基地局から複数のシグナリング値と、各シグナリング値に対応する最大送信電力値とが送信される移動通信システムにおいて、ユーザ装置が適切にセル選択又はセル再選択を行う。
【解決手段】ユーザ装置において、基地局から、複数のシグナリング値と、当該複数のシグナリング値のそれぞれに対応する複数の最大送信電力値とを受信し、当該複数のシグナリング値のうちの1つのシグナリング値を選択し、当該選択したシグナリング値に対応する最大送信電力値を選択する選択手段と、セル選択又はセル再選択における判定対象のセルに対して予め定められた最低受信レベル値から、前記最大送信電力値に基づく補償値を引いて得られた補正値と、当該判定対象のセルに対して測定した受信レベル値とを用いて、当該判定対象のセルにおける当該受信レベル値が所定の条件を満たすか否かを判定することによりセル選択又はセル再選択を実行する制御手段とを備える。