特許第6041966号(P6041966)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6041966
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】複合パッチアンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 13/08 20060101AFI20161206BHJP
   H01Q 5/35 20150101ALI20161206BHJP
   H01Q 21/24 20060101ALI20161206BHJP
   H01Q 5/42 20150101ALI20161206BHJP
【FI】
   H01Q13/08
   H01Q5/35
   H01Q21/24
   H01Q5/42
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-227104(P2015-227104)
(22)【出願日】2015年11月19日
【審査請求日】2016年1月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000165848
【氏名又は名称】原田工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124257
【弁理士】
【氏名又は名称】生井 和平
(72)【発明者】
【氏名】飯野 慎治
【審査官】 米倉 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−249818(JP,A)
【文献】 特開平06−350332(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0073236(US,A1)
【文献】 特開2008−219578(JP,A)
【文献】 特開2004−048367(JP,A)
【文献】 特開2001−267833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 13/08
H01Q 5/35
H01Q 5/42
H01Q 21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の周波数帯の信号を受信可能な複合パッチアンテナ装置であって、該複合パッチアンテナ装置は、
外部機器からのケーブルが接続されアンプ回路が載置され、第1周波数帯用の第1給電部と、第1周波数帯よりも低い第2周波数帯用の第2給電部とを有すると共に、アンプ回路が載置される面と反対側の面に配置されるベタアースを有する回路基板と、
前記回路基板に対して所定のエアギャップを介して平行に配置され略中央を貫通する孔部を有し回路基板のベタアースと共に円偏波マイクロストリップアンテナを構成する放射エレメントと、放射エレメントと同一部材で構成され放射エレメントの周縁部から延在し回路基板の第1給電部に接続される第1給電線とを有する、第1周波数帯に対応するギャップ型パッチアンテナと、
前記ギャップ型パッチアンテナの放射エレメント上に電気的に絶縁された状態で積層され、貫通孔を有する誘電体層と、誘電体層の一方の面上に配置される放射電極と、誘電体層の他方の面上に配置され誘電体層の貫通孔に対応する位置に孔部を有するグラウンド電極と、放射電極に接続され誘電体層の貫通孔とグラウンド電極の孔部とギャップ型パッチアンテナの放射エレメントの孔部とを貫通して回路基板の第2給電部に接続される第2給電線とを有する、第2周波数帯に対応する誘電体型パッチアンテナと、
を具備することを特徴とする複合パッチアンテナ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の複合パッチアンテナ装置において、前記誘電体型パッチアンテナは、ギャップ型パッチアンテナの放射エレメントに対して第2給電線を中心にアンテナ特性が向上するような所定の角度で放射電極が回転されて配置されることを特徴とする複合パッチアンテナ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項に記載の複合パッチアンテナ装置において、前記回路基板に接続されるケーブルは、その長手方向が回路基板の周縁部に対して垂直になるように接続され、ギャップ型パッチアンテナの第1給電線は、回路基板に接続されるケーブルの長手方向の延長軸に対して垂直方向の放射エレメントの周縁部から延在することを特徴とする複合パッチアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複合パッチアンテナ装置に関し、特に、パッチアンテナを積層して複数の周波数帯の信号を受信可能な複合パッチアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近来から車両には種々のアンテナが搭載されている。例えば、ラジオやテレビ、携帯電話、GPS(Global Positioning System:全地球航法衛星システム)、ETC(Electronic Toll Collection System:自動料金収受システム)、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)といった、種々の通信を実現するために必要なアンテナが車載されている。車両ルーフが受信条件としては最も好ましいが、美観が損なわれたり取り付け作業も煩雑となる。このため、車内のダッシュボード内にアンテナを収容したり、ガラスに貼付したりしている。そして、近来の車両は軽量化が課題となっており、アンテナ装置に対しても小型化が求められている。
【0003】
また、近来、GPSアンテナから取得した位置情報と、DSRC(Dedicated Short Range Communications)アンテナにより路側帯から入手した渋滞等の情報とを組み合わせ、総合的な安全運転支援等のサービスの運用が進められている。このようなシステムでは、位置計測用のGPSアンテナと、渋滞情報等取得用のDSRCアンテナとが、それぞれ必要となる。しかしながら、複数のアンテナを車載すると、取付面積が増えたり取付作業が煩雑になるという問題がある。そこで、複数のアンテナを集約して小型化した複合アンテナ装置の開発もされている(特許文献1)。これは、GPS用のループアンテナのループの内側にETC用のパッチアンテナを配置したものである。また、複数の周波数帯の信号を受信可能とするために、セラミックや誘電体基板等を用いた複数のパッチアンテナを積層したスタックアンテナも知られている(特許文献2−4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−163531号公報
【特許文献2】特開2010−226633号公報
【特許文献3】特開2001−244726号公報
【特許文献4】特開平6−350332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のスタックアンテナは、何れもダッシュボード内に設置するために設計されたものであり、これまでのETC用のパッチアンテナのように、誘電体型パッチアンテナを用いていると、例えば車両のフロントガラス等に貼付した場合、誘電体であるガラスの影響を受けて十分な利得、軸比の帯域幅を確保できなかった。また、セラミック等の誘電体を用いたETC用のパッチアンテナは、帯域が狭いため積層して用いるのにも向かなかった。
【0006】
本発明は、斯かる実情に鑑み、小型化が可能で帯域が広く、ダッシュボード内蔵にもガラス貼付にも用いることが可能な複合パッチアンテナ装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による複合パッチアンテナ装置は、外部機器からのケーブルが接続されアンプ回路が載置され、第1周波数帯用の第1給電部と、第1周波数帯よりも低い第2周波数帯用の第2給電部とを有する回路基板と、回路基板に対して所定のエアギャップを介して平行に配置され略中央を貫通する孔部を有する放射エレメントと、放射エレメントに接続され回路基板の第1給電部に接続される第1給電線とを有する、第1周波数帯に対応するギャップ型パッチアンテナと、ギャップ型パッチアンテナの放射エレメント上に絶縁状態で積層され、貫通孔を有する誘電体層と、誘電体層上に配置される放射電極と、放射電極に接続され誘電体層の貫通孔とギャップ型パッチアンテナの放射エレメントの孔部とを貫通して回路基板の第2給電部に接続される第2給電線とを有する、第2周波数帯に対応する誘電体型パッチアンテナと、を具備するものである。
【0008】
ここで、誘電体型パッチアンテナは、ギャップ型パッチアンテナの放射エレメントに対して第2給電線を中心に所定の角度で放射電極が回転されて配置されるものであれば良い。
【0009】
また、ギャップ型パッチアンテナの第1給電線は、放射エレメントの周縁部から延在するものであれば良い。
【0010】
また、ギャップ型パッチアンテナの第1給電線は、放射エレメントと同一部材で構成されるものであっても良い。
【0011】
また、ギャップ型パッチアンテナの第1給電線は、回路基板に接続されるケーブルの長手方向に対して放射エレメントの中心から見て平行とならない周縁部から延在するものであれば良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明の複合パッチアンテナ装置には、小型化が可能で帯域が広く、ダッシュボード内蔵にもガラス貼付にも用いることが可能であるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の複合パッチアンテナ装置を説明するための概略分解斜視図である。
図2図2は、本発明の複合パッチアンテナ装置を説明するための中心付近の概略横断面図である。
図3図3は、本発明の複合パッチアンテナ装置のETC/DSRC帯域における利得・軸比特性グラフである。
図4図4は、本発明の複合パッチアンテナ装置の他の例を説明するための概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を図示例と共に説明する。図1は、複数の周波数帯の信号を受信可能な本発明の複合パッチアンテナ装置を説明するための概略分解斜視図である。また、図2は、本発明の複合パッチアンテナ装置を説明するための中心付近の概略横断面図である。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表している。また、図2ではケースを省略している。図示の通り、本発明の複合パッチアンテナ装置は、回路基板10と、ギャップ型パッチアンテナ20と、誘電体型パッチアンテナ30とから主に構成されている。そして、これらが積層されてケース1,2内に収容されている。また、ケーブル5は、DSRC送受信機等の外部機器(図示せず)に接続されている。
【0015】
回路基板10は、外部機器からのケーブル5が接続され、図2に示されるように、アンプ回路11が載置されている。回路基板10は、第1周波数帯用の第1給電部12と、第1周波数帯よりも低い第2周波数帯用の第2給電部13とを有する。具体的には、第1周波数帯は、例えばETC/DSRC用の5.8GHz帯である。また、第2周波数帯は、例えばGPS用の1.5GHz帯である。また、回路基板10は、一方の面にベタアース14が配置されている。図2に示されるように、アンプ回路11が裏面に載置され、アンプ回路11が載置される面と反対側の面にベタアース14が配置されている。なお、アンプ回路11はICチップによるものであってもディスクリート部品等により組まれたものであっても良い。ベタアース14は、アンプ回路11等の回路基板10に載置される電気回路のグラウンドとなるものである。また、ベタアース14は、後述のギャップ型パッチアンテナ20の地板としての機能も有するものである。第1給電部12や第2給電部13は、ベタアース14とは電気的に絶縁された状態でスルーホール等で設けられれば良い。
【0016】
ギャップ型パッチアンテナ20は、第1周波数帯に対応するアンテナである。例えば、ギャップ型パッチアンテナ20は、ETC/DSRC用のアンテナである。ギャップ型パッチアンテナ20は、放射エレメント21と、第1給電線22とを有している。放射エレメント21は、回路基板10に対して所定のエアギャップGを介して平行に配置されている。このように配置されることで、放射エレメント21は、回路基板10のベタアース14と共にマイクロストリップアンテナを構成する。第1給電線22は、放射エレメント21に接続され回路基板10の第1給電部12に接続される。
【0017】
ここで、放射エレメント21は、具体的には主要部が一辺λ/2長の略方形状であり、1点給電型の円偏波パッチアンテナとするために、縮退分離素子部23がその対角の角部領域に装荷されている。縮退分離素子部23は、放射エレメント21で発生する直交する2つの偏波のバランスをずらすためのものであるため、切り欠きや突出部等であれば良い。さらに、放射エレメント21は、放射エレメント21の略中央を貫通する孔部25を有している。孔部25は、後述するが、第2給電線33が電気的に絶縁された状態で貫通するものである。放射エレメント21は、例えば銅板を切り出す等する板金加工により形成されれば良い。
【0018】
また、第1給電線22は、回路基板10の第1給電部12に接続される。ここで、図示例では、第1給電線22は、放射エレメント21の周縁部から延在する例を示した。具体的には、回路基板10に接続されるケーブル5の長手方向に対して放射エレメント21の中心から見て平行とならない周縁部から延在している。具体的には、ケーブル5側の辺とは異なる横側の辺から延在している。これにより、ケーブル5との干渉を避けている。本発明では、第1給電線22はケーブル5との相互影響を受けない程度に構成されていれば良いため、ケーブル5の真上等を避けて配置されていれば良い。
【0019】
第1給電線22は、例えば放射エレメント21と同一部材で構成されれば良い。即ち、例えば銅板を切り出した後、折り曲げる等する板金加工により放射エレメント21と第1給電線22とを一体形成することが可能である。これにより、ギャップ型パッチアンテナ20の放射エレメント21を有効活用できると共に、第1給電線22の給電位置による導体損失も最小限に抑えられる。
【0020】
誘電体型パッチアンテナ30は、ギャップ型パッチアンテナ20上に電気的に絶縁された状態で積層されるものである。図示例では、ギャップ型パッチアンテナ20の放射エレメント21上に積層されている。例えば、両面テープ等の粘着剤7で電気的に絶縁された状態で載置されれば良い。そして、誘電体型パッチアンテナ30は、第2周波数帯に対応するものである。例えば、誘電体型パッチアンテナ30は、GPS用のアンテナである。誘電体型パッチアンテナ30は、誘電体層31と、放射電極32と、第2給電線33とを有する。誘電体層31は、貫通孔34を有している。貫通孔34には、第2給電部33が貫通するように構成されている。誘電体層31は、例えばセラミック板からなるものであれば良い。
【0021】
ここで、放射電極32は、誘電体層31の一方の面に配置されている。具体的には、ギャップ型パッチアンテナ20の放射エレメント21側に対向する誘電体層31の面に配置されている。具体的には、放射電極32は一辺が約11mmの正方形である。放射電極32についても、1点給電型の円偏波パッチアンテナとするために、縮退分離素子部がその対角の角部領域に装荷されている。また、図示例では、誘電体層31の他方の面には、グラウンド電極35が配置されている。グラウンド電極35は、誘電体層31の貫通孔34に対応する孔部36を有している。ここで、放射電極32は、グラウンド電極35と共にマイクロストリップアンテナを構成する。なお、本発明の複合パッチアンテナ装置は、これに限定されず、誘電体型パッチアンテナ30の放射電極32は、回路基板10のベタアース14と共にマイクロストリップアンテナを構成するようにしても良い。
【0022】
また、第2給電線33は、放射電極32に接続されている。具体的には、第2給電線33は、放射電極32の略中央に接続されているが、より具体的には中心からは少しずらして接続されている。これは右旋円偏波を受信するためである。そして、第2給電線33は、誘電体層31の貫通孔34とギャップ型パッチアンテナ20の放射エレメント21の孔部25とを貫通して回路基板10の第2給電部13に接続されている。より具体的には、放射電極32の略中央に接続される第2給電線33は、真下、即ち回路基板10側に向かって誘電体層31の貫通孔34を通り、グラウンド電極35の孔部36を通ると共に、さらにギャップ型パッチアンテナ20の放射エレメント21の孔部25を貫通して回路基板10の第2給電部13に接続されている。このように、第2給電線33は、グラウンド電極35の孔部36だけでなく、ギャップ型パッチアンテナ20の放射エレメント21の孔部25に対しても、電気的に結合せず絶縁された状態で放射電極32から直線的に第2給電部13に接続されている。ギャップ型パッチアンテナ20の放射エレメント21の孔部25は、グラウンド電極35の孔部36よりも大きいものである。孔部25の大きさを、第2給電線33に影響を及ぼさない程度に大きくすることで、ギャップ型パッチアンテナ20のアンテナ性能を向上させることが可能である。
【0023】
本発明の複合パッチアンテナ装置は、このようにギャップ型パッチアンテナ20と誘電体型パッチアンテナ30とを積層することにより、小型化が可能となり省スペースなダッシュボード内にも配置することが可能となる。また、このような構成の本発明のパッチアンテナ装置をガラスに貼付しても、従来の一般的なパッチアンテナ装置と比べETC/DSRCの使用帯域にわたって軸比特性が良くなる。
【0024】
なお、本発明の複合パッチアンテナ装置は、必要により回路基板10のアンプ回路11側に、LEDやスピーカ等を配置しても良い。これにより、複合パッチアンテナ装置を車両のフロントガラスに貼付した際に、運転者に対して光や音で所定の情報を伝達させるように構成することも可能である。
【0025】
図3は、本発明の複合パッチアンテナ装置のETC/DSRC帯域における利得・軸比特性グラフである。図示例は、本発明の複合パッチアンテナ装置のギャップ型パッチアンテナの部分の利得・軸比特性と、比較例の単体のギャップ型パッチアンテナの利得・軸比特性を比較するためのものである。即ち、本発明の複合パッチアンテナ装置のギャップ型パッチアンテナ部分のETC/DSRC帯域における特性と、比較例の一般的なギャップ型パッチアンテナ単体のETC/DSRC帯域における特性の比較である。図3では、ダッシュボード内に配置した場合(a)とガラス上に配置した場合(b)のそれぞれについて比較した。実線が本発明のものであり、破線が比較例のものである。
【0026】
図示の通り、本発明の複合パッチアンテナ装置は、ダッシュボード内だけでなくガラス上に配置した場合であっても、比較例と比べて利得も軸比も良くなっていることが分かる。したがって、本発明の複合パッチアンテナ装置は、ダッシュボード内蔵にもガラス貼付にも用いることが可能である。
【0027】
次に本発明の複合パッチアンテナ装置の更なる特性向上について説明する。図4は、本発明の複合パッチアンテナ装置の他の例を説明するための概略上面図である。図中、図1図2と同一の符号を付した部分は同一物を表している。また、図4ではケースを省略している。図示例では、誘電体型パッチアンテナ30が、ギャップ型パッチアンテナ20の放射エレメント21に対して第2給電線33を中心に所定の角度で放射電極32が回転されて配置されている。なお、図示の通り第2給電線33は、放射エレメント21の中央付近に配置された孔部25を貫通するように配置されている。放射電極32の回転については、最も簡単には、図示例のように、誘電体型パッチアンテナ30自体を第2給電線33を中心に所定の角度で回転させれば良い。しかしながら本発明はこれに限定されず、誘電体層31はそのままに、放射電極32が回転された状態で誘電体層31上に配置されても良い。このように所定の角度で誘電体型パッチアンテナ30が回転されると、ギャップ型パッチアンテナ20の特性を調整することが可能となる。より具体的には、例えば放射電極32が25度傾けた状態となるときに、最もアンテナ特性が良くなった。このように、本発明の複合パッチアンテナ装置は、誘電体型パッチアンテナの配置角度によりアンテナ特性を調整することも可能である。
【0028】
なお、本発明の複合パッチアンテナ装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0029】
1,2 ケース
5 ケーブル
7 粘着剤
10 回路基板
11 アンプ回路
12 第1給電部
13 第2給電部
14 ベタアース
20 ギャップ型パッチアンテナ
21 放射エレメント
22 第1給電線
23 縮退分離素子部
25 孔部
30 誘電体型パッチアンテナ
31 誘電体層
32 放射電極
33 第2給電線
34 貫通孔
35 グラウンド電極
36 孔部
37 縮退分離素子部
【要約】
【課題】小型化が可能で帯域が広く、ダッシュボード内蔵にもガラス貼付にも用いることが可能な複合パッチアンテナ装置を提供する。
【解決手段】複数の周波数帯の信号を受信可能な複合パッチアンテナ装置は、回路基板10と、ギャップ型パッチアンテナ20と、誘電体型パッチアンテナ30とを具備する。ギャップ型パッチアンテナ20は、回路基板10に対して所定のエアギャップGを介して平行に配置され略中央を貫通する孔部25を有する放射エレメント21を有する。誘電体型パッチアンテナ30は、ギャップ型パッチアンテナ20の放射エレメント21上に電気的に絶縁された状態で積層され、放射電極32に接続され誘電体層31の貫通孔34とギャップ型パッチアンテナ20の放射エレメント21の孔部25とを貫通して回路基板10の第2給電部13に接続される第2給電線33とを有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4