(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような圧電デバイスで変位量を検出する変位センサに用いる場合、単に接着層を可能な限り薄くしただけでは、センサとしての特性や信頼性が向上しないことが分かった。また、逆に、単に接着層が厚くなるほど、センサの特性や信頼性が向上するというものではないことが分かった。
【0008】
したがって、本発明の目的は、センサ特性および信頼性に優れる変位センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、変位センサに関するものであり、次の特徴を有する。変位センサは、変位量に応じた電荷を発生する圧電フィルムと、圧電フィルムに対向するように配置された電極と、圧電フィルムと電極との間に介在する接着層と、を備える。接着層の比誘電率は、圧電フィルムの比誘電率よりも高い。
【0010】
この構成では、圧電フィルムで発生する電荷を効率良く外部回路に取り出すことができる。これにより、接着層が電極と圧電フィルムとの間に介在することによって生じる検出感度の低下を抑制できる。
【0011】
また、この発明の変位センサでは、接着層の単位面積当たりの静電容量は、圧電フィルムの単位体積当たりの静電容量の2倍以上であることが好ましい。
【0012】
この構成では、検出感度の低下をさらに抑制できる。
【0013】
また、この発明の変位センサでは、接着層は、厚みが10μm以上30μm以下であることが好ましい。
【0014】
この構成では、検出感度の低下を抑制しながら、電極の剥がれを抑制でき、ボイド等の発生の抑制できる。これにより、信頼性および外観をさらに向上させることができる。
【0015】
また、この発明の変位センサでは、電極は保護フィルムの一方主面に形成されていてもよい。
【0016】
この構成では、電極の具体的な形成構成の一例を示している。
【0017】
また、この発明の変位センサでは、圧電フィルムは、少なくとも一軸方向に延伸されたポリ乳酸からなることが好ましい。
【0018】
また、この発明の変位センサでは、圧電フィルムは少なくとも一軸方向に延伸されたポリ乳酸であることが好ましく、その厚みが40μm以上100μm以下であることが好ましい。
【0019】
これらの構成では、検出感度を向上できる。
【0020】
また、この発明の押込量検出センサでは、上述のいずれかに記載の変位センサにより操作面からの押し込み量を検出することが好ましい。
【0021】
この構成では、上述の変位センサを用いることで、検出感度や信頼性に優れる押込量検出センサを実現できる。
【0022】
また、この発明はタッチ式入力装置に関するものであり、次の特徴を有する。タッチ式入力装置は、上述の押込量検出センサと、押込量検出センサの電極に接続し、押込量検出センサが発生する電荷量に基づく検出信号から押込量を検出する演算回路モジュールと、を備える。
【0023】
この構成では、上述の押込量検出センサを備えることで、検出感度や信頼性に優れるタッチ式入力装置を実現できる。
【発明の効果】
【0024】
センサ特性および信頼性に優れる変位センサを実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施形態に係る押込量検出センサおよびタッチ式入力装置について、図を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係るタッチ式入力装置の外観斜視図である。
図2は本発明の実施形態に係るタッチ式入力装置の断面図である。
図3は本発明の実施形態に係る押込量センサの断面図および分解断面図である。
【0027】
タッチ式入力装置1は、略直方体形状の筐体50を備える。筐体50の表面側は開口している。なお、以下では、筐体50の幅方向(横方向)をX方向とし、長さ方向(縦方向)をY方向とし、厚み方向をZ方向として説明する。また、本実施形態に説明では、筐体50のX方向の長さが、筐体50のY方向の長さよりも短い場合を示している。しかしながら、X方向とY方向の長さが同じであっても、X方向の長さがY方向の長さより長くてもよい。
【0028】
筐体50内には、押込量検出センサ20、表示パネル30、および演算回路モジュール40が配置されている。これらは、筐体50の開口面(表示面)側から順に、Z方向に沿って、押込量検出センサ20、表示パネル30、演算回路モジュール40の順で配置される。ここで、少なくとも押込量検出センサ20と演算回路モジュール40とを含む部分が、本発明の「タッチ式入力装置」に相当する。
【0029】
押込量検出センサ20は、「変位センサ」として機能するものであり、平膜状の圧電フィルム201、電極形成済み保護フィルム202,203、接着層204,205を備える。
【0030】
圧電フィルム201は、押込量に応じた電荷量を発生する圧電材料からなり、例えば、キラル高分子から形成されるフィルムである。キラル高分子として、本実施形態では、ポリ乳酸(PLA)、特にL型ポリ乳酸(PLLA)を用いている。PLLAは、一軸延伸されている。圧電フィルム201は、直交するX方向とY方向とに伸長する矩形状である。一軸延伸方向は、X方向およびY方向に対して略45°である。
【0031】
このようなキラル高分子からなるPLLAは、主鎖が螺旋構造を有する。PLLAは、一軸延伸されて分子が配向すると圧電性を有する。そして、一軸延伸されたPLLAは、圧電フィルムの平板面が押し込まれることにより、電荷を発生する。この際、発生する電荷量は、押し込みにより平板面が、当該平板面に直交する方向へ変位する変位量によって一意的に決定される。一軸延伸されたPLLAの圧電定数は、高分子中で非常に高い部類に属する。したがって、押し込みによる変位を高感度に検出することができる。
【0032】
なお、延伸倍率は3〜8倍程度が好適である。延伸後に熱処理を施すことにより、ポリ乳酸の延びきり鎖結晶の結晶化が促進され圧電定数が向上する。尚、二軸延伸した場合はそれぞれの軸の延伸倍率を異ならせることによって一軸延伸と同様の効果を得ることが出来る。例えばある方向をX軸としてその方向に8倍、その軸に直交するY軸方向に2倍の延伸を施した場合、圧電定数に関してはおよそX軸方向に4倍の一軸延伸を施した場合とほぼ同等の効果が得られる。単純に一軸延伸したフィルムは延伸軸方向に沿って裂け易いため、前述したような二軸延伸を行うことにより幾分強度を増すことができる。
【0033】
また、PLLAは、延伸等による分子の配向処理で圧電性を生じ、PVDF等の他のポリマーや圧電セラミックスのように、ポーリング処理を行う必要がない。すなわち、強誘電体に属さないPLLAの圧電性は、PVDFやPZT等の強誘電体のようにイオンの分極によって発現するものではなく、分子の特徴的な構造である螺旋構造に由来するものである。このため、PLLAには、他の強誘電性の圧電体で生じる焦電性が生じない。さらに、PVDF等は経時的に圧電定数の変動が見られ、場合によっては圧電定数が著しく低下する場合があるが、PLLAの圧電定数は経時的に極めて安定している。したがって、周囲環境に影響されることなく、押し込みおよび押し込み緩和による変位を高感度に検出することができる。
【0034】
また、PLLAは比誘電率が約2.5と非常に低いため、dを圧電定数とし、ε
Tを誘電率とすると、圧電出力定数(=圧電g定数、g=d/ε
T)が大きな値となる。ここで、誘電率ε
33T=13×ε
0,圧電定数d
31=25pC/NのPVDFの圧電g定数は、上述の式から、g
31=0.2172Vm/Nとなる。一方、圧電定数d
14=10pC/NであるPLLAの圧電g定数をg
31に換算して求めると、d
14=2×d
31であるので、d
31=5pC/Nとなり、圧電g定数は、g
31=0.2258Vm/Nとなる。したがって、圧電定数d
14=10pC/NのPLLAで、PVDFと同様の押し込み量の検出感度を十分に得ることができる。そして、本願発明の発明者らは、d
14=15〜20pC/NのPLLAを実験的に得ており、当該PLLAを用いることで、さらに非常に高感度に押し込みおよび押し込み緩和を検出することが可能になる。
【0035】
さらに、PLLAは比誘電率が非常に低いため、接着層204,205の比誘電率を圧電フィルム201の比誘電率よりも高くすることが容易である。言い換えれば、圧電フィルム201の比誘電率よりも高い比誘電率となる材料の選択範囲が広がり、接着層204,205の材料を選択しやすい。
【0036】
電極形成済み保護フィルム202は、平膜状の保護フィルム221を備える。保護フィルム221は、透光性を有し、絶縁性を有する材料からなる。さらには、保護フィルム221は、耐熱性の高い材料からなる。例えば、保護フィルム221は、PET、PEN等の材料からなる。保護フィルム221の一方主面には、電極222が形成されている。この保護フィルム221の一方主面が、圧電フィルム201に対向する。
【0037】
電極222は、ITO、ZnO、銀ナノワイヤ、ポリチオフェンを主成分とする有機電極、ポリアニリンを主成分とする有機電極のいずれかを用いるのが好適である。これらの材料を用いることで、透光性の高い導体パターンを形成できる。
【0038】
このように、保護フィルム221に電極222を形成した場合、その密着性は、電極222を圧電フィルム201に直接形成した場合の密着性よりも高くなる。したがって、押込量検出センサ20としての信頼性が向上する。
【0039】
さらに、電極222を外部回路に接続する場合に、異方性導電膜等を用いた熱圧着を行うのが一般的であるが、このような熱処理を行う場合にも、保護フィルム221は圧電フィルム201よりも熱収縮し難く、電極222の断線の発生を抑制することができる。これにより、さらに押込量検出センサ20の信頼性を向上することができる。
【0040】
電極形成済み保護フィルム203は、平膜状の保護フィルム231を備える。保護フィルム231は、透光性を有し、絶縁性を有する材料からなる。さらには、保護フィルム231は、耐熱性の高い材料からなる。例えば、保護フィルム231は、PET、PEN等の材料からなる。保護フィルム231の一方主面には、電極232が形成されている。この保護フィルム231の一方主面が、圧電フィルム201に対向する。
【0041】
電極232は、ITO、ZnO、銀ナノワイヤ、ポリチオフェンを主成分とする有機電極、ポリアニリンを主成分とする有機電極のいずれかを用いるのが好適である。これらの材料を用いることで、透光性の高い導体パターンを形成できる。
【0042】
このように、保護フィルム231に電極232を形成した場合、その密着性は、電極232を圧電フィルム201に直接形成した場合の密着性よりも高くなる。したがって、押込量検出センサ20の信頼性が向上する。
【0043】
さらに、電極232を外部回路に接続する場合に、異方性導電膜等を用いた熱圧着を行うのが一般的であるが、このような熱処理を行う場合にも、保護フィルム231は圧電フィルム201よりも熱収縮し難く、電極232の断線の発生を抑制することができる。これにより、さらに押込量検出センサ20の信頼性を向上することができる。
【0044】
接着層204は、平膜状であり、圧電フィルム201と電極形成済み保護フィルム202との間に設置されている。この接着層204により、電極形成済み保護フィルム202における電極222の形成面が圧電フィルム201の一方主面に接着されている。接着層204の具体的な物理的特徴および電気的特徴は後述する。
【0045】
接着層205は、平膜状であり、圧電フィルム201と電極形成済み保護フィルム203との間に設置されている。この接着層205により、電極形成済み保護フィルム203における電極232の形成面が圧電フィルム201の他方主面に接着されている。接着層205の具体的な物性的特徴、構造的特徴および電気的特徴は後述する。
【0046】
このような構成により、圧電フィルム201が発生する電荷を、電極222,232で取得して、押込量に応じた電圧値の圧電検出信号を外部へ出力することができる。圧電検出信号は、図示しない配線を介して演算回路モジュール40に出力される。演算回路モジュール40は、圧電検出信号から押込量を算出する。
【0047】
次に、接着層204,205の具体的な決定方法を説明する。
図4は、圧電フィルムと接着層の比誘電率比に対する出力電荷の割合を示す図である。
図4では、実線は、接着層の比誘電率ε
aが圧電フィルムの比誘電率ε
pよりも高い場合を示す。具体的には、接着層の比誘電率ε
aは5.0であり、圧電フィルムの比誘電率ε
pは2.7である。
図4では、破線は、接着層の比誘電率ε
aが圧電フィルムの比誘電率ε
pよりも低い場合を示す。具体的には、接着層の比誘電率ε
aは5.0であり、圧電フィルムの比誘電率ε
pは12.0である。なお、出力電荷の割合とは、押し込みによって湾曲することにより圧電フィルム201で発生した電荷を外部回路に取り出せる割合を示す。
【0048】
図4に示すように、接着層204,205の比誘電率ε
aと圧電フィルム201の比誘電率ε
pとの関係によらず、圧電フィルム201の厚みD
pに対する接着層204,205の厚みD
aの比D
a/D
pが高いほど出力電荷は低下する。この点では、接着層のフィルム204,205の厚みD
aが薄い方が好ましい。すなわち、接着層のフィルム204,205の厚みD
aが薄いほど、押込量の検出感度が高くなる。
【0049】
さらに、
図4に示すように、接着層204,205の比誘電率ε
aが圧電フィルム201の比誘電率ε
pよりも高いことにより、出力電荷の低下率が低くなる。すなわち、厚みの比D
a/D
pが高くなっても、出力電荷が低下し難い。すなわち、接着層204,205の比誘電率ε
aが圧電フィルム201の比誘電率ε
pよりも高いことで、押込量の検出感度の低下を抑制できる。
【0050】
図5は、圧電フィルムと接着層の(比誘電率)/(厚み)の比に対する出力電荷の割合を示す図である。
図5の横軸は、圧電フィルムの(比誘電率)/(厚み)を接着層の(比誘電率)/(厚み)で除算したものである。
【0051】
図5に示すように、圧電フィルム201の厚みに対する比誘電率の値ε
p/D
pが接着層204,205の厚みに対する比誘電率の値ε
a/D
aに対して小さい(低い)ほど、出力電荷の割合が高くなる。すなわち、押込量の検出感度が高くなる。言い換えれば、接着層204,205の単位面積当たりの静電容量が圧電フィルム201の単位面積当たりの静電容量に対して高いほど、押込量の検出感度が高くなる。
【0052】
そして、
図5に示すように、圧電フィルム201の厚みに対する比誘電率の値ε
p/D
pが接着層204,205の厚みに対する比誘電率の値ε
a/D
aに対して約0.5倍以下、言い換えれば、接着層204,205の単位面積当たりの静電容量が圧電フィルム201の単位面積当たりの静電容量に対して約2倍以上であれば、出力電荷の低下を50%未満にすることができ、好適である。
【0053】
図6は、接着層の厚さと粘着力との関係を示す図である。
図6のデータは、リンテック株式会社のTL−400Sシリーズ両面テープのカタログ値から引用した。
【0054】
図6に示すように、接着層204,205が厚いほど、粘着力が向上する。これにより、圧電フィルム201に対する電極形成済み保護フィルム202,203の剥がれが生じ難くなる。例えば、
図6に示す特性を有する材料であれば、約10[μm]以上であれば、実用的に問題が無いことが確認されている。さらに、約10[μm]以上であれば、圧電フィルム201の主面(平板面)や電極形成済み保護フィルム202,203の電極222,232側の凹凸を埋めることができ、ボイドが入る等の外観的な不具合の発生を抑制できる。
【0055】
一方、図示していないが、接着層204,205が厚くなるほど、透光性は低下してしまう。また、接着層204,205が厚くなるほど、操作面の押し込みによる圧電フィルム201の湾曲量(押込量)は低下してしまう。したがって、接着層204,205の厚みは、所定範囲であることが好ましい。例えば、
図6に示す特性を有する材料であれば、約30[μm]以下であることが好ましいことが確認されている。
【0056】
なお、この接着層204,205の厚みの範囲は、材料や仕様に応じて適宜設定することができる。具体的には、最低限の厚みは、上述の剥離強度と外観的な不具合の防止効果に基づいて決定すればよい。最大限の厚みは、透光性や押し込むに対する緩衝性に基づき、さらに、上述の比誘電率を加味した検出感度から決定すればよい。
【0057】
以上のように、押込量検出センサ20では、接着層204,205の比誘電率ε
aを圧電フィルム201の比誘電率ε
pよりも高くする。これにより、出力電荷の低下を抑制することができ、検出感度の低下を抑制できる。
【0058】
さらに、押込量検出センサ20では、接着層204,205の単位面積当たりの静電容量を圧電フィルム201の単位面積当たりの静電容量に対して高くする。好ましくは、接着層204,205の単位面積当たりの静電容量を圧電フィルム201の単位面積当たりの静電容量に対して約2倍以上とする。これにより、さらに、出力電荷の低下を抑制することができ、検出感度の低下を抑制できる。
【0059】
また、さらに、押込量検出センサ20では、接着層204,205の厚みを、薄すぎず厚すぎない、所定の厚み範囲に設定する。これにより、信頼性の向上を実現するとともに、検出感度の低下を抑制できる。
【0060】
なお、上述の説明では、具体的な厚みを示していなかったが、圧電フィルム201の厚みは、略40[μm]〜略100[μm]であることが好ましい。このような厚み範囲にすることで、押込量の検出特性、信頼性、外観、透光性の全てに優れる押込量検出センサを実現することができる。
【0061】
次に、上述の特徴を有する押込量検出センサ20を備えるタッチ式入力装置1について、さらなる構成の説明を行う。
【0062】
表示パネル30は、平板状の液晶パネル301、表面偏光板302、および裏面反射板303を備える。液晶パネル301は平板状である。液晶パネル301は、外部から駆動電極が印加されることで、所定の画像パターンを形成するように液晶の配向状態が変化する。表面偏光板302は、所定方向に振動する光波のみを透過させる性質を有する。裏面反射板303は、液晶パネル301側からの光を液晶パネル301側に反射する。このような構成の表示パネル30では、表示面側からの光が、表面偏光板302、液晶パネル301を透過して裏面反射板303まで到達し、裏面反射板303で反射されて、液晶パネル301、表面偏光板302を介して、表示面側に出射される。そして、この際、表面偏光板302の偏光性と、液晶の配向状態による偏光性の制御を行うことで、表示パネル30は、表示面側に出射する光によって、所望の表示画像を形成する。表示パネル30から出射した表示画像は、押込量検出センサ20を透過して、操作面から出射される。これにより、操作者は、表示画像を視覚することができる。
【0063】
なお、表示パネル30と、押込量検出センサ20との間には、空隙Gapが設けられている。この空隙Gapは設けなくてもよいが、設けることによって圧電フィルム201の湾曲が阻害されず、検出感度を向上させることができる。
【0064】
表示パネル30の裏面側には、演算回路モジュール40は配置されている。演算回路モジュール40は、上述のように、押込量検出センサ20の電極222,232に接続しており、押込量検出センサ20からの圧電検出信号から押込量を検出する。演算回路モジュール40は、筐体50に固定設置されている。
【0065】
このように、上述の押込量検出センサ20を備えることで、信頼性が高く、押込量の検出感度が高いタッチ式入力装置1を実現することができる。
【0066】
なお、上述の実施形態では、圧電フィルムとして、PLA,PLLAを例に説明したが、他の圧電フィルムを用いることができる。ただし、比誘電率が低い圧電フィルムである方が好ましい。
【0067】
また、上述の実施形態では、接着層と称したが、接着層は、接着材で形成してもよく、粘着材で形成してもよい。ここで、接着材とは、化学反応や熱によって硬化・接着することを利用するものを示す。粘着材とは、弾性率が10
5〜10
6Pa程度の柔らかいもので、温度等によって硬化するものではなく、材料そのものの粘着力によって貼り合わせて利用するものを示す。
【0068】
また、上述の実施形態では、接着層204,205の厚みを同じにしたが、これらは上述の厚み範囲内の厚みであれば、異なっていてもよく、材料が異なっていてもよい。
【0069】
また、上述の実施形態では、圧電フィルム201の両主面(両平板面)に電極を接着する例を示したが、少なくとも一方のみを接着する態様にしてもよい。
【0070】
また、上述のタッチ式入力装置では、表示パネルを備える例を示したが、表示パネルに替えて、適宜操作用の画像が描かれた紙等を配置してもよい。また、保護フィルム202の表面に操作用の画像を印刷したものであってもよい。
【0071】
また、上述のタッチ式入力装置では、押込量のみを検出する場合を示したが、操作位置を検出する機能を備えさせてもよい。この場合、例えば、平板状で静電容量方式の位置検出センサを、押込量検出センサの操作面側(筐体50の開口面側)に配置すればよい。