(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042162
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】ウェブ検索装置、ウェブ検索方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 17/30 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
G06F17/30 350C
G06F17/30 380E
G06F17/30 340B
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-222735(P2012-222735)
(22)【出願日】2012年10月5日
(65)【公開番号】特開2014-75064(P2014-75064A)
(43)【公開日】2014年4月24日
【審査請求日】2015年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233055
【氏名又は名称】株式会社日立ソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100102576
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 敏章
(74)【代理人】
【識別番号】100108394
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 健一
(72)【発明者】
【氏名】平石 智明
(72)【発明者】
【氏名】小西 貴生
(72)【発明者】
【氏名】朝井 規子
(72)【発明者】
【氏名】大橋 祐介
【審査官】
吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−158893(JP,A)
【文献】
特開2002−251410(JP,A)
【文献】
特開2000−090109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Webページを収集してWebページの文書対単語評価得点の初期化をする文書対単語評価得点部と、指定された検索キーワードを受信する検索要求受信部と、指定された検索キーワードから検索キーワードごとの重要度を決定するキーワード重要度決定部と、操作内容と検索キーワードごとの重要度に加点する加点ポイントとの対応関係を示すアクション対評価ベース得点を記憶する記憶部を参照して、前記操作内容と前記検索キーワードの加点ポイントに基づいて前記Webページの前記アクション対評価ベース得点を更新する文書対単語評価得点更新部と、を備え、キーワード毎の前記加点ポイントを決定する際に、前記評価ベース得点に前記キーワードごとの重要度を重みとして掛けることを特徴とするウェブ検索装置。
【請求項2】
前記文書対単語評価得点更新部は、
前記検索キーワードの重み付けを減算する検索キーワードを示す減算ポイントに基づいて、前記Webページの前記アクション対評価ベース得点を更新することを特徴とする請求項1に記載のウェブ検索装置。
【請求項3】
前記文書対単語評価得点更新部は、
ある時間間隔で、前記Webページの前記文書対単語評価得点に更新し、削除されたWebページの文書があれば、それについては文書対単語評価得点から削除する処理を継続することを特徴とする請求項1又は2に記載のウェブ検索装置。
【請求項4】
Webページを収集してWebページの文書対単語評価得点の初期化をする文書対単語評価得点ステップと、
指定された検索キーワードを受信する検索要求受信ステップと、
指定された検索キーワードから検索キーワードごとの重要度を決定するキーワード重要度決定ステップと、
操作内容と検索キーワードごとの重要度に加点する加点ポイントとの対応関係を示すアクション対評価ベース得点を記憶する記憶部を参照して、前記操作内容と前記検索キーワードの加点ポイントに基づいて、前記Webページの前記アクション対評価ベース得点を更新する文書対単語評価得点更新ステップと有し、キーワード毎の前記加点ポイントを決定する際に、前記評価ベース得点に前記キーワードごとの重要度を重みとして掛けることを特徴とするウェブ検索方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブ(以下Web)検索における検索結果の品質の向上に関する。
【背景技術】
【0002】
Web上で日々大量に増え続ける文書から目的の文書を探すためのシステムは、現在では欠かせないものである。
【0003】
初期のWeb上では、事業者が人手でWebページを整理するディレクトリ型の検索システムなども存在したが、Web文書絶対量や増加ペースが増えたこともありそれでは追いつかなくなり、現在ではクローラと呼ばれるWeb上の文書を自動で集めてくるプログラムで収集し、収集した文書を解析し自動でインデックスを作成した上でそのインデックスをもとに利用者に検索結果を提示するシステムが主流となっている。
【0004】
この際に、検索システムのユーザが効率よく目的の文書にたどり着けるようにするために、特定のアルゴリズムを用いてページをランク付けしランクが高いものから順にシステム利用者に提示して利便性を図るシステムが一般的である。
【0005】
本発明に関連する公知技術文献としては下記の特許文献1がある。
【0006】
特許文献1は、結果の組においてWebページをランク付けするコンピューティングシステムにおける方法であって、1つまたは複数のクエリ用語の組を含むクエリに応答して生成された結果の組において結果として列挙されているWebページに対する、ユーザによって行われるコンテンツに関する対話に応答して、前記Webページ(a)と、前記クエリ用語(b)に対する該Webページの関連性のレベルを反映して、前記クエリ用語の組の中の1つの該クエリ用語との組合せごとに評価得点を調整するステップと、1組の個別のクエリ用語を含む個別のクエリに応答して生成される個別の結果の組において結果として列挙されている複数のWebページごとに、前記Webページ(a)と前記個別の組のクエリ用語(b)の中の1つのクエリ用語との組合せごとに調整された評価得点を選択するステップと、 前記選択された評価得点を組合せることによって、前記個別のクエリ結果における前記Webページのランキング得点を決定するステップとを備えたことを特徴とする方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特願2009−503249
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1におけるページランクを決定する手段はおよそ次のような動作である。1つまたは複数の検索キーワードの組を含む検索要求に応答して生成された検索結果リストの組に含まれるWebページに対応する結果に対する、ユーザによって行われる「見つけたページが目的に合致するページだった」場合に取り得るいくつかの内容対話(例えば、内容を印刷する、お気に入りに登録するなど)のそれぞれに応答して、システムは、Webページと検索キーワードの組の中の1つのキーワードとの組合せごとに評価得点を調整(増加)する。
【0009】
このようなユーザによる対話をWebページごとに繰り返す結果として、1組の個別の検索キーワードを含む個別の検索要求に応答して生成された個別の結果の組に含まれるWebページのそれぞれについて、それぞれのWebページにより関連が強いキーワードの評価得点が上昇していく。また、ユーザの検索要求に対するWebページに対するランキングは、検索キーワードの組においてWebページごとに算出した検索キーワードに対する評価得点の合計値が高い順に決定する。従って、ユーザの検索結果のWebページへの評価を繰り返すことにより、より検索キーワードに関連が強いWebページが高ランクのページとしてユーザに提示されるため検索結果リストの品質が向上する。
【0010】
ところで、このシステムでは次のような問題が発生し得る。
【0011】
例えば、非常にメジャーなプログラミング言語Aとマイナーなプログラミング言語Bがあったとする。その上で、WebページAにはプログラミング言語Aの言語仕様の文書と、単語として「プログラミング言語A」「プログラミング言語B」「仕様」を含み、WebページBにはプログラミング言語Bの言語仕様の文書と、単語として「プログラミング言語A」「プログラミング言語B」「仕様」を含んでいたとする。また、この際の、Webページごとの評価得点の初期値を簡便にするために以下の様な値としたとする。
【0012】
(1)WebページA…キーワード「プログラミング言語A」に対する評価得点=0、キーワード「プログラミング言語B」に対する評価得点=0、キーワード「仕様」に対する評価得点=0
(2)WebページB…キーワード「プログラミング言語A」に対する評価得点=0、キーワード「プログラミング言語B」に対する評価得点=0、キーワード「仕様」に対する評価得点=0
【0013】
ここで、ユーザがプログラミング言語AまたはBの仕様を調査する目的で、検索キーワードとして「プログラミング言語A」と「仕様」のペアや、「プログラミング言語B」と「仕様」をペアとして指定することを考える。プログラミング言語Aはプログラミング言語Bよりもメジャーであるため、一般的にプログラミング言語Aに対するユーザによる検索要求(キーワード「プログラミング言語A」「仕様」による検索)はプログラミング言語Bに対する検索要求(キーワード「プログラミング言語B」「仕様」による検索)よりも多くなることが予想される。ユーザによる検索要求が多くなるということは、当然Webページが選択され評価得点が増加する機会も多くなる。
【0014】
ここで、(検索キーワード「プログラミング言語A」と「仕様」でWebページAが評価された回数):(検索キーワード「プログラミング言語B」と「仕様」でWebページBが評価された回数)=10:1であるとすると、最終的なWebページの評価点はおよそ以下のようになると考えられる。
【0015】
(1)WebページA…
キーワード「プログラミング言語A」に対する評価得点=10a、
キーワード「プログラミング言語B」に対する評価得点=0a(関連性が低いため評価されない)、キーワード「仕様」に対する評価得点=10a
(2)WebページB…
キーワード「プログラミング言語A」に対する評価得点=0a(関連性が低いため評価されない)、キーワード「プログラミング言語B」に対する評価得点=1a、
キーワード「仕様」に対する評価得点=1a
【0016】
ここで、プログラミング言語Bの仕様を調査する目的で検索キーワードとして「プログラミング言語B」「仕様」を指定して検索を行ったとする。
【0017】
この際のWebページAとWebページBのランキングを決定する評価得点の合計は次のような値になる。
【0018】
(1)WebページA評価得点合計=「プログラミング言語B」評価得点0a+「仕様」評価得点10a=10a
(2)WebページB評価得点合計=「プログラミング言語B」評価得点1a+「仕様」評価得点1a=2a
【0019】
この結果、「WebページA評価得点合計」>「WebページB評価得点合計」となってしまい、ユーザはプログラミング言語Bの仕様について知りたいにもかかわらずWebページAが優先で提示されることとなり、検索結果の品質が低下する問題が生じる。
【0020】
本発明の目的は、ページランクの決定精度を上げ、ユーザに対してより利用しやすい検索結果を提示するシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の一観点によれば、Webページを収集してWebページの文書対単語評価得点の初期化をする文書対単語評価得点部と、指定された検索キーワードを受信する検索要求受信部と、指定された検索キーワードから検索キーワードごとの重要度を決定するキーワード重要度決定部と、操作内容と検索キーワードごとの重要度に加点する加点ポイントとの対応関係を示すアクション対評価ベース得点を記憶する記憶部を参照して、前記操作内容と前記検索キーワードの加点ポイントに基づいて、前記Webページ毎の前記アクション対評価ベース得点を更新する文書対単語評価得点更新部と、備えることを特徴とするウェブ検索装置が提供される。
【0022】
ユーザ内容対応(評価)からWebページの文書対単語評価得点を更新するためにキーワード評価得点に加算するキーワード毎の加算得点を決定する際に、加算得点に前述手段で決定したキーワードごとの重要度を重みとして掛けることにより、Webページを特徴付けるキーワード(情報のカテゴリを表すキーワード)の評価得点が上昇しやすくなる。相対的にどのようなカテゴリにも存在するような一般的な単語は評価が上がりにくくなる。また、あまり検索されないマイナーな単語でもその文書に対する重要なキーワードは評価が上がりやすくなる。
【0023】
前記文書対単語評価得点更新部は、前記Webページ毎に、前記検索キーワードの重み付けを減算する検索キーワードを示す減算ポイントに基づいて、前記Webページ毎の前記アクション対評価ベース得点を更新することを特徴とする。
【0024】
また、前記文書対単語評価得点更新部は、ある時間間隔で、Webページ毎の前記文書対単語評価得点に更新し、削除されたWebページの文書があれば、それについては文書対単語評価得点から削除する処理を継続することを特徴とする。
【0025】
本発明の他の観点によれば、Webページを収集してWebページの文書対単語評価得点の初期化をする文書対単語評価得点ステップと、指定された検索キーワードを受信する検索要求受信ステップと、指定された検索キーワードから検索キーワードごとの重要度を決定するキーワード重要度決定ステップと、操作内容と検索キーワードごとの重要度に加点する加点ポイントとの対応関係を示すアクション対評価ベース得点を記憶する記憶部を参照して、前記操作内容と前記検索キーワードの加点ポイントに基づいて、前記Webページ毎の前記アクション対評価ベース得点を更新する文書対単語評価得点更新ステップと有することを特徴とするウェブ検索方法が提供される。
【0026】
本発明は、上記に記載のウェブ検索方法を実行させるためのプログラムであり、当該プログラムを記憶するコンピュータ読みとり可能な記録媒体であっても良い。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、検索結果のユーザへの提示順ユーザが目的とする結果に近いものとなるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の実施の形態によるWeb検索システムの一構成例を示す機能ブロック図である。
【
図2】文書対単語評価得点データベースの一構成例を示す図である。
【
図3A】検索処理の流れを示すフローチャート図である。
【
図3B】
図3AのステップS309からステップS302に遷移するまでの処理を示す図である。
【
図3C】
図3AのステップS303(検索結果リスト生成処理)の処理の詳細を示す図である。
【
図3D】
図3AのステップS307(検索キーワード重み算出)の処理の詳細を示す図である。
【
図3E】
図3AのステップS308(評価加算点を算出)のの処理の詳細を示す図である。
【
図3F】
図3AのステップS309(Webページの文書対単語評価得点の更新)の処理の詳細を示す図である
【
図4】操作内容(アクション)と加点ポイントとの対応関係を示すアクション対評価ベース得点を示す図である。
【
図5】キーワード重みを下げるキーワードと減算値を対応付ける図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
発明者は、ユーザの評価フィードバックによる効率の良いWeb検索結果提示システム及び方法において、「Webページにとってあまり重要ではない一般的な単語」と「Webページの重要なキーとなる単語」の評価得点を平等に扱うと、「WebページA評価得点合計」>「WebページB評価得点合計」となってしまい、ユーザはプログラミング言語Bの仕様について知りたいにもかかわらずWebページAが優先で提示されることとなり、検索結果の品質が低下する問題が生じると考えた。
【0030】
以下、本発明の実施の形態によるWeb検索技術について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の実施の形態によるWeb検索システムの一構成例を示す機能ブロック図である。本実施の形態によるWeb検索システムは、ホストシステム(検索装置)110と、それに接続された文書対単語評価得点データベース119とを有している。ホストシステム110は、インターネットなどのネットワーク120に接続されており、ネットワーク120には、本実施の形態によるWeb検索システムを利用する利用者端末100と、検索対象であるWebページの文書が収められたサーバ群130とが接続されている。
【0032】
ホストシステム110は、サーバ群130群からWebページの文書を集めてくる文書収集部111、文書対単語評価得点データベース119のデータを初期化する文書対単語評価得点初期化部112、利用者端末100からの検索要求を受け取る検索要求受信部113、検索要求受信部113で受け取った検索要求キーワードからキーワードの重要度を決定するキーワード重要度決定部114、検索要求受信部113で受け取った検索要求キーワードと文書対単語評価得点データベース119の情報からページランクを決定し検索結果リストを生成する検索結果リスト生成部115、前述検索結果リストを利用者端末100に送信する検索結果リスト送信部116、利用者端末100に送信された前述検索結果リストのユーザ評価結果を受信する利用者評価受信部117、前述評価結果とキーワード重要度決定部114で決定したキーワードの重要度を用いて文書対単語評価得点データベース119のデータを更新する文書対単語評価得点更新部118を有している。
【0033】
文書対単語評価得点データベース119には、
図2に例示するような構造のデータが収められている。
図2(a)に符号200で示すように、Webページアドレス毎にWebページ情報が複数収められている。Webページ情報のうちの1つずつは、符号210〜241に示すような複数の情報から構成されている。Webページアドレス210はWebページの文書のアドレスである。このアドレスの文書に含まれるキーワード全てでそれぞれ評価得点を持っている。
図2の例では、文書中のキーワード1(220)に対する評価得点が評価得点1(221)、キーワード2(230)に対する評価得点が評価得点2(231)、キーワード3(240)に対する評価得点が評価得点3(241)、…という構成になっている。
【0034】
図3は、検索処理の流れを示すフローチャート図である。
図3Aは、全体の処理の流れを示すフローチャート図である。
【0035】
まず、
図3Aについて説明する。ステップS301は、文書収集部111を用いてネットワーク120に接続されたサーバ群130からWebページの文書を収集し、文書対単語評価得点初期化部112を用いてWebページ毎に例えば全キーワードを抽出しWebページアドレスの文書に評価得点を初期化して、
図2(b)に示す文書対単語評価得点データベース119に格納する。ステップS302では、検索要求受信部113を用いてユーザからの検索要求を受信する。ステップS303では、検索結果リスト生成部115で文書対単語評価得点データベース119のWebページ情報とステップS302で受信した検索要求の検索キーワードを元にWebページランクを決定し検索結果リストを生成する。ステップS303の処理の詳細は後述する。ステップS304ではステップS303で生成した結果リストを利用者端末100に送信する。ステップS305では、提示した結果リストについてユーザがどのアドレス(アドレスA)のWebページにどのようなアクション(アクションX)を取ったかを利用者評価受信部117で受信する。
【0036】
以降、ステップS306〜S309は文書対単語評価得点更新部118で行う得点更新処理である。ステップS306では、
図4のような、操作(アクション)内容と加点ポイントとの対応関係を示すアクション対評価ベース得点の表から操作内容(アクション)Xをキーにして、評価ベース得点(以後、「評価ベース得点B」とする。)を決定する。例えば、ユーザが取ったアクション(アクションX)が「ページを印刷した(403)」であれば評価ベース得点Bは「評価ベース得点2(404)」となる。ステップS307では、検索キーワード毎にキーワード重要度決定部114でキーワードの重要度(ウェイト値)を決定する。ステップS307についての処理の詳細は後述する。
【0037】
ステップS308では、ステップS306で決定した評価ベース得点とステップS307で決定したキーワード毎の重要度を乗算等の処理により関連付けしてキーワードごとの評価得点加算値を決定する。この処理の詳細は後述する。ステップS309では、文書対単語評価得点データベース119のWebページアドレスがアドレスAと一致するレコードに対して、キーワード毎の評価得点にステップS308で決定した加算点を加算する。詳細は後述する。その後、ステップS302の検索要求受付処理に戻る。このステップS302〜309の繰り返しにより、徐々に検索結果リストの改善を行うことができる。
【0038】
図3Bは、ステップS309からステップS302に遷移するまでの処理を示す図である。ステップS302に戻るループの間に適時、次のような処理も行う。まず、ステップSA1で、サーバにWebページの文章が追加されるかどうかを判断し、Yesであれば、ステップSA2に進み、一定の間隔でステップS301の初期化処理をサーバ群130に新規に追加されたWebページの文書に対して行い、すなわち、ステップSA2で、Webページに関して一定の間隔でステップS301の初期化を行い、ステップSA3で、新規に追加されたWebページの文書を文書対単語評価得点データベース119に追加する。また、ステップSA4では、もし削除されたWebページの文書があれば、それについては文書対単語評価得点データベース119から削除し、ステップS302に進む。
【0039】
次に、
図3Cを参照して、ステップS303(検索結果リスト生成処理)の詳細を述べる。ステップS303−1で、ステップS302で受け取った検索キーワード全てを含むWebページの文書を文書対単語評価得点データベース119から選択し評価得点の合計を計算する。例えば、検索キーワードが先頭から「キーワード1」「キーワード2」「キーワード3」であるとする。これらのキーワードを全て含むWebページ情報が、
図2(b)の210から241までのようになっている場合に、このWebページの評価得点の合計は「評価得点1(221)」+「評価得点2(231)」+「評価得点3(241)」となる。このような計算を、キーワード「キーワード1」「キーワード2」「キーワード3」の全てを含むWebページ情報についてそれぞれ計算し、合計評価得点の高い順にWebページアドレス210を並べたリストを生成する。ステップ303−2において、全てのキーワードを含むWebページについて計算を行い、計算済みの場合に(YES)、ステップ303−3において、合計評価点の高い順にリストを作成する、そして、ステップS304でリストを送信する。
【0040】
次に、
図3Dを参照して、ステップS307(検索キーワード重み算出)の詳細を述べる。ステップS302で受け取った検索キーワードが、先頭から「キーワード1」「キーワード2」…「キーワードn」である場合、それぞれ求めるキーワードの重みを「重みW1」「重みW2」…「重みWn」とする。
【0041】
最初に、一般的な使用方法として先頭に指定したキーワードほど検索システムの利用者にとって重要なキーワードであるという仮定の基に、W1>W2>・・・>Wnとなる基本値を決定する(ステップS307−1)。例えば、以下のようにキーワード毎に重み付けを行う。
【0042】
次に、「キーワード1」「キーワード2」…「キーワードn」の中に、
図5のようなキーワード重みを下げるキーワードと減算値を対応付ける表に基づいて、その中に一致するキーワードがあるか否かを調べ(ステップS307−2)、一致するキーワードがあった場合(ステップS307−3でYes)、前述で決定した重みをキーワードに一致した「重要度減算値」の分だけ減らす減算処理を行う(ステップS307−4)。例えば、「キーワード2」が「キーワードB(503)」と一致した場合、「重みW2」から「重要度減算値B」を減算する。この際、「重みW2」は重みの最低値(>0)を下回らないように値を調整する。
図5の表中のキーワードと一致しないキーワードの重みはそのままとする(ステップS307−3でNo)。
【0043】
次に、
図3Eを参照して、ステップS308(評価加算点を算出)の詳細について述べる。ステップS308−1で、キーワードと一致する評価加算項が有るかどうかを判定し、Yesの場合には、ステップS308−2で、評価加算により加算(キーワード毎)を行う。すなわち、ステップS306で決定した評価ベース得点BとステップS307で決定した重みWを掛けてキーワードごとの評価加算点Aを決定する。例えば、以下のようにキーワード毎に加算ポイントを求める。
【0044】
より詳細には、以下のようになる。
「キーワード1」の「評価加算点A1」=「評価ベース得点B」×「重みW1」
「キーワード2」の「評価加算点A2」=「評価ベース得点B」×「重みW2」
:
「キーワードn」の「評価加算点An」=「評価ベース得点B」×「重みWn」
【0045】
図3Fを参照して、ステップS309(Webページの文書対単語評価得点の更新)の詳細を述べる。ステップS308で決定した評価加算点を文書対単語評価得点データベース119の情報に反映する(ステップS309−1)。ステップS305で取得したアドレスAとWebページアドレス(210)と一致するWebページ情報について(ステップS309−2でYes)、前述「キーワード1」〜「キーワードn」の評価得点にそれぞれ「評価得点A1」〜「評価得点An」の加算を行って(ステップS309−3)、文書対単語評価得点データベースDB119の更新を行う(ステップS309−4)。
【0046】
以上のように、本実施の形態による検索結果提示システムによれば、次のような利点がある。
【0047】
検索要求キーワードを解析し、キーワードごとの重要度を算定して、Webページの文書対単語評価得点のデータベースの評価得点を加算する際に重要度をWebページ毎のキーワードへの重みとして利用することにより、Webページ対キーワード評価得点のデータの精度が高まる。また、検索結果のユーザへの提示順を決定するためのページランクの算出結果がよりユーザが目的とする結果に近いものとなる。
【0048】
尚、上記の実施の形態において、添付図面に図示されている構成等については、これらに限定されるものではなく、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。また、本発明の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する発明も本発明に含まれるものである。
【0049】
また、本実施の形態で説明した機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。尚、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0050】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、検索システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0052】
100…検索システム利用者端末、110…検索ホストシステム、111…Webページ文書収集部、112…Webページ文書対単語評価得点初期化部、113…検索要求受信部、114…検索キーワード重要度決定部、115…検索結果リスト生成部、116…検索結果リスト送信部、117…利用者評価受信部、118…Webページの文書対単語評価得点更新部、119…Webページの文書対単語評価得点を収めたデータベース、120…ネットワーク、130…ネットワークに接続されたWebページ文書を収めたサーバ群。