(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
使用者の口内への挿入に適した形態のタバコ製品であって、タバコおよび熱可塑性バインダー系を含み、該タバコの量が、該タバコ製品の乾燥重量の約10から約60重量パーセントであり、該熱可塑性バインダー系の量が、該タバコ製品の乾燥重量の約30重量パーセント未満の量で存在し、ならびに、該熱可塑性バインダー系が、該タバコ製品の乾燥重量の約20重量パーセント未満の量の少なくとも1つの熱可塑性ポリマー材料、該タバコ製品の乾燥重量の約5から約20重量パーセントの量の少なくとも1つの熱可塑性結合材、および、該タバコ製品の乾燥重量の約3から約15重量パーセントの量の少なくとも1つの可塑剤を含む、タバコ製品。
可塑剤ブレンドが、グリセリン、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールのうちの少なくとも1つを含む、請求項7のタバコ製品。
使用者の口内への挿入に適した形態のタバコ製品であって、タバコ、バインダー系および可塑剤ブレンドを含み、該バインダー系が、該タバコ製品の乾燥重量の約10から約25重量パーセントの量で存在し、該可塑剤ブレンドが、該タバコ製品の乾燥重量の約15から約30重量パーセントの量で存在し、
該バインダー系が、タバコ製品の乾燥重量の約15重量パーセント未満の量の少なくとも1つの熱可塑性ポリマー材料と、タバコ製品の乾燥重量の約5から15重量パーセントの量の少なくとも1つの熱可塑性結合材とを含み、
該可塑剤ブレンドが、エリスリトール、イソマルト、キシリトールまたはマンニトールのうちの少なくとも1つ;および、プロピレングリコール、グリセリン、ポリプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールのうちの少なくとも1つを含む、タバコ製品。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第1,376,586号明細書
【特許文献2】米国特許第3,696,917号明細書
【特許文献3】米国特許第4,513,756号明細書
【特許文献4】米国特許第4,528,993号明細書
【特許文献5】米国特許第4,624,269号明細書
【特許文献6】米国特許第4,987,907号明細書
【特許文献7】米国特許第5,092,352号明細書
【特許文献8】米国特許第5,387,416号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2005/0244521号明細書
【特許文献10】国際公開第04/095959号
【特許文献11】国際公開第05/063060号
【特許文献12】国際公開第05/004480号
【特許文献13】国際公開第05/016036号
【特許文献14】国際公開第05/041699号
【特許文献15】米国特許第6,953,040号明細書
【特許文献16】米国特許第7,032,601号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開第2002/0162562号明細書
【特許文献18】米国特許出願公開第2002/0162563号明細書
【特許文献19】米国特許出願公開第2003/0070687号明細書
【特許文献20】米国特許出願公開第2004/0020503号明細書
【特許文献21】米国特許出願公開第2005/0178398号明細書
【特許文献22】米国特許出願公開第2006/0191548号明細書
【特許文献23】米国特許出願公開第2007/0062549号明細書
【特許文献24】米国特許出願公開第2007/0186941号明細書
【特許文献25】米国特許出願公開第2007/0186942号明細書
【特許文献26】米国特許出願公開第2008/0029110号明細書
【特許文献27】米国特許出願公開第2008/0029116号明細書
【特許文献28】米国特許出願公開第2008/0029117号明細書
【特許文献29】米国特許出願公開第2008/0173317号明細書
【特許文献30】米国特許出願公開第2008/0209586号明細書
【特許文献31】米国特許出願公開第2009/0095313号明細書
【特許文献32】米国特許出願公開第2009/0293889号明細書
【特許文献33】米国特許出願逐次番号第12/476,621号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Bryzgalov et al.,1N1800 Life Cycle Assessment,Comparative Life Cycle Assessment of General Loose and Portion Snus(2005)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に記載する製品、組成物、配合物および方法を多くの異なる形態で具現することができ、本明細書に示す実施形態に限定されると解釈すべきでない;むしろ、本開示が完璧および完全になるようにならびに本発明の範囲を当業者に十分に知らせるためにこれらの実施形態を提供する。本明細書および請求項において用いる場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に別様に示していない限り、複数の指示対象を含む。「乾燥重量パーセント」または「乾燥重量ベース」への言及は、乾燥した素材(即ち、水以外のすべての素材)に基づく重量を指す。
【0013】
タバコ製品、組成物または配合物の調製のためにタバコ材料として使用されるタバコは様々であり得る。タバコは、フルー・キュアード・タバコ、バーレータバコ、サン・キュアード・タバコ(例えばオリエンタルタバコまたはインディアン・カルヌール)、メリーランドタバコ、ダークタバコ、ダーク・ファイヤード・タバコ、インディアン・エア・キュアード、ダーク・エア・キュアード(例えば、パサンダ(passanda)、クバノ(cubano)、ジャティン(jatin)およびベズキ(bezuki)タバコ)またはライト・エア・キュアード(例えば、ノースウイスコンシンおよびガルポア(galpoa)タバコ)およびルスティカ(Rustica)タバコ、ならびに他の稀なまたは特殊なタバコまたはさらに生葉もしくはキュアリングされていないタバコなどのタイプのタバコを含み得る。様々なタイプのタバコ、栽培実施、収穫実施およびキュアリング実施の説明は、参照により本明細書に援用されているTobacco Production,Chemistry and Technology,Davis et al.(Eds.)(1999)に示されている。Sensabaugh,Jr.らのU.S.Patent No.4,660,577;Whiteらの5,387,416;およびDominguezらの6,730,832、Lawrence,Jr.のU.S.Patent Appl.Pub.No.2006/0037623ならびにNielsenらのPCT WO2008/103935も参照のこと(これらの参考文献のそれぞれが参照により本明細書に援用されている。)。最も好ましくは、タバコ材料は、適切にキュアリングおよび熟成されたものである。フルー・キュアード・タバコをキュアリングするためのとりわけ好ましい技術および条件は、参照により本明細書に援用されているNestor et al.,Beitrage Tabakforsch.Int.,20(2003)467−475およびPeeleのU.S.Pat.No.6,895,974に示されている。タバコをエアキュアリングするための代表的な技術および条件は、参照により本明細書に援用されているRoton et al.,Beitrage Tabakforsch.Int.,21(2005)305−320およびStaaf et al.,Beitrage Tabakforsch.Int.,21(2005)321−330に示されている。一定のタイプの珍しいまたは稀なタバコは、サンキュアリングすることができる。代表的なオリエンタルタバコとしては、カテリニ(katerini)、プレリップ(prelip)、コモチニ(komotini)、キサンチ(xanthi)およびヤンボル(yambol)タバコが挙げられる。ダーク・エア・キュアード・タバコを含むタバコ組成物は、参照により本明細書に援用されているMarshallらのU.S.Patent Appl.Pub.No.2008/0245377に示されている。
【0014】
タバコ製品は、単一タイプのタバコを組み込む場合がある(例えば、いわゆる「ストレートグレード」形態の場合)。例えば、前記タバコは、フルー・キュアード・タバコのみから成ることがある(例えば、タバコのすべてが、フルー・キュアード・タバコ葉身またはフルー・キュアード・タバコ葉身とフルー・キュアード・タバコ茎の混合物のいずれかから成る、またはこれらのいずれかに由来することがある。)。タバコ製品は、いわゆる「ブレンド」形態を有することもある(というよりもこの形態が最も好ましい。)。例えば、前記タバコ製品は、(例えば、タバコ葉身またはタバコ葉身とタバコ茎の混合物から成るまたはこれらに由来するタバコのように)フルーキュアリングされたバーレー(例えば、マラウイ・バーレー・タバコ)およびオリエンタルタバコのパーツまたはピースの混合物から成るものを含むことがある。例えば、代表的なブレンドは、乾重量ベースで約30部から約70部のバーレータバコ(例えば、葉身、または葉身と茎)および約30部から約70部のフルー・キュアード・タバコ(例えば、茎、葉身、または葉身と茎)を組み込んだものであり得る。他の例示的なタバコブレンドは、乾重量ベースで約75部のフルー・キュアード・タバコ、約15部のバーレータバコおよび約10部のオリエンタルタバコ;または約65部のフルー・キュアード・タバコ、約25部のバーレータバコおよび約10部のオリエンタルタバコ;または約65部のフルー・キュアード・タバコ、約10部のバーレータバコおよび約25部のオリエンタルタバコを組み込む。他の例示的なタバコブレンドは、約20から約30部のオリエンタルタバコおよび約70から約80部のフルー・キュアード・タバコを組み込む。
【0015】
本発明に従って加工するタバコは、予め加工されたタバコのパーツもしくはピース、本質的に天然の葉身もしくは茎形態のキュアリングし熟成させたタバコ、タバコ抽出物、(例えば、溶媒として水を使用して)抽出されたタバコパルプ、または前述のものの混合物(例えば、抽出されたタバコパルプと造粒しキュアリングし熟成させた天然タバコ葉身とを併せ持つ混合物、または造粒したタバコ葉身および茎と水性タバコ抽出物とを併せ持つ混合物)といった形態を有し得る。タバコ製品内のタバコ部分は、加工タバコ茎(例えば、切断して圧延した茎、切断して圧延して膨張させた茎または切断して膨化した茎)、または体積膨張タバコ(例えば、ドライアイス膨張タバコ(DIET)などの膨化タバコ)などの加工された形態を有することがある。例えば、de la BurdeらのU.S.Pat.No.4,340,073;Guyらの5,259,403;およびPoindexterらの5,908,032;ならびにPoindexterらのU.S.Patent Appl.Pub.No.2004/0182404に示されているタバコ膨張法を参照のこと(これらの参考文献のすべてが参照により本明細書に援用されている。)。加えて、タバコ製品は、場合により、発酵されたタバコが組み込むこともある。参照により本明細書に援用されているAtchleyらのPCT WO05/063060に示されているタイプのタバコ加工技術も参照のこと。
【0016】
加工するタバコとしては、最も好ましくは、タバコ葉身、またはタバコ葉身と茎の混合物が挙げられる。タバコ茎に対して顕著な量のタバコ葉身を組み込むタバコ混合物が好ましい。最も好ましくは、タバコ葉身および茎を未抽出形態で、即ち抽出可能な部分(例えば、水溶性部分)が抽出不能部分(例えばタバコパルプ)内に存在するような状態で、キュアリングして熟成させた形態で提供される天然タバコのものと同等の手法で使用する。
【0017】
加工されるタバコは、刻まれた形態、粉砕形態、造粒形態、微粒子形態または粉末形態を有し得る。タバコを微細化されたまたは粉末タイプの形態で提供す手法は、様々であり得る。好ましくは、粉砕、微粉砕またはこれらに類するもののための装置および技術を用いて、タバコのパーツまたはピースを粉末タイプの形態に細かく砕く、粉砕する、または微粉化する。最も好ましくは、タバコは、ハンマーミル、カッターヘッド、空気制御ミルまたはこれらに類するものなどの装置を使用する粉砕または微粉砕中において、形態が比較的乾燥している。例えば、タバコのパーツまたはピースは、これらの含水量が約15重量パーセント未満から約5重量パーセント未満であるとき、粉砕または微粉砕することができる。
【0018】
最も好ましくは、加工するタバコを、いわゆる「ファインカット」タバコ製品に使用される刻みタバコのパーツまたはピースのものよりも小さい平均粒径を有するパーツまたはピースの形態で、用いることができる。典型的に、超微細化タバコ粒子またはピースは、約18タイラーメッシュの篩を通過するサイズであり得、一般に、約20タイラーメッシュの篩を通過するサイズであり得、多くの場合、約50タイラーメッシュの篩を通過するサイズであり得、しばしば、約60タイラーメッシュの篩を通過するサイズであり得、100タイラーメッシュの篩を通過するサイズであることさえあり、およびさらに、200タイラーメッシュの篩を通過するようなサイズであることがある。所望の場合には、空気分級装置を使用して、所望のサイズまたはサイズ範囲の小さいサイズのタバコ粒子を確実に回収することができる。1つの実施形態において、タバコ材料は、18タイラーメッシュを通過するが、60タイラーメッシュを通過しないサイズの微粒子形態である。所望の場合には、異なるサイズの造粒タバコピースを共に混合してもよい。一部の製品または配合物における超微細化タバコ粒子またはピースは、−8タイラーメッシュより大きい、多くの場合、−8から+100タイラーメッシュ、しばしば−18から+60メッシュの粒径を有する。他の製品または配合物において、本明細書に記載する無煙製品に適する超微細化タバコ粒子または粉末は、−8タイラーメッシュより小さい、多くの場合+100から+250タイラーメッシュ、およびしばしば+120から+280タイラーメッシュの粒径を有し得る。
【0019】
タバコ抽出物をタバコ製品の成分として使用することができる。タバコ抽出物を固体形態(例えば、噴霧乾燥もしくはフリーズドライ形態)で、液体形態で、半固体形態で、またはこれらに類するもので使用することができる。例示的なタバコ抽出物および抽出技術は、例えば、Osborne,Jr.らのU.S.Pat.No.4,150,677;Faggらの4,967,771;Faggらの5,005,593;Faggの5,148,819;およびClappらの5,435,325に示されており、これらの参考文献のすべてが参照により本明細書に援用されている。様々なタバコ抽出物および再構成方法論がFaggのU.S.Pat.No.5,065,775;Newtonの5,360,022;およびFaggの5,131,414に示されており、これらの参考文献のすべてが参照により本明細書に援用されている。MunozらのU.S.Pat.No.5,131,415およびGonzalez−Parraの5,318,050に示されているタバコ抽出処理方法も参照のこと(これらの参考文献の両方が参照により本明細書に援用されている。)。
【0020】
加工するタバコ材料は、場合により、再構成タバコを組み込むことがあり、従って、加工するタバコ配合物に再構成タバコ素材成分が不在であることもある。しかし、適する公知再構成タバコ加工技術、例えば製紙技術または注型タイプの方法を用いてこのような自由選択のタバコ素材成分を生じさせることができる。例えば、参照により本明細書に援用されているTughanのU.S.Pat.No.3,398,754;Mattinaの3,847,164;Kiteの4,131,117;Jenkinsの4,270,552;Mattinaの4,308,877;Keritsisの4,341,228;Gellatlyの4,421,126;Gellatlyの4,706,692;Thomassonの4,962,774;Clappの4,941,484;Youngの4,987,906;Brownの5,056,537;Sohnの5,143,097;Brinkleyらの5,159,942;Youngの5,325,877;Brinkleyの5,445,169;Youngの5,501,237;Youngの5,533,530に示されているタイプの製紙方法を参照のこと。例えば、参照により本明細書に援用されているHindのU.S.Pat.No.3,353,541;Hindの3,399,454;Hindの3,483,874;Deszyckの3,760,815;Keritsisの4,674,519;Kiernanの4,972,854;Hickleの5,023,354;Youngの5,099,864;Jakobの5,101,839;Hickleの5,203,354;Lekwauwaの5,327,917;Youngの5,339,838;Jakobの5,598,868;Youngの5,715,844;Gellatlyの5,724,998;およびKumarの6,216,706;ならびにEPO 565360;EPO 1055375およびPCT WO98/01233に示されている注型法を参照のこと。
【0021】
所望の場合には、タバコ製品の調製前に、タバコ材料のパーツもしくはピースに照射してもよく、またはこれらのパーツおよびピースを低温殺菌してもよく、または別様に制御熱処理に付してもよい。加えて、所望の場合には、タバコ配合物のすべてまたは一部分の調製後に、成分材料を照射してもよく、これらの成分材料を低温殺菌してもよく、または別様に制御加熱処理に付してもよい。例えば、調合物を調製し、続いて照射または低温殺菌し、その後、着香素材および他の追加の成分を調合物に添合してもよい。または、タバコ配合物を加工した後(例えば、押出タバコ製品を成形した後、またはスーヌスタイプの無煙タバコ製品の個別容器を提供するために押出製品を所望のサイズに細分して透湿性パケットもしくはポーチ内に組み込んだ後)、該タバコ製品に照射するまたは該タバコ製品を低温殺菌することができる。
【0022】
タバコ材料を、本発明の工程段階において使用する前に、他のタイプの前処理条件に付すこともできる。例えば、タバコ材料の物理的または感覚的特性を改変するようにタバコ材料を処理することができる。1つの点では、タバコ材料を湿潤させるまたは注文し直すことができる。もう1つの点では、熱、蒸気、蒸解またはこれらに類するものの適用を伴う処理によってタバコ材料を前処理することができる。もう1つの点では、後で示すタイプのものなどの様々な追加の成分を(例えば、熱処理を伴う条件などの)前処理加工条件時にタバコ材料と併せることができる。さらにもう1つの点では、酸性または塩基性の特性を有する材料の使用を伴う処理工程にタバコ材料を付すことができる。さらにもう1つの点では、参照により本明細書に援用されている2009年6月2日に出願されたChenrらの米国特許出願第12/476,621号に示されている手法でタバコ材料を処理することができる。
【0023】
加工するタバコ材料を少なくとも1つの追加の成分と併せて加工してもよい。例えば、タバコ製品の製造に使用するタバコを他の材料または素材と共に加工する、他の材料または素材とブレンドする、配合する、併せるおよび混合することもできる。例えば、タバコ組成物は、塩、甘味料、バインダー、着色剤、pH調整剤、緩衝剤、充填剤、着香剤、崩壊補助剤、酸化防止剤、保湿剤および保存料を組み込む場合がある。例えば、WhiteらのU.S.Pat.No.5,387,416;StricklandらのU.S.Patent Appl.Pub.No.2005/0244521;Dubeらの2008/0029110;Kumarらの2009/0293889;2009年6月2日に出願されたChenらの米国特許出願第12/476,621号;およびQuinterらのPCT WO05/041699に示されている、これらの代表的な成分、成分の組み合わせ、タバコに対するこれらの成分および素材の相対量、ならびにこれらの成分を用いる手法および方法を参照のこと(これらの参考文献のそれぞれが参照により本明細書に援用されている。)。
【0024】
一定の着香材を組み込むことによって無煙タバコの感覚的性状を強化することもできる。使用することができる例示的な着香剤または着香料は、無煙タバコ製品の苦味、甘味、酸味または塩味を改変するように作用する成分、配合物の知覚乾燥度もしくは湿潤度を強化するように作用する成分、もしくは配合物が呈示するタバコ味の程度を強化するように作用する成分、またはこれらの成分の適する組み合わせである。着香剤のタイプとしては、塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムおよびこれらに類するもの)、天然甘味料(例えば、フルクトース、スクロース、グルコース、マルトース、マンノース、ガラクトース、ラクトースおよびこれらに類するもの)、人工甘味料(例えば、スクラロース、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK、ネオタームおよびこれらに類するもの);ならびにこれらの混合物が挙げられる。着香剤は、天然であってもよいし、または合成であってもよく、着香剤によって付与されるこれらの香味の特徴は、限定ではないが、フレッシュ、甘い、ハーブの、砂糖菓子、花のような、果実香のある、およびスパイスと記述されることがある。香料の具体的なタイプとしては、バニラ、コーヒー、チョコレート/ココア、クリーム、ミント、スペアミント、メンソール、ペパーミント、ウインターグリーン、ユーカリ、ラベンダー、カルダモン、ナツメグ、シナモン、クローブ、カスカリラ、白檀、蜂蜜、ジャスミン、ショウガ、ウイキョウ、セージ、甘草、レモン、オレンジ、リンゴ、桃、ライム、チェリー、イチゴおよびこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Leffingwill et al.,Tobacco Flavoring for Smoking Products,R.J.Reynolds Tobacco Company(1972);WilliamsのU.S.Patent Appl.Pub.No.2002/0162562;Williamsの2002/0162563;Atchleyらの2003/0070687;Williamsの2004/0020503;Breslinらの2005/0178398;Stricklandらの2006/0191548;Holton,Jr.らの2007/0062549;Holton,Jr.らの2007/0186941;Stricklandらの2007/0186942;Dubeらの2008/0029110;Robinsonらの2008/0029116;Muaらの2008/0029117;Robinsonらの2008/0173317;およびNeilsenらの2008/0209586も参照のこと(これらの参考文献のそれぞれが参照により本明細書に援用されている。)。タバコ製品の中に用いられる着香剤の量は様々であり得るが、典型的には約10乾燥重量パーセント以下であり、一定の実施形態は、少なくとも約0.5乾燥重量パーセント、例えば約1から約10乾燥重量パーセントの全着香剤含有量を特徴とする。多くの場合、香料の組み合わせが使用され得る(例えば、タバコ製品の全乾燥重量に基づき、約0.1から約2乾燥重量パーセントの人工甘味料および約0.5から約0.8乾燥重量パーセントの塩化ナトリウム)。
【0025】
例示的な充填剤材料としては、植物繊維材料、例えばテンサイ繊維材料(例えば、International Fiber Corporationから入手できるFIBREX(登録商標)商標充填剤)、オートムギもしくは他の穀物粒(加工または膨化粒を含む。)、ふすま繊維、デンプン、または他の改質もしくは天然セルロース材料、例えば微結晶性セルロースが挙げられる。追加の具体例としては、トウモロコシデンプン、マルトデキストリン、デキストロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ラクトース、マンニトール、キシリトールおよびソルビトールが挙げられる。使用することができる市販マルトデキストリンの一例は、Corn Products Internationalから入手できるMaltrin 10 DEである。タバコ組成物または配合物に用いることができる充填剤の量は様々であり得るが、典型的には約60乾燥重量パーセント以下であり得、一定の実施形態は、少なくとも約10乾燥重量パーセント、例えば約20から約50乾燥重量パーセントの充填剤含有量を特徴とする。充填剤の組み合わせを使用してもよい(例えば、タバコ製品の全乾燥重量に基づき、約2から約8乾燥重量パーセントの炭酸カルシウム、約10から約20乾燥重量パーセントの米粉および約10から約20乾燥重量パーセントのマルトデキストリンから成る混合物)。
【0026】
好ましいpH調整剤または緩衝剤は、約6から約10のpH範囲をもたらし、および/または約6から約10のpH範囲内に緩衝し、ならびに例示的なpH調整または緩衝剤としては、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属重炭酸塩およびこれらの混合物が挙げられる。具体的な例示的材料としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウムが挙げられる。タバコ配合物に用いられるpH調整剤または緩衝剤の量は様々であり得るが、典型的には、タバコ製品の全乾燥重量に基づき、少なくとも約0.05乾燥重量パーセントであるが約5乾燥重量パーセント以下である。pH調整剤または緩衝剤の例示的な量は、タバコ製品の全重量に基づき、約1から約5乾燥重量パーセントである。
【0027】
例示的な着色料としては、様々な染料および顔料が挙げられる。例えば、適する着色料としては、カラメル着色剤、二酸化チタン、ベータカロチン、クロフサスグリ、ベニノキ、ブドウ果皮、カンタキサンチン、ニンジン粉末もしくは抽出物、またはこれらに類するものを挙げることができる。タバコ配合物に用いられる着色料の量は様々であり得るが、典型的には、タバコ製品の全乾燥重量に基づき、少なくとも約0.1乾燥重量パーセントであるが約5乾燥重量パーセント以下である。着色料の例示的な量は、タバコ製品の全重量に基づき、約0.5から約3乾燥重量パーセントである。
【0028】
他の素材、例えば保存料(例えば、ソルビン酸ナトリウムまたはカリウム、安息香酸ナトリウムまたはカリウム、プロピオン酸ナトリウムまたはカリウム、亜硫酸ナトリウムまたはカリウム、二酢酸ナトリウムまたはカリウム、パラベンおよびメタノール)、崩壊補助剤(例えば、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、アルファ化トウモロコシデンプンおよびこれらに類するもの)または粘着防止剤(例えば、International Foodcraft Corporationによって販売されているConfecto(商標)No−Stick‘N’(商標)の例示的市販製品)も使用することができる。典型的に、このような素材を個々に、タバコ製品の全乾燥重量に基づき約10乾燥重量パーセント以下、および通常は少なくとも約0.1乾燥重量パーセント、例えば約0.5から約10重量パーセントの量で使用する。
【0029】
前記タバコ製品は、バインダー系を組み込んだものであり、該バインダー系は、熱可塑性質、熱可塑特性または熱可塑性挙動を呈示する少なくとも1つのタイプの結合剤を組み込む(例えば、該結合剤は、少なくとも1つの熱可塑性ポリマー材料から成り得る。)。従って、熱可塑性バインダー系は、熱可塑特性を呈示する結合剤を生じさせるための素材または材料を組み込む場合がある(例えば、該結合剤は、可塑剤との組み合わせで、少なくとも1つの熱可塑性ポリマー材料および/または少なくとも1つの熱可塑性結合材から成る場合がある。)。代表的な加工タバコ製品の中に用いられる熱可塑性バインダー系の量は、乾燥重量ベースで、最終成形製品の、典型的に少なくとも約5パーセントおよび多くの場合、少なくとも約10パーセントである。代表的な加工タバコ製品の中に用いられる熱可塑性バインダー系材料の量は、乾燥重量ベースで、最終成形製品の、一般に約40パーセント未満であり、しばしば約35パーセント未満、多くの場合、約30パーセント未満、および時として約25パーセント未満である。
【0030】
熱可塑性バインダー系の素材材料は様々である。ここで用いる場合の用語「熱可塑性の」とは、素材(例えばポリマー材料)の性質であって、加熱により該素材が軟化しまたは溶融して液体になり、この軟化したものまたは溶融して液体となったものが冷却されると硬化するまたはゲルを形成する性質を指す。例えば、熱可塑性質、熱可塑特性または熱可塑性挙動を含むポリマー材料は、熱に曝露されると軟化または溶融し、その後、(例えば周囲温度に)冷却されると元の物理的状態タイプに戻る。従って、熱可塑性結合剤をタバコ材料および様々な他の素材と接触させること、混合して前記結合剤とこれらの素材の物理的接触を生じさせること、加熱して前記熱可塑性バインダー系のポリマー材料を軟化または液化すること、およびその後、冷却して前記軟化熱可塑性ポリマー材料を硬化させること(および従って、前記素材から構成されるタバコ製品であって、望ましい物理的結着性を有するタバコ製品を結果的に得ること)ができる。本発明のために望ましい熱可塑性ポリマー材料は、一般に、約50℃を超える、多くの場合、約60℃を超える、およびしばしば約70℃を超える温度で軟化または溶融する(および従って、熱可塑特性を呈示する。)。
【0031】
代表的な適する熱可塑性ポリマー材料の例としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレンオキシド、一定のセルロースエーテル(例えば、エチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ポリビニルアルコールおよびポリビニルアセタートが挙げられる。市販のヒドロキシプロピルセルロースの例としては、Hercules Incorporated,Aqualon Divisionによって販売されているKLUCEL(登録商標)EF、ELFおよびLFヒドロキシプロピルセルロース(HPC)が挙げられる。市販のポリエチレンオキシドの例としては、The Dow Chemical Companyによって販売されているPolyox N10が挙げられる。市販のエチルセルロースの例としては、Ronas Chemicals Ind.から入手できるものが挙げられる。使用することができる市販のヒドロキシプロピルメチルセルロースの例としては、Hercules Incorporated,Aqualon Divisionによって販売されているMethocel(商標)E50が挙げられる。市販のポリビニルアルコールの例としては、E.I.DuPont de Nemoursによって販売されているElvanolが挙げられる。市販のポリビニルアセタートの例としては、E.I.DuPont de Nemoursによって販売されているElvacetが挙げられる。例えば、参照により本明細書に援用されているFuiszのU.S.Patent Appl.Pub.No.2009/0095313に示されているタイプの熱可塑性ポリマー、例えばポリメチルアクリラートも参照のこと。典型的な熱可塑性ポリマー材料は、約140℃未満およびさらに好ましくは約120℃未満の温度で熱可塑特性を呈示する。非常に好ましい熱可塑性ポリマー材料は、約100℃未満および最も好ましくは約90℃未満の温度で熱可塑特性を呈示する。
【0032】
代表的な加工タバコ製品の中に用いられる熱可塑性ポリマー材料の量は、乾燥重量ベースで、最終成形製品の、典型的に少なくとも約5パーセントおよび多くの場合、少なくとも約10%である。代表的な加工タバコ製品の中に用いられる熱可塑性ポリマー材料の量は、乾燥重量ベースで、最終成形製品の、一般に約30パーセント未満、しばしば約25パーセント未満、典型的に約20パーセント未満および多くの場合、約15パーセント未満である。
【0033】
バインダー系は、可塑剤として特性付けすることができる化合物を組み込む場合がある。例えば、上述の熱可塑性結合材を少なくとも1つの可塑剤と併せるおよび併せて加工することができる。一部のタバコ製品では、バインダー系を可塑剤ブレンドと共に用いることがある。一部のタバコ製品では、バインダー系または他の素材との混合とは別に、可塑剤ブレンドを予備混合することがある。非常に好ましい可塑剤は、有機非ポリマー材料であり、例示的な代表的可塑剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびこれらの組み合わせが挙げられる。一定の可塑剤を様々なポリオール、例えば中および高分子量ポリオールタイプの化合物によって得ることができる。一部の例示的な代表的ポリオールとしては、マルチトール、ソルビトール、イソマルト、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ポリグリシトールおよびこれらの組み合わせが挙げられる。タバコ製品の中に用いられる可塑剤の量は様々であり得る。用いられるとき、代表的な加工タバコ製品の中に用いられる可塑剤の量は、乾燥重量ベースで、最終成形製品の、典型的に少なくとも約1パーセント、多くの場合、少なくとも約2パーセントおよびしばしば少なくとも約3パーセントである。用いられる場合、代表的な加工タバコ製品の中に用いられる可塑剤の量は、乾燥重量ベースで、最終成形製品の、典型的に約15パーセント以下、多くの場合、約10パーセント以下およびしばしば約5パーセント以下である。
【0034】
典型的に、可塑剤の選択および量は、熱可塑性結合材の軟化温度の低下をもたらすような選択および量である。可塑剤は、水和を助長するおよび従って熱可塑性結合材の液化を助長するように作用することができる。つまり、比較的低い温度でのタバコ製品の成形を助長することができる。このように、タバコ配合物の中のバインダー系は、該タバコ配合物を成形する動作温度を低下させることができ、この結果、タバコ材料の焼けおよび/または炭化を低減することおよび/または回避することができる。加えて、可塑剤は、大量の水分または他の液体担体材料の必要を低減し、この結果として、タバコ製品の成形後に乾燥ステージにより沸騰除去する必要を低減する。例えば、熱可塑性結合材、液体(例えば水)および可塑剤を組み込むタバコ配合物については、該熱可塑性結合材の通常の融点の温度より概して低い温度での望ましいタバコ製品の押し出しに適する配合物を提供することができる。
【0035】
少なくとも1つの可塑剤と適切に併用することができる非常に好ましい熱可塑性結合材は、様々であり得る。このようなタイプの代表的な熱可塑性結合材の例としては、ポリビニルポリピロリドン、メチルセルロース、キサンタン、アラビアゴム、マルトデキストリン、プルラン、一定の変性デンプンおよび高分子量プロピレングリコール(例えば、約4000より上の分子量を有するプロピレングリコール)が挙げられる。使用することができる市販のポリビニルポリピロリドンの例としては、FMC BioPolymerによって販売されているPlasdone(登録商標)K−29/32が挙げられる。使用することができる市販のメチルセルロースの例としては、Hercules Inc.,Aqualon Divisionによって販売されているMethocel Seriesのポリマー材料が挙げられる。使用することができる市販のキサンタンおよびアラビアゴムの例としては、TIC Gumsから入手できるものが挙げられる。使用することができる市販のマルトデキストリンの例としては、Grain Processing Corp.から入手できるMaltrin 10 DEが挙げられる。適する市販の変性デンプンの例としては、National Starch and Chemical Companyによって販売されているElastigel(商標)1000JおよびINSTANT TEXTAID(登録商標)−Aが挙げられる。使用することができる適する高分子量プロピレングリコールの例としては、The Dow Chemical Companyによって販売されているPEG 4000が挙げられる。適するプルラン材料は、参照により本明細書に援用されているBorschkeらのU.S.Patent Appl.Pub.No.2007/0137668に示されている。有効量の可塑剤と併用する場合、このようなタイプの熱可塑性結合材は、概して、約140℃未満およびさらに好ましくは約120℃未満の温度で熱可塑特性を呈示する。非常に好ましい熱可塑性結合材は、約100℃未満の温度で熱可塑特性を呈示する。上述の可塑剤と適切に併用することができるこれらのタイプの熱可塑性結合材を熱可塑性ポリマー材料と共に、および場合によっては可塑剤の不在下で、用いることができる。
【0036】
代表的な加工タバコ製品の中に用いられる熱可塑性結合材の量は、乾燥重量ベースで、最終成形製品の、典型的に少なくとも約5パーセントおよび多くの場合、少なくとも約10パーセントであり得る。代表的な加工タバコ製品の中に用いられる熱可塑性結合材の量は、乾燥重量ベースで、最終成形製品の一般に約30パーセント未満、しばしば約25パーセント未満、典型的に約20パーセント未満および多くの場合、約15パーセント未満であり得る。
【0037】
熱可塑性ポリマー材料、可塑剤と併用される熱可塑性結合材、およびこれらの材料の混合物を、本明細書に記載する本発明の加工および動作条件で加工することができる。このような熱可塑性ポリマー材料、可塑剤と併用される熱可塑性結合材、およびこれらの材料の混合物は、典型的に約140℃未満およびさらに好ましくは約120℃未満の温度で熱可塑特性を呈示する。非常に好ましい熱可塑性ポリマー材料、可塑剤と併用される熱可塑性結合材、および可塑剤と併用されるこれらの材料の混合物は、約100℃未満の温度で熱可塑特性を呈示する。
【0038】
前記熱可塑性バインダー系を他の結合剤と併用することができる。このような他のタイプの結合剤を代表するものは、カルボキシメチルセルロースおよび一定の他の改質セルロース材料、アルギン酸塩、例えばアルギン酸ナトリウム、一定のデンプン系バインダー、ペクチン、カラゲナン、ゼインおよびこれらに類するものを含む(しかしこれらに限定されない)ものである。これらのタイプの結合剤は、本発明の条件および方法のもとで熱可塑性挙動または熱可塑特性を実質的に呈示しないことがある。1つの例示的なカルボキシメチルセルロースは、FMC BioPolymerによって販売されているAc−Di−Sol(登録商標)として市販されている。適するアルギン酸塩の例としては、TIC Gumsによって販売されているAlgin 400およびFMC BioPolymerによって販売されているManucolタイプのアルギン酸塩が挙げられる。適するデンプン系バインダーの例としては、アルファ米デンプンが挙げられる。適するペクチンおよびカラゲナンの例は、TIC GumsおよびFMC BioPolymerから入手できる。適するゼインの例は、Alfa Chemicalsから入手できる。用いられる他の自由選択の結合剤の量は、乾燥重量ベースで、最終成形製品の、典型的に約20パーセント未満、および多くの場合、約15パーセント未満、およびしばしば約10パーセント未満である。用いられる場合、用いられる他の自由選択の結合剤の量は、乾燥重量ベースで、最終成形製品の、典型的に少なくとも約1パーセント、および多くの場合、少なくとも約3パーセント、およびしばしば少なくとも約5パーセントである。一定の系では、これらの自由選択の結合剤は、タバコ製品に用いられる場合、追加の水分を必要とすることがある。
【0039】
一部のタバコ製品では、可塑剤ブレンドをバインダー系と併用することができる。前記可塑剤ブレンドは、様々なポリオール、例えばマルチトール、ソルビトール、イソマルト、エリスリトール、キシリトール、マンニトールおよびポリグリシトール;グリセリン;プロピレングリコール;ポリエチレングリコール;ポリプロピレングリコール;ならびにこれらの組み合わせを含み得る。一部の可塑剤ブレンドでは、シロップまたは液体形態のポリオール、例えばマルチトールシロップまたはソルビトール液を用いることがある。前記シロップまたは液体形態のポリオールは、少なくとも20パーセント固形分、少なくとも35パーセント固形分、少なくとも50パーセント固形分、少なくとも60パーセント固形分、少なくとも70パーセント固形分、または少なくとも75パーセント固形分を含むことがある。用いられる可塑剤ブレンドの量は、乾燥重量ベースで、最終成形製品の、典型的に約50パーセント未満、多くの場合、約35パーセント未満およびしばしば約30パーセント未満であり、ならびにその他の場合は約25パーセント未満である。用いられる場合、タバコ製品の中に用いられる可塑剤ブレンドの量は、乾燥重量ベースで、最終成形製品の、典型的に少なくとも約5パーセント、多くの場合、少なくとも約15パーセントおよびしばしば少なくとも約20パーセントである。
【0040】
一部のタバコ製品では、可塑剤ブレンドを別に調製し、その後、予備混合されたタバコ混合物およびバインダー系に添加することができる。前記可塑剤ブレンドは、この顆粒成分と水を混合することによって調製することができる。可塑剤ブレンドをある期間にわたって加熱し、該可塑剤ブレンドが透明で粘稠な液体の性質を呈示するまで攪拌してもよい。一部のタバコ製品では、可塑剤ブレンドを、この顆粒成分と水を混合せずに調製することができる。タバコ混合物およびバインダー系とは別に可塑剤ブレンドを混合および加熱することにより、該タバコ混合物または他の成分の炭化および/または焼けを懸念せずに該可塑剤ブレンドをより高温に加熱することができる。可塑剤ブレンドをより高温に付すと、該可塑剤ブレンドは、プラスチックタイプまたは粘弾性の性質を呈示し得る。このような可塑剤ブレンドの約25℃での粘度は、典型的に25,000センチポアズ(cp)未満および多くの場合、15,000cp未満である。タバコ製品において用いられる場合、このような可塑剤ブレンドの約25℃での粘度は、典型的に少なくとも100cpおよび多くの場合、少なくとも1500cpである。このようなプラスチック様のまたは粘弾性の性質を有する可塑剤ブレンドを組み込むタバコ製品により、軽度から適度の咀嚼により使用者の口内で崩れないまたはばらばらにならない咀嚼可能なタバコ製品を得ることができる。このような咀嚼可能なタバコ製品は、軽度から適度に咀嚼されたとき、小粒子に崩壊することなく口内で形を変えることができる。
【0041】
タバコ配合物の様々な成分を併せることができる手法は、様々であり得る。前記配合物の様々な成分を円錐型ブレンダ、混合ドラム、リボンブレンダまたはこれらに類するもので互いに接触させる、併せるまたは混合することができる。従って、様々な成分と造粒タバコ成分および他の素材との混合物全体が現実に比較的均質であり得る。例えば、SolomonらのU.S.Pat.No.4,148,325;KorteらのU.S.Pat.No.6,510,855;およびWilliamsらのU.S.Pat.No.6,834,654に示されているタイプの方法論を参照のこと(これらの参考文献のそれぞれが参照により本明細書に援用されている。)。当該技術分野において公知の任意の混合技術または装置を使用して、タバコ配合物の成分を共に混合物にすることができる。液体または乾燥固体形態であり得る、本明細書において述べる成分を、この組成物の任意の残りの成分との混合前の前処理段階でタバコと混合してもよく、または単純にすべての他の液体もしくは乾燥素材と一緒にタバコと混合してもよい。タバコ組成物の素材を密接させる混合法を用いてもよい。攪拌が可能なインペラまたは他の構造を特徴とする混合器具を概して使用する。例示的な混合装置としては、キャスティングドラム、コンディショニングシリンダまたはドラム、液体噴霧装置、リボンブレンダ、Littleford Day,Inc.からFKM130、FKM600、FKM1200、FKM2000およびFKM3000として入手できるミキサ、Plough Shareタイプのミキサシリンダ、ならびにこれらに類するものが挙げられる。
【0042】
タバコ配合物の成分を液体材料または素材によって得ることもできる。液体素材を様々な方法で得ることができ、および様々な源から得ることができる。タバコ配合物は湿性である場合があり、水分は、水性液自体として、湿性タバコとしてまたはタバコ配合物の素材のための担体液として供給される水性液によってもたらされる。有機溶剤(例えばエタノール)などの他の液体素材がタバコ配合物の一定の素材のための担体液である場合もある。熱可塑性バインダー系の可塑剤も概して液体形態を有する。
【0043】
タバコ配合物は、加工されたとき、比較的低量から適量の含水量を有し得る。加工段階の間のタバコ配合物の含水量は、タバコ配合物と水の全重量に基づき、典型的に約5パーセントを超え得、しばしば約10パーセントを超え得、および多くの場合、約15パーセントを超え得る。加工段階の間のタバコ配合物の含水量は、タバコ配合物と水の全重量に基づき、典型的に約35パーセント未満であり得、しばしば約30パーセント未満であり、および多くの場合、約25パーセント未満である。
【0044】
タバコ製品を成形する手法は様々であり得、加工タバコを成形するためのまたは加工タバコ製品を生産するための様々な方法は、タバコ製品製造業界の技術者には容易に分かるであろう。例えば、熱可塑性バインダー系を組み込んだものであり注入可能な、成形可能なまたは一般に液体の特性を有する、適切に加熱されたタバコ配合物は、シート様の形態に注型し、冷却して良好な結着性のシート様タバコ製品を生じさせることができる。もう1つの例として、熱可塑性バインダー系を組み込む適切に加熱されたタバコ配合物を所望の形状に成型し、冷却することができる。さらにもう1つの、しかし好ましい例として、熱可塑性バインダー系を組み込むタバコ配合物を、加熱された押出装置から押し出し、冷却することができる。もう1つの例として、バインダー系と予備混合された可塑剤ブレンドとを組み込むタバコ配合物を、加熱された押出装置から押し出し、冷却することができる。
【0045】
ホットメルト押出技術を用いてタバコ製品を製造することができる。つまり、加工タバコ配合物をタバコ製品の成形中に十分な熱に付して、一切の追加の熱処理段階の必要をなくすことができる。例えば、ホットメルト押出工程中に加工タバコ配合物から水分を急速に気化させることにより、さらなる加熱、乾燥またはこれらに類することの一切の必要をなくすことができる。
【0046】
多種多様な押出技術を用いて多層タバコペレットなどの加工タバコ配合物を製造することができる。例えば、共押出技術を用いて(例えば二軸スクリュー押出機を使用して)多層タバコペレットを製造することができる。このような状況では、連続湿潤もしくは乾燥成分または成分混合物を別の押出ホッパーの中に配置することができる。蒸気、ガス(例えばアンモニア、空気、二酸化炭素およびこれらに類するもの)、可塑剤(例えばグリセリンまたはプロピレングリコール)および可塑剤ブレンドをそれぞれの乾燥ミックスが押し出され(propelled)、可塑され、加熱されるにつれて、押出機バレルに注入し、冷却することができる。従って、様々な成分が非常によく混合されるようにおよび従って互いに完全に接触した状態になるように加工される。例えば、成分の接触は、個々の成分が押出基材または押出物の中に十分に包埋され得るような接触である。例えば、参照により本明細書に援用されているToftらのU.S.Pat.No.4,821,749を参照のこと。多層材料は、フィルムの一般形態を有することがあり、および代替的に、多層状で一般に球形の材料は、内部から外部にわたって様々な層を有することがある。
【0047】
ロッドまたは立方体などの無煙タバコ製品の一部の形状は、先ず、所望の断面(例えば円形または正方形)を有する金型を通して材料を押し出す段階、および次に、押し出された材料を所望の長さに場合により切断する段階によって成形することができる。例えば、一軸または多軸スクリュー押出機を含む押出装置を用いて、無煙タバコ製品の形状を成形することができる。一部の押出機は、共回転二軸スクリュー押出機を含む二軸スクリュー押出機を含み得る。様々なスクリューの形状を用いることができる。例えば、供給、混合、ポンプ輸送、剪断、およびこれらに類することのための要素の組み合わせを有するスクリューを、最適な結果のために所望に応じて選択することができる。断続羽根もしくは非複合羽根を有する、または「対抗羽根付き」もしくは「逆動性」である、比較的大きい吐出し量をもたらす区画または要素を有するスクリューも用いることができる。典型的なスクリュー要素、およびこのような要素の組み合わせを有するスクリューを押出機製造業者から入手できる。押出機は、該押出機内に導入される材料を加熱するためにバレルを備えることができる。押出機バレルは、多数のバレルゾーンを含むことができる。押出セットアップの条件は、例えば、乾燥ブレンド素材の供給速度、湿潤ブレンド素材の供給速度、スクリューRPM設定、温度条件、開口金型寸法および一定の素材のためのバレルゾーン入口点、および追加のパラメータの変更に関して、様々であり得る。
【0048】
タバコ材料を押し出すための技術および装置は、WursburgのU.S.Pat.No.3,098,492;Tamolらの4,874,000;Gravesらの4,880,018;Keritsisらの4,989,620;Lukeらの5,072,744;Whiteらの5,829,453;およびWhiteらの6,182,670に示されており、これらの参考文献のそれぞれが参照により本明細書に援用されている。使用に適する例示的な押出装置としては、イタリアのEmiliomiti,LLCから入手できるModel TP 200/300などの工業用パスタ押出機が挙げられる。
【0049】
タバコ製品を生産するために用いることができる一部の方法では、素材の一部分を混合し、押出機に供給することができる。追加の素材を、他の材料と比較して押出機の異なる地点またはバレルゾーンに導入することができる。例えば、素材の予備混合したサブグループを押出機の第一バレルゾーンに供給して他の素材の乾燥ミックスと接触させることができる。1つのホッパーまたは多数のホッパーを用いて、押出機への様々な素材の投入を助長することができる。
【0050】
加工シート様材料は、タバコ組成物を移動ベルトに載せ、対向するロールによって作られるニップにこの移動ベルトを通し、その後、シートを所望の長さに切断することによって調製することができる。または、タバコ製品に紛体または液体塗料をオーバーコートすることができる。さらに、所望の場合には、タバコ製品の表面にエンボス加工を施すことまたは印刷することができる。
【0051】
タバコ製品のpHは様々であり得る。典型的に、この配合物のpHは少なくとも約6.5および好ましくは少なくとも約7.5である。典型的に、タバコ製品のpHは約10を超えないであろうし、多くの場合、約9.5を超えないであろう。代表的なタバコ製品は、約6.8から約8.2のpHを呈示する。タバコ製品のpHを判定するための代表的な技法は、100mLの脱イオン水に5gのこの製品を分散させること、および得られた懸濁液/溶液のpHを(例えばpHメーターで)測定することを伴う。
【0052】
追加の成分およびバインダー系成分と併用されるタバコの相対量は様々であり得る。タバコ製品中のタバコ材料の量は、加工配合物または最終製品の全乾燥重量に基づき、乾燥重量ベースで、典型的に少なくとも約10パーセント、一般に少なくとも約25パーセント、多くの場合、少なくとも約30パーセントおよびしばしば約35パーセントである。一定の事例では、タバコ配合物中の他の成分およびバインダー系成分の量は、乾燥重量ベースで約40パーセントを超えないことがある。前記配合物中のタバコ材料の典型的な範囲は、乾燥ベースで約10から約60重量パーセント、さらに多くの場合、約20から約40重量パーセントである。
【0053】
タバコ製品の、該製品が消費者によって使用される前の含水量は、様々であり得る。典型的に、使用者の口内に挿入される前の、スーヌスタイプのポーチの中のタバコ配合物などの、タバコ製品の含水量は、約55重量パーセント未満であり、一般に約50重量パーセント未満であり、および多くの場合、約45重量パーセント未満である。一定のタイプのタバコ製品は、使用前、約15重量パーセント未満、しばしば約10重量パーセント未満および多くの場合、約5重量パーセント未満の含水量を有する。タバコ製品は、使用前に約5重量パーセントから約15重量パーセントの範囲の含水量を含み得る。スーヌスタイプのタバコ組成物を組み込んだものなどの一定のタバコ製品については、含水量が20重量パーセントを超えることがあり、多くの場合、30重量パーセントを超えることがある。例えば、代表的なスーヌスタイプの製品は、約25重量パーセントから約50重量パーセント、好ましくは約30重量パーセントから約40重量パーセントの含水量を呈示するタバコ組成物を有し得る。スティック形態のものなどのさらに他のタバコ製品については、タバコ製品が約5重量パーセントから約15重量パーセントの含水量を含むこともある。
【0054】
成形タバコ製品の例示的な形状としては、ピル、タブレット、球形、シート、フィルム、コイン、立方体、ビーズ、卵形、オブロイド(obloid)、豆、円柱、スティックおよびロッドが挙げられる。本発明のタバコ製品は、無煙タバコ組成物、例えば、ばらの湿性嗅ぎタバコ、ばらの乾燥嗅ぎタバコ、噛みタバコ、ペレット状タバコピース、圧縮タバコピース、成型加工タバコピース、押出もしくは成形タバコストリップ、ピース、ロッドまたはスティック、微細化粉砕粉末、粉末ピースおよび成分の微細化もしくは微粉砕凝集塊、フレーク様ピース、タバコ含有ガムのピース、テープ様フィルムのロール、容易に水に溶解可能なもしくは水に分散可能なフィルムもしくはストリップ(例えば、ChanらのU.S.Patent Appl.Pub.No.2006/0198873およびFuiszのU.S.Patent Appl.Pub.No.2009/0095313を参照のこと)、押出もしくは成形スティックもしくはロッド、押出もしくは成形チューブ、層状もしくは積層材料(例えば、異なるタイプのタバコ配合物によって包囲された1つのタイプのタバコ配合物を有する多層組成物)、または外殻(例えば、事実上、透明である、無色である、半透明であるもしくは非常に着色されている場合がある、柔軟なもしくは硬質の外殻)とタバコもしくはタバコ香料(例えば、何らかの形態のタバコを組み込むニュートン流体もしくはチキソトロープ流体)を有する内部領域とを有するカプセル様材料として使用することができる。一例として、押出シートまたはフィルムのピースを成形タバコ含有ピースの周囲に巻きつけることができる。さらにもう1つの例として、押出ピースを小ピースに細分し、スヌースタイプのポーチの中に他のタバコ材料と共に組み込むことができる。好ましい形態のタバコ製品は、バインダー系を使用して一緒に保持されたタバコ材料および他の素材から成る押出ピース(単数または複数)の形態を有する製品である。このような押出ピースを加工またはさらに細分して成形ピースにすることもできる。例えば、押出タバコ組成物をロールプレスまたは別様に物理的に処理し、その後、保管および後の使用のために巻いてロールにすること、または包装および使用のために所望の形状に切断することができる。
【0055】
熱可塑性バインダー系を組み込むタバコ製品は、幾つかの利点を提供する。1つの点では、前記バインダー系は、タバコ製品の効率的および有効な押出を可能にする(例えば、タバコ製品を所望の押出量で生産することができる。)。もう1つの点では、タバコ配合物の押出を比較的低温で行うことができる;従って、低減されたエネルギー量を用いて、および加工中にタバコ材料が焼けるまたは炭化する機会を低減する条件下で、タバコ配合物を加工することができる。さらにもう1つの点では、低減された量の結合剤を有するタバコ製品を提供することができ、従って、タバコ製品中のタバコおよび着香剤の相対量を増すことができ、この結果、これらの製品の感覚的特性を強化することができる。
【0056】
本明細書に記載する方法によるタバコ製品へのバインダー系の組み込みは、比較的高濃度の熱可塑性ポリマーに依存するタバコ製品と比較して、タバコ製品の使用時の使用者の満足感を向上させることができる。高濃度の熱可塑性ポリマーを含むタバコ配合物の場合、一部の使用者は、該タバコ製品の使用時に口内に「ねばねばした残留物」を感じることがある。
【0057】
予備混合された可塑剤ブレンドを組み込むタバコ製品により、軽度から適度に咀嚼することができ、使用者の口内でばらばらにならない製品を得ることができる。このようなタバコ製品は、軽度から適度に咀嚼されたとき、小粒子に崩壊することなく使用者の口内で形を変えることができる。可塑剤ブレンドを予備混合することにより、該可塑剤ブレンドがプラスチックタイプまたは粘弾性の性質を呈示する温度に該可塑剤ブレンドの素材を加熱することができる。多くの場合、このような温度は、加工または製造中にタバコ成分を付すために望ましい温度より高い。例えば、予備混合された可塑剤ブレンドを約100℃の温度に付して、該可塑剤ブレンドを溶融することができる。その後、この予備混合され予備溶融された可塑剤ブレンドをタバコ成分に添加し、100℃より低い温度、例えば約70℃から約85℃で加工することができ、この結果、タバコを炭化するおよび/または焼けさせる危険を低減および/または回避することができる。
【実施例】
【0058】
本発明を以下の実施例によってさらに十分に例証することができる。該実施例は、本発明の一部の実施形態を例証するために示すものであり、本発明に対する制限と解釈すべきでない。すべての重量百分率は、別の指示がない限り、乾燥重量ベース(含有水分を除外することを意味する。)で表示する。
【0059】
[
実施例1]
対照配合物
スティックタイプの無煙タバコ製品として使用するためのタバコ配合物を表1に示す要領で提供する。表1のタバコ配合物を含む無煙タバコ製品は、下に示すまたは下で説明する本発明のさらなる実施例と比較して、対照配合物として使用することができる。
【0060】
実施例1において使用するタバコ粉末は、微細化された(−100/+270)タイラーメッシュ)フルー・キュアード・タバコ葉身とエア・キュアード・タバコ茎のブレンドである。すべての乾燥素材(粉末形態で)ならびにグリシンおよびプロピレングリコールを一緒にモデル300D Littleford水平プラウ・ドウ・ミキサ(ケンタッキー州フローレンスのLittleford Day)に添加し、約15から20分間、約150rpmで十分に混合する。その後、混合された乾燥配合物をモデルZSK26 Coperion押出機(ニュージャージー州ラムゼーのWerner and Pfeidderer)のホッパーに切り替える。押出機バレルは、30:1のLD(長さ対直径)比、26インチの内径を有し、8つの加熱ゾーンまたは区画に加えて熱金型部品から成る。
【0061】
押出機を約45rpmのスクリュー速度に設定し、バレル区画および金型を約100℃の温度で動作する。乾燥配合物については約10.5lb/時の速度でホッパーから押出機に供給する。配合物を、直径3.0mmの開口金型を通して直径3mmの円柱形ロッドに押し出す。押出機内での配合物の滞在時間は、おおよそ55秒である。これらのロッドを長さおおよそ61センチメートルのスティックに切断し、約10から20分間、周囲空気での乾燥により硬化させ、その後、これらのスティックを長さ3.5mmのピースにさらに切断する。
【0062】
【表1】
【0063】
バインダー系配合物
表A−Mは、本発明を代表するタバコ製品に使用するためのタバコ配合物に組み込むことができるバインダー系の様々な実施形態を提供するものである。表A−Mに示す配合表に従って調製したバインダー系を、下で説明する実施例において見いだされるタバコ配合物の中で使用することができる。
【0064】
成分を市販のKitchen Aidミキサにおいて約3から5分間混合することによってバインダー系の各バッチを調製する。
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】
【表6】
【0070】
【表7】
【0071】
【表8】
【0072】
【表9】
【0073】
【表10】
【0074】
【表11】
【0075】
【表12】
【0076】
【表13】
【0077】
【表14】
【0078】
[
実施例2−11]
表2−5に示すようなスティックタイプの無煙タバコ製品として使用するためのタバコ配合物を以下の要領で提供する。
【0079】
実施例1に示したとおりのタイプのタバコ粉末を用意する。グリシンを除き、粉末形態のすべての乾燥素材をバッチ配合物と共にモデル300D Littleford水平プラウ・ドウ・ミキサに添加し、約15から20分間、約150rpmで十分に混合する。プロピレングリコールおよび/または水とバインダーを6L Kitchen Aidミキサにおいて約5分間混合し、その後、Littlefordミキサにおいて他の乾燥素材と混合することによって、各バッチ配合物を調製する。その後、それぞれの混合された調合物をZSK26 Coperion押出機のホッパーに切り替える。押出セットアップおよび動作パラメータは、バレル加熱ゾーンを約65℃から100℃で動作することおよびスクリュー速度を60rpmに設定することを除き、本質的に実施例1と同じである。攪拌棒を使用してビーカーの中でグリシンと水(10パーセント全素材配合当量)を約5分間混合することにより、別途、湿潤ブレンドを調製する。
【0080】
混合された湿潤ブレンド配合物を押出機の第一バレルゾーンに供給する。乾燥配合物については13.5lb/時および湿潤ブレンド配合物については1.5lb/時の速度で押出機に供給する。配合物を、直径3.0mmの開口金型を通して直径3mmのロッドに押し出す。これらのロッドを長さおおよそ61センチメートルのスティックに切断し、約10から20分間、周囲空気での乾燥により硬化させ、その後、これらのロッドを長さ3.5mmのスティックにさらに切断する。
【0081】
【表15】
【0082】
【表16】
【0083】
【表17】
【0084】
【表18】
【0085】
実施例2−11に示したように調製するタバコ製品は、実施例1のものより低い動作温度での押出条件下で調製され、このため、タバコ材料の炭化または焼けの可能性を低減および/または回避し、ならびにより高い温度で維持するためにより低いエネルギーしか必要としない。加えて、実施例2−11に示したように調製するタバコ製品は、実施例1と比較して、押出機内でのより短い滞在時間、ならびにより高い製品押出量を有する。
【0086】
[
実施例12−22]
表6−10に示すようなシートタイプの無煙タバコ製品として使用するためのタバコ配合物を以下の要領で提供する。
【0087】
本質的に実施例1に示したとおりのタバコ粉末を用意する。実施例12−22のそれぞれが、表Nに示すとおりの配合を有する香料エマルジョン成分を含む。実施例12−15については、香料エマルジョンを含めてすべての素材を一緒にモデル300DシリーズLittlefordプラウ・ドウ・ミキサに添加し、約15から20分間、約150rpmで混合し、その後、Coperion押出機ホッパーに切り替える。実施例16−22については、香料エマルジョン(表N参照)を含むすべての素材とバッチ配合物とを、実施例12−15について説明したのと同様にLittlefordミキサで混合する。
【0088】
実施例12−13については、押出機を45rpmのスクリュー速度に設定し、バレルセクションおよび金型を約100℃の温度で動作させる。開口75mm×0.85mmのシート金型を用いる。乾燥配合物については7.5lb/時の速度で押出機に供給する。実施例12−13には湿潤ブレンド配合物を使用しない。乾燥配合物を、厚さ約0.85mmである連続シートに押し出す。シートをコンベアベルト上に押し出し、長さ30ftの冷却トンネル(ノースカロライナ州グリーンボロのABCO Automation,Inc)を通して移送する。3セットのピンロールを通過させることによってこのシートの厚さをさらに低減し、扁平にして0.4mm未満の厚さを有するシートを得る。これらのシートを細かく切断して、様々な形状の非常に小さいストリップピース(約2cm×2cmのピース)にする。
【0089】
実施例14−15について、押出前および後のセットアップは、押出機スクリュー速度を50rpmに設定することおよび湿潤ブレンド配合物を用いることを除き、実施例12−13について示したものと同様である。供給速度は、乾燥ブレンド配合物については10.5lb/時、および湿潤ブレンド配合物については1.5lb/時である。
【0090】
実施例16−22について、押出前および後のセットアップは、押出機バレル温度を75℃から100℃で動作させること、スクリュー速度を60rpmに設定すること、および湿潤ブレンドを用いることを除き、実施例12−13について示したものと同様である。供給速度は、乾燥ブレンド配合物については13.5lb/時、および湿潤ブレンド配合物については1.5lb/時である。
【0091】
【表19】
【0092】
【表20】
【0093】
【表21】
【0094】
【表22】
【0095】
【表23】
【0096】
【表24】
【0097】
実施例12−22に示したように調製するタバコ配合物またはタバコ製品は、タバコ製品の従来の成形方法のものより低い動作温度を有することができ、このため、タバコ材料の炭化または焼けの可能性を低減および/または回避し、ならびにより高い温度で維持するためにより低いエネルギーしか必要としない。加えて、実施例12−22に示したように調製するタバコ配合物およびタバコ製品は、押出機内での比較的短い滞在時間、および加工タバコ製品の高い押出量を有することができる。
【0098】
[
実施例23−30]
溶解可能な円柱、ロッド、スティック、豆、卵形、球形またはストリップタイプの無煙タバコ製品として使用するためのタバコ配合物を表11に示す要領で提供する。表11のタバコ配合物を含む無煙製品は、下に示すおよび下で説明する、表12−18に記載するさらなる実施例と比較して、対照配合物として使用することができる。
【0099】
表11に示す実施例23において使用するタバコ粉末は、微細化された(−100/+200)タイラーメッシュ)フルー・キュアード・タバコ葉身とフルー・キュアード・タバコ・デンプン画分とエア・キュアード・タバコ茎とのブレンドである。すべての乾燥素材(粉末形態で)および液体ミント香料を一緒にモデル300D Littleford水平プラウ・ドウ・ミキサ(ケンタッキー州フローレンスのLittleford Day)に添加し、約10分間、約150rpmで十分に混合する。
【0100】
表11に示す可塑剤ブレンドもタバコ配合物の中に用いる。このブレンドを押出機の第一バレルゾーン内に供給し、予備混合されたタバコおよびバインダー配合物に添加する。この可塑剤ブレンドは、別途、ステンレス鋼容器内でこの顆粒状成分と水(約7.5パーセントから約13パーセント全素材配合当量)を混合することによって調製する。容器を約100℃まで加熱し、約80℃から約100℃で10分間、または内容物が透明で粘稠な液体(12,000cP以下)になるまで、保持する。この加熱期間中、内容物を絶えず攪拌する。その後、この可塑剤ブレンドを、モデルZSK26 Coperion押出機(ニュージャージー州ラムゼーのWerner and Pfeidderer)とインラインで接続されている熱制御ジャケット付きK−Tronタンクに移送する。
【0101】
押出バレルは、30:1のLD(長さ対直径)比、26インチの内径を有し、8つの加熱ゾーンまたは区画に加えて熱金型部品から成る。押出機を約60から約70rpmのスクリュー速度に設定し、一方、8つのバレルゾーンおよび金型を約70から約85℃で動作する。乾燥配合物については約13.5lb/時の速度でホッパーからおよび可塑剤溶液については7.6lb/時の速度でK−Tron貯蔵タンクから押出機に供給する。配合物を、直径7.5mmの開口金型を通して7.5から8.0mmの円柱形ロッドに押し出すか、2.5mmのシート金型経由で厚さ2.5から3mmのシートに押し出す。押出機内での配合物の滞在時間は、おおよそ55から60秒である。
【0102】
これらのロッドまたはシートをコンベアベルト上に押し出し、長さ30ftの冷却トンネル(ノースカロライナ州グリーンボロのABCO Automation,Incを通して入手可能)を通して移送する。ロッドおよびシートを長さおおよそ65センチメートルのピースに切断し、穴あき乾燥トレー(75cm×75cm)上に移送する。トレーを強制空気炉に移送し、約127℃で5分間乾燥させ、その後、表面硬化のために周囲温度に冷却させる(15−20分)。これらのスティックを14.5mmロッド形ピースにさらに切断するか、ロールプレスし、5.5から6.0mm(高さ)×8.5から9.0mm(幅)×14.5mm(長さ)の枕形ピースに切断する。これらのシート(単、二重または三重層状)を、自動ドロップ・ローラ・プレス(米国、General Electric Co、Statatol Jr.(商標)を通して入手可能)を通して送り、このプレスによってシートを成型および切断して、ストリップ、豆、球形または卵形ピースにする。
【0103】
【表25】
【0104】
溶解可能な円柱、ロッド、スティック、豆、卵形、球形またはストリップタイプの無煙タバコ製品として使用するためのタバコ配合物を、表12に示す要領で提供する。表12の実施例24に記載するタバコ配合物は、押出機供給速度を乾燥配合物について約15.0lb/時に設定することおよび可塑剤ブレンド供給速度を約8.3lb/時に設定することを除き、実施例23に示したとおりに加工する。
【0105】
【表26】
【0106】
溶解可能な円柱、ロッド、スティック、豆、卵形、球形またはストリップタイプの無煙タバコ製品として使用するためのタバコ配合物を、表13に示す要領で提供する。実施例25に記載するタバコ配合物は、押出機供給速度を乾燥配合物について約15.0lb/時に設定することおよび可塑剤ブレンド供給速度を約8.3lb/時に設定することを除き、実施例23に示したとおりに加工する。加えて、実施例25では香料を実施例23とは対照的にバインダー系によって配合物に導入する。
【0107】
【表27】
【0108】
溶解可能な円柱、ロッド、スティック、豆、卵形、球形またはストリップタイプの無煙タバコ製品として使用するためのタバコ配合物を、表14に示す要領で提供する。実施例26に記載するタバコ配合物は、可塑剤ブレンド供給速度を6.0lb/時に設定することを除き、実施例23に示したとおりに加工する。加えて、実施例26では香料を実施例23とは対照的にバインダー系によって配合物に導入する。
【0109】
【表28】
【0110】
溶解可能な円柱、ロッド、スティック、豆、卵形、球形またはストリップタイプの無煙タバコ製品として使用するためのタバコ配合物を、表15に示す要領で提供する。実施例27に記載するタバコ配合物は、可塑剤ブレンドを押出機に導入する前に可塑剤溶液を予熱しないこと、押出機供給速度を乾燥配合物について約15.0lb/時に設定することおよび可塑剤ブレンド供給速度を約7.25lb/時に設定することを除き、実施例23に示したとおりに加工する。
【0111】
【表29】
【0112】
溶解可能な円柱、ロッド、スティック、豆、卵形、球形またはストリップタイプの無煙タバコ製品として使用するためのタバコ配合物を、表16に示す要領で提供する。実施例28に記載するタバコ配合物は、可塑剤ブレンドを、水を添加せずに該可塑剤ブレンドの顆粒成分を溶融することにより調製すること;押出機供給速度を乾燥配合物について約11.50lb/時に設定すること;および可塑剤ブレンド供給速度を約3.71lb/時に設定することを除き、実施例23に示したとおりに加工する。
【0113】
【表30】
【0114】
溶解可能な円柱、ロッド、スティック、豆、卵形、球形またはストリップタイプの無煙タバコ製品として使用するためのタバコ配合物を、(表17および18にそれぞれ示す)実施例29および30に示す要領で提供する。実施例29および30では、市販のミキサ(コネチカット州TarringtonのWaring Co.から入手できるモデル28bl62 Waringブレンダ)を使用する約15から20分間の高剪断混合により、バインダー系を該バインダー系の重量の約8から約10倍の水で水和させる。実施例23に示したように調製した実施例29および30の可塑剤ブレンドをこの高剪断混合物に添加し、さらに約10から15分間、十分に混合する。その後、このバインダー系と可塑剤ブレンドの混合物を、混合スピンドルを装備したミキサ、例えば市販のKitchin AidまたはHobartミキサに移す。その後、タバコ組成物をこのミキサに移し、約5から10分間、十分に混合して、半粘弾性から固体粘弾性塊またはドウ様組成物を形成する。このドウ様組成物を手動2本ロールプレスによって扁平にして厚さ4から5mmのシートを得る。このシートを周囲温度から約60℃および相対湿度約25パーセントから約40パーセントのもとで約12から18時間保管する。保管後、シートを、ドロップ・ローラ・プレスを通して送り、このプレスによってシートを成型および切断して、実施例23に記載したような様々なサイズおよび形状にする。
【0115】
【表31】
【0116】
【表32】
【0117】
実施例23−30に示したように調製したタバコ配合物またはタバコ製品は、タバコ製品の従来の成形方法のものより低い押出機の動作温度を有することができ、このため、タバコ材料の炭化または焼けの可能性を低減および/または回避することができる上に、咀嚼可能なタバコ製品を、尚、生産することができる。可塑剤ブレンドを予備混合することにより、可塑剤ブレンドの素材を、押出機バレルゾーンの外部で、該可塑剤がプラスチックタイプまたは粘弾性の性質を呈示する温度に加熱することができる。
【0118】
上述の説明の中で提示した教示の恩恵を受ける、本発明が関係する技術分野の技術者には、本発明の多くの変形および他の実施形態が思い浮かぶことであろう。従って、開示する特定の実施形態に本発明を限定すべきでないこと、ならびに変形および他の実施形態が添付の請求項の範囲内に含まれると解釈されることは、理解されるはずである。特異的な用語を本明細書の中で用いているが、これらの用語は単に一般的および説明的な意味で用いており、限定を目的として用いてはいない。