【実施例】
【0082】
実施例例1
hTERTをトランスフェクトされたDCのワクチン接種後に患者のT細胞によって認識されたhTERTエピトープの特徴を明らかにした。ワクチン接種は、CD4陽性Th細胞及びCD8陽性T細胞の両方に関わる多様かつ広範な免疫応答を引き起こした。この反応は、患者に観察された腫瘍の退縮及び長期生存の原因だと考えられる。
【0083】
方法と材料
患者
再発性膵管腺癌の62歳女性に、hTERTのmRNAを取り込んだ樹状細胞を、コンパッショネート・ユースとしてワクチン接種した。上記治療は、ノルウェー薬事局及び医学研究倫理地域委員会の承認を得た。これは、世界医師会ヘルシンキ宣言に従って実施された。患者より、インフォームド・コンセントの文書を得た。
【0084】
mRNAをトランスフェクトされたDCの製造
DCは、従来の説明のように生成された(Kyte他2006及びMu LJ他、2003)。簡単に述べると、白血球除去血輸血製品から得た単核白血球を、顆粒球マクロファージ・コロニー刺激因子(GM−CSF)及びインターロイキン4(IL−4)で5日間培養した。生じた未成熟DCに、矩形波電気穿孔法によってhTERT−mRNAをトランスフェクトし(Kyte他2006、Saeboe-Larssen S他2002)、その後、サイトカインで成熟を促進して2日間培養した(インターロイキン1β(IL−1β)、インターロイキン6(IL−6)、腫瘍壊死因子α(TNFα)、及びプロスタグランジンE2(PGE2))。適切な対照DCを得るために、DCの画分をモック・トランスフェクト(mock−transfected)した、すなわちmRNA無しで電気穿孔した。DCの表現型は、従来の説明のようにフロー・サイトメトリーによって評価した(Kyte他2006)。上記DCは、HLAクラスII、CD86及びCD83を発現するが、CD14を発現しない成熟DC表現型を有した。トリパンブルー染色によって評価したDCの生存性は、85%超であった。
【0085】
第2回及び第3回のワクチン・バッチは、超短期培養成熟DCであった(Alldawi他2005、Tanaka他2006、Ho他2006)単核白血球をGM−CSFとIL−4で2日間培養し、その後、従来型DCと同様の方法で1日間成熟させてから、電気穿孔した。その後、DCを一晩静置した後凍結させた。
【0086】
ワクチン
ワクチンは、hTERT mRNAを組み込んだ5×10
6の自己単核白血球由来樹状細胞からなる。患者は、4回の週次接種の後、月次の追加免疫接種を受けた。
【0087】
臨床モニタリング
有害事象は、従来の説明のように、NCI共通毒性基準に従って記録し、等級分類した(Kyte他、2006「遺伝子治療」)。軽微な副作用のみが観察され、治療に関連してグレードIII〜IVの毒性はなかった。対象腫瘍の反応は、ワクチン接種開始前及びワクチン接種中3カ月ごとの臨床検査及びCTスキャンによって評価された。腫瘍の反応は、「Response Evaluation Criteria in Solid Tumors」(RECIST)(Therasse P他2000)に従って分類した。
【0088】
DTH
免疫モニタリング
4回の標準ワクチン接種前、5週間後、及び12週間後に末梢血単核細胞(PBMC)を採取した。月次の追加免疫ワクチン接種の前にも毎回PBMCを採取した。PBMCは、従来の説明のように、分離し、凍結させた(Kyte他、2005)。解凍したPBMCを、in vitroでtDC(モックDCではなく)により1度刺激し、培養した後、従来の説明のように、T細胞増殖アッセイ(3Hチミジン)で検査した(Kyte他2006)。T細胞を三重に検査した。放射線照射を受けたtDCと対照のモック・トランスフェクトされたDC(モックDC)を用い、又はAPCとしてhTERTペプチドを持つPBMCもしくはこれを持たないPBMCを用いた。T細胞のみは負の対照を含めた。
【0089】
様々な時点で採取したPBMCを、いずれもProImmune社のオーバーラップhTERT 15−merペプチド・ライブラリー又は30−merのhTERTペプチドで刺激し、(Bernhardt他2006)で記述されるようにAPCとして放射線照射PBMCを用い、上記増殖アッセイで検査した。
【0090】
フロー・サイトメトリー
患者の新鮮PBMC又は凍結PBMCについて、五量体染色を実施した。フィコエリトリン接合五量体はProImmune社が製造し、脈絡髄膜炎ウイルス(CMV)のペプチドNLVPMTATVに特異的なHLA−A2陽性T細胞系の非特異的染色検査を行った。製造者が推奨する作用濃度を使用した。HIVペプチドSLYNTVATL−A*0201を持つ五量体を、負の対照として使用した。細胞は、室温(RT)で10分間五量体染色を行い、0.1%ヒト血清アルブミン(HSA)及び0.1%アジ化ナトリウムを含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)からなる染色緩衝液で洗浄した。次に、細胞を、室温で15分間、抗CD4フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、抗CD19−FITC(eBioscience社)、抗CD8−PerCP及び抗CD3パシフィック・ブルー(PB)(eBioscience社)染色を行い、染色緩衝液で1回洗浄し、同じ緩衝液で再懸濁してから採取した。細胞内染色のために、12日ペプチド刺激T細胞を、ブレフェルディンA(BD Bioscience社)10μg/ml及びBD Golgistop(BD Bioscience社)1/1000希釈の存在下で、5:1の目標比率でT細胞にペプチドを組み込んだ自己エプスタイン・バル・ウイルスで形質転換されたBリンパ芽球状細胞系列(EBV−LCL)によって、一晩刺激した。ペプチドを組み込んでいない標的細胞及びT細胞のみを、負の対照として使用した。次に、BD Cytofix/Cytopermキットを用い、製造者の指示に従って、CD3(eBioscience社)、CD4、CD8、IFN−(eBioscience社)、IL−2及びTNF−αについて細胞を染色した。最後に、1%パラホルムアルデヒドを含む染色緩衝液で細胞を再懸濁した。細胞内サイトカイン染色用のすべての抗体及びすべての試薬は、注記のあるものを除き、BD Pharmingen社から購入した。BD LSR IIフロー・サイトメーターを用いて1標本につき250,000個のリンパ球が得られ、データはFlowJoソフトウェア(Treestar Inc.、米国オレゴン州アッシュランド)を用いて分析した。
【0091】
結果
患者はゲムシタビン治療で病勢安定を経験したが、5カ月後、副作用のために治療を中断した。その後、代替治療としてこの患者にDCワクチン接種が提供された。ワクチン接種の18カ月後、患者は完全寛解を経験し、それがワクチン接種後30カ月(診断後44カ月)維持されている。患者は独立の病理学者による再診断と検査を受け、同病理学者は膵管腺癌の診断を確認した。
【0092】
手術不能の膵臓癌患者の生存期間中央値は8〜10カ月で、この例はこの期間を大きく超過している。初回のワクチンのバッチは5×10
6個の従来のDC(Kyte他2006)で構成され、患者は15回のワクチン投与を受けた。ワクチンに対する免疫応答と病勢の安定が実証されたため、新たなワクチン・バッチが作成され、バッチ2とバッチ3は超短期培養成熟DCで、hTERTのmRNAを組み込んだ5×10
6個のDCのワクチンが、それぞれ10回及び17回投与された。
【0093】
DCワクチンに対する増殖性T細胞応答は、ワクチン接種後3カ月のin vitroで測定され、6カ月以降安定した。hTERTをトランスフェクトされたDCに対する免疫応答の存在が明らかにされた後、どのhTERTエピトープが、上記免疫応答誘発の原因になったかの調査が所望された。これは、hTERTペプチド・ライブラリーに対するT細胞増殖の測定(
図1)、及びex vivoのPBMCの五量体染色によって検査された。
【0094】
増殖性T細胞応答は、オーバーラップペプチドライブラリーの15−mer hTERTペプチドのうち6個及び30−mer hTERTペプチド1個で検出された。hTERT五量体陽性のCD8陽性T細胞の存在は、ワクチン接種の前後両方で、非刺激PBMCS中0.15%〜1.25%の比率で検出された。CD8陽性T細胞の1.25%の集団は、ワクチン接種後24カ月(
図2A)の新鮮PBMC中で五量体陽性を示し、in vitroのペプチド刺激後は約3%に増加した(データ表示なし)。
【0095】
720GLL五量体中に少なくとも2つのTヘルパー・エピトープ並びにCTLエピトープを含む30−mer hTERTペプチドによるin vitro刺激を1回行った後、同じペプチドを組み込んだ自己EBV形質転換B細胞に応答してIFN−γ、IL−4及びTNF−αを分泌する少数の多機能CD4陽性T細胞が検出できた。ペプチド組み込み標的細胞による刺激後のCD8陽性T細胞の個体数は、非ペプチド組み込み標的による刺激後と比べて差がなかった(データ表示なし)。IL−2のバックグラウンド・レベルが高いのは、hTERTを発現し得る形質転換B細胞系列によって与えられた多少の刺激のためかもしれない。残念ながら、各実験でのT細胞の数が限られていたため、追加の機能アッセイは実施できなかった。
【0096】
考察
この例では、化学療法による治療後にhTERTのmRNAをトランスフェクトされた自己DCによるワクチン接種という異例の疾患経過をたどった、膵臓癌患者が報告されている。
【0097】
ここに記述された患者は、根治手術後の再発性膵管腺癌で4年以上生存している。当初の診断が正確だったことを確認するために、独立の病理学者によって一次腫瘍の再診断を受けた。
【0098】
患者は、2006年1月の根治手術後、2006年12月に、CTによる判定で肝臓門部、腸骨筋リンパ本管及び後腹膜腔にあるリンパ節の肥大が認められ、再発した。
【0099】
患者は化学療法によく反応し、CTスキャンにより腫瘍の退縮が明らかになった。しかし、化学療法から5カ月後、患者は重篤な副作用を発症し、上記治療は停止された。
【0100】
このような臨床状況において、患者は、化学療法の有効性を固定するために、コンパッショネート・ユースとしてhTERTのmRNAを組み込んだ自己DCのワクチン接種による治療を提供された。
【0101】
興味深いことに、化学療法の終了後、病勢の進行が起きず、長期の病勢安定と完全寛解の可能性が得られた。6カ月間隔をおいた2回の連続したPETスキャンで、膵臓及び転移性の病変部位の腫瘍組織は代謝の停止が明らかになった。これらの興味深い所見は、この患者では、使用された免疫治療戦略が臨床的に意味のある免疫応答を誘発したことを示唆する。したがって、上記患者のhTERTに対する免疫応答を記録し、詳細に研究することが重要であった。さらに、hTERT mRNAの全長をワクチン接種に使用する研究でのhTERTへの詳細な免疫応答に関する情報が完全に欠落しているため、次世代のhTERTワクチンの開発のために、臨床的に意味のあるhTERTエピトープを特定することが重要である。
【0102】
新規のCTLエピトープを持つ五量体と結合するCD8陽性T細胞が、高い頻度で見られた。これら2つのエピトープは、HLA−A*0201拘束性であるが、従来記述されていない。興味深いことに、9−merのエピトープ(720GLL、配列番号:3)は、Schroers他2002ですでに記述されているペプチドR672(配列番号:56)と同じ長さの15−merのペプチド(720、PGLLGASVLGLDDIH−配列番号:55)に埋め込まれているが、アミノ酸一つ分hTERTのC末端寄りにずれている。したがって、15−merの両ペプチド内の同じアミノ酸残基がT細胞応答の原因になっている可能性がある。重要なのは、増殖アッセイにおいて、同じ15−merのペプチド(720)が本明細書で報告された患者のT細胞によっても認識されたことであり、この患者では、hTERTのこのペプチド断片がCD4陽性及びCD8陽性の両T細胞応答を誘発したかもしれないことを示唆する。さらに、他の5つの15−merのペプチドが、この患者のT細胞によって認識された。これらのペプチドのうち3つは、従来報告されていない。これらを総合すると、この結果は、このワクチンがこの患者で少なくとも10個の異なるhTERTエピトープにT細胞応答を誘発したことを示す。配列全体を網羅しないオーバーラップペプチドライブラリーのうち使用したペプチド数は限定的な数にすぎず、また五量体もHLA−A*0201提示ペプチドに限定した少数であったため、エピトープ数は、これよりかなり多いかもしれない。
【0103】
これは、hTERTペプチドに対する広範な耐性がないこと、及びhTERTのmRNAをトランスフェクトされたDCを用いるワクチン接種戦略が高度に有望であることを示唆する。
【0104】
上記結果は、2個の15−merペプチドと1個の9−merペプチドを包含する30−merのhTERTペプチドを認識できるこの患者のT細胞が、3つのTh1関連サイトカインを同時に産生することも示す。この種の多機能性は、より高い感染防御能をもたらすことが、従来示されている。Darrah他2007は、ワクチン接種マウスの大形リーシュマニアに対する感染防御度が、同時にインターフェロンγ(IFN−、インターロイキン2及びTNF−α)を産生するCD4陽性T細胞の頻度によって予測されることを示した。
【0105】
この患者の非常に特殊な臨床経過は、ワクチン接種及びその結果生じる免疫応答が腫瘍及び転移に影響しているかもしれないことを示唆する。hTERT mRNA DCワクチンによってhTERTに対する広範かつ複合した免疫応答が誘発されたことが明らかにされているため、これは大いに考えられることである。その結果、残った腫瘍細胞への免疫攻撃には、hTERT特異的CTL、ヘルパーT細胞サイトカイン産物(IFN−γ、TNF−α)の癌細胞、腫瘍結合ストロマや腫瘍新生血管への効果、及び腺癌内に存在する他の腫瘍抗原に対する継続的な自然発生免疫応答の増幅による腫瘍細胞の直接的死滅が関与しているかもしれない。これは、hTERT特異的Th細胞がin situ又は腫瘍排出リンパ節で腫瘍抗原を手に入れたMHCクラスII陽性抗原提示細胞に遭遇した時に発生し得る。
【0106】
実施例2
新たに治験第I/II相を開始するに先立ち、安全性、認容性及び免疫学的反応を調査するために、肺癌ステージ4の患者1名に、hTERTをコードするmRNAをトランスフェクトした自己単核白血球由来のDCをワクチン接種した。患者は、5×10
6のDC皮内注射によるワクチン接種を、最初に週次で4回受け、続いて月次で追加免疫ワクチン接種を受けた。4回の標準ワクチン接種の前、5週間後、12週間後及びその後の毎月に、末梢血単核細胞(PBMC)を採取した。解凍したPBMCはトランスフェクトされたDCでin vitro刺激した。放射線照射とトランスフェクトを受けたDCと対照のモック・トランスフェクトされたDCを用い、T細胞増殖アッセイを実施した。さらに、hTERT特異的CD8陽性T細胞を五量体染色によってモニターした。治療はよく遂行され、副作用は軽微で、患者の生存期間は予想(12週間)に比して延びた(72週間)。患者は、ワクチン接種後のin vitroのmRNA組み込みDCへの反応として、特異的なT細胞増殖を示した。ワクチン接種後の標本では、五量体染色によって、安定した数のhTERT特異的CD8陽性T細胞が検出された。ワクチン接種後の別の時点の標本を、24のオーバーラップhTERTペプチドのパネルに対してさらに検査し、複数のペプチドに対するT細胞応答が検出された(
図12)。これらのエピトープへのT細胞応答は、ワクチンを接種していない癌患者及びGV1001テロメラーゼ・ペプチド(配列番号:10)を以前にワクチン接種した癌患者の両方でも同定されており、このことは、高度の免疫原性とHLA無差別性を示唆する。実施例1及び2の臨床経験は、hTERT−mRNAをトランスフェクトしたDCが安全であり、CD4陽性及びCD8陽性の両T細胞の幾つかのテロメラーゼT細胞エピトープに対して強固な免疫応答を誘発できることを示す。
【0107】
実施例3
有用な抗腫瘍免疫応答を誘発することのできるペプチドを特定するために、T細胞応答の誘発に適したテロメラーゼ酵素のペプチドを同定し、数名のワクチン接種患者(GV1001ペプチド又はhTERTをコードするmRNAをトランスフェクトした樹状細胞によるワクチン接種)と非ワクチン接種癌患者の検査データに従って並べた。選択された患者、そのワクチン接種状況及び臨床応答の概要を表9に示した。GV1001(配列番号:10)をワクチン接種した患者1名において、ペプチド660〜689(30−mer)(配列番号:1)へのT細胞応答は、一定の時点ではワクチンのペプチド自体への応答以上に強かったが(
図3参照)、他の患者でもこのペプチドに対して強固な免疫応答を示した。同定されたペプチドを表1に示す。これらのペプチドに対するT細胞応答は、応答性の検査を行った6名の正常血液ドナーには見られなかった。
【表1】
【0108】
表1に示した15−又は30−アミノ酸のペプチドすべてに特異的なT細胞クローンは、患者からも採取されている。これらのクローンは、自然に処理されたペプチド(データ表示なし)を認識し、10ng/mlの非常に低濃度のペプチドにも応答することが示されたが(
図4参照)、このことは、これらがその標的に対して高い親和性を有することを意味する。これは、ペプチド濃度がより低いin vivoで強力な免疫反応を誘発し得るために重要である。
【0109】
配列番号:1の30−merポリペプチドは、検査対象のほぼすべての癌患者で反応性を示したため、非常に免疫原性が強いと思われる。このペプチドは、GV1001ワクチン(配列番号:10)のようなCD4陽性ヘルパーT細胞によって認識され得るモチーフと、CD8陽性細胞傷害性Tリンパ球(CTL)によって認識され得るモチーフの両方を含む。これらの反応型はいずれも、上記ペプチドで刺激された患者由来のTリンパ球においてin vitroで検出された。
【0110】
上記9−又は10−merペプチドに特異的なCD8陽性Tリンパ球に結合できる蛍光色素でタグを付けた試薬(五量体)を使用し、主にGV1001(配列番号:10)をワクチン接種した多数の癌患者でこれらの細胞の存在を検出した。これらの9−又は10−merペプチドは、コーカサス系人種集団の約50%に存在するHLA−A2分子上に提示されたときに認識され(
図5)、及び同集団の20%に存在するHLA−B7分子上に提示されたときに認識され(
図6)るが、このことは、両方を合わせるとコーカサス系人種集団の過半数をカバーすることを意味する。
【0111】
さらに、表1に列挙した15−又は30−merのペプチドは、検査対象のほぼすべての患者で反応性を示し、このことは、それらがそれらの提示されるHLAクラスII対立遺伝子に関して無差別であり、集団のほぼすべてに適用可能であり、HLAスクリーニングの必要がないことを意味する(表2参照)。
【表2】
【0112】
これらのペプチドは、GV1001(配列番号:10)をワクチン接種した患者で反応性を誘発するほか、hTERTのmRNAをトランスフェクトした樹状細胞によるワクチンを接種した肺癌患者1名及び膵臓癌患者1名由来の細胞でもT細胞応答を誘発した。使用されたmRNAはhTERTタンパク質の全長の翻訳はしないがその過半をカバーし、表1に列挙したペプチドはこれらの患者に幾つかの最強の応答を誘発する。
【0113】
実施例4
hTERTペプチド・ライブラリー(表1のポリペプチドを含む)へのT細胞応答を、実施例1及び2で報告された患者のほかに5名の患者由来のT細胞について決定した。方法は、実施例1又はBernhardt他2006での従来の説明と同一であった。簡単に述べると、ワクチン接種中の様々な時点で採取したPBMCを、増殖アッセイでの特異的T細胞応答の検査に先立ち、オーバーラップhTERTペプチド・ライブラリーで刺激した。結果は
図7〜
図13に示す。ペプチドの全数表を表3に示す。
【表3-1】
【表3-2】
【0114】
図7〜
図13のヒストグラムは、7名の患者のオーバーラップhTERTペプチド・ライブラリーに対する応答を示す(膵臓癌患者は実施例1で報告した患者である)。
【0115】
ペプチド613−627は、GV1001(配列番号:10)に非常に似た配列を有し、GV1001を認識する同一の細胞によって認識されると推定されるが、ペプチド613−627はワクチンのペプチドと同一ではない。
【0116】
最後の2名の患者は30−merの660−689(配列番号:1)に対する応答の検査をしていないが、それはこのペプチドが検査後に合成されたためである。配列番号:1のペプチドは、GV1001をワクチン接種した肺癌患者に非常に強い応答を起こした。このペプチドを含む培養物由来のT細胞クローンの75%が特異性を有し、このことは、このクローンが、上記患者に高頻度で存在することを示す。これは、
図6のヒストグラムに示したhTERT特異的CD8陽性T細胞の肺がん患者と同一である。
【0117】
検査対象患者(表示の非ワクチン接種患者を除く)はその異例の臨床経過をもとに選定されているので、表1に列挙したペプチドに対して強力な応答が検出されたことは、これらのペプチドが臨床的に意味のあるエピトープであることを示す。
【0118】
実施例5
配列番号:1(30−mer 660−689)のポリペプチドの配列を、異なるHLAクラスI対立遺伝子と結合すると予測される免疫原性断片について分析した(予測は、MHCリガンドとペプチド・モチーフのSYFPEITHIデータベースを用いて実施した)。その結果を表4に示す。
【表4-1】
【表4-2】
【0119】
実施例6
実施例4の患者についての比較を実施した。簡単に述べると、癌の診断とhTERTワクチンのワクチン接種の後に7名の患者を臨床的レスポンダーと確認した。これらの患者は、生存期間の延長と臨床応答の組合せに基づき、レスポンダーと確認された。臨床応答は、病勢安定(SD)、部分反応(PR)、又は完全反応(CR)のいずれかである。ワクチンを接種した黒色腫の患者は、臨床試験への参加時にはステージIVと診断されたが、脳への転移はなかった。肺癌患者P5はステージIVで手術不能の肺癌と診断され、また結腸癌患者P1は後期の手術不能の結腸癌と診断された。肺癌患者P6は、ステージIVで平均余命12週の肺癌患者であった。膵臓癌患者P1は、再発性の手術不能の膵臓癌で、平均余命は8〜10カ月だった。4名の患者(黒色腫P7−P8、肺癌P5及び結腸癌P1)は、それぞれペプチドGV1001(配列番号:10)のワクチン接種を受けた。5番目の患者(肺癌P6)と6番目の患者(膵臓癌1)は、hTERTをコードするmRNAをトランスフェクトした樹状細胞によるワクチン接種を受けた。7番目の黒色腫患者P9は、治験の際にワクチン接種を受けておらず、代わって癌の進行を受けて自然応答が展開した。(8番目及び最後の患者も臨床的レスポンダーと確認されたが、治験ではこの患者の標本は使用できなかった。)
【0120】
次に、実施例1で説明したように、一連のペプチドに対する各患者の増殖性T細胞応答を決定した。その結果を表5に示し、
図14にグラフで示す。ここでのペプチドの呼称の対応関係は表6に示す(ペプチド726とGV1001の結果はもっぱら比較のためにのみ表示する)。
【表5】
【表6】
【0121】
すべての患者がGV1001に反応したことが観察された(すなわち彼らはSI>2であった)。樹状細胞ワクチンを接種した患者では自己MLCによって惹起されるバックグラウンドが高いため(肺癌P7及び膵臓癌P1)、SI値は他の患者に比べて低い。
【0122】
実施例7
肺癌の診断とGV1001(配列番号:10)ペプチドのワクチン接種の後に臨床的ノン・レスポンダーだった4名の患者を調査した。これらの患者はすべて、GV1001のワクチン接種を受けたステージIVの肺癌患者であった。これらの患者は、GV1001に対する免疫応答があるが、それでも病状の進行を経験し、上記ワクチンへの免疫応答のある他の患者に比べて生存期間が短かった患者の中から無作為に選択された。一連のペプチドに対する各患者の増殖性T細胞応答を一時点で実施例1と同じ方法で決定した。各患者がGV1001ワクチン接種に対して免疫学的に応答したことを確認する、治験期間中の各患者のGV1001ペプチドに対するピーク応答も示された。
【0123】
結果を表7に示し、
図15にグラフで示した。また、ペプチドの呼称の対応関係は表6に示す。
【表7】
4名の患者はすべて、配列番号:1、7、8及び9のペプチドへの応答が非常に少ないか又はゼロを示した。
【0124】
実施例8
黒色腫の診断とGV1001ペプチド(配列番号:10)のワクチン接種の後に臨床的ノン・レスポンダーだった6名の患者を調査した。これらの患者はすべてステージIVの黒色腫患者で、長期生存者である黒色腫患者P7及びP8と同じGV1001ワクチン接種の治験に参加した(実施例6を参照)。これらの患者は、上記ワクチンに対する免疫応答があるが、それでも生存期間が短かった患者の中から無作為に選択された。このうち5名の患者は病勢の進行も経験し、また1名(黒色腫P3)の患者は多少の病勢安定を経験したが、それでも生存期間は短かった。一連のペプチドに対する各患者の増殖性T細胞応答を、一時点で実施例1と同じ方法で決定した。各患者がGV1001ワクチン接種に対して免疫学的に応答したことを確認する、治験期間中の各患者のGV1001ペプチドに対するピーク応答も示された。
【0125】
結果を表8に示し、
図16にグラフで示した。また、ペプチドの呼称の対応関係は表6に示す。
【表8】
6名の患者はすべて、配列番号:1、7、8及び9のペプチドへの応答が非常に少ないか又はゼロを示した。
【0126】
実施例1〜8の結論
実施例1〜8で調査した患者を表9にまとめる。すべての患者はGV1001ペプチドに対して免疫学的に応答した。各患者を、病勢安定(SD)、腫瘍退縮(PR又はCR)及び予想外の長期生存などの臨床応答に基づいて、臨床的レスポンダー又は臨床的ノン・レスポンダーのいずれかに分類した。臨床的レスポンダーと臨床的ノン・レスポンダーは、いずれも同一又は類似のワクチンの治験から選択した。
【表9】
【0127】
ここで提示されたデータは、少なくとも一部の個体において、配列番号:1〜9のペプチドのいずれかの個体への投与が、投与されたペプチドに対するT細胞応答を誘発することを強く示唆する。他のhTERTペプチドワクチン又はトランスフェクトされた樹状細胞が投与された患者での配列番号:1〜9のペプチドに対するT細胞応答の存在は、配列番号:1〜9のペプチドに患者のMHC分子が結合してこれを提示し得ること、及び患者がその持ち駒として、上記ペプチドが提示された際にそれと結合できるT細胞を有することを示す。このため、配列番号:1〜9のペプチドが個体に投与された時に、上記ペプチドに対するT細胞応答が予想される。
【0128】
さらに、実施例6〜8で提供されたデータは、本明細書で記述される配列番号:1、7、8及び9のhTERTペプチドへのT細胞応答が、異なる形態の癌の患者における良好な臨床応答と結びついていることを明らかにする。hTERTワクチンで同様に治療され、このワクチンに応答した数名の短期生存者では、配列番号:1、7、8及び9のhTERTペプチドへの応答が散発的にしか観察されなかった。また、これらの短期生存者の一部では、GV1001ペプチドへの応答が強かったことも注目に値する。このペプチドへの免疫応答のある患者の過半数で生存期間が短かったことから、本発明者らは、この結果を、単一のペプチド(すなわちGV1001)のみへの反応では臨床応答/長期生存をもたらすには不十分なことを意味すると解する。
【0129】
このことは、患者が免疫応答を示したhTERTペプチドの数を患者の生存期間と比較する、
図17に示した散布図分析によって確認される。
図17に見られるように、生存期間の長期化と免疫応答をするhTERTペプチド数の多さとの間に明らかな相関がある。
【0130】
さらに、
図18に示す分析は、GV1001のほかに2つ以上のhTERTペプチドに対して応答する患者は、GV1001のほかに0又は1個のhTERTペプチドへの免疫応答を示す患者に比べ、統計的に有意に生存期間が延びたことを明らかにする。
【0131】
そのうえ、本明細書で開示されるデータは、有益な免疫応答における配列番号:1、7、8及び9のhTERTペプチドの重大な役割を示す強力な証拠を提供する。したがって、これらの新規ペプチドの免疫活性化は、より多くの患者に臨床的に意味のある免疫応答を誘発し、結果的に、GV1001ペプチド単独のワクチン接種の場合よりも生存期間の伸びる患者数が増えるはずである。
【0132】
本発明者らは、臨床的に良好でない患者と異なり、臨床的レスポンダーでは無関係なペプチドのワクチン接種後に配列番号:1、7、8及び9のペプチドに対する応答が自然に起きることを実証している。この自然免疫の背後にあるメカニズムは、hTERTを持っている死んだ腫瘍細胞を飲み込み、上記hTERTタンパク質を自己のタンパク質分解機構で処理して、本明細書の配列番号:1、7、8及び9のペプチドに対応する自然処理による多量のhTERTペプチドの配列を産出した抗原提示細胞によるこれらのペプチドの提示であると考えられる。同ペプチドの多くがhTERTのmRNAをトランスフェクトされた抗原提示細胞(樹状細胞)によって免疫を得た患者から採取したT細胞によって認識され、またこれらの患者がワクチン接種後に異例の良好な経過をたどったという証明は、この概念をさらに強化する。本発明のペプチド又はこうしてすでに臨床的に効果が実証されたペプチドカクテルのワクチン接種を通じてこれらの応答を追加し、又は誘発することによって、はるかに多くの割合の患者の臨床応答及び生存期間の延長を誘発することが可能である。
【0133】
実施例9
ペプチドカクテルの製造のための混合に適するであろうペプチドの最も有効な組合せを求めて、実施例1〜8の結果を検討した。次の理由で、配列番号:1、7及び9のペプチドが相補効果を有することが観察された。
【0134】
配列番号:1、7及び9のそれぞれのMHC結合モチーフ並びに上記配列の免疫原性断片を表10に示す。
【表10】
【0135】
表10からわかるように、配列番号:1、7及び9のペプチド並びにその免疫原性断片は、Th又はCTLのいずれかのエピトープを提示する広範なHLA分子と結合できる。このため、これらのペプチドは非常に幅広い患者集団に対して免疫応答を起こすことができる。
【0136】
さらに、配列番号:1、7及び9のペプチドは、実施例6で報告した臨床的レスポンダーである患者について横断的に免疫原性が証明されており、また臨床的ノン・レスポンダーよりも臨床的レスポンダーにおいて比較的強い免疫応答が証明されている。
【0137】
より具体的には、配列番号:1のペプチドについて、臨床的ノン・レスポンダーでは10名中1名に免疫応答があったのに対し、臨床的レスポンダーでは7名中7名に免疫応答があった。応答性のある長期生存者のうち数名は、五量体分析によりCTL応答も示した。
【0138】
配列番号:7のペプチドについては、臨床的ノン・レスポンダーでは10名中1名に免疫応答があったのに対し、臨床的レスポンダーでは7名中5名に免疫応答があった。
【0139】
配列番号:9のペプチドについては、五量体分析で3名の患者(うち1名は増殖性応答を示す3名とは別人)が示したCTL応答に加え、臨床的ノン・レスポンダーでは10名中0名に免疫応答があったのに対し、臨床的レスポンダーでは7名中3名に免疫応答があった。
【0140】
したがって、この結果分析から、配列番号:1、7及び9のペプチドカクテルは広範囲の人間集団について高レベルの有効性を有すると予想されることを実証する。
【0141】
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