特許第6042215号(P6042215)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042215
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】防食構造体とその施工方法
(51)【国際特許分類】
   E02B 3/06 20060101AFI20161206BHJP
   E02D 31/06 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   E02B3/06
   E02D31/06 Z
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-5896(P2013-5896)
(22)【出願日】2013年1月17日
(65)【公開番号】特開2014-136902(P2014-136902A)
(43)【公開日】2014年7月28日
【審査請求日】2015年10月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】新日鉄住金エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100105463
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100129861
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 滝治
(72)【発明者】
【氏名】藤川 敬人
【審査官】 苗村 康造
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−076847(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3128529(JP,U)
【文献】 特開平08−053853(JP,A)
【文献】 特開2000−273973(JP,A)
【文献】 実開昭58−001659(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 1/00〜 3/28
E02D 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼もしくはコンクリートからなる構造物の表面に両面接着テープの帯を枠状に接着して接着枠を形成し、接着枠の内側に2以上の両面接着テープのブロックを分散配置して接着ブロック群を形成し、接着枠と接着ブロック群の表面に高耐食性金属板を接着して高耐食性金属板の仮固定を図る第1のステップ、
接着枠および接着ブロック群の厚みによって形成される、接着枠と構造物の表面と高耐食性金属板で囲まれた空間に対し、高耐食性金属板もしくは構造物に設けられた前記空間に連通する充填孔を介して接着性の樹脂材料を充填し、樹脂材料が硬化してなる樹脂接着層によって高耐食性金属板を構造物の表面に本固定し、樹脂接着層と高耐食性金属板からなる防食構造体を構造物の表面に形成する第2のステップからなり、
前記第1のステップでは、スペーサの帯が枠状に形成されてなるスペーサ枠の表面と裏面にそれぞれ前記両面接着テープの帯を接着して前記接着枠を形成し、スペーサの帯の表面と裏面にそれぞれ前記両面接着テープの帯を接着して接着区画帯をさらに形成し、前記接着枠の内側に接着区画帯を配設して接着枠の内側を2以上の区画に区分けし、2以上のブロック状のスペーサの表面と裏面にそれぞれ前記両面接着テープのブロックを接着して前記接着ブロック群を形成し、
前記空間の前記厚みが、スペーサの厚みとその表裏面の2つの両面接着テープの厚みの総和であり、
前記スペーサ枠を構成するスペーサの帯が溝を有するとともに、各区画に対応した位置に各区画の空間に連通する連通孔を有しており、
前記接着枠はその対角位置の一方に前記充填孔が形成され、他方に空気抜き孔が形成されており、
前記第2のステップでは、充填孔から充填された樹脂材料が接着枠を構成するスペーサの帯の溝を通り、前記連通孔を介して各区画の空間に送られ、別途の前記連通孔を介し、接着枠を構成する別途のスペーサの帯の溝を押し出された空気が通り、空気抜き孔から空気が抜かれて、各区画の空間へ樹脂材料の充填がおこなわれる、防食構造体の施工方法。
【請求項2】
構造物が函状を呈し、その前記表面が平坦面である請求項1に記載の防食構造体の施工方法。
【請求項3】
構造物が中空もしくは中実な円柱体であり、その前記表面が湾曲面である請求項1に記載の防食構造体の施工方法。
【請求項4】
鋼もしくはコンクリートからなる構造物の表面に両面接着テープの帯を枠状に接着してなる接着枠が接着され、2以上の両面接着テープのブロックが分散配置してなる接着ブロック群が接着枠の内側に接着され、接着枠と接着ブロック群の表面に高耐食性金属板が接着されており、
接着枠および接着ブロック群の厚みによって形成される、接着枠と構造物の表面と高耐食性金属板で囲まれた空間に接着性の樹脂接着層が形成されており、
接着枠と接着ブロック群と樹脂接着層によって高耐食性金属板が構造物の表面に固定され、樹脂接着層と高耐食性金属板から構成されており、
スペーサの帯が枠状に形成されてなるスペーサ枠の表面と裏面にそれぞれ前記両面接着テープの帯が接着されて前記接着枠が形成され、スペーサの帯の表面と裏面にそれぞれ前記両面接着テープの帯が接着されて接着区画帯が形成され、前記接着枠の内側に該接着区画帯が配設されて接着枠の内側が2以上の区画に区分けされ、2以上のブロック状のスペーサの表面と裏面にそれぞれ前記両面接着テープのブロックが接着されて前記接着ブロック群が形成されており、
前記空間の前記厚みが、スペーサの厚みとその表裏面の2つの両面接着テープの厚みの総和であり、各区画の空間内で樹脂接着層が形成されている、防食構造体。
【請求項5】
構造物が函状を呈し、その前記表面が平坦面である請求項4に記載の防食構造体。
【請求項6】
構造物が中空もしくは中実な円柱体であり、その前記表面が湾曲面である請求項4に記載の防食構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海洋構造物等の表面に施工される防食構造体とその施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鋼構造物やコンクリート構造物の表面の防食性を向上させるべく、構造物の表面に高耐食性金属板を取り付ける方法が一般におこなわれており、腐食環境下にある種々の海洋構造物の施工に際してこのような表面防食措置が講じられることが多い。
【0003】
この表面防食措置の一例を挙げると、高耐食性金属板にステンレスプレートを適用し、ステンレスプレートを鋼構造物の表面に直接溶接する方法がある。また、高耐食性金属板にチタンプレートを適用した場合には、鋼構造物の表面とチタンプレートの直接溶接ができないことから、鋼板とチタンプレートをクラッドにて一体化したものを鋼構造物の表面に溶接するチタンクラッド工法がある。
【0004】
いずれの方法ともにプレートを鋼構造物表面に溶接することから、溶接時の鋼構造物の疲労の問題があり、仮に溶接時に亀裂が生じた場合には防食機能を低下させてしまう。また、チタンクラッド工法は工費が嵩み、防食対象の構造物の規模が大きくなるにつれて工費の問題が顕著となり、防食対象構造物の規模が一般に大きな海洋構造物に対してはコスト面から採用が難しい。
【0005】
ここで、特許文献1には、鋼構造物の表面の一部又は全部にコルゲート形状のチタン板を配置し、鋼構造物とチタン板との間に防食層が形成された鋼構造物の防食構造とその施工方法が開示されている。この構造では、その表面形状が柱面の一部であってコルゲート形状の波頂部が柱面の周方向を向いているチタン板を用いており、このようにコルゲート形状のチタン板を適用したことで、型枠として鋼構造物の表面に防食層を充填してチタン薄板をそのまま取り外さずに防食層を保護する外壁として用いるに当たり、チタン薄板設置時にチタン薄板の形状を保持することが可能になるというものである。
【0006】
一方、特許文献2には、鋼矢板の表面に当接した樹脂防食層と、この樹脂防食層に緩衝材を介して一体化された高耐食金属板を少なくとも備えた防食被覆体を用いた鋼矢板の防食構造が開示されている。より詳細には、隣り合う高耐食金属板同士を溶接接合して防食被覆体同士を連結するものであり、この構成によって、鋼矢板の幅寸法が大きな場合や被覆長が長い場合であっても互いに連結した防食被覆体にて連続した防食保護層を構成することができ、個々の防食被覆体を大型化することなく、既存の製造設備を利用して低コストで施工できるというものである。
【0007】
このように特許文献1,2の技術ともにそれぞれに固有の効果を有するものであるが、いずれの技術も鋼構造物等に対するチタン板等からなる高耐食金属板の取付けをボルトなどを利用した機械接続でおこなうことから、ボルト接続に伴う施工性の低下やボルト接続用の措置を高耐食性金属板に施す必要があるなど、構造物への取付け方法に改善の余地がある。
【0008】
また、特許文献2の技術では、構造物表面に樹脂防食層を先付けした後に高耐食金属板を後付けすることから、実質的に2度の異なる取り付け施工を実施する必要があり、施工性の観点から改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−273242号公報
【特許文献2】特開2010−255178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、施工性に優れ、高い防食性能を有する防食構造体とその施工方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成すべく、本発明による防食構造体の施工方法は、鋼もしくはコンクリートからなる構造物の表面に両面接着テープの帯を枠状に接着して接着枠を形成し、接着枠の内側に2以上の両面接着テープのブロックを分散配置して接着ブロック群を形成し、接着枠と接着ブロック群の表面に高耐食性金属板を接着して高耐食性金属板の仮固定を図る第1のステップ、接着枠および接着ブロック群の厚みによって形成される、接着枠と構造物の表面と高耐食性金属板で囲まれた空間に対し、高耐食性金属板もしくは構造物に設けられた前記空間に連通する充填孔を介して接着性の樹脂材料を充填し、樹脂材料が硬化してなる樹脂接着層によって高耐食性金属板を構造物の表面に本固定し、樹脂接着層と高耐食性金属板からなる防食構造体を構造物の表面に形成する第2のステップからなるものである。
【0012】
本発明の防食構造体の施工方法は、表面防食が必要な海洋構造物等を構成する鋼構造物やコンクリート構造物の表面に樹脂接着層と高耐食性金属板から形成される防食構造体を施工するに当たり、両面接着テープにて構造物の表面に高耐食性金属板を接着し、両面接着テープの厚みによってできた構造物表面と高耐食性金属板の間の空間に樹脂材料を充填する際のシール性と充填圧による高耐食性金属板のはらみ防止を両面接着テープによって齎すようにしたものである。
【0013】
すなわち、構造物表面に高耐食性金属板を取り付ける際にボルト等の機械接続を不要とし、構造物表面に接着した両面接着テープで高耐食性金属板を接着し、これらで画成された空間に樹脂材料を充填して樹脂接着層を形成することから、樹脂接着層を先施工し、次いで高耐食性金属板を後施工する2段階の施工方法に比して施工効率は飛躍的に向上する。
【0014】
さらに、その使用を排除するものではないが、両面接着テープを適所に配設することで、ストッパーや抑え型枠等を高耐食性金属板の外側に配設等することなく、樹脂材料を充填した際の高耐食性金属板のはらみ出しを抑制することができる。
【0015】
防食対象であるコンクリート構造物もしくは鋼構造物としては、海洋構造物である函状の荷さばき施設の下スラブや側壁スラブ(コンクリート構造物、鋼構造物のいずれもある)、このような海洋構造物を支持する鋼管杭や鋼矢板、ジャケット構造物を構成する鋼管、コンクリート製の防波堤などを一例として挙げることができる。
【0016】
また、高耐食性金属板としては、ステンレスプレートやチタンプレートを挙げることができ、耐食性の観点で言えばチタンプレートの適用が好ましい。
【0017】
また、両面接着テープとしては、JIS Z-1541の超強力両面粘着テープの適用が好ましく、両面接着テープの形態としては、その全体が粘着性のあるものの他にも、中央の板状の支持体の両サイドを粘着テープが挟んだ積層構造のものであってもよい。また、後述するスペーサを使用せずに、両面接着テープの厚みのみで樹脂材料を充填する空間を形成する場合では、後者の積層構造の両面接着テープが厚みを確保できる点で好ましい。
【0018】
これらの構造物の被防食表面としては、スラブ等の平坦な表面や鋼管等の湾曲した表面などがあり、いずれの表面形態に対しても本発明の施工方法は適用可能である。
【0019】
第1のステップでは、樹脂材料のシール性を確保する観点から、構造物表面の所定範囲において両面接着テープの帯を枠状に接着して接着枠を形成する。なお、たとえば10m×10mの平面状のスラブの防食領域がある場合に、この10m×10mの枠寸法の接着枠をスラブ表面に接着する形態や、5つの縦10m×横2mの接着枠を併設した形態などが挙げられる。
【0020】
このように、接着枠の表面に高耐食性金属板を接着し、形成された空間に樹脂材料を充填することでそのシール性が保証されるが、このことに加えて、第1のステップは、接着枠の内側に2以上の両面接着テープのブロックを分散配置して接着ブロック群を形成し、接着枠と接着ブロック群の表面に高耐食性金属板を接着して高耐食性金属板の仮固定を図るものである。
【0021】
本発明の施工方法は高耐食性金属板をその外側から抑え型枠等で抑えることを必要としないことから、接着枠のみでは、樹脂材料を充填した際に仮固定された高耐食性金属板のはらみ出しを十分に抑制できない場合もあり得る。そこで、接着枠の内側に両面接着テープのブロックを分散配置し、接着枠に加えてこの複数のブロックでも高耐食性金属板の接着を図ることで両面接着テープのみで高耐食性金属板のはらみ出しを抑制することができる。
【0022】
第1のステップで接着枠と接着ブロック群の表面に高耐食性金属板を接着してその仮固定が図られたら、次に第2のステップとして、接着枠および接着ブロック群の厚みによって形成される、接着枠と構造物の表面と高耐食性金属板で囲まれた空間に接着性の樹脂材料を充填する。
【0023】
ここで、樹脂接着層を形成する接着性の樹脂材料としては、有機溶剤であるエポキシ樹脂やスチレン樹脂、酢酸ビニル、塩化ビニル、ニトリルゴムやクロロプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、シリコーン樹脂(変性シリコーンを含む)などを挙げることができる。
【0024】
なお、樹脂材料の充填の際に高耐食性金属板に対する充填圧を可及的に低減することで、両面接着テープに要求される接着力や接着枠の内側に配設される両面接着テープのブロックの数を低減することができる。したがって、たとえば、数mmの空間(隙間)でも抵抗なく流れる流動性を備え、可及的に粘度の低い低粘度の樹脂材料が選定されるのが望ましい。
【0025】
樹脂材料の充填は、高耐食性金属板もしくは構造物に設けられた空間に連通する充填孔を介しておこなわれる。
【0026】
空間に充填された樹脂材料が硬化して樹脂接着層が形成され、この樹脂接着層で高耐食性金属板を構造物の表面に本固定する。そして、この本固定された状態において、樹脂接着層と高耐食性金属板からなる防食構造体が構造物の表面に形成されることになる。
【0027】
このように、本発明による防食構造体の施工方法によれば、構造物の表面に両面接着テープを接着し、この両面接着テープで高耐食性金属板を仮固定し、両面接着テープからなる接着枠と接着ブロック群の厚みによって形成される、接着枠と構造物の表面と高耐食性金属板で囲まれた空間に接着性の樹脂材料を充填し、硬化させて樹脂接着層を形成し、この樹脂接着層で高耐食性金属板の本固定をおこなうことにより、ボルト等による機械接続を不要とし、高耐食性金属板の抑え型枠等を不要としながら、効率的に、樹脂接着層と高耐食性金属板からなる防食構造体を施工することができる。
【0028】
また、本発明による防食構造体の施工方法の他の実施の形態は、前記第1のステップにおいて、スペーサの帯が枠状に形成されてなるスペーサ枠の表面と裏面にそれぞれ前記両面接着テープの帯を接着して前記接着枠を形成し、2以上のブロック状のスペーサの表面と裏面にそれぞれ前記両面接着テープのブロックを接着して前記接着ブロック群を形成し、前記空間の前記厚みが、スペーサの厚みとその表裏面の2つの両面接着テープの厚みの総和となっているものである。
【0029】
本実施の形態の施工方法は、接着枠と接着ブロック群を両面接着テープのみから構成する代わりに、スペーサの表面と裏面に両面接着テープを接着して構成された接着枠と接着ブロック群を使用して防食構造体を施工する方法である。
【0030】
ここで、スペーサは、金属プレートが断面コの字型に形成されたもの、断面Iの字型に形成されたもの、断面Hの字型に形成されたものなど、多様な形状形態のものが適用できる。たとえば、断面コの字型のスペーサにおいて「表面」とはコの字の底面、「裏面」とはコの字の2つの端面を意味する。また、断面Iの字型、断面Hの字型のスペーサにおいて「表面」、「裏面」とは、2つのフランジの端面を意味する。
【0031】
スペーサを適用して接着枠や接着ブロック群を形成することで、スペーサの厚みとその表裏面の2つの両面接着テープの厚みの総和が樹脂材料の充填される空間の厚みとなり、両面接着テープのみによる場合に比して空間の厚みを確保し易くなる。但し、樹脂材料の充填量を可及的に抑制することが材料コストの観点から望ましいことより、スペーサを適用した場合でもその厚みは10〜20mm程度の薄いものが適用されるのがよい。
【0032】
また、本発明による防食構造体の施工方法の他の実施の形態は、前記第1のステップにおいては、スペーサの帯の表面と裏面にそれぞれ前記両面接着テープの帯を接着して接着区画帯をさらに形成し、前記接着枠の内側に接着区画帯を配設して接着枠の内側を2以上の区画に区分けするものであり、前記スペーサ枠を構成するスペーサの帯が溝を有するとともに、各区画に対応した位置に各区画の空間に連通する連通孔を有しており、前記接着枠はその対角位置の一方に前記充填孔が形成され、他方に空気抜き孔が形成されており、前記第2のステップでは、充填孔から充填された樹脂材料が接着枠を構成するスペーサの帯の溝を通り、前記連通孔を介して各区画の空間に送られ、別途の前記連通孔を介し、接着枠を構成する別途のスペーサの帯の溝を押し出された空気が通り、空気抜き孔から空気が抜かれて、各区画の空間へ樹脂材料の充填がおこなわれるものである。
【0033】
接着枠の内側の寸法が比較的広い場合には、その内側を両面接着テープの帯を接着してなる2以上の接着区画帯で区分けし、それぞれの区画に順次樹脂材料を充填するとともに、それぞれの区画から空気を順次抜いていくことで、被防食範囲の全体に亘って空気溜まりのない樹脂接着層を形成することができる。
【0034】
より具体的には、スペーサ枠を構成するスペーサの帯が溝を有し、各区画に対応した位置に各区画の空間に連通する連通孔をさらに有していて、接着枠はその対角位置の一方に樹脂材料が充填される充填孔を有し、対角位置の他方に空気抜き孔を有していることで、充填孔から充填された樹脂材料は、充填孔に近い区画から順に連通孔を介して流れ込み、この樹脂材料の流れによって空間内にあった空気が押され、空気が押された方向に存在しているスペーサの連通孔からスペーサの溝に空気が押し出され、空気抜き孔に流れてここで空気抜きがおこなわれる。
【0035】
また、本発明は防食構造体にも及ぶものであり、この防食構造体は、鋼もしくはコンクリートからなる構造物の表面に両面接着テープの帯を枠状に接着してなる接着枠が接着され、2以上の両面接着テープのブロックが分散配置してなる接着ブロック群が接着枠の内側に接着され、接着枠と接着ブロック群の表面に高耐食性金属板が接着されており、接着枠および接着ブロック群の厚みによって形成される、接着枠と構造物の表面と高耐食性金属板で囲まれた空間に接着性の樹脂接着層が形成されており、接着枠と接着ブロック群と樹脂接着層によって高耐食性金属板が構造物の表面に固定され、樹脂接着層と高耐食性金属板から構成されているものである。
【0036】
本発明の防食構造体は既述する施工方法によって施工されるものであり、高耐食性金属板が薄膜であっても、ボルト等の機械接続が一切講じられていないことから、機械接続による劣化箇所等は存在せず、しかも樹脂接着層を介して構造物の表面に強固に接続された防食構造体となっている。
【0037】
なお、この防食構造体においても、スペーサの帯が枠状に形成されてなるスペーサ枠の表面と裏面にそれぞれ前記両面接着テープの帯が接着されて前記接着枠が形成され、2以上のブロック状のスペーサの表面と裏面にそれぞれ前記両面接着テープのブロックが接着されて前記接着ブロック群が形成され、前記空間の前記厚みが、スペーサの厚みとその表裏面の2つの両面接着テープの厚みの総和となっている形態がある。さらに、スペーサの帯の表面と裏面にそれぞれ前記両面接着テープの帯が接着されて接着区画帯が形成され、前記接着枠の内側に該接着区画帯が配設されて接着枠の内側が2以上の区画に区分けされ、各区画の空間内で樹脂接着層が形成されている形態もある。
【発明の効果】
【0038】
以上の説明から理解できるように、本発明の防食構造体とその施工方法によれば、両面接着テープにて構造物の表面に高耐食性金属板を仮固定することで、樹脂材料を充填した際のシール性と充填圧による高耐食性金属板のはらみ防止を両面接着テープのみで実現でき、両面接着テープの厚みによってできた構造物表面と高耐食性金属板の間の空間に充填された樹脂材料が硬化してできた樹脂接着層にて高耐食性金属板の本固定を図ることにより、施工性に優れた施工方法の下で高い防食性能を有する防食構造体を施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の防食構造体の施工方法の実施の形態1を説明したフロー図であって、(a)は被施工対象の構造物の一部を示した図であり、(b)は第1のステップを説明した図である。
図2】(a)は図1bに続いて第1のステップとさらに第2のステップを説明した図であり、(b)は図2aに続いて第2のステップを説明するとともに施工された防食構造体の実施の形態1を示した図である。
図3】防食構造体の実施の形態1の内部を説明した模式図である。
図4】本発明の防食構造体の施工方法の実施の形態2を説明したフロー図であって、(a)は被施工対象の構造物の一部を示した図であり、(b)は第1のステップを説明した図である。
図5】(a)は図4bに続いて第1のステップとさらに第2のステップを説明した図であり、(b)は図5aに続いて第2のステップを説明するとともに施工された防食構造体の実施の形態2を示した図である。
図6】本発明の防食構造体の施工方法の実施の形態3を説明したフロー図であって、第1のステップを説明した図である。
図7図6のVII−VII矢視図である。
図8図6に続いて第1のステップを説明した図である。
図9図8に続いて第2のステップを説明するとともに、その際に各区画内への樹脂材料の流れと、この樹脂材料によって押し出された空気の流れを説明した図である。
図10】施工された防食構造体の実施の形態3を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照して本発明の防食構造体とその施工方法の実施の形態1,2,3を説明する。なお、被施工対象となる構造物には、腐食環境下にあって防食構造体をその表面に形成することを必要とする多様な形状形態の構造物が含まれる。また、図示例は、説明を容易とするために構造物の被施工対象表面を直立させた姿勢や上に向いた姿勢としているが、全施工フローに亘って、被施工対象面はいずれの方向を向いていてもよい。
【0041】
(防食構造体とその施工方法の実施の形態1)
図1は本発明の防食構造体の施工方法の実施の形態1を説明したフロー図であって、図1aは被施工対象の構造物の一部を示した図であり、図1bは第1のステップを説明した図である。また、図2aは図1bに続いて第1のステップとさらに第2のステップを説明した図であり、図2bは図2aに続いて第2のステップを説明するとともに施工された防食構造体の実施の形態1を示した図であり、図3は防食構造体の実施の形態1の内部を説明した模式図である。
【0042】
図1aで示す構造物Cは、腐食環境下にある海洋構造物の中でも函状を呈した鋼構造物もしくはコンクリート構造物であり、耐腐食性が特に要求される構造物Cの底版の平坦な表面Sが被施工対象面である。
【0043】
図1aで示すように、構造物Cの平面視矩形の表面Sに対し、両面接着テープの帯を枠状に形成してなる接着枠1を接着する。さらに、接着枠1の内側には、2以上の両面接着テープの接着ブロック2(図では4つ)を分散配置して接着し、接着ブロック群2’を形成する。
【0044】
ここで、接着枠1と接着ブロック2はともに厚みがt1であり、この厚みt1によって接着枠1内に空間Gが形成される。
【0045】
接着枠1や接着ブロック2を形成する両面接着テープとしては、JIS Z-1541の超強力両面粘着テープの適用が好ましい。また、適用可能な市販品としては、コニシボンド社製のボンドテープWF721(発泡ポリマー支持体の両面にアクリル系粘着剤を粘着加工した両面接着テープ)を挙げることができる。
【0046】
また、接着ブロック群2’を構成する接着ブロック2の平面的な大きさや基数は、接着枠1と接着ブロック群2’で後述するように高耐食性金属板を接着し、空間G内に樹脂材料を充填した際に、この樹脂材料の充填圧によって高耐食性金属板のはらみ出しを防止できる大きさおよび基数が、両面接着テープの単位面積当たりの接着力を勘案して設定される。すなわち、図示する施工方法は、両面接着テープ以外に高耐食性金属板のはらみ出しを抑制する抑え型枠等の使用を排除するものではないものの、両面接着テープからなる接着枠1と接着ブロック群2’のみで高耐食性金属板を仮固定し、充填される樹脂材料による圧力に対して高耐食性金属板のはらみ出し防止を可能とした施工方法である。
【0047】
構造物Cの表面Sに接着枠1と接着ブロック群2’を接着したら、図2aで示すように、これらの端面に高耐食性金属板3を接着し、構造物Cに対する高耐食性金属板3の仮固定を図る(第1のステップ)。
【0048】
同図で示すように、高耐食性金属板3には樹脂材料を充填する(X1方向)充填孔3aと、樹脂材料を空間Gに充填した際に空気を抜く(X2方向)空気抜き孔3bを有している。
【0049】
高耐食性金属板3としては、ステンレスプレートやチタンプレートを挙げることができ、耐食性の観点で言えばチタンプレートの適用が好ましい。また、チタンプレートを適用することでその厚みt2を可及的に薄くすることができ、軽量化を図って施工性を向上できる。
【0050】
接着枠1と構造物Cの表面S、および高耐食性金属板3で囲まれてできた空間Gに樹脂材料を充填すると、充填された樹脂材料は接着枠1にてシール性が担保された空間G内に隙間なく充填されていく。そして、空間G内に充填された樹脂材料が硬化することにより、図2bで示すように樹脂接着層4が空間Gに形成され、この樹脂接着層4を介して構造物Cの表面Sに対する高耐食性金属板3の本固定が完了し、樹脂接着層4と高耐食性金属板3からなる防食構造体10が構造物Cの表面Sに形成される(第2のステップ)。
【0051】
ここで、樹脂接着層4を形成する接着性の樹脂材料としては、有機溶剤であるエポキシ樹脂やスチレン樹脂、酢酸ビニル、塩化ビニル、ニトリルゴムやクロロプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、シリコーン樹脂(変性シリコーンを含む)などを挙げることができる。なお、樹脂材料の充填の際に高耐食性金属板3に対する充填圧を可及的に低減することで、両面接着テープからなる接着枠1や接着ブロック群2’に要求される接着力を低減することができる。したがって、たとえば、空間Gの厚みt1が数mm程度でも抵抗なく流れる流動性を備え、可及的に粘度の低い低粘度の樹脂材料が選定されるのが望ましい。
【0052】
図3は、施工された防食構造体10の内部を確認するべく、樹脂接着層4から高耐食性金属板3を取り外した状態を示したものである。
【0053】
接着ブロック群2’を構成する各接着ブロック2や接着枠1もそれらの表面は接着性があり、内部の樹脂接着層4とともにその全面で高耐食性金属板3と接着され、高い接着強度を有して高耐食性金属板3が構造物Cの表面Sに固定されることになる。
【0054】
図示する防食構造体の施工方法によれば、両面接着テープからなる接着枠1と接着ブロック群2’のみで構造物Cの表面Sに高耐食性金属板3を仮固定することができ、樹脂材料を充填した際のシール性と充填圧による高耐食性金属板3のはらみ防止を接着枠1と接着ブロック群2’のみで実現することができる。さらに、両面接着テープの厚みt1によってできた構造物の表面Sと高耐食性金属板3の間の空間Gに充填された樹脂材料が硬化してできた樹脂接着層4にて高耐食性金属板3の本固定を図ることにより、施工性に優れた施工方法の下で高い防食性能を有する防食構造体10を施工することができる。
【0055】
(防食構造体とその施工方法の実施の形態2)
図4は本発明の防食構造体の施工方法の実施の形態2を説明したフロー図であって、図4aは被施工対象の構造物の一部を示した図であり、図4bは第1のステップを説明した図である。また、図5aは図4bに続いて第1のステップとさらに第2のステップを説明した図であり、図5bは図5aに続いて第2のステップを説明するとともに施工された防食構造体の実施の形態2を示した図である。
【0056】
図4aで示す構造物Pは鋼管であり、腐食環境下にある海洋構造物で図1等で示す構造物Cを支持する鋼管杭であり、その被施工対象面は湾曲面となっている。
【0057】
図4bで示すように、鋼管Pの湾曲な表面Sの上下の端部に対し、両面接着テープの帯からなる2つの接着枠1Aを接着する。さらに、上下2つの接着枠1Aの内側には、2以上の両面接着テープの接着ブロック2を分散配置して接着し、接着ブロック群2’を形成する。なお、図示例のように鋼管周りに断面環状の高耐食性金属板を接着する際には、断面が円形ゆえに接着ブロック群2’が存在しなくても高耐食性金属板のはらみ出しを抑止することができ、したがって必要に応じて接着ブロック群2’を適用しない施工方法であってもよい。
【0058】
鋼管Pの表面Sに上下2つの接着枠1Aと接着ブロック群2’を接着したら、充填孔3Aaと空気抜き孔3Abを上方に備えた高耐食性金属板3Aを鋼管Pの周りに巻装し、高耐食性金属板3Aの接続端部同士を一部ラップさせ、ラップ箇所に両面接着テープの帯1Bを介在させることで、鋼管Pの表面Sに高耐食性金属板4Aの仮固定が図られ、表面Sと高耐食性金属板3Aと2つの接着枠1Aで樹脂材料充填用の空間が画成される(第1のステップ)。
【0059】
この空間に対し、充填孔3Aaから樹脂材料を充填し、空間内を樹脂材料が充満する過程で空気が空気抜き孔3Abから抜かれ、樹脂材料が硬化することで樹脂接着層4Aが形成される。そして、この樹脂接着層4Aにて鋼管Pの表面Sに対する高耐食性金属板3Aの本固定がおこなわれ、樹脂接着層4Aと高耐食性金属板3Aからなる防食構造体10Aが形成される(第2のステップ)。
【0060】
このように、本発明の施工方法は、被施工対象表面が湾曲面であってもその適用が可能であり、図示例のように、海洋における函状構造物を鋼管で支持する構造物に対しては、函状構造物と鋼管杭のすべての腐食可能性のある表面を高耐食性金属板にて被覆することができる。
【0061】
(防食構造体とその施工方法の実施の形態3)
図6は本発明の防食構造体の施工方法の実施の形態3を説明したフロー図であって、第1のステップを説明した図であり、図7図6のVII−VII矢視図であり、図8図6に続いて第1のステップを説明した図である。また、図9図8に続いて第2のステップを説明するとともに、その際に各区画内への樹脂材料の流れと、この樹脂材料によって押し出された空気の流れを説明した図であり、図10は施工された防食構造体の実施の形態3を示した図である。
【0062】
本実施の形態の施工方法は、構造物Cの被施工対象となる表面Sの平面積が平坦で比較的大きい場合に有効な方法であり、表面Sの平面積が広すぎて図1,2で示す施工方法を適用した場合に空間内への樹脂材料のスムーズでかつ十分な充填ができないという懸念を解消するべく、樹脂材料の充填孔を一箇所としても効率的に樹脂材料を流動させ、効果的に空間内から空気を抜くことを可能とした方法である。また、本実施の形態の施工方法では、空間の厚みを両面接着テープのみではなくて、所望の断面形状を有するスペーサを使用して確保することとしている。
【0063】
図6で示すように、鋼製のスペーサの帯が枠状に形成されてなるスペーサ枠5の表面と裏面にそれぞれ両面接着テープの帯1Bを接着して接着枠1Cを形成し、この接着枠1Cを3つの区画Z1,Z2,Z3に区分けするべく、スペーサの帯7の表面と裏面にそれぞれ両面接着テープの帯2Cを接着してなる接着区画帯2Dを接着枠1Cの内側に2箇所設ける。そして、各区画Z1,Z2,Z3内に2以上のブロック状のスペーサ6の表面と裏面にそれぞれ両面接着テープのブロック2Aを接着してなる接着ブロック2Bで構成された接着ブロック群2B’を形成する。
【0064】
各区画Z1,Z2,Z3の空間の厚みは、スペーサ5,6,7の厚みt3とその表裏面の両面接着テープ1B,2A,2Cの厚みt4、t4の総和t5となる。
【0065】
図7で示すように、接着枠1Cを構成するスペーサ5の断面形状は上方に開口を有する断面コの字状を呈して溝5aを有しており、充填孔1Caから充填された樹脂材料は溝5aを介して流動し、各区画Z1,Z2,Z3に対応する位置に送られる。すなわち、接着枠1Cの中で充填孔1Caが形成された一辺は樹脂材料を送り出す送りレールの役割を担っている。
【0066】
送りレールを構成する接着枠1Cの一辺において、スペーサ5の側面には各区画Z1,Z2,Z3に対応する位置に流れてきた樹脂材料が各区画内に流れ込む連通孔5bが形成されている。
【0067】
一方、図6で示すように、連通孔5bを具備する接着枠1Cの一辺に対向する他の一辺を構成するスペーサ5の側面には、各区画Z1,Z2,Z3に樹脂材料が流れ込んだ際に押し出された空気が流れ込む連通孔5cが開設されており、連通孔5cを介してスペーサ5の溝を流通した空気は充填孔1Caと対角位置にある空気抜き孔1Cbから抜気される。
【0068】
構造物Cの表面Sに接着枠1C、接着区画帯2D、接着ブロック群2B’を接着したら、図8に示すに高耐食性金属板3Bをこれらの両面接着テープの端面に接着して高耐食性金属板3Bの仮固定を図る(第1のステップ)。
【0069】
ここで、高耐食性金属板3Bには樹脂材料を充填する充填孔3Baと空気抜き孔3Bbが開設されており、図8で示す仮固定姿勢において、充填孔3Baと接着枠1Cの充填孔1Caは流体連通し、同様に、空気抜き孔3Bbと接着枠1Cの空気抜き孔1Cbも流体連通している。
【0070】
次に、図9で示すように(図9は、その内部の流体の流れを説明するために高耐食性金属板3Bを省略した図である)、充填孔3Ba、1Caを介して充填された(X5方向)樹脂材料は、接着枠1Cの一辺を構成するスペーサの溝を通って各区画Z1,Z2,Z3位置まで流れ(X6方向)、各区画の連通孔5bを介して各区画内へ流れ込む(X7方向)。
【0071】
樹脂材料の流れ込みによって区画内に存在していた空気は押し出され、接着枠1Cの他片を構成するスペーサの溝を通って空気抜き孔1Cbまで送られ、空気抜き孔1Cb,3Bbを介して抜気される。
【0072】
このように、被施工対象面積が広い場合には、一定の面積のエリアに区分けし、樹脂材料をある程度一定の方向に流動させることで空気を効果的に区画内から抜くことができ、空気溜まりのない状態で広範な空間内に樹脂材料を充填することができる。
【0073】
各区画Z1,Z2,Z3内における樹脂材料が硬化することにより、図10で示すように各区画の空間内に形成された樹脂接着層4Bを介して高耐食性金属板3Bが本固定され、樹脂接着層4Bと高耐食性金属板3Bからなる防食構造体10Bが形成される。
【0074】
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0075】
1,1A…接着枠、1B…両面接着テープの帯、1C…接着枠、1Ca…充填孔、1Cb…空気抜き孔、2…接着ブロック、2’…接着ブロック群、2A…両面接着テープのブロック、2B…接着ブロック、2B’…接着ブロック群、2C…両面接着テープの帯、2D…接着区画帯、3,3A…高耐食性金属板、3a、3Aa,3Ba…充填孔、3b、3Ab,3Bb…空気抜き孔、4,4A…樹脂接着層、5…スペーサ枠(スペーサ)、5a…溝、5b、5c…連通孔、6…ブロック状のスペーサ(スペーサ)、7…スペーサの帯(スペーサ)、10,10A,10B…防食構造体、C…構造物(函状構造物)、P…構造物(鋼管)、S… 表面、G…空間、Z1,Z2,Z3…区画
図1
図2
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図4
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図10