(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シーツが敷設されるシーツ敷設部を有する一対のトレー本体と、前記シーツ敷設部に敷設されたシーツを固定するシーツ固定部を有し、各トレー本体は、回動可能に連結されて、一方を床部側とし、他方を縦壁部とするL形に設置可能なL形ペット用トイレであって、
前記一対のトレー本体における各トレー本体は、同形状の成形品からなり、
各トレー本体は、
回動可能に連結するヒンジ部と、
該ヒンジ部が設けられた辺部に形成されると共に互いに当接して互いの成す角度を規制する角度規制当接面と、
前記辺部に設けられて、互いに対向配置されることで前記シーツを挟持する同形状のシーツ挟持部とを備えてなることを特徴とするL形ペット用トイレ。
前記シーツ敷設部に被せるように設置されるメッシュ部材を有し、該メッシュ部材が前記各トレー本体における少なくとも一方の枠部材に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のL形ペット用トイレ。
前記枠部材は前記立設部を覆う辺部以外の辺部が開放された開放辺となっており、前記メッシュ部材が該開放辺側にスライドするのを防止するスライド防止片を有することを特徴とする請求項3記載のL形ペット用トイレ。
前記シーツ挟持部は、傾斜面からなり、該傾斜面に互いに対向配置される凸部と凹部を有し、各トレー本体をL形にしたときに前記傾斜面同士には所定の隙間が形成されると共に前記凸部と凹部は当接又は近接するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のL形ペット用トイレ。
前記ヒンジ部は、該ヒンジ部が設けられた辺部の一方の端部に設けられて軸挿通穴を有する凸片部と、前記辺部の他方の端部に設けられて軸挿通穴を有すると共に前記凸片部が挿入可能な隙間を介して対向するように配置された一対の凸片部によって構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のL形ペット用トイレ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された「折り畳み式ペットトレー」は、トイレ本体を構成する床部と、縦壁部との形状が異なっているため、成形品として製造する場合には、異なる2つの金型が必要となり、製造コストが高くなるという問題がある。
また、連結部において、凸条の固定用凸部と、凹溝状の固定用凹部によってシーツを挟持するようにしているが、シーツの厚みは種々あるため、このような構造の場合、特定の厚みのシーツであれば固定することができるが、厚みの薄いものでは固定力が弱くなり、ペットが引っ掻いたときにずれやすく、尿の漏れ出しの原因となる。逆に、厚みが厚いシーツでは縦壁部を垂直にするために回動したときに、シーツが固定用凸部に当たり、回動の邪魔になって、縦壁部を所定角度まで回動ができなくなるという問題がある。
つまり、特許文献1の連結部におけるシーツ固定構造では、一対のトイレ本体の回動を円滑にし、かつシーツの固定と尿の漏れ出し防止の両方を確実にできる構造とは言い難い。
【0006】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、一つの目的として、床部と縦壁部を有するL形のL形ペット用トイレに関し、製造コストを低減できるL形ペット用トイレを提供することを目的とするものである。
また、他の目的として、一対のトイレ本体の回動を円滑にし、かつ連結部におけるシーツの固定と尿の漏れ出し防止の両方を確実にできるL形ペット用トイレを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係るL形ペット用トイレは、シーツが敷設されるシーツ敷設部を有する一対のトレー本体と、前記シーツ敷設部に敷設されたシーツを固定するシーツ固定部を有し、各トレー本体は、回動可能に連結されて、一方を床部側とし、他方を縦壁部とするL形に設置可能なL形ペット用トイレであって、
前記一対のトレー本体における各トレー本体は、同形状の成形品からなり、
各トレー本体は、
回動可能に連結するヒンジ部と、
該ヒンジ部が設けられた辺部に形成されると共に互いに当接して互いの成す角度を規制する角度規制当接面と、
前記辺部に設けられて、互いに対向配置されることで前記シーツを挟持する同形状のシーツ挟持部とを備えてなることを特徴とするものである。
【0008】
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記シーツ固定部は、前記ヒンジ部が設けられた辺部を除く前記トレー本体の周縁部に形成された立設部と、該立設部を覆うように該立設部に着脱可能に取り付けられて、前記シーツ敷設部に敷設された前記シーツにおける周縁部を前記トレー本体と共に挟持して前記シーツを固定する枠部材とを備えてなることを特徴とするものである。
【0009】
(3)また、上記(2)に記載のものにおいて、前記シーツ敷設部に被せるように設置されるメッシュ部材を有し、該メッシュ部材が前記各トレー本体における少なくとも一方の枠部材に着脱可能に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0010】
(4)また、上記(3)に記載のものにおいて、前記枠部材は前記立設部を覆う辺部以外の辺部が開放された開放辺となっており、前記メッシュ部材が該開放辺側にスライドするのを防止するスライド防止片を有することを特徴とするものである。
【0011】
(5)また、上記(3)又は(4)に記載のものにおいて、メッシュ部材は、その周縁部に、下面側に垂下する垂下片を有し、
枠部材は、前記メッシュ部材の周縁部が載置される載置部と、該載置部に載置された前記メッシュ部材の前記垂下片に係合する垂下片係合部と、前記載置部に載置された前記メッシュ部材の周縁部の上面側に配置されて前記メッシュ部材が上方に外れるのを防止するメッシュ部材外れ防止片とを有することを特徴とするものである。
【0012】
(6)また、上記(1)乃至(5)のいずれかに記載のものにおいて、前記シーツ挟持部は、傾斜面からなり、該傾斜面に互いに対向配置される凸部と凹部を有し、各トレー本体をL形にしたときに前記傾斜面同士には所定の隙間が形成されると共に前記凸部と凹部は当接又は近接するように構成されていることを特徴とするものである。
【0013】
(7)また、上記(1)乃至(6)のいずれかに記載のものにおいて、前記ヒンジ部は、該ヒンジ部が設けられた辺部の一方の端部に設けられて軸挿通穴を有する凸片部と、前記辺部の他方の端部に設けられて軸挿通穴を有すると共に前記凸片部が挿入可能な隙間を介して対向するように配置された一対の凸片部によって構成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、一対のトレー本体における各トレー本体を同形状の成形品から構成すると共に、各トレー本体は、ヒンジ部と、該ヒンジ部が設けられた各辺部に形成されると共に互いに当接して互いの成す角度を規制する角度規制当接面と、前記各辺部に設けられて、互いに対向配置されることで前記シーツの周縁部を挟持する同形状のシーツ挟持部とを備えてなり、L形ペット用トイレであって、各トイレ本体に敷設したシーツを各トレー本体の連結部で挟持できる機能を有するものでありながら、各トレー本体を1種類の金型で成形することができ、コストを低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施の形態に係るL形ペット用トイレ1は、
図1、
図2および
図7に示すように、尿吸収性のシーツ5(
図10参照)が敷設されるシーツ敷設部15と、シーツ敷設部15の周囲3辺を囲むようなコ字状に形成された立設部19(
図7参照)を有する一対のトレー本体7と、立設部19を覆うように各トレー本体7に着脱可能に取り付けられて、トレー本体7に敷設されたシーツ5の周縁部をトレー本体7と共に挟持してシーツ5を固定するコ字状の枠部材9と、枠部材9の枠内にシーツ5の吸湿部に被せるように設置されたメッシュ部材11とを有している。なお、
図1においては、図が煩雑にならないように、メッシュ部材11のメッシュ11aの一部のみを図示している。
【0017】
各トレー本体7は同一の形状であり、1種類の金型によって成形可能である。各トレー本体7は、各トレー本体7に設けられたヒンジ部13によって回動可能に連結されている。より詳細には、トレー本体7は、ヒンジ部13の軸13aを中心にトレー本体7同士のなす角度が0度〜略90度の間で回動可能になっている(
図5中の太矢印参照)。
【0018】
上記のように構成されるL形ペット用トイレ1の各部構成について主に
図7〜
図13に基づいて、また他の図を適宜参照しながら以下に詳細に説明する。
【0019】
<トレー本体>
トレー本体7は、
図8に示すように、平面視において略長方形状からなる。
トレー本体7の上面には、矩形状の低台からなりシーツ5を設置するシーツ敷設部15が設けられている。シーツ敷設部15は、トレー本体7の周縁部(立設部19、連結辺部21)の内側に前記周縁部から隙間を介して設けられ、この隙間には平坦部16が形成されている。
シーツ敷設部15の周囲には、枠部材9と協働してシーツ5をトレー本体7側に固定するための先端が円錐状の突起からなる固定突起部17が所定間隔で複数設けられている(
図7、
図13参照)。
【0020】
トレー本体7の縁部には、シーツ敷設部15の周囲3辺を囲むように立設する平面視でコ字状の立設部19が設けられている。
立設部19は尿等が外側に流れ出さないようにする機能を有する。なお、立設部19は、必ずしも立設部19全体にわたって、均一の高さにする必要はなく、部分的に凹部等が存在してもよい。
【0021】
トレー本体7の立設部19が設けられていない辺部は、他のトレー本体7と連結する連結辺部21になっている。
連結辺部21にはシーツ敷設部15に対して45度に傾斜する角度規制当接面21aが形成されている(
図8参照)。それ故に、各トレー本体7の角度規制当接面21aが当接したときにはトレー本体7同士のなす角度が略90度になるように、連結された各トレー本体7の成す角度が規制される。
【0022】
連結辺部21の幅方向の両端部は、立設部19の高さと同程度の高さになっており、この両端部にヒンジ部13が形成されている。ヒンジ部13は倒立U字状に形成された軸受部13bを有している。軸受部13bは、本発明の軸挿通穴を有する凸片に相当する。軸受部13bは、
図8中左側の端部に所定間隔を離して一対が形成され、反対側の端部に1箇形成されている。
各軸受部13bは、
図7に示すように、一方のトレー本体7の一対の軸受部13bの間に、他方のトレー本体7の片側1箇の軸受部13bが挿入されて、各軸受部13bの穴が連通するようになっている。この状態で、軸受部13bの穴に軸13aを挿通することで、
図9に示すようにトレー本体7同士が連結される。
各トレー本体7は、このような構造のヒンジ部13を有しているが故に同一形状でありながら回動可能に連結することができる。
【0023】
各トレー本体7における連結辺部21の下辺部には、
図8に示すように、コ字状のリブで形成された姿勢ロックばね取付部21bが所定間隔離して一対設けられている。また、姿勢ロックばね取付部21bに隣接して、切欠き部21cが形成されている。
姿勢ロックばね23は、
図10に示すように、帯状の金属板を略L字状に屈曲させてなり、一端に略U字状に折り返した折り返し部23aを有している。姿勢ロックばね23の他端部には、ねじ孔23bが設けられており、このねじ孔23bによって姿勢ロックばね23は姿勢ロックばね取付部21bにねじ止めされている。
各トレー本体7を、連結辺部21で連結したときに、一方のトレー本体7に形成した姿勢ロックばね取付部21bと、他方のトレー本体7に形成した切欠き部21cとが連結辺部21を挟んで対応する位置に配置される。
そのため、連結されたトレー本体7同士のなす角度を略90度にしたとき、
図10に示すように、姿勢ロックばね23の折り返し部23aが、他方のトレー本体7の切欠き部21cの上方の部分を押圧し、トレー本体7同士の成す角度が略90度になった姿勢を維持(ロック)できるようになっている。
【0024】
また、連結辺部21には、トレー本体7の縁部に沿うように長台からなるシーツ挟持台25が設けられている。そして、シーツ挟持台25には角度規制当接面21aと平行な面からなるシーツ挟持面25aが形成されており、シーツ挟持面25aには、円錐状の凸部25bと、この凸部25bの先端部が挿入可能な凹部25cとが、所定の間隔で交互に設けられている。
トレー本体7同士のなす角度を略90度にすると、シーツ挟持面25aは互いに対向配置され、一方のトレー本体7のシーツ挟持面25aに形成した凸部25bの先端部が他方のトレー本体7のシーツ挟持面25aに形成した凹部25cに挿入される。
このとき、シーツ挟持面25a同士の間には、1.5mm〜2.2mm程度の隙間(シーツにおける吸湿部を2枚重ねた程度の隙間)が形成され、凸部25bの先端は凹部25cの底部に当接又は近接するようになっている(
図8、
図10参照)。なお、
図10には、この点を説明するため、点線の丸で囲んだ部位を、凸部25b及び凹部25cの中心で断面にした状態を拡大して示している。
【0025】
吸湿部がシーツ挟持面25aに位置するよう床部側と縦壁部側にシーツ5を敷設して、トレー本体7同士のなす角度を略90度にすると、シーツ5の吸湿部は凸部25bと凹部25cで固定される。凸部25bと凹部25cの隙間はほとんどないが、凸部25bと凹部25cが設けられているのは複数点であり、他の部位では所定の隙間が形成されているので、トレー本体7同士が回動する障害にはならずに、シーツ5を固定できる。
そして、シーツ5の吸湿部が尿を吸い込むことで、吸湿部が膨張して、シーツ挟持面25a同士の隙間を塞ぎ、尿の外部への漏れ出しを防止する。
【0026】
つまり、シーツ挟持台25を上記のように構成することで、トレー本体7同士のなす角度を略90度に回動することの障害にはならず、かつペットの引っ掻きによってずれることはなくシーツ5を固定できると共に尿の漏れ出しを確実に防止できる。
【0027】
<メッシュ部材>
メッシュ部材11は、
図1、
図2、
図7および
図11に示すように、枠状の周縁部の内側にメッシュ11aが形成されてなる。なお、
図1、
図7および
図11においては、図が煩雑にならないように、メッシュ11aの一部のみ図示している。
メッシュ部材11は、トレー本体7のシーツ敷設部15を覆うように枠部材9に着脱可能に取り付けられる。
【0028】
メッシュ部材11は、ペットが排泄した尿をスムーズに通過させて、その下に固定したシーツ5に吸収させるともに、シーツ5が掻きむしられるのを防止するのが目的であり、そのため、メッシュ11aの形状は
図2等に示すように格子状でなくてもよく、丸穴形状、ひし形形状等にしてもよい。
【0029】
メッシュ部材11は、通常、床部として使用されるトレー本体7にのみ設置されるが、縦壁部として使用されるトレー本体7にも設置してもよい。また、縦壁部として使用されるトレー本体7にのみ設置してもよいし、いずれにも設置しなくてもよい。このように、メッシュ部材11は、必要に応じて適宜設置可能である。
【0030】
メッシュ部材11の周縁部には、周縁部から垂下する垂下片27が複数設けられ(
図11、
図12参照)、各垂下片27の先端には、後述する枠部材9の垂下片係合部35と係合する爪部27aが設けられている(
図12参照)。
さらに、メッシュ部材11の周縁部における裏面側には、メッシュ部材11の強度を向上させるためのリブ11bが複数設けられている。
【0031】
<枠部材>
枠部材9は、
図7に示す通り、トレー本体7の立設部19の形状に対応して略コ字状になっており、立設部19を上方から覆うようにして装着される。
枠部材9の内周縁には、メッシュ部材11の周縁部が設置される載置部31が前記内周縁に沿うように設けられており、さらに載置部31の内周縁端部には、下方に延出するように垂下する垂下部33が形成されている。
【0032】
垂下部33には、矩形状の切欠きからなる垂下片係合部35が設けられており、メッシュ部材11を枠部材9に設置した際に、メッシュ部材11の垂下片27と係合するようになっている。
メッシュ部材11を枠部材33に設置するには、まず、メッシュ部材11の垂下片27を枠部材9の載置部31に位置させて、枠部材9側に押し付ける。そうすると、メッシュ部材11の垂下片27が撓むことで、垂下片27の爪部27aが垂下片係合部35と係合する。
メッシュ部材11の垂下片27と垂下片係合部35の係合状態を
図11中の拡大図(a)および
図12に示す。
【0033】
載置部31の上面には、
図7に示すように、小片からなるメッシュ部材スライド防止片37が立設されている。メッシュ部材スライド防止片37は、
図11中の拡大図(b)に示すように、メッシュ部材11のリブ11bに枠部材9の開放辺側から当接して、メッシュ部材11が開放辺側にスライドして脱落することを防止している。
【0034】
載置部31の裏面側には、
図11に示すように、トレー本体7の固定突起部17に対応する位置に、固定突起部17の先端が挿入される円筒状の固定円筒部39が設けられている(
図11中の拡大図(c)参照)。固定円筒部39に固定突起部17の先端が挿入されている状態を
図13に示す。固定突起部17の先端が挿入されることにより、固定突起部17と固定円筒部39とによってシーツ5を挟持するようになっている。
【0035】
枠部材9の開放辺側の内周側には、
図1中の拡大図および
図2に示すように、内方に向けて突出する小片からなるメッシュ部材外れ防止片41が設けられている。
メッシュ部材外れ防止片41は、メッシュ部材11の設置時にメッシュ部材11の上面に近接配置される(
図10参照)。
【0036】
メッシュ部材外れ防止片41の作用効果について以下に説明する。
メッシュ部材11は、枠部材9に取り付けられた状態では、垂下片係合部35と垂下片27とが係合しているため、多少のことでは外れることはない。しかし、枠部材9はコ字状であるため、矩形状に形成した場合と比較的すると開放辺側が撓みやすくなっている。そのため、枠部材9は、トレー本体7から取り外す場合等に撓みが生じて、垂下片係合部35と垂下片27の係合が外れてしまうことがある。
メッシュ部材外れ防止片41は、このような場合にメッシュ部材11の周縁部上面と当接することで、メッシュ部材11が上方に外れることを防止する。
【0037】
なお、メッシュ部材11を載置部31に載置するには、メッシュ部材11の辺部を、載置部31とメッシュ部材外れ防止片41の間に挿入してからメッシュ部材11全体を載置するようにする。このためメッシュ部材外れ防止片41は、
図10に示すように、枠部材9の反開放辺側の先端部が上方に反った形状をしており、メッシュ部材11の辺部を挿入しやすくなっている。
【0038】
以上のように構成された本実施の形態に係るL形ペット用トイレ1の使用方法の一例を説明する。
各トレー本体7から枠部材9、メッシュ部材11を外した状態で、一対のトレー本体7を連結状態のまま片方のトレー本体7を床面に載置する。
そして、床面に載置したトレー本体7側のシーツ敷設部15を覆うようにシーツ5を敷設する。このとき、縦壁部側のトレー本体を少し倒すことにより、対向するシーツ挟持面25a同士の隙間を広げ、この隙間にシーツ5の一辺を挿入する。このとき、シーツ5における吸湿部がシール挟持面25aを覆うようにするのが好ましい。
【0039】
次に、縦壁部側のトレー本体7を略90度にして、床部側のトレー本体7の立設部19に枠部材9を設置する。枠部材9を設置すると、トレー本体7の固定突起部17の先端が、枠部材9の固定円筒部39に挿入され、シーツ5が両者によって挟持されて固定される。
【0040】
次に、シーツ5を敷設したトレー本体7が縦壁部側に、シーツ5を敷設していないトレー本体7が床部側になるようにL形ペット用トイレ1を置き直し、上記と同様に、シーツ5の敷設と枠部材9の設置を行う。
このようにして、床部側と縦壁部側の両方のトレー本体7にシーツ5を敷設した状態では、対向するシーツ挟持面25a同士の間に、2枚のシーツ5が重なった状態で配置される。この場合であっても、上述したように、対向するシーツ挟持面25a同士の間には、
図10に示したように、1.5mm〜2.2mmの隙間があるので、2枚のシーツ5を挿入することが可能であり、かつトレー本体7の回動に支障が出ることもない。その一方で、シーツ挟持面25aに設けられた凸部25bと凹部25cによってシーツ5が挟み込まれて保持されるので、シーツ5がペットのいたずらによってずれることがない。
【0041】
次に、必要に応じてメッシュ部材11を設置する。本例では、床部として使用するトレー本体7にのみメッシュ部材11を設置する場合について説明する。
まず、メッシュ部材11の辺部を、メッシュ部材外れ防止片41の下に潜らせるように挿入して、メッシュ部材11を枠部材9の載置部31に載置する。このとき、前述したように、メッシュ部材外れ防止片41のメッシュ部材11が挿入される側(枠部材9の反開放辺側)の先端部が上方に反った形状になっているため、メッシュ部材11の辺部を挿入しやすくなっている。
【0042】
次に、メッシュ部材11全体を載置部31に押し付ける。こうすることによって、メッシュ部材11の垂下片27の爪部27aと枠部材9の垂下片係合部35とが係合されて、メッシュ部材11が枠部材9に設置される。
メッシュ部材11が設置されることで、シーツ5の吸湿部が覆われて、シーツ5をペットのいたずらから保護することができる。また、例えばペットの爪などがメッシュ11aに引っ掛かってメッシュ部材11に外力が作用しても、メッシュ部材11は枠部材9と係合しているため外れないようになっている。
【0043】
使用時において、ペットがトレー本体7の縦壁部側に向けて尿をすると、各トレー本体7の連結辺部21の近傍にも尿が飛び散り、シーツ5によって吸収される。このとき、上述したとおり、シーツ挟持面25aはシーツ5の吸湿部が配置され、尿が吸収されることで当該部位のシーツ5が膨張し、連結辺部21の隙間を塞ぎ、連結辺部21から尿が漏れ出すのを確実に防止できる。
【0044】
次に、シーツ5の交換の手順について以下に説明する。
シーツ5を交換するには、まず、枠部材9を取り外すが、枠部材9にメッシュ部材11が設置してある場合には、メッシュ部材11ごと枠部材9を取り外す。
このとき、枠部材9が撓んでもメッシュ部材外れ防止片41がメッシュ部材11の上面と当接するため、メッシュ部材11が上方に外れるのが防止される。また、メッシュ部材スライド防止片37がメッシュ部材11のリブ11bに当接しているので、メッシュ部材11が、枠部材9の開放辺側にスライドして外れることもない。
このように、枠部材9をトレー本体7から取り外す際に、メッシュ部材11が枠部材9から外れることがないので、尿が付いたメッシュ部材が不意に床面に落下して床面を汚損することがない。
【0045】
枠部材9を取り外したら、次に、縦壁部側のトレー本体7の上辺部を下方に向けて押し下げるように回動させ、トレー本体7同士のなす角度を狭める。これによって、姿勢ロックばね23のロックを解除して、対向するシーツ挟持面25a同士の隙間を広げることで、シーツ挟持面25aからシーツ5が取り外せる状態にする。この状態で、シーツ5を取り外して、上述した手順によって新しいシーツ5を敷設する。
【0046】
以上のように、本実施の形態のL形ペット用トイレ1においては、対向配置されたシーツ挟持台25によってシーツ5が挟持されるので、シーツ5を敷設した状態でも各トレー本体7が支障なく回動できると共にシーツをしっかりと固定でき、かつ使用時に尿が連結辺部21から漏れ出すこともない。このように、本実施の形態のものは、一対のトイレ本体7の回動を円滑にし、かつ床部と縦壁部の連結辺部21におけるシーツ5の固定と尿の漏れ出しを確実に防止できる。
また、本実施の形態では、メッシュ部材外れ防止片41とメッシュ部材スライド防止片37を設けたことにより、メッシュ部材11を枠部材9に設置した場合でも、シーツ交換時にメッシュ部材11が枠部材から容易に外れることがないので、尿のついたメッシュ部材11の不意の落下で床面を汚損することがない。
また、上記のような優れた作用効果を有する各トレー本体7であるが、これが同一の形状であるため1種類の金型で成形可能であり、それ故、金型コストを抑えることができる。