(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述のサイクロトロンにあっては、ディ電極の寸法誤差の影響などによって、メディアンプレーン(荷電粒子ビームが加速して進行する周回軌道が位置する平面)を中心とした上下の電場のバランスが崩れる場合がある。このように上下の電場のバランスが崩れた場合、例えば、コンタクトフィンガーの焼損、ポールの発熱などが生じることにより、荷電粒子の加速に影響が及ぼされる場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、共振器の電場のバランスが崩れることを抑制し、荷電粒子の加速性能を向上できるサイクロトロンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るサイクロトロンは、周方向に交互に形成される複数のバレー及び複数のヒルを有し、互いに対向する一対のポールと、一対のポールのバレーの間に設けられ、高周波電力が供給される共振器と、バレーに配置され、共振器からの高周波を検出する検出部と、共振器の共振周波数を調整可能な共振周波数調整部と、を備える。
【0007】
本発明に係るサイクロトロンは、バレーに配置され、共振器からの高周波を検出する検出部と、共振器の共振周波数を調整可能な共振周波数調整部とを備えている。従って、一対のポールの間の電場のバランスが崩れることによって共振器から高周波が漏れた場合、検出部によって当該漏れ高周波を検出することができる。また、共振周波数調整部は共振器の共振周波数を調整可能であるため、検出部による検出結果に基づいて、共振周波数の調整を行うことによって、電場のアンバランスを解消することが可能となる。以上によって、共振器の電場のバランスが崩れることを抑制し、荷電粒子の加速性能を向上することができる。
【0008】
本発明に係るサイクロトロンにおいて、検出部は、バレーの側壁に取り付けられてよい。共振器から漏れた高周波は、当該共振器に隣り合うヒルを通過し、バレーの側壁から底面へ向かう。従って、検出部をバレーの側壁に配置することで、共振器に近い位置で高周波を検出できる。
【0009】
本発明に係るサイクロトロンにおいて、検出部は、径方向において、中心側に配置されていてよい。漏れ高周波は径方向の中心側の方が発生し易いため、検出部で漏れ高周波を検出し易くなる。
【0010】
本発明に係るサイクロトロンにおいて、共振周波数調整部は、ブロックチューナを有し、ブロックチューナは、一対のポールのバレー間における体積を変化させることによって共振周波数を調整してよい。これによって、共振周波数の調整を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、共振器の電場のバランスが崩れることを抑制し、荷電粒子の加速性能を向上できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明に係るサイクロトロンの実施形態について詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るサイクロトロン1の内部の平面図である。
図2は、
図1のサイクロトロン1が備える一対のポール4A,4Bの模式図である。
図3は、
図1に示すIII−III線に沿った断面図である。
図4は、
図1に示すIV−IV線に沿った断面図である。なお、
図3及び
図4は、バレーの周方向における中央位置を示す線(
図1において破線で示している)に沿った断面図である。本実施形態に係るサイクロトロン1は、イオン源(不図示)から荷電粒子を加速空間G内に供給し、加速空間G内の荷電粒子を加速して荷電粒子ビームを出力する円形加速器である。本実施形態のサイクロトロン1では、荷電粒子ビームの螺旋状の周回軌道Bが水平面上にあるものとする。なお、本発明のサイクロトロンは、周回軌道Bが鉛直面上にあるように配置してもよい。荷電粒子としては、例えば陽子、重粒子(重イオン)などが挙げられる。サイクロトロン1は、例えば荷電粒子線治療用の加速器として用いられる。本実施形態では、周方向に強弱のある磁束密度を形成するサイクロトロンであるAVF[Azimuthally Varying Field]サイクロトロンを例にして説明する。
【0015】
図1〜
図4に示すように、サイクロトロン1は、ヨーク3と、一対のポール4A,4Bと、共振器5,6と、コイル7と、検出部8と、共振周波数調整部9と、を備える。
【0016】
ヨーク3は、真空容器2(
図4参照)やコイル7を支持するものである。なお、真空容器2は、荷電粒子の加速空間を高真空状態に保持するための容器である。ヨーク3内には、粒子加速に必要な磁場を形成するための磁極として機能する一対のポール4A,4Bが設けられている。ポール4A,4Bは、平面視で円形をなし、メディアンプレーンMP(荷電粒子ビームが加速して進行する周回軌道Bが位置する平面であり、
図3,4において一点鎖線で示す)に対して上下面対称の形状を成している。ポール4A,4Bのそれぞれの周囲にコイル7が配置され、ポール4Aとポール4Bとの間に磁場が発生している。
【0017】
図2は、ポール4A,4Bのみを模式的に示す斜視図である。図に示されるように、ポール4A,4Bは円柱状をなしている。以下で用いる「径方向」及び「周方向」との文言は、
図1の方向から見たポール4A,4Bの輪郭形状である円の径方向及び周方向を意味するものとする。ポール4Aの上面には、螺旋状に湾曲した複数(本実施形態では4つ)の凸部であるヒル11Aと、複数(本実施形態では4つ)の凹部であるバレー12Aとが、周方向に交互に配列され形成されている。そして、ポール4Bの下面にも、螺旋状に湾曲した複数(本実施形態では4つ)の凸部であるヒル11Bと、複数(本実施形態では4つ)の凹部であるバレー12Bとが、周方向に交互に配列され形成されている。ヒル11Aとヒル11B、及びバレー12Aとバレー12Bは、互いにメディアンプレーンMPに対して面対称をなすようにギャップをあけて配置されている。なお、ここでポール4A,4Bのヒル11A,11Bとは、メディアンプレーンMPに向けて突出している部分であり、バレー12A、12Bとは、メディアンプレーンMPから離れるように凹んでいる部分である。ヒル11A,11Bの突出面11Aa,11Baは水平方向に広がる面であり、バレー12A,12Bの底面12Aa,12Baは水平方向に広がる面である。なお、ヒル11A,11Bの突出面11Aa,11Baは、中心から外周側へ向かってメディアンプレーンMPとの間の上下方向の距離が徐々に小さくなるように緩やかに湾曲している(
図4参照)。また、ヒル11A,11Bの突出面11Aa,11Baとバレー12A,12Bの底面12Aa,12Baを接続する上下方向に広がる面を「バレー12A,12Bの側壁12Ab,12Bb」と称して以下の説明を行う。なお、ヒル11A,11B及びバレー12A,12Bの形状は、上記のような螺旋状に湾曲した形状に限られず、扇形であってもよい。
【0018】
ポール4Aとポール4Bとの間には、ヒル11Aとヒル11Bとで挟まれた狭いギャップのヒル領域15hと、バレー12Aとバレー12Bとで挟まれた広いギャップのバレー領域15vとが形成されている。ポール4Aとポール4Bとの対称面(メディアンプレーンMP)上に、荷電粒子ビームの螺旋状の周回軌道Bが形成される。なお、周方向に順番に、バレー領域15v
1,15v
2,15v
3,15v
4が形成されるものとし、ヒル領域15h
1,15h
2,15h
3,15h
4が形成されるものとする。バレー領域15v
1は、周方向においてヒル領域15h
1,15h
4と隣り合っている。バレー領域15v
2は、周方向においてヒル領域15h
2,15h
1と隣り合っている。バレー領域15v
3は、周方向においてヒル領域15h
3,15h
2と隣り合っている。バレー領域15v
4は、周方向においてヒル領域15h
4,15h
3と隣り合っている。
【0019】
共振器5,6は、荷電粒子を加速するための高周波の電場を発生させる。共振器5,6は、一対のポール4A,4Bのバレー12A,12B間(バレー領域15v
1,15v
3)に配置され、図示されない高周波電源から高周波電力が供給される。共振器5,6は、所定の周波数(共振周波数)の電場を発生させるように設定されている。一方の共振器5は複数(本実施形態では4つ)のバレー領域15vのうち、一のバレー領域15v
1に配置される、他方の共振器6は、一方の共振器5が配置されるバレー領域15v
1に対して中心線を挟んで反対側のバレー領域15v
3に配置される(
図1参照)。また、
図3に示すように、共振器5は下側共振器5A及び上側共振器5Bを有し、共振器6は下側共振器6A及び上側共振器6Bを有している。下側共振器5A,6Aは、下側のポール4Aのバレー12Aに配置される。上側共振器5B,6Bは、上側のポール4Bのバレー12Bに配置される。
【0020】
下側共振器5A,6Aは、ディ電極(加速電極)21Aと、内導体(ステム)22A,23Aと、外導体24Aと、を備えている。上側共振器5B,6Bは、ディ電極(加速電極)21Bと、内導体(ステム)22B,23Bと、外導体24Bと、を備えている。
【0021】
ディ電極21A,21Bは、真空容器2(
図4参照)の内部で荷電粒子を加速するための電場を発生させる電極である。ディ電極21A,21Bは、両方ともバレー領域15v
1,15v
3に配置され、互いに上下方向に対向するように配置されている。ディ電極21A,21Bは、平面視でバレー領域15v
1,15v
3の形状に沿った形状に形成されている。ディ電極21A,21Bは、バレー12A,12Bの底面12Aa,12Baから離間しており、メディアンプレーンMP付近に形成される加速空間Gを形成するように、ヒル11A,11Bの突出面11Aa,11Baと略同位置に配置される。ポール4Aの中心部には、サイクロトロン1の外部又は内部に設けられたイオン源(図示せず)から送られてきた荷電粒子を偏向して、メディアンプレーンMP上に送るインフレクタ(不図示)が配置される。なお、内部イオン源を用いる場合はインフレクタは不要である。外導体24A,24Bは、ディ電極21A,21Bを囲むように設けられている。外導体24A,24Bは、少なくともバレー12A,12Bの底面12Aa,12Baに沿って広がり、ディ電極21A,21Bと上下方向において対向する壁部24Aa,24Baを有する。内導体22A,22Bは、上下方向に延びてディ電極21A,21Bと外導体24A,24Bの壁部24Aa,24Baとを連結する。内導体23A,23Bは、上下方向に延びてディ電極21A,21Bと外導体24A,24Bの壁部24Aa,24Baとを連結する。内導体22A,22Bはバレー領域15v
1,15v
3の内周側の領域に設けられ、内導体23A,23Bはバレー領域15v
1,15v
3の外周側の領域に設けられる。
【0022】
サイクロトロン1では、ポール4Aとポール4Bとの間に磁場を発生させると共に、共振器5,6に高周波電力が供給されることで、荷電粒子ビームが、加速されつつ、メディアンプレーンMP上の螺旋状の周回軌道Bを進行する。径方向の外周側に達した荷電粒子ビームは、図示されないマグネティックチャネルやデフレクタを通過し、ビーム引出ダクトを通じて外部に引き出される。
【0023】
図1及び
図4に示すように、検出部8は、バレー12Aに配置され、共振器5,6からの高周波を検出するセンサである。下側共振器5A,6Aと上側共振器5B,6Bとの間で電場のバランスが崩れることによって、加速空間Gからヒル領域15h側へ漏れ高周波が生じた場合に、検出部8は、当該高周波を検出することができる。当該検出部8として、高周波をピックアップする電極を設けてよい。検出部8は、ヒル領域15hを挟んで共振器5,6と隣り合うバレー領域15vに配置される。本実施形態では、バレー領域15v
2,15v
4に配置される。
【0024】
検出部8は、バレー領域15v
2,15v
4内であれば底面12Aa,12Ba及び側壁12Ab,12Bbのどこの位置に配置されてもよいが、漏れ高周波を共振器5,6に近い位置で検出することが好ましく、すなわち、バレー12A,12Bの側壁12Ab,12Bbに取り付けられることが好ましい。共振器5の漏れ高周波を検出するための検出部8は、共振器5に隣り合うヒル領域15h
1と、バレー領域15v
2との間の側壁12Ab,12Bbに取り付けられてよく(
図1及び
図4に示す例では、当該側壁12Abに取り付けられている)、共振器5に隣り合うヒル領域15h
4と、バレー領域15v
4との間の側壁12Ab,12Bbに取り付けられてよい。なお、これらの位置に取り付けられた検出部8が共振器6の漏れ高周波を検出してもよい。共振器6の漏れ高周波を検出するための検出部8は、共振器6に隣り合うヒル領域15h
3と、バレー領域15v
4との間の側壁12Ab,12Bbに取り付けられてよく(
図1及び
図4に示す例では、当該側壁12Abに取り付けられている)、共振器6に隣り合うヒル領域15h
2と、バレー領域15v
2との間の側壁12Ab,12Bbに取り付けられてよい。なお、これらの位置に取り付けられた検出部8が共振器5の漏れ高周波を検出してもよい。
【0025】
また、検出部8は、バレー領域15v
2,15v
4のうち、径方向において、中心側に配置されている。具体的には、
図4に示すように、バレー領域15v
2の径方向における中央位置に基準線CLを設定した場合、当該基準線CLよりも中心側(内周側)の領域E1に検出部8を配置する。ただし、基準線CL上、または基準線CLよりも外周側の領域E2に検出部8を配置してもよい。また、
図4に示すように、検出部8が側壁12Abに配置されている場合、検出部8は、側壁12AbのメディアンプレーンMP側の領域に配置されている。ただし、側壁12Abの底面12Aa側の領域に配置してもよい。
【0026】
なお、
図4では、検出部8はポール4A側に設けられているが、ポール4Bに設けてもよく、ポール4A,4Bの両方のバレー12A,12Bに設けてもよい。また、一のバレー12A,12Bに対して複数カ所に検出部8を設けてもよい。
【0027】
共振周波数調整部9は、共振器5,6の共振周波数を調整可能な機構である。共振周波数調整部9は、検出部8での検出結果に基づいて、共振器5,6の共振周波数を調整可能である。検出部8で検出する信号が最小となるように、共振周波数調整部9にて調整を行う。調整方法や調整のタイミングは特に限定されないが、例えば、サイクロトロン1の初期設定の際に、検出部8の検出結果を参照しながら、作業者が手作業で共振周波数調整部9を調整して共振周波数を調整してよい。または、(例えば、サイクロトロン1の共振周波数を変化させて使用する場合など)サイクロトロン1に共振周波数調整用の制御部を設け検出部8からの信号が小さくなるように共振周波数調整部9を制御することで共振周波数を調整してもよい。
【0028】
図1及び
図3に示すように、共振周波数調整部9は、ブロックチューナ33を有している。ブロックチューナ33は、一対のポール4A,4Bのバレー領域15v
1,15v
3における体積を変化させることによって共振器5,6の共振周波数を調整する。ブロックチューナ33は、ディ電極21A,21Bと外導体24A,24Bとで囲まれる空間への突出量を変化させ(すなわち、当該空間の体積を変化させる)、共振器5,6の共振周波数を調整することができる。ブロックチューナ33の突出量を多くして空間の体積を少なくすることで、共振周波数を高くできる。
【0029】
共振周波数調整部9の配置場所は特に限定されないが、バレー12A,12Bの底面12Aa,12Ba側に配置してよい。また、平面視における配置場所も特に限定されないが、磁束が極力多い場所に配置することが好ましい。共振周波数調整部9は、内導体22Aと内導体23Aとの間の領域から離間した位置に配置してよい。具体的には、
図1に示す例では、共振周波数調整部9は、外周側の内導体23Aの近傍であって当該内導体23Aより外周側に配置されている。なお、共振周波数調整部9は、内周側の内導体22Aの近傍であって当該内導体22Aより内周側に配置してもよい。また、内導体22Aより外周側、且つ内導体23Aよりも内周側の領域であって、バレー12Aの周方向における中央位置を示す線(
図1において破線で示されている)から周方向に離間した位置に共振周波数調整部9を配置してもよい。なお、共振周波数調整部9として、C(キャパシタ)チューナを用いてもよい。Cチューナは、共振器5,6の外周側の端部付近に設けてよい。
【0030】
次に、本実施形態に係るサイクロトロン1の作用・効果について説明する。
【0031】
ここで、検出部8と共振周波数調整部9を備えていない従来のサイクロトロンにあっては、ディ電極21A,21Bの寸法誤差の影響などによって、メディアンプレーンMPを中心とした上下の電場のバランスが崩れる場合がある。このように上下の電場のバランスが崩れた場合、荷電粒子の加速に影響が及ぼされる場合がある。例えば、上下の電場のバランスが良好であればコンタクトフィンガー31(
図1参照)には電流は流れないが、電場がアンバランスとなると、コンタクトフィンガー31に若干の電流が流れる。これによってコンタクトフィンガー31に熱が発生し、焼損する。コンタクトフィンガー31が焼損した場合、共振器5,6の共振周波数が変化することによって荷電粒子の加速性能が低下してしまう。また、ポール4A,4Bの発熱などが生じ、当該熱によってポール4A,4Bのヒル11A,11Bが歪み、磁場の傾きが変わることによって荷電粒子の加速性能が低下してしまう。
【0032】
一方、本実施形態に係るサイクロトロン1は、バレー12A,12Bに配置され、共振器5,6からの高周波を検出する検出部8と、共振器5,6の共振周波数を調整可能な共振周波数調整部9とを備えている。従って、一対のポール4A,4Bの間の電場のバランスが崩れることによって共振器5,6から高周波が漏れた場合(例えば
図1及び
図4に示す一点鎖線RF参照)、検出部8によって当該漏れ高周波を検出することができる。また、共振周波数調整部9は共振器5,6の共振周波数を調整可能であるため、検出部8による検出結果に基づいて、共振周波数の調整を行うことによって、電場のアンバランスを解消することが可能となる。以上によって、共振器5,6の電場のバランスが崩れることを抑制し、荷電粒子の加速性能を向上することができる。
【0033】
また、本実施形態に係るサイクロトロン1において、検出部8は、バレー12A,12Bの側壁12Ab,12Bbに取り付けられる。共振器5,6から漏れた高周波は、当該共振器5,6に隣り合うヒル11A,11Bを通過し、バレー12A,12Bの側壁12Ab,12Bbから底面12Aa,12Baへ向かう。従って、検出部8をバレー12A,12Bの側壁12Ab,12Bbに配置することで、共振器5,6に近い位置で高周波を検出できる。
【0034】
また、本実施形態に係るサイクロトロン1において、検出部8は、径方向において、中心側に配置される。漏れ高周波は径方向の中心側の方が発生し易いため、検出部8で漏れ高周波を検出し易くなる。
【0035】
また、本実施形態に係るサイクロトロン1において、共振周波数調整部9は、ブロックチューナ33を有し、ブロックチューナ33は、一対のポール4A,4Bのバレー12A,12B間における体積を変化させることによって共振周波数を調整する。これによって、共振周波数の調整を容易に行うことができる。
【0036】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述のサイクロトロン1では、ポール4A,4Bがヒル11A,11Bとバレー12A,12Bをそれぞれ4つ有していたが、4つより多くても少なくてもよい。また、サイクロトロンの種類も特に限定されず、リングサイクロトロン適用してもよい。