特許第6042260号(P6042260)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042260
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】気体圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/06 20060101AFI20161206BHJP
   F04B 39/12 20060101ALI20161206BHJP
   F04C 29/04 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   F04B39/06 Q
   F04B39/12 101D
   F04C29/04 H
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-93606(P2013-93606)
(22)【出願日】2013年4月26日
(65)【公開番号】特開2014-214691(P2014-214691A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2015年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004765
【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
(74)【代理人】
【識別番号】100180068
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 怜史
(72)【発明者】
【氏名】川村 誠
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 敬太
【審査官】 田谷 宗隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭64−073192(JP,A)
【文献】 実開昭52−028713(JP,U)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給された気体を高圧の圧縮気体に圧縮する圧縮室および回転軸を有する圧縮機本体と、前記圧縮機本体を内部に収容するとともに、外部から吸入口を通じて供給される気体が導入される吸入室を形成し、かつ、前記吸入室において前記回転軸の外周面との間を封止するシール部材が配置されたハウジングとを備え、
前記圧縮室と前記吸入室とを隔てた隔壁に、前記吸入室と前記圧縮室とを通じさせる吸入孔が形成され、
前記吸入室に、前記気体を、前記シール部材が配置された部分を通って前記吸入孔に到達させる、仕切られた流路が形成され、
前記流路は、前記ハウジングの内面から、前記隔壁に向けて延びたリブおよび前記隔壁によって形成されていることを特徴とする気体圧縮機。
【請求項2】
供給された気体を高圧の圧縮気体に圧縮する圧縮室および回転軸を有する圧縮機本体と、前記圧縮機本体を内部に収容するとともに、外部から吸入口を通じて供給される気体が導入される吸入室を形成し、かつ、前記吸入室において前記回転軸の外周面との間を封止するシール部材が配置されたハウジングとを備え、
前記圧縮室と前記吸入室とを隔てた隔壁に、前記吸入室と前記圧縮室とを通じさせる吸入孔が形成され、
前記吸入室に、前記気体を、前記シール部材が配置された部分を通って前記吸入孔に到達させる、仕切られた流路が形成され、
前記流路は、筒状に形成された、一方の端部開口が前記シール部材の配置された部分に接続され、他方の端部開口が前吸入孔に接続されたダクトによって形成されていることを特徴とする気体圧縮機。
【請求項3】
前記流路は、前記気体の入口側が出口側よりも高い位置に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の気体圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は気体圧縮機に関し、詳細には、圧縮室に供給される気体の通路の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和システム(以下、空調システムという。)には、冷媒ガスなどの供給された気体を高圧の圧縮気体に圧縮する圧縮室を有する気体圧縮機(コンプレッサ)が用いられている。
【0003】
ここで、気体圧縮機は、ハウジングの内部に、圧縮室を有する圧縮機本体を備え、圧縮機本体から延びた回転軸はハウジングの外部の動力源に連結されるためハウジングを貫通している。
そして、回転軸の、ハウジングを貫通する部分には、ハウジングの内部と外部とを気密に隔てるための回転軸シールが設けられている(特許文献1)。
この回転軸シールには、気体圧縮機の内部の潤滑油が供給されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−353620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した回転軸シールは回転軸と接しているため、回転軸の回転によって摩擦熱が発生し、この熱によって回転軸シールの耐久性等性能が低下するおそれがある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、回転軸とハウジングとの間に介在された回転軸シール等のシール部材の性能が熱によって低下するのを防止乃至抑制することができる気体圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る気体圧縮機は、吸入室の内部に、シール部材が配置された部分(シール室)を通って、圧縮室に通じる吸入孔に到達させる、仕切られた流路を形成したことにより、吸入室に供給され圧縮室に導入される気体を、シール室のシール部材に強制的に接触させて冷却するものである。
すなわち、本発明に係る気体圧縮機は、供給された気体を高圧の圧縮気体に圧縮する圧縮室および回転軸を有する圧縮機本体と、前記圧縮機本体を覆うとともに、外部から吸入口を通じて供給される気体が導入される吸入室を形成し、かつ、前記吸入室において前記回転軸の外周面との間を封止するシール部材が配置されたハウジングとを備え、前記圧縮室と前記吸入室とを隔てた隔壁に、前記吸入室と前記圧縮室とを通じさせる吸入孔が形成され、前記吸入室に、前記気体を、前記シール部材が配置された部分を通って前記吸入孔に到達させる、仕切られた流路が形成され、前記流路は、前記ハウジングの内面から、前記隔壁に向けて延びたリブおよび前記隔壁によって形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る気体圧縮機は、供給された気体を高圧の圧縮気体に圧縮する圧縮室および回転軸を有する圧縮機本体と、前記圧縮機本体を内部に収容するとともに、外部から吸入口を通じて供給される気体が導入される吸入室を形成し、かつ、前記吸入室において前記回転軸の外周面との間を封止するシール部材が配置されたハウジングとを備え、
前記圧縮室と前記吸入室とを隔てた隔壁に、前記吸入室と前記圧縮室とを通じさせる吸入孔が形成され、前記吸入室に、前記気体を、前記シール部材が配置された部分を通って前記吸入孔に到達させる、仕切られた流路が形成され、前記流路は、筒状に形成された、一方の端部開口が前記シール部材の配置された部分に接続され、他方の端部開口が前吸入孔に接続されたダクトによって形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る気体圧縮機によれば、回転軸とハウジングとの間に介在されたシール部材の性能が熱によって低下するのを防止乃至抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る気体圧縮機の一実施形態であるベーンロータリ式コンプレッサを示す分解斜視図である。
図2図1に示したコンプレッサの回転軸に直交する面での断面を示す断面図である。
図3】フロントヘッドとフロントサイドブロックとの間に形成された吸入室を示す部分断面図である。
図4】フロントヘッドとフロントサイドブロックとを対向させて表示した分解斜視図である(リップシールの図示を省略している)。
図5】フロントヘッドの外面の側から吸入室を透視した状態を示す図である。
図6】通路として、別体のダクトを用いた例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の気体圧縮機に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
本発明に係る気体圧縮機の一実施形態であるベーンロータリ式コンプレッサ100(以下、単にコンプレッサ100という。)は、図1に示すように、圧縮機本体60をハウジング10の内部に収容している。
このコンプレッサ100は、冷却媒体の気化熱を利用して冷却を行なう空気調和システム(以下、単に空調システムという。)の一部として構成され、この空調システムの他の構成要素である凝縮器、膨張弁、蒸発器等とともに、冷却媒体の循環経路上に設けられている。
【0011】
コンプレッサ100は、空調システムの蒸発器から取り入れた気体状の冷却媒体としての冷媒ガスG(気体)を圧縮し、この圧縮された冷媒ガスGを空調システムの凝縮器に供給する。
凝縮器は、圧縮された冷媒ガスGを周囲の空気等との間で熱交換することにより冷媒ガスGから放熱させて液化させ、高圧で液状の冷媒として膨張弁に送出する。
高圧で液状の冷媒は、膨張弁で低圧化され、蒸発器に送出される。低圧の液状冷媒は、蒸発器において周囲の空気から吸熱して気化し、この冷媒の気化に伴う熱交換により蒸発器周囲の空気を冷却する。
気化した低圧の冷媒ガスGは、コンプレッサ100に戻って圧縮され、以下、上記工程を繰り返す。
【0012】
ハウジング10は、一端が閉じられ他端が開放されたケース11と、このケース11の開放された他端を覆うフロントヘッド12とからなり、ボルト等の締結部材18によって、フロントヘッド12がケース11に組み付けられている。
フロントヘッド12がケース11に組み付けられた状態で、ハウジング10の内部に空間が形成され、その空間に圧縮機本体60が収容されている。
フロントヘッド12には、蒸発器から供給された低圧の冷媒ガスGを内部に取り込む吸入ポート12a(吸入口)が形成されており、ケース11には、圧縮機本体60で圧縮された高圧の冷媒ガスGを凝縮器に吐出する吐出ポート11aが形成されている。
【0013】
圧縮機本体60は、図2に示すように、軸C回りに回転駆動される回転軸51と、回転軸51と一体的に回転する円柱状のロータ50と、ロータ50の外周面の外方を取り囲む断面輪郭略楕円形状の内周面49を有するとともに両端が開放されたシリンダ40と、ロータ50の外周に、外方に向けて突出可能に埋設され、その突出側の先端がシリンダ40の内周面49の輪郭形状に追従するように突出量が可変とされ、回転軸51回りに等角度間隔でロータ50に埋設された複数枚(図示のものは5枚であるが、3枚、4枚等であってもよい)の板状のベーン58と、シリンダ40の両側開放端面の外側からそれぞれ開放端面を覆うように固定されたフロントサイドブロック20およびリヤサイドブロック30と、リヤサイドブロック30に取り付けられ、冷媒ガスGから冷凍機油を分離する油分離器(図示省略)とを備えている。
【0014】
そして、2つのサイドブロック20,30、ロータ50、シリンダ40、および回転軸51の回転方向に沿って相前後する2つのベーン58,58によって区画された空間である3つの圧縮室48の容積が、回転軸51の回転にしたがってそれぞれ増減を繰り返すことにより、各圧縮室48内への冷媒ガスGの吸入(吸入行程)、各圧縮室48内での冷媒ガスGの圧縮(圧縮行程)、各圧縮室48内からの高圧の冷媒ガスGの吐出(吐出行程)という行程を繰り返す。
【0015】
なお、このコンプレッサ100は、回転軸51が1回転する間に、吸入行程、圧縮行程、吐出行程という一連のサイクルを2回行うように構成されている。
したがって、2つの吸入行程、2つの圧縮行程、2つの吐出行程はそれぞれ互いに回転角度180[度]だけずれた範囲に設定されている。
【0016】
ハウジング10の内部には、吸入ポート12aを通じて供給された冷媒ガスGが導入される空間である吸入室13が、フロントヘッド12と圧縮機本体60とによって形成され、また、吐出ポート11aを通じて冷媒ガスGが外部に吐出される空間である吐出室14が、ケース11と圧縮機本体60とによって形成されている。
【0017】
吸入室13は、図3に示すように、フロントヘッド12と圧縮機本体60のフロントサイドブロック20(隔壁)とによって囲まれた空間であり、図4に示した、フロントヘッド12の内面のうち細かいドットで網掛けした部分12bが、対向するフロントサイドブロック20の外面20aに接し、この接する部分(網掛けした部分12b)で囲まれた内方の領域が吸入室13として形成されている。
吸入室13と圧縮室48とはフロントサイドブロック20によって隔てられているが、フロントサイドブロック20には、吸入室13と吸入行程にある2つの圧縮室48とをそれぞれ別個に通じさせる2つの吸入孔22,23が形成されている。
2つの吸入孔22,23は、回転軸51回りに互いに回転角度180[度]離れて形成されていて、一方の吸入孔22は他方の吸入孔23よりも上下方向(図2〜4に示した状態での上下方向)の低い位置に形成されている。
【0018】
フロントヘッド12には、圧縮機本体60から突出した回転軸51をハウジングの外部に露出させる貫通孔12mが形成されている。
ここで、ハウジング10の外部は大気圧であり、吸入室13は大気圧よりも低い圧力となっているため、ハウジング10の内部である吸入室13とハウジングの外部とを封止するために、貫通孔12mの近くにはリップシール52(シール部材)が配置されたシール室13aが形成されている。
【0019】
シール室13aは、貫通孔12mを中心とする円筒状の周壁12cによって囲まれた円柱状の空間であり、この円筒状の周壁12cは、フロントヘッド12の端面からフロントサイドブロック20に向かって回転軸51とほぼ平行に延びたリブによって形成されている。
シール室13aに配置されたリップシール52は、その外周面が周壁12cの内面に固定され、その内周部分のリップが、回転する回転軸51の外周面51aに接することで、ハウジング10の内外間を気密に隔てている。
【0020】
シール室13aの周壁12cの先端部分の内面12dには、フロントサイドブロック20の軸受けの外周面24が緩く嵌合していて、シール室13aは吸入室13の内部で仕切られているが、周壁12cのうち上側の一部と下側の吸入孔22に向いた部分とにはそれぞれ切欠き12e,12fが形成されている。
上側の切欠き12eは、シール室13aを吸入室13に通じさせている。
【0021】
フロントヘッド12の端面からは、周壁12cのうち下側の切欠き12fに隣接する両端部から、下側の吸入孔22を囲むように、フロントサイドブロック20に向かって延びた2本の仕切りリブ12g,12hが形成されている。
これらの仕切りリブ12g,12hは、網掛けで示した部分12b(図4)と同じ高さに形成されていて、フロントサイドブロック20の外面20aに突き当たっている。
この結果、2つの仕切りリブ12g,12hは、フロントヘッド12の端面とフロントサイドブロック20の外面20aとともに、シール室13aと下側の吸入孔22とを直接通じさせる通路12j(流路)を形成している。
また、この通路12jは、2つの仕切りリブ12g,12hとフロントヘッド12の端面とフロントサイドブロック20の外面20aとによって、吸入室13の内部で仕切られている。
【0022】
このように構成された本実施形態のコンプレッサ100によると、図3〜5に示すように、冷媒ガスGは吸入ポート12aからハウジング10の内部の吸入室13に供給される。
吸入室13に吸入された冷媒ガスGは、上下の各吸入孔22,23を通じてそれぞれ圧縮機本体60の圧縮室48に吸入される。
【0023】
ここで、吸入室13の内部は、下側の吸入孔22に通じる通路12jが、シール室13aの周壁12cおよび仕切りリブ12g,12hによって仕切られているため、吸入室13に吸入された冷媒ガスGのうち下側の吸入孔22から圧縮室48に吸入される冷媒ガスGは、常に、シール室13aを仕切る周壁12cの上側の切欠き12eを通じて周壁12cで囲まれたシール室13aを通り、下側の切欠き12fを通じて仕切りリブ12g,12hで仕切られた通路12jを通る。
つまり、シール室13aに設置されたリップシール52には、吸入孔22に向かって流れる冷媒ガスGが常に強制的に接触する。
【0024】
リップシール52は、内周部分が回転軸51の外周面51aに接触するため、回転軸51の回転に伴って摩擦熱が発生するが、流れる冷媒ガスGが常に接触することで、リップシール52に発生する熱は冷却される。
したがって、リップシール52の性能が熱によって低下するのを防止乃至抑制することができる。
この結果、リップシール52の性能が低下することによる冷媒ガスGの漏れや、ハウジング10の内部や空気調和システムの内部で循環している冷凍機油の漏れを防止乃至抑制することができる。
【0025】
また、このコンプレッサ100を含む空気調和システムが搭載された車両等が長時間に亘って寒冷な状態に晒されると、冷媒ガスGが液化し、その液化した冷媒(以下、液冷媒という)が吸入室13の下部に溜まることがある。
そして、コンプレッサ100は、吸入室13に通じる2つの吸入孔22,23が形成されていて、下側の吸入孔22は上側の吸入孔23よりも低い位置に形成されているため、上述したように液冷媒が吸入室13に下部に溜まると、この液冷媒の液面が、相対的に低い位置の吸入孔22よりも高くなるおそれがある。
【0026】
ここで、従来の気体圧縮機であれば、液冷媒の液面が吸入孔22よりも高くなれば、液冷媒が吸入孔22を通じて、吸入行程にある圧縮室48に流れ込み、液冷媒が流れ込んだ圧縮室48は圧縮行程で液圧縮を生じる。
これに対して本実施形態のコンプレッサ100は、仕切りリブ12g,12h、フロントヘッド12の端面およびフロントサイドブロック20の外面20aによって、吸入孔22は吸入室13の内部で仕切られた状態となるため、吸入室13内で液冷媒の液面が高い位置になっても、液冷媒は、仕切りリブ12g,12h、フロントヘッド12の端面およびフロントサイドブロック20の外面20aに遮られて吸入孔22に流れ込むことがない。
【0027】
そして、通路12jの、吸入孔22よりも高い側の端部は、切欠き12fを通じてシール室13aに開口しているが、このシール室13aも、周壁12cによって吸入室13とは仕切られており、周壁12cの上側の切欠き12eの形成された部分において吸入室13に通じている。
したがって、仮に吸入室13に液冷媒が溜まった場合にも、その液冷媒の液面が、切欠き13eの位置まで到達するまでは、吸入孔22に液冷媒が流れ込むことがなく、圧縮室48での液圧縮を防止乃至抑制することができる。
【0028】
本実施形態のコンプレッサ100は、フロントヘッド12に形成した仕切りリブ12g,12hによって、通路12jの周壁の一部を形成したものであるが、本発明に係る気体圧縮機はこの実施形態のものに限定されるものではなく、シール部材が配置された部分(コンプレッサ100におけるシール室13a)を通って吸入孔(コンプレッサ100における吸入孔22)に到達させる流路(コンプレッサ100における通路12j)を、圧縮機本体60(例えば、フロントサイドブロック20)からフロントヘッド12に向かって延ばした仕切りリブによって形成してもよい。
【0029】
また、通路12jを、フロントヘッド12およびフロントサイドブロック20とは別体の管状(例えばシュノーケル状)のダクトによって形成してもよい。
例えば、図6に示すように、開口81と開口82との間で通路83が形成されたダクト80を用い、このダクト80の一方の開口81を吸入孔22に対向させてフロントサイドブロック20に接続し、他方の開口82をシール室13aの周壁12cの切欠き12fに対向させて周壁12cに接続することで、シール室13aを通って吸入孔22に到達させる通路83を形成してもよい。
このように形成された通路83によっても、上述した実施形態のコンプレッサ100と同様の作用、効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0030】
10 ハウジング
12 フロントヘッド
12a 吸入ポート
12g,12h リブ
12j 通路
13 吸入室
13a シール室
14 吐出室
20 フロントサイドブロック
20a 外面
22,23 吸入孔
51 回転軸
51a 外周面
52 リップシール(シール部材)
60 圧縮機本体
100 ベーンロータリ式コンプレッサ(気体圧縮機)
G 冷媒ガス(気体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6