特許第6042343号(P6042343)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6042343-毛髪成長のための組成物及び方法 図000013
  • 特許6042343-毛髪成長のための組成物及び方法 図000014
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042343
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】毛髪成長のための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/00 20060101AFI20161206BHJP
   A61Q 7/00 20060101ALI20161206BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20161206BHJP
   A61K 8/64 20060101ALI20161206BHJP
   A61K 31/5575 20060101ALI20161206BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20161206BHJP
   A61K 47/06 20060101ALI20161206BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20161206BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20161206BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20161206BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20161206BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20161206BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20161206BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20161206BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20161206BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20161206BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20161206BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20161206BHJP
   A61K 8/36 20060101ALN20161206BHJP
   A61K 8/37 20060101ALN20161206BHJP
   A61K 8/42 20060101ALN20161206BHJP
   A61K 8/31 20060101ALN20161206BHJP
【FI】
   A61K37/02
   A61Q7/00
   A61P17/14
   A61K8/64
   A61K31/5575
   A61K8/34
   A61K47/06
   A61K47/10
   A61K47/12
   A61K47/14
   A61K9/08
   A61K9/107
   A61K9/12
   A61K9/06
   A61K9/10
   A61K9/48
   A61Q5/02
   A61Q5/12
   !A61K8/36
   !A61K8/37
   !A61K8/42
   !A61K8/31
【請求項の数】15
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-540075(P2013-540075)
(86)(22)【出願日】2011年11月18日
(65)【公表番号】特表2013-543010(P2013-543010A)
(43)【公表日】2013年11月28日
(86)【国際出願番号】US2011061489
(87)【国際公開番号】WO2012068515
(87)【国際公開日】20120524
【審査請求日】2014年11月18日
(31)【優先権主張番号】61/414,937
(32)【優先日】2010年11月18日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513125810
【氏名又は名称】ヨーリン スティーヴン
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】ヨーリン スティーヴン
【審査官】 深草 亜子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−521672(JP,A)
【文献】 特開昭60−243008(JP,A)
【文献】 特開平07−316023(JP,A)
【文献】 特開2004−331664(JP,A)
【文献】 特開昭62−019513(JP,A)
【文献】 J.Dermatolog.Treat.,2008年,Vol.19,p.216-220
【文献】 Clin. Ophthalmol.,2010年,Vol.4,p.349-358
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 38/08
A61K 31/5575
CA/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の毛髪成長用組成物であって、0.03%w/vのビマトプロストと0.05%w/vのシクロスポリンAとを含み、少なくとも1日1回皮膚の治療部位に適用される組成物。
【請求項2】
さらにエタノール、プロピレングリコール、D-リモネン及び水を含む、請求項1の組成物。
【請求項3】
トランスクトール(Transcutol(登録商標)ラブラゾール(Labrasol(登録商標)、シネオール、クレモフォールRH-40、DMSO、オレイン酸、ミリスチン酸イソプロピル、プロピレングリコール、オキシブチニン及びモノラウラートから成る群より選択される少なくとも1種の賦形剤をさらに含む、請求項2の組成物。
【請求項4】
液体、懸濁液、エマルション、リバースエマルション、マイクロエマルション、フォーム、半固体、溶液、分散系、カプセル、ゲル、ローション、クリーム、ペースト、及びポリッシュから成る群より選択される1つの形態である、請求項3の組成物。
【請求項5】
溶液、フォーム、エマルション及びゲルから成る群より選択される、請求項2の組成物。
【請求項6】
アプリケーターで適用される、請求項5の組成物。
【請求項7】
0.03%のビマトプロスト、0.05%のシクロスポリンA、エタノール、プロピレングリコール、D-リモネン及び水から成る、請求項2の組成物。
【請求項8】
さらにトランスクトールを含む、請求項7の組成物。
【請求項9】
0.03%w/vのビマトプロストと0.05%w/vのシクロスポリンAとを含み、少なくとも1日1回皮膚の治療部位に適用される、患者の脱毛を治療するための医薬組成物。
【請求項10】
前記組成物がフォーム形態で1日1回頭皮に適用されることを特徴とする、請求項9の医薬組成物。
【請求項11】
前記フォームの適用前に、下記:熱、機械的刺激、ソノフォレーシス、振動及びマッサージから成る群より選択される少なくとも1つの頭皮への適用によって前記頭皮を前処置する、請求項10の医薬組成物。
【請求項12】
ロールオンアプリケーターを利用して前記組成物を前記頭皮に適用する、請求項11の医薬組成物。
【請求項13】
0.03%w/vのビマトプロストと0.05%w/vのシクロスポリンAの、ヒト頭皮上で毛髪を成長させるための医薬組成物を製造するための使用であって、前記医薬組成物が少なくとも1日1回頭皮に適用される、上記使用
【請求項14】
前記医薬組成物が、シャンプー及びコンディショナーから成る群より選択される1つとして適用される、請求項13の使用。
【請求項15】
前記医薬組成物が、液体、懸濁液、エマルション、リバースエマルション、マイクロエマルション、フォーム、半固体、溶液、分散系、カプセル、ゲル、ローション、クリーム、ペースト、及びポリッシュの形態である、請求項13の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、参照によってその開示全体をここに援用する2010年11月18日提出の米国仮出願第61/414,937号の利益を主張する。
発明の分野:
本発明は、毛髪を成長させるための、同時に組み合わせて用いられるビマトプロストとシクロスポリンの使用に関する。本発明は、円形脱毛症(円形脱毛症のグリーンテキスト中の下記リスト参照)のみならず全ての形態の脱毛の治療のため頭皮上で毛髪を成長させるためのビマトプロストとシクロスポリンを含有する組成物並びにビマトプロストとシクロスポリンの組成物の様々な投与方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景:
頭皮の貧毛症又は薄毛は、社会的に活力を失わせることが多い一般的な医学的問題である。脱毛の機序は不明であり、限定するものではないが、ホルモンの不均衡、投薬、感染及び病態などの種々の要因によって起こると仮定されている。脱毛のための現在の治療選択肢は、ステロイド注射、ミノキシジル、及び光化学療法を含め、高率で長期にわたる副作用があるか又は全く効果がない可能性がある。経口シクロスポリンA(CsA)は中程度乃至重度の脱毛症の患者で毛髪成長を増強することが示されたが、全身の副作用のため高い割合で中断されてしまう。脱毛の動物モデルで局所シクロスポリンAの有効性及び安全性を調査した研究はほとんどない。in vivo研究は、0.1%及び1%で治療したマウスがコントロールマウスより21週間早く毛髪の成長期へ移行し、2週間の治療後に有意な毛髪成長が観察されたことを実証している(Ezure, 2007)。実験用Bald Ratに1日2回(BID)投与した局所0.5%シクロスポリンAは、6週間の適用後1週間で毛包炎症の低減と共に毛髪成長を示した(Verma, 2004)。局所シクロスポリンAは、アトピー性皮膚炎と関連する皮膚の炎症を低減することが分かった(Saeki et al., 2009)。T細胞機能を抑制し、毛髪成長周期の成長期を増強するためにシクロスポリンAを局所薬として適用することは、薄毛の患者にとって有望である。
【0003】
プロスタグランジン
プロスタグランジンは、血圧、平滑筋収縮、炎症及び血管透過性を含めた広範な生理機能を媒介する薬理学的に活性なホルモン様物質の分類である。プロスタグランジンは、脂肪酸から酵素的に誘導され、かつ動物体内で重要な機能を有する脂質化合物の群の任意メンバーである。あらゆるプロスタグランジンは、5炭素環を含めて20個の炭素原子を含有する。プロスタグランジンは、血小板、内皮、子宮及びマスト細胞に作用する自己分泌及びパラ分泌脂質メディエーターである。それらは必須脂肪酸(EFA)から細胞内で合成される。EFAの一例はリノール酸(LA)である。LA誘導体であるγ-リノレン酸(GLA)は炎症を低減することが知られており、プロスタグランジンは炎症媒介を調節することが知られている。本発明は、LA、GLA及びプロスタグランジンは全て毛髪の健康に役割を果たし得ることを認める。本発明の少なくとも1つの実施形態では、プロスタグランジンの局所適用を利用して毛髪の健康を増強し、毛髪成長を増強する。
文字A〜Iで示される9種の型のプロスタグランジンがあり、側鎖の飽和度がそれぞれ添字1、2、及び3で示される。プロスタグランジンの例として、限定するものではないが、プロスタグランジンE1(アルプロスタジル)、プロスタグランジンE2(ジノプロストン)、ラタノプロスト及びトラボプロストが挙げられる。ラタノプロスト及びトラボプロストは実際にはプロスタグランジンプロドラッグ(すなわちプロスタグランジンの1-イソプロピルエステル)であるが、それらは1-カルボン酸への加水分解後にプロスタグランジンF受容体に作用するのでプロスタグランジンと呼ばれている。
【0004】
プロスタミド(prostamide)(プロスタグランジン-エタノールアミドとも呼ばれる)はプロスタグランジン類似体であり、プロスタグランジンからは薬理学的にユニークであり(すなわちプロスタミドはプロスタグランジンが作用するのとは異なる細胞受容体[プロスタミド受容体]に作用するので)、エンドカンナビノイド(例えばアナンダミド)のシクロ-オキシゲナーゼ-2(「COX-2」)酵素酸素添加の生成物として形成される中性脂質である。さらに、プロスタミドはin-situで1-カルボン酸に加水分解しない。プロスタミドの例はビマトプロスト(合成的に作製される17-フェニルプロスタグランジンFのエチルアミド)及びプロスタミドFである。
【0005】
プロスタグランジン類似体であるビマトプロストは、健康な患者の睫毛成長を誘発し、結果として長さ、濃さ、及び暗さを増すことが示された(LatisseR PI, 2009)。しかしながら、LATISSER(登録商標)は、円形脱毛症の患者で睫毛成長を促進するのにあまり有効でないことが分かった(Ochoa et al., 2009)。これは、この薬物の毛包幹(follicle shaft)に浸透する能力の阻害又は低減をもたらし、その有効性を制限する炎症組織のためかもしれない。Unoらは、2001年に0.05%のラタノプロスト後のマカクの脱毛頭皮における有意な毛髪成長を報告した。3カ月の治療後に毛髪の密度と濃さが有意に増加した。米国特許第6,403,649号;第5,688,819号;第5,474,979号;及び第4,839,342号は、参照によってそれらの内容全体がここに援用される。
【0006】
免疫調節物質
免疫療法薬としても知られる免疫調節物質は免疫系に効果がある物質(例えば薬物)である。本発明の組成物に免疫調節物質を使用してよく、免疫調節物質には、免疫抑制物質、免疫刺激物質及び寛容原がある。免疫抑制物質は、例えば、自己免疫疾患において免疫反応を抑制する。免疫刺激物質は免疫反応を高め、例えば、感染症、免疫不全症及び癌に役立ち得る。寛容原は、耐性を誘発し、組織を抗原に対して非反応性にする。
本発明の組成物に使用できる免疫調節物質としては、限定するものではないが、シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン、シクロホスファミド、メトトレキサート、クロラムブシル、ミコフェノール酸モフェチル、プレドニゾロン、ムロモナブCD3、抗胸腺細胞グロブリン(antithymocyte globin)(ATG)、Rho(D)免疫グロブリン(immuneglobin)、エファリズマブ、レバミソール、サリドマイド、及びその混合物が挙げられる。少なくとも1つの実施形態では、組成物に使用する免疫調節物質はシクロスポリンである。
【0007】
シクロスポリン
前述したように、本発明の組成物は、シクロスポリン又は他の活性化合物を含み得る。シクロスポリンは、既知の免疫抑制活性を有する無極性環状オリゴペプチドの群である。いくつかの他の微量代謝物と共に、シクロスポリンA、並びにシクロスポリンB、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S、T、U、V、W、X、Y及びZが同定されている。さらに、該シクロスポリンの誘導体、塩等及びいくつかの合成類似体が調製されており、本発明で役立ち得る。シクロスポリンA及びシクロスポリンA誘導体の、眼の状態の治療のための使用は、種々の特許、例えばDingらの米国特許第5,474,979号;Garstの米国特許第6,254,860号;第6,350,442号、及び第7,368,436号(それぞれ参照によってその開示全体をここに援用する)の主題であった。
【0008】
一般に、市販のシクロスポリンは、11個のアミノ酸残基から成り、全分子量が約1,200の環状ペプチド構造を全て共有するが、いくつかのアミノ酸の置換基又は立体配置が異なるいくつかの個々のシクロスポリンの混合物を含有し得る。
【0009】
本明細書では、用語「シクロスポリン成分」はシクロスポリン群のいずれかの個々のメンバー、その塩、その誘導体、その類似体及びその混合物、並びにその2種以上の個々のシクロスポリンの塩、その誘導体、その類似体及びその混合物の混合物をも包含する意図である。
【0010】
特定の実施形態では、シクロスポリン成分として、限定するものではないが、シクロスポリンA、シクロスポリンAの誘導体、シクロスポリンAの塩等及びその混合物が挙げられる。シクロスポリンAは有用なシクロスポリン成分である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
発明の概要
本発明の一態様は、正常患者(脱毛の有無にかかわらず)並びに脱毛症及び脱毛をもたらす他の障害(限定するものではないが、テストステロン、ジヒドロテストステロン等のアンドロゲンホルモン、休止期脱毛、栄養不足、術後脱毛、妊娠後脱毛、特定の投薬、熱油処置(パーマ等)、過剰なブラッシング、ストレス、けん引性脱毛症、アンドロゲン性脱毛症、三角形脱毛症、非瘢痕性脱毛症、円形脱毛症、全ての他の形態の脱毛症が挙げられる)に苦しむ患者において毛髪成長を刺激するために頭皮その他の体の部位にビマトプロスト(類似体、プロドラッグ及び誘導体を含めて)とシクロスポリン、特にシクロスポリンAを共適用することに関する。
【0012】
本発明は、正常患者(脱毛の有無にかかわらず)並びに脱毛症及び脱毛をもたらす他の障害(限定するものではないが、テストステロン、ジヒドロテストステロン等のアンドロゲンホルモン、休止期脱毛、栄養不足、術後脱毛、妊娠後脱毛、特定の投薬、熱油処置(パーマ等)、過剰なブラッシング、ストレス、けん引性脱毛症、アンドロゲン性脱毛症、三角形脱毛症、非瘢痕性脱毛症、円形脱毛症、全ての他の形態の脱毛症が挙げられる)に苦しむ患者において毛髪成長を刺激するために頭皮その他の体の部位に適用するためのビマトプロストとシクロスポリン、特にシクロスポリンA(又は別の免疫調節物質又は免疫抑制物質、例えばプロトピック[タクロリムス]、カリノイリン(calineurin)阻害物質)を両方一緒に含有する組成物及び/又は製剤にも関する。本発明は、毛髪を成長させるため又は脱毛の治療のために頭皮その他の部分に、シクロスポリンとビマトプロストとを含有する組成物を適用する新規方法にも関する。本発明は、毛髪の白髪化又はメラニン若しくは色素の損失を予防するための組成物及び方法にも関する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のいくつかの実施形態は、下記パラグラフに包含される。
1)患者の毛髪を成長させるための組成物であって、0.03〜0.3%w/vのビマトプロストと、0.05〜0.5%w/vのシクロスポリンとを含む、組成物。
2)組成物が0.03%w/vのビマトプロストと、0.05%w/vのシクロスポリンAとを含む、パラグラフ1の組成物。
3)組成物が0.3%w/vのビマトプロストと、0.05%w/vのシクロスポリンAとを含む、パラグラフ1の組成物。
4)組成物がさらにエタノール、プロピレングリコール、D-リモネン及び水を含む、パラグラフ1〜3の組成物。
5)組成物が、Transcutol(登録商標)、Labrasol(登録商標)、シネオール、Cremophor RH-40、DMSO、オレイン酸、ミリスチン酸イソプロピル、プロピレングリコール、オキシブチニン及びモノラウラートから成る群より選択される少なくとも1種の賦形剤をさらに含む、パラグラフ4の組成物。
6)組成物が、液体、懸濁液、エマルション、リバースエマルション、マイクロエマルション、フォーム、半固体、溶液、分散系、カプセル、ゲル、ローション、クリーム、ペースト、及びポリッシュ(polish)から成る群より選択される1つの形態である、パラグラフ1〜5の組成物。
7)組成物が、溶液、フォーム、エマルション及びゲルからから成る群より選択される、パラグラフ4の組成物。
8)組成物がアプリケーターで適用される、パラグラフ1〜7の組成物。
9)組成物が本質的に0.3%のビマトプロスト、0.5%のシクロスポリンA、エタノール、プロピレングリコール、D-リモネン及び水から成る、パラグラフ5の組成物。
10)組成物がさらにトランスクトール(transcutol)を含む、パラグラフ5の組成物。
11)0.03%w/vのビマトプロストと、0.05%w/vのシクロスポリンAとを含む組成物を適用することによって、患者の脱毛を治療する方法。
12)0.3%w/vのビマトプロストと、0.05%w/vのシクロスポリンAとのフォームを少なくとも1日1回頭皮に適用することを含む、パラグラフ11の方法。
13)フォームの適用前に、下記:熱、機械的刺激、ソノフォレーシス、振動及びマッサージから成る群より選択される少なくとも1つを頭皮に適用して頭皮を前処置する、パラグラフ10〜12の方法。
14)ロールオンアプリケーターを利用して組成物を頭皮に適用する、パラグラフ10〜13の方法。
15)ヒト頭皮上で毛髪を成長させる方法であって、0.03〜0.3%w/vのビマトプロストと、0.05〜0.5%w/vのシクロスポリンとを含む組成物の適用を含んでなる方法。
16)組成物が0.03%w/vのビマトプロストと、0.05%w/vのシクロスポリンAとを含む、パラグラフ15の方法。
17)組成物が0.3%w/vのビマトプロストと、0.1%w/vのシクロスポリンAとを含む、パラグラフ15の方法。
18)組成物を少なくとも1日1回適用する、パラグラフ15〜17の方法。
19)組成物を、シャンプー及びコンディショナーから成る群より選択される1つとして適用する、パラグラフ18の方法。
20)組成物が、液体、懸濁液、エマルション、リバースエマルション、マイクロエマルション、フォーム、半固体、溶液、分散系、カプセル、ゲル、ローション、クリーム、ペースト、及びポリッシュの形態である、パラグラフ18の方法。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】ビヒクル、シクロスポリン(CsA)(0.05%、0.1%、1%)のみ及びビマトプロスト(0.03%、0.3%、3%)との組合せ及びビマトプロストのみ(0.03%及び0.3%)による処置の13日後の毛髪の再成長の写真を示す。
図2】シクロスポリン(CsA)のみ(0.05%、0.1%)及びビマトプロスト(Bpst)(0.03%)との組合せは、剪毛C57BL/6雄性マウスの毛髪の再成長を日13に刺激することを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の詳細な説明:
1)ビマトプロストとシクロスポリンAの併用製剤と比較したLatisse(登録商標)及びRestasis(登録商標)のみの適用:
本発明の一態様は、毛髪成長に対するシクロスポリン(「CsA」)とビマトプロスト(「Bpst」)の併用組成物又は製剤である。該製剤を、薄毛並びに多毛症及び他の毛髪成長障害をもたらす状態の患者に個々に適用されるLatisse(登録商標)及びRestasis(登録商標)の適用と、毛髪成長を刺激するそれらの能力について比較する。
【0016】
1. シクロスポリンとビマトプロストを両方とも含有する組成物
本発明は、一部分において、毛髪を成長させるために用いる、シクロスポリン、好ましくはシクロスポリンAと、ビマトプロストを両方とも単一組成物に含有する組成物又は製剤及びそれらの適用方法に関する。シクロスポリンAとビマトプロストの併用は、脱毛症及び他の毛髪成長障害の炎症成分の抑制並びに正常患者(脱毛障害を患っていない患者)の頭皮上の毛髪成長量の増強において安全かつ有効な処置であると考えられている。
本発明によれば、医薬的に許容できる担体中でシクロスポリン、シクロスポリンA又はシクロスポリン誘導体を有効な濃度、例えば、0.01%w/v〜飽和状態(例えば20%w/v超え)でビマトプロストと共に適用してよい。
【0017】
a. シクロスポリン成分
シクロスポリンは、既知の免疫抑制活性を有する無極性環状オリゴペプチド群である。いくつかの他の微量代謝物と共に、シクロスポリンA、並びにシクロスポリンB、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S、T、U、V、W、X、Y及びZが同定されている。さらに、該シクロスポリンの誘導体、塩等及びいくつかの合成類似体が調製されており、本発明で役に立ち得る。種々の眼の状態を治療するためのシクロスポリンA及びシクロスポリンA誘導体の使用は、種々の特許、例えば米国特許第5,474,979号;第6,254,860号;第6,350,442号;及び第7,368,436号(それぞれ参照によってその開示内容全体をここに援用する)の主題であった。
【0018】
一般に、市販のシクロスポリンは、11個のアミノ酸残基から成り、全分子量が約1,200ダルトンの環状ペプチド構造を全て共有するが、いくつかのアミノ酸の置換基又は立体配置が異なるいくつかの個々のシクロスポリンの混合物を含有し得る。従って、本発明は、異なるタイプのシクロスポリン又はシクロスポリン成分の混合物をも企図する。本明細書では、用語「シクロスポリン成分」はシクロスポリン群のいずれの個々のメンバー、その塩、その誘導体、その類似体及びその混合物、並びにその2種以上の個々のシクロスポリンの塩、その誘導体、その類似体及びその混合物の混合物をも包含する意図である。
特に好ましいシクロスポリン成分として、限定するものではないが、シクロスポリンA、シクロスポリンAの誘導体、シクロスポリンAの塩等及びその混合物が挙げられる。シクロスポリンAは特に有用なシクロスポリン成分である。
シクロスポリンAの化学構造は下記式Iで表される。
【0019】
【化1】
【0020】
本明細書では、用語「シクロスポリンの誘導体」は、本発明の組成物及び方法において、シクロスポリン、例えば、シクロスポリンAと実質的に類似するか又は実質的に同一の様式で機能するように、シクロスポリンに十分類似の構造を有する化合物を意味する。有用なシクロスポリンA誘導体には、限定するものではないが、後述する((R)-メチルチオ-Sar)3-(4'-ヒドロキシ-MeLeu)シクロスポリンA、((R)-(シクロ)アルキルチオ-Sar)3-(4'-ヒドロキシ-MeLeu)4-シクロスポリンA、及び((R)-(シクロ)アルキルチオ-Sar)3-シクロスポリンA誘導体から選択されるものが含まれる。
これらのシクロスポリン誘導体は、それぞれ下記一般式(II)及び(III)によって表される。
【0021】
【化2】
【化3】
【0022】
式中、Meはメチルであり;Alkは2-6Cアルキレン又は3-6Cシクロアルキレンであり;RはOH、COOH、アルコキシカルボニル、-NR1R2又はN(R3)-(CH2)-NR1R2であり;ここで、R1、R2はH、アルキル、3-6Cシクロアルキル、フェニル(任意にハロ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ又はジアルキルアミノで置換されていてもよい)、ベンジル又は5若しくは6員と1〜3個のヘテロ原子を有する飽和若しくは不飽和ヘテロシクリルであり;或いはNR1R2は、さらにN、O又はSヘテロ原子を含有してよく、かつアルキル化されていてよい5若しくは6員ヘテロ環であり;R3はH又はアルキルであり、nは2〜4であり;かつアルキル部分は1-4Cを含む。
【0023】
本組成物及び方法は、治療的に有効な量のシクロスポリン成分を毛髪成長の促進に有用なビマトプロストと共に含むいずれの適切な組成物又は組成物の組合せを利用しても実施可能である。シクロスポリン成分は、本発明に従ってシクロスポリン含有組成物をヒト又は動物に投与すると、所望の治療効果を与えるのに十分有効な量及び/又は濃度で存在する。シクロスポリン成分の混合物が企図される。本発明の一実施形態では、シクロスポリン成分は、有利には組成物の約0.01〜0.05%w/v、0.05〜0.1%w/v、0.1%〜約0.5%w/v、0.5%〜5%w/v、5%〜15%w/vの範囲の量、及び15%又は約20%又は25%w/vの量で組成物中に存在する。
別の実施形態では、シクロスポリン成分は、組成物の約0.01質量%〜約5質量%又は約10質量%又は約15質量%の量で存在する。シクロスポリン成分の企図される他の濃度は、0.1〜20%w/v、0.1〜10%w/v、0.1〜5%w/v、0.1〜1.0%w/v、0.09%〜0.1%w/v、0.08%〜0.1%w/v、0.07%〜0.1%w/v、0.06%〜0.1%w/v、0.05%〜0.1%w/v、0.04%〜0.1%w/v、0.03%〜0.1%w/v、0.02%〜0.1%w/v、0.01%〜0.1%w/v、0.01〜0.09%、0.01〜0.08% 0.01〜0.07%w/v、0.01〜0.06%w/v、0.01〜0.05%w/v、0.01〜0.04%w/v、0.01〜0.03%w/v、0.01〜0.02%w/v、0.01〜0.0125%w/v、最も好ましくは0.01%〜0.05%w/v、0.0125%w/v、0.02%w/v、0.03%w/v、0.04%w/v、0.05%w/v、0.06%w/v、0.07%w/v、0.08%w/v、0.09%w/v又は0.1%w/v、0.2%w/v、0.3%w/v、0.4%w/v及び0.5%w/vのシクロスポリン、シクロスポリンA及びその誘導体である。しかしながら、シクロスポリン成分の特定量の選択は、投与方法、ヒト又は動物のサイズ及び状態並びに治療すべき状態のタイプ及び重症度などの医薬技術で周知の要因に従って行なうものとする。
【0024】
b. ビマトプロスト
本発明は、一般的に下記式I:
【0025】
【化4】
【0026】
(式中、破線付き結合は、シス又はトランス配置をとり得る単結合又は二重結合を表し、Aは、2〜6個の炭素原子を有するアルキレン又はアルケニレン基であり、この基は1つ以上のオキシド基で中断されていてもよく、また1つ以上のヒドロキシ、オキソ、アルキルオキシ又はアルキルカルボキシ基(前記アルキル基は1〜6個の炭素原子を含む)で置換されていてもよく;Bは、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又は4〜10個の炭素原子を有するヒドロカルビルアリール及びヘテロアリール基(該ヘテロ原子は窒素、酸素及びイオウ原子から成る群より選択される)から成る群より選択されるアリール基であり;Xは、-OR4及び-N(R4)2(R4は、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル基から成る群より独立に選択される)、R5-C-又はR5-O-C--(R5は、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル基である)から成る群より選択される基であり;Zは=Oであるか又は2つの水素基を表し;R1及びR2の一方が=O、-OH又は-O(CO)R6基であり、他方が-OH又は-O(CO)R6であるか、或いはR1が=Oであり、かつR2がHであり、ここで、R6は、1〜約20個の炭素原子を有する飽和若しくは不飽和非環式炭化水素基、又は-(CH2)mR7(mは0又は1〜10の整数であり、かつR7は、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基である)、又は上記定義どおりのヒドロカルビルアリール若しくはヘテロアリール基である)
で表し得るビマトプロスト、又はその医薬的に許容できる塩
(但し、Bがペンダントヘテロ原子含有基で置換されず、かつZが=Oである場合、Xは-OR4ではない(すなわち、シクロアルキル又はヒドロカルビルアリール又はヘテロアリール基は、炭素又は水素以外の原子を有するペンダント基で置換されない))
と併せたシクロスポリンAの使用にも関わる。
ビマトプロストを下記一般式IIで表すこともできる。
【0027】
【化5】
【0028】
式中、yは0又は1であり、xは0又は1であり、かつxとyが両方とも1ではなく、Yは、アルキル、ハロ、例えばフルオロ、クロロ等、ニトロ、アミノ、チオール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アルキルカルボキシ、ハロ置換アルキル(前記アルキル基は1〜6個の炭素原子を含む)等から成る群より選択される基であり、nは0又は1〜約3の整数であり、かつR3は=O、-OH又は-O(CO)R6(R6は上記定義どおり)である。好ましくは、nは1又は2である。
ビマトプロストを下記一般式(III)で表すこともできる。
【0029】
【化6】
【0030】
式中、斜線はα配置を示し、ベタの三角形を用いてβ配置を示してある。
ビマトプロストを下記一般式(IV):
【0031】
【化7】
【0032】
又は下記一般式Vで表すこともできる。
【0033】
【化8】
【0034】
上記全ての式中、及び本明細書で以下に示す式中、炭素5と6の間(C-5)、炭素13と14の間(C-10)、炭素8と12の間(C-8)、及び炭素10と11の間(C-10)の結合にある点線は、単結合又はシス若しくはトランス配置をとり得る二重結合を示す。2つの実線を使用する場合、それは当該二重結合に特異的な配置を示す。位置C-9、C-11及びC-15の斜線はα配置を示す。β配置を表現する場合は、ベタの三角線を使用する。
【0035】
本発明で使用する化合物では、α又はβ配置のC-9、C-11及びC-15置換基を有する化合物が企図される。上述したように、本明細書で提供する全ての式中、シクロペンタン環への破線付着はa配置の置換基を示す。シクロペンタン環への太実線付着はα配置の置換基を示す。また、ヒドロキシル基又は他の置換基のC-11及びC-15炭素原子への破線付着はα配置を表す。
【0036】
本発明の目的では、さらに限定しない限り、用語「アルキル」は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を表し、用語「シクロアルキル」は、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基を表し、用語「アリール」は、4〜10個の炭素原子を有するアリール基を表す。用語「飽和又は不飽和非環式炭化水素基」を用いて、1〜約6、好ましくは1〜約4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素基を表す。該基には適切な長さのアルキル、アルケニル及びアルキニル基が含まれ、好ましくはアルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、若しくはヘキシル、又はその異性形である。
R6の定義は、環状成分-(CH2)mR7を含むことがあり、ここで、nは0又は1〜10の整数であり、R7は、約3〜約7個の炭素原子の脂肪族環、又は芳香族若しくはヘテロ芳香族環である。「脂肪族環」は、飽和又は不飽和であってよく、好ましくは3〜7(3及び7を含む)個の炭素原子を有する飽和環である。芳香族環としては、R7は好ましくはフェニルであり、ヘテロ芳香族環はヘテロ原子として酸素、窒素又はイオウを有し、すなわち、R7はチエニル、フラニル、ピリジル等であってよい。好ましくはmは0又は1〜4の整数である。
Zは=Oであるか又は2つの水素原子を表す。
Xは、-OR4及び-N(R4)2から成る群より選択され得る。ここで、R4は、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル基、下記基
【0037】
【化9】
【0038】
(式中、R5は、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル基である)
から成る群より選択される。
本発明の範囲内の好ましい代表化合物は、Xが-OHである式Vの化合物、すなわシクロペンタンヘプテン酸、5-シス-2-(3-αヒドロキシ-4-m-シクロフェノキシ-1-トランス-ブテニル)-3,5-ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]及びシクロペンタンメチルヘプテノアート-5-シス-2(3-αヒドロキシ-4-m-クロロフェノキシ-1-トランス-ブテニル)-3,5-ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]及びこの化合物の9-エステル及び/又は11-エステル及び/又は15-エステルである。(括弧内の番号表示はシクロペンタン環の位置を表す。)
【0039】
本発明の医薬組成物及び治療方法では下記新規化合物を使用することができる。
(1)シクロペンタンヘプテノール-5-シス-2-(3α-ヒドロキシ-5-フェニル-1-トランス-ペンテニル)-3,5-ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(2)シクロペンタンヘプテンアミド-5-シス-2-(3α-ヒドロキシ-5-フェニル-1-トランス-ペンテニル)-3,5-ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(3)シクロペンタンN,N-ジメチルヘプテンアミド-5-シス-2-(3α-ヒドロキシ-5-フェニル-1-トランス-ペンテニル)-3,5-ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(4)シクロペンタンヘプテニルメトキシド-5-シス-2-(3α-ヒドロキシ-5-フェニル-1-トランス- ペンテニル)-3,5-ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(5)シクロペンタンヘプテニルエトキシド-5-シス-2-(3α-ヒドロキシ-4-メタ-クロロフェノキシ-1-トランス-ペンテニル)-3,5-ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(6)シクロペンタンヘプテニルアミド-5-シス-2-(3α-ヒドロキシ-4-メタ-クロロフェノキシ-1-トランス-ペンテニル)-3,5-ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(7)シクロペンタンヘプテニルアミド-5-シス-2-(3α-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチルフェノキシ-1-トランス-ペンテニル)-3,5-ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(8)シクロペンタンN-イソプロピルヘプテンアミド-5-シス-2-(3α-ヒドロキシ-5-フェニル-1-トランス-ペンテニル)-3,5-ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(9)シクロペンタンN-エチルヘプテンアミド-5-シス-2-(3α-ヒドロキシ-5-フェニル-1-トランス- ペンテニル)-3,5-ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(10)シクロペンタンN-メチルヘプテンアミド-5-シス-2-(3α-ヒドロキシ-5-フェニル-1-トランス-ペンテニル)-3,5-ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(11)シクロペンタンヘプテノール-5-シス-2-(3α-ヒドロキシ-4-メタ-クロロフェノキシ-1-トランス-ブテニル)-3,5-ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(12)シクロペンタンヘプテンアミド-5-シス-2-(3α-ヒドロキシ-4-メタ-クロロフェノキシ-1-トランス-ブテニル)-3,5-ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(13)シクロペンタンヘプテノール-5-シス-2-(3α-ヒドロキシ-5-フェニル-1-トランス-ペンテニル)-3,5-ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
【0040】
医薬的に許容できる塩は、親化合物の活性を保持し、かつそれが投与される被験者に、またそれが投与される状況で如何なる有害又は望ましくない効果をも与えないいずれの塩でもある。該塩は、医薬的に許容できるカチオン、例えば、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン等と形成される当該塩である。
一実施形態では、ビマトプロスト成分は、シクロスポリン成分と併用した組成物の質量
の約0.01質量%〜約5質量%又は約10質量%又は約15質量%の量で存在する。企図されるビマトプロストの他の濃度は、0.1〜20%w/v、0.1〜10%w/v、0.1〜5%w/v、0.1〜1.0%w/v、0.09%〜0.1%w/v、0.08%〜0.1%w/v、0.07%〜0.1%w/v、0.06%〜0.1%w/v、0.05%〜0.1%w/v、0.04%〜0.1%w/v、0.03%〜0.1%w/v、0.02%〜0.1%w/v、0.01%〜0.1%w/v、0.01〜0.09%、0.01〜0.08%、0.01〜0.07%w/v、0.01〜0.06%w/v、0.01〜0.05%w/v、0.01〜0.04%w/v、0.01〜0.03%w/v、0.01〜0.02%w/v、0.01〜0.0125%w/v、最も好ましくは0.01〜0.05%又は0.01%w/v、0.0125%w/v、0.02%w/v、0.03%w/v、0.04%w/v、0.05%w/v、0.06%w/v、0.07%w/v、0.08%w/v、0.09%w/v又は0.1%w/v、0.2%w/v、0.3%w/vのビマトプロストである。しかしながら、ビマトプロスト成分の特定量の選択は、効力に関する要因並びに投与方法、ヒト又は動物のサイズや状態及び治療すべき状態のタイプや重症度などの医薬技術で周知の要因に従って行なうものとする。
【0041】
シクロスポリンの種々の列挙濃度をビマトプロストの種々の列挙濃度と組み合わせることができ、例えば、限定するものではないが、0.05%w/vのシクロスポリンと0.03%w/vのビマトプロスト、0.05%w/vのシクロスポリンと0.02%w/vのビマトプロスト、0.05%w/vのシクロスポリンと0.01%w/vのビマトプロスト、0.04%w/vのシクロスポリンと0.03%w/vのビマトプロスト、0.04%w/vのシクロスポリンと0.02%w/vのビマトプロスト、0.04%w/vのシクロスポリンと0.01%w/vのビマトプロスト、0.03%w/vのシクロスポリンと0.03%のビマトプロスト、0.03%w/vのシクロスポリンと0.02%w/vのビマトプロスト、0.03%w/vのシクロスポリンと0.01%w/vのビマトプロスト、0.02%w/vのシクロスポリンと0.03%w/vのビマトプロスト、0.02%w/vのシクロスポリンと0.02%w/vのビマトプロスト、0.02%w/vのシクロスポリンと0.01%w/vのビマトプロスト、0.01%w/vのシクロスポリンと0.03%w/vのビマトプロスト、0.01%w/vのシクロスポリンと0.02%w/vのビマトプロスト、0.01%w/vのシクロスポリンと0.01%w/vのビマトプロスト;本明細書に記載の賦形剤及びビヒクル、例えば、限定するものではないが、実施例1のビヒクルと組み合わせた0.01%w/vのシクロスポリンと0.01%w/vのビマトプロストが意図される。
【0042】
本発明を実施するのに有用な組成物又は製剤は、液体、懸濁液、エマルション、リバースエマルション、マイクロエマルション、半固体、溶液、分散系、カプセル、ゲル、ローション、クリーム、パッチ、フォーム、スプレー、ペースト、ポリッシュ等の形態であってよい。医薬製剤の当業者は、シクロスポリン成分とビマトプロスト成分を適切な形態、例えば本明細書に記載の形態で含む適切な組成物を、例えば、1種以上の医薬的に許容できる賦形剤、例えば同様の組成物で慣習的に使用される賦形剤を含めて製剤化することができる。
【0043】
C. 賦形剤
本発明の組成物に含まれる医薬的に許容できる賦形剤の具体例はオリーブ油、ラッカセイ油、ヒマシ油、鉱油、石油ゼリー、ジメチルスルホキシド、クレモホール(chremophor)、Miglyol 182(Dynamit Nobel Kay-Fries Chemical Company, Mont Vale, N.J.から商業的に入手可能)、アルコール(例えばエタノール、n-プロピルアルコール、又はイソプロピルアルコール)、リポソーム又はリポソーム様製品又はシリコーン液であってよい。好ましい賦形剤はジメチルスルホキシド及びオリーブ油である。いずれの適切な賦形剤の混合物も企図される。
本発明の組成物に含めてよい賦形剤の組合せには、限定するものではないが、エタノール:プロピレングリコール:水(60:20:20)がある。他の可能な賦形剤の組合せとしてETOH:脂質:及び水の組合せが挙げられる。種々の浸透剤/浸透エンハンサーを使用してよく、限定するものではないが、D-リモネン、Transcutol(登録商標)、Labrasol(登録商標)、シネオール、Cremophor RH-40、DMSO、オレイン酸、ミリスチン酸イソプロピル、プロピレングリコール、オキシブチニン及びモノラウラートが挙げられる。植物由来のもの、限定するものではないが、アロエベラ(これは前処置製品としても使用できる)
http://www.scribd.eom/doc/19139862/Aloe-VeraMiracle-Plant-Free Extract「アロエベラ」-The Magical Plant Amongst Us" by Dr. Reuben Titus(参照によってその内容をここに援用する)。
【0044】
組成物は、種々の界面活性剤を含むマイクロエマルション(水、油及び界面活性剤)の形態であってよく、界面活性剤としては、限定するものではないが、ラブラゾール(labrasol)、トランスクトール(transcutol)、大豆レシチン及びシネオールが挙げられる。特定の植物由来のものを使用してもよく、限定するものではないが、アロエベラがあり、これは前処置製品としても使用し得る。種々の非リン酸化脂肪酸油であってもよく、限定するものではないが、エミュー油その他インターネットウェブサイト「www.hairloss-research.org」(参照によって援用する)に記載のものがあり、また種々のポリフェノールであってもよく、限定するものではないが、ポリフェノール(緑茶に見られる)の主成分エピガロカテキン-3-ガラート(EGCG)が挙げられる。組成物に促進剤を含めてよく、8M-尿素及びジメチルスルホキシド(DMSO)が挙げられる。本発明のいくつかの実施形態は、下記賦形剤(これらは実際にはもっと清澄にするために必要である)を含めてよい。
【0045】
種々の賦形剤、例えば限定するものではないが、エタノール:プロピレングリコール:水(60:20:20)。他の可能な賦形剤として、限定するものではないが、ETOH:脂質:水の組合せが挙げられる。Grice et al. Relative Uptake of Minoxidil into Appendages and Stratum Corneum and Permeation through Human Skin In Vitro. J Pharm Sci 2010; Vol 99(参照によってその内容をここに援用する)。
【0046】
種々の浸透剤/浸透エンハンサー、例えば限定するものではないが、D-リモネンが挙げられる。Fang et al. In Vitro and in vivo evaluations of the efficacy and safety of skin permeation enhancers using flurbiprofen as a model drug. Int J Pharmaceutics 2003; 255:153-166(参照によってその内容をここに援用する)。
【0047】
種々のタイプのマイクロエマルション(水、油及び界面活性剤)、限定するものではないが、ラブラゾール、トランスクトール及びシネオールが挙げられる。Mura et al. Penetration enhancer-containing vesicles (PEVs) as carriers for cutaneous delivery of minoxidil. Int J Pharmaceutics 2009; 380: 72-79. Kreilgaard M et al. Influence of microemulsions of cutaneous drug delivery. Adv Drug Delivery Rev 2002; 1 : S77-S98. Verma DD et al. Treatment of alopecia areata in the DEBR model using Cyclosporin A lipid vesicles. EJD 2004; 14:332-8(全て、参照によってその内容をここに援用する)。
【0048】
種々の非リン酸化脂肪酸油、限定するものではないが、エミュー油(インターネットウェブサイトwww.hairloss-research..org.参照), Emu oil Hairloss and Frontal Regrowth, October 1 1th, 2010. Topical Emu Oil and Coconut Oil for Hair Loss- A Potent Combination July 15th, 2010(参照によってその内容をここに援用する)が挙げられる。
【0049】
種々のポリフェノール、限定するものではないが、ポリフェノール(緑茶に見られる)の主成分エピガロカテキン-3-ガラート(EGCG)が挙げられ、これは前処置溶液としても使用できる(インターネットウェブサイトwww. hairloss-research .org参照),Green Tea Consumption Grows Hair. Protects Against UV Radiation in Animal Models, June 24th, 2010(参照によってその内容をここに援用する)。
種々のナノ構造脂質担体、限定するものではないが、大豆レシチンが挙げられる。
http://www.cosmeticsdesign.corn/Formulation-Science/Nano-carriers-enhance-skin-penetration-and-antioxidant-effect-of-CoQlO Nano carriers enhance skin penetration and antioxidant effect of CoQIO, Katie Bird , 08-Apr-2010(参照によってその内容をここに援用する)。
【0050】
種々の促進剤、限定するものではないが、8M-尿素及びジメルスルホキシド(DMSO)が挙げられる。MECHANISM OF ACTION OF ACCELERANTS ON SKIN PENETRATION,.C. ALLENBY, N.H. CREASEN, J.A.G. EDGINTON, J.A. FLETCHER, and C. SCHOCK 最初にオンラインで公表された論文:29 JUL 2006 DOI:10.1111365-2133. 1969.tb 16061.x Issue British Journal of Dermatology Volume 81. pages 47-55, August 1969(参照によってその内容全体をここに援用する)。
【0051】
種々の遊離塩基及び酸付加塩形。Skin penetration enhancement using free base and acid addition salt combination of active agents. 米国特許第4888354号(参照によってその内容をここに援用する)。
【0052】
D. 前処置様式
種々の前処置様式を利用して本発明の効力を改善するか又は活性化合物の頭皮への浸透を高めることができる。これには、皮膚/頭皮の温度を変えることが含まれ、限定するものではないが、治療すべき部位の前処置温度を高めることが挙げられる。種々の形態の皮膚/頭皮の刺激を利用することもでき、限定するものではないが、機械的刺激、振動及びマッサージが挙げられる。音波を利用してもよく、限定するものではないが、低周波ソノフォレーシス(超音波)が挙げられる。これを送達装置に組み入れることができ、例えば「ロールオン」型のアプリケーターは内臓式超音波装置を有し得る。種々の形態の電子刺激があり、限定するものではないが、ソノフォレーシス/超音波及びイオントフォレーシス(例えばイオントフォレーシス型の製品であるPower Paper)が挙げられる。
【0053】
E. アプリケーター
本発明の組成物を種々のタイプのアプリケーターで治療部位に適用してよく、限定するものではないが、スプレーポンプボトル、エアロゾルボトル及び「ロールオン」制汗剤アプリケーターと同様のロールオン装置が挙げられる。シャンプー又はコンディショナー及び他の前処置製品によって組成物を適用してもよく、シャンプー/コンディショニング/前処置プロセスに続く活性薬が可能な最大度で頭皮に浸透できるようにする。また、限定するものではないが、ケトコナゾールを含むシャンプー等の活性医薬品を含む薬用シャンプーも含まれる。ニゾラール(ケトコナゾール)として知られるシャンプーは、頭皮におけるDHTの作用を遮断し、脱毛を防止することができる。DHTはテストステロン代謝物であり、脱毛を引き起こすと考えられている。
【実施例】
【0054】
実施例I
げっ歯動物の剪毛背中に対するビマトプロスト(「Bpst」)とシクロスポリンA(「CsA」)の浸透による毛髪成長の迅速な誘発
目的
この非GLP研究の目的は、最初の20日間は毎日、そして日40まで一日おきに10回シクロスポリンA及びビマトプロストの単剤療法及び併用療法後の雄性C57BL6マウスについて毛髪の再成長を写真システムを用いて評価することである。40日間毎日皮膚の耐性(皮膚炎)を検出するために観察した皮膚の色素沈着(毛包周期に関する)及び皮膚刺激の証拠書類をも評価する。マウスの体重を毎週記録して健康及び外観をモニターする。インターロイキン-2(IL-2)の血清レベルについてHPLC-MSを用いて化合物の薬物動態をELISAで判定するために血漿を採取する。日40に組織を採取して、組織学的評価により毛包周期(成長期、休止期、退行期)を判定する。
【0055】
用量調製
試験品を研究の最初に一度調製し、10%w/vのEtOH、2%w/vのプロピレングリコール、0.75%w/vのカルボキシメチルセルロース、PBS(又はddw、pH調整)のビヒクル中で調製する。シクロスポリンAは、群2、4、5、7、及び8それぞれについて0.05%(wt/v)、0.1%(wt/v)、及び1%(wt/v)で調製する。ビマトプロストは、用量群3、4、6、7、及び8それぞれについて0.03%(wt/v)、0.3%(wt/v)、及び3%(wt/v)で調製する。
スポンサーの安定性情報に基づいて、用量溶液を研究の最初に一度調製し、投与前は2〜8℃で貯蔵する。ボトルをアルミニウム箔で包んで、試験品を光にさらさないようにする。
【0056】
試験システム及び畜産
一般
種:マウス
株:C57BL/6NCrlBR
性別:雄性
源:Charles River
初期体重:20〜30g
週齢:7週
数:120
識別:ケージカード及び/又は耳標
順化:≧7日
【0057】
試験システム使用の正当化
この研究でマウスを使用することの正当化は、動物試験はヒトの新薬の試験に適切かつ倫理的な必要条件であり、また非臨床動物モデルから得られるデータはヒトにおける試験材料の挙動と関連があるという前提に基づいている。in vivoで起こる複雑な相互作用のため、in vitroシステムは化合物のin vivo活性の評価に十分な評価を提供しない(NIH, 1993)。種々多様な薬理学的及び毒物学的(環境を含め)因子の非臨床挙動(例えば、薬理、毒性及び薬物動態)を広範に評価するためにマウスを使用した。この研究で使用する動物の数は、科学的に意義深い結果のために十分なほどのサンプルを与えるであろう。
【0058】
畜産
飼育及び強化(Enrichment):Pacific BioLabsの動物畜産SOPに従って良い健康を維持かつモニターする。順化中は、吸収剤、寝具シェービングを含むポリカルボナート製のげっ歯動物ボックス内で動物を集団飼育する。研究中は、吸収剤、寝具シェービングを含むげっ歯動物ボックス内で動物を個々に飼育する。
順化期間:研究開始前少なくとも7日間、研究下に置く動物を試験施設に順化させる。順化中は健康観察を定期的に行なって研究に対する受容性を確保し;研究責任者の裁量で動物を研究下に置く。
環境:20〜26℃、50±20%の湿度、及び12時間の明/暗周期で制御した環境で動物を維持する。12時間の照明周期を中断して研究手順を適応させてよい。1時間当たり少なくとも10回部屋の換気を行なう部屋で動物を維持する。Pacific BioLabsで動物飼育場施設記録をファイルしておく。
食事制限及び給餌:用量投与について別に規定する場合を除き、動物は自由に認可された食餌(Laboratory Rodent Diet等)を受ける。食物の分析は製造業者によって提供され、分析の代表的報告はPacific BioLabsに保存される。この研究の行為を妨げることが予想されるレベルでは食餌材料に未知の汚染物質は存在しない。
飲料水:全ての動物は自由に水ボトル及びシッパー(sipper)チューブにより新鮮な飲用水を入手可能である。水は地方公共事業によって供給され、汚染物質の可能性についてPacific BioLabsにより1年に2回分析され;水分析の結果はPacific BioLabsに保存される。この研究の行為を妨げることが予想されるレベルでは水に未知の汚染物質は存在しない。
識別:動物はケージカード及び/又は耳標により識別される。
【0059】
動物福祉
保険の総論:この研究は、動物福祉法規則の最終規則(Final Rules of the Animal Welfare Act regulations)(9 CFR)、実験動物の人道的管理と使用に関する規範(Public Health Service Policy on Humane Care and Use of Laboratory Animals)、実験動物の管理と使用に関する指針(Guide for the Care and Use of Laboratory Animals)の全ての適用すべきセクションに従う。飼育、給餌、及び非医学的管理を含めた動物の生活条件は、その種に適し、それらの健康と快適さに寄与し、かつUSDA動物福祉法(Animal Welfare Act)及び実験動物資源協会(Institute of Laboratory Animal Resources)、国立科学アカデミー(National Academy of Sciences)によって整備された現在の実験動物の管理と使用に関する指針に示されている基準から逸脱しない。この研究で用いる手順は、動物福祉法[PBL ACUP 17-C09]に従うPacific BioLabs研究機関の動物管理使用委員会(Institutional Animal Care and Use Committee )(IACUC)によって審査及び認可された。
【0060】
獣医学手順として科学的に正当化又は要求されない限り、回復できる複数の主要手技以外には動物を使用しない。麻酔が適切でない場合は麻酔薬を使用しない。
獣医学的ケア:研究の目的は、痛み又は苦悩といった動物への副作用を含め、試験品の薬理学的及び毒物学的挙動を確立することである。研究責任者は文献を精査した。そして痛み又は苦悩を回避する代替試験は現在利用できない。従って、痛みが重症(又は慢性)でないか或いはそうでなくても動物が瀕死でない限り、緩和ケアの保留が正当化される。
研究の間中ずっと獣医学的ケアをが利用可能であり、重度の苦痛が見られる動物を顧問獣医の裁量で治療して痛み及び苦しみを軽減してよい。該治療は研究ファイル及び最終報告に記録され、スポンサーに追加の獣医学的ケアが通知される。顧問獣医及び研究責任者の裁量で重度の苦痛状態又は瀕死の動物を安楽死させてよい。可能ならば、安楽死させる前にスポンサーに相談する。動物を安楽死させるつもりの最終手順はPacific BioLabs SOPsによって記載されているように適切な麻酔下で行なわれる。
研究から除外した動物を戻すことが研究行為に悪影響を与えない場合、研究責任者の裁量で戻してよい。
【0061】
試験手順
実験設計
動物は、表1に要約する試験品の局所適用を毎日受ける。用量を雄性C57BL/6マウスに投与し、マウスは1群当たり12匹、40日間全部で8つの処置群である。
【0062】
表1. 群指定及び投与レベル
【0063】
群割当
明らかな先入観なしであるが、ランダム化でなく、研究責任者が動物を処置群に割り当てる。
用量投与
全ての動物を耳の付け根から尾の付け根まで剪毛し;皮膚を擦傷させないように注意する。処置開始前日に色素沈着について皮膚を評価する。毎週、全ての動物を秤量する。局所適用として用量を毎日投与する。
生存中の観察
体重測定
毎週(日1、7、14、21、28、36、40)体重を測定して記録する。
瀕死/死亡率
一般的な罹患率及び死亡率チェック(例えば、ケージサイド観察)を1日1回行なう。
臨床観察
投与後毎日、臨床観察を行なう。観察すべき特徴には、動物の健康及び挙動の一般的状況が含まれる。
【0064】
他の測定
研究の最初の20日間は毎日、それから研究の終わりまで1日おきにマウスの鼻の先端から尾の付け根までの写真を撮る。さらに、各マウスにラベル(ケージカード及び尾に)を付け、各群を色分けする。研究日1に、マウスをイソフルオラン(Isofluorane)で麻酔し、各マウスの背中の皮膚をつかみ、皮膚を傷つけないように慎重に電子クリッパーで剪毛する。毛髪除去は耳の付け根から尾の付け根まで伸長する。皮膚の色を4点スケール(P-1:淡いピンク色(休止期)、P-2:暗いピンク色、P-3:明るい灰色、P-4:暗い灰色/黒色(成長期))で評価し、剪毛後に写真を撮る。皮膚は周期の休止期のため淡いピンク色に見えるはずである(注:皮膚が淡いピンク色より暗い場合は動物を使用しない)。写真をダウンロードし、コンピューター及び/又はメモリースティックに保存する。日1の時点で、処置を施す前に組織学研究のために3匹のげっ歯動物を屠殺する。
日39に、薬物動態分析のため各処置群の6匹の動物から700μlの血液を末端心臓穿刺により採取する。ナトリウムヘパリンを含むグリーントップチューブに700μlの血液を分注し、15分間2500gで遠心分離して血漿を集める。血漿をマイクロチューブに移して-70℃で貯蔵する。各処置群の3匹の動物からさらに700μlの血液を心臓穿刺により採取し、血清分離チューブに移して15分間2500gで遠心分離してIL-2分析用の血清を集める。血清を新鮮なチューブに移して分析まで-70℃で貯蔵する。
日40に、3匹のマウス/処置群をCO2窒息により屠殺し、処置部位から皮膚を切除し、皮膚を10%中性緩衝ホルマリン内で固定する。
【0065】
表2. 研究活動及びタイムテーブル
【0066】
最終観察
死後検査
早死:死体で発見された動物は肉眼剖検に供しない;死体で発見された動物からは病理組織診断のために器官及び組織を採取しない。
予定された死:予定された終了時には動物を肉眼剖検に供しない;これらの動物の処置部位からの皮膚を病理組織診断のために採取する。
安楽死:動物をCO2で安楽死させる。
病理組織診断
日40に3匹の動物/群の処置部位からの皮膚をその後の組織学的評価のために採取し、10%中性緩衝ホルマリン内で固定する。
採取時点
日39に研究動物(6匹/群)から薬物動態サンプルを得る。末端心臓穿刺により動物から血液(700μl)を採取してカリウムEDTAチューブに移し、15分間2500gで遠心分離し、血漿を新鮮なチューブに移す。血漿サンプルを-70℃で貯蔵し、いずれの分析もスポンサーの責任である。
日39に研究動物(3匹/群)からIL-2分析用の薬理学的サンプルを得る。末端心臓穿刺により動物から血液(700μl)を採取し、血清分離チューブに移し、2500gで遠心分離し、血清を新鮮なチューブに移して-60℃〜-80℃で貯蔵する。血清サンプルの分析はスポンサーの責任である。
【0067】
採取及び処理
麻酔した動物から末端心臓穿刺により血液サンプルを、薬物動態分析用には抗凝血剤としてカリウムEDTAを含む適切なサイズのチューブに、又はIL-2分析用には血清分離チューブに採取する。約2800rpmで遠心分離するまでサンプルを湿った氷上で室温にて約15分間維持する。血漿を分離して-60〜-80℃で貯蔵する。
バイオアナリシス
試験品血漿濃度のバイオアナリシスはスポンサーの責任であり、バイオアナリシス結果は最終報告に含まれない。血清由来IL-2濃度のバイオアナリシスはスポンサーの責任であり、最終報告に含まれない。
【0068】
データ収集及び分析
この研究で用いた主コンピューターソフトウェアシステムには、限定するものではないが、Microsoft Excel(登録商標)、Microsoft Word(登録商標)、及び研究室環境制御用のRees Scientific Environmental Monitoring System(登録商標)がある。
記述統計学
記述統計学(平均値、標準偏差、及び反復実験数)を全ての測定データについて提示し、要約表に示す。Microsoft Excel(登録商標)で記述統計学を計算する。
【0069】
結果
研究の終点(日40)でない日13に、表1の群の毛髪成長を図1に示すように評価した。前述したように、8週齢の雄性C57BL/6マウスの背面を剪毛して毛髪を除去し、皮膚色素沈着を休止期(ピンク色)又は成長期(暗灰色)の指標として皮膚をスコア化した。剪毛後の日1にピンク色皮膚(休止期)のマウスのみを研究に含めた。10%エタノール、2%プロピレングリコール、0.75%カルボキシメチルセルロース、及び蒸留した脱イオン水のビヒクル(pHを7.4に調整した)中、200μlのビヒクル、CsA(0.05%、0.1%、及び1%)のみ及びBpst(0.03%、0.3%、及び3%)と併用、又はビマトプロストのみ(0.03%、0.3%)のどれかを毎日マウスに局所投与した。日13に、イソフルランでマウスを麻酔し、コピースタンドに搭載されたNikon D90デジタルカメラで各マウスについて投与部位の写真を毎日撮った。左上から右及び下へ(群1動物5、コントロール)、(群2動物15、0.05%CsA)、(群3動物35、0.03%Bpst)、(群4動物38、0.05%CsA/0.03%Bpst)、(群5動物52、0.1%CsA)、(群6動物65、0.3%Bpst)、(群7動物84、0.1%CsA/0.3%Bpst)、(群8、動物92、1%CsA/3%Bpst)。図1にこれらの写真を示す。
【0070】
図2は、各マウスの背側の剪毛部位を取り囲むようにImage Jソフトウェアを用いて矩形(852×436の任意単位)を生成したことを示す。皮膚の暗色化及び毛髪の再成長の指標としてImage Jソフトウェアを用いて矩形部位の平均灰色値を測定した。*はMicrosoft Excelソフトウェアを用いるtテスト分析によるp<0.05対コントロールを示す。#はMicrosoft Excelソフトウェアを用いるtテスト分析によるp<0.05対0.03%ビマトプロストのみを示す。N=12/群±S.E.M.。0.05%CsAと0.03%Bpstの併用は、コントロール処置マウスより46%及び0.05%CsAのみより3%皮膚の暗色化及び毛髪の再成長を刺激することによってコントロール及び0.05%CsA処置群を超える優位性を実証した。0.05%及び0.1%のCsAのみは、それぞれコントロールより42%及び45%だけ皮膚の暗色化及び毛髪の再成長を増やした。0.05%CsAと0.03%ビマトプロストの併用は、0.1%CsAのみ処置群より0.4%だけ皮膚の暗色化及び毛髪の再成長を増やした。0.05%CsA/0.03%Bpst群は、研究の日13に、0.03%ビマトプロストのみより73%だけ皮膚の暗色化及び毛髪の再成長を刺激することによって0.03%ビマトプロストのみを超える優位性を実証した。
【0071】
実施例II
目的/仮説:シクロスポリンA(「CsA」)とビマトプロスト(「Bpst」)の併用は、薄毛並びに貧毛症の原因となる状態の患者の頭皮上で毛髪成長の長さを増強するのに安全かつ有効な処置であると実証すること。
一次転帰尺度:
薄髪並びに貧毛症の原因となる状態の患者の頭皮の貧毛症の治療のためのシクロスポリンA及びビマトプロストの単剤及び併用療法の浸透を決定すること。
二次転帰尺度:
処置群間の毛髪成長の長さ、濃さ、及び量の比較:
1)ベースラインと、シクロスポリンA及びビマトプロストの単剤及び併用療法の適用後との毛髪成長の長さの変化を決定すること;
2)血清の分析、特に臨床検査により測定されるクレアチニンレベル、甲状腺ホルモンレベル並びに免疫細胞、例えばT細胞及びインターロイキンの数によってシクロスポリンAの安全性を判定すること;
3)血圧計カフにより測定される血圧をモニターすることによってシクロスポリンAの安全性を判定すること;及び、
4)Canfield写真を用いてAOIソフトウェアで測定したところ薬物にさらされた皮膚の色素沈着又は皮膚の皮膚炎の変化の観察によってビマトプロストの安全性を判定すること。
【0072】
脱毛は、質問票評価並びに頭髪の観察により行われ、頭皮の≧1.25平方cm(1平方インチ)の毛髪が薄くなるか又は毛髪がない場合に脱毛と判定する。毛包は活性であると判定されなければならない。初期評価では、各患者は質問票に記入し、インフォームドコンセントにサインし、採血してもらう。選択された患者は、日0に治療前の頭皮患部の写真を撮ってもらう。
【0073】
10人の患者の4群を評価する(合計n=40)。4群の患者は、1)0.05%CsA(Restasis(登録商標))のみ(C0);2)0.03%Bpst(Latisse(登録商標))のみ(B0); 3)0.05%CsA及び0.03%Bpst製剤(CB1);並びに4)0.1%CsA及び0.3%Bpst製剤(CB2)の製剤(ビヒクルは蒸留した脱イオン水中に約10%w/vのエタノール、約2%w/vのプロピレングリコール、0.75%w/vのカルボキシメチルセルロースを有し、pHを7.4に調整してあり、さらに必要に応じて浸透エンハンサー及び/又は保存剤を含んでよい)を適用される。「約」は、FDA又はEMEA等の規制当局が生物学的同等性であると理解する、活性剤又は賦形剤の濃度の差異を表す。
【0074】
全ての患者は、朝晩のどちらかに自分の頭皮を洗って乾燥させた後、頭皮の治療部位に製品を毎晩1回単処置する(qhs)。処置は頭皮に少なくとも8時間留まるべきである。患者は、毛髪成長及びいずれの有害事象にも関する週間記入項目のある日記をつける。治験の初日(日0)、2週間後に来院し、その後6カ月の間毎月来院する。合計8回の来院が必要であり、各来院時に、治療部位の写真をAOIソフトウェアで撮る。これは、Canfield写真を用いてAOIソフトウェアで測定したところ、明らかに成長を示す1cm2当たりの患部のパーセントで計算される。日0及び月6には、血圧計カフによる血圧の評価及び採血後に血液の臨床検査を行ない、クレアチニン及び甲状腺レベル、並びにT細胞及びインターロイキンの免疫細胞数に注意する。
【0075】
被験者の特徴(組み入れ基準):
1)被験者はインフォームドコンセントを書かなければならず、かつ健康情報の公開及び使用を認可しなければならない;
2)男性及び女性患者は、研究調査員によって決定されるようにパッチを用いて又は頭皮全体にわたって脱毛又は薄毛の診断をしてもらわなければならない;
3)男性及び女性患者の年齢≧18歳〜65歳まで;及び
4)被験者は、現地の検査室で測定したところ、正常下限のCD4+ Tリンパ球数を持たなければならない。
【0076】
被験者の特徴(除外基準):
1)自己免疫障害、免疫抑制又は免疫無防備状態の根拠;
2)異常なTリンパ球数及び/又は肝機能試験又は血清ヘモグロビン;
3)妊娠又は授乳中の女性;
4)高血圧症、降圧薬投与を受けているか又は不安定な心血管疾患;
5)IOP低減薬投与;
6)現在ステロイド薬若しくはステロイド誘導体、又はホルモン補充療法を受けている;
7)男性型脱毛症の病歴;
8)抜毛癖(tricotillomania)の病歴又は毛包が損傷した患者;及び、
9)調査員が判定したところ、本研究での登録に禁忌となる他の不特定の理由。
【0077】
統計解析計画:
最初に、被験者間因子として患者、前処置(ビマトプロスト又はプラセボ)、及び処置(シクロスポリン又はプラセボ)を用いる3元ANOVAを利用して一次及び二次転帰尺度を決定する。引き続き2元ANOVAを用いる分散分析を利用して患者群内の前処置及び処置の効果を決定する。前処置又は処置の主要効果、又は相互作用効果がある場合、ボンフェローニ補正(Bonferroni correction)を用いる事後解析を利用してこれらの効果の起源を決定する。0.05のp値は有意である。
結果は、シクロスポリンとビマトプロストのみの併用製剤が薄毛の患者又は多毛症若しくは他の脱毛障害に苦しむ患者の毛髪成長の増強に優れることを実証するであろう。
【0078】
実施例III
円形脱毛症を患う47歳のコーカサス人男性に60日の期間、0.03%/0.05%w/vビマトプロスト/シクロスポリンA溶液を彼の頭皮に1日2回(朝1回及び夜1回)該溶液をアプリケーターで塗布することによって適用する。週に1回Canfield写真を用いてAOIソフトウェアで測定したところ、明らかに成長を示す1cm2当たりの患部のパーセントを計算することによって毛髪成長を測定する。0.03%/0.05%w/vビマトプロスト/シクロスポリンA溶液の1日2回の適用の60日後、毛髪成長の27%増加が測定されるであろう。
【0079】
実施例IV
薄毛の35歳のコーカサス人女性に90日の期間、0.03%/0.05%w/vビマトプロスト/シクロスポリンAエマルションを彼女の毛髪に1日1回ロールオンアプリケーターで適用する。毎週Canfield写真を用いてAOIソフトウェアで測定したところ、明らかに成長を示す1cm2当たりの患部のパーセントを計算することによって毛髪成長を測定する。0.03%/0.05%w/vビマトプロスト/シクロスポリンA溶液の毎日適用の90日後、毛髪成長及び充満の31%増加が測定されるであろう。
【0080】
実施例V
円形脱毛症及び薄い眉毛の57歳のアフリカ系アメリカ人女性に90日の期間、0.1%/0.3%のビマトプロスト/シクロスポリンAフォームを彼女の頭皮と眉毛に1日2回(朝1回及び夜1回)適用する。治療部位の温度を高めるために温めた湿潤タオルで皮膚を前処置した後にフォームを適用して15分間皮膚上にフォームを留まらせる。0.1%/0.3%のビマトプロスト/シクロスポリンAフォームの90日の適用後、AOIソフトウェア及びCanfield写真を用いて頭皮については毛髪成長の26%増加が観察され、眉毛成長の21%の増加が観察されるであろう。
【0081】
実施例VI
男性型脱毛症及び円形脱毛症を患う27歳のヒスパニック系の男性に120日の期間1日1回0.2%/0.4%w/vビマトプロスト/シクロスポリンAゲルを彼の頭皮に適用する。ゲルを頭皮に適用して乾燥させる。毎週、Canfield写真を用いてAOIソフトウェアで測定したところ、明らかに成長を示す1cm2当たりの患部のパーセントを計算することによって毛髪成長を測定する。0.2%/0.4%w/vビマトプロスト/シクロスポリンAゲルの毎日の適用の120日後、毛髪成長の24%増加が測定されるであろう。
【0082】
実施例VII
化学療法後の薄毛及び薄い眉毛を訴えている中東の18歳の女性は、彼女の頭皮と眉毛に特定の前処置シャンプーを使用する(このシャンプーは、シャンプー処置に続く化合物が毛包に高度に浸透できるようにする)。患者は90日間就寝前に0.3%/0.01%w/vビマトプロスト/シクロスポリン溶液を彼女の毛髪と眉毛に噴霧する。毎週、Canfield写真を用いてAOIソフトウェアで測定したところ、明らかに成長を示す1cm2当たりの患部のパーセントを計算することによって毛髪成長を測定する。0.2%/0.4%w/vビマトプロスト/シクロスポリンA溶液の毎日適用の120日後、頭皮成長及び眉毛成長の31%増加が測定されるであろう。
【0083】
実施例VIII
頭皮全体にわたる広汎性の薄毛に悩む58歳の閉経後の女性に、0.3%/0.5%w/vビマトプロスト/シクロスポリンの併用溶液を含浸させたイオントフォレーシス(iontorphoresis)パッチを夜、広汎性薄毛部位の上に適用する(特定期間)。毎週、Canfield写真を用いてAOIソフトウェアで測定したところ、明らかに成長を示す1cm2当たりの患部のパーセントを計算することによって毛髪成長を測定する。含浸イオントフォレーシスパッチ0.3%/0.5%w/vビマトプロスト/シクロスポリンA溶液の夜適用の60日後、頭皮成長の41%増加が測定されるであろう。
【0084】
実施例IX
広汎性脱毛に悩む25歳のアジア人男性は、90日の期間、特別に処方されたコンディショナーを使用する。このコンディショナーは、その後にロールオンアプリケーターで1日1回彼の毛髪に適用される0.3%/0.5%w/vビマトプロスト/シクロスポリンAエマルションによってビマトプロスト/シクロスポリン製剤がより良く毛包浸透できるように設計される。毎週、Canfield写真を用いてAOIソフトウェアで測定したところ、明らかに成長を示す1cm2当たりの患部のパーセントを計算することによって毛髪成長を測定する。0.3%/0.5%w/vビマトプロスト/シクロスポリンAエマルションの毎日適用の90日後、毛髪成長及び充満の38%増加が測定されるであろう。
【0085】
実施例X
出産後6週間の34歳のラテン系女性は、双生児の分娩後に斑点状の脱毛に苦しむ。この患者は毎晩彼女の毛髪をシャンプー及びコンディショニングする(使用するシャンプーとコンディショナーは、シャンプー/コンディショナーの組合せに続く製品/化合物がより高度に吸収されるようにする)。次に彼女は120日の期間毎晩1回種々の浸透剤並びに0.2%/0.4%w/vビマトプロスト/シクロスポリンAを含むゲルを彼女の毛髪に適用する。ゲルを頭皮に適用して乾燥させる。毎週、Canfield写真を用いてAOIソフトウェアで測定したところ、明らかに成長を示す1cm2当たりの患部のパーセントを計算することによって毛髪成長を測定する。0.2%/0.4%w/vビマトプロスト/シクロスポリンAのゲルの毎日適用の120日後、毛髪成長の36%増加が測定されるであろう。
【0086】
実施例XI
全頭脱毛症に悩む32歳のコーカサス人男性は、120日の期間、朝1回及び夜1回彼の頭皮に0.1%/0.3%のビマトプロスト/シクロスポリンAフォームを適用する。皮膚の前処置(この種の前処置レジメン(regiment)に続く化合物を吸収する能力を高めるため温めた振動装置を用いて)後にフォームを頭皮全体に適用して15分間残存させる。0.1%/0.3%のビマトプロスト/シクロスポリンAフォームの適用90日後、頭皮で持続性毛髪成長が起こることが分かるであろう。これは、AOIソフトウェア及びCanfield写真を利用することで実証される。さらに、上記レジメンを使用しない普通の固体の割合の2倍毛髪成長が起こることが実証される。
図2
図1